JP3379158B2 - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物及びパッキン材料 - Google Patents

ポリ塩化ビニル系樹脂組成物及びパッキン材料

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はポリウレタン、ポリ塩化
ビニル系樹脂及び可塑剤とからなる複合樹脂組成物から
なるパッキン材料に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ポリ塩化ビニル系樹脂の耐荷重変
形性、すなわち圧縮永久歪の改良を行う方法として、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t
−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、1,4−テ
トラメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミ
ン等のジアミン系化合物、硫黄、テトラメチルチュウラ
ムジスルフィド、トリアジンジチオール等の硫黄系化合
物などによるポリ塩化ビニル系樹脂の架橋による方法、
ジアリルフタレート、架橋性ポリウレタンまたはエポキ
シ樹脂などの成分架橋による方法、さらには予め重合時
に架橋した架橋ポリ塩化ビニル系樹脂またはポリ塩化ビ
ニル系樹脂と相溶性の良い架橋NBRをポリ塩化ビニル
系樹脂にブレンドする方法、水酸基のような反応性基を
有するポリ塩化ビニル系樹脂を用いジイソシアネート等
により架橋体とする方法などが知られている。 【0003】これらの方法において、ポリ塩化ビニル系
樹脂に架橋を行う場合は、容易に圧縮永久歪の良好な組
成物を得ることが可能であるが、反面問題としては、得
られる組成物の溶融粘度が著しく増加し、成形加工性に
劣る材料となることにあった。そして他にも(1)熱安
定性に劣り着色しやすい、(2)架橋剤の残留物により
臭気が残る、(3)架橋度を高くすると所定の硬度にす
るのに多量の可塑剤を有する、等の問題がある。 【0004】また、上記方法のうち成分架橋による方法
では、この反応はラジカル反応系によることが多いた
め、前述と同じ問題が起こる。 【0005】架橋ポリ塩化ビニル系樹脂又は架橋NBR
等をポリ塩化ビニル系樹脂にブレンドする場合は、
(1)ポリ塩化ビニル系樹脂へのそれらの分散性に関係
し、引っ張り強度、伸度などの物性の低下が著しい、
(2)硬度の調整のため多量の可塑剤を要する、(3)
多量に添加すると成形性が悪くなる、(4)架橋NBR
中のブタジエン成分により耐候性及び耐熱老化性が悪
い、等の問題点がある。 【0006】さらに水酸基のような反応性基を有するポ
リ塩化ビニル系樹脂を用いジイソシアネート等により架
橋体とする方法では、反応性に劣るため、改良効果が少
ない。 【0007】そこで近年、ポリ塩化ビニル系樹脂とポリ
ウレタンとの複合が注目され、様々な方法が提起されて
いる。例えば、ポリウレタンを塩化ビニルモノマー(V
CM)に溶解し、VCMの重合によりポリ塩化ビニル系
樹脂とポリウレタンとの複合体を得る方法、ポリオール
の存在下VCMの重合により水酸基含有ポリ塩化ビニル
系樹脂を製造し、これらのウレタン化反応により得る方
法などがある。 【0008】しかしながら、これらの方法で得たポリ塩
化ビニル系樹脂とポリウレタンとの複合体は、ゴム弾性
に劣り、これらの特性を必要とする用途には適さない。 【0009】一方でパッキン材料は、気密性などの向上
の点から成形加工性に優れ、かつ、圧縮永久歪に優れた
材料が望まれている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は成形加工性を
維持し、圧縮永久歪に優れた熱可塑性エラストマーから
なるパッキン材料を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述のよ
うな現状に鑑み、ポリ塩化ビニル系樹脂とポリウレタン
との複合体のうちマトリクスがポリ塩化ビニル系樹脂、
分散相がポリウレタンからなる相分離材料に関して鋭意
検討した結果、本発明を完成するに至った。 【0012】即ち本発明は、ポリ塩化ビニル系樹脂、架
橋型ポリウレタン及び可塑剤からなる樹脂組成物であ
り、マトリクスがポリ塩化ビニル系樹脂、分散相がポリ
ウレタンの相分離構造を有している材料であって、用い
るポリウレタンの動的粘弾性測定における引張り弾性率
が20℃以上70℃以下の範囲において9×105dy
ne/cm2以上8×107dyne/cm2以下であ
り、かつ70℃における分散相の圧縮弾性率に対する
トリクス相の圧縮弾性率の比が0.4以上1.8以下で
ある熱可塑性エラストマー樹脂組成物からなることを特
徴するパッキン材料である。 【0013】以下に本発明の詳細を記述する。 【0014】本発明で用いられるポリ塩化ビニル系樹脂
とは、塩化ビニル単独重合樹脂、塩素化塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル単量体と共重合しうるすべての単量体の
うち1つ以上の単量体とランダム共重合あるいはブロッ
ク共重合して得られる塩化ビニル共重合樹脂(例えば酢
酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル
共重合体等)、上記の樹脂に水酸基などの官能基をグラ
フトさせて得られる樹脂やこうした官能基と反応性化合
物を反応せしめグラフト結合させた樹脂であり、これら
の樹脂の単品あるいは2種類以上の混合物である。 【0015】ポリ塩化ビニル系樹脂の重合度はいくらで
もよいが成形加工性の点から400以上8000以下の
ものが好ましく用いられ、より好ましくは500以上5
000以下のものである。また、上記の範囲の重合度を
有するポリ塩化ビニル系樹脂に任意の分子量を有すポリ
塩化ビニル系樹脂をブレンドしたものを用いてもよい。 【0016】本発明のパッキン材料を構成する樹脂組成
物はマトリクスがポリ塩化ビニル系樹脂、分散相が架橋
型ポリウレタンからなる相分離構造を有するものであ
る。この様子は例えば透過型電子顕微鏡観察(以下TE
Mと記す)を行うことによって確認することができる。
もし、TEMによって相分離構造が確認されなければポ
リウレタンの架橋構造が系全体に広がったものとなった
ことを示し、得られる樹脂組成物の成形加工性は不良と
なる。なお、TEM観測に際しての染色はオスニウム酸
が用いられる。 【0017】このような相分離構造を得る方法として
は、例えば(1)あらかじめポリオールとイソシアネー
ト化合物を反応させたポリウレタンを機械粉砕などによ
って細かく砕いたものをポリ塩化ビニル系樹脂に混入す
る方法、(2)ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオール、イ
ソシアネート化合物及び可塑剤を同時に加熱溶融混練
し、ウレタン反応させる方法のうち、ポリオールとポリ
塩化ビニル系樹脂との相溶性が優れないものを用いる方
法、(3)(2)と同様、加熱溶融混練し、ウレタン反
応させる方法のうちポリ塩化ビニル系樹脂の溶融ゲル化
よりもポリウレタン反応を優先して生じせしめる方法、
などが挙げられるが相分離構造を得る方法はどのような
ものであっても構わない。 【0018】また、本発明のパッキン材料を構成する
脂組成物は可塑剤はマトリクス、分散相の両者に共に存
在している。すなわち、本発明のパッキン材料を構成す
樹脂組成物は厳密にはマトリクスはポリ塩化ビニル系
樹脂と可塑剤からなり、分散相は架橋ポリウレタンと可
塑剤からなる。 【0019】本発明で用いられるポリウレタンはイソシ
アネート化合物とポリマーポリオールから得られ、少な
くともどちらか一方が3官能以上の多官能成分を含む架
橋型のポリウレタンであり、一般にポリ塩化ビニル系樹
脂の圧縮永久歪が測定される温度である70℃におい
て、圧縮試験における応力−歪曲線がマトリクスとなる
ポリ塩化ビニル系樹脂とほぼ同じものでなくてはならな
い。具体的には応力−歪曲線の傾きから得られる分散相
の圧縮弾性率に対するマトリックス相の圧縮弾性率の比
が0.4以上1.8以下であり、好ましくは0.6以上
1.5以下、さらに好ましくは0.8以上1.2以下で
ある。この比が0.4未満もしくは1.8を越えると得
られる樹脂組成物の圧縮永久歪特性は悪化する。 【0020】上述したマトリクスと分散相の弾性率を近
づけるための方法は例えば(1)ポリマ−ポリオールの
分子量、ポリマーポリオールもしくはイソシアネート化
合物の官能基数、イソシアネートインデックスを操作す
る方法、(2)可塑剤の添加量を操作する方法、など様
々な方法が挙げられる。 【0021】本発明でポリウレタンのブレンド量はポリ
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して30重量部以上
が好ましく、より好ましくは50重量部以上である。3
0重量部未満であると得られる樹脂組成物の圧縮永久歪
の改善効果が乏しくなるおそれがある。また、コストパ
フォーマンス、成形加工性等の点からポリウレタンの添
加量はポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して90
0重量部以下が好ましく、より好ましくは600重量部
以下である。900重量部を超えると得られる樹脂組成
物の成形加工性が著しく悪くなることがある。 【0022】また、ポリウレタンを得るために用いられ
るポリマーポリオールは特に限定は受けない。ポリエス
テルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロ
ラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ひ
まし油系ポリオール、ケン化EVA(エチレンー酢ビ共
重合体)などのうちの1種もしくは2種以上が用いられ
る。尚、ここで示したポリエステルポリオールには例え
ばジエチレングリコールとアジピン酸の縮合重合から得
られるようなエーテルエステル型のポリエステルポリオ
ールも含まれるし、トリメチロールプロパン等によって
多官能化したポリエステルポリオールも含まれる。ま
た、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ール、ポリカプロラクトンポリオールに関しても水酸基
を3つ以上有した多官能型ポリオールも含まれる。 【0023】一方、ポリウレタンを得るために用いられ
るイソシアネート化合物についても特に限定を受けな
い。例えば2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネ
ート、m−及びp−フェニレンジイソシアネート、1−
クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、1,5
−ナフタレンジイソシアネート、メチレンビスフェニレ
ン4,4’−ジイソアネート、m−及びp−キシレンジ
イソアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジ
ンジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロヘ
キシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジ
イソシアネートの3量体、1,6,11−ウンデカント
リイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネー
ト、4−イソシアネートメチル−1,8−オクタメチル
ジイソシアネート等のトリイソシアネート類、もしくは
ポリフェニルメタンポリイソシアネート等の多官能イソ
シアネート類が挙げられ、これらの1種または2種以上
が使用される。また、上記のジイソシアネート類を併用
することも可能である。 【0024】更に本発明で用いられるポリウレタンは線
形粘弾性測定における引張り弾性率が20℃以上70℃
以下の範囲において9×105dyne/cm2以上8×
107dyne/cm2以下、より好ましくは1×106
dyne/cm2以上7×107dyne/cm2以下の
ポリウレタンを用いることが望ましい。これは分散相と
マトリクスとの弾性率を等しくしようと操作する場合、
分散相となるポリウレタンの弾性率が低すぎるとマトリ
クスとなるポリ塩化ビニル系樹脂に多量の可塑剤が必要
になるためブリードアウトが発生しやすくなり、ポリウ
レタンの弾性率が大きすぎるとマトリクスも硬くなり、
柔軟な性質が失われてしまうことによるものである。 【0025】前述したようにポリ塩化ビニル系樹脂と架
橋ポリウレタンとのブレンドにおいてポリ塩化ビニル系
樹脂とポリウレタンが相分離した材料は架橋ポリウレタ
ンのゴム的な性質によって圧縮永久歪特性が優れたもの
となる。架橋ポリウレタンによる圧縮永久歪の改善機構
について説明する。 【0026】架橋ポリウレタンによって圧縮永久歪が改
善される場合、その圧縮永久歪改善の推進力は歪解放直
前における架橋ポリウレタンの持っている歪エネルギー
に由来するものである。この歪エネルギーは歪の2乗と
弾性率の積の1/2で定義され、歪エネルギーが大きい
ほど圧縮永久歪の改善効果も大きくなる。 【0027】すなわち、圧縮永久歪を改善するためには
歪開放直前における架橋ポリウレタンの(1)歪を大き
くする(2)弾性率を大きくする、の2つの条件が必要
である。但し、分散相の弾性率がマトリクスをうわまわ
ると初期歪を与える際に分散相は変形を受けにくくな
り、歪は小さいものとなってしまう。そのため、歪開放
時の分散相の歪エネルギーはマトリクスと分散相の弾性
率が等しいときに最大となり、このとき最も圧縮永久歪
の改善効果が大きくなるものと考えられる。 【0028】また、本発明において用いられることがで
きる可塑剤としては、例えば、フタル酸ジ−n−ブチ
ル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタ
ル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル
酸ジイソオクチル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸
ブチルベンジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル
等のフタル酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキ
シル(DOA)、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン
酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−
2−エチルヘキシルなどの脂肪族エステル系可塑剤、ト
リメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリデシル
等のピロメリット酸系可塑剤、リン酸トリブチル、リン
酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸2−エチルヘキシ
ルジフェニル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル
系可塑剤、エポキシ系大豆油などのエポキシ系可塑剤、
塩素化パラフィン、ポリエステル系高分子可塑剤に代表
される高分子可塑剤、ガラス転移温度がポリ塩化ビニル
系樹脂より低く且つポリ塩化ビニル系樹脂に対して可塑
化能力を有した高分子量化合物等が挙げられ、これらの
1種、または2種以上が使用できる。そして上記の可塑
剤は目的に応じて適宜選択され、例えば耐熱性、非移行
性の改良には高分子量可塑剤を用いたらよく、耐油性の
向上のためにはジブチルジグリコールアジペート等を用
いたらよい。また、流動性を向上させるためにはアジピ
ン酸エステル系可塑剤、セバシン酸エステル系可塑剤を
添加するとよい。 【0029】可塑剤の添加量はポリ塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して10重量部以上200重量部以下で
あることが好ましく、より好ましくは25重量部以上1
50重量部以下である。10重量部未満であると成形加
工性を損なうことがあり、200重量部を超えるとブリ
ードアウトを発生する可能性がある。 【0030】本発明のパッキン材料を構成するポリ塩化
ビニル系樹脂組成物には、その性能を極端に低下させな
い程度にポリ塩化ビニル系樹脂に通常添加される炭酸カ
ルシウム、タルク等に代表される無機充填材、三酸化ア
ンチモンやホウ酸亜鉛に代表される難燃剤、部分架橋ポ
リ塩化ビニル、部分架橋アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム(NBR)などの改質剤、アクリル系樹脂に代表さ
れる加工助剤、金属塩、ハイドロタルサイト等に代表さ
れる熱安定剤を必要に応じて添加することができる。ま
た、他の樹脂を添加する場合、第3成分として本樹脂組
成物と他の樹脂との相溶化剤を併用する事も可能であ
る。 【0031】 【実施例】以下に本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0032】また実施例中のJISK6301に準じた
圧縮永久歪の測定方法とは、予め70℃に設定された試
験金型中に試験片を挿入し、25%の歪を与え、その後
22時間経過後、歪を解放し試料を室温状態で30分放
置し、試験前後での試料厚みの変化を測定する方法であ
る。 【0033】実施例1 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸を
縮合重合して得られるポリエステルポリオール((株)
クラレ製、商品名クラポ−ルP4010、数平均分子量
4000)100重量部とイソシアネート化合物として
ヘキサメチレンジイシシアネートのイソシアヌレート変
性体(多官能型イソシアネート化合物、平均官能基数
3.6個/1分子)(日本ポリウレタン(株)製、商品
名コロネートHX)10重量部(NCO/OH(イソシ
アネートインデックス)=1.0)、さらには触媒とし
てDBTDL(ジブチル錫ジラウレート)26.7PP
Mを混ぜ合わせ120℃のオーブン中、2時間放置して
ポリウレタンを作成した。このサンプルから厚さ0.5
mm、幅5mm、長さ25mmの短冊型の試験片を切り
抜きポリウレタンの動的粘弾性測定用の試験片とした。
また、別途ポリウレタンを表面温度150℃に設定した
ロール成形機にて細かく砕きブレンド用の試料とした。
また、ポリ塩化ビニル系樹脂(信越高重合度PVC T
K−2500W、平均重合度:4500、信越化学工業
(株)製)100g、安定剤としてステアリン酸バリウ
ム2g、ステアリン酸亜鉛1g、アミン補足剤(日産フ
ェロ有機化学(株)製商品名BP−331)1.5g、
ジ−2エチルヘキシルフタレート(DOP)100g、
ブレンド用に細かく砕いたポリウレタンを100g、室
温下にて十分混ぜ合わせた後、表面温度150℃に設定
したロール成形機にて混練した。混練時間は15分とし
た。こうして得られた複合体を、JISK6301圧縮
永久歪用に厚みが12.70±0.13mmとなるよう
に、プレス成形した。 【0034】また、別途<可塑剤偏在量の測定>の項で
記す方法に従い、マトリクスと分散相のDOPの偏在量
を求めた。ここで求めた偏在量をもとにマトリクスに相
当するポリ塩化ビニル樹脂とDOPの混合物をロール成
形機にて混合し、JISK6301圧縮永久歪測定用に
厚みが12.70±0.13mmとなるように、プレス
成形した。また、分散相に相当するポリウレタンとDO
Pの混合物を得る目的でポリマーポリオール、イソシア
ネート化合物、DOP、触媒としてDBTDL26.7
PPMを十分混合し、12.70±0.13mmの深さ
を有する型に流し込み、120℃のオーブン中,2時間
放置して分散相に相当する材料を得た。なお、原材料の
種類、グレード等はすべて本実施例中に挙げたものを用
いた。 【0035】マトリクス相当の混合物と分散相相当の
合物をそれぞれ70℃において圧縮スピード0.2mm
/minで圧縮試験を行い応力−歪試験を行った。各々
の材料の弾性率は応力−歪曲線の初期勾配から求めた。 【0036】<可塑剤偏在量の測定>ポリウレタン作製
時に可塑剤としてDOPをポリウレタン100重量部に
対して10重量部、20重量部,30重量部,40重量
部,50重量部ブレンドしたものをそれぞれ1mm厚の
型に流し込み加熱硬化させてシートにし、移行性試験用
のサンプルとした。さらにポリ塩化ビニル系樹脂100
重量部に対して、DOPを50重量部,60重量部,7
0重量部,80重量部、さらに90重量部それぞれ加え
たものにさらに安定剤を加え、ロール混練機にて十分混
練し、プレス成形機にて1mm厚のシートとし、移行性
試験用のサンプルとした。 【0037】分散相とマトリクスのDOPの偏在量に関
する知見を得る目的でポリウレタンに対し10重量部D
OPを添加したサンプルとポリ塩化ビニル系樹脂に90
重量部DOPを添加したサンプルとを貼り合わせ70℃
にて移行性試験を行った。同様にポリウレタンに対して
DOP20重量部のサンプルとポリ塩化ビニル系樹脂に
対してDOP80重量部のサンプル、ポリウレタンに対
してDOP30重量部のサンプルとポリ塩化ビニル系樹
脂に対してDOP70重量部のサンプル、ポリウレタン
に対してDOP40重量部のサンプルとポリ塩化ビニル
系樹脂に対してDOP60重量部のサンプル、さらには
ポリウレタンに対してDOP50重量部のサンプルとポ
リ塩化ビニル系樹脂に対してDOP50重量部のサンプ
ル、をそれぞれ貼り合わせ70℃にて移行性試験を行っ
た。試験時間は24時間とした。移行性の評価は重量変
化率で求め、各々の重量変化率が最も小さくなるDOP
の分率を平衡状態におけるマトリクスと分散相へのDO
Pの偏在量として決定した。 【0038】比較例1 実施例1において用いたポリエステルポリオールの代わ
りに同一組成を有した数平均分子量が500であるポリ
エステルポリオール((株)クラレ製、商品名クラポー
ルP510)100重量部、イソシアネート化合物を7
9.8重量部(NCO/OH=1.0)を用いた以外は
実施例1と同様の操作によって複合材料を得た。 【0039】比較例2 実施例1において用いたポリエステルポリオールの代わ
りに同一組成を有した数平均分子量が6000であるポ
リエステルポリオール((株)クラレ製、商品名クラポ
ールP6010)100重量部、イソシアネート化合物
を6.0重量部(NCO/OH=0.9)を用いた以外
は実施例1と同様の操作によって複合材料を得た。 【0040】上記により得られた材料を以下に述べる評
価試験に供した。その結果を表1に示す。 【0041】(圧縮永久歪の測定)JISK6301に
従い測定した。初期歪は25%、温度は70℃、22時
間経過後、歪を開放し、残留歪を測定した。 【0042】(圧縮弾性率の測定)テンシロン引っ張り
試験機において圧縮試験を行った。試験温度は70℃、
圧縮スピードは0.2mm/minでおこなった。 【0043】(引っ張り弾性率の測定)非共振型強制振
動法に基づく測定装置である粘弾性測定アナライザーR
SAII(レオメトリックス・ファーイースト社)を用
いて測定周波数10Hz,測定モード:引っ張り、によ
り23℃における引っ張り貯蔵弾性率(E’)を測定し
た。尚、測定は全て線形領域で行った。 【0044】(相構造の確認)得られた複合材料をOs
4の蒸気に暴露し、染色し、これをウルトラミクロト
ームで−100℃の雰囲気下0.1ミクロンの超薄切片
に仕上げる。これを電子顕微鏡DEOL JEM−20
00FXを用いて加速電圧200kVにて観察た。この
観察に際し、OsO4に染色されるポリウレタン成分が
0.1ミクロンから100ミクロンの大きさを優す分散
相となっていることを確認した。 【0045】 【表1】 【0046】 【発明の効果】以上述べたとおり、本発明のパッキン材
は圧縮永久歪に優れた熱可塑性エラストマーからな
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 27/06 C08L 75/04 - 75/16 C08G 18/62 C09K 3/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】ポリ塩化ビニル系樹脂、架橋型ポリウレタ
    ン及び可塑剤からなる樹脂組成物であり、マトリクスが
    ポリ塩化ビニル系樹脂、分散相がポリウレタンの相分離
    構造を有している材料であって、用いるポリウレタンの
    動的粘弾性測定における引張り弾性率が20℃以上70
    ℃以下の範囲において9×105dyne/cm2以上8
    ×107dyne/cm2以下であり、かつ70℃におけ
    る分散相の圧縮弾性率に対するマトリクス相の圧縮弾性
    率の比が0.4以上1.8以下である熱可塑性エラスト
    マー樹脂組成物からなることを特徴とするパッキン材
JP18515593A 1993-07-27 1993-07-27 ポリ塩化ビニル系樹脂組成物及びパッキン材料 Expired - Fee Related JP3379158B2 (ja)

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