JP3390612B2 - 蓄冷型冷凍機 - Google Patents

蓄冷型冷凍機

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JP3390612B2 JP27220596A JP27220596A JP3390612B2 JP 3390612 B2 JP3390612 B2 JP 3390612B2 JP 27220596 A JP27220596 A JP 27220596A JP 27220596 A JP27220596 A JP 27220596A JP 3390612 B2 JP3390612 B2 JP 3390612B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、蓄冷型冷凍機に
関し、特に冷却ステージの熱交換の効率を高め、冷凍能
力を向上するものである。 【0002】 【従来の技術】図27は特開平3−1053号公報に示
された従来の蓄冷型冷凍機の2段GM冷凍機を示す図で
ある。図において、1、2は直径が順次縮小したパイプ
を同軸上に連結一体化した筒としての1段目シリンダお
よび2段目シリンダ、3は1段目シリンダ1内にて上死
点および下死点間を往復運動可能に配設された1段目デ
ィスプレーサ、4は2段目シリンダ2内にて上死点およ
び下死点間を往復運動可能に配設された2段目ディスプ
レーサで、1段目ディスプレーサ3と2段目ディスプレ
ーサ4とは、それぞれ自在継手(図示せず)で連結一体
化にて構成されている。4aはこの2段目ディスプレー
サ4の凹状底面である。なお、図27は往復運動の上死
点の際を示すものである。 【0003】5は1段目シリンダ1の内壁と1段目ディ
スプレーサ3の外壁との間をシールするための1段目シ
ール、6は2段目シリンダ2の内壁と2段目ディスプレ
ーサ4の外壁との間をシールするための2段目シール、
7は1段目ディスプレーサ3内に充填された1段目蓄冷
器、8は2段目ディスプレーサ4内に充填された2段目
蓄冷器、9は1段目シリンダ1の低温端側の外周面に配
設された1段目冷却ステージ、10は2段目シリンダ2
の低温端側の外周面を覆うように配設された2段目冷却
ステージ、10aは2段目ディスプレーサの凹状底面4
aと嵌合するように設けられた2段目冷却ステージの凸
状底面である。 【0004】11は1段目シリンダ1の低温端側に、1
段目ディスプレーサ3の往復運動により容積が変化する
1段目膨張空間、12は2段目シリンダ2の低温端側
に、2段目ディスプレーサ4の往復運動により容積が変
化する2段目膨張空間、13は作動ガスとしてのヘリウ
ムガスを圧縮するコンプレッサ、14はこのコンプレッ
サ13から高圧のヘリウムガスを1段目シリンダ1内に
供給するタイミングを制御するための吸気バルブであ
る。 【0005】15は1段目シリンダ1内からコンプレッ
サ13に低圧のヘリウムガスを排出するタイミングを制
御するための排気バルブ、16は両ディスプレーサ3、
4を往復運動させるとともに、この往復運動に連動して
吸気バルブ14および排気バルブ15の開閉を行う駆動
モータ、17は1段目蓄冷器7へヘリウムガスを流出入
させるため、1段目ディスプレーサ3の高温端側に設け
られた1段目高温側流路である。 【0006】18は1段目蓄冷器7および1段目膨張空
間11へヘリウムガスを流出入させるため、1段目ディ
スプレーサ3の低温端側に設けられた1段目低温側流
路、19は2段目蓄冷器8へヘリウムガスを流出入させ
るため、2段目ディスプレーサ4の高温端側に設けられ
た2段目高温側流路、20は2段目蓄冷器8および2段
目膨張空間12へヘリウムガスを流出入させるため、2
段目ディスプレーサ4の低温端側に設けられた2段目低
温側流路である。 【0007】次に、上記のように構成された従来の蓄冷
型冷凍機の動作について説明する。まず、両ディスプレ
ーサ3、4が両シリンダ1、2内にて下死点にある。そ
して、吸気バルブ14が開、排気バルブ15が閉の状態
にされ、コンプレッサ13から圧縮された高圧のヘリウ
ムガスが、1段目高温側流路17から1段目蓄冷器7に
流入される。そして、流入されたヘリウムガスは、1段
目蓄冷器7の蓄冷材によって所定の温度まで冷却され、
1段目低温側流路18から1段目膨張空間11へ流出さ
れる。 【0008】そして、1段目膨張空間11へ流入した高
圧のヘリウムガスの一部は、2段目高温側流路19から
2段目蓄冷器8に流入される。そして、流入されたヘリ
ウムガスは、2段目蓄冷器8の蓄冷材によって、さらに
低い所定の温度まで冷却され、2段目低温側流路20か
ら2段目膨張空間12へ流出される。 【0009】この結果、両膨張空間11、12内は高圧
状態となる。その後、両ディスプレーサ3、4は上死点
側へと移動する。それに伴い、高圧のヘリウムガスは次
々と各膨張空間11、12に供給される。 【0010】そして、両ディスプレーサ3、4が上死点
に達すると(図27の状態)、吸気バルブ14をまず閉
じ、少し遅れて排気バルブ15を開く。すると、この時
ヘリウムガスは、高圧の状態から低圧の状態となり体積
が膨張し、各膨張空間11、12にて寒冷を発生する。
そしてこの際、各膨張空間11、12内のヘリウムガス
はもとの状態より低温、低圧となり、各冷却ステージ
9、10を冷却することとなる。そして、各冷却ステー
ジ9、10は、これらの周囲から熱を奪い、周囲を冷却
することとなる。 【0011】次に、両ディスプレーサ3、4を下死点に
移動させる。そして、上記にて示した逆の順路を通り、
ヘリウムガスは排気バルブ15から排気され、コンプレ
ッサ13に戻る。この際、ヘリウムガスは両蓄冷器7、
8をそれぞれ冷却することとなる。そして、両ディスプ
レーサ3、4が下死点に達し、両膨張空間11、12の
体積が最小になると、再び排気バルブ15を閉、吸気バ
ルブ19を開く。以上の動作を1サイクルとし、上記動
作を繰り返すこととなる。 【0012】上記動作を繰り返すことにより両冷却ステ
ージ9、10は周囲から熱を奪う。また、両ディスプレ
ーサ3、4の往復運動の動作の間、2段目ディスプレー
サ4の凹状底面4aは2段目冷却ステージ10の凸状底
面10aをガイドにして摺動している。 【0013】次に、他の従来の例として、図28に示す
ものがある。これは、図27に示した従来の例のうち2
段目のディスプレーサ側のみを示す図である。図におい
て、上記従来と同様の部分は同一符号を付して説明を省
略する。4bは2段目ディスプレーサ4の2段目膨張空
間12と接する底面で、平坦に形成されている。21は
2段目シリンダ4の低温端側の外周面を覆うように配設
された2段目冷却ステージで、2段目冷却ステージ21
の2段目膨張空間12と接する底面21aは平坦に形成
されている。 【0014】上記のように構成された他の従来の蓄冷型
冷凍機の動作は、2段目ディスプレーサの底面4bおよ
び2段目冷却ステージの底面21aが平坦であるので、
上記した従来の例のように、2段目ディスプレーサ4の
凹状底面4aが2段目冷却ステージ10の凸状底面10
aをガイドにして摺動するというような動作がなく、往
復運動が行われる。また、両底面4b、21aが平坦で
あるため、上記従来の例より、2段目膨張空間12内の
ヘリウムガスと、2段目冷却ステージ21との伝熱面積
が小さくなる。 【0015】 【発明が解決しようとする課題】従来の蓄冷型冷凍機は
以上のようにそれぞれ構成されている。従来例のよう
に、2段目ディスプレーサ4の凹状底面4aと2段目冷
却ステージ10の凸状底面10aとを形成することによ
り、2段目膨張空間12内のヘリウムガスと、2段目冷
却ステージ10との伝熱面積が大きくなり、冷凍能力が
向上する。しかしながら、2段目ディスプレーサ4の往
復運動の際に、2段目ディスプレーサ4の凹状底面4a
が2段目冷却ステージ10の凸状底面10aをガイドと
して摺動するので、この箇所で摩擦熱が生じ、冷凍能力
を低減させてしまうという問題点がある。 【0016】又、他の従来例のように、2段目ディスプ
レーサの底面4bと2段目冷却ステージの底面21aと
が平坦であれば、2段目ディスプレーサ4の往復運動の
際に摩擦熱は生じないものの、2段目膨張空間12内の
ヘリウムガスと、2段目冷却ステージ21との伝熱面積
が小さくなるので、冷凍能力が低減するという問題点が
ある。 【0017】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、冷却ステージの熱交換の効率を
高め、冷凍能力が向上する蓄冷型冷凍機を提供するもの
である。 【0018】 【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項1
の蓄冷型冷凍機は、筒と、筒の一端を覆うように設けら
れた冷却ステージと、筒内にて往復運動可能に設けられ
た往復部材と、筒の冷却ステージにて覆われた側に往復
部材の往復運動により容積が変化する膨張空間とを備え
て成り、膨張空間に圧縮された作動ガスが導入され、作
動ガスを膨張させて寒冷を発生させる蓄冷型冷凍機にお
いて、冷却ステージの内部に、膨張空間とキャピラリを
介して連通するバッファータンクを備えたものである。 【0019】 【発明の実施の形態】実施の形態1. 以下、この発明の実施の形態を図について説明する。図
1はこの発明の実施の形態1における蓄冷型冷凍機の2
段GM冷凍機を示す図である。図において、22、23
は直径が順次縮小したパイプを同軸上に連結一体化した
筒としての1段目シリンダおよび2段目シリンダで、例
えばステンレスにて形成されている。24は1段目シリ
ンダ22内にて上死点および下死点間を往復運動可能に
配設された往復部材としての1段目ディスプレーサ、2
5は2段目シリンダ23内にて上死点および下死点間を
往復運動可能に配設された往復部材としての2段目ディ
スプレーサで、1段目ディスプレーサ24と2段目ディ
スプレーサ25とは、それぞれ自在継手(図示せず)で
連結一体化にて構成されている。各ディスプレーサ2
4、25は、例えばステンレスにて形成されている。な
お、図1は往復運動の上死点の際を示すものである。 【0020】26は1段目シリンダ22の内壁と1段目
ディスプレーサ24の外壁との間をシールするための1
段目シール、27は2段目シリンダ23の内壁と2段目
ディスプレーサ25の外壁との間をシールするための2
段目シール、28は1段目ディスプレーサ24内に充填
された1段目蓄冷器、29は2段目ディスプレーサ25
内に充填された2段目蓄冷器、30は1段目シリンダ2
2の低温端側の外周面に配設された1段目冷却ステー
ジ、31は2段目シリンダ23の一端としての低温端側
の外周面を覆うように配設された2段目冷却ステージ
で、各冷却ステージ30、31は例えば銅にて形成され
ている。 【0021】32は1段目シリンダ22の低温端側に、
1段目ディスプレーサ24の往復運動により容積が変化
する1段目膨張空間、33は2段目シリンダ25の低温
端側に、2段目ディスプレーサ25の往復運動により容
積が変化する2段目膨張空間、34は作動ガスとしての
ヘリウムガスを圧縮するコンプレッサ、35はこのコン
プレッサ34から高圧のヘリウムガスを1段目シリンダ
1内に供給するタイミングを制御するための吸気バルブ
である。 【0022】36は1段目シリンダ22内からコンプレ
ッサ34に低圧のヘリウムガスを排出するタイミングを
制御するための排気バルブ、37は両ディスプレーサ2
4、25を往復運動させるとともに、この往復運動に連
動して吸気バルブ35および排気バルブ36の開閉を行
う駆動モータ、38は1段目蓄冷器28へヘリウムガス
を流出入させるため、1段目ディスプレーサ24の高温
端側に設けられた1段目高温側流路である。 【0023】39は1段目蓄冷器28および1段目膨張
空間32へヘリウムガスを流出入させるため、1段目デ
ィスプレーサ24の低温端側に設けられた1段目低温側
流路、40は2段目蓄冷器29へヘリウムガスを流出入
させるため、2段目ディスプレーサ25の高温端側に設
けられた2段目高温側流路、41は2段目蓄冷器29お
よび2段目膨張空間33へヘリウムガスを流出させるた
め、2段目ディスプレーサ25の低温端側に設けられた
2段目低温側流路である。 【0024】25aは2段目ディスぺーサ25の2段目
膨張空間33と接する第2の面で、山形の円錐形状に形
成されている。31aは2段目冷却ステージ31の2段
目膨張空間33と接する第1の面で、山形の円錐形状に
形成されている。そして、これら第2の面25aと第1
の面31aとの軸方向に対向する位置の距離が互いに等
しいとともに、第2の面25aおよび第1の面31aが
往復運動方向と直角の方向に対して傾きを有しているも
のである。 【0025】次に、上記のように構成された実施の形態
1における蓄冷型冷凍機の動作について説明する。ま
ず、両ディスプレーサ24、25が両シリンダ22、2
3内にて下死点にある。そして、吸気バルブ35が開、
排気バルブ36が閉の状態にされ、コンプレッサ34で
圧縮された高圧のヘリウムガスが、1段目高温側流路3
8から1段目蓄冷器28に流入される。そして、流入さ
れたヘリウムガスは、1段目蓄冷器28の蓄冷材によっ
て所定の温度まで冷却され、1段目低温側流路39から
1段目膨張空間32へ流出される。 【0026】そして、1段目膨張空間32へ流入した高
圧のヘリウムガスの一部は、2段目高温側流路40から
2段目蓄冷器29に流入される。そして、流入されたヘ
リウムガスは、2段目蓄冷器29の蓄冷材によって、さ
らに低い所定の温度まで冷却され、2段目低温側流路4
1から2段目膨張空間33へ流出される。 【0027】この結果、両膨張空間32、33内は例え
ば、20Kg/cmくらいの高圧状態となり、両ディ
スプレーサ24、25は上死点側へと移動する。それに
伴い、高圧のヘリウムガスは上記動作と同様に、次々と
各膨張空間32、33に供給される。 【0028】そして、両ディスプレーサ24、25が上
死点に達すると(図1の状態)、吸気バルブ35をまず
閉じ、少し遅れて排気バルブ36を開く。すると、この
時ヘリウムガスは、高圧の状態から低圧の状態となり体
積が膨張し、各膨張空間32、33にて寒冷を発生す
る。そしてこの際、各膨張空間32、33内のヘリウム
ガスはもとの状態より低温、低圧となり、各冷却ステー
ジ30、31を冷却することとなる。そして、1段目冷
却ステージ30では例えば50Kにて、又、2段目冷却
ステージ31では例えば4.2Kにて、これらの周囲か
ら熱を奪い、周囲を冷却することとなる。 【0029】次に、両ディスプレーサ24、25を下死
点に移動させる。そして、上記にて示した逆の順路を通
り、ヘリウムガスは排気バルブ36から排気され、コン
プレッサ34に戻る。この際、ヘリウムガスは両蓄冷器
28、29をそれぞれ冷却することとなる。そして、両
ディスプレーサ24、25が下死点に達し、両膨張空間
32、33の体積が最小になると、再び排気バルブ36
を閉、吸気バルブ35を開く。以上の動作を1サイクル
(例えば1サイクルを1秒間にて行う)とし、上記動作
を繰り返すこととなる。 【0030】上記動作を繰り返すことにより両冷却ステ
ージ30、31は周囲から熱を奪う。また、両ディスプ
レーサ24、25の往復運動の動作の間、2段目ディス
プレーサの第2の面25aと2段目冷却ステージの第1
の面31aとは軸方向に対向する位置の距離が互いに一
定であるので、2段目ディスプレーサ25の往復運動の
際、第1の面31aおよび第2の面25a間で摩擦熱を
生じることはない。又、2段目シリンダ23の内径が例
えば3cmで、第1の面31aの円錐の高さが3cmと
すれば、伝熱面積は、各面が平坦の場合と比較すると
2.8倍になる。したがって、伝熱量は伝熱面積に比例
するので、2.8倍の伝熱量が得られ、2段目膨張空間
33のヘリウムガスと2段目冷却ステージ31との温度
差は、各面が平坦の場合と比較すると1/2.8にな
る。 【0031】上記のように構成された実施の形態1の蓄
冷型冷凍機は、第1の面25aと第2の面31aとの軸
方向に対向する位置の距離が互いに一定で等しく、又、
各面25a、31aが往復運動方向と直角の方向に対し
て傾きを有し、伝熱面積を拡大している。よって、2段
目ディスプレーサ25の往復運動の際、各面25a、3
1a間で摩擦熱が生じることはなく、且つ、2段目冷却
ステージ31の温度が2段目膨張空間33内のヘリウム
ガスの温度により近づき2段目冷却ステージでの損失を
少なくすることができ、冷凍能力を向上することができ
る。尚以下、様々な実施の形態を説明するが、各ディス
プレーサ24、25の動作は同様で、又、ヘリウムガス
の流れも同様であるので説明は適宜省略する。又、2段
目シリンダ側のみを用いて説明するため、2段目の言葉
は適宜省略する。 【0032】実施の形態2. 上記実施の形態1では第1および第2の面31a、25
aを山形の円錐状にて形成する例を示したが、これに限
られることはなく、冷却ステージの膨張空間と接する第
1の面と往復部材の膨張空間と接する第2の面との軸方
向に対向する位置の距離が互いに等しいとともに、第1
の面および第2の面が往復運動方向と直角の方向に対し
て傾きを有していれば、何れの形状でも上記実施の形態
1と同様の効果を奏することができる。以下、数例を図
に基づいて説明する。 【0033】図2は実施の形態2の一例を示す蓄冷型冷
凍機である。図において、上記実施の形態1と同様の部
分は同一符号を付して説明を省略する。25bはディス
プレーサ25の膨張空間33と接する第2の面で谷形の
円錐状に形成されている。31bは、冷却ステージ31
の膨張空間33と接する第1の面で谷形の円錐状に形成
されている。 【0034】上記のように構成すれば、第1の面31b
と第2の面25bとの軸方向に対向する位置の距離が互
いに等しいとともに、第1の面31bおよび第2の面2
5bが往復運動方向と直角の方向に対して傾きを有して
いるため、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。 【0035】又、図3は実施の形態2の一例を示す蓄冷
型冷凍機である。図において、上記実施の形態1と同様
の部分は同一符号を付して説明を省略する。25cはデ
ィスプレーサ25の膨張空間33と接する第2の面で、
山形の円錐状が2連にて形成されている。31cは冷却
ステージ31の膨張空間33と接する第1の面で山形の
円錐状が2連にて形成されている。 【0036】上記のように構成すれば、第1の面31c
と第2の面25cとの軸方向に対向する位置の距離が互
いに等しいとともに、第1の面31cおよび第2の面2
5cが往復運動方向と直角の方向に対して傾きを有して
いるため、上記実施の形態1と同様の効果を奏するのは
もちろんのこと、各面25c、31cが2連の山形の円
錐状にて形成されているので、伝熱面積がさらに拡大さ
れ、さらに冷凍能力を向上することができる。 【0037】又、図4は実施の形態2の一例を示す蓄冷
型冷凍機である。図において、上記実施の形態1と同様
の部分は同一符号を付して説明を省略する。25cはデ
ィスプレーサ25の膨張空間33と接する第2の面で、
半球形状にて形成されている。31dは冷却ステージ3
1の膨張空間33と接する第1の面で半球形状にて形成
されている。 【0038】上記のように構成すれば、第1の面31d
と第2の面25dとの軸方向に対向する位置の距離が互
いに等しいとともに、第1の面31dおよび第2の面2
5dが往復運動方向と直角の方向に対して傾きを有して
いるため、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。 【0039】実施の形態3. 図5はこの発明の実施の形態3の蓄冷型冷凍機の構成を
示す図である。図において、上記各実施の形態と同様の
部分は同一符号を付して説明を省略する。31eは冷却
ステージ31の膨張空間33と接する第1の面で、第2
の面25aと軸方向に対向する位置の距離が互いに一定
の範囲内で等しいとともに、ディスプレーサ25の往復
運動方向と直角の方向に対して傾きを有しており、さら
に、傾きを有する箇所が、段階形状にて形成されてい
る。 【0040】上記実施の形態3は、第1の面31eが第
2の面25aとの距離が一定範囲内となるよう、階段形
状にて形成されているため、階段形状にて形成されてい
ない場合と比較して、無効容積は増加するものの、伝熱
面積はさらに拡大される。冷凍能力の大きな蓄冷型冷凍
機では、無効容積が増加して冷凍能力が減少する効果よ
り、冷却ステージの熱伝達が向上して、冷凍能力が向上
する効果の方が大きく、全体として冷凍能力の増大に有
効である。 【0041】さらに、伝熱面積を拡大するために、図6
に示すように冷却ステージ31の膨張空間33と接する
側面31fに複数の溝を備えるように形成し、伝熱面積
を拡大してもよい。このように形成すれば、伝熱面積が
増加するため、無効容積は増加するものの、上記で示し
たような冷凍能力の大きな蓄冷型冷凍機では冷凍能力を
向上することができる。 【0042】実施の形態4. 図7はこの発明の実施の形態4における蓄冷型冷凍機の
構成を示す図である。図において、上記各実施の形態と
同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。25e
はディスプレーサ25の膨張空間33と接する第2の
面、31gは冷却ステージ31の膨張空間33と接する
第1の面で、第1の面31gと第2の面25eとは軸方
向に対向する位置の距離が互いに等しいとともに、第1
の面31gおよび第2の面25eがディスプレーサ25
の往復運動方向と直角の方向を有している。 【0043】42は膨張空間33の壁面(冷却ステージ
31の膨張空間33と接する面)に配設された伝熱面積
拡大部材で、例えば0.4mm径程度の粒状の金属で、
例えば銅、銀等にて成る。取り付け方法として、粒状の
金属の表面にろう材を塗布し、この状態で粒状の金属を
冷却ステージ31の膨張空間33と接する面に付けて、
温度を上昇させることにより、ろう材を融解させ付着さ
せる。 【0044】上記のように構成された実施の形態4によ
れば、伝熱面積拡大部材42が粒状にて形成されている
ため、冷却ステージ31と膨張空間33内の作動ガスと
の伝熱面積を拡大することができる。よって、熱伝達が
大幅に改良され冷凍能力を向上することができる。 【0045】又、図8に示すように上記実施の形態1に
て示したような第1の面25aおよび第2の面31aが
形成されている場合、伝熱面拡大部材43を、膨張空間
33の壁面(冷却ステージ31の膨張空間33と接する
面)に同様に配設してもよい。このようにすれば、伝熱
面積はさらに拡大され、冷凍能力をさらに向上すること
ができる。 【0046】実施の形態5. 図9はこの発明の実施の形態5における蓄冷型冷凍機の
構成を示す図である。図において、上記各実施の形態と
同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。44は
膨張空間33内に備えられた伝熱面積拡大部材で、網目
状の金属で、例えば銅にて形成され、膨張空間33の底
面に載置されている。そして、この伝熱面積拡大部材4
4は例えば体積率が約23%の網目状金属を5mm程度
積層したものである。 【0047】上記のように形成された実施の形態5の蓄
冷型冷凍機によれば、伝熱面積拡大部材44を備えるこ
とにより、備えない場合と比較し、伝熱面積が約5倍と
なる。よって、伝熱面積の拡大により、冷凍能力を向上
することができる。 【0048】又、伝熱面積拡大部材44を網目状にて形
成する例を示したが、これに限られることはなく、図1
0に示すように例えば粒状の銅、鉛(径が0.4mm程
度のもの)を膨張空間33内に配設して、伝熱面積拡大
部材45を形成すればよい。この際、これら伝熱面積拡
大部材45のとび出しを防止するため、開口を有する押
え61を設けておく。よって容易に伝熱面積を拡大する
ことができ、冷凍能力を容易に向上させることができ
る。又、図示はしないものの上面に開口を有する箱状の
ものに、上記伝熱面積拡大部材45を入れ設置してもよ
い。 【0049】実施の形態6. 図11はこの発明の実施の形態6における蓄冷型冷凍機
の構成を示す図である。図において、上記各実施の形態
と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。31
hは、冷却ステージ31の外周面に設けられた複数の溝
である。 【0050】上記のように構成された実施の形態6の蓄
冷型冷凍機は、例えば冷却ステージ31がたとえば被冷
凍部としてのヘリウムガス中に設置され、ヘリウムガス
を凝縮するような場合、冷却ステージ31の外周面の面
積が、溝31hにより拡大されているため、凝縮面の伝
熱面積が拡大され、熱交換の効率があがる。よって、冷
凍能力を向上することができる。 【0051】又、図12に示すように上記実施の形態1
にて示したような第1の面25aおよび第2の面31a
が形成されている場合、冷却ステージ31の外周面に複
数の溝31hを形成してもよい。このようにすれば、伝
熱面積の膨張面及び凝縮面ともに拡大することができ、
冷凍能力をさらに向上することができる。 【0052】実施の形態7. 図13はこの発明の実施の形態7における蓄冷型冷凍機
の構成を示す図である。図において、上記各実施の形態
と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。46
は冷却ステージ31の外周面に配設された伝熱面積拡大
部材で、たとえば0.4mm径程度の粒状の金属で、例
えば銅、銀等にて成る、取り付け方法としては粒状の金
属の表面にろう材を塗布し、この状態で粒状の金属を冷
却ステージ31の外周面に付けて、温度を上昇させるこ
とにより、ろう材を融解させ付着させる。 【0053】上記のように構成された実施の形態7によ
れば、上記実施の形態6と同様に伝熱面積としての凝縮
面を拡大することができるため、熱交換の効率があが
る。よって、冷凍能力を向上することができる。 【0054】又、図14に示すように上記実施の形態1
にて示したような第1の面25aおよび第2の面31a
が形成されている場合、冷却ステージ31の外周面に伝
熱面積拡大部材46を配設してもよい。このようにすれ
ば、伝熱面積の膨張面及び凝縮面ともに拡大することが
でき、冷凍能力をさらに向上することができる。 【0055】実施の形態8. 図15はこの発明の実施の形態8における蓄冷型冷凍機
の構成を示す図である。図において、上記各実施の形態
と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。47
は冷却ステージ31の内部に形成された流路で、流路4
7の一端および他端が冷却ステージ31にて開口されて
おり、流路47内にヘリウムガスを流出入することがで
きる。 【0056】上記のように構成された実施の形態8の蓄
冷型冷凍機によれば、流路47内にてヘリウムガスの流
れが生じ、このヘリウムガスが流路47内を通る際に、
ヘリウムガスと冷却ステージ31との間で熱交換が行わ
れる為、冷却ステージ31での熱交換を容易に効率よく
行うことができるため、冷凍能力を向上することができ
る。 【0057】実施の形態9. 図16はこの発明の実施の形態9における蓄冷型冷凍機
の構成を示す図である。図において上記各実施の形態と
同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。48は
冷却ステージ31の内部に形成された流路で、流路48
の一端48aはディスプレーサ25が往復運動の上死点
の位置に達した際に、ディスプレーサ25のガス流出入
り口としての低温側流路41とが対向する位置に形成さ
れ、又、流路48の他端48bは第1の面31gに形成
されている。 【0058】上記のように構成された実施の形態9の蓄
冷型冷凍機によれば、ディスプレーサ25の往復運動の
上死点の位置に達した際に、流路48の一端48aと低
温側流路41とが、対向する位置に形成されているた
め、ヘリウムガスの流出入が多量となる往復運動の上死
点の際、流路48の一端48aから低温側流路41への
ヘリウムガスの流れが、直接行われやすくなる。よっ
て、ヘリウムガスの体積が膨張し、膨張空間33にて寒
冷が発生した際、ヘリウムガスのほとんどは、冷却ステ
ージ31の流路の他端48bから流路48を介して、流
路48の一端48aから、低温側流路41へ流れること
となる。 【0059】以上のように構成された実施の形態9の蓄
冷型冷凍機は、膨張空間33にて寒冷を発生したヘリウ
ムガスが、流路48を通り、低温側流路41に流れるた
め、冷却ステージ31の熱交換が一層効率よく行われる
ことになる。そして、冷却ステージ31の温度とヘリウ
ムガスの温度とがほぼ等しくなるため、冷却ステージ3
1での熱の損失が生じなくなる。よって、冷却ステージ
31にて被冷凍部の熱を確実に膨張空間33に伝熱する
ことができ、冷凍能力を増大することができる。 【0060】さらに、ヘリウムガスの流れを確実にする
ために、図17に示すようにシリンダ23の内壁とディ
スプレーサ25の外壁との間をシール部材49にてシー
ルし、ディスプレーサ25が往復運動の上死点の位置に
達した際に、ヘリウムガスが、流路48の一端48aか
ら膨張空間33を通り流路48の他端48bへ流出する
のを阻止する。 【0061】このように構成すれば、シール部材48に
よりヘリウムガスは、流路48の一端48aから低温側
流路41にのみ確実に流れるようになる。よって、冷凍
能力をより一層増大することができる。 【0062】さらに、流路48に流れるヘリウムガスの
熱交換による熱容量を増大させるために、図18に示す
ように流路48内に蓄冷材50を配設してもよい。この
蓄冷材50としては、例えば、ErNi,Ho1.5
Er1.5Ru,ErNi0.9Co0.1,GdR
h,Cu等にてなる玉状、メッシュ状などを用いること
ができる。尚、後述に際しても、流路内に蓄冷材を配設
する例を示すが、これらは、ここで示した蓄冷材と同様
に形成することが可能となるため、その説明は適宜省略
する。 【0063】このように構成すれば、吸気バルブが閉
じ、排気バルブが開いた過程においては、膨張空間33
で膨張し低温になったヘリウムガスは、流路48の他端
48bから冷却ステージ31内の蓄冷材50を通り、流
路48の一端48aから低温側流路41にはいる。この
際、冷却ステージ31内の蓄冷材50をヘリウムガスが
冷却する。次に、排気バルブが閉じ、吸気バルブが開い
た過程においては、低温側流路41から流入したヘリウ
ムガスは、流路48の一端48aから冷却ステージ31
内の蓄冷材50を通り、流路48の他端48bから膨張
空間33に到達する。この際、上記過程において冷却さ
れた蓄冷材50とヘリウムガスとは熱交換するため膨張
空間33に流入するヘリウムガスはより低温になってい
る。このことにより大きな冷凍能力を有することができ
るようになる。 【0064】また冷却ステージ内の流路48にヘリウム
ガスが通過することにより、膨張空間33内のヘリウム
ガスと冷却ステージ31との熱交換が充分行われ、冷却
ステージ31での熱の損失が減少し、冷凍能力を向上す
ることができる。さらに冷却ステージ31内に、熱容量
の大きい蓄冷材50が存在するため、冷却ステージ31
全体の熱容量が大きくなる。このため冷却ステージ31
の温度振幅が小さくなる。したがって等温膨張に近づ
き、冷凍能力を向上することができる。 【0065】又、上記実施の形態1にて示したような第
1の面25aおよび第2の面31aが形成されている場
合にも、上記示したような流路を同様に形成してもよ
い。その内の数例を図19および図20に示す。まず、
図19に示すように、51は冷却ステージ31の内部に
形成された流路で、流路51の一端51aはディスプレ
ーサ25が往復運動の上死点の位置に達した際に、ディ
スプレーサ25の低温側流路41とが対向する位置に形
成され、又、流路51の他端51bは第1の面31aに
形成されている。 【0066】このように構成すれば、上記実施の形態1
の効果および上記実施の形態9の効果の両効果を得るこ
ととなり、冷凍能力はより一層向上することができる。 【0067】又、さらに、図20に示すように流路51
内に蓄冷材52を備えるようにすれば、冷凍能力のより
一層の向上および増大を図ることが可能となる。 【0068】実施の形態10. 図21はこの発明の実施の形態10における蓄冷型冷凍
機の構成を示す図である。図において、53はディスプ
レーサ25の凸状に形成された凸状底面、54はこの凸
状底面53に形成されたヘリウムガスを流出するガス流
出入口としての低温側流路、55は冷却ステージ31の
ディスプレーサ25と接する底面で、ディスプレーサ2
5の凸状底面53に嵌合する凹状底面、56は冷却ステ
ージ31の内部に形成された流路、56aはディスプレ
ーサ25が往復運動の下死点の位置に達した際に、ディ
スプレーサ25の低温側流路54からヘリウムガスが流
出するように形成された流路56の一端、56bはディ
スプレーサ25が往復運動の下死点の位置に達した際
に、ヘリウムガスが低温側流路54から直接流入しない
ように形成された流路56の他端である。 【0069】次に、上記のように構成された実施の形態
10の蓄冷型冷凍機の動作について説明する。吸気バル
ブが開き、排気バルブが閉じた過程においては、低温側
流路54から流出されたヘリウムガスは流路56の一端
56aから流路56を介して流路56の他端56bから
膨張空間33に入る。又、排気バルブが開き、吸気バル
ブが閉じた過程において、膨張空間33にて膨張したヘ
リウムガスは、冷却ステージ31の他端56bから流路
56を通り、流路56の一端56aから、低温側流路5
4へ流出される。 【0070】上記のように構成された実施の形態10の
蓄冷型冷凍機は、冷却ステージ31内の流路56にヘリ
ウムガスが通過することにより、ヘリウムガスと冷却ス
テージ31の熱交換が上記実施の形態9の場合と同様に
充分に行われ、冷却ステージ31での熱の損失が減少
し、冷凍能力を向上することができる。 【0071】さらに、図22に示すように流路56内に
蓄冷材57を備えるようにすれば、冷却ステージ31内
の熱容量を大きくできるため、上記実施の形態9の場合
と同様に冷却ステージ31の温度振幅が小さくなり、等
温膨張に近づき、冷凍能力を向上することができる。
尚、ここで示す流路56の一端56a及び他端56b
は、図21で示した場合と同様に形成されている。しか
しながら、冷却ステージ31内の流路56は、図21に
て示したように、複数の流路56を形成するのではな
く、図22に示すように1つの流路56のみにて形成さ
れている。これは、流路56内に蓄冷材57を備えるた
め、流路56を複数に分離しなくとも、冷却ステージ3
1が耐久性に劣ることなく、流路56を容易に形成でき
るからである。 【0072】さらに、図23に示すように、ディスプレ
ーサ25の凸状底面53と冷却ステージ31の凹状底面
55との間をシール部材58にてシールし、ディスプレ
ーサ25が往復運動の下死点の位置に達した際に、ヘリ
ウムガスが、流路56の一端56aから膨張空間33を
通り流路56の他端56bへ流出するのを確実に阻止す
るようにすれば、ヘリウムガスの流出は確実に流路56
を介して膨張空間33に行われるため、冷凍能力をより
一層向上することができる。 【0073】さらに、図24に示すように上記したシー
ル部材58を備え、且つ、蓄冷材57を備えるようにす
れば、冷凍能力がより一層向上することは言うまでもな
い。 【0074】実施の形態11. 図25はこの発明の実施の形態11における蓄冷型冷凍
機の構成を示す図である。図において、上記各実施の形
態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。5
9は冷却ステージ31の内部に膨張空間33と例えば内
径1mm程度のキャピラリーチューブより成るキャピラ
リ60を介して連通するバッファータンクである。 【0075】次に、上記のように構成された実施の形態
11の蓄冷型冷凍機の動作について説明する。まず、吸
気バルブが開くと、低温側流路41から膨張空間33
に、たとえば圧力20Kg/cmでヘリウムガスが流
入する。このヘリウムガスはキャピラリ60を通る際、
圧力抵抗によりバッファータンク59に流入するため、
15.5Kg/cm程度の圧力になる。逆に、排気バ
ルブが開き膨張空間33のヘリウムガスが10Kg/c
に膨張し、蓄冷器29へ戻るとき、バッファータン
ク59のヘリウムガスはキャピラリ60で圧力抵抗をう
け14.5Kg/cmの圧力になる。つまり、膨張空
間33の圧力変化が20Kg/cmから10Kg/c
に変化してもバッファータンク59内の圧力変化は
わずか1Kg/cmの圧力変化しか生じない。このた
めバッファータンク59へのヘリウムガスの流量は極め
てわずかで、また圧縮熱もほとんど生じない。 【0076】膨張空間33内のヘリウムガスと冷却ステ
ージ31との伝熱面積は、このバッファータンク59の
面積分が増加したこととなり、冷却ステージ31と膨張
空間33との熱伝達が改良され、冷凍能力が向上する。
また、バッファータンク59内にヘリウムガスが充填さ
れているため、たとえば4.2Kなどの低温ではバッフ
ァータンク59の熱容量が非常に大きくなり、冷却ステ
ージの温度振幅が小さくなる。したがって等温膨張に近
づき、冷凍能力を向上することができる。また、バッフ
ァータンク59内にはキャピラリ60によりわずかなが
らもヘリウムガスの流出入が生じるため、バッファータ
ンク59内のヘリウムガスは対流を生じ、バッファータ
ンク59内の中心部と外周部とのヘリウムガスの温度差
は生じない。 【0077】又、図26に示すように上記実施の形態1
にて示したような第1の面25aおよび第2の面31a
が形成されている場合にも、上記示したようなバッファ
タンク59をキャピラリ60を介して備えるようにすれ
ば、上記実施の形態1の効果および上記実施の形態11
の効果の両効果を得ることとなり、冷凍能力をより一層
向上することができる。 【0078】以上の各実施の形態では、2段GM冷凍機
を例にあげて説明したが単段GM冷凍機、および3段G
M冷凍機にも適用できるのはもちろんのこと、他の蓄冷
形冷凍機、たとえばパルスチューブ冷凍機、スターリン
グ冷凍機、ビルマイヤー冷凍機にも適用できることはい
うまでもない。 【0079】 【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、筒と、筒の一端を覆うように設けられた冷却ステー
ジと、筒内にて往復運動可能に設けられた往復部材と、
筒の冷却ステージにて覆われた側に往復部材の往復運動
により容積が変化する膨張空間とを備えて成り、膨張空
間に圧縮された作動ガスが導入され、作動ガスを膨張さ
せて寒冷を発生させる蓄冷型冷凍機において、冷却ステ
ージの内部に、膨張空間とキャピラリを介して連通する
バッファータンクを備えたもので、冷却ステージと作動
ガスとの伝熱面積が拡大でき、且つ、冷却ステージの熱
容量が増大することができるため、冷凍能力の向上を図
ることができる蓄冷型冷凍機を提供することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】 この発明の実施の形態1による蓄冷型冷凍機
を示す図である。 【図2】 この発明の実施の形態2による蓄冷型冷凍機
を示す図である。 【図3】 この発明の実施の形態2による蓄冷型冷凍機
を示す図である。 【図4】 この発明の実施の形態2による蓄冷型冷凍機
を示す図である。 【図5】 この発明の実施の形態3による蓄冷型冷凍機
を示す図である。 【図6】 この発明の実施の形態3による蓄冷型冷凍機
を示す図である。 【図7】 この発明の実施の形態4による蓄冷型冷凍機
を示す図である。 【図8】 この発明の実施の形態4による蓄冷型冷凍機
を示す図である。 【図9】 この発明の実施の形態5による蓄冷型冷凍機
を示す図である。 【図10】 この発明の実施の形態5による蓄冷型冷凍
機を示す図である。 【図11】 この発明の実施の形態6による蓄冷型冷凍
機を示す図である。 【図12】 この発明の実施の形態6による蓄冷型冷凍
機を示す図である。 【図13】 この発明の実施の形態7による蓄冷型冷凍
機を示す図である。 【図14】 この発明の実施の形態7による蓄冷型冷凍
機を示す図である。 【図15】 この発明の実施の形態8による蓄冷型冷凍
機を示す図である。 【図16】 この発明の実施の形態9による蓄冷型冷凍
機を示す図である。 【図17】 この発明の実施の形態9による蓄冷型冷凍
機を示す図である。 【図18】 この発明の実施の形態9による蓄冷型冷凍
機を示す図である。 【図19】 この発明の実施の形態9による蓄冷型冷凍
機を示す図である。 【図20】 この発明の実施の形態9による蓄冷型冷凍
機を示す図である。 【図21】 この発明の実施の形態10による蓄冷型冷
凍機を示す図である。 【図22】 この発明の実施の形態10による蓄冷型冷
凍機を示す図である。 【図23】 この発明の実施の形態10による蓄冷型冷
凍機を示す図である。 【図24】 この発明の実施の形態10による蓄冷型冷
凍機を示す図である。 【図25】 この発明の実施の形態11による蓄冷型冷
凍機を示す図である。 【図26】 この発明の実施の形態11による蓄冷型冷
凍機を示す図である。 【図27】 従来の蓄冷型冷凍機を示す図である。 【図28】 他の従来の蓄冷型冷凍機を示す図である。 【符号の説明】 22 1段目シリンダ、23 2段目シリンダ、24
1段目ディスプレーサ、25 2段目ディスプレーサ、
25a,25b,25c,25e 第2の面、26 1
段目シール、27 2段目シール、28 1段目蓄冷
器、29 2段目蓄冷器、30 1段目冷却ステージ、
31 2段目冷却ステージ、31a,31b,31c,
31d,31e,31g 第1の面、31f 側面、3
1h 溝、32 1段目膨張空間、33 2段目膨張空
間、34 コンプレッサ、35 吸気バルブ、36 排
気バルブ、37 駆動モータ、38 1段目高温側流
路、39 1段目低温側流路、40 2段目高温側流
路、41 2段目低温側流路、42,43,44,4
5,46 伝熱面積拡大部材、47,48,51,56
流路、48a,51a,56a 一端、48b,51
b,56b 他端、49,58 シール部材、50,5
2,57 蓄冷材、53 凸状底面、54 低温側流
路、55 凹状底面、59 バッファータンク、60
キャピラリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 政志 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−306846(JP,A) 特開 平5−196313(JP,A) 特開 平8−210714(JP,A) 特開 昭62−62160(JP,A) 特開 平2−143058(JP,A) 特開 平3−1053(JP,A) 特開 平9−14777(JP,A) 特開 平2−230062(JP,A) 実開 平4−132368(JP,U) 実公 昭52−11719(JP,Y1) 実公 昭52−11720(JP,Y1) 特表 平4−506862(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 9/14 530 F25B 9/14 510 F25B 9/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 筒と、上記筒の一端を覆うように設けら
    れた冷却ステージと、上記筒内にて往復運動可能に設け
    られた往復部材と、上記筒の上記冷却ステージにて覆わ
    れた側に上記往復部材の往復運動により容積が変化する
    膨張空間とを備えて成り、上記膨張空間に圧縮された作
    動ガスが導入され、上記作動ガスを膨張させて寒冷を発
    生させる蓄冷型冷凍機において、上記冷却ステージの内
    部に、上記膨張空間とキャピラリを介して連通するバッ
    ファータンクを備えたことを特徴とする蓄冷型冷凍機。
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