JP3391069B2 - 射出成形材料 - Google Patents

射出成形材料

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JP3391069B2 JP31500493A JP31500493A JP3391069B2 JP 3391069 B2 JP3391069 B2 JP 3391069B2 JP 31500493 A JP31500493 A JP 31500493A JP 31500493 A JP31500493 A JP 31500493A JP 3391069 B2 JP3391069 B2 JP 3391069B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はポリウレタン、ポリ塩化
ビニル系樹脂及び可塑剤を含む複合樹脂組成物からなる
射出成形材料に関するものであり、本材料はゴム的な性
質を損なうことなく射出成形により成形されるブーツ、
グロメット、パッキン、シール材、自動車外装部材、土
木、建築材料、スポーツ用品等に利用される得る材料で
ある。 【0002】 【従来の技術】従来、ポリ塩化ビニル系樹脂の耐荷重変
形性、すなわち圧縮永久歪の改良を行う方法として、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t
−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、1,4−テ
トラメチレンジアミン,1,6−ヘキサメチレンジアミ
ン等のジアミン系化合物,硫黄,テトラメチルチュウラ
ムジスルフィド,トリアジンジチオール等の硫黄系化合
物などによる塩化ビニル樹脂の架橋,ジアリルフタレー
ト,架橋性ポリウレタンまたはエポキシ樹脂などの成分
架橋による方法,さらには予め重合時に架橋した架橋塩
化ビニル樹脂または塩化ビニル樹脂と相溶性の良い架橋
NBRを塩化ビニル樹脂にブレンドする方法,水酸基の
ような反応性基を有する塩化ビニル樹脂を用いジイソシ
アネート等により架橋体とする方法などが知られてい
る。 【0003】これらの方法において、塩化ビニル樹脂に
架橋を行う場合は、容易に圧縮永久歪の良好な組成物を
得ることが可能であるが、反面問題としては、得られる
組成物の溶融粘度が著しく増加し、射出成形が不可能と
なることにあった。そして他にも(1)熱安定性に劣り
着色しやすい、(2)架橋剤の残留物により臭気が残
る、(3)架橋度を高くすると所定の硬度にするのに多
量の可塑剤を有する、等の問題がある。 【0004】また、反応性可塑剤を用いた場合は、ラジ
カル反応系であることが多いため、前述と同じ問題が起
こる。 【0005】架橋ポリ塩化ビニル樹脂又は架橋NBR等
をポリ塩化ビニル樹脂にブレンドする場合は、(1)ポ
リ塩化ビニル樹脂へのそれらの分散性に関係し、引っ張
り強度、伸度、疲労特性などの物性の低下が著しい、
(2)硬度の調整のため多量の可塑剤を要する、(3)
多量に添加すると成形性が悪くなる、(4)架橋NBR
中のブタジエン成分により耐候性及び耐熱老化性が悪
い、等の問題点がある。 【0006】さらに水酸基のような反応性基を有する塩
化ビニル樹脂を用いジイソシアネート等により架橋体と
する方法では、反応性に劣るため、改良効果が少ない。 【0007】そこで近年、ポリ塩化ビニル樹脂とポリウ
レタンとの複合が注目され、様々な方法が提起されてい
る。例えば、ポリウレタンを塩化ビニルモノマー(VC
M)に溶解し、VCMの重合により塩化ビニル樹脂とポ
リウレタンとの複合体を得る方法、ポリオールの存在下
VCMの重合により水酸基含有塩化ビニル樹脂を製造
し、これらのウレタン化反応により得る方法などがあ
る。 【0008】しかしながら、これらの方法で得たポリ塩
化ビニル樹脂とポリウレタンとの複合体は、ゴム弾性に
劣り、これらの特性を必要とする用途には適さない。 【0009】一方で大型射出成形、精密射出成形に代表
される射出成形性に優れた材料、さらには圧縮永久歪に
代表されるゴム的性質に対する要望は近年高まるばかり
であり、低圧縮永久歪でなおかつ射出成形性に優れた材
料、特に溶融粘度の低い材料が望まれている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は圧縮永久歪に
優れた射出成形材料を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上述のよう
な現状に鑑み鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
った。即ち本発明は、ポリ塩化ビニル系樹脂(1)、
酸基を2個以上有するポリマーポリオールとヘキサメチ
レンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体とをウ
レタン化反応せしめて得られるポリウレタン(2)及び
可塑剤(3)からなる樹脂組成物であって、透過型電子
顕微鏡観察で海−島型の相分離構造が観察され、且つ該
分離構造の島の部分であるポリウレタン分散相のサイズ
が0.01ミクロン以上100ミクロン以下であり、ポ
リウレタン(2)の線形粘弾性測定における引張弾性率
が20℃から70℃の範囲において7×106dyne
/cm2以上8×107dyne/cm2以下であり、ポ
リ塩化ビニル系樹脂(1)100重量部に対して可塑剤
(3)としてアジピン酸系可塑剤を10重量部以上80
重量部以下及びフタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−
2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタ
ル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸
ブチルベンジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジオクチル、ポリエステル系高分子量可
塑剤、エポキシ化大豆油、塩素化パラフィンからなる群
より選ばれる1種以上の可塑剤を含み、かつポリウレタ
ン(2)の構成成分であるポリマーポリオールの分子量
が300以上1500以下である樹脂組成物からなる射
出成形材料である。以下に本発明の詳細を記述する。 【0012】本発明で用いるポリ塩化ビニル系樹脂
(1)とは、塩化ビニル単独重合樹脂、塩素化塩化ビニ
ル樹脂、塩化ビニル単量体と共重合し得るすべての単量
体のうち1つ以上の単量体とランダム共重合あるいはブ
ロック共重合して得られる塩化ビニル共重合樹脂(例え
ば酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビ
ニル共重合体等)、また上記の樹脂に水酸基などの官能
基をグラフトさせて得られる樹脂やこれら官能基と反応
性化合物を反応せしめグラフト結合させた樹脂等であ
り、上記樹脂の単品あるいは2種類以上の混合物であ
る。 【0013】ポリ塩化ビニル系樹脂(1)の重合度は特
に限定はなく、成形加工性の点から400以上5000
以下、より好ましくは500以上4000以下、さらに
好ましくは800以上3000以下である。また、上記
の範囲の重合度を有するポリ塩化ビニル系樹脂に任意の
分子量を有すポリ塩化ビニル系樹脂をブレンドしてもよ
い。 【0014】本発明で用いるポリウレタン(2)は線形
粘弾性測定における引張弾性率が20℃から70℃の範
囲において7×106dyne/cm2以上8×107
yne/cm2以下、より好ましくは2×107dyne
/cm2以上7×107dyne/cm2以下のものが用
いられ、このようなポリウレタンを用いることにより本
発明の圧縮永久歪が向上するとともに成形加工性も向上
する。 【0015】また、本発明の材料の圧縮永久歪特性をさ
らに向上させるためには用いるポリウレタン(2)単独
での圧縮永久歪が40以下、より好ましくは35以下で
あることが好ましい。なおここでいう圧縮永久歪とは、
JISK6301圧縮永久歪の方法に従い測定した値で
あり、測定温度は70℃、歪を与える時間は22時間と
する。 【0016】また、ポリウレタン(2)は水酸基を2個
以上有するポリマーポリオールとヘキサメチレンジイソ
シアネートのイソシアヌレート変性体とをウレタン化反
応せしめて得られるポリウレタンであり、ポリウレタン
(2)は網目構造を有したポリウレタンを用いることが
本発明の材料の圧縮永久歪を改良する点から有効であ
る。即ち、ポリウレタン(2)のテトラヒドロフラン
(THF)のような良溶媒中でのTHF溶解分が10%
以下のものを用いることが望ましい。 【0017】さらに本発明の材料の圧縮永久歪を向上さ
せるためには70℃における分散相の圧縮弾性率に対す
るマトリクス相の圧縮弾性率の比が0.4以上1.8以
下であることが望ましい。 【0018】また、本発明の材料の引張強度を向上させ
るためには用いるポリ塩化ビニル系樹脂(1)との相溶
性に優れているポリウレタン(2)を用いることが好ま
しい。この様なポリウレタン(2)としてはポリエステ
ル系ポリウレタン、ポリカプロラクトン系ポリウレタ
ン、ポリカーボネート系ポリウレタン、ジエチレングリ
コールに代表されるエーテル系ジオールとジカルボン酸
をエステル結合して得られる化合物を主成分としたエー
テルエステル系ポリウレタンさらにはセルロースに代表
される水酸基を有した天然有機化合物やケン化EVA
(エチレン−酢ビ共重合体)に代表される水酸基を有し
た合成有機化合物とイソシアネート化合物がウレタン反
応してなる化合物などが挙げられる。これらのうち特に
ポリエステル系ポリウレタン、ポリカプロラクトン系ポ
リウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン、エステ
ルエ−テル系ポリウレタンを使用することにより本発明
の材料の引張り強度は顕著に向上するので好ましい。 【0019】また、本発明の材料中のポリウレタン
(2)のイソシアネートインデックス(イソシアネート
基の数/水酸基の数)を制御することも可能である。一
般にポリウレタンは水酸基を有する化合物とイソシアネ
ート基を有する化合物との重付加反応によって得られる
が各々の化合物が有する官能基の数は決まっておらず様
々なものがある。例えばケン化EVA(エチレン−酢酸
ビニル強重合体)などは1つの分子中にたくさんの水酸
基を含んいるため、イソシアネート化合物との反応によ
って生じるゲル化点はかなり低いイソシアネートインデ
ックスになる。このように用いる化合物の官能基の数に
よって最適なイソシアネートインデックスの一義的な決
定は困難であるが好ましくは0.6以上1.2以下が望
ましく、この範囲とすることによりベタつく感触あるい
は材料の黄色化が防止される。 【0020】また、用いるポリウレタン(2)をポリマ
ーポリオールとイソシアネート基を3個以上有した化合
物とをウレタン反応せしめて得る場合、該ポリウレタン
の成分の1つであるポリオールの分子量は特に限定を受
けないが、平均分子量300以上1500以下のポリマ
ーポリオールを用いることにより得られる材料は圧縮永
久歪と射出成形性に優れたものとなり好ましい。 【0021】本発明において用いるポリ塩化ビニル系樹
脂(1)とポリウレタン(2)の比率は特に限定はない
が、得られる材料の圧縮永久歪特性を向上させるために
はポリ塩化ビニル系樹脂(1)100重量部に対してポ
リウレタン(2)を20重量部以上、好ましくは30重
量部以上、さらには45重量部以上とすることが望まし
い。またコストパフォーマンスの点からポリウレタン
(2)の添加量はポリ塩化ビニル系樹脂(1)100重
量部に対して好ましくは900重量部以下、より好まし
くは300重量部以下、さらには150重量部以下とす
ることが望ましい。 【0022】また、本発明の材料には可塑剤(3)とし
てアジピン酸系可塑剤を添加せねばならない。アジピン
酸系可塑剤はコストパフォーマンス、溶融粘度の低下
(即ち、優れた射出成形性)の点から最も有効な可塑剤
であり本可塑剤を用いないで溶融粘度を低下させようと
するとコストパフォーマンス及び可塑剤のブリードアウ
トの点から望ましくない。特にアジピン酸ジ−2−エチ
ルヘキシルはコストパフォーマンスの点から最も好まし
く使用される。この可塑剤(3)の添加量はポリ塩化ビ
ニル系樹脂(1)100重量部に対して10重量部以上
80重量部以下、より好ましくは20重量部以上70重
量部以下である。添加量が10重量部未満であるとアジ
ピン酸系可塑剤による溶融粘度低下の効果が乏しく、8
0重量部を超えると可塑剤がブリードアウトすることが
ある。 【0023】また、本発明の材料においては、可塑剤
(3)として柔軟性を付与するためにフタル酸ジ−n−
ブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ
−n−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイ
ソオクチル、フタル酸ブチルベンジル、イソフタル酸ジ
−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジオクチル、ポリエ
ステル系高分子量可塑剤、エポキシ化大豆油、塩素化パ
ラフィンからなる群より選ばれる1種以上の可塑剤を併
用するものである。 【0024】本発明の材料には、その性能を極端に低下
させない程度にポリ塩化ビニル樹脂に通常添加される炭
酸カルシウム、タルク等に代表される無機充填材、三酸
化アンチモンやホウ酸亜鉛に代表される難燃剤、部分架
橋ポリ塩化ビニル、部分架橋アクリロニトリル−ブタジ
エンゴム(NBR)などの改質剤、アクリル系樹脂に代
表される加工助剤を必要に応じて添加することができ
る。また、ポリウレタンに通常添加されるカルボジイミ
ドに代表される耐加水分解抑制剤、塩素系、窒素系、銀
−ゼオライト系に代表される防黴剤、UV安定剤などを
必要に応じて添加することも可能である。さらに本材料
を他の樹脂へブレンドして他の樹脂のゴム的性質を向上
せしめることも可能である。この場合、第3成分として
本発明材料と他の樹脂との相溶化剤を併用することも可
能である。 【0025】本発明の材料の製造方法は特に限定され
ず、任意の方法を採用することができる。具体的には以
下の方法が例示される。(A)ポリウレタン(2)を冷
凍粉砕などによって細かく砕いた後、ポリ塩化ビニル系
樹脂(1)とブレンドする方法。この場合、ブレンドせ
しめる為に使用する装置は任意でありロール、バンバリ
ーミキサー、押出し機などが挙げられる。(B)テトラ
ヒドロフラン(THF)などの溶媒中にポリ塩化ビニル
系樹脂(1)とポリオール、イソシアネート化合物を添
加し溶媒中でウレタン反応を生じせしめた後、溶媒を蒸
発させる方法。(C)ポリ塩化ビニル系樹脂(1)、可
塑剤(3)、ポリマーポリオール、イソシアネート化合
物を剪断力下、加熱溶融して複合材料を得る方法。特に
上記(C)の方法を用いることにより本発明の材料は引
張り強さに代表される強度が向上するので好ましい。 【0026】さらに本発明の材料は、OsO4のような
染色剤にて染色後、透過型電子顕微鏡(TEM)にて観
察した際、海−島型の相分離構造を有しており、且つ、
島の部分であるポリウレタン分散相の大きさが0.01
ミクロン以上100ミクロン以下でなくてはならない。
分散相の大きさがこの範囲をこえると本発明の材料の成
形加工性は著しく低下する。 【0027】なお、成形加工性を向上させる場合には分
散相の大きさについては、好ましくは0.03ミクロン
以上80ミクロン以下、さらに好ましくは0.05ミク
ロン以上60ミクロン以下とすることが望ましい。 【0028】本発明の材料の成形方法としては通常熱可
塑性樹脂に用いられている射出成形機によって成形がで
きる。そしてこのようにして得られた成形品は圧縮永久
歪に優れものとなる。 【0029】 【実施例】以下に本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0030】実施例1 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を
縮合重合して得られるポリエステルポリオール((株)
クラレ製、商品名クラポ−ルP510、数平均分子量5
00)56.8重量部とヘキサメチレンジイシシアネー
トのイソシアヌレート変性体(3官能型イソシアネート
化合物)(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネー
トHX)36.6重量部(NCO/OH比=0.8
5)、さらには触媒としてDBTDL(ジブチル錫ジラ
ウレート)26.7PPMを混ぜ合わせ120℃のオー
ブン中、2時間放置してポリウレタンを作製した。この
サンプルから厚さ0.5mm、幅5mm、長さ25mm
の短冊型の試験片を切り抜き動的粘弾性測定用のサンプ
ルとした。またこれとは別に得られたポリウレタンを冷
凍粉砕にて細かく砕き複合体の材料とした。 【0031】こうして得られたポリウレタン微粉末9
3.4重量部、さらには懸濁重合法により得られたエチ
レン−塩化ビニル共重合体(リューロンE−2800、
平均重合度:2750、東ソー(株)製)100重量
部、安定剤としてステアリン酸バリウム2部、ステアリ
ン酸亜鉛1部、アミン補足剤(日産フェロ有機化学
(株)製商品名BP−331)1.5部、ジ−2エチル
ヘキシルフタレート(DOP)50重量部、ジオクチル
アジペート(DOA)50重量部を室温下で十分に混合
した。これを表面温度が150℃に設定されたロール成
形機にて15分間混練して組成物を得た。 【0032】混練終了後、得られたロールシートをシー
トペレタイズして細かく砕いた後、2.1mmの平板に
なるよう射出成形した。またこの平板を6枚重ねてJI
SK6301圧縮永久歪測定用の試験片とした。 【0033】実施例2 DOPを50重量部、DOAを30重量部、セバシン酸
ジオクチルを20重量部用いた以外は実施例1と同様の
操作によって目的の組成物を得、これを成形した。 【0034】実施例3 DOPを60重量部、DOAを40重量部用い、さらに
高分子量可塑剤としてポリエステル系高分子量可塑剤
(旭電化工業(株)製、商品名アデカサイザーPN28
0)を30重量部用いた以外は実施例1と同様の操作に
よって目的の組成物を得、これを成形した。 【0035】実施例4 冷凍粉砕後のポリウレタンを75重量部添加した以外は
実施例1と同様の操作によって目的の組成物を得、これ
を成形した。 【0036】実施例5 実施例1において用いたポリエステルポリオールと同じ
組成を有した数平均分子量が1000であるポリエステ
ルポリオール((株)クラレ製、商品名クラポールP1
010)69.4重量部、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートの3量体を24.0重量部(NCO/OH比=0.
85)用いた以外は実施例1と同様の操作によって目的
の組成物を得、これを成形した。 【0037】実施例6 ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体を43.1重
量部(NCO/OH比=1.0)用いた以外は実施例9
と同様の操作によって目的の組成物を得、これを成形し
た。 【0038】実施例7 ポリ塩化ビニル樹脂として塩化ビニルホモポリマー(リ
ューロンTH−1300,平均重合度:1300、東ソ
ー(株)製)を用いた以外は実施例1と同様の操作によ
って目的の組成物を得、これを成形した。 【0039】実施例8 ポリ塩化ビニル樹脂としてエチレン−塩化ビニル共重合
体(リューロンE−2200,平均重合度:2200、
東ソー(株)製)を用いた以外は実施例1と同様の操作
によって目的の組成物を得、これを成形した。 【0040】比較例1 ポリウレタンを用いなかった以外は実施例1と同様の操
作により組成物を得、これを成形した。 【0041】比較例2 バンバリーミキサーに実施例1で用いたポリ塩化ビニル
系樹脂を438g、安定剤としてステアリン酸バリウム
12g、及びステアリン酸亜鉛5.4g、アミン補足剤
(日産フェロ有機化学(株)製商品名BP−331)
7.5gを仕込み一定回転速度で撹拌した。又これとは
別に、予め70℃に保温しておいたポリマーポリオール
(日本ポリウレタン(株)製、商品名ニッポラン406
7、数平均分子量2000)350gとDOP219
g、DOA219gを混合し、これにヘキサメチレンジ
イソシアネートの3量体58.6g(NCO/OH比=
0.85)、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.0
3gを仕込み、1分間混合した後バンバリーミキサー投
入口より流し入れた。反応及び混合時間はこれより15
分間行い、組成物を得た。 【0042】得られた組成物を、実施例1と同様の操作
で成形した。 【0043】比較例3 DOAを用いずにDOPを100重量部用いた以外は実
施例1と同様の操作で組成物を得、これを成形した。 【0044】比較例4 機械粉砕して2mmのメッシュをパスしなかったポリウ
レタンの粉砕物をブレンドした以外は実施例1と同様の
操作によって組成物を得、これを成形した。 【0045】比較例5 冷凍粉砕されたポリウレタンを1000重量部ブレンド
した以外は実施例1と同様の操作によって組成物を得、
これを成形した。 【0046】比較例6 DOAを90重量部用いた以外は実施例1と同様の操作
によって組成物を得、これを成形した。 【0047】比較例7 ポリウレタンとしてポリエーテル系熱可塑性ポリウレタ
ン(日本ミラクトラン(株)製、ミラクトランP−39
0RSOP)を用いた以外は実施例1と同様の操作によ
って組成物を得、これを成形した。 【0048】比較例8 ポリエステルポリオールを64.9重量部、イソシアネ
ート化合物を28.5重量部(NCO/OH比:0.5
8)用いた以外は実施例1と同様の操作によって目的の
組成物を得、これを成形した。 【0049】以上得られた組成物を以下の方法により評
価した。その結果を表1に示す。 【0050】(圧縮永久歪の評価)JISK6301に
従い測定した。初期歪は25%、温度は70℃、22時
間経過後、歪を開放し、残留歪を測定した。 【0051】(可塑剤のブリードの評価)圧縮永久歪用
の試験片を室温下にて1週間放置した後の表面観察を行
い、可塑剤のブリードを評価した。 【0052】(相構造の確認)試料をOsO4の蒸気に
暴露し、染色し、これをウルトラミクロトームで−10
0℃の雰囲気下0.1ミクロンの超薄切片に仕上げる。 【0053】これを電子顕微鏡 JEOL JEM−2
000FX を用いて加速電圧200kVにて観察し
た。この観察に際してOsO4に染色されるポリウレタ
ンの成分が0.1ミクロンから100ミクロンの大きさ
を有す分散相となっていることを確認した。 【0054】(動的粘弾性の測定)粘弾性測定装置DV
E−V4((株)レオロジー社製)を用いて測定周波数
10Hz、測定モード:引っ張り、歪:1%以下の線形
領域、により23℃における引っ張り貯蔵弾性率
(E’)を測定した。 【0055】(射出成形)射出成形機(東芝(株)製I
S50EP)を用いて射出成形を行った。成形条件は以
下に示すとおりである。 温度 H1:110℃ H3:160℃ H2:130℃ NH:160℃ 圧力 射出圧力:55kg/cm2(ゲージ圧) 保圧 :40kg/cm2(ゲージ圧) 冷却 金型温度:50℃ 時間 射出時間:1秒 保圧時間:1.5秒 冷却時間:20秒 金型 2.1mm厚の平板 【0056】 【表1】【0057】 【発明の効果】以上述べた通り、本発明の材料は圧縮永
久歪に優れ、可塑剤のブリードが抑制された射出成形材
料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 27/06 B29C 45/00 - 45/84 C08L 67/02 - 67/03 C08L 75/04 - 75/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】ポリ塩化ビニル系樹脂(1)、水酸基を2
    個以上有するポリマーポリオールとヘキサメチレンジイ
    ソシアネートのイソシアヌレート変性体とをウレタン化
    反応せしめて得られるポリウレタン(2)及び可塑剤
    (3)からなる樹脂組成物であって、透過型電子顕微鏡
    観察で海−島型の相分離構造が観察され、且つ該分離構
    造の島の部分であるポリウレタン分散相のサイズが0.
    01ミクロン以上100ミクロン以下であり、ポリウレ
    タン(2)の線形粘弾性測定における引張弾性率が20
    ℃から70℃の範囲において7×106dyne/cm2
    以上8×107dyne/cm2以下であり、ポリ塩化ビ
    ニル系樹脂(1)100重量部に対して可塑剤(3)と
    してアジピン酸系可塑剤を10重量部以上80重量部以
    及びフタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−エチ
    ルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイ
    ソデシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ブチルベ
    ンジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシ
    ン酸ジオクチル、ポリエステル系高分子量可塑剤、エポ
    キシ化大豆油、塩素化パラフィンからなる群より選ばれ
    る1種以上の可塑剤を含み、かつポリウレタン(2)の
    構成成分であるポリマーポリオールの分子量が300以
    上1500以下である樹脂組成物からなる射出成形材
    料。
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