JP3391650B2 - 光スプリッタ - Google Patents

光スプリッタ

Info

Publication number
JP3391650B2
JP3391650B2 JP09199297A JP9199297A JP3391650B2 JP 3391650 B2 JP3391650 B2 JP 3391650B2 JP 09199297 A JP09199297 A JP 09199297A JP 9199297 A JP9199297 A JP 9199297A JP 3391650 B2 JP3391650 B2 JP 3391650B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveguide
optical
input
wavelength
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP09199297A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10282350A (ja
Inventor
安弘 肥田
靖之 井上
範夫 高戸
文明 塙
高雄 福満
真 住田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP09199297A priority Critical patent/JP3391650B2/ja
Publication of JPH10282350A publication Critical patent/JPH10282350A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3391650B2 publication Critical patent/JP3391650B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)
  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長多重通信や光
線路試験システムに有効な光スプリッタに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】通信サービスに対するニーズの多様化に
ともない、経済的で高機能なネットワークが要望され、
各家庭まで光ファイバを設置しケーブルテレビ(CAT
V)などの映像分配サービスと電話やコンピュータデー
タ等の通信サービスとを同時に行うシステムが開発され
つつある「通信/映像分配サービス用アクセスシステ
ム」,NTTR & D, vol.44, p.1163, 1995参照)。
【0003】さらに、光ファイバ網の経済的・効率的な
管理保守を目的に、映像・通信信号光とは別の波長によ
るインサービス試験も開発されている(N. Tomita, et
al.,"Design and performance of a novel automatic f
iber line testing system with OTDR for optical sub
scriber loops," J. Lightwave Technol.,vol.12, p.71
7, 1994 参照)。
【0004】これらの、複雑多様な光通信サービスに対
して、経済的で高性能な光部品の開発が望まれている。
通信用光部品としては、個別の部品をつなぎ合わせたバ
ルク型、光ファイバを加工したファイバ型、および、平
面基板上の光導波路で構成した導波型があるが、近年、
小型集積性・量産性に優れ高機能化が可能な導波型光部
品が注目されている。
【0005】図7に、波長1.55μm帯の映像信号光
を分配し、波長1.3μm帯で通信光を伝達する導波型
光スプリッタを示す。この通信システムでは、1対多数
によるパッシブダブルスター方式により経済的な映像分
配サービスを提供し、同時に1対1のシングルスター方
式により高速で安全な通信サービスを提供する。この光
スプリッタは厚さ1mmの石英の平面基板1上に、コア
寸法7μm×7μm、クラッド膜厚60μm、コアとク
ラッドの比屈折率差が0.45%の石英系光導波路で作
製され、波長1.55μm帯での8加入分の映像分配サ
ービスと、波長1.3μm帯での8加入分の双方向通信
サービスを可能にするものである。
【0006】石英系光導波路は光ファイバと同成分材料
を用い、高度な半導体加工技術を利用して作製されるの
で、高機能・低損失で安定性に優れた光部品を提供する
ものとして、近年、特に注目されている光導波路である
(例えばM. Kawachi, "Recent progress in silica-bas
ed planar lightwave circuits on silicon," IEE Pro
c.- Optoelectron., vol.143, p.257, 1996参照)。
【0007】この光スプリッタでは、図7に示すよう
に、第1入力導波路31にY分岐21を3段連ねた分岐
回路2を形成し、その出力ポートは波長合分波器41を
通って出力導波路33につながっている。第1入力導波
路31の両側には、それぞれ4本ずつ第2入力導波路3
2が配置され、波長合分波器41を介して出力導波路3
3に結合している。波長1.55μm帯での映像信号光
は、第1入力導波路31から入射されて分岐回路2で8
つに分配され、各分配信号光は波長合分波器41を通過
し出力導波路33に達する。一方、局から加入者側への
波長1.3μm帯通信光は、第2入力導波路32から入
射されて、波長合分波器41を介して出力導波路33に
導かれる。なお、加入者側から局への1.3μm帯通信
光はこの逆の経路を通り、伝送路を伝搬後出力導波路3
3、波長合分波器41を介して第2入力導波路32に導
かれることになる。
【0008】実施の形態波長合分波器41は、図8に示
すように、2個の方向性結合器71,71を連結したマ
ッハ・ツェンダ光干渉計で構成されている。このマッハ
・ツェンダ光干渉計は設計や作製が容易なことから、導
波型の波長合分波器に有効な回路として一般的に広く利
用されているものである(小湊他,「マッハ・ツェンダ
干渉計で構成した導波型光WDM回路」,電子情報通信
学会論文誌C-I, vol.J73-C-I, p.354, 1990参照)。
【0009】この光スプリッタの実施形態は、図7に示
すように、導波路端面に入出力ファイバが接続される。
第1入力導波路31に第1入力ファイバ51が、第2入
力導波路32に第2入力ファイバ52がそれぞれ端面接
続される。これらの入力光ファイバは、各入力導波路の
配列間隔と等しい間隔でファイバ保持部材61上に配
置,固定されている。第2入力ファイバ52は多心なの
で、通常、それらを束ねた多心テープファイバ54を用
いる。また、出力導波路33には出力ファイバ53が端
面接続される。出力ファイバ53も各出力導波路の配列
間隔と等しい間隔でファイバ保持部材62に配置,固定
されている。出力ファイバ53も多心であるため、通
常、それらを束ねた多心テープファイバ55を用いる。
【0010】また、分岐回路とマッハ・ツェンダ光干渉
計を組み合せた同構成の光スプリッタの他の応用とし
て、1.3μm帯双方向通信と1.55μm帯映像分配
とをパッシブダブルスター方式で提供し、1.65μm
帯で線路試験を行うシステムが提案されている(F. Yam
amoto, et al., "In-service remote access and measu
rement method for passive double star networks," 5
th Conference on Optical / Hybrid Access Networks,
Montreal, Canada, 5.02,1993参照)。この場合、マッ
ハ・ツェンダ光干渉計は波長無依存カップラとして機能
するように設計する。
【0011】即ち、1.55μm帯の映像信号光は第1
入力導波路31から入射され、分岐回路で8分岐された
後に光結合器41を経て出力導波路33に達する。一
方、加入者側からの1.3μm帯通信光は、前記の1.
55μm帯の映像信号光と逆の経路を辿って第1入力導
波路31に達する。1.65μmの試験光は、第2入力
導波路側から導入され、光結合器によって出力導波路3
3に結合した後、伝送路ファイバに送出され、各種試験
が実行される。試験としては、例えば、後方散乱光をモ
ニタして破断点を検出するOTDR試験等がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図7に示す従来の光ス
プリッタでは、導波型マッハ・ツェンダ光干渉計の構造
により、第2入力導波路32は出力導波路33と反対側
に配置される。このため、第2入力導波路32は両端の
2本を除いて、必ず、1度は分岐回路2の導波路とX交
差部22で交差することになる。2本の導波路の交差で
は、導波路間で伝搬光が漏れ合って映像信号の劣化や通
信時の漏話が生じる。そして、交差角が小さいほど、漏
話量と過剰損失が増えることが知られている。例えば漏
話量を−30dB以下に押さえるには13度以上の交差
角が必要で、このときの過剰損失は0.1dB程度であ
る。
【0013】一方、分岐回路2と第2入力導波路32の
レイアウトのために曲がり導波路が必要となるが、この
曲がり部分は、過剰損失を押さえるためにある一定以上
の曲率半径(図7の従来例では15mm)で曲げなけれ
ばならない。このような最小交差角と最小曲率半径の条
件のために、光スプリッタのレイアウトが制限され、そ
の結果、回路設計に手間や時間がかかるという問題点が
あった。
【0014】特に、分岐数が増えるほど、回路設計は複
雑・困難になる。また、同時に交差数の増加による損失
増加の影響も顕著になる。第1入力導波路からN分岐す
る出力導波路の両端を伝搬する映像分配信号光は、(N
/2−1)ヶ所のX交差部を通過するので、32分岐光
スプリッタにおいては、交差過剰損失が約1.5dBに
もなる。
【0015】さらに、Y分岐21の分岐比は分岐前の導
波モードの状態に影響を受けやすいので、分岐回路2で
導波路が交差することにより導波モードが乱れ、その結
果、映像信号光の分岐比のばらつきや信号光パワーのふ
らつきが生じる危険性があった。
【0016】さらに、マッハ・ツェンダ光干渉計と分岐
回路との複合構成という点でも問題点があった。従来例
のように、分岐回路と波長合分波器を同一基板上の光導
波路で作製する場合、それぞれを構成するY分岐および
方向性結合器を作製するための最適な条件が厳密には異
なるので、これらの2種類の回路を複合するために、そ
れぞれの最適条件からずらした中間的な条件で作製する
必要があった。このため、各回路の特性を十分引き出す
ことができず、その結果、光スプリッタの特性ばらつき
が生じ、歩留り低下の要因の一つとなっていた。
【0017】本発明はかかる事情を鑑みてなされたもの
であり、その目的は、回路設計を容易にし、回路特性と
生産性を向上する光スプリッタを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明の光スプリッタは、基板上の光導波路により形
成された1本または複数本の第1入力導波路と、分岐回
路と、複数本の出力導波路とからなる第1の光回路と、
基板上の光導波路により形成され、1本の第2入力導波
路が1本の出力導波路とのみ対応する第2の光回路を複
数個備え、前記第1の光回路の出力導波路と前記第2の
光回路の出力導波路とが共有されている光スプリッタで
あって、前記出力導波路に、透過と反射によって信号光
を分別する波長フィルタを挿入し、前記第2入力導波路
から入射した光は、前記波長フィルタで反射して前記出
力導波路に結合し、前記第2入力導波路は、前記波長フ
ィルタについて前記分岐回路と反対側に配置され、前記
第2の光回路において、前記第2入力導波路と前記出力
導波路とは15°で交わる交差部を有し、前記波長フィ
ルタは前記交差部の中心近傍に、15°の交差角の2等
分線と直角に形成された溝に挿入され、前記第2入力導
波路と前記出力導波路とは、隣接するだい2の光回路と
交差しないように曲げられつつ同一の基板端面に導か
れ、前記基板端面では前記第2入力導波路と前記出力導
波路とが交互に127μm間隔で配置され かつ前記第
2の光回路の前記波長フィルタの近傍では前記複数個の
第2の光回路を構成する対をなす前記1本の第2入力導
波路と前記1本の出力導波路との間隔が最大となり、前
記間隔の最大値が、前記127μm間隔より大きくなる
ように前記第2入力導波路と前記出力導波路とが曲げら
ていることを特徴とする。
【0019】
【0020】さらに、これらの前記の光スプリッタは、
前記波長フィルタが、第1の波長帯の信号光をほぼ10
0%透過し、第2の波長帯の信号光をほぼ100%反射
することを特徴とすることができる。
【0021】また、前記波長フィルタが、必要とする波
長域において信号光をほぼ一定の割合で分別することを
特徴とすることができる。
【0022】さらに、前記波長フィルタが、第1の波長
帯の信号光をほぼ一定の割合で分別し、第2の波長帯の
信号光をほぼ100%反射することを特徴とすることが
できる。
【0023】本発明では、波長フィルタの反射機能によ
って光の経路を逆向きに変えるので、その入出力光を導
く導波路を同一の導波路端面に配置できる。即ち、従来
の光スプリッタで入力側に配置された第2入力導波路を
出力側に配置でき、その結果、第2入力導波路の分岐回
路の導波路と交差させないで配置できる。
【0024】そのため、従来のような最小交差角による
回路レイアウトの制限がなくなるので、設計が容易にな
って従来よりも手間や時間を必要としない。また、交差
による漏話、過剰損失、分岐比ばらつき等の問題も回避
できる。これらのことは、分岐数が多い場合に、特に有
効となる。
【0025】また、波長合分波器と分岐回路とをそれぞ
れ分けて作製するので、各々に最適な条件で作製するこ
とができ、その結果、光スプリッタ回路全体として機能
向上が望める。
【0026】さらに、各種のフィルタ機能を有する波長
フィルタに対して、共通の光スプリッタ導波回路を使用
できるので、通信システムの合分波仕様の変更や多様化
に対し、光スプリッタ回路のレイアウトを変更すること
なく、柔軟に対応できる。
【0027】以上のように、本発明の光スプリッタは、
光分岐回路と波長フィルタと組み合せて得られるそれぞ
れの機能の他、従来の複合回路構成の光スプリッタが有
していた、導波路交差による回路レイアウトと特性劣化
の諸問題を解決し、生産性や特性の向上を促進すること
ができる。
【0028】なお、本発明の光スプリッタは、両端に光
ファイバを設けていない導波路チップのみの光スプリッ
タと、該光スプリッタの両端に光ファイバを設けた光ス
プリッタモジュールとの両方の概念を総括するものであ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0030】[実施の形態1]図1及び図2は本発明の
第1の実施の形態として、波長1.55μm帯の映像信
号光を分配し、波長1.3μm帯で通信光を伝達する8
分岐光スプリッタを説明する図で、それぞれ、平面図と
側面図である。
【0031】この光スプリッタの基板1と分岐構造は図
7に示した従来例のものと同じであるので、同一部材に
ついては同一符号を付して以後説明をする。図1及び図
2中、符号1は基板、2は分岐回路、21はY分岐、3
1は第1入力導波路、32は第2入力導波路、33は出
力導波路、42は波長フィルタ、43は挿入溝、5はフ
ァイバアレイ、51は第1入力ファイバ、52は第2入
力ファイバ、53は出力ファイバ、54,55は多心テ
ープファイバ及び61,62はファイバ保持部材を各々
図示する。
【0032】図1及び図2に示すように、第1入力導波
路31にY分岐21を3段入力連ねた分岐回路2を形成
し、その出力導波路33を斜めにし、そこを横切るよう
に挿入溝43を形成し、該挿入溝43の中に波長フィル
タ42を挿入している。
【0033】前記波長フィルタ42は、図3に示すよう
に、第1の波長帯である波長1.55μm帯の光をほぼ
100%透過し、第2の波長帯である波長1.3μm帯
の光をほぼ100%反射するように作製されている。こ
のような波長フィルタは、ポリイミド薄膜上にSiO2
とTiO2 を交互に蒸着した誘電体多層膜フィルタとし
て、公知の技術で作製できる(T. Oguchi et al. "Diel
ectric multi-layeredinterference filters deposited
on polyimide films." Electron. Lett. vol.27,p.39
1, 1991 参照)。
【0034】このような通常誘電体多層膜で構成される
波長フィルタは、導波型マッハ・ツェンダ光干渉計より
も多彩な干渉効果を利用するので、高機能・多機能なフ
ィルタ特性を実現できる。このため、従来よりも合分波
特性が向上できる。
【0035】本実施の形態では前記挿入溝43は、幅3
0μm深さ200μmで、通常のダイシングソーにより
作製する。この中に幅20μm程度の波長フィルタ42
に挿入し、紫外線硬化型接着剤44で固定するようにし
ているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】図4はこの波長フィルタ42を用いた波長
合分波器の拡大図である。第2入力導波路32と出力導
波路33とを交差させ、その交差中心近傍に、交差角の
2等分線と直角(直交する方向)に前記装入溝43を形
成し、該装入溝43内に前記波長フィルタ42を挿入し
ている。その結果、第2入力導波路32と出力導波路3
3とを伝搬する1.3μm信号光は波長フィルタ42で
反射して結合するので、第2入力導波路32は分岐回路
側と反対側に配置され、分岐回路の導波路と交わらな
い。そのため、分岐回路はそれ単独でレイアウト設計が
でき、さらに交差による問題点を回避できる。第2入力
導波路32と出力導波路33の交差角αは、波長フィル
タ42や固定用接着剤44からの反射減衰量を50dB
以上にするために15度にした。
【0037】この光スプリッタの実装形態は、図1,2
に示すように導波路端面に入出力ファイバが接続された
ものである。第1入力導波路31に第1入力ファイバ5
1が端面接続される。第1入力ファイバ51はファイバ
保持部材61で固定され、石英基板1の端面と共に紫外
線硬化樹脂で接続固定される。第2入力導波路32と出
力導波路33には、導波路数と同数のファイバをまとめ
たファイバアレイ5が端面接続される。ファイバアレイ
5は、第2入力ファイバ52と出力ファイバ53とを交
互に並べて配置され、入出力導波路の配列間隔と等しい
間隔でファイバ保持部材62で固定され、それぞれ、第
2入力導波路42および出力導波路43に端面接続され
る。
【0038】第2入力ファイバ52と出力ファイバ53
はそれぞれ多心であるため、通常、それらを束ねた多心
テープファイバ54,55を用い、種類毎に集約する。
多心テープファイバ54,55をファイバ1本分程度ず
らして重ね、多心テープファイバから単心に分けたファ
イバをそれぞれ第2入力ファイバ52と出力ファイバ5
3とし、それらを種類毎に交互に横一列に並べてファイ
バアレイ5を形成する。ファイバの間隔はファイバ外径
125μmよりも少し大きい127μmとし、第2入力
導波路32と出力導波路33が交互に配列されている間
隔も127μmにした。
【0039】[実施の形態2]次に、本発明の第2の実
施の形態について説明する。本発明の光スプリッタの第
2の実施の形態は、1.3μm帯双方向通信と1.55
μm帯映像分配をパッシブダブルスター方式で提供し、
1.65μm帯で光線路試験を行うシステムに用いるも
のである。
【0040】この目的のためには、導波路チップは実施
の形態1と同じものを用いることができ、波長フィルタ
のみをこの用途に合うものに変更するだけで良い。本シ
ステム用の波長フィルタは、図5に示すように、波長
1.2〜1.7μmの範囲で約80%の透過率を有し、
従って反射率としては約20%を有するものである。こ
の様な波長フィルタは、波長フィルタを構成する誘電体
多層膜の厚さ等を調整することにより容易に作製でき
る。
【0041】従って、図1において波長フィルタを図5
のものと置き換えれば、第1入力ファイバ51〜出力フ
ァイバ53間で1.3μmの双方向信号と1.55μm
帯映像信号の入出力を行い、1.65μmの試験光を第
2入力ファイバ52側より入力し、出力ファイバ53に
出力することができる。このとき、波長フィルタの透過
率が約80%であるために信号光(1.3μm、1.5
5μm)は波長フィルタを透過する際に約1dBの損失
を受け、波長フィルタの反射率が約20%であるために
試験光は波長フィルタで反射する際に約7dBの損失を
受ける。
【0042】これらの損失は、光の分岐結合現象の際に
生じる原理的なもので、従来の導波型マッハ・ツェンダ
光干渉計においても生じるものである。試験光以外の波
長域である1.3〜1.55μmでも約20%反射する
ようにしているのは、ファイバ敷設時等に、1.3μm
や1.55μmの波長光を試験光として用いる場合があ
るからである。
【0043】[実施の形態3]次に、本発明の第3の実
施の形態について説明する。本発明の光スプリッタの第
3の実施の形態は、実施の形態2において、波長フィル
タの特性を、図6に示すものに変えたものである。この
波長フィルタは、第1の波長帯である波長1.3と1.
55μm帯で約80%の信号光を透過し(約20%を反
射)、第2の波長帯である波長1.65μm帯でほぼ1
00%の信号光を反射する。
【0044】このような波長特性は、導波型マッハ・ツ
ェンダ光干渉計では実現困難であるが、多重干渉効果を
利用した誘電体多層膜波長フィルタを用いることで実現
できる。この波長フィルタにより、波長1.65μm帯
の試験光が全て反射し、実施の形態2の場合に比べて、
大幅に低減できる。例えば、後方散乱光をモニタして破
断点を検出したりするOTDR試験では、試験光の損失
を往復で14dB程度低減することが可能となる。
【0045】以上の実施の形態においては、1本の第1
入力導波路と8本の第2入力導波路から8本の出力導波
路に分岐する例について説明したが、本発明の光スプリ
ッタの入出力ポートの数はこれらに限定されるものでは
ない。
【0046】また、分岐回路としてY分岐を用いた例を
示したが、それ以外の分岐結合回路、例えば方向性結合
器、マッハ・ツェンダ光干渉計、MMI(Multi-Mode I
nterference)カプラ、スラブ結合によるスターカプラ
や、これらを複数組み合せた回路を用いても良い。
【0047】特に、第1入力導波路を2本にし、図1の
1段目(図の最左端)のY分岐を2入力2出力の導波型
波長無依存50%カップラで置き換えて、この2本の第
1入力導波路の信号光をそれぞれ2分配するようにした
ものは、一方の第1入力導波路を予備用ポートとするこ
とにより、回線を2重化し信頼性を向上させた通信シス
テムに対応できる光スプリッタを構成できる。
【0048】また、本発明の光スプリッタを構成する光
導波路材料は石英系ガラスに限定されず、その他の多成
分ガラスはもとより、ニオブ酸リチウム導波路等の誘電
体結晶、アクリルやシリコーン、ポリイミドなど有機高
分子、そして、シリコンやガリウム砒素などの半導体材
料も含まれる。
【0049】さらに、本発明の光スプリッタは1.2〜
1.7μmの帯域に限定されるものではない。例えば、
0.8μm帯や0.6μm帯のレーザ光を用いた通信や
センサー、光インターコネクション等にも本スプリッタ
は適用できる。
【0050】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、第1入力導波路からの信号光を分配する光分岐回路
の出力導波路に、反射機能を有する波長フィルタを挿入
し、出力導波路端と同一の端面から入射した信号光が波
長フィルタで反射して出力導波路に結合するように第2
入力導波路を設けころにより、第2入力導波路と光分岐
回路の交差が無くなって回路設計が容易になり、交差に
よる漏話、過剰損失、分岐比ばらつき等の問題も回避で
き、特性の向上と生産性の向上が期待できる。
【0051】さらに、通常誘電体多層膜で構成される波
長フィルタは、多重の干渉効果を利用して多彩なフィル
タ特性を実現できるので、本構成の光スプリッタは通信
システムの多様化に対し柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光スプリッタの第1の実施の形態とし
て1.55μm帯映像分配と1.3μm帯通信用の8分
岐光スプリッタの構成を説明する平面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】本発明の光スプリッタを構成する波長フィルタ
の特性を説明する図で、実施の形態1を構成する波長
1.55μm帯の光をほぼ100%透過し、波長1.3
μm帯の光をほぼ100%反射する波長フィルタであ
る。
【図4】実施の形態1の光スプリッタを構成する波長フ
ィルタである。
【図5】実施の形態2を構成する波長1.2〜1.7μ
mの範囲で約80%の信号光を透過し、約20%の信号
光を反射するフィルタである。
【図6】実施の形態3を構成する波長1.3と1.55
μm帯での約80%の信号光を透過し(約20%を反
射)、波長1.65μm帯でほぼ100%の信号光を反
射するフィルタの波長特性である。
【図7】従来の光スプリッタの構成を説明する平面図で
ある。
【図8】波長合分波器の構成と機能を説明する拡大図
で、従来例の光スプリッタに使用されている導波型マッ
ハ・ツェンダ光干渉計である。
【符号の説明】
1 基板 2 分岐回路 21 Y分岐 22 X交差 31 第1入力導波路 32 第2入力導波路 33 出力導波路 41 波長合分波器 42 波長フィルタ 43 挿入溝 44 紫外線硬化型接着剤 5 ファイバアレイ 51 第1入力ファイバ 52 第2入力ファイバ 53 出力ファイバ 54,55 多心テープファイバ 61,62 ファイバ保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塙 文明 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 福満 高雄 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 住田 真 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−144003(JP,A) 特開 平8−248266(JP,A) 特開 平6−18744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 G01J 3/12 G02B 6/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の光導波路により形成された1本
    または複数本の第1入力導波路と、分岐回路と、複数本
    の出力導波路とからなる第1の光回路と、基板上の光導
    波路により形成され、1本の第2入力導波路が1本の出
    力導波路とのみ対応する第2の光回路を複数個備え、前
    記第1の光回路の出力導波路と前記第2の光回路の出力
    導波路とが共有されている光スプリッタであって、 前記出力導波路に、透過と反射によって信号光を分別す
    る波長フィルタを挿入し、 前記第2入力導波路から入射した光は、前記波長フィル
    タで反射して前記出力導波路に結合し、 前記第2入力導波路は、前記波長フィルタについて前記
    分岐回路と反対側に配置され、 前記第2の光回路において、前記第2入力導波路と前記
    出力導波路とは15°で交わる交差部を有し、前記波長
    フィルタは前記交差部の中心近傍に、15°の交差角の
    2等分線と直角に形成された溝に挿入され、前記第2入
    力導波路と前記出力導波路とは、隣接する第2の光回路
    と交差しないように曲げられつつ同一の基板端面に導か
    れ、 前記基板端面では前記第2入力導波路と前記出力導波路
    とが交互に127μm間隔で配置され かつ前記第2の光回路の前記波長フィルタの近傍では前
    記複数個の第2の光回路を構成する対をなす前記1本の
    第2入力導波路と前記1本の出力導波路との間隔が最大
    となり、前記間隔の最大値が、前記127μm間隔より
    大きくなるように前記第2入力導波路と前記出力導波路
    とが曲げられ ていることを特徴とする光スプリッタ。
  2. 【請求項2】 前記波長フィルタが、第1の波長帯の信
    号光をほぼ100%透過し、第2の波長帯の信号光をほ
    ぼ100%反射することを特徴とする請求項1に記載の
    光スプリッタ。
  3. 【請求項3】 前記波長フィルタが、必要とする波長域
    において信号光をほぼ一定の割合で分別することを特徴
    とする請求項1に記載の光スプリッタ。
  4. 【請求項4】 前記波長フィルタが、第1の波長帯の信
    号光をほぼ一定の割合で分別し、第2の波長帯の信号光
    をほぼ100%反射することを特徴とする請求項1に記
    載の光スプリッタ。
JP09199297A 1997-04-10 1997-04-10 光スプリッタ Expired - Lifetime JP3391650B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09199297A JP3391650B2 (ja) 1997-04-10 1997-04-10 光スプリッタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09199297A JP3391650B2 (ja) 1997-04-10 1997-04-10 光スプリッタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10282350A JPH10282350A (ja) 1998-10-23
JP3391650B2 true JP3391650B2 (ja) 2003-03-31

Family

ID=14041949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09199297A Expired - Lifetime JP3391650B2 (ja) 1997-04-10 1997-04-10 光スプリッタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3391650B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012002975A1 (en) * 2010-07-02 2012-01-05 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Optical splitter array

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2400183A (en) 2003-04-01 2004-10-06 Agilent Technologies Inc Mounting optic fibre and optical waveguide on substrate
WO2005026796A1 (ja) * 2003-09-12 2005-03-24 Nippon Telegraph And Telephone Corporation 波長合分波器
US7469079B2 (en) 2004-01-26 2008-12-23 The Furukawa Electric Co., Ltd. Broadband wavelength multiplexing and demultiplexing filter and optical splitter with optical signal multiplexing and demultiplexing function
JP2005208452A (ja) * 2004-01-26 2005-08-04 Furukawa Electric Co Ltd:The 光合分波機能付き光スプリッタ
JP4562535B2 (ja) * 2005-01-24 2010-10-13 Nttエレクトロニクス株式会社 光スプリッタ及び光スプリッタ監視システム
JP4947916B2 (ja) * 2005-04-08 2012-06-06 古河電気工業株式会社 光導波回路デバイス
US7899279B2 (en) 2008-01-10 2011-03-01 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Optical delay line interferometer
JP2020086082A (ja) 2018-11-22 2020-06-04 日本電信電話株式会社 光接続構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012002975A1 (en) * 2010-07-02 2012-01-05 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Optical splitter array

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10282350A (ja) 1998-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0856755B1 (en) Optical waveguide coupler having low insertion loss
Kawachi Recent progress in silica-based planar lightwave circuits on silicon
US7469079B2 (en) Broadband wavelength multiplexing and demultiplexing filter and optical splitter with optical signal multiplexing and demultiplexing function
Tachikawa et al. Arrayed-waveguide grating multiplexer with loop-back optical paths and its applications
JP3092499B2 (ja) 導波路型光合波分波モジュール
CN107422421B (zh) 一种基于弯曲定向耦合器的稀疏波分复用器
JP3303555B2 (ja) 複合光導波路カプラ
CN114641720A (zh) 偏振***和方法
JP3344446B2 (ja) 光送受信モジュール
JP3391650B2 (ja) 光スプリッタ
CN108833016A (zh) 一种单片集成的波分复用单纤双向数据传输模块
JP3703401B2 (ja) 光波回路モジュール
CN110941048B (zh) 基于多模干涉原理的高消光比粗波分复用/解复用器
CN114200588A (zh) 一种光解复用组件结构和封装方法
Hida et al. Silica-based 1 x 32 splitter integrated with 32 WDM couplers using multilayered dielectric filters for fiber line testing at 1.65 μm
JPH07230014A (ja) 2つの導波路間の近接結合のための集積光装置
JPWO2002018995A1 (ja) 非対称型光カプラ、光送受信機、及び、波長多重化装置
JP3083015B2 (ja) 導波路型光分岐結合素子
JP3257785B2 (ja) 光送受信モジュールの製造方法
US7312858B2 (en) Polarization dependency identification
JP2003004959A (ja) 導波路型光合波器とこれを用いた多波長光源
Takato Recent progress on practical PLC devices for optical access systems and dense WDM systems
OGUCHI et al. Design and fabrication of highly-dense optical components for in-service fiber testing and monitoring in subscriber loops
Van Doorn Fiber optic couplers
KR100863523B1 (ko) 멀티모드를 갖는 비대칭 마하젠더 구조의 도파형 광분배기

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020723

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030107

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090124

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090124

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100124

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110124

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110124

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120124

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130124

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term