JP3388471B2 - 手持ち器具及び施錠解錠システム - Google Patents

手持ち器具及び施錠解錠システム

Info

Publication number
JP3388471B2
JP3388471B2 JP21887099A JP21887099A JP3388471B2 JP 3388471 B2 JP3388471 B2 JP 3388471B2 JP 21887099 A JP21887099 A JP 21887099A JP 21887099 A JP21887099 A JP 21887099A JP 3388471 B2 JP3388471 B2 JP 3388471B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical medium
optical
signal
locking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21887099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001040922A (ja
Inventor
智 玉置
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LAB Sphere Corp
Original Assignee
LAB Sphere Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP21887099A priority Critical patent/JP3388471B2/ja
Application filed by LAB Sphere Corp filed Critical LAB Sphere Corp
Priority to KR1020027001105A priority patent/KR100682563B1/ko
Priority to CA2380356A priority patent/CA2380356C/en
Priority to DE60043546T priority patent/DE60043546D1/de
Priority to PCT/JP2000/004994 priority patent/WO2001008228A1/ja
Priority to US10/048,373 priority patent/US6961190B1/en
Priority to CNB008133697A priority patent/CN100426050C/zh
Priority to EP00949912A priority patent/EP1213773B1/en
Priority to EP09170879A priority patent/EP2131404A3/en
Publication of JP2001040922A publication Critical patent/JP2001040922A/ja
Priority to NO20020396A priority patent/NO20020396L/no
Application granted granted Critical
Publication of JP3388471B2 publication Critical patent/JP3388471B2/ja
Priority to US11/090,810 priority patent/US7283313B2/en
Priority to US11/764,386 priority patent/US7554752B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)
  • Lock And Its Accessories (AREA)
  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)
  • Closures For Containers (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明装置の付いた
ドライバ等の手工具や筆記具等の手持ち器具、及びこの
ような手持ち器具の基本的な構造を利用して光信号に個
人識別信号を含ませ、机の引き出し、家具の引き出し等
の施錠や解錠を光信号にて行うことができる施錠解錠シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】研究発表会や講演会等においては、しば
しば、スライド上映やビデオ上映がなされ机上は暗闇と
化す。このような暗闇のなかでメモをとりたい場合には
何らかの照明器具があると便利である。また、夜間にか
かってきた電話の内容を暗闇のなかで手帳にメモをして
おきたい場合、或いは夜間の屋外作業中や運動選手の夜
間練習中に記録をしたい場合等には、それらの作業に際
し、何らかの照明器具が必要である。さらに、空調機や
船舶のエンジン部等の大きな機械装置等の点検・修理等
に際しては昼間の作業であっても、奥部は暗く、何らか
の照明器具が必要な場合がある。
【0003】しかし、補助者がいない場合には、一方の
片手に照明器具、他方の片手に手工具や筆記具を持ち、
これら手持ち器具の使用中に常時該当個所を局所照明す
る方法では極めて作業性に劣る。また常時、手持ち器具
と併せて照明器具を携帯するのは、状況や用途によって
は不便である。
【0004】最近、筆記具の分野においては、筆記具と
照明器具とを一体化した照明装置付き筆記具が商品化さ
れている。しかし、この照明装置付き筆記具は、白熱電
球を用いおり、この白熱電球の消費電力が大きいので、
電池の寿命が短いという欠点を有している。さらに、白
熱電球自身の寿命も短いという欠点を有している。長時
間或いは数日間にわたって継続して研究発表会や講演会
が開催されるような場合、長時間の局所照明が必要にな
り、電池の交換回数が増えるばかりか、電池の購入のた
めの費用や予備の白熱電球(替え玉)の用意等の心配が
増えるので、経済的には好ましくない。
【0005】この点から、ペン先近傍の極小面積に発光
ダイオード(LED)を取り付けた筆記具も市場に出現
し始めている。ペン先近傍のLEDから発せられる光
で、紙面を局所照明するように工夫されたものである。
LEDは白熱電球に比べて数十分の1から数百分の1の
範囲の消費電力で済むので、充分な電池の寿命を得るこ
とができる。残念ながら、このLEDを取り付けた筆記
具は、あまり明るくない。
【0006】一方、情報化社会の到来に伴い、個人の秘
密情報を確保する必要性が高まっている。従って、特定
の部屋への入室、机の引き出し、家具の引き出しや扉、
印鑑箱や小物箱の蓋、金庫の扉や蓋等の容器の施錠や解
錠を行う施錠解錠システムも、重要になってきている。
しかし、このために、複数の玄関のドアの鍵、複数の部
屋のドアの鍵等のすべての鍵を常時持ち歩くのは、極め
て不便である。従って、多くの鍵(特に機械的な鍵)を
持ち歩く不便性を解消した新たなセキュリティシステム
も待望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】LEDは、電気エネル
ギーを直接光エネルギーに変換するため、白熱球に比
し、遙かに高効率である。白熱球においては、電気エネ
ルギーを一旦熱エネルギーに変換し、その発熱に伴う輻
射を利用している。このため、その変換効率は原理的に
低く、1%を越えることはない。一方、LEDにおいて
は、変換効率が20%以上程度が可能で、白熱球に比し
約100倍以上の変換効率が容易に達成出来る。さら
に、LEDは半永久的とも考え得る長寿命である。
【0008】かかる優れた特徴をLEDは有するもの
の、現状では、LEDの応用は各種機器のコントロール
パネルの表示ランプや、電光掲示板等の表示装置等の極
く限られた範囲に限定されており、LEDが照明装置に
使用された例は少ない。最近、鍵穴の照明器具や上述し
た照明装置付き筆記具等が登場しつつあるが、いずれに
しろ、小さな面積しか照明できないものである。これは
LEDの輝度は極めて高いにもかかわらず、LED1個
の光の出射面積が1mm2程度の小さな面積であるた
め、照明器具としての十分な光束が得られないという事
情に起因している。
【0009】前述の照明装置付き筆記具においては、照
明持続時間を長くすることができるものの、照度を充分
に高くすることができないので、ペン先程度の極限られ
た領域しか明るくすることができず、また全体としても
充分な明るさとは言えるものではなかった。従って、暗
闇で筆記することや、研究発表会で配布された論文抄録
等の書類を閲読するには、しばしば支障が生じていた。
【0010】照明装置の観点からは、LEDの個数を増
やして輝度を高めることが考えられるが、部品点数が増
え、手持ち器具の構造が複雑になり、小型軽量化を図る
ためには極めて製作が複雑になる。
【0011】LEDの主材料は、高価な化合物半導体が
用いられており、なおかつ、エピタキシャル成長や不純
物拡散等の高度の製造技術が要求されるため、LEDの
製造単価(コスト)の低減には一定の限界がある。さら
に、青(B)色LEDの材料である窒化ガリウム(Ga
N)のエピタキシャル成長の基板には、高価なサファイ
ア基板が用いられている等各半導体材料特有の事情もあ
る。また、LEDの材料である化合物半導体のエピタキ
シャル成長用基板としては、大口径ウェハは現状では入
手出来ないことや、エピタキシャル成長の均一性等の製
造技術上の問題もあり、基本的に大面積の発光領域を有
したLEDを製造するのは困難である。
【0012】いずれにしても、LEDの個数やチップ面
積を増大させることは、製品の単価(コスト)を増大さ
せることになり、好ましくない。
【0013】このような事情から、従来は、充分な照度
が確保でき、しかも、暗闇での作業性や携帯性に優れた
手工具や筆記具等の手持ち器具は、長く待望されている
にもかかわらず、現実には実現出来ないでいた。
【0014】一方、キーレス・セキュリティシステムと
しては、機械的な鍵の代わりに、赤外線や超音波を用
い、暗号化した信号の一致により、施錠解錠を行う方式
が考えられる。しかし、赤外線や超音波は目に見えな
い。このため、電池の消耗等により、出力が不十分にな
った場合には、当然システムは作動しないが、このシス
テムが作動しない原因を直ちに、電池の消耗や信号を出
力する装置(出力装置)の故障であるか否かが判別出来
ない場合がある。
【0015】また、多数の機械的な鍵を持ち歩かなくて
もよいが、何らかの出力装置を持ち歩く必要があるの
で、ポケットが膨らむ等の見栄え上の問題や、置き忘れ
等の種々の問題の発生も生じる。
【0016】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものである。従って、本発明の目的は、電池の持続時
間が長く、しかも目が疲れない適度な照度の照明が可能
な照明装置付き手持ち器具を提供することである。そし
て、これにより、比較的広範囲における充分な照度の局
所照明を、補助者無しに実現しながら、長時間の暗闇作
業を可能にすることである。
【0017】本発明の他の目的は、部品点数が少なく簡
易な構造の照明装置付き手持ち器具を提供することであ
る。そして、これにより、製作が容易で、かつ製作コス
トや製品コストの低減が容易な照明装置付き手持ち器具
を提供することである。
【0018】本発明のさらに他の目的は、照明装置付き
手持ち器具の構造を利用して光信号を送信し、この光信
号を用いて、構成の簡単な施錠解錠システムを提供する
ことである。
【0019】本発明のさらに他の目的は、複数の部屋の
ドアの鍵、複数の机の引き出しの鍵等を束にして持ち歩
く不便を解消できる施錠解錠システムを提供することで
ある。
【0020】本発明のさらに他の目的は、周辺の機器へ
の影響も少なく、逆に携帯電話等の周辺機器からの影響
も少ない施錠解錠システムを提供することである。
【0021】本発明のさらに他の目的は、視認が容易
で、システムのトラブル・シューティングが容易な施錠
解錠システムを提供することである。
【0022】本発明のさらに他の目的は、雑音や直射日
光の影響を受けにくく、さらに使用条件の変化により信
頼性が失われることもない施錠解錠システムを提供する
ことである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の特徴は、第1の光学媒体によりモー
ルドされ、この第1の光学媒体の頂部より、所定の波長
の光を出力する半導体発光素子と、この半導体発光素子
を駆動する電源部と、第1の光学媒体を収納する第1の
空洞部を内部に有し、半導体発光素子の光を外部に出射
するための湾曲面からなる頂部を有する第2の光学媒体
と、この第2の光学媒体を収納する第2の空洞部を有す
る第3の光学媒体からなる手持ち軸部とを備えた手持ち
器具であることである。ここで、「手持ち器具」とは、
ドライバ、スパナ、レンチ等の手工具、ボールペン、シ
ャープペンシル、万年筆、マジックペン、毛筆ペン等の
筆記具、或いは棒口紅等の化粧器具等の、人間が手にし
て作業を行う器具である。さらに、電動ドライバ等の電
池式、充電式の電動工具も本発明の「手持ち器具」であ
る。従って、「電源部」はモータ等の他の装置の電源を
兼ねていてもかまわない。また、「半導体発光素子」と
しては、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ等が
該当する。「所定の波長」とは、半導体レーザではほぼ
単一波長と見なせるであろうが、LEDでは一定のスペ
クトル幅を有するので、このスペクトル幅を考慮すべき
であることは勿論である。例えば、スペクトルのピーク
波長の意と定義しても良い。また、「手持ち軸部」と
は、ペン軸やドライバの柄のように作業する際に、作業
者が握る部位の意である。
【0024】一般のLED(樹脂モールドされたLE
D)においては、樹脂モールド部が、本発明の第1の光
学媒体に相当する。この樹脂モールド部(第1の光学媒
体)の頂部の凸形状湾曲面以外の所から出る光は、いわ
ゆる迷光成分となり、照明には寄与しない。しかし、本
発明の第1の特徴においては、半導体発光素子が第1の
空洞部にほぼ完全に閉じこめられているので、これらの
迷光成分が有効に照明に寄与出来るようになる。即ち、
第1の空洞部の入射面(底部)以外の内壁面も、有効な
光の入射部として機能しうるのである。また、半導体発
光素子と第1の空洞部との間にはそれぞれの界面で反射
した光の成分が多重反射し、迷光成分となっている。従
来公知のレンズ等の光学系では、これらの迷光成分は、
照明に寄与できるように取り出すことは出来ない。しか
し、本発明では、これらの迷光成分も、第1の空洞部の
内部に閉じこめられているので、最終的には、照明に寄
与できる成分となりうる。この結果、樹脂モールド(第
1の光学媒体)の形状等に起因した光の取り出し効率
や、光学系相互の反射成分が迷光成分になることによる
光学的損失等に依存せず、ほぼ、内部量子効率とほぼ等
しい効率で、潜在的な半導体発光素子チップの光エネル
ギーを有効に外部に取り出すことが可能となる。このよ
うに第2の光学媒体で第1の光学媒体を覆うことにより
(半導体発光素子の数を多数必要とすることなく)、照
明に寄与する光ビームとして所望の照射面積の光束を確
保し、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。この
照度は従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照
度である。驚くことに、現在市販されているハロゲンラ
ンプを用いた細身の懐中電灯と同程度の照度がたった一
個の半導体発光素子(LED)で実現できる。そして、
この第2の光学媒体からの光を、「手持ち軸部」として
機能する第3の光学媒体に導き、被照明対象を局所照明
することにより、極めて高い照度を得ることが出来る。
これは、従来の半導体発光素子を用いた技術常識では全
く予測できない照度である。このため、第1の光学媒体
と第2の光学媒体との間をスペーサや接着剤で固定し、
第2の光学媒体と第3の空洞部(第3の光学媒体)との
間を着脱可能なように構成すれば、第2の光学媒体を露
出することにより、第2の光学媒体からの出力光を懐中
電灯や信号送信機の出力光として使用可能である。
【0025】一方、あまり強い光が不要ならば、第2の
光学媒体と第3の光学媒体との間を固定し、第1の光学
媒体と第2の光学媒体との間を着脱可能なようにし、第
1の光学媒体の頂部から出る光を照明光源として使用可
能である。この場合でも、通常の半導体発光素子の明る
さは使用できる。
【0026】この本発明の第1の特徴に係る手持ち器具
は、半導体発光素子を使用しているので、電力消費が少
なく、照明持続時間を長くすることができる。さらに、
この手持ち器具は、簡易な構造で構成できる。
【0027】さらに、第3の光学媒体は、円筒形の第3
の空洞部を有し、この第3の空洞部に中心軸部を収納し
てもよい。「中心軸部」とは、例えば、ドライバにおい
ては、実際にネジ等に接して、このネジ等を廻す金属棒
等からなる中心軸であり、筆記具においては、ボールペ
ン、万年筆、マジックペン、毛筆ペン等の、インクカー
トリッジや墨汁カートリッジ等の意である。シャープペ
ンシルにおいては替芯カートリッジ等が「中心軸部」に
該当する。このように、第3の光学媒体の一部に中心軸
部を収納する構造を採用することにより、手持ち器具に
使用される部品点数を削減することができる。部品点数
の削減により、製作が容易となり、製作コストが削減で
きる。
【0028】さらに、第2の光学媒体と第3の光学媒体
とを同一材料で一体として構成し、第1の光学媒体と第
2の光学媒体との間を着脱可能なようにすれば、部品点
数が実質的に減少し、より構造が簡単になる。
【0029】本発明の第1の特徴に係る手持ち器具にお
いて、半導体発光素子は、複数の波長の光を出力するこ
とが好ましい。特に、赤(R)色、緑(G)色及び青
(B)色の3色の波長を有するようにすれば、この赤
(R)色、緑(G)色及び青(B)色の各波長の光の強
度比を変えることにより、中間色を含めた可視光領域の
すべての色が実現でき、この色合いの変化を楽しむこと
が出来る。また、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)
色の各波長の光の強度比を特定の信号として使用するこ
とも可能である。
【0030】また、本発明の第1の特徴に係る手持ち器
具において、第3の光学媒体の作業用先端部近傍に光分
散部や光集光部をさらに備えるようにすれば、所望の被
照明領域に於ける比較的広い範囲の局所照明が可能とな
る。特に、第2の光学媒体で第1の光学媒体を覆うこと
により、半導体発光素子の光を極めて有効に集光してい
るので、比較的広い範囲の局所照明をしても、充分な照
度が得られる。
【0031】本発明の第1の特徴に係る手持ち器具にお
いて、半導体発光素子は、白色光を出力するLEDであ
ることが好ましい。これは、赤(R)色、緑(G)色及
び青(B)色の各波長の光を所定の強度比で混合するこ
とにより、実現できる。白色光は、目に自然で、やさし
い。このため、長時間の暗闇作業においても、疲労が少
ないという利点を有する。
【0032】さらに、本発明の第1の特徴に係る手持ち
器具において、第3の光学媒体の屈折率の分布を不均一
に構成しても良い。例えば光ファイバーは屈折率の高い
芯(コア)部と屈折率の低い外被(クラッド)部から構
成されているが、樹脂製光ファイバーの複数本を集合
し、互いのクラッド部を融合し、一体化しこれを第3の
光学媒体として用いれば、第3の光学媒体の屈折率の分
布は、不均一になる。第3の光学媒体を構成する各ファ
イバーの端部を第2の光学媒体に対して所定の角度に配
向することにより、半導体発光素子の光を有効に第3の
光学媒体に導くことが出来る。そして、光ファイバーは
光の伝送効率が高いので、手持ち軸部(第3の光学媒
体)が長くなるような構造の手持ち器具には有効であ
る。樹脂製光ファイバーは安価で、熱による加工も容易
であるので、樹脂製光ファイバーを用いることにより、
簡単且つ低コストで、手持ち器具を製造することが可能
となる。
【0033】さらに、本発明の第1の特徴に係る手持ち
器具において、半導体発光素子からの光に個人識別情報
を含ませ、特定の施錠対象物の解錠を、手持ち器具から
発せられた個人識別情報と施錠対象物に登録された個人
識別情報との一致を確認して行うことができる。例え
ば、上述したような、赤(R)色、緑(G)色及び青
(B)色の各波長の光の強度比を個人識別情報として使
用することが可能である。
【0034】本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特
徴に係る手持ち器具を光信号を送信する信号発信部と
し、この手持ち器具と、この手持ち器具からの光信号を
受信する信号受信部を有する施錠対象物とから構成され
る施錠解錠システムであることである。即ち、本発明の
第2の特徴に係る施錠解錠システムを構成する手持ち器
具は、第1の光学媒体によりモールドされ、この第1の
光学媒体の頂部より、光信号を出力する半導体発光素子
と、第1の光学媒体を収納する第1の空洞部を内部に有
する第2の光学媒体と、手持ち軸部として機能し、且つ
第2の光学媒体を着脱可能なようにして収納する第2の
空洞部を有する第3の光学媒体とを具備する。一方、本
発明の第2の特徴に係る施錠解錠システムを構成する施
錠対象物は、手持ち器具から出射された光信号を受信す
る信号受信部と、受信された光信号が所望の信号である
か否かを確認し、所望の信号であることが確認された場
合に解錠を行うロック機構とを具備する。ここで、「施
錠対象物」としては、玄関のドア、各部屋のドア、自動
車のドア、机の引き出し、家具の引き出しや扉、印鑑箱
や小物箱の蓋、金庫の扉や蓋等の容器等の種々の施錠対
象物が含まれる。
【0035】本発明の第2の特徴に係る施錠解錠システ
ムの信号発信部には、光信号に所定の個人識別情報を含
ませるために、光を変調し光信号を生成する変調部をさ
らに含めても良い。そして、施錠対象物は、受信された
光信号に含まれた個人識別情報が、施錠対象物に登録さ
れた個人識別情報に一致するか否か確認し、一致が確認
された場合にロック機構が解錠を行うように構成しても
良い。
【0036】光信号としては、空間的なパターンの信号
を含めて、種々の信号が可能である。例えば、半導体発
光素子として、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色
の光を出力する半導体発光素子を用意し、これらの赤
(R)色、緑(G)色及び青(B)色の各波長の光の強
度比からなる光信号を個人識別情報として使用すること
により、信頼性が高く検出感度の高いセキュリティ・シ
ステムを構成出来る。
【0037】本発明の第1の特徴において説明したよう
に、手持ち器具を構成する第2の光学媒体においては、
第2の光学媒体の空洞部の内部に第1の光学媒体を収納
することにより、極めて強い光ビームを有効に実現でき
る。従って、この強い光ビームを遠方の施錠対象物に平
行ビームとなるようにして、照射するようにすれば、照
射点(到達点)の位置が容易に視認できる。照明には白
色光が望ましいことは前述した。但し、昼間は、白色光
では、照射点が見にくいので、白色光を切り替えて、赤
(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3色光の内のい
ずれかを選択して行う方法も可能である。
【0038】信号受信部は、半導体発光素子と全く同一
の光学的固有エネルギを持つ半導体材料からなる半導体
光検出器を用いればよい。ここで、「光学的固有エネル
ギ」とは、その半導体発光素子の主なる発光波長を決定
する半導体材料としての、それぞれの半導体材料に固有
のエネルギの意である。周知のように、半導体発光素子
の主なる発光波長を決定する要因としては、半導体材料
の禁制帯幅(エネルギギャップ)が最も代表的であろ
う。従って、禁制帯幅により発光波長が決定されている
場合は、信号受信部は、半導体発光素子と全く同一禁制
帯幅を持つ半導体材料からなる半導体光検出器を用いれ
ばよい。即ち、発光素子の光学的固有エネルギ(禁制帯
幅)と受光素子の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を等
しくすることで、最も高感度な光検出が可能となる。不
純物準位がその発光波長に関与しているので有れば、半
導体材料に添加(ドープ)する不純物にも、考慮が必要
となる。この場合、半導体光検出器として、半導体発光
素子と全く同一の半導体発光素子を逆バイアスして、使
用することも可能であるし、光学的固有エネルギ(禁制
帯幅)が同一の半導体材料からなるアバランシェ・フォ
トダイオード(APD)を用いてもよい。さらに、半導
体発光素子と全く同一の光学的固有エネルギ(禁制帯
幅)を有する半導体材料を用いて構成したフォトトラン
ジスタを用いて、光出力を増幅しながら検出しても良
い。白色光は赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の
3色光の混合であるので、この3色光で3チャネルの光
信号の送受信を行うことで、揺らぎやノイズに強い光信
号の送受信ができる。更に赤外光や紫外光を追加して多
チャネルの光信号を形成してもかまわない。
【0039】このような簡単な構成の施錠解錠システム
で、極めて高い感度で光信号の検出を行うことにより、
ロック機構の誤作動を防止し、安定した施錠動作又は解
錠動作を行うことができる。
【0040】上述したように、平行ビームを用い、遠方
の施錠対象物に光を照射する遠隔操作もできるが、本発
明の第2の特徴に係る施錠解錠システムにおいて、施錠
対象物は第3の光学媒体の先端部と相似形の光学鍵穴を
設け、これに第3の光学媒体の先端部を差し込んで、光
信号を手持ち器具から信号受信部に伝達する手法も有効
な手法である。この場合は、光学鍵穴の側壁に半導体光
検出器を接して配置しておけば、効率よく光信号の伝達
が出来る。ドライバの中心軸のように長い中心軸を有す
る場合は、この光学鍵穴にドライバの中心軸が貫通でき
る穴を設けて、半導体光検出器と第3の光学媒体の先端
部とが直接接することが可能なような構造にすればよ
い。
【0041】さらに、この光学鍵穴の内部に、第3の光
学媒体の先端部が挿入されたとき、押し込まれる構造の
押しボタンを設け、第3の光学媒体の先端部が挿入され
たときのみにおいて、信号受信部側の電源がオン状態と
なるようにしておけば、省エネルギー化が可能である。
また、机に直射日光が照射した時の、強力な太陽光によ
る迷光成分も有効に除去できるので、誤動作することも
ない。
【0042】本発明の第3の特徴は、個人識別情報を含
む光信号を作成し、発信する信号発信部と、この光信号
を受信する信号受信部と、登録された個人識別情報との
一致を調べるロック機構とから構成された施錠解錠シス
テムであることである。ここで、信号発信部は、第1の
波長λ1の光を発光する第1の半導体発光素子チップ
と、第1の波長λ1とは異なる第2の波長λ2の光を発光
する第2の半導体発光素子チップと、第1の光の強度I
1及び第2の波長の光の強度I2の比(=I1/I2)を所
定の値に設定することにより個人識別情報を含む光信号
を生成する変調部とからなる。また、信号受信部は、第
1及び第2の半導体発光素子チップと同一の光学的固有
エネルギを有した半導体材料からなる第1及び第2の光
検知器とからなる。さらに、ロック機構は、第1及び第
2の光検知器の出力から生成した信号と、登録された個
人識別情報との一致を調べる比較器と、登録された個人
識別情報との一致が確認された場合に、解錠を行うロッ
ク・ドライバとからなる。施錠解錠システムは、本発明
の第2の特徴において説明したように、手持ち器具を信
号発信部として用いることが可能であるが、必ずしも、
手持ち器具に限定されない。手持ち器具以外に、時計や
携帯電話等の常時人間が身につけ、或いは携帯する種々
の機器や物品等に付加しても良く、ペンダント等の装飾
品等に組み込んでもかまわない。一方、信号受信部及び
ロック機構は、玄関、各部屋のドア、自動車のドア、机
や家具の引き出し、印鑑箱、小物箱、宝石箱、金庫の扉
等の施錠の必要な建造物、機器や物品に設置すればよ
い。ここで、「光学的固有エネルギ」とは、第2の特徴
で定義したように、その半導体発光素子の主なる発光波
長を決定するそれぞれの半導体材料に固有のエネルギの
意である。バンド間遷移により半導体発光素子の発光波
長が決定されているのなら、禁制帯幅のエネルギが光学
的固有エネルギであり、半導体発光素子の発光波長に不
純物準位が関与している場合は、この不純物準位により
定まる光学的遷移のエネルギが本発明で定義する光学的
固有エネルギである。
【0043】光信号を遠方に伝送する場合は、受信され
る光強度が信号発信部と信号受信部との間の距離に依存
する可能性がある。しかし、本発明の第3の特徴に係る
施錠解錠システムにおいては、光強度の絶対値を、必要
な情報として検出しているのではなく、各色の相対的な
強度比(I1/I2)を検出しているので、距離が変化し
ても、必要な情報の信頼性が失われることはない。
【0044】そして、信号受信部は、第1及び第2の半
導体発光素子チップと同一の光学的固有エネルギを有し
た半導体材料からなる第1及び第2の光検知器としてい
るので、波長共鳴効果により、最も高感度な光検出が可
能となる。この場合、半導体光検出器として、半導体発
光素子と全く同一の半導体発光素子チップを逆バイアス
して、フォトダイオードとして使用することも可能であ
るし、光学的固有エネルギが同一の半導体材料からなる
APDやフォトトランジスタを構成してもよい。
【0045】さらに、第3,第4,・・・・・の波長λ3,λ
4,・・・・・の光を発光する第3,第4,・・・・・の半導体発
光素子チップを信号受信部に加え、第3,第4,・・・・・
の半導体発光素子チップと同一の光学的固有エネルギを
有した半導体材料からなる第3,第4,・・・・・の光検知
器を信号受信部に追加して、多チャネルの光信号の伝達
を行っても良い。これらの、第1,第2,第3,第4,
・・・・・の波長λ1,λ2,λ3,λ4,・・・・・は赤外から紫外
に至る種々の波長が使用可能である。しかし、そのうち
少なくとも一つを、赤(R)色、緑(G)、青(B)色
等の特定の色の可視光としておけば、昼間でも、光ビー
ムの位置の視認が容易である。
【0046】このように、各色の相対的な強度比を個人
識別情報を含むコード信号とし、信号送信部と信号受信
部との間で光信号を伝達しているので、セキュリティ機
能の極めて高い施錠解錠システムを実現することができ
る。
【0047】なお、各色の相対的な強度比以外の信号処
理を更に重畳させることも可能である。例えば、第1,
第2,第3,・・・・・の波長λ1,λ2,λ3,・・・・・の光の
パルスの順番やそのパルス幅を信号としても良い。
【0048】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の
第1乃至第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記
載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符
号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、
外径と長さとの関係、各部の寸法の比率等は現実のもの
とは異なることに留意すべきである。したがって、具体
的な構造は以下の説明を参酌して判断すべきものであ
る。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率
が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0049】(第1の実施の形態:手持ち器具)図1及
び図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る
手持ち器具は、第1の光学媒体212によりモールドさ
れ、この第1の光学媒体212の頂部より、所定の波長
の光を出力する半導体発光素子としての可視光LED2
0と、この半導体発光素子(可視光LED)20を駆動
する電源部24と、第1の光学媒体212を収納する第
1の空洞部を内部に有し、半導体発光素子(可視光LE
D)20の光を外部に出射するための湾曲面からなる頂
部を有する第2の光学媒体21と、この第2の光学媒体
21を収納する第2の空洞部17を有する第3の光学媒
体11からなる手持ち軸部(ペン軸)10とを備えたボ
ールペンである。そして、この第3の光学媒体11は、
円筒形の第3の空洞部を有し、この第3の空洞部には、
中心軸部(インクカートリッジ)15が収納されてい
る。さらに、本発明の第1の実施の形態に係る手持ち器
具は、半導体発光素子(可視光LED)20を駆動する
電源部24と、電源部24の電源供給を制御するスイッ
チ部26とを備えている。このボールペンのペン先(作
業用先端部)14の最先端部分には自在に回転し紙面に
適度にインクを供給するための鋼鉄性ボールが配設され
ている。鋼鉄製ボールは、直径0.2mmφ乃至0.8
mmφ等の現在市販されている種々の大きさのものが使
用可能である。
【0050】そして、図2に示すように、この手持ち器
具(ボールペン)は、筆記具本体1とライト部本体2と
に分解して、ライト部本体2を単独使用可能なように構
成されている。即ち、この手持ち器具(ボールペン)
は、筆記具本体1をライト部本体2に着脱自在に装着で
きるようになっている。
【0051】インクカートリッジ15は、ペン軸10の
中心軸部分に配設されたカートリッジ取り付け穴15A
に、図1中及び図2中、右側のペン先方向から左側に向
かって取り付けられ、又インクがなくなり交換する際に
は左側から右側に向かってカートリッジ取り付け穴15
Aから取り外すようになっている。
【0052】第3の光学媒体11には、LED光の波長
に対する透過率が高く、その製作が容易で、しかも比較
的軽量な透明なアクリル樹脂、透明なプラスチック材料
を使用することができる。好みによって筆記具本体1に
重量感を持たせ、筆記しやすくすることが要求される場
合には、第3の光学媒体11は透明なガラス材料で形成
してもよい。透明なガラス材料としては、石英ガラス、
ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス等の種
々の材料が使用可能である。あるいは、酸化亜鉛(Zn
O)、硫化亜鉛(ZnS)、炭化珪素(SiC)等の結
晶性材料を用いてもかまわない。ペン軸10は、例えば
直径約12mm、全長約150mmの寸法で形成されている。
【0053】コーティング層12は、後述する光分散部
19の領域を除き、第3の光学媒体11の表面の大半に
配設されているが、場合によりこのコーティング層12
を省略しても良い。ペン先部に光を集中したいときはこ
のコーティング層12を用いれば良く、ペン軸10から
の光を局所照明に用いたければ、コーティング層12を
設ければ良い。後者の目的のコーティング層12には、
第3の光学媒体11の表面を保護し、かつ、LED光の
波長に対する第3の光学媒体11の光の伝送効率を高め
るために、反射率が高い金属性コーティング層を使用す
ることができる。また、コーティング層12には、ファ
ッション性を高め、或いはデザイン性を高めるために、
適度な透明性を有しかつ着色されたスケルトンタイプの
(半透明な)樹脂コーティング層や、不透明の着色され
た樹脂コーティング層を使用することができる。また、
コーティング層12は、ある程度の光の透過率が得られ
れば、ラバーコーティング層や、塗装コーティング層で
あってもよい。例えば、コーティング層12からの透過
光を有効に使うことにより、夜間歩行の安全用手持ち器
具や、コンサート会場に於ける遊技用手持ち器具として
のペンライトとして、使用可能である。
【0054】光分散部19は、第3の光学媒体11の端
部表面を加工して形成すればよい。例えば、複数のV字
形状、U字形状、或いは扁平な凹部を、第3の光学媒体
11の端部設ける方法や、細かな凹凸を設ける方法、或
いは比較的透明度の高い磨りガラス状に曇らせる方法等
が可能である。更に、ガラス等の透明材料の微粒子を第
3の光学媒体11の端部に塗布や付着しても良い。いず
れにしても、光分散部19は第3の光学媒体11により
集光され伝達されてきた光を適度に分散させて暗闇筆記
に必要な範囲の紙面を明るく局所照明することができる
ような光学設計をすればよい。
【0055】図1及び図2に示すように、筆記具本体1
の左端には、本発明の第2の光学媒体21を収納する第
2の空洞部としての光学媒体結合部17が配設されてい
る。この光学媒体結合部17は、いわば、第2の光学媒
体21を収納するソケット部(メス体)である。つま
り、光学媒体結合部17にはライト部本体2の第2の光
学媒体(プラグ部:オス体)21を挿入して結合するよ
うになっている。この第2の空洞部の底部は、第2の光
学媒体(プラグ部:オス体)21の頂部の曲率半径とほ
ぼ等しい曲率半径の凹面をなしており、第2の光学媒体
21からの光が有効に、第3の光学媒体11に導くこと
が可能なように構成されている。また、この空洞部の内
径は、第2の光学媒体(プラグ部:オス体)21の外径
(頂部以外の部分)の外径より、極僅か、例えば、0.
05mm乃至0.2mm程度大きく形成されている。そ
して、光学媒体結合部(ソケット部)17の端部(図2
において、左側)には、筆記具側結合部18としての雌
ネジが設けられている。一方、ライト部筐体23の一端
には、筆記具本体1の筆記具側結合部18と連結される
雄ネジで形成されたライト側結合部28が配設されてい
る。なお、ここでは、筆記具本体1とライト部本体2と
を、雄ネジ・雌ネジを用いて着脱する方式を例示した
が、はめ込み方式やクランプ形式等他の方式でもかまわ
ない。
【0056】さらに、第3の光学媒体11の内部におい
て、カートリッジ取り付け穴15Aの底面には反射ミラ
ー11Aが装着されている。この反射ミラー11Aは可
視光LED20から発せられる光を反射させて照明効率
を高めるようになっている。
【0057】さらに、図示を省略しているが、インクカ
ートリッジ15を挿入する部分となる第3の光学媒体1
1の第3の空洞部の内壁、若しくはカートリッジの外壁
にも反射ミラーを設けてもよい。また、第3の空洞部の
内壁に、乱反射面となる細かな凹凸を設ければ、暗闇に
おいて、インクカートリッジ15の挿入された部分が視
認出来ると同時に、この乱反射面からの光により、筆記
具本体1のまわりが、かすかに明るくなる効果も期待で
きる。前述したペンライトとしての使用目的の時は、第
3の空洞部の内壁に乱反射面を設けることは有効であ
る。
【0058】一方、ライト部本体2は、ライト部筐体2
3と、ライト部筐体23の図1中及び図2中右側に装着
された半導体発光素子(可視光LED)20と、ライト
部筐体23の中央部分に配設された電源部24と、ライ
ト部筐体23の左端に配設されたスイッチ部26とを備
えている。第1の光学媒体212の頂部は、市販の樹脂
モールドされたLED20の頂部の形状であり、所定の
曲率半径を有した凸面形状で形成されている。凸面形状
の頂部を除けば、樹脂モールドされたLED20は、例
えば、直径(外径)2〜3mmφの円柱形状である。ま
た、第2の光学媒体21は、第1の光学媒体212を収
納出来るように、第1の空洞部を有している。第1の空
洞部の側壁部は、樹脂モールドされたLED20を収納
できるように、直径(内径)2.5〜4mmφの円筒形
状となっている。図示を省略しているが、LED20と
第2の光学媒体21とを固定するために、LED20と
第2の光学媒体21の収納部との間には、厚さ0.25
〜0.5mm程度のスペーサ若しくは接着剤が挿入され
ている。このスペーサ若しくは接着剤は、LED20の
主発光部を除く位置に配置すればよい。第2の光学媒体
21は、凸形状の出射面となる頂部近傍を除けば、ほぼ
LED20と同様な円柱形状である。この第2の光学媒
体21の円柱形状部分の直径(外径)は、ライト部筐体
23の外径より小さな所定の値に選べば良い。例えば、
6〜11mmφ程度に選べば良い。第2の光学媒体21
の頂部は、所定の曲率半径を有した凸面形状で形成され
ており、この第2の光学媒体21は可視光LED20か
ら発せられる光を効率良く集光して、外部に出射可能な
ようになっている。
【0059】一般の可視光LED(樹脂モールドされた
LED)においては、樹脂モールド(第1の光学媒体)
212の頂部の凸形状湾曲面以外の所から出る光は、い
わゆる迷光成分となり、照明には寄与しない。しかし、
本発明の第1の実施の形態においては、可視光LED2
0が第2の光学媒体21の第1の空洞部にほぼ完全に閉
じこめられているので、これらの迷光成分が有効に照明
に寄与出来るようになる。即ち、第1の空洞部の入射面
(底部)以外の内壁面も、有効な光の入射部として機能
しうるのである。また、可視光LED20と第1の空洞
部との間にはそれぞれの界面で反射した光の成分が多重
反射し、迷光成分となっている。従来公知のレンズ等の
光学系では、これらの迷光成分は、照明に寄与できるよ
うに取り出すことは出来ない。しかし、これらの迷光成
分も、本発明の第1の実施の形態においては、第1の空
洞部の内部に閉じこめられているので、最終的には、照
明に寄与できる成分となりうる。この結果、樹脂モール
ド(第1の光学媒体)212の形状等の光の取り出し効
率や、光学系相互の反射成分等に依存せず、ほぼ、内部
量子効率とほぼ等しい効率で、潜在的なLEDチップの
光エネルギーを有効に取り出すことが可能となる。この
ようにして、本発明の第1の実施の形態に係る光学的構
造によれば、市販されている樹脂モールドされたLED
20の数を多数必要とすることなく、局所照明に寄与す
る光ビームとして所望の照射面積の光束を確保し、且つ
所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来
公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。
驚くことに、現在市販されているハロゲンランプを用い
た細身の懐中電灯と同程度の照度がたった一個のLED
で実現るのである。このように、本発明の第1の実施の
形態に係る光学的構造によれば、従来の技術常識では全
く予測できない照度を、図1及び図2に示すような簡単
な構造で、実現出来る。
【0060】ライト部筐体23は、内部に電源部24を
収納できる筒状の中空円柱体、若しくはこれに類似な形
状で形成されている。ライト部筐体23には、ステンレ
ス鋼、アルミニウム合金等の材料や、アクリル樹脂やプ
ラスチック材料等で形成することができる。ペン軸10
と同様に、ライト部筐体23は、例えば透明なアクリル
樹脂やプラスチック材料、又は適度に着色された半透明
か不透明のアクリル樹脂やプラスチック材料で形成して
もよい。ライト部筐体23は、筆記具本体1のペン軸1
0と例えば同等の外径寸法で構成されている。
【0061】図3に示すように、LEDチップ210
は、ベース基台(ステム)201に設けられた支持台
(ダイパッド)202の上にマウントされている。そし
て、このLEDチップ210は、第1の光学媒体212
により樹脂モールドされている。第1のリード配線20
3は、LEDチップ210の一方の電極(下部電極)
に、支持台(ダイパッド)202を介して、その一端が
接続され、他端は、ベース基台201を貫通して、その
裏面まで導出されている。同様に、第2のリード配線2
04は、LEDチップ210の他方の電極(上部電極)
に、その一端が接続され、他端は、ベース基台201を
貫通して、その裏面まで導出されている。符号は付けな
いが、LEDチップ210の他方の電極(上部電極)と
第2のリード配線204との間はボンディングワイヤに
より電気的に接続されている。このようにして、可視光
LED20は、ベース基台(ステム)201、支持台
(ダイパッド)202、LEDチップ210、第1のリ
ード配線203、第2のリード配線204及び第1の光
学媒体212等から構成されている。ベース基台(ステ
ム)201は、外周部をステンレス、真鍮や銅等の金属
で覆われたセラミックス等の絶縁体で構成してもよく、
第1の光学媒体212の一部として、第1の光学媒体2
12と同一の材料で構成しても良い。また、図3では、
第1の光学媒体212とベース基台(ステム)20との
間に、段差がある構造を示しているが、第1の光学媒体
212とベース基台(ステム)20とを同一の外径で構
成し、両者の間の段差を無くしても良い。
【0062】なお、本発明の第1の実施の形態に係る手
持ち器具に用いる可視光LED20としては、種々の色
(波長)のLEDが使用可能である。但し、暗闇筆記の
際の局所照明のためには、白色LEDが人間の目には自
然であるので好ましい。白色LEDは種々の構造のもの
が使用できる。たとえば、赤(R)色、緑(G)色及び
青(B)色の3枚のLEDチップを縦に積層して構成し
ても良い。この場合、ベース基台(ステム)201か
ら、それぞれの色のLEDチップに対応し、合計6本の
ピンが導出されても良い。また、第1の光学媒体212
及びベース基台(ステム)201の内部配線として、6
本のピンを2本にまとめ、外部ピンとしては2本設けら
れた構造としてもかまわない。また、一方の電極(接地
電極)を共通とすれば、外部ピンは4本でよい。また、
赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLED
チップの駆動電圧を互いに独立に制御出来るようにして
おけば、あらゆる色の混合が可能であるので、色合いの
変化を楽しむことが可能である。
【0063】第1の光学媒体212は、レンズ作用と同
時に、LEDチップ210を保護する機能を有するモー
ルド体である。この第1の光学媒体212には、例えば
透明な熱硬化性エポキシ樹脂やアクリル樹脂を使用する
ことができる。第1の光学媒体212の図3中右側の部
分は、所定の曲率半径を有した凸面形状で形成されてお
り、この第1の光学媒体212はLEDチップ210か
ら発せられる光(白色光)を効率良く集光して第2の光
学媒体21に出射するようになっている。
【0064】図1及び図3に示すように、電源部24
は、手持ち器具の携帯性を高め、かつ適度な照度を得る
ために、2個の直列に接続された単3形〜単5形の乾電
池241及び242により構成することが可能である。
或いはディスクタイプのリチウム電池やマンガンリチウ
ム電池等も使用可能である。なお、電源部24は、必ず
しも上記の乾電池に限定されるものではなく、充電可能
な小型の他の種類のバッテリーで構成してもよい。
【0065】スイッチ部26は、その詳細な構成は省略
するが、基本的には回転式やプッシュ式等の簡単な構造
でよい(後述の第3の実施の形態で説明するセキュリテ
ィ機能を付加する場合は、このスイッチ部には、論理回
路やパルス発信器、電圧調整器等が組み込まれる)。ま
た、色合いの変化を楽しむ機能を付加したい場合は、ス
イッチ部26に、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)
色の3枚のLEDチップの駆動電圧を互いに独立に制御
出来る電圧調整器を内蔵させておけばよい。スイッチ部
26の一方の端子は、ライト部筐体2の内側に配設され
た図示しない配線を通して可視光LED20の第2のリ
ード配線204に接続されている。スイッチ部26の他
方の端子は、図1に示すように、乾電池241及び24
2を保持しつつ配線としても兼用される導電性弾性体2
5、乾電池242、241のそれぞれを通して、可視光
LED20の第1のリード配線203に接続されてい
る。
【0066】スイッチ部26は、その構成を示していな
いが、ネジ等によりライト部筐体2の他端に着脱自在に
取り付け取り外しができるようになっており、このスイ
ッチ部26をライト部筐体2から取り外した状態におい
て乾電池241及び242の交換が行われるようになっ
ている。第1の実施の形態において、導電性弾性体25
は、例えば鉄、銅等の金属のコイルスプリングで形成さ
れている。なお、導電性弾性体25は、金属板を折り返
した板ばねのようなものであってもよい。
【0067】さらに、ライト部筐体23の他端側の外周
には、手持ち器具を例えば背広のポケットに携帯してお
くためのクリップ30が取り付けられている。
【0068】この照明装置付き手持ち器具は、筆箱に入
れて或いは背広のポケットにクリップ30を利用して携
帯することができる。そして、例えば研究発表会や講演
会のスライド上映中にメモを取りたい場合、夜の暗闇の
中で手帳にメモを取りたい場合等には、手持ち器具のス
イッチ部26を操作することにより、図3に示すように
電源部24から可視光LED20のLEDチップ210
に直流電流が流れ、LEDチップ210から白色光等の
可視光が発せられる。LEDチップ210から発せられ
た可視光は、図3中、矢印で示すように、第1の光学媒
体212でまず効率良く集光され、引き続き第2の光学
媒体21、第3の光学媒体11のそれぞれでも効率良く
集光され、第3の光学媒体11を通してペン軸10の内
部をペン先14の方向に向かって伝播される。LEDチ
ップ210から発せられた可視光のうち、筆記具本体1
の軸心に沿ってペン先14に向かう可視光はカートリッ
ジ取り付け穴15Aの底面の反射ミラー11Aで反射さ
れ、この反射された可視光は、第2の光学媒体21の表
面や第1の光学媒体212の表面で再度反射されて漏れ
なくペン先14に向って伝播されるようになっている。
【0069】第3の光学媒体11を伝播してきた可視光
は最終的には光分散部19を通して分散され、暗闇筆記
に必要な適度な紙面の照度を得ることができる。この状
態で、ペン先14の鋼鉄製ボールを紙面に対して回転さ
せることにより、このボールの回転に応じてインクカー
トリッジ15から適度なインクを紙面に供給することが
できる。
【0070】このように構成される本発明の第1の実施
の形態に係る照明装置付き手持ち器具によれば、LED
チップ210からの光を効率良く集光する第1の光学媒
体212、第2の光学媒体21及び第3の光学媒体11
を備え、照明効率を向上させることができるので、白熱
電球と同等の実用上充分な照度を得ることができる。さ
らに、この手持ち器具は、可視光LED20を使用して
いるので、電力消費が少なく、照明持続時間を長くする
ことができる。例えば、白熱電球を使用する場合に比べ
て、数十倍から数百倍も長い照明持続時間を得ることが
できる。さらに、この手持ち器具は、可視光LED20
に光を集光させる第1の光学媒体212、第2の光学媒
体21及び第3の光学媒体11を備えただけの簡易な構
造で構成することができる。また、この手持ち器具は、
簡易な構造なので、製作が容易で、製作コストも削減す
ることができる。
【0071】さらに、第3の光学媒体11を利用してペ
ン軸10を形成しているので、筆記具本体1に使用され
る部品点数を削減することができる。部品点数の削減に
より、より一層簡易な構造の手持ち器具を実現すること
ができる。この結果、さらに、製作が容易で、かつ製作
コストが削減できる照明装置付き手持ち器具を実現する
ことができる。
【0072】なお、本発明の第1の実施の形態に係る手
持ち器具は、第1の光学媒体212、第2の光学媒体2
1、第3の光学媒体11、光分散部19の少なくともい
ずれか1つに着色を施し、研究発表会や講演会などでメ
モをとる際に周囲の人に迷惑がかからない程度に、又デ
ザイン性を高めるために、白色光ではなく、赤(R)
色、黄色、紫色等の色を帯びた光を照射できるように構
成してもよい。
【0073】以下に、本発明の第1の実施の形態の照明
装置付き手持ち器具の変形例(第1乃至第5の変形例)
について説明する。これらの第1乃至第5の変形例によ
っても、図1乃至図3に示す手持ち器具で得られる効果
と同様の効果を得ることができる。
【0074】第1の変形例:図4(A)に示す手持ち器
具(筆記具)は、図1乃至図3に示す手持ち器具(筆記
具)と基本的な構成は同一であるが、筆記具本体1のペ
ン先14を保護し、ペン軸10に着脱自在に取り付け取
り外しができるアウターキャップ31を備えている。そ
して、このアウターキャップ31にはクリップ32が取
り付けられている。
【0075】また、アウターキャップ31の少なくと
も、ペン先14近傍を透明材料で形成し、このペン先1
4近傍の幾何学的形状を所定の形状に選んでおけば、ア
ウターキャップ31を付けたままでも懐中電灯として機
能させることが可能である。
【0076】第2の変形例:図4(B)に示す手持ち器
具は、図4(A)に示す筆記具(手持ち器具)と基本的
な構成は同一であるが、筆記具本体1を万年筆として構
成している。即ち、筆記具本体1は、万年筆のペン先1
40と、このペン先140にインクを供給するインクカ
ートリッジ150とを備えて構成されている。
【0077】この図4(B)に示す筆記具(手持ち器
具)においては、筆記具本体1を万年筆として構成して
いるが、図4(A)に示す筆記具で得られる効果と同様
の効果を得ることができる。
【0078】第3の変形例:図5(A)に示す手持ち器
具は、図4(A)に示す筆記具と基本的な構成は同一で
あるが、筆記具本体1を筆型ペン(毛筆ペン)として構
成している。即ち、筆記具本体1は、筆型ペンの毛筆ペ
ン先141と、この毛筆ペン先141に墨汁を供給する
墨汁カートリッジ151とを備えて構成されている。
【0079】この図5(A)に示す筆記具においても、
図4(A)に示す筆記具で得られる効果と同様の効果を
得ることができる。
【0080】第4の変形例:図5(B)に示す手持ち器
具は、図4(A)に示す筆記具と基本的な構成は同一で
あるが、筆記具本体1をマジックペンシルとして構成し
ている。即ち、筆記具本体1は、マジックペンシルのペ
ン先142と、このペン先142にマジックインクを供
給するマジックインクカートリッジ152とを備えて構
成されている。
【0081】この図5(B)に示す筆記具においても、
図4(A)に示す筆記具で得られる効果と同様の効果を
得ることができる。
【0082】第5の変形例:図6に示す手持ち器具は、
図1乃至図3に示す筆記具と基本的な構成は同一である
が、筆記具本体1をシャープペンシルとして構成してい
る。即ち、筆記具本体1は、芯180をガイドする芯先
ガイド161及びチャックスリーブストッパー162を
含むペン先160と、複数本の替芯181を収納してお
く替芯カートリッジ170と、この替芯カートリッジ1
70に替芯181を補給するために着脱自在に装着され
たカートリッジ蓋176と、芯180を芯先ガイド16
1から適量送り出すためのノック機構とを備えている。
【0083】ノック機構は、芯180を保持するととも
に軸心方向に移動可能なチャック173と、このチャッ
ク173の開閉動作を制御するチャックスリーブ172
と、チャック173と替芯カートリッジ170との間を
連結する連結管171と、チャックスリーブストッパー
162で軸心方向の動きが止められたチャックスリーブ
172内部にチャック173が配設されるように作用す
るコイルスプリング174と、替芯カートリッジ170
に取り付けられ連結管171を介してチャック173を
軸心方向にスライドさせるためのスライダー175とを
備えて構成されている。
【0084】つまり、ノック機構は、スライダー175
をペン先160の方向にスライドさせることによって、
連結管171を介してチャック173をチャックスリー
ブ172から抜け出るように押し出し、チャックスリー
ブ172から抜け出ることでチャック173を開き、こ
の状態でチャック173の移動とともに芯180を適量
送り出すようになっている。そして、ノック機構は、ス
ライダー175に加えていた力を解除することによっ
て、コイルスプリング174が元の位置に戻るように作
用するので、チャックスリーブ172の内部にチャック
173を収納してチャック173を閉じ、このチャック
173で芯180を保持するようになっている。
【0085】(第2の実施の形態:施錠解錠システムの
基本)本発明の第2の実施の形態は、本発明の第1の実
施の形態に係る照明装置付き手持ち器具の基本的な構造
を利用して、この手持ち器具から光信号を送信し、玄関
や門、各部屋のドア、自動車のドア、机の引き出し、家
具の引き出しや扉、印鑑箱や小物箱の蓋等の施錠対象物
に対して施錠や解錠を行う施錠解錠システムを説明する
ものである。
【0086】図7に示すように、本発明の第2の実施の
形態に係る施錠解錠システムは、手持ち器具からなる信
号発信部4とし、この信号発信部(手持ち器具)4と、
この信号発信部(手持ち器具)4からの光信号を受信す
る信号受信部5を有する施錠対象物とから構成される。
即ち、本発明の第2の実施の形態に係る施錠解錠システ
ムを構成する手持ち器具は、第1の光学媒体412によ
りモールドされ、この第1の光学媒体412の頂部よ
り、光信号を出力する半導体発光素子としての可視光L
ED40と、第1の光学媒体40を収納する第1の空洞
部を内部に有する第2の光学媒体41と、ペン軸として
機能し、且つ第2の光学媒体を着脱可能なようにして収
納する第2の空洞部を有する第3の光学媒体11とを具
備する。一方、施錠対象物は、信号発信部(手持ち器
具)4から出射された光信号を受信する信号受信部5
と、受信された光信号が所定の信号であると判定された
場合に解錠を行うロック機構6とを具備する。さらに、
施錠対象物には、信号受信部5に電源を供給する駆動電
源部7が含まれている。
【0087】第3の光学媒体11からなる筆記具本体1
は、本発明の第1の実施の形態に係る手持ち器具で説明
した筆記具本体1(第1の変形例から第5の変形例で説
明した筆記具本体1が含まれる。)と同一のものである
ので、詳細な説明は省略する。
【0088】信号発信部4は、本発明の第1の実施の形
態に係る手持ち器具で説明したライト部本体2と基本的
な構成は同一であり、照明器具としても使用することが
できるが、第2の実施の形態においては、信号受信部5
に光信号を送信出来るように構成されている。即ち、信
号発信部4は、信号受信部5に光信号を送信し、これに
よりロック機構6を制御し、机の引き出し等の施錠又は
解錠を行う「電子鍵」としての送信器を構築できるよう
になっている。
【0089】即ち、信号発信部4は、半導体発光素子チ
ップ(可視光LEDチップ)410と、可視光LEDチ
ップ410から発せられる光(光信号)を集光させる第
1の光学媒体412及び第2の光学媒体41と、可視光
LEDチップ410を駆動する電圧を供給する電源部4
4と、電源部44の電源供給を制御するスイッチ部46
とを備えて構成されている。可視光LEDチップ410
とこれをモールドする第1の光学媒体412とで、半導
体発光素子(可視光LED)40が構成されている。な
お、本発明の第2の実施の形態に係る施錠解錠システム
に用いる可視光LED40としては、本発明の第1の実
施の形態と同様に、種々の色(波長)のLEDが使用可
能である。但し、暗闇筆記の際の局所照明に用いるこ
と、及び後述する(第3の実施の形態参照)各色の発光
強度の比による符号化を実施することを考えれば、白色
LEDが好ましい。白色LEDは種々の構造のものが使
用できる。たとえば、赤(R)色、緑(G)色及び青
(B)色の3枚のLEDチップを縦に積層して構成して
も良い。この場合、赤(R)色、緑(G)色及び青
(B)色の3枚のLEDチップを互いに独立に並列動作
させる必要性を考慮すると、それぞれの色の電源回路を
並列に設け、独立の制御回路を付加しておくことが好ま
しい。また、緑(G)色及び青(B)色のLEDは、赤
(R)色のLEDに対して、一般に動作電圧が高いの
で、内部抵抗等を設けて、赤(R)色、緑(G)色及び
青(B)色の3色のバランスをとっても良い。色による
符号化を実施しない場合は、内部抵抗等を設けて、電圧
のバランスをとれば、電源部44及びこの電源部44の
電源供給を制御するスイッチ部46を共通として、赤
(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチ
ップを同時に並列動作させることが可能である。
【0090】但し、昼間は、白色光を出力することがで
きる可視光LED(白色LED)では、ビームとして施
錠対象物を照射した場合に、その照射点が見にくいの
で、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3色光の
内のいずれかを選択的に照射するようにしても良い。い
ずれにしても、手持ち器具として使用する時は、白色光
を発し、セキュリティ機能を付加する等の所定の情報処
理が必要な際には、特定の色のLEDの発光強度やパル
ス幅、順序等を独立に制御出来るように、スイッチや論
理回路で、LEDの動作モードを切り替えて使用出来る
ようにしておいても良い。このような場合は、図1に示
したスイッチ部26は、第1の実施の形態のような簡単
な構造ではなく、RAM等の半導体メモリ、論理回路や
パルス発信器、電圧調整器等の変調部(第3の実施の形
態参照)を構成する所定の電子回路が組み込まれる。
【0091】本発明の第1の実施の形態と同様な構造
(図2参照)により、信号発信部4の一端(頂部)側は
プラグ形状をなし、筆記具本体1の端部のなすソケット
形状部に挿入され、着脱自在に装着できるようになって
いる。プラグ形状の一部に雄ネジ、ソケット形状の一部
に雌ネジを設けておけばよい。筆記具本体1のペン軸1
0を構成する第3の光学媒体11は、プラグ形状をなす
第2の光学媒体41を介して伝播されてきた光信号をさ
らに効率良く集光出来る幾何光学的形状をなしており、
集光後これを先端部方向に伝播させ、この伝播されてき
た光信号は光分散部19を通して最終的に外部に出力さ
れる。
【0092】一方、施錠対象物を構成するロック機構6
は、比較器等を用い、光検出器50の出力電流のレベル
判定、若しくは抵抗を介して出力電圧のレベル判定を
し、所定の光入力が入力されたか否かを判断する。所定
の光入力が入力されたと判断されたときのみ、ロック機
構6は、所定の駆動メカニズムにより、解錠動作を行
う。そして、ロック機構6は、光検出器50が所定の光
入力を検出しなければ、施錠状態(ロック状態)を維持
している。また、解錠動作後は、所定のタイマーにより
自動的に施錠しても良く、再び所定の光入力を光検出器
50が検出したときロック機構6が施錠動作をするよう
にしても良い。
【0093】信号受信部5には、種々の光検出器50が
採用可能であるが、フォトダイオード等の半導体光検出
器がコンパクト化に適し、また高感度である。フォトダ
イオード50としては、半導体発光素子(可視光LE
D)40と全く同一の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)
を持つ半導体材料からなるダイオードを用いればよい。
即ち、発光素子の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)と受
光素子の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を等しくする
ことで、波長選択性を有した最も高感度な光検出が可能
となる。光検出器(フォトダイオード)50において
は、光学的固有エネルギ(禁制帯幅)より大きなエネル
ギの光が入力されない限り電流が流れないが、特に、光
学的固有エネルギ(禁制帯幅)と同じエネルギを有した
光が入力した場合には波長共鳴効果が加わるので、極め
て高感度検出となる。この場合、フォトダイオード50
として、可視光LEDと全く同一のLEDを逆バイアス
にして使用することも可能である。また、光検出器50
として、光学的固有エネルギ(禁制帯幅)が可視光LE
Dと全く同一の半導体材料からなるAPDを用いても良
い。さらに、光検出器50としては、可視光LEDと全
く同一の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を有する半導
体材料を用いて構成したフォトトランジスタを用いても
良い。
【0094】例えば、ロック機構6がロック機構6に前
もって登録された波長スペクトルと全く同一の波長スペ
クトルの白色光が入力したときのみ、ロック機構6を解
除させるような動作をさせることができる。本発明の第
2の実施の形態に係る施錠解錠システムに白色LEDを
用いた場合には、周知のように、白色光は赤(R)色、
緑(G)色及び青(B)色の3色の光の混合であるの
で、この3色光で信号の送受信を行うことになる。即
ち、3チャネルの信号伝送系を有するので、揺らぎやノ
イズに強く、信号受信部5において極めて高い感度で光
検出を行い、施錠解錠を行うことができる。
【0095】一般に信号受信部5は、玄関や門、各部屋
のドア等に設置する場合には、スペース的な余裕があ
る。従って、信号受信部5において、信号発信部4の可
視光LED40からの光を集光するためには、このスペ
ース的な余裕を考慮すれば、種々のレンズ等の周知の光
学系が採用可能である。また光路の可逆性を考えれば、
筆記具1に用いられている光学媒体と同一の光学系を採
用して、光検出器50に光信号を集光させることも可能
である。
【0096】なお、スペース的な余裕があるのであれ
ば、光電子増倍管等の半導体光検出器以外の光検出器の
使用が可能である。この場合は、それぞれの色に対応し
た色フィルタを付加することが好ましい。また、半導体
光検出器の場合は、先に述べたように、可視光LED4
0と全く同一の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を持つ
半導体材料を用いることにより、光フィルタを内蔵した
と等価な効果を発揮しているが、更に、それぞれの色フ
ィルタを付加すれば、長波長側の検出器が短波長の光の
影響を受けなくなるので、好ましい。
【0097】このようにして、施錠動作又は解錠動作の
安定性に優れた施錠解錠システムを構成できる。
【0098】図7に示す本発明の第2の実施の形態に係
る施錠解錠システムは、信号発信部4と信号受信部5と
が近接していれば、充分に機能する。しかし、第3の光
学媒体11を介して伝播されてきた光信号は、光分散部
19を通して、分散するように外部に出力されるため、
遠方の標的を照射するのは不利である。光分散部19
は、暗闇筆記時の便宜を考慮して構成した構造であり、
光信号の遠方への送信についての考慮はされていない。
そこで、遠方の標的に対して、光信号を照射し、信号受
信部5に受信された信号に基づき、施錠又は解錠を行う
ためには、図8のように、筆記具本体1をライト部本体
2から取り外し、ライト部本体2の第2の光学媒体41
露出させて使う方が好ましい。第2の光学媒体41露出
させ、この第2の光学媒体41の表面からの平行光線ま
たは、所定の焦点距離に集光された光で信号受信部5
に、光を照射すれば、遠方の標的に対して、有効な光信
号を照射して、施錠動作又は解錠動作を行うことが出来
る。
【0099】図8は、遠隔操作可能な施錠解錠システム
の概略構成図である。第1の実施の形態において、本発
明の手持ち器具は、筆記具本体1とライト部本体2とに
分解して、ライト部本体2を単独使用可能なように構成
されていることを説明した。図8においては、信号発信
部4は、筆記具本体1を取り外した状態のライト部本体
2であり(図2参照)、第2の光学媒体41の表面から
の平行光線で、信号受信部5に、光を照射している。施
錠対象物側は、図7と全く同一の構成で、信号受信部5
とこれに電源を供給する駆動電源部7、及び信号受信部
5の出力に応じて動作するロック機構6とから構成され
ている。そして、ロック機構6は、光検出器50の出力
電流若しくは、出力電圧のレベル判定をし、所定の光入
力が入力されたか否かを判断する。他は、図7と基本的
に同じであるので、説明を省略する。
【0100】図9(a)は、図8に対応した平行ビーム
で遠隔操作する場合で、図9(b)は、図7に対応し
た、近接操作する場合の具体例である。図9(a)に示
す施錠解錠システムは、施錠対象物である机81に組み
込まれており、引き出し83の前板85内側近傍に信号
受信部5、ロック機構6としての電磁ソレノイド60、
電磁ソレノイド60に駆動電流を供給する駆動電源部7
とを備えている。机81には施錠時に電磁ソレノイド6
0のシャフトが入り込む施錠穴82が配設されている。
また、引き出し83の前板85には外側に通じる光信号
取り込み穴(光学鍵穴)84が配設されている。信号発
信部4の可視光LED40の光以外の太陽光等による迷
光で誤動作を防止するためには、光信号取り込み穴(光
学鍵穴)84は、前板85の厚みに比して相対的に小さ
な直径の貫通孔として構成しておけばよい。即ち、平行
ビームのみが有効に、光信号取り込み穴(光学鍵穴)8
4を介して信号受信部5に到達するようにしておけばよ
い。
【0101】この図9(a)に示す施錠解錠システムに
おいては、信号発信部4の可視光LED40から発せら
れた光信号を光信号取り込み穴(光学鍵穴)84を通し
て信号受信部5で受信し、この信号受信部5で受信され
た光信号に基づき駆動電源部7から電磁ソレノイド60
に駆動電流が供給される。この電磁ソレノイド60のシ
ャフトを例えば駆動電流により降下させた場合には、施
錠穴82とシャフトとの結合が外れ、解錠動作を行うこ
とができる。逆に、電磁ソレノイド60のシャフトを駆
動電流により上昇させた場合には、施錠穴82にシャフ
トを結合させ、施錠動作を行うことができる。
【0102】一方、近接操作する場合は、光信号取り込
み穴(光学鍵穴)84の構造が異なる。図9(b)に示
すように、光学鍵穴84は、筆記具本体1の先端部の光
分散部19を収納できるように、光分散部19の外径よ
り、極僅か、例えば0.1乃至0.3mm程度大きい内
径となる相似形をなしている。そして、光学鍵穴84の
内部に丁度、光分散部19が収納された状態で信号受信
部5の光検出器に光(分散光)が到達するようになって
いる。最近接位置に、光検出器を配置することにより、
分散光であっても、有効な光強度を維持することが出来
る。
【0103】さらに、図示を省略しているが、光学鍵穴
84の内径部の一部に、押しボタンを設けても良い。そ
して、光学鍵穴84の内部に、筆記具本体1の先端部が
挿入されたとき、押しボタンが押し込まれ、この押しボ
タンにより、信号受信部側の電源がオン状態となるよう
にしておけば、省エネルギー化が可能である。また、机
に直射日光が照射した時の誤動作等の防止も可能であ
る。
【0104】さらに、図9(b)に示す信号受信部5の
光検出器として1次元若しくは2次元のイメージセンサ
を用い、光分散部19の表面に暗号化(コード化)され
た所定の空間パターンを設けておけば、特定の人間の持
つ特定の手持ち器具の所定のパターンを識別したときの
み、解錠できるように出来る。さらに、第3の光学媒体
11の一部もしくは、光分散部19の一部にホログラム
カラーフィルタを設けておき、信号受信部5でホログラ
ムパターンを認識するようにしても良い。
【0105】なお、信号受信部5、ロック機構6及び駆
動電源部7を備えた施錠解錠システムは、図9に示した
施錠対象物である机81の引き出し83の前板85に組
み込まれる場合に限定されるものではなく、例えば家具
の引き出しや扉、印鑑箱や小物箱の蓋、金庫の扉や蓋等
の種々の施錠対象物に組み込むことができる。さらに、
塀や門、玄関のドア、各部屋のドア、自動車のドア等を
施錠対象物として使用することもできる。
【0106】(第3の実施の形態:セキュリティ機能を
有した施錠解錠システム)上記の図9(b)に関連し
て、空間的なパターンを認識する方法をのべたが、この
例で理解できるように、所定の個人識別情報を光信号と
して用いることにより、本発明の照明装置付き手持ち器
具は、セキュリティ機能を向上させた施錠解錠システム
に適用可能である。本発明の第3の実施の形態において
は、このようなセキュリティ機能を有する施錠解錠シス
テムについて説明する。
【0107】図10に示すように、本発明の第3の実施
の形態に係るセキュリティ機能を有する施錠解錠システ
ムは、手持ち器具を光信号を送信する信号発信部4と
し、この手持ち器具(信号発信部)4と、この手持ち器
具(信号発信部)4からの光信号を受信する信号受信部
5を有する施錠対象物とから構成される施錠解錠システ
ムであることである。即ち、本発明の第3の実施の形態
に係る手持ち器具は、第1の光学媒体412によりモー
ルドされ、この第1の光学媒体412の頂部より、光信
号を出力する半導体発光素子としての可視光LED40
と、所定の個人識別情報を含ませるために、光を変調し
光信号を生成する変調部400と、第1の光学媒体41
2を収納する第1の空洞部を内部に有する第2の光学媒
体41と、ペン軸として機能し、且つ第2の光学媒体4
1を着脱可能なようにして収納する第2の空洞部を有す
る第3の光学媒体11とを具備する。一方、本発明の第
3の実施の形態に係る施錠対象物は、手持ち器具(信号
発信部)4から出射された光信号を受信する信号受信部
5と、受信された光信号に含まれた個人識別情報が、施
錠対象物に登録された個人識別情報に一致するか否か確
認し、一致が確認された場合に解錠を行うロック機構6
とを具備する。さらに、施錠対象物には、信号受信部5
に電源を供給する駆動電源部7が含まれている。
【0108】ここで、半導体発光素子としての可視光L
ED40は、第1の波長λ1(赤色)の光を発光する第
1の半導体発光素子チップ(LEDチップ)410
(R)と、第1の波長λ1とは異なる第2の波長λ2(緑
色)光を発光する第2の半導体発光素子チップ(LED
チップ)410(G)と、第1及び第2の波長λ1,λ2
とは異なる第3の波長λ3(青色)光を発光する第2の
半導体発光素子チップ(LEDチップ)410(B)と
を有している。そして、変調部400は、第1の光の強
度I1及び第2の波長の光の強度I2の比(=I1
2)、第2の光の強度I2及び第3の波長の光の強度I
3の比(=I2/I3)、或いは第3の光の強度I3及び第
1の波長の光の強度I1の比(=I3/I1)等を所定の
値に設定することにより個人識別情報を含む光信号を生
成する。また、信号受信部は、第1、第2及び第3の半
導体発光素子チップ410(R),410(G),41
0(B)と同一の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を有
した半導体材料からなる第1、第2及び第3の光検知器
51(R),52(G),53(B)とからなる。さら
に、ロック機構6は、第1、第2及び第3の光検知器5
1(R),52(G),53(B)の出力から生成した
信号と、登録された個人識別情報との一致を調べる比較
器631と、登録された個人識別情報との一致が確認さ
れた場合に、解錠を行うロック・ドライバ632とから
なる。さらに、ロック機構6は、RAM632を具備
し、個人識別情報はRAM632に記憶させておくこと
が出来る。
【0109】既に、第1の実施の形態において説明した
ように、赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLE
Dチップ410(G)及び青色のLEDチップ410
(B)の3枚のLEDチップを縦に積層して構成して、
白色LEDを構成できる。図10においては、変調部4
00は、これら赤色のLEDチップ410(R)、緑色
のLEDチップ410(G)及び青色のLEDチップ4
10(B)の3枚のLEDチップをそれぞれ、独立に制
御する。この変調部400は、電源部44からの電圧
を、赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLEDチ
ップ410(G)及び青色のLEDチップ410(B)
の3枚のLEDチップにそれぞれ独立に制御することに
より、各色の相対的強度を制御し、その混合比により任
意の色が出力出来るようになっている。たとえば、変調
部400は、3枚のLEDチップのそれぞれを8ビット
の多値階調データをD/A変換して、制御する。このた
め、変調部400は、電源部44からの電圧を、それぞ
れ8ビットの信号で、3回路分独立に制御できるD/A
変換器と電圧調整器を有している。また、変調部400
は、電源部44からの電圧の供給だけでなく、赤色のL
EDチップ410(R)、緑色のLEDチップ410
(G)及び青色のLEDチップ410(B)の3枚のL
EDチップに印加する電源電圧のパルス幅及び繰り返し
周波数の調整、さらには、2値のコード化された信号と
して所定の符号化を行ってもよい。このような場合は、
論理回路やパルス発信器等の電子回路が変調部400に
組み込まれる。また、8ビットの多値階調の各色のデー
タ、或いは、2値のコード化された信号等を記憶するR
AM等の半導体メモリも組み込まれている。これらの変
調部400に必要な、RAM等の半導体メモリ、論理回
路やパルス発信器、電圧調整器等の電子回路等は、図1
に示したスイッチ部26に、1チップの半導体集積回路
として組み込まれている。この半導体集積回路にマイク
ロプロセッサを組み込んでも良い。これらの半導体集積
回路により、セキュリティ機能を付加するために必要な
特定の色の強度やパルス幅、順序等を独立に制御し、こ
れらの情報を蓄えておくことが出来る。
【0110】さらに、図1に示した構造のライト部本体
2のどこかに、テンキーやその他の文字入力用のキーボ
ード等を備え、このテンキーやキーボード等により、よ
り複雑なコード信号や暗号を入力できるようにしておく
ことも可能である。この場合には、筆記具本体1をライ
ト部本体2から取り外し、筆記具本体1のペン先を用い
て、キーボード等を操作すればよい。このキーボード等
は、例えば、図1に示すクリップ30に設けても良い。
【0111】一方、本発明の第3の実施の形態に係る施
錠解錠システムの信号受信部5は、赤色帯域の半導体光
検出器51(R)、緑色帯域の半導体光検出器52
(G)、青色帯域の半導体光検出器53(B)の並列接
続回路で構成されている。これらの半導体光検出器51
(R),52(G),53(B)としては、赤色のLE
Dチップ410(R)、緑色のLEDチップ410
(G)及び青色のLEDチップ410(B)のそれぞれ
と全く同一の光学的固有エネルギ(禁制帯幅)を持つ半
導体材料からなるフォトダイオード51(R),52
(G),53(B)を用いればよい。即ち、発光素子の
光学的固有エネルギ(禁制帯幅)と受光素子の光学的固
有エネルギ(禁制帯幅)を等しくすることで、波長選択
性を有した最も高感度な光検出が可能となる。なぜな
ら、光検出器(フォトダイオード)51(R),52
(G),53(B)においては、禁制帯幅以上のエネル
ギを有した光が入力されない限り電流が流れず、禁制帯
幅と同一のエネルギの光が入力した場合には波長共鳴効
果が加わるので、極めて高感度検出となるからである。
この場合、フォトダイオード51(R),52(G),
53(B)として、赤色のLEDチップ410(R)、
緑色のLEDチップ410(G)及び青色のLEDチッ
プ410(B)と全く同一のLEDを逆バイアスにして
使用することも可能である。また、光検出器51
(R),52(G),53(B)として、禁制帯幅が可
視光LEDと全く同一の半導体材料からなるAPDを用
いても良い。さらに、光検出器51(R),52
(G),53(B)としては、赤色のLEDチップ41
0(R)、緑色のLEDチップ410(G)及び青色の
LEDチップ410(B)と全く同一の禁制帯幅を有す
る半導体材料を用いて構成したフォトトランジスタを用
いても良い。さらに、フォトトランジスタをダーリント
ン接続して構成すれば、より高感度な検出が可能であ
る。
【0112】そして、ロック機構6は、さらに、レベル
判定器611,612,613、波形整形回路(若しく
はA/D変換器)621,622,623を有してい
る。即ち、各色の光検出器51(R),52(G),5
3(B)の出力側には、それぞれ、レベル判定器61
1,612,613が接続され、レベル判定器611,
612,613の出力側には波形整形回路(若しくはA
/D変換器)621,622,623が接続されてい
る。そして、それぞれの光検出器51(R),52
(G),53(B)の出力が所定のレベルに達した時の
み、2値若しくは多値の出力を波形整形回路621,6
22,623が出力する。波形整形回路621,62
2,623からは、それぞれ、例えば、8ビットの多値
階調信号を出力する。そして、RAM632に格納され
た8ビットの各色の多値階調データと比較器631で比
較し、一致が確認された時のみ、ロック・ドライバ64
0を駆動し、解錠動作を行う。もし、比較器631で一
致が確認されなけければ、ロック・ドライバ640を施
錠状態(ロック状態)を維持している。また、解錠動作
後は、所定のタイマー等により一定の時間経過後に自動
的に施錠しても良く、再び所定の光入力を光検出器51
(R),52(G),53(B)が検出し、再び比較器
631がRAM632に格納された8ビットの多値階調
データと一致が確認された時に、ロック・ドライバ64
0が施錠動作をするようにしても良い。
【0113】さて、上記において、赤色のLEDチップ
410(R)、緑色のLEDチップ410(G)及び青
色のLEDチップ410(B)のそれぞれと全く同一の
禁制帯幅を持つ半導体材料からなるフォトダイオード5
1(R),52(G),53(B)を用いれば、波長選
択性を有した最も高感度な光検出が可能と説明したが、
赤色のLEDチップ410(R)、緑色のLEDチップ
410(G)及び青色のLEDチップ410(B)のそ
れぞれの発光のタイミングは注意が必要である。即ち、
赤(R)色の光により、緑色の半導体光検出器52
(G)及び青色の半導体光検出器53(B)には光電流
が流れないが、緑(G)色の光は赤(R)色の光よりエ
ネルギが高いので、緑(G)色の光により、赤色の半導
体光検出器51(R)に光電流が流れる。また、最もエ
ネルギが高い青(B)色の光によれば、赤色の半導体光
検出器51(R)及び緑色の半導体光検出器52(G)
に光電流が流れるので、信号処理が複雑になるからであ
る。これを防ぐには、赤(R)色、緑(G)色のバンド
パスフィルタを用いるのが一つの手法であるが、装置が
複雑化する。最も簡単且つ有効な手法は、赤色のLED
チップ410(R)、緑色のLEDチップ410(G)
及び青色のLEDチップ410(B)が、それぞれ単独
発光するように、LEDの駆動パルスのタイミングとそ
のパルス幅を選び、互いにオーバーラップがないよう
に、発光のタイミングを互いにずらすことである。この
ような発光のタイミングの選定により、波長共鳴効果を
用いた高感度検出が可能となる。
【0114】あるいは、赤(R)色、緑(G)色、青
(B)色の順にタイミングをずらしてオーバーラップさ
せ、光検出器51(R),52(G),53(B)の出
力の微分変化を求める方法や、逆に、青(B)色、緑
(G)色、赤(R)色の順にタイミングをずらしてオー
バーラップさせ、光検出器51(R),52(G),5
3(B)の出力の微分変化を求める方法を採用しても良
い。
【0115】このようにして、特定の個人がそれぞれ、
自由に、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の強度
を選び、その強度比を、施錠解錠システムの必要情報
(個人識別情報)とすれば、他人には絶対に解錠出来な
いセキュリティ・システムを実現させることが可能であ
る。赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の強度の組
み合わせは、多値階調のビット数を選べば、ほとんど無
限通りに近く可能であるので、極めて多くの人のが多く
の機器に使用可能である。この施錠解錠システムの必要
情報(個人識別情報)は、図1に示したスイッチ部26
に内蔵したRAMに記憶しておいても良く、その都度テ
ンキー等を使って入力しても良い。あるいは、リセット
手段を設け、解錠情報を、随時変更出来るようにし、最
新のコード信号のみを記憶出来るようにしてもかまわな
い。
【0116】さて、発光のタイミングの選定は様々考え
ることが可能である。最も、単純なのは、R,G,B
が、この順に、オーバーラップがないように、それぞれ
単独発光するように選定する方法である。この場合、信
号発信部4及びロック機構6において、共通のクロック
周波数を選んでおき、そのクロック周波数に応じて、順
に発光させればよい。ロック機構6側では、クロック周
波数に応じて光検出のゲートを開く同期検出を行えば、
ノイズ成分や迷光の影響を回避できる。そして、好まし
くは、R,G,Bの順の発光を1サイクルとし、この
R,G,Bのサイクルを所定のサイクル数繰り返し、ア
キュムレータ等により積分値を求めれば良い。このよう
にR,G,B;R,G,B;・・・・・という単純な繰り返
しを、所定のサイクル数繰り返し、その積分値で、個人
識別情報(施錠解錠システムの必要情報)の一致を確認
する方法を採用すれば、太陽光による迷光成分が多い環
境でも、より高精度で、信頼性の高い光検出が可能とな
る。この場合、所定のサイクル数の繰り返し後の積分値
と、RAM632に格納された8ビットの多値階調デー
タとを比較器631で比較し、一致を確認することにな
る。ここで、「所定のサイクル数」とは、1サイクルで
も良い。サイクル数は直射日光が当たるか否か等の使用
環境やLEDの出力、半導体光検出器の感度等に応じ
て、選べばよい。
【0117】一方、LEDの駆動パルスのタイミングの
選び方で、個人識別情報(施錠解錠システムの必要情
報)を生成することも可能である。たとえば、甲さんは
RRBGBR,RRBGBR,RRBGBR,・・・・・、
乙さんはBRBRGG,BRBRGG,BRBRGG,
・・・・・、丙さんは、GGGGBR,GGGGBR,GG
GGBR,・・・・・のように、それぞれ、自由にタイミン
グを選び、その発光の順番を個人識別情報(施錠解錠シ
ステムの必要情報)とすることも可能である。
【0118】この場合、対象となる特定の被施錠物以外
の他の複数の個人識別情報のコードをシーケンシャルに
並べて、シーケンシャルに発光させても良い。例えば、
同一の人間が複数の玄関のドアの鍵、複数の部屋のドア
の鍵、複数の自動車のドアの鍵、複数の机の引き出しの
鍵、複数の家具の引き出しや扉の鍵、印鑑箱や小物箱の
蓋の鍵、金庫の扉や蓋等の容器の鍵を開ける必要があ
る。この場合、これらの複数の玄関のドアの鍵、複数の
部屋のドアの鍵等の多くの解錠のコードをすべて、手持
ち器具に内蔵されたRAM等の半導体メモリに記憶させ
ておけばよい。そして、これらの個人識別情報のコード
を乗せた各色の発光をシーケンシャルに連続して行い、
ロック機構6がそのロック機構6の内蔵するROMに登
録された個人識別情報との比較を行い、この内の一つに
対し一致を確認すれば、その被施錠物を解錠するように
すれば、たくさんの鍵のうちから特定の鍵を探し出す手
間が不要となる。また、たくさんの鍵を持ち歩く必要も
なくなる。
【0119】さらに、各色のパルス幅を選定して、それ
を個人識別情報とすることも出来る。パルス幅を選定す
る場合、信号発信部4及びロック機構6において、共通
のクロック周波数を選んでおき、そのクロック周波数を
基準としてパルス幅を選んでも良い。即ち、クロック周
波数に応じて光検出のゲートを開く同期検出を行えば、
ノイズ成分や迷光の影響を回避できる。しかし、ノイズ
成分や迷光の影響の少ない使用環境のもとでは、クロッ
ク周波数に無関係に選んで良いことは勿論である。 さ
らに、通常の情報処理システムに用いられている種々の
符号化技術が、各色(各チャネル)について、それぞれ
適用可能で、それをさらに全部の色で組み合わせて実施
することも可能である。
【0120】なお、図10に示す本発明の第3の実施の
形態に係る施錠解錠システムは、図9(b)に対応した
信号発信部4と信号受信部5とを近接させる場合の例を
示しているが、この例に限られない。例えば、図9
(a)に示す場合のように、平行光線または、所定の焦
点距離に集光された光で遠方に位置する信号受信部5に
光を照射する方式にも適用可能であることは勿論であ
る。この場合は、筆記具本体1をライト部本体2から取
り外し、ライト部本体2の第2の光学媒体41露出さ
せ、この第2の光学媒体41の表面からの出力光を用い
ればよい。
【0121】平行光線や所定の焦点距離に集光された光
で遠方を照射する場合は、半導体光検出器51(R),
52(G),53(B)に入力する光強度が距離に依存
する可能性がある。しかし、本発明の第3の実施の形態
に係る施錠解錠システムにおいては、半導体光検出器5
1(R),52(G),53(B)に入力する光強度の
絶対値を、必要な情報として検出しているのではなく、
各色の相対的な強度比を検出しているので、距離が変化
しても、必要な情報の信頼性が失われることはない。
【0122】(その他の実施の形態)以上、本発明を上
記第1乃至第3の実施の形態によって記載したが、この
開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するも
のであると理解すべきではない。この開示から当業者に
は様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らか
となろう。
【0123】例えば、本発明の第1の実施の形態に係る
手持ち器具において、第3の光学媒体の屈折率の分布が
一様な場合を示した。しかし、第3の光学媒体の屈折率
の分布は必ずしも一様である必要はない。図11に示す
ように構成して、第3の光学媒体の屈折率の分布を不均
一にしても良い。図11においては、樹脂製光ファイバ
ー111の複数本を集合し、これを本発明の第3の光学
媒体として用いている。周知のように、光ファイバー1
11は屈折率の高いコア部と屈折率の低いクラッド部か
ら構成されているので、複数本の樹脂製光ファイバーの
互いのクラッド部を融合すれば、一体化した第3の光学
媒体が構成できる。図11(A)に示すように、第3の
光学媒体を構成する各ファイバー111の端部を第2の
光学媒体21に対して所定の角度に配向することによ
り、半導体発光素子(可視光LED)20の光を有効に
第3の光学媒体に導くことが出来る。図11(B)に示
すように、この例では、8本の樹脂製光ファイバーのク
ラッド部111が示されているが、この各クラッド部は
それぞれ8個の光分散部19に導かれている。そして、
この互いに融合した8本の樹脂製光ファイバー111
は、ペン軸筐体110の内部に収納されている。或い
は、透明の光学材料中に8本の貫通孔を形成し、それぞ
れの貫通孔孔の中に、コア部とそれを覆うクラッド部か
らなる光ファイバー111を挿入しても良い。いずれに
しても、光ファイバー111は光の伝送効率が高いの
で、手持ち軸部(第3の光学媒体)10が長くなるよう
な構造の手持ち器具には有効である。また、樹脂製光フ
ァイバー111は安価で、熱による加工も容易であるの
で、樹脂製光ファイバー111を用いることにより、簡
単且つ低コストで、手持ち器具を製造することが可能と
なる。
【0124】また、筆記具は前述したボールペン、万年
筆、毛筆ペン、マジックペンシル、シャープペンシルに
限られるものではない。さらに、蛍光インクペン、修正
インクペン等の様々な筆記具に応用できることは上記の
説明により、本発明の趣旨を理解すれば、自明であろ
う。また、構造は若干複雑になるが、ボールペンとシャ
ープペンシル等2つ以上の機能を有した筆記具や多色の
ボールペンでもかまわない。また、電子手帳やパーソナ
ルコンピュータ等に入力するための電子ペンでもかまわ
ない。
【0125】さらに、筆記具は本発明の手持ち器具の例
の一部に過ぎず、本発明を限定するものではない。図1
に示した構造において、インクカートリッジ15の位置
に、押し出し運動若しくはねじれ運動をする固形状物
(棒紅)を配置すれば、化粧器具(棒口紅)を構成する
ことも可能である。本発明によれば、図1と同様に、光
分散部を設けることにより、口だけでなく、顔全体の広
い範囲を照明できるので、非常に便利である。さらに、
図5(A)の構造を変形すれば、化粧筆を構成すること
も可能である。航空機の客室乗務員等の、特定の状況に
おいては、暗闇で化粧を直したい場合もあり、かかる場
合には本発明の照明装置付き化粧器具は便利である。特
に、本発明の照明装置付き化粧器具は白色光が使用でき
るので、昼間と同じ自然な感じの化粧が暗闇で可能であ
る。
【0126】さらに、本発明の手持ち器具は、図12に
示すドライバ、図13に示すスパナ、図示を省略したレ
ンチ等種々の手工具にも適用可能である。図12に示す
ドライバは、工具本体1Tとライト部本体2とに着脱自
在になっている。第3の光学媒体11からなる手持ち軸
部(柄)10Dは、円筒形の第3の空洞部を有し、この
第3の空洞部には、金属棒からなるドライバ軸(中心軸
部)115が収納され、第3の光学媒体11とドライバ
軸115とは、軸ストッパ116により互いに強固に固
定されている。また、第3の光学媒体11の先端部は凸
形状になり、光集光部11Bを構成し、作業時にドライ
バ軸115の先端部(ヘッド)が効率よく局所照明出来
るようになっている。例えば、工具本体1Tをライト部
本体2から取り外し、手工具本体1Tのみを工具箱に収
納し、ライト部本体2は胸のポケット等に別途携帯すれ
ば、工具箱の施錠・開錠が別途携帯したライト部本体2
の第2の光学媒体の表面からの出力光を用いて可能とな
る。図12においては、力を加え易くするために、ライ
ト部本体2の頭が大きくなっているが、図1と同様に、
ライト部筐体23の他端側の外周にクリップを取り付け
ておけば、ライト部本体2を例えば作業服のポケットに
常時携帯するのに便利である。
【0127】図13に示すスパナも同様に、工具本体1
Dとライト部本体2とに分離可能なように構成されてい
る。図13の工具本体1Dは強固な肉厚金属製の外装ス
リーブ12Sで、所定の力学的強度を保証し、外装スリ
ーブ12Sの内部に第3の光学媒体11が設けられてい
る。外装スリーブ12Sと第3の光学媒体11とで柄
(手持ち軸部)10Sを構成している。長手方向に垂直
な断面図を省略しているが、外装スリーブ12S及び第
3の光学媒体11の垂直な断面は、扁平な矩形断面であ
る。第3の光学媒体11の先端部は凸形状になり、ボル
ト・ナット回転部126の切り欠いた奥部に頂部を露出
し、この頂部からの光で、被作業対象であるボルト・ナ
ットを効率よく局所照明出来るようになっている。
【0128】また、本発明の手持ち器具において、第3
の光学媒体11の中間部分にハーフミラーを装着し、手
持ち軸部10の中間部分から光を照射できるように構成
してもよい。
【0129】また、本発明の第3の実施の形態におい
て、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の強度を8
ビットの多値階調データで変える例を示したが、3色の
組み合わせであるので、現実には3ビット程度の階調デ
ータでも充分に、個人識別情報のコード化は可能であ
る。
【0130】また、赤(R)色、緑(G)色及び青
(B)色の3色の強度比を必ずしも必要とせず、赤
(R)色、緑(G)色及び青(B)色の内のいずれか2
色の強度比を個人識別情報のコードとしてもよい。
【0131】また、局所照明の目的は重要ではなく、単
にセキュリテイ・システムとして考えるのであれば、可
視光LEDだけでなく、赤外光LEDや紫外光LEDを
含めた異なる波長のLEDを2以上選び、それらの波長
の光の強度比を個人識別情報のコードとしてもよい。
【0132】さらに、本発明の半導体発光素子は、LE
Dに限られるものではなく、半導体レーザを用いてもか
まわない。可視光半導体レーザを用いれば、遠方の施錠
対象物に簡単に光を照射出来る利点がある。また、赤外
光半導体レーザや紫外光半導体レーザを含めた異なる波
長の半導体レーザを2以上選び、それらの波長の光の強
度比を個人識別情報のコードとしてもよいことは勿論で
ある。この場合、赤外光半導体レーザや紫外光半導体レ
ーザとの光強度比を決定する組み合わせの相手として、
可視光半導体レーザを用いれば、遠方の施錠対象物に光
が照射されているか否か簡単に視認出来る。
【0133】また、第3の実施の形態に係るセキュリテ
ィ機能を有する施錠解錠システムにおいて、半導体発光
素子410(R)、410(G)、410(B)をそれ
ぞれ、パルス発光させ、ディジジタルな個人識別情報を
生成する場合の例を示したが、正弦波で半導体発光素子
の信号を変調し、アナログ信号による個人識別情報の一
致を確認する方式でもかまわない。この場合は、信号発
信部4の変調部400は、赤(R)色、緑(G)色、青
(B)色の各波長に対応する周波数をキャリア周波数と
し、ロック機構6の光検出器51(R),52(G),
53(B)の出力には復調回路を設け、これらのキャリ
ア周波数に重畳された、正弦波のアナログ信号を取り出
せばよい。
【0134】また、あまり強い光が不要な使用環境であ
れば、本発明の第1の実施の形態で説明した手持ち器具
は別の構造も採用可能である。例えば、第2の光学媒体
21と第3の光学媒体11との間を固定し、第1の光学
媒体212と第2の光学媒体21との間を着脱可能なよ
うにし、第1の光学媒体212の頂部から出る光を照明
光源として使用可能である。そして、第2の光学媒体2
1と第3の光学媒体11とを同一材料で一体として構成
し、第1の光学媒体212と第2の光学媒体21との間
を着脱可能なようにすれば、部品点数が実質的に減少
し、より構造が簡単になる。この場合でも、通常の半導
体発光素子の明るさは確保できるので、一定の目的のた
めには充分機能可能である。
【0135】このように、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従っ
て、本発明の技術的範囲は上記の妥当な特許請求の範囲
に係る発明特定事項によってのみ定められるものであ
る。
【0136】
【発明の効果】本発明によれば、電池の寿命(持続時
間)が長く、しかも従来の半導体発光素子では予測でき
なかった充分な照度の照明が可能な照明装置付き手持ち
器具を提供することができる。このため、適度な広範囲
における充分な照度の局所照明を補助者無しに実現しつ
つ、長時間の暗闇作業が可能である。しかも、自然光に
近い光で、ちらつきもないので、目の疲労も少ない。
【0137】さらに、本発明の照明装置付き手持ち器具
は、部品点数が少なく簡易な構造である。このため、製
作が容易で、かつ製作コストや製品コストの低減が容易
である。
【0138】さらに、本発明によれば、照明装置付き手
持ち器具の構造を利用して光信号を送信し、この光信号
を用いて、簡単に、施錠解錠システムを提供することが
できる。
【0139】さらに、本発明の施錠解錠システムによれ
ば、複数の部屋のドアの鍵、複数の机の引き出しの鍵等
を束にして持ち歩く必要がなくなり、実用上極めて便利
である。これらの複数の部屋のドアの鍵等の代わりに、
たった1本の手持ち器具を胸ポケット等に納めておけば
よいからである。筆記具等の手持ち器具は、生活に密着
した物品であり、置き忘れ等も少ない。
【0140】さらに、本発明の施錠解錠システムによれ
ば、光を情報伝達手段に用いているので、電波方式に比
し、周辺の機器への影響も少なく、逆に携帯電話等の周
辺機器からの影響も少ない。
【0141】さらに、本発明の施錠解錠システムによれ
ば、光学鍵穴への光ビームの視認が容易で、システムの
トラブル・シューティングも容易である。
【0142】さらに、本発明のセキュリティ機能を有す
る施錠解錠システムは、雑音や直射日光の影響を受けに
くく、さらに使用条件の変化により信頼性が失われるこ
ともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る手持ち器具
(筆記具)の断面構造図である。
【図2】図1の手持ち器具(筆記具)の一部を断面にし
て説明する分解構造図である。
【図3】図1の手持ち器具(筆記具)の光路に着目した
模式図である。
【図4】図4(A)は本発明の第1の実施の形態の第1
の変形例に係る手持ち器具(筆記具)の断面構成図、図
4(B)は第1の実施の形態の第2の変形例に係る手持
ち器具(筆記具)の断面構成図である。
【図5】図5(A)は第1の実施の形態の第3の変形例
に係る手持ち器具(筆記具)の断面構成図、図5(B)
は第1の実施の形態の第4の変形例に係る手持ち器具
(筆記具)の断面構成図である。
【図6】第1の実施の形態の第5の変形例に係る手持ち
器具(筆記具)の断面構成図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る施錠解錠シス
テムの概略構成図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る施錠解錠シス
テムの他の概略構成図である。
【図9】図9(a)は、図8に対応した平行ビームで遠
隔操作する場合の施錠解錠システムの具体例を示す図
で、図9(b)は、図7に対応した、近接操作する場合
の施錠解錠システムの具体例を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る施錠解錠シ
ステムの概略構成図である。
【図11】図11(A)は、本発明の他の実施の形態に
係る手持ち器具(筆記具)の長手方向に沿った断面構造
図で、図11(B)は、図11(A)のB−B方向に沿
った断面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施の形態に係る手持ち
器具(手工具)の断面構造図である。
【図13】本発明のさらに他の実施の形態に係る手持ち
器具(手工具)の断面構造図である。
【符号の説明】
1 筆記具本体 1D,1T 工具本体 2 ライト部本体 4 信号発信部 5 信号受信部 6 ロック機構 7 駆動電源部 10 ペン軸(手持ち軸部) 10D,10S 柄(手持ち軸部) 11 第3の光学媒体 11B 光集光部 12 コーティング層 12S 外装スリーブ 14,140,141,142,160 ペン先 15,150,151,152 インクカートリッジ
(中心軸部) 17 光学媒体結合部 18 筆記具側結合部 19 光分散部 20,40 可視光LED 21,41 第2の光学媒体 23 ライト部筐体 24,44 電源部 26,46 スイッチ部 28 ライト側結合部 30,32 クリップ 31 アウターキャップ 50〜53 光検出器(フォトダイオード) 60 電磁ソレノイド 81 机 82 施錠穴 83 引き出し 84 光信号取り込み穴(光学鍵穴) 85 引き出しの前板 110 ペン軸筐体 111 光ファイバー 115 ドライバ軸(中心軸部) 116 軸ストッパ 126 ボルト・ナット回転部 210,410 可視光LEDチップ 212,412 第1の光学媒体 400 変調部 401 送信部 500 受信部 501 復調部 611,612,613 レベル判定器 621,622,623 波形整形回路(若しくはA/
D変換器) 631 比較器 632 RAM 640 ロック・ドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−222722(JP,A) 特開 平11−26816(JP,A) 特開 平7−58362(JP,A) 特開 平7−27011(JP,A) 特開 平9−207495(JP,A) 実開 昭63−4009(JP,U) 実開 昭61−64970(JP,U) 実開 平3−11566(JP,U) 実開 昭61−67187(JP,U) 登録実用新案3057552(JP,U) 実公 昭34−17489(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05B 49/00 B25B 23/00 - 23/18 B43K 1/00 - 1/12 B43K 5/00 - 8/02 B43K 21/00 - 21/26 B43K 24/00 - 24/18 B43K 27/00 - 27/12 F21L 7/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の光学媒体によりモールドされ、該第
    1の光学媒体の頂部より、所定の波長の光を出力する半
    導体発光素子と、 該半導体発光素子を駆動する電源部と、 前記第1の光学媒体を収納する第1の空洞部を内部に有
    し、前記半導体発光素子の光を外部に出射するための湾
    曲面からなる頂部を有する第2の光学媒体と、該第2の
    光学媒体を収納する第2の空洞部を有する第3の光学媒
    体からなる手持ち軸部とを備えたことを特徴とする手持
    ち器具。
  2. 【請求項2】 前記半導体発光素子は、複数の波長の光
    を出力することを特徴とする請求項1に記載の手持ち器
    具。
  3. 【請求項3】 前記第3の光学媒体の先端部近傍に光分
    散部若しくは光集光部をさらに備えたことを特徴とする
    請求項1又は2に記載の手持ち器具。
  4. 【請求項4】 前記第3の光学媒体の屈折率の分布は不
    均一であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載の手持ち器具。
  5. 【請求項5】 前記半導体発光素子は、白色光を出力す
    る発光ダイオードであることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか1項に記載の手持ち器具。
  6. 【請求項6】 施錠対象物の解錠を、該施錠対象物に登
    録された個人識別情報と前記半導体発光素子から光信号
    として送られた個人識別情報との一致を確認して行うこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    手持ち器具。
  7. 【請求項7】 第1の光学媒体によりモールドされ、該
    第1の光学媒体の頂部より、光信号を出力する半導体発
    光素子と、前記第1の光学媒体を収納する第1の空洞部
    を内部に有する第2の光学媒体と、手持ち軸部として機
    能し、且つ前記第2の光学媒体を着脱可能なようにして
    収納する第2の空洞部を有する第3の光学媒体とを具備
    する手持ち器具と、 前記手持ち器具から出射された光信号を受信する信号受
    信部と、受信された光信号が所望の信号であるか否かを
    確認し、所望の信号であることが確認された場合に解錠
    を行うロック機構とを具備する施錠対象物とから構成さ
    れたことを特徴とする施錠解錠システム。
  8. 【請求項8】 前記施錠対象物は前記第3の光学媒体の
    先端部と相似形の光学鍵穴をさらに有し、前記信号受信
    部は該光学鍵穴の側壁に接して構成された半導体光検出
    器を有し、前記第3の光学媒体の先端部を前記光学鍵穴
    に差し込むことにより、前記光信号を前記手持ち器具か
    ら前記信号受信部に伝達することを特徴とする請求項7
    記載の施錠解錠システム。
JP21887099A 1999-07-26 1999-08-02 手持ち器具及び施錠解錠システム Expired - Fee Related JP3388471B2 (ja)

Priority Applications (12)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21887099A JP3388471B2 (ja) 1999-08-02 1999-08-02 手持ち器具及び施錠解錠システム
EP09170879A EP2131404A3 (en) 1999-07-26 2000-07-26 Bulk-shaped lens, light-emitting unit, lighting equipment and optical information system
DE60043546T DE60043546D1 (de) 1999-07-26 2000-07-26 Linse, lichtemittierender körper, beleuchtungskörper und optisches informationssystem
PCT/JP2000/004994 WO2001008228A1 (fr) 1999-07-26 2000-07-26 Lentille en masse, corps luminescent, dispositif d'eclairage et systeme d'information optique
US10/048,373 US6961190B1 (en) 1999-07-26 2000-07-26 Bulk lens, light emitting body, lighting device and optical information system
CNB008133697A CN100426050C (zh) 1999-07-26 2000-07-26 体积型透镜、发光体、照明器具及光信息***
KR1020027001105A KR100682563B1 (ko) 1999-07-26 2000-07-26 벌크형 렌즈, 발광체, 조명 기구 및 광 정보 시스템
CA2380356A CA2380356C (en) 1999-07-26 2000-07-26 Bulk-shaped lens, light-emitting unit, lighting equipment and optical information system
EP00949912A EP1213773B1 (en) 1999-07-26 2000-07-26 Bulk lens, light emitting body, lighting device and optical information system
NO20020396A NO20020396L (no) 1999-07-26 2002-01-25 Massivlinse, lysemisjonslegeme, lysenhet og optisk informasjonssystem
US11/090,810 US7283313B2 (en) 1999-07-26 2005-03-25 Bulk-shaped lens, light-emitting unit, and lighting equipment
US11/764,386 US7554752B2 (en) 1999-07-26 2007-06-18 Lighting equipment

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21887099A JP3388471B2 (ja) 1999-08-02 1999-08-02 手持ち器具及び施錠解錠システム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002052051A Division JP4262924B2 (ja) 2002-02-27 2002-02-27 施錠解錠システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001040922A JP2001040922A (ja) 2001-02-13
JP3388471B2 true JP3388471B2 (ja) 2003-03-24

Family

ID=16726604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21887099A Expired - Fee Related JP3388471B2 (ja) 1999-07-26 1999-08-02 手持ち器具及び施錠解錠システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3388471B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002301669A (ja) * 2001-04-05 2002-10-15 Makita Corp 電動工具
JP4561025B2 (ja) * 2001-09-26 2010-10-13 株式会社デンソー 電気錠装置
KR100443199B1 (ko) * 2002-02-20 2004-08-04 길라씨엔아이 주식회사 필기구
JP3139386U (ja) * 2007-11-30 2008-02-14 サンエス技研株式会社 ライト付き筆記具
JP5814762B2 (ja) * 2011-12-07 2015-11-17 株式会社東日製作所 トルクドライバー
JP2013119149A (ja) * 2011-12-08 2013-06-17 Makita Corp 電動工具
JP6161343B2 (ja) * 2013-03-18 2017-07-12 スタンレー電気株式会社 光学的セキュリティーシステム及び送信装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3057552U (ja) 1998-09-07 1999-06-02 文 嵩 李 スクリュードライバー付き懐中電灯

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3057552U (ja) 1998-09-07 1999-06-02 文 嵩 李 スクリュードライバー付き懐中電灯

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001040922A (ja) 2001-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6961190B1 (en) Bulk lens, light emitting body, lighting device and optical information system
US6371625B2 (en) All solid-state omni directional luminary and flashlight
GB2183021A (en) Tool or key with lighting device
JP3388471B2 (ja) 手持ち器具及び施錠解錠システム
US7139136B2 (en) Handheld illuminating magnifier
JP5167452B2 (ja) バルク型レンズ及びそれを用いた発光体、照明器具及び光情報システム
US10989370B2 (en) Decorative bi-directional portable lighting device
US20080087310A1 (en) Walking stick umbrella
TW504554B (en) Bulky lens, light emitting unit, and lighting instrument
JP4262924B2 (ja) 施錠解錠システム
US11009652B2 (en) Luminous display device
JP4107493B2 (ja) 手持ち器具
JPH117802A (ja) 携帯照明具
CN216896879U (zh) 一种头灯
JP2005125797A (ja) 局所照明装置付筆記具
CN209540571U (zh) 一种水转印导光手电筒
CN212773796U (zh) 一种带有感应光源的门窗把手
CN210107103U (zh) 多功能便携灯具
CN219285865U (zh) 光交互激光笔
US10907800B2 (en) Torch
CN86107717A (zh) 带半导体照明器的夹具
CN203240461U (zh) 管形灯具结构
CN2173413Y (zh) 手持式带标尺、光源放大镜
JPS6315918A (ja) ホルダ−
CN111981334A (zh) 一种户外多功能手电筒

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021203

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090117

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090117

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100117

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120117

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120117

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120117

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees