JP3389715B2 - 抗菌性樹脂組成物 - Google Patents

抗菌性樹脂組成物

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JP3389715B2 JP31108694A JP31108694A JP3389715B2 JP 3389715 B2 JP3389715 B2 JP 3389715B2 JP 31108694 A JP31108694 A JP 31108694A JP 31108694 A JP31108694 A JP 31108694A JP 3389715 B2 JP3389715 B2 JP 3389715B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性の持続性および
成形品の表面外観に優れた抗菌性樹脂組成物に関する。 【従来の技術】ABS樹脂、HIPS、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂は、成
形品表面外観、成形加工性や物理的性質、機械的性質に
優れることから電気・電子分野、OA・家電分野、自動
車分野、便座・風呂場廻りなどのサニタリー分野、文
具、雑貨などの幅広い分野に使用されている。近年、こ
れらに使われている製品において細菌が発生したりして
人体に悪影響を及ぼすことが問題になっている。これら
の樹脂に抗菌性を付与する方法として、市販の抗菌防カ
ビ剤を練り込む方法がある。しかしながら抗菌性の速効
性あるいは持続性を上げるためには多量の抗菌剤を使用
する必要があり、成形品外観を悪くしてしまう。 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、少ない抗菌剤の配合
量で抗菌の持続性を発現させ、成形品表面外観に優れ、
広範囲の用途に使用し得る抗菌性樹脂組成物を提供する
ことを目的とする。 【0002】 【課題を解決するための手段】本発明は、(A)スチレ
ン系樹脂100重量部および(B)銀系抗菌剤0.01
〜5重量部を含有してなり、(A)のスチレン系樹脂が
乳化重合で得られるものであり、かつ、酸凝固で回収さ
れたものであることを特徴とする抗菌性樹脂組成物を提
供するものである。 【0003】本発明で使用されるスチレン系樹脂は、
(a)ゴム状重合体の存在下または非存在下に(b)芳
香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物とこれと共
重合可能な他の単量体からなる単量体成分を(グラフ
ト)重合して得られる(グラフト)重合体樹脂(ゴム変
性芳香族ビニル樹脂)であっても、また上記(b)の単
量体成分を重合して得られる熱可塑性樹脂と該グラフト
重合体樹脂とをブレンドして得られるブレンド系のグラ
フト共重合体樹脂であっても、さらには単に(a)ゴム
状重合体と(b)成分からなる熱可塑性樹脂とのブレン
ド物であってもよい。 (A)スチレン系樹脂は、耐衝撃性の面から好ましくは
(a)ゴム状重合体5〜70重量%および(b)芳香族
ビニル化合物または芳香族ビニル化合物とこれと共重合
可能な他の単量体からなる単量体成分95〜30重量%
〔ただし、(a)+(b)=100重量%〕の構成成分
からなるゴム強化樹脂である。ここで、本発明に使用さ
れる(a)ゴム状重合体としては、例えばポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体
(スチレン含量5〜60重量%が好ましい)、シリコン
ゴム、スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、エチレン−α−オレフィン系
共重合体、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合
体、アクリルゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共
重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、水素化ブタジエン系重合体、エチレン系アイオノマ
ーなどが挙げられる。また、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体
には、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブ
ロック型の構造を有するものなどが含まれる。さらに、
水素化ブタジエン系重合体は、上記ブロック共重合体の
水素化物のほかに、スチレンブロックとスチレン−ブタ
ジエンランダム共重合体のブロック体の水素化物、ポリ
ブタジエン中の1,2−ビニル結合含量が20重量%以
下のブロックと1,2−ビニル結合含量が20重量%を
超えるポリブタジエンブロックからなる重合体の水素化
物などが含まれる。これらの(a)ゴム状重合体は、1
種単独でまたは2種以上で使用される。スチレン系樹脂
中のゴム状重合体の含有量は、好ましくは5〜70重量
%、さらに好ましくは5〜60重量%である。また、
(b)成分を構成する単量体は、芳香族ビニル化合物ま
たは該芳香族ビニル化合物とこれと共重合可能な他の単
量体である。 【0004】この(b)成分を構成する芳香族ビニル化
合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−
p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−ア
ミノメチルスチレン、ビニルピリジン、ビニルキシレ
ン、モノクロルスチレン、ジクロロスチレン、モノブロ
モスチレン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニ
ルナフタレンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチ
ルスチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物
は、1種単独であるいは2種以上混合して用いられる。
また、(b)成分を構成する他の単量体としては、アク
リロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニ
ル化合物;メチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルア
クリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシル
アクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリ
レートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクレー
ト、エチルメタクレート、プロピルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシル
メタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレ
ート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
トなどのメタクリル酸エステル;無水マレイン酸、無水
イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水物;
アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N
−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα−ま
たはβ−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物;グリシジ
ルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエ
ポキシ化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなど
の不飽和カルボン酸アミド;アクリルアミン、メタクリ
ル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエチル、メタク
リル酸アミノフプロピル、アミノスチレンなどのアミノ
基含有不飽和化合物、3−ヒドロキシ−1−プロペン、
4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−
2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、
3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートなどの水酸基含有不飽和化合物;ビニルオキ
サゾリンなどのオキサゾリン基含有不飽和化合物などが
挙げられる。(b)成分として好ましい他の単量体は、
アクリロニトリル、メタクリル酸、メチルメタクリレー
ト、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、グリシ
ジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートなどであり、特にアクリロニトリル、メチルメタク
リレート、N−フェニルマレイミド、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレートなどが好ましい。これらのその他の
単量体は、1種単独であるいは2種以上を併用すること
ができる。本発明のスチレン系樹脂中のメチルエチルケ
トン可溶分の固有粘度(メチルエチルケトンを溶媒とし
て30℃で測定)は、0.2〜2.0dl/gが好まし
い。この固有粘度が0.2dl/g未満では耐衝撃性が
劣り、一方2.0dl/gを超えると成形加工性が劣
る。この固有粘度は、連鎖移動剤、重合時間、重合温度
などによって制御することができる。ゴム成分を含むス
チレン系樹脂のグラフト率は、通常10〜300重量%
であり、10重量%未満または300重量%を超えると
耐衝撃性が低くなる傾向にあり好ましくない。上記スチ
レン系樹脂は、乳化重合で重合された後、乳化分散して
いる重合体エマルジョンに酸を加えて凝固する酸凝固で
重合体を回収されたものが好ましい。本発明の目的を達
成する上で好ましい酸凝固剤としては、硫酸、酢酸、硝
酸、塩酸などがあるが、さらに好ましくは塩酸、酢酸あ
るいは硫酸である。特に好ましくは硫酸または酢酸であ
る。また、本発明の目的を祖害しない範囲で上記酸凝固
で回収されたスチレン系樹脂を他の重合法、例えば溶液
重合で得られたスチレン系樹脂と組み合わせて用いても
よい。 【0005】次に、本発明の(B)成分は銀系抗菌剤で
あり、有機系もしくは無機系の銀化合物、多孔性構造を
持った物質(多孔性構造体)に銀化合物および/または
銀錯塩を担持させたもの、あるいは多孔性構造体に銀イ
オンをイオン交換させたものなどが挙げられる。また本
発明の銀系抗菌剤は他の抗菌性を有する金属、金属化合
物、金属錯塩、金属イオンなどを併用したものでもよ
い。ここで使用される他の金属は、銅、亜鉛、マグネシ
ウム、水銀、スズ、鉛、ビスマス、カドミウム、クロ
ム、コバルト、ニッケル、鉄、マンガン、砒素、アンチ
モン、バリウムなどが挙げられ、好ましくは銅、亜鉛、
マグネシウムなど、さらに好ましくは銅、亜鉛であり、
特に好ましくは亜鉛である。銀化合物としては、例えば
コロイダル状の銀(コロイダル銀)、炭酸銀、塩素酸
銀、過塩素酸銀、臭素酸銀、ヨウ素酸銀、過ヨウ素酸
銀、リン酸銀、二リン酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、硫酸
銀、タングステン酸銀、バナジン酸銀、チオシアン酸
銀、アミド硫酸銀、ホウ酸銀、チオ硫酸銀、酸化銀、過
酸化銀、硫化銀、フッ化銀、塩化銀、臭化銀、ヨウ化
銀、酢酸銀、安息香酸銀、乳酸銀、ピロリン酸銀、クエ
ン酸銀、ベヘン酸銀、ジエチルカルバミン酸銀、ステア
リン酸銀、カルボン酸銀、酒石酸銀、メタスルホン酸
銀、トリフルオロ酸銀、リン酸もしくは亜リン酸のアル
キルエステル、フェニルエステルもしくはアルキルフェ
ニルエステルの銀塩、リンフッ化銀、フタロシアニン
銀、エチレンジアミンテトラ酢酸銀、プロテイン銀など
を挙げることができる。このうち好ましいものは、コロ
イダル銀、塩素酸銀、過塩素酸銀、炭酸銀、臭素酸銀、
ヨウ素酸銀、過ヨウ素酸銀、リン酸銀、二リン酸銀、硝
酸銀、硫酸銀、タングステン酸銀、バナジン酸銀、クエ
ン酸銀、チオシアン酸銀、カルボン酸銀、アミド硫酸
銀、チオ硫酸銀、塩化銀、酸化銀、過酸化銀である。ま
た、特に好ましいものは、コロイダル銀、酸化銀、リン
酸銀、炭酸銀、ヨウ素酸銀、ピロリン酸銀、クエン酸
銀、タングステン酸銀、塩化銀である。 【0006】銅化合物としては、例えば硝酸銅(I
I)、硫酸銅、過塩素酸銅、酢酸銅、テトラシアノ銅酸
カリウム、塩化銅などが挙げられる。亜鉛化合物として
は、硝酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛、過塩素酸亜鉛、チオ
シアン酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛などが挙
げられる。これらの金属化合物は、1種または2種以上
で使用される。このコロイダル銀は、通常、銀成分が
0.02〜1重量%、粒径が50mμ以下、pH7.0
±1.0であり、好ましくは銀成分が0.05〜0.2
重量%、粒径が10mμ以下のものである。なお、銀の
抗菌力は、微粒子になるほど大きくなる傾向が見られ
る。また、カルボン酸の塩としては、以下のカルボン酸
の塩が挙げられる。 炭素数1〜30、好ましくは2〜22の脂肪族飽和モ
ノカルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ドコサン酸、炭素数2〜34、好ましくは2
〜8の脂肪族飽和ジカルボン酸、例えばシュウ酸、コハ
ク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、炭素数
1〜34、好ましくは2〜22の脂肪族不飽和カルボン
酸、例えばオレイン酸、エルカ酸、マレイン酸、フマル
酸、炭素環式カルボン酸、例えば安息香酸、フタル
酸、ケイ皮酸、ヘキサヒドロ安息香酸、アビエチン酸、
水添アビエチン酸、ヒドロカルボン酸、例えば乳酸、
リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、アミノカ
ルボン酸、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸。本発
明において、好ましいカルボン酸の塩は銀塩であり、例
えば脂肪族飽和モノカルボン酸の銀塩、特にラウリン
酸銀、ステアリン酸銀、脂肪族不飽和カルボン酸の銀
塩、特にオレイン酸銀、および炭素環式カルボン酸の
銀塩、特に安息香酸銀、水添アビエチン酸銀である。さ
らに、リン酸または亜リン酸のアルキルエステル、フェ
ニルエステルもしくはアルキルフェニルエステルの塩と
しては、銀塩を例に挙げれば、以下のものが挙げられ
る。 リン酸モノアルキル(炭素数1〜22)のエステルの
一銀塩または二銀塩、亜リン酸モノアルキル(炭素数
1〜22)のエステルの一銀塩または二銀塩、リン酸
ジアルキル(炭素数1〜22)のエステルの一銀塩、
リン酸モノフェニルエステルの一銀塩または二銀塩、
亜リン酸モノフェニルエステルの一銀塩または二銀塩、
リン酸ジフェニルエステルの一銀塩、リン酸モノ
〔アルキル(炭素数1〜22)フェニル〕エステルの一
銀塩または二銀塩、亜リン酸モノ〔アルキル(炭素数
1〜22)フェニル〕エステルの一銀塩または二銀塩、
リン酸ジ〔アルキル(炭素数1〜22)フェニル〕エ
ステルの一銀塩。この中で、好ましい銀塩は、リン酸
モノアルキルエステルの一銀塩または二銀塩、特にアル
キル基の炭素数が6〜22のもの、さらに好ましくはリ
ン酸ステアリルの二銀塩、リン酸ジアルキルエステル
の一銀塩、特にアルキル基の炭素数が6〜22のもの、
さらに好ましくはリン酸ジオクテルの一銀塩、および
リン酸ジ(アルキルフェニル)エステルの一銀塩、特に
アルキル基の炭素数が4〜22のもの、さらに好ましく
はリン酸ジ(4−t−ブチルフェニル)の一銀塩やリン
酸ジ(ノニルフェニル)の一銀塩である。さらに、多孔
性構造体としては、シリカゲル、活性炭、ゼオライト、
リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、ハイドロタル
サイト、ハイドロキシアパタイト、カルシウム系セラミ
ックスなどがあり、上記金属と上記金属化合物を含有さ
せたもの、溶解性ガラスに酸化銀などを含有させたもの
(特開平4−178433号公報)などもある。これら
の分子量の粒子径は、50μm以下が好ましく、さらに
好ましくは0.1〜10μmである。このうち、ゼオラ
イトは、天然品、合成品のいずれも使用可能である。 【0007】カルシウム系セラミックスは、リン酸カル
シウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ハイドロ
キシアパタイトなどが挙げられるが、特にハイドロキシ
アパタイトが好ましい。ハイドロキシアパタイトは、C
10(PO4 6 (OH)2という組成を有し、骨、歯
の主成分で蛋白、脂質をよく吸着し、生体成分との親和
性も良好で、イオン交換能を有することが認められてい
る。しかしながら、上記にようにCa/P(モル比)=
10/6のハイドロキシアパタイトのカルシウム塩およ
びリン酸塩よりの合成は困難であり経済的でない。一方
Ca/P(モル比)=1.4〜1.8を有するヒイドロ
キシアパタイト類似物をカルシウム塩およびリン酸塩か
ら合成することは容易であり、これらの類似物もハイド
ロキシアパタイトと同様に本発明に使用することが可能
である。上記多孔性構造体にイオン交換または担持され
る抗菌性を発現させる金属の量は、特に限定しないが5
0重量%以下、好ましくは0.001〜30重量%、さ
らに好ましくは0.001〜10重量%である。最も好
ましい抗菌剤はゼオライトに銀または銀/亜鉛をイオン
交換したものである。(B)抗菌剤としては、有機系の
ものを併用してもよく、例えばベンゾイミダゾート系化
合物、有機ヨード系化合物、エーテル系化合物、ハロア
ルキル系化合物、ニトリル系化合物、スルホン系化合物
などが挙げられる。(B)抗菌剤の使用量は、(A)成
分100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましく
は0.05〜3重量部、さらに好ましくは0.05〜
1.5重量部である。その使用量が0.01重量部未満
では抗菌性が劣り、5重量部を超えると成形品表面外観
が劣る。 【0008】本発明の目的である抗菌性の持続性を向上
させる上で、(A)成分は乳化重合法を経た後、酸で凝
固回収されたものが好ましい。凝固剤に塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウムなどの金属塩化合物を用いた凝固
法で回収されたものは、抗菌性の持続性が劣る。なお、
本発明の抗菌性樹脂組成物には、ガラス繊維、炭素繊
維、金属繊維、ガラスビーズ、ワラストナイト、ロック
フィラー、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ガラスフ
レーリ、カオリン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブ
デン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛ウィスカー、チタン
酸カリウムウィスカーなどの充填材を1種単独で、ある
いは併用することができる。これらの充填材のうち、ガ
ラス繊維、炭素繊維の形状としては、6〜60μmの繊
維系と30μm以上の繊維長を有するものが好ましい。
これらの充填材は、本発明の組成物100重量部に対し
て、通常5〜150重量部の範囲で用いられる。また本
発明の組成物には、公知の各種添加剤を添加してもよ
い。例えば、カップリング剤、難燃剤、酸化防止剤、可
塑剤、着色剤、帯電防止剤、シリコンオイルなどがあ
る。また、本発明の組成物には、要求される性能に応じ
て他の熱可塑性樹脂を本発明の組成物100重量部に対
して、好ましくは1〜200重量部の範囲で配合するこ
とができる。具体的に他の熱可塑性樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリアミド系エラストマ
ー、ポリエステル系エラストマー、ポリエチレングリコ
ール、ポリエチレンオキシド、ポリアミド樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリフェニレン
エーテル、ポリアセタール、塩化ビニル、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、PPS、EV
A、EEA、EVOHなどがあり1種または2種以上で
使用することができる。特に帯電防止剤の中で、アニオ
ン系、ノニオン系のものを添加すると抗菌性が向上する
ため好ましい。本発明の抗菌性樹脂組成物は、各種押出
機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどを用
い、各成分を混練りすることによって得られる。好まし
い製造方法は、二軸押出機を用いる方法である。また、
各成分混練りするに際して、各成分を一括して混練りし
てもよく、多段添加方式で混練りしてもよい。 【0009】このようにして得られる本発明の抗菌性樹
脂組成物は、射出成形、シート押し出し、真空成形、異
形成形、発泡成形、インジェクションプレス、プレス成
形、ブロー成形などによって各種成形品に成形すること
ができる。射出成形により得る場合、射出速度を高くし
た方が抗菌性はよい方向にある。上記成形法によって得
られる各種成形品は、その優れた性質を利用して、便
座、加湿器、浄水器、エアコン、雑貨、文具、他の各種
家電製品、電話器などの各パーツ、ハウジングなどに使
用することができる。 【0010】 【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および%は、特に断わ
らない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価
は、次のようにして測定した値である。抗菌性 肉厚1.6mm×50mm×50mmの平板成形品を、
70℃に保持されたギヤオーブン中で表2、表3に示し
た時間保持したものを検体とした。検体にMRSA(メ
シチリン耐性ブドウ球菌)の菌液(1ml当りの菌数が
約106 )を0.2ml接種し、ポリエチレンフィルム
を密着させたのち、35℃で保存し、保存開始時および
24時間後にSCDLP寒天培地〔日本製薬(株)製〕
で生菌を洗い出した。この洗い出し液については、菌数
測定用培地を用いた寒天平板培養法(35℃、2日間)
により生菌数を測定し、検体1枚当りの生菌数に換算し
た。なお、実施例、比較例で試験した初期菌数は、3×
105 であった。また、表2、表3に示した抗菌性の評
価結果は以下の記号を用いて表わした。 ◎:5×102 未満 △:5×104 未満5×102 以上 ×:5×104 以上成形品表面外観 肉厚1.0mm×150mm×150mmの平板を2点
のピンポイントゲートで成形し、ウエルド部およびウエ
ルド以外の面の外観を下記の評価基準で目視評価した。 ○:外観良好 ×:外観が劣る。 参考例 (A)−1〜(A)−3 ポリブタジエンラテックス JSR#0700を40部
(固形分58%)、水250部、ロジン酸カリウム5部
の混合液に、ピロリン酸ソーダ0.2部、テキストロー
ズ0.2部、硫酸第1鉄0.004部、クメンヒドロペ
ルオキシド0.4部を加える。これに表1に示した各単
量体(合計60部)と、t−ドデシルメルカプタン0.
3部の混合物を反応機器へ窒素気流下で撹拌して滴下し
た。滴下時間は4時間で重合温度は60℃であった。重
合はほぼ完結した。この結果、得られた樹脂ラテックス
を表1に示した凝固剤を用いて凝固し、脱水乾燥したも
のを評価に用いた。 (A)−4〜(A)−7 水250部、ロジン酸カリウム5部の混合液に、ピロリ
ン酸ソーダ0.2部、デキストローズ0.2部、硫酸第
1鉄0.004部、クメンヒドロペルオキシド0.4部
を加える。これに表1に示した各単量体(合計100
部)とt−ドデシルメルカプタン0.4部の混合物を反
応機器へ窒素気流下で撹拌して滴下した。滴下時間は3
時間で重合温度は60℃あった。滴下終了後、ピロリン
酸ソーダ0.04部、デキストローズ0.04部、硫酸
第1鉄0.001部、クメンヒドロペルオキシド0.0
8部を加え、1時間重合温度を70℃に保持した。重合
はほぼ完結した。この結果、得られた樹脂ラテックスを
表1に示した凝固剤を用いて凝固し、脱水乾燥したもの
を評価に用いた。 (A)−8 表1に示した各単量体組成比のポリマーを、トルエンを
溶媒として溶液重合を行ない、凝固剤を使用しないで回
収した。 【0011】実施例1〜4 表2に示した配合組成でブレンドしたパウダーをペレッ
ト化して射出成形に供した。評価結果を表2に示した。
表2より、本発明の樹脂組成物は抗菌性の持続性に優れ
ていることが判る。 比較例1〜6 表3に示した配合組成でブレンドしたパウダーをペレッ
ト化して射出成形に供した。評価結果を表3に示した。
表2と表3の比較より、CaCl2 またはMgCl2
凝固したものをブレンドすると、H2 SO4 で凝固回収
したものだけをブレンドしたものに比べ、抗菌性の持続
性に劣っていることが判る。なお、抗菌剤には、シナネ
ンゼオミックス社製、ゼオミックXAW10D(銀イオ
ン交換タイプ)を用いた。 比較例の説明 比較例1は、共重合体(A)−7がCaCl2 による塩
凝固品であるため、抗菌性の寿命が短い。比較例2は、
抗菌剤の添加量が少量であるため、抗菌性が発現されて
いない。比較例3は、共重合体(A)−2および(A)
−7が共にCaCl2 による塩凝固品であるため、抗菌
性の寿命が比較例1よりも短い。比較例4は、共重合体
(A)−3がMgCl2 による塩凝固品であるため、抗
菌性の寿命が短い。比較例5は、共重合体(A)−2お
よび(A)−7が共にCaCl2 による塩凝固品である
ものの、抗菌剤の添加量が多量であるため抗菌の寿命性
は良好。しかし表面外観が低下している。 【0012】 【発明の効果】本発明の抗菌性樹脂組成物は、抗菌性の
寿命性および成形品表面外観に優れ、広範囲の用途、例
えば加湿器、浄水器、エアコン、便座、文具、雑貨、他
の各種家電製品、電話器などの各パーツ、ハウジングな
どに有用である。 【表1】【表2】 【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 久男 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−143740(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/04,55/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)ゴム質重合体の存在下または非存
    在下に、芳香族ビニル化合物、または芳香族ビニル化合
    物および芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル
    単量体を乳化重合してなるスチレン系樹脂100重量部
    および(B)銀系抗菌剤0.01〜5重量部を含有して
    なり、(A)が酸凝固で回収されたものであることを特
    徴とする抗菌性樹脂組成物。
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