JP3397511B2 - 偏波変調可能な半導体レーザ - Google Patents

偏波変調可能な半導体レーザ

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JP3397511B2 JP12716195A JP12716195A JP3397511B2 JP 3397511 B2 JP3397511 B2 JP 3397511B2 JP 12716195 A JP12716195 A JP 12716195A JP 12716195 A JP12716195 A JP 12716195A JP 3397511 B2 JP3397511 B2 JP 3397511B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信および光情報処
理などに用いられる光源及びそれを用いた光ネットワー
クに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信技術の大容量化に伴い、多くの問
題点が解決されてきた。しかしながら、いわゆるチャー
ピングとよばれる、高速強度変調時のデバイス内のキャ
リア不均一分布による屈折率変動が伝送発振波形を歪ま
せる現象は必ずしも解決されるに至っていない。通常、
チャーピングが大きいことによる問題点は以下の2点で
ある。 (1)変調速度が上がるにつれて誤り率の増加を招き、
デバイスの変調速度や通信の伝送距離を制限する。 (2)変調速度が上がるにつれ、線幅が増大すること
で、パスバンドの広いフィルタを使わざるを得ないた
め、光通信の波長多重数の制限が生ずる。
【0003】チャーピングを低減するために現在用いら
れている主流の方法は、半導体レーザをCW(連続動
作)で駆動し、誘電体や半導体による外部変調器により
強度変調を行うものである。この方法では、デバイスの
小型化や低価格化には限界があるとともに、光ネットワ
ークの柔軟性(変調速度が大きく異なる信号を同時に伝
送できる能力の高さなど)も高いとはいえない。
【0004】一方、別の方法として、デバイスの発振光
の偏波面を信号に応じてスイッチングさせる方法、いわ
ゆる偏波変調法がある(たとえば、特開昭62−425
93ないしは特開昭62−144426に開示されてい
る)。この骨子は以下のようなものである。図14に示
すように、或る電流値でTMモードからTEモードへ偏
波が反転する特性を有する半導体レーザを用いる。そし
て、TEモードとTMモードが同時発振する電流値をバ
イアス点として、信号電流(変調電流)によってTEと
TMのしきい値利得をスイッチし、偏光子によって特定
方向に偏光した光のみを伝送路に送出するものである。
偏波変調法は、半導体レーザの光密度が変調中も一定で
あることから(駆動電流が常にほぼ一定で、オン・オフ
されないので)、変調に伴うキャリア変動も極めて小さ
くできるという本質的な利点がある。しかしながら、従
来例では、この様なレーザの具体的構造については何ら
明示されていない。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】従来の直接偏波変
調方式の場合、主に利得の偏波依存性のみを使っていた
ので、TEモードとTMモードのしきい値利得の差を小
さくすることが困難であった。その結果、以下の問題点
があった。 (1)安定に直接偏波変調できる領域(駆動電流、光出
力、動作温度、発振波長、消光比等)が狭い。 (2)設計の自由度が狭く、製作に対する要求精度が厳
しいため素子歩留まりが低い。 (3)動作電流密度が高いため素子寿命が短い。 (4)線幅の安定性が悪いため波長フィルタに負担がか
かる。
【0006】
【0007】本発明の第1の目的(請求項1乃至4に対
応)は、チャーピングを抑えることができ、動作範囲が
広く、作製の容易な、偏波変調可能範囲の広い偏波変調
半導体レーザを提供することにある。本発明の第2の目
的(請求項5および6に対応)は高密度波長多重可能
で、高速かつ長距離伝送可能な光ネットワークを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の第1の
目的を達成する偏波変調可能な半導体レーザは、互いに
独立な2つの偏波モードを許容する光導波路と分布帰還
型共振器を有する半導体レーザであって、独立制御可能
な利得領域と損失領域(夫々少なくとも1つ)を有し、
該利得領域と該損失領域のうち、少なくとも該損失領域
を制御することにより共振器全体の損失スペクトルに偏
波依存性を与え(特定の偏波モードに対してのみ損失を
与えることを含む)、且つ前記2つの偏波モードの利得
に偏波依存性を与える為に、該利得領域の活性層を多重
量子井戸構造とし、それを構成する量子井戸のウエル層
とバリア層の層厚や組成、歪み応力の少なくとも1つを
他の量子井戸と異ならせ、前記2つの偏波モードを任意
に選択するように構成されていることを特徴とする。
【0009】上記構成の偏波変調可能な半導体レーザ
おいて、前記共振器全体の損失スペクトルに偏波依存性
を与える為に、損失領域の光導波路の一部に量子閉じこ
めシュタルク効果(QCSE)を有する量子井戸構造に
代表される超構造が用いられ、偏波モードを任意に選択
する為に、損失領域に印加する電圧を制御すること及び
利得領域の活性層に注入するキャリア密度を制御するこ
との少なくとも一方を行うことを特徴としたり、また、
前記共振器全体の損失スペクトルに偏波依存性を与える
為に、損失領域の光導波路の一部にフランツ・ケルデッ
シュ効果(F−K効果)を有する構造が用いられ、偏波
モードを任意に選択する為に、損失領域に印加する電圧
を制御すること及び利得領域の活性層に注入するキャリ
ア密度を制御することの少なくとも一方を行うことを特
徴としたり、また、前記共振器全体の損失スペクトルに
偏波依存性を与える為に、損失領域の表面に金属が装荷
され、偏波モードを選択する為に、利得領域の活性層に
注入するキャリア密度を制御することを特徴としたりし
てもよい
【0010】
【0011】本発明の第の目的を達成する光ネットワ
ークは、発振光源として用いられる上記の半導体レーザ
に対し、該レーザの出射面に偏光子を配置して特定の偏
波のみを利用することを特徴とする。また、発振光源と
して用いられる上記の半導体レーザから、出射される偏
波が互いに直交する光を伝送路に同時に送出して、受信
側では該偏波の異なる光を同時に受信することを特徴と
する。
【0012】次に、偏波変調用レーザに求められる条件
について簡単に説明する。半導体レーザの発振波長は以
下の発振条件式で決定される。 Г・gth=Г・αin+αM+αSC ・・・(1) ここで、αM=1/2Leff・In(1/R・1/
) exp(i・(2neff・Leff/λ+φ))=0 ・・・(2) ここで、 Г:活性層への光閉じ込め係数 gth:しきい利得 αin:内部損失 αM:反射損失 αSC:その他の損失(散乱損失、結合損失等) Ri:共振器内の1点からみた実効的な反射率 neff:導波路の実効的な屈折率 Leff:実効的な共振器長 λ:発振波長 φ:位相 である。
【0013】これに加え、直接偏波変調用半導体レーザ
には、別の条件として、互いに独立な偏波モード、たと
えばTEモードとTMモードを有し、かつそのしきい利
得が等しいこと、即ち、 ГTE・gTE th=ГTM・gTM th ・・・(3) が要求される。
【0014】本発明の骨子は、利得スペクトルと(共振
器)損失スペクトルを独立に制御することで、デバイス
の特性を向上させると共に、設計の許容度をあげ、製作
歩留まりを向上させようとするものである。
【0015】上記第1の目的を達成する構成は次の特徴
を持つ。 1)利得領域と損失領域の両方の偏波依存性を利用かつ
制御することで、前記(1)〜(3)式を無理なく満足
させることができる。 2)利得領域、或は損失領域、或はその両方に電気信号
を重畳することで偏波モードをスイッチングすることで
偏波変調を行うことができる。3)非対称歪み量子井戸構造は対称量子井戸構造に比
べ、バンドギャップを可変する自由度がある。 4)さらに、歪みを非対称に導入することでTEモード
とTMモードに対してバンドギャップを選択的に可変で
きる。このことは、同一の活性層への同一の注入キャリ
ア密度で生成される利得をTEモードとTMモードそれ
ぞれのしきい利得に設定できることを意味する。この結
果、しきいキャリア密度を変調バイアス点に設定し、注
入電流に信号を重畳することで偏波スイッチングした光
出力を得ることができる。
【0016】上記第1の目的を達成する構成におけるよ
り具体的な第1の構成は次の特徴を持つ。 1)QCSEは分散の偏波依存性を高速に変化させるこ
とができることが知られている。 2)損失領域にQCSEを有する導波層を用いることで
全体の損失スペクトルに偏波依存性を持たせることがで
きるため上記(1)〜(3)式を同時に満たすことがで
きる。 3)QCSEにより損失を高速に変調できる2つのモー
ドの選択に用いることができる。 4)キャリア密度を変化させることで利得或は位相を変
えることができるため、2つの偏波モードを高速切り替
えに用いることができる。
【0017】上記第1の目的を達成する構成におけるよ
り具体的な第2の構成は次の特徴を持つ。 1)F−K効果は分散を高速に変化させることができる
ことが知られている。 2)損失領域にF−K効果を有する導波層を用いること
で全体の損失スペクトルに偏波依存性を持たせることが
できる。
【0018】上記第1の目的を達成する構成におけるよ
り具体的な第3の構成は次の特徴を持つ。 1)損失領域の導波路表面に金属膜を装荷することで、
TMモードのみに損失を与えることができる。 2)利得領域で利得プロファイルを制御することで偏波
変調を行うことができる。
【0019】
【0020】上記第の目的を達成する構成は次の特徴
を持つ。本発明の偏波変調可能な半導体レーザを、従来
の光源と置き換えて使用できる。
【0021】
【実施例1】 (MQW+MQW)図1は本発明の偏波変調可能な半導
体レーザの第1の実施例の共振器方向の断面図である。
共振器方向に3分割され、それぞれ利得領域1、利得領
域2および損失領域となっている。各領域は電気的には
独立であるが、光学的には共通の光ガイド層103を介
して結合している。具体的な層構成は以下の通りであ
る。図1において、101はn型InP基板、102は
n型InPクラッド層、103は上述したn型InGa
AsP光ガイド層、104aはアンドープGaInAs
P活性層、104bはアンドープGaInAsP損失
層、105はp型InPクラッド層、106はp型In
GaAsPコンタクト層である。更に、107はn型ク
ラッド層102とn型光ガイド層103の境界に形成さ
れたλ/4位相シフトを有するグレーティングであり、
108a〜108cは正電極、109は負電極である。
両端面には無反射(AR)コート112を施した。グレ
ーティング107のピッチは、ブラッグ波長のTMモー
ドが利得ピークになるように設定してある。活性層10
4a及び損失層104bの構造は、本実施例では同じと
した。活性層104a及び損失層104bのエネルギバ
ンドギャップ構造を示す図2において、そのウエル層1
21はInGaAs(引っ張り歪み1.0%)から成り
厚さは10nm、バリア層122はInGaAsP(波
長1.1μm組成)から成り厚さは10nmであり、更
にSCH層123はInGaAsP(波長1.2μm組
成)から成り厚さは100nmである。井戸数は5周期
とした。
【0022】次に動作原理について説明する。図3は、
利得領域1および2に均等にキャリア(〜1018
-3)を注入したときの、TEモードおよびTMモード
に対する利得(正確にはГ・g)と共振器損失(Г・α
in+αM+αSC)との関係を示す(横軸は波長、λTM
Bragg及びλTE Braggは夫々ブラッグ波長のTMモード及
びTEモード、λTM及びλTEは夫々TMモード及びTE
モードの利得ピーク)。TEとTMとで利得スペクトル
が異なるのは、歪み量子井戸のバンド構造の変化による
ものである。このように、TEモードとTMモードの利
得プロファイルだけを変えるだけでは、DFBレーザの
発振光をTMモードとTEモード間で選択することは困
難である。このため、従来例では設計精度が厳しく、偏
波変調可能動作範囲が狭かった。図4は、利得領域1お
よび2に不均一にキャリアを注入することで、TEモー
ドとTMモードの利得の相関を変化させ、かつ、損失領
域に逆バイアス(たとえば、〜−5V)を印加したとき
の同関係を示している。共振器損失スペクトルのピーク
値がTMの方が小さくなるのは、量子閉じ込め効果(Q
CSE)によるものである。このように、利得スペクト
ルだけでなく共振器損失スペクトルも制御することで、
上記(3)式を容易に満たすことができる。
【0023】定常状態で(3)式が成り立つよう、利得
領域1および2の電流と損失領域の印加電圧を調整した
あとは、変調方法にはいくつか方法がある。 (1)信号を損失領域に電圧として印加する。この方法
の長所は、QCSEによる高速変調が可能であること、
共振器内のキャリア分布が一定に保たれるため発振光の
線幅が極めて狭くできる点にある。 (2)信号を利得領域1および2の片方或は両方に電流
として重畳する。この方法の長所は変調回路が簡単であ
ることである。 (3)(1)および(2)の組み合わせ。この場合の長
所は(1)および(2)の長所を合わせ持つ設定にでき
ることである。
【0024】図5は、本実施例と従来例の動作電流と線
幅の関係を模式的に示したものである。変調時には、本
実施例の場合、(1)の方法を用いれば、この差はさら
に顕著になる。図6は、本実施例と従来例の偏波変調可
能領域の違いを動作電流対光出力の関係を用いて模式的
に表したものである。
【0025】本実施例によれば、以下の効果の達成され
ることが明らかである。 1)同じ光出力であれば、変調効率が高い。 2)変調可能光出力範囲が広い。
【0026】
【実施例2】 (非対称歪み量子井戸+MQW)次に第2の実施例につ
いて説明する。第1の実施例において利得領域と損失領
域の構造を独立に最適化することで、さらに高性能化を
図ることができる。構造は活性層104a及び損失層1
04b以外は第1の実施例と同じである。図7は活性層
のバンド構造を、図8は損失層のバンド構造を表してい
る。活性層は、InGaAsおよびInGaAsPをウ
エル層171、172とする非対称歪み量子井戸構造
(バリア層173はGaInAsP)になっている。本
実施例では、InGaAsウエル層171(厚さ10n
m)のみに1.0%の引っ張り歪みを導入し、InGa
AsPウエル層172(エネルギギャップに相当する波
長;λg=1.65μm、厚さ10nm)およびInG
aAsPバリア層173(λg=1.3μm、厚さ10
nm)は歪みのない2重量子井戸構造を用いた。また、
損失領域の構造は、ウエル層181はInGaAs(引
っ張り歪み1.7%)から成り厚さは10nm、バリア
層182はInGaAsP(波長1.2μm組成)から
成り厚さは10nm、そしてSCH層183はInGa
AsP(波長1.2μm組成)から成り厚さは100n
mである。井戸数は2周期とした。
【0027】図9は、利得領域1および2にキャリアを
注入し、かつ損失領域に電圧印加して制御した時の利得
および損失スペクトルの関係を示している。動作原理は
第1実施例と実質的に同じである。第1の実施例との違
いは、利得領域と損失領域の構造を独立に最適化してい
るので、 1)動作電流がさらに低くなること、 2)変調効率がさらに高くなること、 3)線幅がさらに狭くなること、 4)偏波変調可能範囲がさらに広くなること、 である。
【0028】
【実施例3】 (バルク活性層+金属装荷+F−K効果)次に、製作の
容易さを重要視した例を示す。図10は本発明の第3の
実施例の共振器方向の断面図である。図10において、
図1と同符号で示すものは同機能部であることを示す。
共振器方向に3分割され、それぞれ利得領域1、利得領
域2および損失領域となっている。各領域は電気的には
独立であるが、光学的には共通の光ガイド層103を介
して結合している。具体的な層構成は以下の通り。10
1はn型InP基板、102はn型InPクラッド層、
103はn型InGaAsP光ガイド層、104aはア
ンドープGaInAsP活性層、104bはアンドープ
GaInAsP損失層、105はp型InPクラッド
層、106はp型InGaAsPコンタクト層である。
107はn型クラッド層102とn型光ガイド層103
の境界に形成されたλ/4位相シフトを有するグレーテ
ィングであり、108は正電極、109は負電極であ
る。両端面には無反射(AR)コート112を施した。
グレーティング107のピッチは、ブラッグ波長のTM
モードが利得ピークになるように設定してある。活性層
104a及び損失層104bの構造(バルク構造)は本
実施例では同じとした。活性層104a以外に第1の実
施例と異なっているのは、損失領域の電界分布が電極1
08にかかる程度に、p型クラッド層105が薄くなっ
ていることである。この結果、TMモードに対してのみ
に対して損失領域になっている。
【0029】次に動作原理について説明する。図11
は、DFBモードの位相を調整するために利得領域1お
よび2に独立にキャリア(〜1018cm-3)を注入し、
かつ損失領域に逆バイアス(〜−5V)を印加したとき
の、TEモードおよびTMモードに対する利得(正確に
はГ・g)と共振器損失(Г・αin+αM+αSC)との
関係を示す(横軸は波長)。バルク活性層を用いている
ために、TEとTMとで利得スペクトルはほとんど変わ
らない。共振器損失スペクトルのピーク値がTMの方が
大きいのは金属装荷によるTMモードの抑圧効果による
ものである。したがって、ブラッグ波長のTMモードの
利得の方がTEモードの利得より大きくなるように、グ
レーティングピッチを調整しておくことで上記(3)式
を満たすことができる。さらに損失領域に逆バイアスを
かけることでフランツ・ケルデッシュ効果により共振器
損失プロファイルを調整することができる。
【0030】本実施例独自の特徴は、活性層及び損失層
がバルク構造であるので、簡単な制作方法で偏波変調可
能な半導体レーザを得ることができる点にある。動作原
理は第1実施例と実質的に同じである。
【0031】
【実施例4】 (ネットワークへの応用−偏光子有り)次に本発明のデ
バイスを光ネットワークへ適用した例について述べる。
実施例1〜3で述べたデバイスの出射面に偏光子を配置
し、特定偏波光(例えばTE光)のみを取り出すことが
できる。図12および図13はバス型光ネットワークお
よびリング型光ネットワークへの適用例であり、光ノー
ド401〜406に上記デバイスが搭載されている。本
発明の半導体レーザは線幅が狭くかつ安定しているの
で、パスバンドの狭いフィルタと組み合わせることで高
密度波長多重通信ネットワークが実現できる。
【0032】
【実施例5】 (ネットワークへの応用−偏光子なし)偏光子を使用し
なければ異なる偏波の光を同時に送出できることから、
上記デバイスを用いてネットワークの多機能化をはかる
ことができる。例えば、波長可変レーザと波長可変フィ
ルタを用いた波長多重システムにおいて、波長可変フィ
ルタに偏波依存性をもたせることで、上記デバイスを偏
波ダイバーシティ用の光源として非常に単純な構成で使
用できる。
【0033】以上は1.5μm帯で説明してきたが、他
の波長帯や材料系でも同様に成り立つ。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の偏波変調可
能な半導体レーザは以下の効果を有する。 (1)安定に直接偏波変調できる領域(電流、光出力、
動作温度、波長、消光比等)が広い。 (2)素子設計の自由度が高く、構造が簡単なため製作
歩留まりが高い。 (3)動作電流が低く構造が簡単なため素子寿命が長
い。
【0035】又、本発明の光ネットワークは以下の効果
を有する。 (1)本発明の偏波変調可能な半導体レーザは線幅の動
作安定性が良いため、パスバンドの狭い波長フィルタと
組み合わせて高密度波長多重通信システムを実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明する共振器方向断
面図。
【図2】第1の実施例の活性層及び損失層のバンド構造
を説明する模式図。
【図3】第1の実施例の利得領域1および2に均等にキ
ャリアを注入したときの、TEモードおよびTMモード
に対する利得(正確にはГ・g)と共振器損失との関係
を示すグラフ図。
【図4】第1の実施例の利得領域1および2に不均一に
キャリアを注入してTEモードとTMモードの利得の相
関を変化させ、かつ、損失領域に逆バイアスを印加した
ときのTEモードおよびTMモードに対する利得(正確
にはГ・g)と共振器損失との関係を示すグラフ図。
【図5】第1の実施例と従来例の動作電流と線幅の関係
を模式的に示した図。
【図6】第1の実施例と従来例の偏波変調可能領域の違
いを動作電流対光出力の関係を用いて模式的に表した
図。
【図7】第2の実施例の活性層のバンド構造を説明する
模式図。
【図8】第2の実施例の損失層のバンド構造を説明する
模式図。
【図9】第2の実施例の利得領域1および2にキャリア
を注入し、かつ損失領域に電圧印加して制御した時の利
得および損失スペクトルの関係を示すグラフ図。
【図10】本発明の第3の実施例を説明する共振器方向
断面図。
【図11】第3の実施例の利得領域1および2に独立に
キャリアを注入し、かつ損失領域に逆バイアスを印加し
たときの、TEモードおよびTMモードに対する利得
(正確にはГ・g)と共振器損失(Г・αin+αM+α
SC)との関係を示すグラフ図。
【図12】バス型ネットワークシステムへの適用例を説
明する模式図。
【図13】リング型ネットワークシステムへの適用例を
説明する模式図。
【図14】従来例を説明する模式図。
【符号の説明】
101 基板 102、105 クラッド層 103 光ガイド層 104a 活性層 104b 損失層 106 キャップ層 107 グレーティング 108、108a、108b、108c 正電極 109 負電極 112 ARコート 121、181 ウエル層 122、182 バリア層 123、183 SCH層 171 InGaAs歪み井戸層 172 InGaAsP井戸層 173 InGaAsPバリア層 400 光バスライン 401〜406 光ノード 411〜416 端末装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−125142(JP,A) 米国特許5007063(US,A) KNUPFER B ET AL,P OLARIZATION−INSENS ITIVE HIGH−CONTRAS T GaAs/AlGaAs WAVE GUIDE MODULATOR BA SED ON THE FRAN,IE EE PHOTONICS TECHN OLOGY LETTERS,米国, 1993年12月1日,vol.5,no. 12,pages 1386−1388 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/025 H01S 5/34

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに独立な2つの偏波モードを許容す
    る光導波路と分布帰還型共振器を有する半導体レーザで
    あって、独立制御可能な利得領域と損失領域を有し、該
    利得領域と該損失領域のうち、少なくとも該損失領域を
    制御することにより共振器全体の損失スペクトルに偏波
    依存性を与え、且つ前記2つの偏波モードの利得に偏波
    依存性を与える為に、該利得領域の活性層を多重量子井
    戸構造とし、それを構成する量子井戸のウエル層とバリ
    ア層の層厚や組成、歪み応力の少なくとも1つを他の量
    子井戸と異ならせ、前記2つの偏波モードを任意に選択
    するように構成されていることを特徴とする偏波変調可
    能な半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 前記共振器全体の損失スペクトルに偏波
    依存性を与える為に、損失領域の光導波路の一部に量子
    閉じこめシュタルク効果を有する量子井戸構造に代表さ
    れる超構造が用いられ、偏波モードを任意に選択する為
    に、損失領域に印加する電圧を制御すること及び利得領
    域の活性層に注入するキャリア密度を制御することの少
    なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1記載の半
    導体レーザ。
  3. 【請求項3】 前記共振器全体の損失スペクトルに偏波
    依存性を与える為に、損失領域の光導波路の一部にフラ
    ンツ・ケルデッシュ効果を有する構造が用いられ、偏波
    モードを任意に選択する為に、損失領域に印加する電圧
    を制御すること及び利得領域の活性層に注入するキャリ
    ア密度を制御することの少なくとも一方を行うことを特
    徴とする請求項1記載の半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 前記共振器全体の損失スペクトルに偏波
    依存性を与える為に、損失領域の表面に金属が装荷さ
    れ、偏波モードを選択する為に、利得領域の活性層に注
    入するキャリア密度を制御することを特徴とする請求項
    1記載の半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 発振光源として用いられる請求項1乃至
    4のいずれかに記載の半導体レーザに対し、該レーザの
    出射面に偏光子を配置して特定の偏波のみを利用するこ
    とを特徴とする光ネットワーク。
  6. 【請求項6】 発振光源として用いられる請求項1乃至
    4のいずれかに記載の半導体レーザから、出射される偏
    波が互いに直交する光を伝送路に同時に送出して、受信
    側では該偏波の異なる光を同時に受信することを特徴と
    する光ネットワーク。
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