JP3395554B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

焼結鉱の製造方法

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JP3395554B2 JP34939496A JP34939496A JP3395554B2 JP 3395554 B2 JP3395554 B2 JP 3395554B2 JP 34939496 A JP34939496 A JP 34939496A JP 34939496 A JP34939496 A JP 34939496A JP 3395554 B2 JP3395554 B2 JP 3395554B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CaO 成分を6〜
12重量%含む焼結鉱の製造において、結晶水含有量の高
い鉄鉱石を多量に使用して、耐還元粉化性の良好な焼結
鉱を高い成品歩留で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉に装入される焼結鉱の一般的な製造
工程は次のとおりである。まず、粉鉄鉱石、粉コーク
ス、石灰石等の焼結原料に適量の水分を添加しながら混
合造粒機によって造粒する。この造粒処理によって擬似
粒子化された焼結原料を、焼結機のパレットに装入、充
填する。そして、焼結原料充填層の上部から下部に向か
って空気を吸引しつつ、充填層の上部に点火し、原料中
の粉コークスを上部から順次燃焼させて焼結原料を焼成
する。焼成後は、パレットを傾転して焼成物(焼結ケー
キと称する)を取り出し、破砕、冷却した後、一定粒度
以上の焼結鉱を高炉装入原料として供する。ここで、一
定粒度未満の焼成物は返鉱として再び焼結原料に戻され
る。
【0003】ここで、高炉に装入される焼結鉱は、一般
的な高炉操業上の理由からCaO成分6〜12重量%(以
下、「重量%」を単に「%」と記載する)の焼結鉱が望
まれる。これは、CaO成分が6%未満では、焼結過程に
おいて融液の生成量が不十分であり強度の低い焼結鉱と
なるためである。このような強度の低い焼結鉱は、高炉
炉内の上部で荷下がりによる応力を受けた際、大量の粉
を発生し、高炉の通気性を悪化させる。さらに高炉操業
は、塩基度すなわちCaO/SiO2比率一定のもとで操業する
必要があるが、CaO成分が6%未満ではこれに伴ってSiO
2成分を減らす必要があり、高炉でのスラグ量が減少し
過ぎてしまい、高炉での脱S(硫黄)能力が低下する。
また、CaO成分が12%を超えると、高炉スラグに含まれ
るSiO2量を増加させる必要から、高炉でのスラグ量が過
剰となり、高炉炉内の通気性を悪化させ、高炉の生産性
が低下する。
【0004】近年、良質の塊鉱石が枯渇してきたため、
高炉装入原料に占める焼結鉱の比率(以下、これを「焼
結比」と記載する)を高める高炉操業方法が一般的にな
ってきた。そのため、従来よりも優れた品質の焼結鉱が
求められる傾向にある。しかしながら、良質な鉄鉱石の
枯渇は焼結原料である粉鉄鉱石においても塊鉱石と同様
であり、結晶水含有量が5.0 %以上の鉄品位の低い劣質
な鉄鉱石(以下、これを「高結晶水鉄鉱石」と記載す
る)を使用する比率が高くなる傾向にある。
【0005】焼結原料中に占める高結晶水鉄鉱石の割合
が高くなると、焼結鉱の還元粉化性と強度が悪化し、こ
のような焼結鉱を高炉に使用すると高炉炉内の通気性を
悪化させるという問題を生じる。
【0006】高結晶水鉄鉱石の割合が高くなると、焼結
鉱の還元粉化性と強度が悪化するのは、つぎの2つの理
由によるものである。
【0007】焼結鉱製造過程の焼成段階において、高
結晶水鉄鉱石に含まれる結晶水が、粉コークスの燃焼熱
によって脱水反応を起こす。この脱水反応にともなう結
晶水の体積膨張が鉄鉱石に微細な気孔や亀裂を発生させ
るため、鉄鉱石の反応面積が著しく増大し、鉄鉱石中の
Fe2O3と融液の反応である焼結化反応が過剰に進行し易
い状態になる。しかし、充填層全体でみると、融液の流
動性が悪化し充填層全体に融液が移動しないため、焼結
化反応が不十分となる。その結果、焼結鉱の強度と成品
歩留が悪化する。
【0008】鉄鉱石に発生した微細な気孔や亀裂は、
焼結鉱中に残留するため、還元ガスと焼結鉱の接触が容
易な状態になる。その結果、高炉内の400〜600℃の温度
域における還元雰囲気で粉化し易く、現在の品質管理項
目の1つである還元粉化指数(RDI:550℃、30分の
還元雰囲気で保持した焼結鉱をドラム中で900回転後の
粒径2.83mm以下の重量割合、日本鉄鋼協会共同研究会製
銑部会法)が悪化する。従来、これを解決する方法とし
て、焼結原料に添加する粉コークスの配合量を増加する
ことによって焼結化反応に必要な熱量を補い、融液の流
動性と量の確保を図って対応している。しかしながら、
この方法ではエネルギー消費量の増加や過剰な熱量の投
入によって充填層内部に不均一焼成が発生し、原料充填
層の通気性悪化を招き、結果として生産性が悪化すると
いう問題がある。
【0009】特開昭57-79129号公報には、高結晶水鉄鉱
石である粗粒リモナイト質鉄鉱石に微量のAl2O3 を含有
するSiO2粘土質物質と、MgO-SiO2含有粘土質物質のう
ち、1種または2種以上を5〜15%加えて混合破砕する
ことによって、粉コークスの配合量を変えることなく焼
成する方法が開示されている。これは、MgO-SiO2含有粘
土質物質をリモナイト質鉄鉱石の表面に被覆することに
より、リモナイト質鉄鉱石と石灰石との反応を調整する
方法である。しかし、この方法には以下の問題がある。
【0010】MgO-SiO2含有粘土質物質を使用するた
め、焼結鉱に含まれるスラグ成分の増加による高炉スラ
グ量の増加を招き、高炉での焼結比を高めることができ
ない。
【0011】リモナイト鉱石にMgO-SiO2含有粘土質物
質を被覆するには、これらを混合破砕する必要がある。
そのため、粗粒鉄鉱石であるリモナイト質鉄鉱石も少な
からず破砕され、焼結原料粒径の低下を招く。これは、
結果として焼結鉱製造過程での充填層の通気性悪化によ
る生産性と歩留の悪化を招く。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、CaO
成分を6〜12%含む焼結鉱を製造するに際し、結晶水含
有量が5.0%以上の鉄鉱石を多量に使用して、良好な耐
還元粉化性を有する焼結鉱を高い成品歩留で製造する方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高結晶水
鉄鉱石とドロマイトを使用する方法について研究を重
ね、高結晶水鉄鉱石と特定の粒度構成をもつドロマイ
トを所定比率配合する、特定の粒度構成をもつ高結晶
水鉄鉱石を使用する、高結晶水鉄鉱石を含む焼結原料
を撹拌羽根を内蔵した混合機で混合する、ことにより耐
還元粉化性の良好な焼結鉱を高い成品歩留で製造できる
ことの知見を得た。
【0014】本発明は、これらの知見に基づき完成さ
れ、その要旨は、下記の焼結鉱の製造方法にある。
【0015】CaO 成分が6〜12重量%の焼結鉱の製造に
おいて、5.0 %以上の結晶水を含む鉄鉱石を全焼結原料
に対して20重量%以上配合し、かつ粒径0.25〜1.0 mmの
粒子の比率が30%以上のドロマイトを全焼結原料に対し
て0.5〜25%配合し、その配合原料を混合造粒した後、
焼成する焼結鉱の製造方法。
【0016】上記5.0 %以上の結晶水を含む鉄鉱石は、
粒径5mm以下の粒子が80%以上で、かつ粒径1mm以上の
粒子が45%以上の粒度をもつことが望ましい。また、上
記5.0%以上の結晶水を含む鉄鉱石とドロマイトを予め
混合造粒した後、他の焼結原料と混合または混合造粒
し、焼成することが望ましい。さらに、上記の焼結原料
の混合造粒は、撹拌羽根を内蔵した混合機によって行う
ことが望ましい。
【0017】本発明方法において、粒子の大きさを表す
「mm」とは、篩目の代表径を意味する。例えば、粒径
0.25mm 以下の粒子とは篩目が 0.25mm の篩でふるった
ときの篩下を意味し、粒径0.25〜1.0 mmの粒子とは篩目
が1mmの篩でふるったときの篩下であって、0.25mmの篩
上に残った粒子を意味する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の焼結鉱の製造は、高結晶
水鉄鉱石を全焼結原料に対して20%以上配合し、かつ粒
度0.25〜1.0 mmの比率が30%以上のドロマイトを全焼結
原料に対して0.5〜25%配合し、この配合原料を混合造
粒した後、焼成することによって行われる。
【0019】以下、上記のように規定した項目ごとに説
明する。
【0020】1.鉄鉱石の結晶水含有量について:図1
は、焼結原料中に占める高結晶水鉄鉱石配合割合と焼結
鉱成品歩留との関係を示す図である。同図は公知であ
り、これから5%の結晶水を含む鉄鉱石を20%以上使用
すると、焼結鉱の成品歩留が低下することがわかる。こ
の歩留の低下は、以下の理由によるものである。
【0021】焼結過程での鉄鉱石から結晶水が脱水する
反応により、鉄鉱石に微細な気孔や亀裂が生成し、鉄鉱
石の反応面積が著しく増大し、鉄鉱石中のFe2O3と融液
の反応である焼結化反応が過剰に進行し易い状態にな
る。しかし、充填層全体でみると、融液の流動性が悪化
し充填層全体に融液が移動しないため、焼結化反応が不
十分となる。したがって、本発明においては、高結晶水
鉄鉱石の配合量を全焼結原料の20%以上とした。また、
配合の上限を制限する必要はないが、副原料との関係で
高結晶水鉄鉱石は55%以下とするのが望ましい。
【0022】本発明において、高結晶水鉄鉱石の粒度構
成を「粒径5mm以下の粒子が80%以上で、かつ粒径1mm
以上が45%以上とするのが望ましい」としたのは次の理
由による。
【0023】焼結原料を焼結機のパレットに装入・充填
すると、粒度偏析によって粒径の大きな粒子はパレット
の中、下層部に集中する。そのため、高結晶水鉄鉱石中
の粒径5mm以上の粒子が20%を超えて含まれると、これ
らの大部分がパレットの中、下層部に集中してしまう。
その結果、この部位に流動性の低い融液が多量に発生
し、充填層の通気を阻害して生産性を低下させる。ま
た、粒径1mm以上の粒子が45%未満では、粒径の小さい
ものが多く含まれており、焼成時の脱水反応による気孔
や亀裂の発生にともなう反応面積の増加が少なく、本発
明方法の効果が得られない。
【0024】ここで、高結晶水鉄鉱石としては、SF.
ローブリバー、SF.ヤンディークーディナー、SF.
マラマンバ等があげられる。
【0025】2.ドロマイトについて:本発明者らは、
鉄鉱石中の結晶水と融液との関係、即ち焼結化反応にお
けるMgO 成分の機能について研究を行った。
【0026】図2は、鉄鉱石中の結晶水含有量と焼結鉱
の製造過程において生成する融液の流動性指数との関係
を示す図である。同図は、10%までの結晶水を含む鉄鉱
石を用いて、焼結鉱のCaO 成分を一定として(CaO+MgO)
成分を変化させて焼成したときの融液の流動性を調べた
結果である。同図から、鉄鉱石中の結晶水が5%以上に
なると、MgO 成分が多くなるほど融液の流動性が良くな
ることがわかる。これは、MgO 成分が、高結晶水鉄鉱石
中のFe2O3 成分とCaO成分との過剰な焼結化反応の進行
を抑制するためである。
【0027】これから、CaO とMgO を主要成分とするド
ロマイトを使用すれば、高結晶水鉄鉱石のように焼結過
程において微細な気孔や亀裂が発生し、反応面積が増加
する鉄鉱石の過剰な焼結化反応の進行を抑制することが
できると考えた。
【0028】ドロマイトの配合量を全焼結原料の25%以
下としたのは、製造する焼結鉱のCaO 成分を6〜12%と
するためである。ドロマイトの配合量が25%を超えると
焼結鉱のCaO 成分は12%を超え、高炉操業に支障をきた
すからである。
【0029】ドロマイトの粒度構成を粒径0.25〜1.0 mm
の粒子を30%以上含むこととしたのは、ドロマイトを高
結晶水鉄鉱石と混合造粒したとき、焼結原料中のドロマ
イトの分散性を高めて高結晶水鉄鉱石の過剰な焼結化反
応の進行を抑制するためである。粒径が0.25mm未満、ま
たは1.0 mmを超えると上記の効果が得られない。したが
って、粒径が0.25〜1.0 mmの粒子であれば、100 %であ
ってもよい。また、ドロマイトと高結晶水鉄鉱石との混
合造粒を別系統で行うと、ドロマイトを選択的に高結晶
水鉄鉱石と付着させることができ、過剰な焼結化反応の
進行を抑制する効果が高まる。
【0030】図3は、焼結原料の混合造粒工程を示す図
である。
【0031】の工程は、全原料をドラムミキサーで混
合した後、注水して造粒する、の工程は、全原料を攪
拌羽根内蔵ミキサーで注水して混合した後、ドラムミキ
サーで造粒する、の工程は、A、B二系統の原料をそ
れぞれドラムミキサーで混合した後、注水して造粒し、
それぞれを混合する、の工程は、A系統の原料をドラ
ムミキサーで注水して混合した後、ドラムミキサーで造
粒し、B系統の原料をドラムミキサーで混合し、A、B
原料をドラムミキサーで注水して造粒する、の工程
は、A系統の原料を攪拌羽根内蔵ミキサーで注水して混
合した後、ドラムミキサーで造粒し、B系統の原料をド
ラムミキサーで混合した後、注水して造粒し、それぞれ
を混合する、の工程は、A系統の原料を攪拌羽根内蔵
ミキサーで注水して混合した後、ドラムミキサーで造粒
し、B系統の原料をドラムミキサーで混合し、A、B原
料をドラムミキサーで注水して造粒する。
【0032】工程よりも工程、工程よりも工程
、または工程よりも工程の方が工程が煩雑になる
が、成品歩留および成品品質がよくなる。
【0033】3.混合造粒について:本発明方法におい
て使用する撹拌羽根を内蔵した混合機とは、円筒形パン
内に撹拌を目的とする羽根が設置され、パンと羽根との
双方が回転運動する混合機であり、代表例としてはアイ
リッヒミキサー(商品名)と呼ばれるものがある。この
タイプの混合機は、羽根の回転速度が1rpm 以上で、被
混合物に対して圧密作用がないために十分な均一混合が
可能である。従って、この型の混合機で焼結原料の撹拌
混合を行えば、高結晶水鉄鉱石を破砕することなく、ド
ロマイトを原料中に均一に分散することができる。これ
により、高結晶水鉄鉱石に対するドロマイトの効果を十
分に活用することができ、耐還元粉化性の良好な焼結鉱
を高い歩留で製造できる。また、撹拌羽根を内蔵した混
合機を使用して焼結原料を混合した後に、さらに1〜3
台の転動型造粒機(ドラムミキサーとも称する)を使用
して造粒を行ってもよい。
【0034】
【実施例】
(実施例1)焼結原料は、表1に示す化学成分および粒
度構成をもつ鉄鉱石と副原料を用意し、表2および表3
に示す配合割合で配合した。焼成試験は、内径 300mmの
円筒形のポットに焼結原料を装入し、層高 500mm、空塔
風速 15.0 Nm3/ (m2・min)の一定条件で行った。空塔風
速を一定とした理由は、焼成時間を一定とするためであ
る。つまり、焼結過程のヒートパターンを一定として、
焼結鉱の歩留と品質を評価した。なお、点火条件は液化
石油ガス(LPG) 90 リットル/分で2分間とし、焼
成終了は排ガス温度最高到達点(BTP)後 90 秒とし
た。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】混合造粒のために使用したミキサーは、攪
拌羽根内蔵ミキサー(アイリッヒミキサー)とドラムミ
キサーであり、それらの仕様を表4に示した。
【0039】
【表4】
【0040】得られた焼結鉱の成品歩留と還元粉化性を
調査し、結果を表5に示した。
【0041】
【表5】
【0042】表5から次のことがわかる。
【0043】試験No.3〜8 は、高結晶水鉄鉱石を全焼結
原料に対して20〜55%配合し、かつ粒径0.25〜1.0 mmの
比率が55 %のドロマイトを全焼結原料に対して10%配
合し、焼結鉱のCaO 成分10.0%とした本発明の方法によ
るものである。これより、成品歩留は79.5〜85.4%、還
元粉化性は41.0〜38.6と良好である。
【0044】これに対して、従来例の試験No.1 はドロ
マイトを配合していないため焼結鉱の成品歩留77.6%、
還元粉化性43.9%と悪い。比較例の試験No.2は成品歩留
85.3%、還元粉化性36.3%と良好であるが、高結晶水鉄
鉱石の配合量が10%と少ないため、鉄品位の低い劣質な
鉄鉱石である高結晶水鉄鉱石を多量に使用する技術とは
いえない。
【0045】試験No.6、10〜12は、高結晶水鉄鉱石を全
焼結原料に対して30%配合し、かつ粒径0.25〜1.0 mmの
比率が32〜93%のドロマイトを全焼結原料に対して10%
配合し、焼結鉱のCaO成分10.0%とした本発明の方法に
よるものである。これより、成品歩留は81.7〜86.3%、
還元粉化性は39.0〜35.8%と良好である。
【0046】これに対して、比較例の試験No.9は粒径
0.25〜1.0mmの比率が28%のドロマイトを配合している
ため、成品歩留78.6%、還元粉化性41.8%と悪い。
【0047】試験No.6、13〜16は、高結晶水鉄鉱石を全
焼結原料に対して30%配合し、かつ粒径0.25〜1.0 mmの
比率が55%のドロマイトを全焼結原料に対して0.5〜25
%配合し、焼結鉱のCaO成分10.0〜11.8%とした本発明
の方法によるものである。これより、成品歩留は80.4〜
85.5%、還元粉化性は39.8〜36.3%と良好である。
【0048】これに対して、比較例の試験No.17は、ド
ロマイトを全焼結原料に対して40%と過剰に配合したた
め、成品歩留は85.4%、還元粉化性は35.7%と良好であ
るが、焼結鉱のCaO成分が18.4%と適正範囲を超えてし
まう。
【0049】試験No.4〜8、10〜16は、粒径5mm以下の
比率が80%以上で、かつ粒径1mm以上の比率が45%以上
の高結晶水鉄鉱石を全焼結原料に対して20〜55%配合
し、さらに粒径0.25〜1.0mmの比率が32〜93%のドロマ
イトを全焼結原料に対して0.5〜25%配合し、焼結鉱のC
aO 成分を10.0〜11.8%とした本発明の方法によるもの
である。これより、成品歩留は80.4〜86.3%、還元粉化
性は40.1〜35.7%と良好である。
【0050】これに対して試験No.3は、粒径5mm以下の
比率が95%以上で、かつ粒径1mm以上の比率が35%以上
の高結晶水鉄鉱石を配合したため、成品歩留は79.5%、
還元粉化性は41.0%である。
【0051】(実施例2)高結晶水鉄鉱石と通常の鉄鉱
石とを図3の工程およびに示すように2系統に分割
して混合造粒し、高結晶水鉄鉱石にはドロマイトを配合
する試験を行った。原料の配合および分割は、表6の配
合18および配合19とした。なお、混合造粒方法以外の試
験方法は、実施例1と同様である。それらの試験結果を
表7に示す。
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】試験No.19 は分割原料をドラムミキサーを
用いて工程で混合、造粒したもの。試験No.20 は高結
晶水鉄鉱石とドロマイトを含む分割原料Aをドラムミキ
サーを用いて混合、造粒し、高結晶水鉄鉱石を含まない
分割原料Bをドラムミキサーで混合し、両者を合わせて
ドラムミキサーで造粒した(工程)本発明の方法によ
るものである。これより、試験No.19および20の成品歩
留はそれぞれ85.4、86.6%、還元粉化性36.7、35.8%と
良好である。
【0055】これに対して、従来例の試験No.1は、ドロ
マイトを配合せず、かつ原料を分割せずにドラムミキサ
ーを用いて工程で混合、造粒したものであり、試験N
o.18はドロマイトを配合せず、分割原料をドラムミキサ
ーを用いて工程で混合、造粒したものである。これよ
り、試験No.1および18の成品歩留はそれぞれ77.6、78.6
%、還元粉化性43.9、42.8%と悪い。
【0056】(実施例3)高結晶水鉄鉱石とドロマイト
を含む焼結原料を、図3の工程、およびに示すよ
うに撹拌羽根を内蔵した混合機によって混合造粒する試
験を行った。原料の配合および分割は、表2の配合6お
よび表6の配合19とした。なお、造粒方法以外の試験方
法は、実施例1と同様である。それらの試験結果を前記
表7に併せて示す。
【0057】試験No.22は、原料を分割せずに撹拌羽根
を内蔵したミキサーで混合した後、ドラムミキサーで混
合造粒したもの(工程)。試験No.23は、高結晶水鉄
鉱石とドロマイトを含む分割原料Aを撹拌羽根を内蔵し
たミキサーで混合した後、ドラムミキサーで造粒し、高
結晶水鉄鉱石とドロマイトを含まない分割原料Bをドラ
ムミキサーで混合、造粒したもの(工程)。試験No.2
4は、高結晶水鉄鉱石とドロマイトを含む分割原料Aを
撹拌羽根を内蔵したミキサーで混合した後、ドラムミキ
サーで造粒し、高結晶水鉄鉱石とドロマイトを含まない
分割原料Bをドラムミキサーで混合し、両者を合わせて
ドラムミキサーで造粒したもの(工程)であり、いず
れも本発明の方法によるものである。これより、試験N
o.22〜24の成品歩留は86.0〜88.3%、還元粉化性は36.3
〜34.4%と良好である。
【0058】これに対して、従来例の試験No.21は、ド
ロマイトを配合せず、かつ原料を分割せずに撹拌羽根を
内蔵したミキサーで混合した後、ドラムミキサーで造粒
したものであるため、成品歩留79.1%、還元粉化性は4
2.4%と悪い。
【0059】
【発明の効果】本発明方法によれば、従来使用量を増や
すことができなかった結晶水含有量の高い鉄鉱石を多量
に使用して、粉コークスを増量することなく耐還元粉化
性の良好な高炉装入用焼結鉱を高い成品歩留で製造する
ことができる。これにより、良質鉄鉱石の枯渇に十分対
応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼結原料中に占める高結晶水鉄鉱石配合割合と
焼結鉱成品歩留との関係を示す図である。
【図2】鉄鉱石中の結晶水含有量と融液流動性との関係
を示す図である。
【図3】実施例に用いた焼結原料の混合・造粒のフロー
を示す図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CaO 成分が6〜12重量%の焼結鉱の製造に
    おいて、5.0 重量%以上の結晶水を含む鉄鉱石を全焼結
    原料に対して20重量%以上配合し、かつ粒径0.25〜1.0
    mmの粒子の比率が30重量%以上のドロマイトを全焼結原
    料に対して0.5〜25重量%配合し、その配合原料を混合
    造粒した後、焼成することを特徴とする焼結鉱の製造方
    法。
  2. 【請求項2】上記5.0 重量%以上の結晶水を含む鉄鉱石
    は、粒径5mm以下の粒子の比率が80重量%以上で、かつ
    粒径1mm以上の粒子が45重量%以上であることを特徴と
    する請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 【請求項3】上記5.0重量%以上の結晶水を含む鉄鉱石
    とドロマイトを予め混合造粒した後、他の焼結原料と混
    合または混合造粒し、焼成することを特徴とする請求項
    1に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 【請求項4】上記5.0重量%以上の結晶水を含む鉄鉱石
    とドロマイトを予め混合造粒する方法は、撹拌羽根を内
    蔵した混合機によって行うことを特徴とする請求項
    記載の焼結鉱の製造方法。
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