JP3398121B2 - 粒度分布測定装置 - Google Patents
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Description
試料などの粒子群にレーザ光を照射することによって生
じる回折/散乱光や、動的光散乱を検出し、その検出に
よって得られる散乱光強度信号などに基づいて粒子群の
粒度分布を測定する粒度分布測定装置に関する。
を利用した粒度分布測定装置では、回折光または散乱光
の強度分布、つまり回折角または散乱角と光強度との関
係を測定し、これにフラウンホーファ回折理論またはミ
ー散乱理論に基づく演算処理を施すことによって、試料
粒子の粒度分布を算出していた。このような粒度分布測
定装置は、セメントや窯業などほとんどの鉱工業分野、
セラミックスを中心とする新素材分野において、原材料
などの研究開発に用いられている。
平6−43950号公報に記載されたものがある。図1
6は、この公報に係る粒度分布測定装置の構成を概略的
に示すもので、図16において、10は適宜の分散媒に
測定対象の粒子群を分散させた試料液11を収容する透
明な容器よりなるセルで、12はこのセル10の一方の
側(後方側)に設けられるレーザ光源である。前記レー
ザ光源12から発せられる平行なレーザ光13は、例え
ばビームエキスパンダ(図示せず)で拡大され、その状
態でセル10に照射される。
けられる集光レンズで、その焦点位置にリングディテク
タ15が配置されている。このリングディテクタ15
は、集光レンズ14の光軸を中心として互いに半径の異
なるリング状または半リング状の受光面をもつフォトセ
ンサを複数個同心上に配列したもので、セル10内の粒
子によって回折または散乱したレーザ光13のうち比較
的小さい角度で散乱/回折した光を各散乱角ごとにそれ
ぞれ受光して、それらの光強度を測定するものである。
粒子によって回折/散乱したレーザ光13のうち比較的
大きい角度で散乱/回折した光を、各散乱角ごとに個別
に検出する広角散乱光用光検出群16が設けられてい
る。この広角散乱用光検出群16は、集光レンズ14お
よびリングディテクタ15と異なる角度で設けられる複
数のフォトセンサ17〜22からなり、それぞれの配設
角度に応じて、セル10内の粒子による所定角度を超え
る広角の散乱光を検出することができ、フォトセンサ1
7〜20が前方散乱光を、フォトセンサ21が側方散乱
光を、フォトセンサ22が後方散乱光をそれぞれ検出す
る。
を構成するフォトセンサの出力を増幅するプリアンプ、
24は前方散乱光用フォトセンサ17〜20の出力をそ
れぞれ増幅するプリアンプ、25はは側方散乱光用フォ
トセンサ21、後方散乱光用フォトセンサ22のそれぞ
れの出力を増幅するプリアンプである。26はプリアン
プ群23〜25の出力を順次取り込み、AD変換機27
に順次送出するマルチプレクサ,27はAD変換器27
の出力が入力される演算処理装置としてのコンピュータ
である。このコンピュータ28は、ディジタル信号に変
換されたリングディテクタ15およびフォトセンサ13
〜22の出力(光強度に関するディジタルデータ)をフ
ラウンホーファ回折理論やミー散乱理論に基づいて処理
し、粒子群における粒度分布を求めるためのプログラム
が格納されている。
0に試料液11を収容した状態で、レーザ光源12から
レーザ光13を試料セル10に照射すると、このレーザ
光13は、セル10中の粒子によって回折または散乱す
る。その回折光または散乱光のうち、比較的に散乱角の
小さいものは集光レンズ14によってリングディテクタ
15上に結像されるが、この場合、外周側に配置される
フォトセンサが、散乱角のより大きい光を受光し、内周
側のフォトセンサが散乱角のより小さい光を受光する。
したがって、外周側のフォトセンサの検出する光強度
は、粒子径のより小さい粒子の量を反映しており、内周
側のフォトセンサの検出する光強度は粒子径のより大き
い試料粒子の量に反映していることになる。これらの各
フォトセンサが検出した光強度は、アナログ電気信号に
変換され、さらにプリアンプ23を経てマルチプレクサ
26に入力される。
たレーザ光13のうち、集光レンズ14によって集光さ
れない比較的散乱角の大きいものは、前記フォトセンサ
17〜22によってそれぞれ検出され、その光強度分布
が測定される。この場合、前方散乱光用フォトセンサ1
7〜20、側方散乱光用度とセンサ21、後方散乱光用
フォトセンサ22の順に、粒度の小さい粒子からの散乱
光を検出する。これらの各フォトセンサ17〜22が検
出した光強度はアナログ電気信号に変換され、さらにプ
リアンプ群24,25を経てマルチプレクサ26に入力
される。
グディテクタ15、フォトセンサ17〜22からの測定
データ、つまりアナログ電気信号が所定の順序で取り込
まれる。そして、マルチプレクサ26によって取り込ま
れたアナログ電気信号は直列信号にされて、AD変換器
27で順次ディジタル信号に変換され、コンピュータ2
8に入力される。
ディテクタ15、フォトセンサ17〜22によってそれ
ぞれ得られた各散乱角ごとの光強度データを、フラウン
ホーファ回折理論やミー散乱理論に基づいて処理する。
ては、主として粒度の大きい範囲についての散乱光の光
強度分布については、リングディテクタ15によって測
定し、主として粒度の小さい範囲についての広角の散乱
光の光強度分布については、フォトセンサ17〜22に
よって測定し、これらのリングディテクタ15およびフ
ォトセンサ17〜22の出力をコンピュータ28におい
て処理しているので、粒子群における粒度分布を、粒度
の比較的大きなものから粒度の微小なものまで広い範囲
にわたって求めることができる。
うな粒度分布測定装置は、その測定精度が正確なものと
なっているかどうかを判断するために定期的にバリデー
ション作業を行う必要があった。特に製薬会社において
前記粒度分布測定装置を品質管理に用いる場合には、少
なくとも年に1回のバリデーションを正しく行うことが
必要であった。
ョンを正確に行うためには、装置操作者は決まった手順
で所定の標準試料を測定する必要がある。したがって、
従来の粒子径分布測定装置では、装置操作者はこれらの
バリデーション作業の手順を記録したバリデーション用
のマニュアルなどを作成して、それに従って決まった手
順で作業を行う必要があった。
いた測定手法は複雑であり、作業手順をすべて記憶して
操作を行うのは、経験の浅い装置操作者にとっては困難
である。そのため、経験の浅い装置操作者が装置を操作
する場合、ユーザ用のマニュアルを参照しながら制御部
の操作を行うことになる。ところが、経験の浅い装置操
作者がマニュアルなどを参照しながら前記操作を行って
いると、作業の順番を間違えやすく、また間違えてもそ
れに気付かないことがあった。そして、バリデーション
が不正確に行われて数値に信頼がない。
になるが、試料供給装置内の分散媒および標準試料を排
出させ、試料供給装置内を洗浄したのち、再度分散媒お
よび標準試料を投入するなどといった作業が必要とな
り、これには多くの時間と手間を要すると共に、標準試
料が貴重なものである場合などには、多くの標準試料が
無駄になってしまうという恐れがあった。
を終了した後に、測定結果を用いて報告書を作成した
り、この報告書を保存する必要があるが、この作業を忘
れることもあった。このため、バリデーション作業を行
ったにもかかわらず記録が残らなくなるという問題もあ
った。
精密光学部品やレーザ光源、モータ等が使用されてお
り、ユーザが誤って装置を分解したり、取扱いを誤った
りした場合に事故が発生する可能性があった。これらの
事故を防止する手段として、従来はマニュアル等に注意
事項として記載したり、装置本体に取扱い注意事項を表
示したラベル等を貼り付けたりしていたが、ユーザの不
注意や経験の浅い装置操作者の誤操作によって前記のよ
うな事故が発生し、それによって装置のメーカー側やユ
ーザ側にとって多くの工数を要するという恐れがあっ
た。
てなされたものであって、その目的は粒度分布測定装置
のバリデーション作業を手順を装置操作者に知らせる機
能を持たせることによって、複雑なバリデーション作業
におけるミスの発生を防止することができる粒度分布測
定装置を提供することである。
に、本発明の粒度分布測定装置は、粒度分布測定装置の
バリデーション作業の手順を示すバリデーションデータ
を記録する記憶媒体と、このバリデーションデータから
順次バリデーションの手順を読み取ると共に、この手順
のうち装置操作者の操作を必要としない測定手順に従っ
た粒度分布測定装置の制御を順次実行する一方、装置操
作者の操作を必要とする作業手順を装置操作者に指示
し、装置操作者によって投入された標準試料の濃度が規
定の測定条件の範囲内であることを判断して、規定の範
囲内に入った場合には標準試料の粒径分布の測定を開始
するバリデーション支援機能を有する装置制御部とを備
えたことを特徴としている。
作業を行うとき前記バリデーション支援機能を使用する
ことによって、装置制御部から与えられる作業手順の指
示に従って、間違いなく決められた順に粒度分布測定装
置を操作することができる。また、装置制御部だけで制
御できる測定手順は予めバリデーションデータとして記
憶された操作シーケンスにしたがって、装置制御部が粒
度分布測定装置を制御することによって自動的に行われ
る。
の中には、バリデーション作業に使用する標準試料の屈
折率など、測定対象試料の設定値を粒度分布測定装置に
設定することが含まれており、装置操作者はバリデーシ
ョン作業のための煩わしい各種の設定作業から開放され
る。
ション作業をマニュアルを参照することなく行え、装置
操作者にかかる負担を最小限に抑えることができると共
に、装置操作者が行なう作業手順を順次1ステップずつ
間違えることなく実行できる。そして、それだけバリデ
ーション作業を正確に行うことができる。
の不備を装置操作者に指摘し、正しい作業手順によるバ
リデーション作業の実行を指示する警告機能を備えた場
合には、装置操作者が誤った操作を行った場合に、その
点が装置制御部から警告されるので、不正確なバリデー
ション作業が行われることはなく、測定結果に高い信頼
性を持たせることができる。
ない標準試料を投入することなどが考えられ、例えば投
入された試料の濃度や温度などが、標準試料として規定
されている測定条件の範囲外であることなどが考えられ
る。この場合、例えば試料の濃度を光透過率によって予
め測定して、これが試料濃度条件と異なる場合には、装
置制御部が装置操作者に試料の濃度調整を指示すること
ができる。また、粒度分布の測定中にも前記測定条件を
確認して、規定値の範囲外になった場合には、測定のや
り直しを指示する警告機能を備えさせることができる。
る指示を音声信号によって出力するための音声出力部を
有する場合には、音声によって操作指示が出されるの
で、装置操作者はマニュアルなどを読むことに注意を逸
らされることなく、音声によるバリデーション作業の指
示に従うことで作業を簡単に行うことができる。
る指示を画面表示するためのモニタ画面を有する場合に
は、装置操作者は画面表示によってバリデーション作業
の指示を得ることができ、それだけ作業を簡単に行うこ
とができる。
ーション作業に使用する標準試料を順次粒度分布測定装
置に投入する自動投入機を有する場合には、装置操作者
が行なう作業を最小限に抑えることができ、さらに使い
勝手を良くすることができる。この場合、前記装置制御
部が複数の標準試料を連続して測定する機能を有するこ
とが望ましい。
よって得られた検査結果を粒度分布測定装置の性能基準
と比較して、この性能基準の範囲内であるかどうかの合
否判断を行なう合否判断機能を有する場合には、装置作
業者は装置の粒度分布測定装置の規格表と照合しなが
ら、誤差がその性能基準の範囲内であるかどうかを判断
する必要がなくなる。
ン作業によって得られた検査結果を記録する記録機能を
有する場合には、バリデーションを行った後に自動的に
検査結果が保存できるので、作業者が検査結果の出力を
忘れていたとしても、自動作成された検査結果の記録を
用いて報告書を作成することが可能となる。このため、
バリデーション作業を行ったにも係わらず記録が全く残
らなくなるという事態が発生することはない。なお、前
記検査結果の記録は、記録媒体に保存された結果データ
であっても、プリンタなどによって出力された検査結果
報告書であってもよい。
参照しながら説明する。図1において、本例の粒度分布
測定装置1は、測定対象試料Sの粒度分布を測定するた
めの測定部2と、この測定部2に接続された制御装置3
とを有している。測定部2では投入口より投入された測
定対象試料Sにレーザービームを照射し、測定対象試料
S中の粒子による散乱光を検出し、これを分析すること
によってその粒度分布を測定する。
2に対して通信ケーブルCによって接続された情報処理
装置(以下、パソコン3という)であって、ディスプレ
イ3d(すなわちモニタ画面)およびキーボード3k等
を有している。しかしながら、本発明は制御装置3の構
成を本例に限定するものではなく、例えば、制御装置3
が測定部2内に設けられたマイクロコンピュータであっ
ても良い。
RAM,ROM,ハードディスクなどの記憶部3mと、
入出力インターフェイス3iとを有している。また、記
憶部3mには予め制御プログラムPcが記憶されてお
り、この制御プログラムPcを実行することにより測定
部2を制御する。すなわち、入出力インターフェイス3
iから入力されるデータに基づいて各種演算処理等を行
い、その出力結果を入出力インターフェイス3iを介し
て出力する。
前記通信ケーブルCが接続され、測定部2内の各部に組
み込まれた図外のセンサからの信号が通信ケーブルCを
介してパソコン本体に伝達されるように構成している。
Pcに加えてバリデーションプログラムPと、このバリ
デーションプログラムPによって解読されるバリデーシ
ョンデータDとを記録している。すなわち、前記パソコ
ン3は制御プログラムPcとバリデーションプログラム
PとバリデーションデータDによってバリデーション支
援機能を有するものである。
Pはバリデーション作業を行うかどうかに係わりなく、
測定部2を制御するための簡易言語で記録された制御デ
ータ(前記バリデーションデータDを含む)を読み取っ
て実行可能であり、これによって前記バリデーションプ
ログラムPに汎用性を持たせている。
は、バリデーションデータDとして記録されているバリ
デーション作業の手順のうち、粒度分布測定装置1内で
処理することができる手順については自動的に順次処理
する一方、装置操作者による操作を必要とする手順につ
いては、装置作業者に作業指示を与えるようにプログラ
ムされている。すなわち装置操作者は必要最小限の操作
を行うだけでよく、それだけバリデーション作業を簡単
にすることができる。
えば、前記ディスプレイ3dへのメッセージの出力と、
音声のアナウンスによって行われる。すなわち、装置作
業者はバリデーション作業を行う際に、その作業手順を
記載したマニュアルなどを読む必要がなく、ディスプレ
イ3dに表示されたメッセージまたはアナウンスの声に
従ってバリデーション作業を行うことができ、それだけ
作業に集中できる。
は音声によるアナウンス、ディスプレイに表示されるメ
ッセージの少なくとも一方のデータが含まれている。そ
して、例えば音声によるアナウンスを行なう場合には、
前記パソコン3はバリデーションデータDとして記憶さ
れているディジタルデータを音声信号に変換する変換部
3tと、音声出力部であるスピーカ3sを有している。
装置操作者の作業状況を測定部2の各部に組み込まれた
センサによって検出して把握するようにプログラムされ
ている。そして、バリデーションプログラムPは装置操
作者の作業手順に不備などがあった場合には、この点を
警告し、装置操作者に正しい作業手順によるバリデーシ
ョン作業の実行を指示するようにプログラムされてい
る。
者が測定部2に投入した測定対象試料Sが標準試料とし
て使用できる濃度の範囲外であることなどが考えられる
が、この場合前記センサとして測定対象試料Sの光透過
率を測定するものを用いることができる。また、装置作
業者の不注意や経験の浅い装置操作者の誤操作によって
測定部2の取扱いを間違えている場合に、これを警告で
きる。すなわち、例えば、装置作業者が測定作業中に開
けてはならない装置カバーを開いた時には、「装置カバ
ーを閉めて下さい。また、装置内部のレーザ光源を見つ
めないで下さい。」と表示したりアナウンスすることが
できる。
の手順の一例を示す、測定手順および操作手順の流れを
開示した図であり、図3〜図13は前記バリデーション
作業の進展に従ってディスプレイ3dに表示される画面
の一例を示す図である。
データDを読み込んでバリデーションプログラムPを実
行する前に、予め行なう操作の一例を示している。すな
わち、装置操作者はバリデーション規格を予め入力す
る。
ン3のディスプレイ3dに表示されるウィンドウの例を
示す図である。図3において、W1 はメインウィンドウ
であり、W2 は表示条件設定ウィンドウである。この表
示条件設定ウィンドウW2 を見ると本例では1つの標準
試料に関して、3種類の径(メジアン径、10%径、9
0%径)の規格値を入力可能としている。W3 は各基準
径が、何μmであるか、また許容範囲として±何%まで
を合格範囲とするかといったバリデーションの合否判定
要素となる設定を行なうバリーデーションの設定ウィン
ドウである。
て、3種の基準径を設定し、そのそれぞれにおいて、測
定値が許容される誤差の範囲内であるかどうかを判断さ
せることができるので、より綿密なバリデーション作業
を行うことができる。なお、本発明はバリデーションの
基準径として設定する数を3種に限定するものではな
い。つまり、例えばメジアン径の規格値や許容範囲だけ
を設定可能としてもよい。
デーション作業の判断基準は、前記バリデーションデー
タDに反映される。すなわち、装置作業者はバリデーシ
ョン作業の判断基準を自在に変更することができる。同
様に、詳細な図示は省略するがバリデーション作業に用
いる標準試料の種類や標準試料の屈折率などの物理情報
についても、自在に変更可能である。
径1μmのPSL(Polystyren latex)球を用いる例を
開示する。また、前記バリデーション作業の判断基準と
なる標準試料の種類および許容範囲などの各データは粒
度分布測定装置1のメーカが予め定めておいてもよい。
起動し、バリデーションプログラムPはバリデーション
データDを読み込んで、順次バリデーションデータDに
基づく処理を実行する。
画面に測定中のウィンドウW4 を表示し、その上にメッ
セージウィンドウW5 を表示する。また、メッセージウ
ィンドウW5 には「セルに分散媒を入れてください」と
いうメッセージM1 が表示され、スピーカから同様のの
アナウンスが音声に変換されて出力される。
として蒸留水を入れたセルをセットし、その後、メッセ
ージウィンドウW5 上に表示されたOKボタンBを操作
する。(ステップSt3)なお、ここでOKボタンBを操
作する方法は、例えば、キーボードの場合はカーソルキ
ーでOKボタンBを選んでリターンキーを押すことであ
り、マウスの場合はOKボタンBにカーソルを合わせて
クリックを押すことである。以下、説明を簡略化するた
めにこれらの動作を単にOKボタンを押すと表現する。
がOKボタンBを装置操作者が押すことにより、作業の
終了を検知する例を開示しているが、本発明はこれに限
られるものではない。すなわち、装置操作者による作業
の終了を、測定部2の各部に取り付けたセンサによって
検知するようにしてもよい。
Dから次の手順を読み出して、これを実行する。続くバ
リデーション作業の手順はブランク測定であり、装置作
業者の作業を必要としないで粒度分布測定装置1内で行
なうことができる測定手順である。したがって、パソコ
ン3は装置操作者の指示を待った後に、測定部2の各部
の制御を自動的に行ってブランク測定を実行する。
いる。そして、このメッセージウィンドウW6 には「ブ
ランク測定を行います」というメッセージM2 が表示さ
れ、同様のアナウンスを行いながら、装置作業者によっ
てOKボタンBが押されるのを待ちつづける。(ステッ
プSt4)
コン3はバリデーションデータDが示す測定手順に従っ
て、光軸調整を行った後に、ブランク測定を実行する。
このとき、パソコン3はバリデーションプログラムPに
よって制御されてブランク測定に必要な各部の調節が自
動的になされるので、装置作業者が何らかの操作をする
必要はない。
コン3は再びバリデーションデータDを読み取って次の
バリデーション作業を行なう。ところが、次のバリデー
ション作業は、装置作業者がセルに標準試料Sを投入す
る作業手順となっている。そこで、パソコン3は図6に
示すメッセージウィンドウW7 を表示する。このウィン
ドウW7 には装置作業者に作業手順を指示するメッセー
ジM3 が表示されており、このメッセージM3 と同じ内
容の音声がアナウンスされる。(ステップSt5)
に従って、セルにPSL球を混合し、作業終了をOKボ
タンBを押すことによって入力する。(ステップSt6)
データDを読み取って次のバリデーション作業を実行す
る。すなわち、図2のステップSt7に示すように、光軸
調整を行ったのちに、装置操作者によって投入された測
定対象試料がバリデーションのための標準試料Sとして
規定されている透過率範囲内に入っているかどうかを確
認するために光透過率を測定する。
定された透過率の上限よりも高いかどうかを判断する。
(ステップSt8)
7に示すようにメッセージウィンドウW8 を表示して、
「濃度が薄すぎます。試料を追加下さい」というメッセ
ージM4 を画面に表示すると共に音声によるアナウンス
を出力する。図8および後述する図9において、4はス
テップSt8によって測定された光透過率を示す棒グラフ
であり、4aは光透過率の規定された範囲を示してい
る。そして、装置作業者がOKボタンBを押すと、バリ
デーション作業をステップSt6に戻して、測定をもう一
度やり直すことができる(ステップSt9)
された透過率の範囲4aの上限よりも高くない場合に
は、逆に測定対象試料の光透過率が規定された透過率の
範囲4aの下限よりも低いかどうかを判断する。(ステ
ップSt10 )
図8に示すようにメッセージウィンドウW9 を表示し
て、「濃度が濃すぎます。試料を薄めて下さい」という
メッセージM5 を画面に表示すると共に音声によるアナ
ウンスを出力する。そして、装置作業者がOKボタンB
を押すと、バリデーション作業をステップSt6に戻し
て、測定をもう一度やり直すことができる(ステップS
t11 )。
範囲4a内に入った場合には、図9に示すようにメッセ
ージウィンドウW10を表示して、「測定を開始します」
というメッセージM6 を画面に表示すると共に音声によ
るアナウンスを出力する。そして、装置作業者がOKボ
タンBを押すと、粒度分布の測定を開始する。(ステッ
プSt12 )
料Sや溶媒の屈折率の入力など、粒度分布測定装置の各
種設定作業を、パソコン3がバリデーションデータDと
して記録されている測定手順に従って自動的に行う。す
なわち、装置操作者はバリデーション作業のための煩わ
しい各種の設定作業から開放される。また、装置作業者
が前記各種設定を手動で行なう場合に生じるかもしれな
い間違いをなくすことができ、経験の少ない装置作業者
であっても確実なバリデーション作業を行うことができ
る。
ソコン3はバリデーションデータDとして記録されてい
る測定手順に従って測定結果をウィンドウWa〜Wcに
して表示すると共に、測定結果の合否判定を行なう。す
なわち、粒度分布測定装置1の測定結果が許容誤差の範
囲内に入っているかどうかを判定する。
内である場合には図10に示すようにメッセージウィン
ドウW11を表示して、「バリデーションOKです」とい
うメッセージM7 を画面に表示すると共に音声によるア
ナウンスを出力する。一方、測定結果が許容範囲外であ
る場合には図11に示すようにメッセージウィンドウW
12を表示して、「バリデーション不合格です」というメ
ッセージM8 を画面に表示すると共に音声によるアナウ
ンスを出力する。(ステップSt13 )
0,11に示すOKボタンBを押すと、パソコン3は図
12に示すようにメッセージウィンドウW13を表示し
て、「結果を印刷しますか?」というメッセージM9 を
画面に表示すると共に音声によるアナウンスを出力す
る。(ステップSt14 )
yを押した場合には、測定結果、バリデーション規格、
測定者名、日時、測定機種、演算パラメータなどの検査
結果を図外のプリンタを介して印刷する。(ステップS
t15 )すなわち、装置作業者はバリデーション作業を行
ったときにいつも結果を印刷するかどうかを決定するこ
とができるので、バリデーション作業の記録を忘れるこ
とがない。
いて、装置作業者が「いいえ」のボタンBnを押した場
合には、パソコン3は何もせずに次の手順(ステップS
t16)を実行する。
るものであり、本例では測定結果、バリデーション規
格、測定者名、日時、測定機種、演算パラメータなどの
検査結果をデジタルデータとして記憶部3mに記録する
ためのウィンドウW14を表示する。このウィンドウW14
は例えば保存するデータをまとめたファイルに付けるフ
ァイル名を設定する入力部N、このファイルを保存する
場所(フォルダ)を設定する入力部F、前記フォルダ内
に既に保存されているファイルのファイル名の一覧を表
示するリストL、保存を実行する保存ボタンBs、およ
び、保存を取り止めるキャンセルボタンBcとを有して
いる。
Nを用いてフォルダおよびファイル名の入力を行うこと
ができる。(ステップSt16 )そして、装置作業者が保
存ボタンBsを押すことにより、前記検査結果を容易に
保存することができる。(ステップSt17 )
を押した場合には、前記検査結果の保存を取り止めてバ
リデーション作業を終了する。
ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、上述
の例では各ウィンドウW5 〜W13に表示されたメッセー
ジM1 〜M9 の内容を音声によってアナウンスすること
も行われており、これによって装置作業者はパソコン3
からのバリデーション支援を極めて容易に受けることが
できるが、本発明はこれに限られるものではなく、ディ
スプレイ3dに対する表示または音声によるアナウンス
のいずれか一方だけであってもよい。
印刷する例と、デジタルデータとしてファイルに保存す
る例の両方を開示しているが、その何れか一方だけを実
施してもよい。また、検査結果の記録は装置操作者が別
途行うようにしてもよい。
2 に示すように、バリデーションの規格として標準資料
Sの1種類に対して3つのパラメータ(メジアン径、1
0%径、90%径)の値を設定しているが、本発明はこ
れに限られるものではない。たとえば、幾何平均径など
を設定できるようにしてもよい。
定されるものではない。図14は本発明の粒度分布測定
装置の別実施例を開示する図である。図14を用いて説
明する粒度分布測定装置1’において、図1と同じ符号
を付した部材は同一または同等の部材であるからその詳
細な説明を省略する。
分布を測定するための測定部であって、この測定部2’
が図1を用いて詳述した測定部2と異なる点は、パソコ
ン3からの制御に従って複数の標準試料S1 〜Snを自
動的に投入するためのサンプル自動投入機5を有する点
にある。
して行なうバリデーション作業の手順の一例を開示する
図である。図15において図2と同じ符号を付したステ
ップSt1〜St17 については、図2において説明したも
のとほゞ同じであるので、その詳細な説明を省略して重
複説明を避ける。
と異なる点は、ステップSt3において標準資料S1 〜S
nのセットが自動投入機5に対して行われる点と、ステ
ップSt5において表示されるメッセージの内容と、ステ
ップSt6において装置作業者による資料の投入の必要が
なくなった点にある。
が終了した段階で、「次に、××サンプルを測定しま
す」と画面表示し、音声によりアナウンスして、装置作
業者による確認を行なうステップSt18 が加わってい
る。このとき、装置作業者がOKボタンを押すことによ
り、パソコンは前記サンプル自動投入機5を制御して次
のサンプルを投入し、前記ステップSt4からの処理を繰
り返し行うことができる。
プSt4にジャンプすることによって、標準資料S1 〜S
nを順次入れ換える毎にブランク測定を行って、測定精
度を高く保つようにしているが、本発明はこれに限られ
るものではない。すなわち、ステップSt18 からステッ
プSt7にジャンプすることによって、より速く測定を行
うようにしてもよい。
装置を用いることにより、装置操作者はバリデーション
作業を行うときに適切なバリデーション支援を受けるこ
とができる。つまりバリデーション支援機能によって、
装置制御部から与えられる作業手順の指示に従って、間
違いなく決められた順に粒度分布測定装置を操作するこ
とができる。また、装置制御部だけで制御できる測定手
順については予めバリデーションデータとして記憶され
た測定手順のシーケンスにしたがって自動的に行われ
る。したがって、装置操作者は複雑なバリデーション作
業をマニュアルを参照することなく行えるので、装置操
作者にかかる負担を最小限に抑えることができる。ま
た、作業手順は順次1ステップずつ間違えることなく実
行できるのでバリデーション作業を正確に行うことがで
きる。
成を概略的に示す図である。
説明するための図である。
能を用いて標準資料の測定を行なうときの画面の表示例
を示す図である。
る。
能の動作を説明するための図である。
ある。
画面、3m…記憶媒体、3s,3t…音声出力部、5…
自動投入機、D…バリデーションデータ、S…標準資
料、S1 〜Sn…標準資料。
Claims (7)
- 【請求項1】 粒度分布測定装置のバリデーション作業
の手順を示すバリデーションデータを記録する記憶媒体
と、このバリデーションデータから順次バリデーション
の手順を読み取ると共に、この手順のうち装置操作者の
操作を必要としない測定手順に従った粒度分布測定装置
の制御を順次実行する一方、装置操作者の操作を必要と
する作業手順を装置操作者に指示し、装置操作者によっ
て投入された標準試料の濃度が規定の測定条件の範囲内
であることを判断して、規定の範囲内に入った場合には
標準試料の粒径分布の測定を開始するバリデーション支
援機能を有する装置制御部とを備えたことを特徴とする
粒度分布測定装置。 - 【請求項2】 前記装置制御部が、装置操作者の作業手
順の不備を装置操作者に指摘し、正しい作業手順による
バリデーション作業の実行を指示する警告機能を備えた
請求項1に記載の粒度分布測定装置。 - 【請求項3】 前記装置制御部が、前記装置操作者に対
する指示を音声信号によって出力するための音声出力部
を有する請求項1または2に記載の粒度分布測定装置。 - 【請求項4】 前記装置制御部が、前記装置操作者に対
する指示を画面表示するためのモニタ画面を有する請求
項1〜3の何れかに記載の粒度分布測定装置。 - 【請求項5】 前記バリデーション作業に使用する標準
試料を順次粒度分布測定装置に投入する自動投入機を有
する請求項1〜4の何れかに記載の粒度分布測定装置。 - 【請求項6】 前記装置制御部が、バリデーション作業
によって得られた検査結果を粒度分布測定装置の性能基
準と比較して、この性能基準の範囲内であるかどうかの
合否判断を行なう合否判断機能を有する請求項1〜5の
何れかに記載の粒度分布測定装置。 - 【請求項7】 前記装置制御部が、バリデーション作業
によって得られた検査結果を記録する記録機能を有する
請求項1〜6の何れかに記載の粒度分布測定装置。
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