JP3400514B2 - 回路板の処理方法 - Google Patents

回路板の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層プリント配線板の
製造に使用される内層用の回路板の処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板は、片面乃至両面に
銅箔等からなる回路を設けた内層用の回路板を成形した
後、この内層用の回路板にプリプレグを介して外層用回
路板もしくは銅箔を重ね、これを二次積層成形して一体
化することによって製造されるのが一般的である。この
多層プリント配線板にあっては、特に内層用の回路板に
形成された銅回路と外層用回路板もしくは銅箔を積層さ
せるプリプレグの絶縁接着樹脂との間の接着性を確保す
ることが必要である。
【0003】そこで従来から種々の方法で銅回路と樹脂
との接着性を高めることが検討されており、例えば銅回
路を酸化処理することによってその表面に酸化第二銅
(CuO)の被膜を形成する、いわゆる黒化処理が一般
になされている。銅を酸化処理して得られる酸化第二銅
の被膜の表面には微細な突起が形成されることになり、
この微細な突起による凹凸によって銅回路の表面は粗面
状を呈し、その投錨効果によって銅回路とプリプレグの
絶縁接着樹脂との間の接着性を高めることができるので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし近年、回路の微
細化と共に絶縁接着樹脂の層が極薄化しており、二次積
層成形をおこなう際に内層用回路板の銅回路間にプリプ
レグの樹脂が十分に行き届かない現象が発生している。
そしてこのように内層用回路板の銅回路間に樹脂が十分
に行き届かずボイドが残存すると、多層プリント配線板
を半田処理するときにフクレが発生して絶縁劣化を引き
起こすおそれがあり、このような半田耐熱性に問題が生
じるものであった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、半田耐熱性を高めることができる回路板の処理方
法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明に係る回路板の処
理方法は、回路板に設けた銅回路の表面を酸化処理し、
この後に銅回路の表面をSi(OCmn4又はTi
(OCmn4〔但し、mは0以上の整数、nは1以上
の整数〕の一般化学式で示される表面処理剤で処理し、
次にこの表面処理剤を155℃以上の温度で焼き付ける
ことを特徴とするものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。内層用回
路板として用いられる回路板としては、銅箔を張った銅
張ガラスエポキシ樹脂積層板、銅張ガラスポリイミド樹
脂積層板などの銅箔をエッチング処理等することによっ
て、片面もしくは両面に銅回路を設けて作成したものを
使用することができるが、その他、積層板に化学メッキ
や電気メッキで銅回路を片面もしくは両面に形成したも
のなどを使用することもできる。
【0008】そしてまずこの回路板の銅回路の表面を粗
面化処理するのが好ましい。粗面化処理はバフ研摩、ソ
フトエッチング等による化学薬品処理、電解処理、液体
ホーニング等によっておこなうことができ、これらを組
み合わせておこなうことができる。この粗面化処理は回
路板に銅回路を形成した後におこなうほかに、回路形成
前の銅箔におこなうようにすることもできる。
【0009】このように回路板の銅回路を粗面化処理し
た後、この銅回路の表面を酸化処理(黒化処理)する。
酸化処理は従来から汎用されている方法でおこなうこと
ができるものであり、例えば、過硫酸カリウムを含むア
ルカリ溶液や、次亜塩素酸ナトリウムを含むアルカリ溶
液など、酸化剤を含むアルカリ溶液を用いて、この溶液
に回路板を浸漬したり、回路板の表面にこの溶液をスプ
レーしたりしておこなうことができる。銅回路を酸化処
理することによってその表面に微細な突起が生成された
酸化第二銅(CuO)の被膜を形成し、この微細な突起
による凹凸によって銅回路の表面を粗面化することがで
きるのである。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】そして回路板の銅回路を酸化処理した後、
銅回路の表面をSi(OCm n 4 又はTi(OCm
n 4 の一般化学式で示される表面処理剤で処理す
る。ここで、mは0以上の整数、nは1以上の整数を示
すものであり、mとnの数値の上限は特に設定されない
が、このシラン化合物やチタン化合物の(OCm n
がOH基である場合かあるいは、(OCm n )中のC
m n が脂肪族飽和炭化水素基や脂肪族不飽和炭化水素
基である場合が一般的である。従って例えば、C m n
が脂肪族飽和炭化水素基の場合はn=2m+1、Cm
n が二重結合一つの脂肪族不飽和炭化水素基の場合はn
=2m−1の関係になる。本発明で用いて好ましいSi
(OCm n 4 やTi(OCm n 4 を例示する
と、Si(OCH3 4 、Si(OC2 5 4 、Si
(OC3 7 4 、Si(OC4 94 、Ti(OC
3 4 、Ti(OC2 5 4 、Ti(OC3 7
4 、Ti(OC4 9 4 等である。勿論これらのみに
限定されるものではない。
【0022】上記表面処理剤は、水や、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、ブタノール等の溶媒に希釈して
表面処理剤液として用いられる。またこの表面処理剤液
中の表面処理剤の濃度は、特に限定されるものではない
が、銅回路の表面に十分な量の表面処理剤を付着させる
ために5重量%以上の濃度であることが好ましい。表面
処理剤の濃度に特に上限はなく、取扱い易い範囲で適宜
設定すればよい。さらに表面処理剤液には、表面処理剤
の加水分解を促進するために少量の酢酸や塩酸等の酸を
添加することもできる。
【0023】そして回路板の銅回路の表面を表面処理剤
で処理するにあたっては、表面処理剤液に回路板を浸漬
したり、回路板の表面に表面処理剤液をスプレーしたり
して、銅回路の表面に表面処理剤を塗布することによっ
ておこなうことができる。銅回路の表面に対する表面処
理剤の処理量は、回路板への表面処理剤の付着量が両面
合計で0.5g/m2 以上、つまり1m2 単位当たりの
回路板の表裏両面の合計量が0.5g以上になるように
するのが好ましい。回路板への表面処理剤の付着量が両
面合計で0.5g/m2 未満であると、銅回路の表面の
表面処理剤による処理が不充分になり、表面処理剤によ
る接着性の向上の効果を十分に得ることができなくなる
おそれがある。またこのように回路板への表面処理剤の
付着量が両面合計で0.5g/m2 以上になるようにす
ることによって、スルーホールをドリルで加工する際の
衝撃を緩和することができ、ドリル加工の際に銅回路と
エポキシ樹脂の界面での剥離が発生することを防ぐこと
ができるものである。表面処理剤の付着量に特に上限は
なく、実用的な範囲で適宜設定すればよい。尚、上記表
面処理剤の付着量は、表面処理剤による処理をおこなっ
た回路板を170℃で90分間焼き付けした後の回路板
の重量から、表面処理剤による処理をおこなう前の回路
板の重量を差し引いた値として算出されるものである。
【0024】上記のようにして銅回路の表面をSi(O
m n 4 又はTi(OCm n4 の表面処理剤で
処理した後、155℃以上の温度で表面処理剤を加熱し
て焼き付け処理をおこなう。このように表面処理剤を1
55℃以上の温度で加熱して焼き付けることによって、
表面処理剤の脱水縮合が進み、銅回路の表面の表面処理
剤の被膜が強固になり、表面処理剤による銅回路とプリ
プレグの樹脂との接着性の向上の効果を高めることがで
きるものである。焼き付け温度が155℃未満である
と、長時間焼き付けても強固な被膜を形成することがで
きず、焼き付けによる接着性の向上の効果は期待するこ
とができない。また焼き付け温度の上限は特に設定され
ないが、表面処理剤の分解温度を超えない温度に設定す
る必要がある。さらに、焼き付けの時間は特に限定され
ないが、回路板が炭化するなどの著しい劣化が生じるこ
とのない温度と時間に調整する必要があり、5〜180
分間程度が好ましい。焼き付けの方法は、回路板の表面
を加熱できる方法であれば何でもよく、例えば回路板を
155℃以上の温度に調整したオーブンに入れることに
よっておこなうことができる。
【0025】上記のようにして銅回路の表面を表面処理
剤で処理するに先立って、銅回路の表面を酸化処理した
後に銅回路の表面を還元処理しておくか、あるいは酸化
処理によって銅回路の表面に生成される酸化第二銅(C
uO)を除去しておくのが好ましい。すなわち、銅回路
を酸化することによって表面に形成される酸化第二銅
(CuO)は酸に溶解し易いため、多層プリント配線板
に加工したスルーホールにスルーホールメッキを施す際
に化学メッキ液や電気メッキ液に多層プリント配線板を
浸漬すると、スルーホールの内周に露出する銅回路の断
面部分の酸化第二銅がメッキ液の酸に溶解し、スルーホ
ールの内周から銅回路と樹脂との境界を酸が溶解侵食す
る、いわゆるハロー現象が生じるおそれがある。プリン
ト配線板の高密度化が進むにつれてスルーホール間やス
ルーホールと配線回路の間の距離が接近する傾向にある
近年では、このようなハロー現象は多層プリント配線板
の電気的信頼性を低下させる致命的な問題となるもので
ある。そこで、銅回路の表面の粗面を保持したまま銅回
路の表面に生成した酸化第二銅を酸に溶解し難い酸化第
一銅(Cu 2 O)やさらには金属銅に還元することによ
って、ハロー現象が発生することを防ぐようにするので
ある。 還元処理は従来から提供されている方法によって
おこなうことができるものであり、例えば特開昭56−
153797号公報で提供されているように、pH7〜
13.5の水溶液に還元剤としてホルマリン、次亜リン
酸、次亜リン酸ナトリウム、抱水ヒドラジン、塩酸ヒド
ラジン、硫酸ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、
N,N′−トリメチルボラザン、N,N′−ジメチルボ
ラゼンなどを溶解したアルカリ性還元剤溶液を用い、こ
のアルカリ性還元剤溶液に回路板を浸漬することによっ
ておこなうことができる。また特開昭60−13379
4号公報で提供されているように、イミダゾール系のベ
ンゾトリヤゾールを用いたイミダゾール形の還元剤溶液
で回路板を処理することによってもおこなうことができ
る。 このように還元剤溶液を用いて酸化処理した銅回路
の表面を還元処理する方法の他に、発生期の水素など還
元性ガスを銅回路の表面に作用させて還元処理する方法
を採用することもできる。この方法は、特開平3−87
092号公報(特公 平5−68113号公報)で提供さ
れているように、銅回路の表面にZn粉末など銅酸化物
よりもイオン化し易い金属粉末を付着させ、次に硫酸や
塩酸などの酸の浴に回路板を浸漬したり、回路板の表面
に酸をスプレーしたりして、銅回路の表面の金属粉末を
酸に溶解させ、このように金属粉末を酸に溶解させる際
に発生する水素で銅回路の表面の酸化第二銅を還元させ
るのである。金属粉末が酸に溶解する際に生成される水
素の発生直後の状態は極めて反応性に富み、この発生期
の水素は還元作用が非常に高く、銅回路の表面の還元を
強力におこなわせることができるものである。 ハロー現
象の発生を防止するためには、上記のように酸化処理し
た銅回路の表面を還元処理する他に、酸化処理で銅回路
の表面に生成される酸化第二銅(CuO)を除去するよ
うにしてもよい。酸化第二銅の除去は、例えば特開平2
−58898号公報で提供されているように、1/30
〜1/10規定程度の濃度に調整した硫酸溶液など弱酸
処理液を調製し、この弱酸処理液に回路板を浸漬するこ
とによって、銅回路の表面の酸化第二銅を弱酸に溶解さ
せるようにしておこなうことができる。
【0026】上記のように酸化処理をし、必要に応じて
還元処理あるいは酸化第二銅を除去する処理をおこな
い、さらに表面処理剤による処理をした後、回路板にプ
リプレグを介して外層用回路板(あるいは他の内層用回
路板)やあるいは銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加
圧して二次積層成形することによってプリプレグを接着
樹脂層として多層に積層し、多層板を得ることができ
る。この多層板にあって、回路板の銅回路の表面は酸化
処理によって粗面化されており、しかもSi(OC m
n 4 又はTi(OCm n 4 の表面処理剤で処理さ
れていると共にさらに155℃以上の温度で焼き付けら
れているために、粗面による投錨効果と表面処理剤によ
る結合効果で銅回路の表面とプリプレグの樹脂との接着
性を高めることができるものである。
【0027】そしてこの多層板にスルーホールをドリル
加工等して設けると共に化学メッキ等することによって
スルーホールメッキを施し、さらにエッチング等の処理
をして外層回路を形成することによって、多層プリント
配線板に仕上げることができるものである。ここで、回
路板の銅回路を酸化処理した後に、銅回路の表面を還元
処理して酸化第二銅を酸に溶解し難い酸化第一銅(Cu
2 O)やさらには金属銅に還元するか、あるいは銅回路
の表面の酸化第二銅を溶解除去するようにしておけば、
このようにスルーホールメッキを施すにあたって、酸化
第二銅が酸に溶解侵食されて発生するハロー現象を防ぐ
ことができるものである。
【0028】尚上記の各例では、回路板として積層板に
銅回路を設けることによって形成したものを示したが、
銅板(銅箔)をプリント配線板内に積層することによっ
て銅板(銅箔)自体で電源回路層等を形成することもあ
り、この場合には銅板(銅箔)を回路板としてプリント
配線板に積層するにあたって銅板と樹脂との接着性を高
めると共にハロー現象の発生を防止する必要がある。従
って本発明は、回路板として使用される銅板(銅箔)を
上記と同様に処理することにも適用されるものである。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【実施例】 次に、本発明を実施例によって例証する。 (実施例) 両面に厚み35μmの銅箔を張った150mm×15
0mm×0.1mmのガラス布基材エポキシ樹脂積層板
を成形し、表面の銅箔をエッチング加工して銅回路を形
成することによって内層用の回路板を作成した。そして
まず銅回路にソフトエッチングを施した。
【0044】次に回路板を、 次亜塩素酸ナトリウム …180g リン酸三ナトリウム …30g 水酸化ナトリウム …25g イオン交換水 …3000g の組成の90℃に調整した酸化処理浴に1分間浸漬する
ことによって、銅回路の表面を酸化処理(黒化処理)
し、回路板の表面を水洗して120℃で30分間乾燥し
た。
【0045】次にこの回路板を、 テトラエトキシシラン …200g n−ブタノール …3000g の組成の30℃に調整した表面処理剤浴に1分間浸漬す
ることによって、銅回路の表面を表面処理剤で処理し
た。
【0046】次に、この回路板を170℃の温度に調
整したオーブン内に90分間入れ、表面処理剤を焼き付
け処理した。 次にこのように処理した回路板の両面に、厚み0.1
mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグを1枚ずつ
重ねると共に、さらにその各外側に厚み18μmの銅箔
を重ね、6.7×10-3パスカルの減圧下、170℃、
40kg/cm 2 、100分間の成形条件で二次積層成
形して、4層回路構成の多層板を得た。
【0047】(実施例) 実施例において、、の工程の後、Zn粉末を1リ
ットルの水に50gの割合で分散させた液に回路板を浸
漬し、銅回路の表面にZn粉末を付着させ、次にH2
4の20容量%水溶液に回路板を浸漬することによっ
て、銅回路の表面を還元処理し、あとは実施例の〜
の工程と同様にして4層回路構成の多層板を得た。
【0048】(実施例) 実施例において、、の工程の後、20℃に調整し
た1/25規定の硫酸水溶液に回路板を120秒間浸漬
することによって、銅回路の表面の酸化第二銅を溶解除
去し、あとは実施例の〜の工程と同様にして4層
回路構成の多層板を得た。
【0049】(実施例) 実施例において、の工程での表面処理剤浴を、 テトラメトキシシラン …200g n−ブタノール …3000g の組成に変えて、表面処理剤による処理をおこなうよう
にした他は、実施例と同様にして4層回路構成の多層
板を得た。
【0050】(実施例) 実施例において、の工程での表面処理剤浴を、 テトラ−n−ブトキシチタン …600g n−ブタノール …3000g の組成に変えて、表面処理剤による処理をおこなうよう
にした他は、実施例と同様にして4層回路構成の多層
板を得た。
【0051】(比較例両面に厚み35μmの銅箔を張った150mm×15
0mm×0.1mmのガラス布基材エポキシ樹脂積層板
を成形し、表面の銅箔をエッチング加工して銅回路を形
成することによって内層用の回路板を作成した。そして
まず銅回路にソフトエッチングを施した。 次に回路板
を、 次亜塩素酸ナトリウム …180g リン酸三ナトリウム …30g 水酸化ナトリウム …25g イオン交換水 …3000g の組成の90℃に調整した酸化処理浴に1分間浸漬する
ことによって、銅回路の表面を酸化処理(黒化処理)
し、回路板の表面を水洗して120℃で30分間乾燥し
た。 次にこのように処理した回路板の両面に、厚み
0.1mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグを1
枚ずつ重ねると共に、さらにその各外側に厚み18μm
の銅箔を重ね、6.7×10 -3 パスカルの減圧下、17
0℃、40kg/cm 2 、100分間の成形条件で二次
積層成形して、 4層回路構成の多層板を得た。 (比較例) 実施例において、の工程の表面処理剤の焼き付け
を、回路板を130℃の温度に調整したオーブン内に2
40分間入れておこなうようにした他は、実施例と同
様にして4層回路構成の多層板を得た。
【0052】上記の実施例1〜5及び比較例1〜2につ
いて、回路板への表面処理剤の付着量を測定すると共
に、多層板の吸湿半田耐熱性を試験した。結果を表1に
示す。吸湿半田耐熱性の試験は、多層板を60℃、90
%RHの条件下に24時間、48時間、96時間それぞ
れ放置して吸湿させ、次にこの吸湿させた多層板を26
0℃の半田浴に30秒間浸漬することによっておこな
い、ミーズリングやフクレが発生したものを不合格、発
生しないものを合格と評価した。吸湿半田耐熱性の試験
は各10枚の試験片についておこない、表1の吸湿半田
耐熱性の項目には分母に試験数、分子に合格数を示して
評価した。
【0053】
【表1】
【0054】表にみられるように、銅回路を酸化処理
し、さらに表面処理剤で処理して155℃以上の温度で
焼き付けるようにした各実施例のものは、吸湿半田耐熱
性の試験が総て合格であり、銅回路とプリプレグの絶縁
接着樹脂との接着性が高いことが確認される。一方、銅
回路を酸化処理しただけの比較例や、表面処理剤の焼
き付け温度が155℃より低い比較例のものでは、銅
回路とプリプレグの絶縁接着樹脂との接着性を十分に得
ることができず、吸湿半田耐熱性が低いことが確認され
る。
【0055】
【0056】
【0057】
【発明の効果】 上記のように本 発明は、回路板に設けた
銅回路の表面を酸化処理し、この後に銅回路の表面をS
i(OCmn4又はTi(OCmn4〔但し、mは0
以上の整数、nは1以上の整数〕の一般化学式で示され
る表面処理剤で処理し、次にこの表面処理剤を155℃
以上の温度で焼き付けるようにしたので、酸化処理によ
る銅回路の粗面化による投錨効果と表面処理剤による化
学結合効果で銅回路とプリプレグの絶縁接着樹脂との接
着性を高めることができ、しかも155℃以上の温度に
よる焼き付けによって銅回路の表面の表面処理剤の被膜
が強固になって、表面処理剤による銅回路とプリプレグ
の絶縁接着樹脂との接着性の向上の効果を高めることが
できるものであり、この結果、高い半田耐熱性を得るこ
とができるものである。
【0058】また本発明にあって、銅回路の表面を酸化
処理した後に、銅回路の表面を還元処理するか、あるい
は酸化処理によって銅回路の表面に生成されるCuOを
除去することによって、酸化処理によって銅回路の表面
に生成される酸化第二銅が酸に溶解侵食されて発生する
ハロー現象を防ぐことができるものである。さらに本発
明にあって、回路板へのカップリング剤の付着量が両面
合計で0.5g/m2 以上になるように処理することに
よって、カップリング剤による接着性の向上の効果を高
く得ることができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−291196(JP,A) 特開 平4−274389(JP,A) 特公 平2−25779(JP,B2) 特公 昭62−1473(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/10 - 3/46

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路板に設けた銅回路の表面を酸化処理
    し、この後に銅回路の表面をSi(OC m n 4 又はT
    i(OC m n 4 〔但し、mは0以上の整数、nは1以
    上の整数〕の一般化学式で示される表面処理剤で処理
    し、次にこの表面処理剤を155℃以上の温度で焼き付
    けることを特徴とする回路板の処理方法。
  2. 【請求項2】 銅回路の表面を酸化処理した後に更に銅
    回路の表面を還元処理し、この後に銅回路の表面を表面
    処理剤で処理することを特徴とする請求項1に記載の回
    路板の処理方法。
  3. 【請求項3】 銅回路の表面を酸化処理をした後に、酸
    化処理によって銅回路の表面に生成されるCuOを除去
    し、この後に銅回路の表面を表面処理剤で処理すること
    を特徴とする請求項1に記載の回路板の処理方法。
  4. 【請求項4】 回路板への表面処理剤の付着量が両面合
    計で0.5g/m 2 以上になるように処理することを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回路板の処
    理方法。
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