JP3388167B2 - レンジフード - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、調理設備に設置
されるレンジフードに関し、特に、煙や熱気等を案内し
収束させる湾曲したガイド部を有するレンジフードの構
造に工夫を施すことにより、メンテナンス性、及び清掃
性の向上を図るようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】図６に示す従来の技術のレンジフード１
にあっては、調理時の煮炊き等によって調理用キャビネ
ット２の火力設備２Ａ側から発生する煙や熱気Ｓを左右
両側面部１Ａと背面部１Ｂと天井部１Ｃ及び前面部１Ｄ
とで形成される開放空間Ｆにて捕捉し、この背面部１Ｂ
に開口した排気口３からフィルタ４を通してその裏側の
排気空間５に設置した吸引ファン６による吸引作用にて
排気するとともに、この吸引ファン６に接続した排気筒
７を介して外部に排気することにより、台所、延いては
リビングルーム等の室内への煙や熱気Ｓの拡散を防止
し、室内空気の清浄化を図っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなレンジフードでは前記した開放空間で煙や熱気等を
捕捉するだけであるので、煙等が外部に漏れた場合に
は、開放空間に引き戻すことができず、煙捕集効率の点
で問題があり、また角部に油が付着し易く内面の清掃が
面倒であるといった問題点もあった。

【０００４】そこで、この種のレンジフードの内面を湾
曲面からなる案内面にて形成して煙や熱気等を排気口に
まで誘引する構造とし、これにより捕集効率の向上と清
掃の容易性を図るものが創意される。

【０００５】しかし、レンジフードの内面を湾曲面状に
構成した場合には、裏側等に設置されている吸気ファン
等のメンテナンスをする際に、その案内面全体を取り除
かなければならなくなり、この作業は必ずしも簡単であ
るとはいえず、メンテナンス性の点などに問題を生ずる
ことになる。

【０００６】この発明の目的は、煙捕集効率の良い湾曲
したガイド部を備え、かつ、そのガイド部の構造が簡単
であってメンテナンス性、清掃性の向上等も図ることが
できるようにしたレンジフードを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明は、調理設備の加熱調理器具の上方に
配備され、間口方向の左右両側面部と、該両側面部間に
配設され煙や熱気等を案内し収束させる一部または全部
が湾曲したガイド部と、煙や熱気等を排気する排気手段
とで構成してなるレンジフードにおいて、前記ガイド部
は一部において前後に分割され着脱可能に係合してなる
前方案内板と後方案内板とによって構成されるととも
に、前記排気手段は後方案内板の裏側に設置される吸引
ファンを備えることを特徴とするものである。

【０００８】また、第二の発明は、前方案内板と後方案
内板との分割端側は互いに重り合う連結片にて設けると
ともに、前記連結片の一部に上下で対をなす指掛け用の
隙間部分を形成するものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
１から図５に示す図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、この発明に係る調理設備の排気構造の図示の実施
の形態においては、図６に示す従来の形態のものと構成
が重複する部分は同一符号を用いて説明する。

【００１０】図１から図５は、この発明に係る調理設備
の排気構造の実施の形態を示すものある。この発明に係
るレンジフード１は、間口方向の左右両側面部１Ａ，１
Ａと、該両側面部間に形成され煙や熱気等を案内し収束
させるガイド部１０とからなり、前記ガイド部１０は、
レンジフードの奥行方向Ｙの後方下部から前方に向け傾
斜して立ち上がる第一の案内面１０Ａと、第一の案内面
から連続して前方に向け縦断面略円弧状に湾曲形成して
先端縁を下向きに形成してなる第二の案内面１０Ｂとか
らなる形態をなしている。

【００１１】このガイド部１０は、前記第一の案内面１
０Ａから第二の案内面１０Ｂにかけての所定箇所を間口
方向に渡って前後に分割成形した前方案内板１１と後方
案内板１２とで構成しており、夫々の分割端において互
いに重り合って係合する連結片１１ａ，１２ａが間口方
向に沿って延設され、所定間隔をもってネジ孔１１ｂ，
１２ｂが形成してある。

【００１２】さらに、前方案内板側の連結片１１ａ左右
両端面には縁辺側に開放してなる凹陥部１１ｃ、これに
対応する後方案内板１２の連結片１２ａ側には同幅の切
欠き部１２ｃをそれぞれ形成し、案内板同士が係合した
際に指先の挿入が可能となる指掛け用の隙間部分Ｒとな
るように設けてある。（図３参照）。

【００１３】また、前記後方案内板１２の奥行側端縁に
は、レンジフードへの着脱を図るための取付片１２ｄが
形成されており、レンジフード奥行側に形成される受け
部に対して着脱自在な形状にて設けられている。該取付
片１２ｄは受け部側との係合関係によって形状ならびに
形成位置などが異なるものであって設計段階において選
択的に設定されるものである。

【００１４】しかして、前記ガイド部１０を構成するに
あたっては、前記前方案内板１１を先端縁が下向するよ
うにレンジフードの外装体前方側に取付け、レンジフー
ド奥行側において前記後方案内板１２の取付片１２ｄを
受け部に係合させたうえで、互いの連結片１１ａ，１２
ａが重り合うように係合させ、ネジ孔においてネジ止め
が図られ、これにより、縦断面略円弧状の湾曲面からな
る第一の案内面１０Ｂが得られる。この前方案内板１１
と後方案内板１２とで得られる第一の案内面１０Ｂは略
面一に連続した面となることが好ましく、油脂等の溜り
が少なく、洗浄性も優れたものとなる。

【００１５】つぎに、煙や熱気等を排気する排気手段を
説明すると、該排気手段は図４に示すように、左右側面
部１Ａ，１Ａに形成する排気口３，３と、ガイド部１０
の裏側に形成する排気空間５に設置される吸引ファン６
と、前記排気口から排気空間に連通する煙道５１とから
構成している。

【００１６】前記排気口３，３には、フィルタ４，４が
取外し可能に装着されているとともに、これらのフィル
タ４，４及び排気口３，３を介して調理時に煮炊き等に
よって調理用キャビネット２の火力設備２Ａ側から発生
する煙や熱気Ｓを前記排気空間９に設置した吸引ファン
６の吸引作用にて吸引捕集し、排気筒を介して外部に排
気するようになっている。

【００１７】しかして、上記したレンジフード１の構成
によれば、ガイド部１０がレンジフードの奥行方向Ｙの
後方下部から前方に向け傾斜して立ち上がる第一の案内
面１０Ａと、第一の案内面１０Ａから連続して前方に向
け縦断面略円弧状に湾曲形成して先端縁を下向きに形成
してなる第二の案内面１０Ｂとからなる形態からなって
いるために、図５に示すように、調理時に、調理用キャ
ビネット２の火力設備２Ａ側から発生する上昇流（図５
に点線矢印にて示す）Ｈは、第一の案内面１０Ａに沿っ
て上昇し、第二の案内面１０Ｂに沿って案内されて旋回
流Ｈ１となり、この旋回流Ｈ１による負圧作用にてレン
ジフード先端縁から外部に洩れようとする煙や熱気Ｓの
一部Ｓ１を内部に引き戻すことが可能になる。

【００１８】しかも、レンジフード１のガイド部１０を
形成する第二の案内面１０Ｂは湾曲面に形成されている
うえに各案内板１１，１２の取り外しが可能であるため
に、油汚れの清掃が容易に行なえる。

【００１９】また、煙や熱気等を収束して排気口３，３
に誘導できるため、前記排気口３，３の開口寸法を小さ
くすることが可能になり、これによって、フィルタ４，
４の小型化が可能となり清掃性の向上を図ることができ
る。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明は、調理設備の加熱調理器具の上方に配備され、間口
方向の左右両側面部と、該両側面部間に配設され煙や熱
気等を案内し収束させるガイド部と、煙や熱気等を排気
する排気手段とで構成してなるレンジフードであって、
前記ガイド部は、前記レンジフードの奥行方向の後方
下部から前方に向け傾斜して立ち上がる第一の案内面
と、第一の案内面から連続して前方に向け縦断面略円弧
状に湾曲形成して先端縁を下向きに形成してなる第二の
案内面を構成し、かつ、前記第二の案内面の一部におい
て前後に分割され着脱可能に係合してなる前方案内板と
後方案内板とによって設けてなることから、調理時に、
調理用キャビネットの火力設備側から発生する上昇流が
ガイド部の第一の案内面から第二の案内面に沿って案内
されて旋回流となるために、この旋回流による負圧作用
にてレンジフードの先端部から外部に洩れようとする煙
や熱気の一部を内部に引き戻すことができ、これによっ
て、煙捕集効率の向上を図ることができる。

【００２１】しかも、レンジフードのガイド部を形成す
る第二の案内面が湾曲面にて形成されているために、角
部が無くなり油汚れの清掃を容易に行なうことができ
る。加えて、各案内板は着脱自在に配設されることか
ら、それぞれを分離して清掃することが可能となり、よ
り容易な清掃性が得られる。

【００２２】また、第二の発明にあっては、油汚れなど
が酷くて前方案内板と後方案内板とが癒着し、案内板を
分割させ難いような場合であっても、指掛け用の隙間部
分が設けられていることから、作業に困難を生じさせる
ことはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のレンジフードの一実施形態を示す要
部縦断側面図。

【図２】 この発明に係るガイド部の実施形態を示す説
明図。

【図３】 図２のＩＩ−ＩＩ線に沿って係合した状態で
示す断面図。

【図４】 図１のＩ−Ｉ線における要部横断面図。

【図５】 本発明のレンジフードのガイド部における旋
回流の発生状態を示す概略的説明図。

【図６】 従来のレンジフードを設置したシステムキッ
チンを概略的説明した要部縦断側面図。

【符号の説明】

１・・・レンジフード、 １Ａ，１Ａ・・・左右両側面部、 １０・・・ガイド部、 １０Ａ・・・第一の案内面、 １０Ｂ・・・第二の案内面、 １１・・・前方案内板、 １１ａ・・・連結片、 １１ｂ・・・ネジ孔、 １１ｃ・・・凹陥部、 １２・・・後方案内板、 １２ａ・・・連結片、 １２ｂ・・・ネジ孔、 １２ｃ・・・切欠き部、 １２ｄ・・・取付片、 ２・・・調理用キャビネット、 ２Ａ・・・火力設備、 ３，３・・・排気口、 ４，４・・・フィルタ、 ５・・・排気空間、 ５１，５１・・・煙道、 ６・・・吸引ファン、 ７・・・排気筒、 Ｓ，Ｓ１・・・煙あるいは熱気、蒸気、油 Ｘ・・・間口方向、 Ｙ・・・奥行き方向。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 雅仁 静岡県浜松市西山町1370番地 ヤマハリ ビングテック株式会社内 (72)発明者 丸尾 一平 静岡県浜松市西山町1370番地 ヤマハリ ビングテック株式会社内 (72)発明者 卯野 智博 神奈川県相模原市淵野辺２丁目１番９号 富士工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−185926（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−110332（ＪＰ，Ｕ) 特公 平１−40255（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24F 7/04 - 7/06

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】調理設備の加熱調理器具の上方に配備さ
   れ、間口方向の左右両側面部と、該両側面部間に配設さ
   れ煙や熱気等を案内し収束させる一部または全部が湾曲
   したガイド部と、煙や熱気等を排気する排気手段とで構
   成してなるレンジフードにおいて、 前記ガイド部は一部において前後に分割され着脱可能に
   係合してなる前方案内板と後方案内板とによって構成さ
   れるとともに、前記排気手段は後方案内板の裏側に設置
   される吸引ファンを備えることを特徴とするレンジフー
   ド。
2. 【請求項２】前方案内板と後方案内板の分割端側は、互
   いに重り合う連結片にて設けるとともに、前記連結片の
   一部に上下で対をなす指掛け用の隙間部分を形成してな
   る案内板であることを特徴とする請求項１に記載のレン
   ジフード。