JP3389444B2 - 熱延鋼板の巻取時の冷却方法 - Google Patents

熱延鋼板の巻取時の冷却方法

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JP3389444B2 JP06768597A JP6768597A JP3389444B2 JP 3389444 B2 JP3389444 B2 JP 3389444B2 JP 06768597 A JP06768597 A JP 06768597A JP 6768597 A JP6768597 A JP 6768597A JP 3389444 B2 JP3389444 B2 JP 3389444B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続熱間仕上げ圧
延して得られた厚みが3mm以下の熱延鋼板を巻取機で巻
き取る際に、熱延鋼板を巻取温度まで冷却する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、鉄鋼の分野では図11に示すよ
うに、連続熱間圧延設備の仕上圧延機aで仕上げ圧延さ
れた熱延鋼板sは、巻取機cで巻き取られコイルscと
して成品化される。仕上げ圧延直後の熱延鋼板sは70
0〜1000℃と高温であり、品質を安定確保するため
には鋼板の全長にわたって所定の冷却速度で冷却して均
一な温度にして巻き取る必要がある。
【0003】すなわち、鋼板成品の機械特性は常温に冷
却されるまでの冷却履歴によって決定される。したがっ
て、高温(700〜1000℃)の仕上げ圧延直後の鋼
板sを、巻取機cで巻き取るまでに、所定の冷却速度を
守りながら、巻取温度(通常400〜700℃)まで、
鋼板全長にわたって均一に冷却しなければならない。そ
のため、熱間仕上げ圧延機と巻取機間のランアウトテー
ブルpの上下に冷却装置ca、cbを配設し、通板中の
熱延鋼板sに対して、上下から冷却水wを注水し、その
注水量および注水領域を適切に制御することが行なわれ
ている。
【0004】この冷却に際しては、図12に示すような
U反りuの発生による熱延鋼板への水のりwoを防止す
ることが重要である。水のりが発生した場合には、水の
りwo部が過剰に冷却されて冷却が不均一になったり、
冷却制御に使用される放射温度計や位置検出器の視野を
遮ってこれらの検出精度を低下させ、制御精度の低下を
生じることがある。この水のり現象は、熱延鋼板上面へ
の注水量が多いほど、水のりの発生が多いことが知られ
ている。
【0005】これは、上面への注水量が多いと上部が下
部より冷えて縮むこと、および注水量の増加に伴って残
り水も増加し、これが図12に示すようなU反りuに溜
まることが原因である。その結果、例えば図15に示す
ように、後半の冷却領域の中盤から後半にかけて巻取温
度のハンチング現象が生じ、均一冷却ができない場合が
ある。
【0006】一方、固定されていない熱延鋼板sの先端
の通板性の確保も重要である。図13に示すような熱延
鋼板s先端の浮き上がりや跳ねupによって通板方向で
局部的な浮き上りusがあった場合には、通板性が損な
われ巻取り不良が発生しやすい。巻取り不良が発生する
と、それにともなって、キズや巻取温度外れによる品質
不良や、巻取不能になった鋼板の処理による生産ライン
の停止、さらには設備の破壊が発生する場合がある。
【0007】また、搬送方向で局部的に浮き上った場合
にも、この浮き上がり部usの前後に水溜まりwpがで
き、局部的な過冷却を生じて冷却が不均一になり巻取温
度が不均一になる場合がある。特に、厚さが3mm以下の
熱延鋼板の場合において、こうした先端の浮き上がりや
跳ね、および局部的な浮き上がりが発生しやすい。
【0008】このような冷却の不均一の原因となる水の
りwoの発生を防止するための方法として、例えば特公
昭63−1337号公報に記載される発明がある。この
発明では、熱間圧延した高温鋼板(厚板)を上下から冷
却した場合に、上下とも同じ水量を注水した場合には鋼
板が冷却により反り変形が生じるとの認識から、上下水
量比(下部水量/上部水量)を水量密度の増大に伴って
小さくなるように、例えば上下水量比を1.4〜2.6
程度に設定、つまり鋼板の全長に亘って上下から冷却す
ることを前提として、下部からの水量を上部からの水量
より多くすることにより、上下からの冷却に起因する鋼
板の反り変形を防止できるとしている。
【0009】しかし、この発明のように下部からの水量
を多くした場合には、図14に示すように、鋼板sの先
端部からのすくい水wsが多くなり、巻取温度を均一に
することができない。また、下部注水量を多くしている
ため、この下部注水による局部的な浮き上がり現象があ
り安定した通板性を得ることは難しい。そのため、結晶
組織に不均一を生じて鋼板特性が低下するとともにラン
アウトテーブルの通板不良や巻取不良が発生する場合が
ある。
【0010】また、特公昭8−2460号公報には、熱
間圧延後の鋼板を、搬送ローラーの上下または下部に配
設した冷却ヘッダー間に水切り絞りロールを備えてお
り、この冷却ヘッダーで冷却する際に、鋼板の先端位置
が下部冷却ヘッダーを通過した後に下部冷却ヘッダーか
らの冷却水の通水を開始するよことによって、鋼板の先
端が下部冷却水をすくい上げて過冷却されることを防止
することが開示されている。
【0011】この発明では鋼板の先端が冷却ヘッダーを
通過直後に下部からの冷却を開始するが、上部からの冷
却をしない場合には、すくい水による過冷却の心配は解
消されるが、下部からのみの注水では冷却が制限され、
冷却が不十分であり、かつ鋼板の不均一な浮き上がりが
あって、冷却が不均一になるとともに、鋼板の先端のば
たつきが顕著であり通板性が低下する。
【0012】また、まず上部注水を開始して鋼板を上部
から冷却し、冷却ヘッダーを通過した直後に下部注水を
開始して上部注水と下部注水を行う場合においては、下
部冷却されていない鋼板の先端部が固定されていること
を条件としていないため、通板性が安定せず、厚さ3mm
以下の鋼板では水切り絞りロールでの噛み込みが困難で
あり、下部冷却されない鋼板の先端部に後続する冷却部
の冷却が不均一になる場合があり、冷却後に均一な温度
で巻取ることを前提とする場合には、解決すべき問題が
ある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、連続熱間仕
上げ圧延して得られた、温度700〜1000℃で厚み
が3mm以下の熱延鋼板に対して、熱間仕上げ圧延機と巻
取機間のランアウトテーブルの上下に配設した冷却装置
により温度700〜400℃まで冷却してから巻取機で
巻き取る際に、冷却されて巻取機に搬送されるに熱延鋼
板の先端部の浮き上がりやU反り等を軽微にし、水の
り、すくい水による過冷却を防止することによって、巻
取温度を均一にするとともに、通板性を向上させ巻取機
での巻取りを円滑にし、形状および材料特性に優れたコ
イルを得ることができる、熱延鋼板の巻取時の冷却方法
を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の発明は、
連続熱間仕上圧延後の厚みが3mm以下で温度が700〜
1000℃の熱延鋼板に対して、仕上げ圧延機と巻取機
間の通板ラインの上下に配設した冷却装置から冷却水を
注水し、該熱延鋼板を温度700〜400℃まで冷却し
てから巻取機に巻き取るようにした、熱延鋼板の巻取時
の冷却方法において、熱延鋼板の先端が巻取機に固定さ
れるまでは通板速度を低速度にして上部からのみ冷却水
を注水し、固定後は通板速度を最高速度まで加速すると
ともに、下部からも冷却水を注水することを特徴とする
熱延鋼板の巻取時の冷却方法。第二の発明は、第一の発
明において、熱延鋼板の先端を巻取機で固定してから上
部と下部から冷却する際、下部からの冷却域を上部から
の冷却域の後部側に上下で重なるように配置して、この
重なり冷却域では下部からの注水量を上部からの冷却よ
り多くすることを特徴とする熱延鋼板の巻取時の冷却方
法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、連続熱間仕上圧延後の
厚みが3mm以下で温度が700〜1000℃の冷却水の
噴出で形状や位置を変え易い熱延鋼板を冷却対象とし
て、仕上げ圧延機と巻取機間の通板ラインの上下に配設
した冷却装置から注水して、700〜400℃の温度ま
で冷却してから巻取機で巻き取る際に適用される冷却方
法であり、熱延鋼板の先端が巻取機に固定されるまで通
板速度を低速度にして上部からのみ冷却水を注水し、固
定された後は通板速度を最高速度まで加速するととも
に、下部からも冷却水を注水しることを特徴とするもの
である。
【0016】ただし、熱延鋼板の先端が巻取機で固定さ
れるまでの低速度領域でも、下部から、すくい水、水の
り、浮き上がり等の現象を生じない程度に冷却水また気
水混合体を噴射(注水)して補助的な軽度の冷却を行う
ようにしてもよい。本発明では、下部からの注水は熱延
鋼板の先端が巻取機によって固定されて、張力が作用し
ている状態になってから行うことによって、浮き上がり
を防止して通板性を確保しており、熱延鋼板の先端部で
のすくい水による過冷却の問題もない。
【0017】また、この場合、熱延鋼板の先端部分が固
定されていない状態での通板速度は、先端部が固定され
ている状態の通板速度より遅いため、上部からの比較的
少量の注水による冷却のみでも所定の温度に冷却するこ
とができ、熱延鋼板下部から注水しなくても水のりは発
生しにくい。
【0018】図2は、1本の厚みが2〜3mmの熱延鋼板
の通板速度パターン例を示したものである。この例で
は、熱延鋼板の先端が仕上圧延機に到達して仕上げ圧延
巻取機に到達するまでの通板速度(1)は500mpm と
低速度で、コイル先端が巻取機に固定されてから115
0mpm の最高速度(2)まで加速するようにしている
が、この通板速度パターンは、本発明とは直接関係ない
ところで決定される。
【0019】すなわち、熱延鋼板の先端を巻取機で固定
する前の通板速度は、熱延鋼板の剛性との関係から通板
性の限界、例えば先端が折れて通板ロールや冷却装置等
に衝突しない条件等を考慮して決定される。また、熱延
鋼板の先端部を巻取機に固定した後の通板最高速度は、
冷却装置の冷却能力、圧延機の圧下能力から決定され
る。
【0020】本発明では、このような理由で決定された
通板速度パターンにおいて、熱延鋼板下部からも注水し
て、U反り、水のりを防ぐように予め設定された適切な
冷却条件(冷却ブロックの選択、上下からの注水量、通
板速度等)での冷却制御を行うことにより、通板性を確
保することができ、熱延鋼板の先端を巻取機に固定する
前の通板速度をより早くすることも可能である。
【0021】通板速度を最高速度まで加速した状態で
は、熱延鋼板を所定の温度に冷却するのに必要な注水量
を増加させても、水のりは発生せず、注水量も制限する
必要がないため最大冷却量を容易に確保することが可能
である。熱延鋼板の先端部が巻取機に固定されてから、
通板速度を最高速度まで加速し、熱延鋼板下部からも注
水して上下から冷却する場合、板上にのった水が巻取温
度計の視野を遮ることによる温度計指示のハンチングを
防止するためには、下部の冷却域を上部からの冷却域の
後部側に上下で重なるように配置し、この重なり領域で
は上部からの注水量を可能な限り少なくするとともに、
上部注水領域の終端を可能な限り巻取温度計から遠くす
ることが有効である。
【0022】本発明では、熱延鋼板の先端が巻取機に固
定されたことを検知して、下部からの注水のタイミング
や通板速度を低速度から最高速度まで加速することにな
るが、熱延鋼板の先端が巻取機で固定されたことは、巻
取機側に設置した圧力センサーや位置センサーによって
検知できるし、通板速度やすべり等を考慮して鋼板の先
端が定点を通過してからの経過時間で推定する方法等に
よっても検知することができる。鋼板先端の定点通過
は、位置センサーや温度計の立上がりにより検知でき
る。
【0023】以下に本発明の実施例を図1に示す実施設
備例とともに具体的に説明する。この実施例は、本発明
を一般炭素鋼コイルを得るための連続熱間圧延設備にお
いて、仕上圧延機と巻取機間のランアウトテーブルの上
下に冷却装置を配設し、仕上圧延機からの熱延鋼板を冷
却装置で冷却して巻取機で巻取る場合に適用した場合の
ものである。
【0024】図1において、1は連続熱間圧延機の仕上
圧延機で、ここで圧延された熱延鋼板2は、その後段の
ランアウトテーブル3の上部に配設された多数の上部冷
却ヘッダー管4a、下部ヘッダー管4bからなる冷却装
置5を通過するとき、ここで冷却装置5から噴出される
冷却水6により巻取温度まで冷却されて、ガイド7を経
て巻取機8で巻き取られ、コイル2cとなる。
【0025】冷却装置5を形成する上部冷却ヘッダー管
4aと下部冷却ヘッダー管4bへの冷却水6の供給管9
には0N/OFF制御弁10が配設されており、各冷却
ヘッダー管の単位で冷却するか否かを制御し、冷却範囲
を制御するようになっており、設定された通板速度(仕
上げ圧延機回転数、巻取機回転数、圧延条件により決
定)と、仕上げ出側温度、巻取温度の実測値に基づき、
製造指示の冷却速度と巻取温度を満たすように冷却制御
を行う。
【0026】11は仕上圧延機の出側に配置した仕上出
側温度計(FT)、12は巻取機入側に配置した巻取温
度計(CT)であり、その立上がりで鋼板2の先端の通
過を検出することができ、冷却装置5からの冷却水の注
水開始のタイミングを決めることができる。
【0027】13は演算制御装置で、設定された通板速
度(仕上げ圧延機回転数、巻取機回転数、圧延条件によ
り決定)と、仕上出側温度計11による仕上圧延機の出
側温度、巻取温度計12による巻取温度の実測値に基づ
き、製造指示の冷却速度と巻取温度を満たすように、上
部冷却ヘッダー管4aと下部冷却ヘッダー管4bへの冷
却水のON/OFF制御弁10を制御するようにしてい
る。なお、図中、14は仕上通板速度計、15は巻取周
速度計である。
【0028】本発明では、上記のように構成して、仕上
圧延機1からの熱延鋼板2の先端を仕上出側温度計11
で検出し、冷却装置5の上部からの冷却水の噴出を開始
して熱延鋼板2を上面から冷却し、熱延鋼板2の先端部
が巻取機8で固定されたことを巻取温度計12からの検
出情報(立上がり情報)および仕上通板速度計14で検
知したとき、冷却装置5から巻取機までの通板速度と巻
取機8での巻取速度を最高速度域(定常速度)まで加速
すると同時に、冷却装置5の下部からも冷却水の噴出を
開始し、熱延鋼板2の下面からの冷却を併用して熱延鋼
板2を上下から冷却する。この上下からの冷却過程で
は、U反り、水のりを防ぐように演算制御装置13予め
設定された適切な冷却条件(冷却ヘッダー管の選択、上
下からの注水量、通板速度等の条件)での冷却制御が行
われる。
【0029】本発明を実施する場合は、前記図2で例記
したように、熱延鋼板2の先端が仕上圧延機1に到達し
仕上圧延して巻取機8に到達するまでは低速度にし、こ
の低速度域では上部からのみ冷却する。そして、熱延鋼
板2の先端が巻取機8に固定されてからは最高速度まで
加速し、この加速域では上部と下部からの冷却を併用す
る。この場合、U反り、水のりを防ぐためには、上部と
下部の重なり域での注水量は、下部からの注水量の方を
多くし、その注水域を上部からの注水域より巻取機8側
に近いところで終わらせることがより効果的である。
【0030】このようにして、本発明の熱延鋼板の巻取
時の冷却方法を実施して、熱間仕上圧延機からの熱延鋼
板を、先端部の浮き上がりやU反り等を軽微にして通板
性を確保しながら、所定の冷却速度で所定の巻取温度ま
で均一冷却し、巻取機での巻取りを円滑にし、形状およ
び材料特性に優れたコイルを得ることができる。
【0031】なお、本発明は上記の例に限定されるもの
ではなく、本発明を構成するために必要な各設備要素の
構造、機構、配置数、寸法、形状、冷却、巻取条件等に
ついては、冷却対象と熱間仕上圧延条件等に応じて、本
発明の請求項1及び請求項2の構成を満足する範囲で変
更がなされるものである。
【0032】本発明で冷却対象とする熱延鋼板は、普通
鋼、ステンレス鋼、電磁鋼、その他の特殊鋼等の厚みが
3mm以下で温度が700〜1000℃の熱延鋼板であ
り、700〜400℃の巻取温度まで冷却して、巻取機
で巻き取ってコイル化されるものである。
【0033】
【実施例】図1に示すような連続熱間圧延設備例におい
て、本発明を適用し、仕上圧延機からの厚みが2.3mm
で温度(仕上げ圧延機出側温度)が890℃の熱延鋼板
を、上下に配設した冷却装置による冷却条件(冷却範
囲、注水量)を制御して630℃(目標温度)に冷却し
てから巻取機で巻き取って鋼熱延鋼板コイルを製造し
た。その実施条件と実施結果を、比較例の場合とともに
図3〜10、表1に示した。
【0034】(実施条件) 対象熱延鋼板 材質:普通鋼(規格SPHC)、厚み:2.3mm、幅:
1300mm、長さ:1500mm 冷却条件 仕上出側温度:890℃、巻取温度:630℃、冷却速
度40℃/sec 、注水開始位置:仕上げ出側から50m 通板速度 先端固定前:700m/min 、最高速度:1050m/min
【0035】
【表1】
【0036】表1に示すように、 (1)図3に示すように低速度域では上部からのみ冷却
し、高速度への加速域で図4に示すように上部冷却域の
後半部に重なるように下部冷却域を配置し、熱延鋼板の
先端部を巻取機で固定するまでは上部冷却域でのみ冷却
し、固定した後は上部注水量を減少させ、下部冷却域の
注水量を上部冷却域の後半部の注水量より多くした、本
発明の実施例1では、鋼板の先端部の浮き上がりやU反
り等を軽微にし、水のり、すくい水による過冷却の発生
がなく、図5に示すように熱延鋼板の全長にわたって均
一冷却することができ、巻取温度を均一にすることがで
きた。そして、通板形状が安定し、通板性が良好で巻取
機での巻取りを円滑にし、形状および材料特性に優れた
コイルを得ることができた。
【0037】(2)図3に示すように低速度域では上部
からのみ冷却し、高速度への加速域で図6に示すように
上部冷却域の後半部に重なるように下部冷却域を配置
し、熱延鋼板の先端部を巻取機で固定するまでは上部冷
却域でのみ冷却し、固定した後は上部注水量を減少さ
せ、下部冷却域の注水量を上部冷却域の後半部の注水量
より少なくした、実施例2では、実施例1に比較して、
鋼板の先端部の浮き上がりやU反り等は遜色はなかった
が、図7に示すように上部冷却水の残り水による水のり
現象があり、軽微な巻取温度のハンチング現象が認めら
れた。しかし、通板形状は安定しており、巻取機での巻
取りを円滑にし、形状および材料特性に優れたコイルを
得ることができた。
【0038】(3)図3に示すように低速度域では上部
からのみ冷却し、高速度への加速域でも図8に示すよう
に上部からのみ注水を行った比較例1では、熱延鋼板の
先端部の浮き上がりは発生しなかったが、図9に示すよ
うに注水量が最大となる通板速度最高時点で、U反りに
よる水のりが発生し、巻取温度のハンチングが認められ
た。
【0039】(4)また、図10に示すように低速度域
で上部と下部から注水を行った比較例2では、先端部の
浮き上がりとすくい水により通板性を確保できず、通常
の初期通板速度(700m/min )を継続できなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明においては、熱間仕上げ圧延機か
らの鋼板を冷却する際に、鋼板の先端部の浮き上がりや
U反り等を軽微にし、水のり、すくい水による過冷却を
防止することによって、搬送形状を安定させ通板性を確
保して巻取機での巻取りを円滑にし、形状および材料特
性に優れたコイルを得ることができる。この場合、鋼板
の先端が巻取機で固定されるまでは通板速度を低速にし
て少ない注水量で冷却でき、水のり、すくい水の発生の
防止が容易であり、巻取機で固定後は通板速度を最高速
度まで加速して上下から冷却することにより、注水量を
増加しても、水のりは発生しにくいので、注水量も制限
する必要がないため、最大冷却量を確保して十分な冷却
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する鋼板の連続熱間圧延設備の配
置例を示す側面概要説明図。
【図2】本発明を実施する場合の熱延鋼板の通板速度パ
ターン例を示す説明図。
【図3】本発明の実施例および比較例における熱延鋼板
に対する低速度域での上部と下部の冷却配置を示す説明
図。
【図4】本発明の実施例1における熱延鋼板に対する最
高速度域での上部と下部の冷却配置を示す説明図。
【図5】本発明の実施例1における熱延鋼板の巻取温度
分布を示す説明図。
【図6】本発明の実施例2における熱延鋼板に対する最
高速度域での上部と下部の冷却配置を示す説明図。
【図7】本発明の実施例2における熱延鋼板の巻取温度
分布を示す説明図。
【図8】比較例1における熱延鋼板に対する最高速度域
での上部と下部の冷却配置を示す説明図。
【図9】本発明の実施例2における熱延鋼板の巻取温度
分布を示す説明図。
【図10】比較例2における熱延鋼板に対する低速度域
での上部と下部の冷却配置を示す説明図。
【図11】従来の一般的な鋼板の連続熱間圧延設備の配
置例を示す側面説明図。
【図12】鋼板冷却設備において発生しやすいU反りと
水のり現象を示す立体説明図。
【図13】鋼板冷却設備において発生しやすい浮き上が
り現象を示す立体概要説明図。
【図14】鋼板冷却設備において下部冷却の際に発生し
やすいすくい水現象を示す立体概要説明図。
【図15】従来の鋼板の連続熱間圧延設備による熱延鋼
板の巻取温度分布例を示す説明図。
【符号の説明】
1 仕上圧延機 2 熱延鋼板 2c コイル 3 ランアウトテーブル 3r 通板ロール 4a 上部冷却ヘッダー 4b 下部冷却ヘッダー 5 冷却装置 6 冷却水 7 ガイド 8 巻取機 9 供給管 10 ON/OFF制御弁 11 (FT)仕上出側温度計 12 (CT)巻取温度計 13 演算制御装置 14 仕上通板速度計 15 巻取周速度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−328117(JP,A) 特開 平5−337534(JP,A) 特開 平6−179008(JP,A) 特開 平7−100530(JP,A) 実開 昭55−111607(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 45/00 - 49/00 B21B 37/00 - 37/14 B21B 45/02 320

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続熱間仕上圧延後の厚みが3mm以下で
    温度が700〜1000℃の熱延鋼板に対して、仕上圧
    延機と巻取機間の通板ラインの上下に配設した冷却装置
    から冷却水を注水し、該熱延鋼板を温度700〜400
    ℃まで冷却してから巻取機に巻き取るようにした、熱延
    鋼板の巻取時の冷却方法において、熱延鋼板の先端が巻
    取機に固定されるまでは通板速度を低速度にして上部か
    らのみ冷却水を注水し、巻取機に固定された後は通板速
    度を最高速度まで加速するとともに、下部からも冷却水
    を注水することを特徴とする熱延鋼板の巻取時の冷却方
    法。
  2. 【請求項2】 熱延鋼板の先端を巻取機で固定してから
    上部と下部から冷却する際、下部からの冷却域を上部か
    らの冷却域の後部側に上下で重なるように配置して、こ
    の重なり冷却域では下部からの注水量を上部からの注水
    量より多くすることを特徴とする請求項1記載の熱延鋼
    板の巻取時の冷却方法。
JP06768597A 1997-03-21 1997-03-21 熱延鋼板の巻取時の冷却方法 Expired - Fee Related JP3389444B2 (ja)

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