JP3387674B2 - 二成分系現像剤 - Google Patents

二成分系現像剤

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JP3387674B2 JP32930094A JP32930094A JP3387674B2 JP 3387674 B2 JP3387674 B2 JP 3387674B2 JP 32930094 A JP32930094 A JP 32930094A JP 32930094 A JP32930094 A JP 32930094A JP 3387674 B2 JP3387674 B2 JP 3387674B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法あるいは静
電印刷法の如き画像形成方法における電気的潜像を現像
するのに用いられる二成分系現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号、特公昭42−23910号公報
及び特公昭43−24748号公報などに種々の方法が
記載されている。
【0003】これらの電子写真法等に適用される現像方
法としては、大別して乾式現像法と湿式現像法とがあ
る。前者は、さらに二成分系現像剤を用いる方法と一成
分系現像剤を用いる方法に分けられる。
【0004】このうち二成分系現像剤の場合、キャリア
との摩擦によってトナーを所要の帯電極性及び帯電量に
帯電せしめ、静電引力を利用して静電潜像を現像するも
のであり、従ってトナーは正または負の適正な量の電荷
を有する必要がある。
【0005】トナーに電荷を保有せしめるためには、ト
ナーの成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することも出
来るが、この方法ではトナーの帯電性が小さいので、現
像によって得られる画像はカブリ易く、不鮮明なものと
なる。そこで、所望の摩擦帯電性をトナーに付与するた
めに、帯電性を付与する染料,顔料、更には電荷制御剤
を添加することが行われている。
【0006】従来の負帯電用電荷制御剤の代表的なもの
としては種々の金属を含有する有機化合物が挙げられ
る。
【0007】しかしながら、こういった金属を含有する
電荷制御剤には、トナー用結着樹脂との相溶性が劣り分
散性が良くないためトナーの帯電速度が遅い,あるいは
キャリア汚染が発生し易いなど様々な問題が見られ、未
だ改良すべき点が多く残されている。
【0008】一方、トナーの帯電特性の向上をキャリア
の改良により達成する試みも種々行なわれている。キャ
リア粒子としては、従来鉄粉キャリアが多く用いられて
きたが、使用環境の湿度によって帯電特性が大きく変化
したり、粒子表面が化学的に変化しやすいことにより、
今日ではフェライトキャリアが多く用いられるようにな
っている。
【0009】しかしながら、フェライトキャリアそのも
のでは、トナーへの帯電付与能力が不十分であったり長
時間の使用によりキャリア汚染が発生しやすいなど性能
的に不十分な場合が多い。
【0010】そこで、キャリア表面を適当な被覆材で覆
うことによりキャリア汚染を防ぎ、場合によっては被覆
材自身に帯電付与能も持たせるなどした、いわゆる表面
コートフェライトキャリアが近年多々見られるようにな
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表面コ
ートフェライトキャリアにおいても長時間の使用による
被覆材のはがれなど表面の物理的変化は避けられないの
が現状であり、例えば被覆材によりトナーの帯電量を制
御している場合、使用開始時と長期の使用後とでトナー
帯電量が変化することが多い。従って、未被覆のフェラ
イトキャリア芯材の帯電付与能も十分速く、かつ高い必
要があるものの、未だに十分満足し得るものは見当らな
い。
【0012】特に、先述の金属錯体を含有するトナーと
フェライトキャリアを組み合わせた場合、キャリア表面
が被覆あるいは未被覆のいずれの場合も使用開始時はト
ナー帯電量も高く高精細な画像が得られるものの、長時
間の使用と共に帯電量は低下していき、画質の低下やカ
ブリあるいは機内の汚れなどが起こりやすい。
【0013】本発明の目的とするところは、上記の如き
課題を解決し得る二成分系現像剤を提供することにあ
る。
【0014】すなわち、本発明の目的は、長期に渡って
適正な帯電量を維持し、カブリや機内汚れの無い高画質
を与えることができる二成分系現像剤を提供することに
ある。
【0015】本発明のさらなる目的は、特にトナー粒径
が小さい場合に高精細な画像を長期間安定に与えること
ができる二成分系現像剤を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的は、負
摩擦帯電性トナーとキャリアを有する二成分系現像剤に
おいて、該トナーがアルミニウムを含有する有機化合物
を含有してなり、該キャリアがFe以外の金属として第
二イオン化ポテンシャルが17eV以下の金属を1種又
は2種以上含有し、かつ保磁力Hcが100エルステッ
ド以下であるフェライトキャリアであることを特徴とす
る二成分系現像剤によって達成することができる。
【0017】以下に、本発明における構成の詳細な説明
を述べる。
【0018】まず、本発明の特徴の一つは、二成分系現
像剤中のトナーが3価以上の金属を含有する有機化合物
を含有していることにある。
【0019】一般に、錯体や有機化合物の塩において
は、含有する金属イオンの価数が高いほど有機化合物と
金属イオンとの静電的な相互作用が強くなることにより
結合が強固となるため、有機金属化合物が脱離してトナ
ー中に残留しキャリア汚染などを引き起こすことがな
い。従って、現像剤としての耐久性が大きく向上する。
【0020】本発明に用いることのできる3価以上の金
属は、Alである。これは、含有する金属のイオン半径
が小さいほど有機化合物との静電的な相互作用が強くな
り、上述した効果がさらに助長されるからである。
【0021】また、トナー中に含まれる金属含有有機化
合物の含有量としては、トナー中の結着樹脂100重量
部に対し0.1〜10重量部が適量であり、より好まし
くは1〜8重量部が良い。0.1重量部未満ではトナー
の帯電特性の改良に効果が見られず、10重量部を超え
るとカラートナーに適用した場合に透明性が低下する恐
れがある。
【0022】本発明のもう一つの特徴は、上記トナーに
対して、Fe以外のフェライト成分金属として第二イオ
ン化ポテンシャルが17eV以下の金属から選ばれ、か
つ保磁力Hcが100エルステッド以下であるフェライ
トキャリアを組み合せることを必須とした点にある。
【0023】一般に、イオン化ポテンシャルの低い金属
ほどトナーへの負電荷付与能力の高いことが知られてい
るが、本発明者等の検討によると、特にキャリア成分中
に含まれる金属の第二イオン化ポテンシャルがトナーへ
の帯電付与能力と密接に相関していることが判明した。
【0024】これは、現像剤中のキャリアが現像剤担持
体より電荷を補給した際、キャリア中の金属の価数が2
価から1価へと低下した後トナーに電荷を与え再び1価
から2価の状態へ戻るという現象に基づくものと思われ
る。特に、フェライト成分中のFe以外の金属として第
二イオン化ポテンシャルが17eV以下の金属を選択し
た場合にトナーへの帯電付与能力が非常に高くなること
が明らかとなった。
【0025】さらに、前述の構成をとるトナーと上記構
成のフェライトキャリアを組み合せた場合、耐久時のキ
ャリア汚染が著しく抑制されるという現象も確認され
た。この理由は明らかではないが、以下のような説明が
考えられる。
【0026】まず、イオン化ポテンシャルの低い金属に
は負電荷が注入されにくいことより、こういった金属と
有機化合物との相互作用も弱いことが推測される。従っ
て、フェライト成分中の金属としてイオン化ポテンシャ
ルの低いものを選択した場合、トナーとキャリアが接触
する際トナー表面に露出した金属含有有機化合物中の有
機物がキャリア側に移行しにくいことが考えられ、結果
として耐久時のキャリア汚染が著しく減少するものと思
われる。
【0027】また、本発明において使用されるキャリア
の磁気特性として保磁力Hcが100エルステッド以下
であることも重要である。Hcが100エルステッドを
超える場合、内部に磁石を有する現像剤担持体と現像剤
との吸着力が常に強いために、現像によりトナーが消費
されてトナー濃度の低下した現像剤と新鮮な現像剤との
置き換りがスムーズでなく、結果として画像濃度及び画
質の低い画像しか得られない。
【0028】ここで、キャリアのフェライト組成中にお
けるFe成分の含有量は、Fe23換算で20〜95モ
ル%が好ましい。20モル%未満では抵抗を電子写真用
二成分系現像剤に適した値に調整することが難かしく、
また、95モル%を超える場合では磁気特性の調整が困
難となる。
【0029】なお、本発明における現像剤中のキャリア
平均粒径は決められた制限はないが、特に50μm以下
の場合に前述の効果が顕著となる。一般にキャリア粒径
が小さくなるほどキャリア表面積は大きくなり、トナー
と混合する際トナーの帯電速度は速くなる。その反面、
表面積が大きい分だけキャリア汚染の発生する面積も大
きくなるため、長時間使用前後での現像剤の帯電特性も
大きく変化しやすい。
【0030】しかしながら、本発明における現像剤構成
においてはキャリア汚染が著しく抑制されるため、粒径
の小さいキャリアを使用しても長時間使用前後での現像
剤の帯電特性はほとんど変化せず、良好な結果が得られ
る。
【0031】また、本発明における現像剤中のトナー平
均粒径にも決められた制限はないものの、特に8μm以
下の場合に非常に高精細な画像が長期に渡って安定して
得られる。
【0032】一般に、トナーの平均粒径が小さくなるほ
ど得られる画像も高精細なものとなるものの、個々のト
ナー粒子を均一にかつ素早く帯電させることが難かしく
なることが知られている。従って、長時間の使用により
現像剤中のキャリアの帯電付与能が変化した場合、粒径
の小さいトナーほど影響を受け易く、画像濃度の変動や
カブリの悪化などが目立ちやすい。
【0033】しかしながら、本発明の現像剤構成に粒径
の小さいトナーを適用した場合、キャリアの帯電付与能
が高く、かつキャリア汚染が少ないことから、高精細な
画像を使用開始時から長期間に渡り常に安定に得ること
が可能となる。
【0034】なお、3価以上の金属を含有する有機化合
物を含有するトナーについては特開昭62−18275
3号公報、特開昭63−237065号公報、特開平2
−275965号公報などに開示されているものの、い
ずれも第二イオン化ポテンシャルが17eV以下の金属
からなるフェライトキャリアは使用しておらず、本発明
の構成から成る現像剤に見られる著しいキャリア汚染抑
制効果は見られない。
【0035】本発明の現像剤におけるキャリアを表面被
覆して用いる場合、被覆材としては以下のようなものを
使用することができる。すなわち、スチレン系樹脂,ア
クリル系樹脂,その他のビニル系重合体及びそれらの共
重合体,メラミン樹脂,ポリアミド樹脂,アイオノマー
樹脂,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,硬化型シリコ
ーン樹脂などが使用される。これらは一部をハロゲン原
子などで置換されていても良く、また、被覆材中に導電
性微粉末などを含有させても良い。
【0036】芯材料への被覆のためには、例えば上記に
示した重合体の1種又は2種以上の混合物を適当な溶媒
に溶解し得られる溶液中に芯材料を浸漬し、しかる後に
脱溶媒,乾燥,高温焼付けする方法、あるいは芯材料を
流動化床中で浮遊させ、前記共重合体溶液を噴霧塗布
し、乾燥,高温焼付けする方法等を利用することができ
る。
【0037】本発明の現像剤におけるトナー用結着樹脂
としては、従来電子写真用トナー結着樹脂として知られ
る各種の材料樹脂が用いられる。例えば、ポリスチレ
ン,スチレン・ブタジエン共重合体,スチレン・アクリ
ル共重合体等のスチレン系共重合体,ポリエチレン,エ
チレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・ビニルアルコ
ール共重合体のようなエチレン系共重合体、フェノール
系樹脂,エポキシ系樹脂,アクリルフタレート樹脂,ポ
リアミド樹脂,ポリエステル樹脂,マレイン酸系樹脂等
である。また、いずれの樹脂もその製造方法等は特に制
約されるものではない。
【0038】これらの樹脂の中で、特に負帯電能の高い
ポリエステル系樹脂を用いた場合、本発明の効果は絶大
である。すなわち、ポリエステル系樹脂は、定着性にす
ぐれ、カラートナーに適している反面、負帯電能が強く
帯電が過大になりやすいが、本発明の構成にポリエステ
ル樹脂を用いると弊害は改善され、優れたトナーが得ら
れる。
【0039】特に、次式
【0040】
【化1】
【0041】(式中Rはエチレンまたはプロピレン基で
あり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+
yの平均値は2〜10である。)で代表されるビスフェ
ノール誘導体もしくは置換体をジオール成分とし、2価
以上のカルボン酸またはその酸無水物またはその低級ア
ルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えばフマ
ル酸,マレイン酸,無水マレイン酸,フタル酸,テレフ
タル酸,トリメリット酸,ピロメリット酸など)とを共
縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有
するのでより好ましい。
【0042】本発明の現像剤におけるトナーに使用され
る着色剤としては、カーボンブラック,ランプブラッ
ク,鉄黒,群青,ニグロシン染料,アニリンブルー,フ
タロシアニンブルー,フタロシアニングリーン,ハンザ
イエローG,ローダミン6G,カルコオイルブルー,ク
ロムイエロー,キナクリドン,ベンジジンイエロー,ロ
ーズベンガル,トリアリールメタン系染料,モノアゾ
系,ジスアゾ系染顔料等、従来公知の染顔料を単独或い
は混合して使用し得る。
【0043】また、本発明の現像剤におけるトナーに流
動性を向上させる目的で、流動性向上剤を添加してもよ
い。
【0044】本発明に用いられる流動性向上剤として
は、トナーに添加することにより、流動性が添加前後を
比較すると増加し得るものであれば、どのようなもので
も使用可能である。
【0045】例えばフッ素系樹脂粉末、すなわちフッ化
ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末
など;又は脂肪酸金属塩、すなわちステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛など;又は金
属酸化物、すなわち酸化亜鉛粉末、酸化チタン微粉末、
シリカ微粉末、アルミナ微粉末;これら金属酸化物にシ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコー
ンオイルなどにより表面処理を施した表面処理金属酸化
物などがある。
【0046】本発明に係る二成分系現像剤を調製する場
合、トナーとキャリアの混合比率は現像剤中のトナー濃
度として1.0〜15.0重量%、好ましくは3.0〜
12.0重量%にすると通常良好な結果が得られる。ト
ナー濃度が1.0重量%未満では画像濃度が低く実用不
可となり、15.0重量%を超える場合ではカブリや機
内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短める。
【0047】以下に本発明における測定方法について述
べる。
【0048】1)摩擦帯電量の測定方法 測定法を図面を用いて詳述する。
【0049】図1はトナーのトリボ電荷を測定する装置
の説明図である。先ず、底に500メッシュのスクリー
ン23のある金属製の測定容器22に、現像器のスリー
ブ上から採取した現像剤約0.5〜0.9gを入れ金属
製のフタ24をする。このときの測定容器22全体の重
量を秤りW1(g)とする。次に、吸引機21(測定容
器22と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸
引口27から吸引し風量調節弁26を調整して真空計2
5の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好
ましくは約2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。こ
のときの電位計29の電位をV(ボルト)とする。ここ
で28はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。
また、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)と
する。このトナーの摩擦帯電量(μC/g)は下式の如
く計算される。
【0050】トナーの摩擦帯電量(μC/g)=(C×
V)/(W1−W2) 2)カブリの測定方法 カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTOME
TER MODELTC−6DSを使用して測定し、シ
アントナー画像ではamberフィルターを使用し、下
記式より算出した。数値が小さい程、カブリが少ない。
【0051】カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率
(%)−サンプルの非画像部の反射率(%) 3)キャリアの物性値測定 キャリアの磁気特性は、BHU−60型磁化測定装置
(理研測定製)を用いて行なった。
【0052】測定試料は約1.0g秤量し内径7mm
φ,高さ10mmのセルにつめ、前記の装置にセットす
る。測定は印加磁場を徐々に加え最大3,000エルス
テッドまで変化させる。次いで印加磁場を減少せしめ、
最終的に記録紙上に試料のヒステリシスカーブを得る。
これより、飽和磁化,残留磁化,保磁力を求める。
【0053】また、キャリアの粒度分布の測定装置とし
ては、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社)
のSRAタイプを使用し、0.7〜125μmのレンジ
設定で行った。
【0054】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これは、本発明を何ら限定するものではない。
【0055】(キャリア製造例)モル比で表1に示す各
種組成で原料を秤量し、混合した。得られた混合粉を1
000℃以下で仮焼し、粉砕した後、バインダーとして
ポリビニルアルコール水溶液を粉砕した試料に対し1〜
3wt%となるように加え、スプレードライヤーにより
造粒した。
【0056】得られた造粒粉を1100℃〜1300℃
で焼成し、所望のキャリアを得た。
【0057】得られたキャリア物性値を使用した被覆材
と併せて表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】(トナー製造例1) プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を 100重量部 縮合して得られたポリエステル樹脂 フタロシアニン顔料 4重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミ化合物 4重量部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、2軸
押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを
用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェ
ット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた
微粉砕物を分級して、重量平均粒径が8.5μmである
負摩擦帯電性のシアン色の粉体を得た。
【0060】上記着色粉体100重量部と、酸化チタン
微粉末(日本アエロジル製T805)1.0重量部とを
ヘンシェルミキサーで混合し、シアントナー1を得た。
【0061】(トナー製造例2)重量平均粒径を6.0
μmとし、酸化チタン微粉末を1.5重量部とする以外
は、トナー製造例1と同様にしてシアントナー2を得
た。
【0062】(トナー製造例3)ジ−tert−ブチル
サリチル酸のアルミ化合物をジ−tert−ブチルサリ
チル酸のクロム化合物とする以外は、トナー製造例2と
同様にしてシアントナー3を得た。
【0063】(トナー製造例4)ジ−tert−ブチル
サリチル酸のアルミ化合物をインドールカルボン酸のア
ルミ化合物とする以外は、トナー製造例1と同様にして
シアントナー4を得た。
【0064】(トナー製造例5)ジ−tert−ブチル
サリチル酸のアルミ化合物をジ−tert−ブチルサリ
チル酸の亜鉛化合物とする以外は、トナー製造例1と同
様にしてシアントナー5を得た。
【0065】実施例1 シアントナー2とキャリア1とを現像剤中のトナー濃度
が6重量%となるよう混合し、現像剤とした。得られた
現像剤に対し、カラー複写機CLC−500(キヤノン
製)を用い、画像面積比率25%のオリジナル原稿を用
いて20℃/10%の温湿度の環境下2万枚の画出しに
よる評価を行なった。得られた結果を表2に示す。
【0066】表2より明らかなように、上述の現像は初
期から2万枚後まで高精細な画像を与えた。帯電量も安
定に推移し、カブリも少なく、機内の汚れも見られなか
った。画出し評価終了後の現像剤表面をSEMで観察し
たが、キャリア汚染も見られなかった。
【0067】なお、以下の実施例及び比較実施例も同様
に表2に示した。
【0068】実施例2 シアントナー1とキャリア1を用い、トナー濃度を8%
とする以外は実施例1と同様の評価を行ったところ、初
期から2万枚後を通して画質の良好な画像が得られ、帯
電量も安定に推移した。また、カブリも少なく、機内の
汚れも見られなかった。画出し評価終了後の現像剤のS
EM観察でもキャリア汚染は見られなかった。
【0069】比較例1 シアントナー3を用いる以外は実施例1と同様の評価を
行なったところ、耐久を通して非常に高画質の画像が得
られた。カブリの悪化,機内の汚れ及びキャリア汚染が
わずかに見られたものの、いずれも問題の無いレベルで
あった。
【0070】実施例3 シアントナー4を用いる以外は実施例2と同様の評価を
行なったところ、耐久2万枚を通して画質,帯電量共に
安定に推移した。カブリも少なく、機内の汚れ及びキャ
リア汚染共に見られなかった。
【0071】実施例4 シアントナー2及びキャリア2を用い、トナー濃度を5
%とする以外は実施例1と同様の評価を行なったとこ
ろ、耐久2万枚後の画質がわずかに低下したものの、帯
電量は安定に推移しており、カブリの悪化,機内の汚
れ,キャリア汚染は見られなかった。
【0072】実施例5 キャリア3を用いる以外は実施例1と同様の評価を行な
ったところ、耐久2万枚を通して帯電量は安定に推移
し、カブリの少ない非常に高画質の画像が得られた。機
内の汚れ,キャリア汚染共に見られなかった。
【0073】比較例2 シアントナー5を用いる以外は実施例1と同様の評価を
行なったところ、初期は非常に高精細な画像を与えたも
のの、耐久と共に帯電量が低下し、画像濃度の上昇,カ
ブリの悪化,機内の汚れが見られた。SEMによる2万
枚後の現像剤の観察では、キャリア汚染がかなり見られ
た。
【0074】これは、金属含有有機化合物の含有金属が
2価のZnであるため有機物との結合が十分でなく、ト
ナーとキャリアの接触の際トナー中の有機物がキャリア
側に移行したためと思われる。
【0075】比較例3 キャリア4を用いる以外は実施例2と同様の評価を行な
ったところ、初期は良好な画質の画像を与えたものの、
耐久と共に帯電量の低下,画像濃度の上昇,カブリの悪
化,機内の汚れが見られ、キャリア汚染も確認された。
【0076】これは、表1に示すとおりキャリア成分中
の金属の第2イオン化ポテンシャルが高いため有機物ア
ニオンとの相互作用が比較的強く、トナーとキャリアが
接触した際トナーからキャリアへの有機物の移行が起こ
りやすくなってしまったためと思われる。
【0077】比較例4 キャリア5を用いる以外は実施例2と同様の評価を行な
ったところ、初期は良好な画質の画像を与えたものの、
耐久と共に帯電量の低下,画像濃度の上昇,カブリの悪
化,機内の汚れが見られ、キャリア汚染も確認された。
【0078】これは、比較例3と同様にキャリア成分中
の金属の第2イオン化ポテンシャルが表1に示すように
高い値のため有機物アニオンとの相互作用が比較的強
く、トナーとキャリアが接触した際トナーからキャリア
への有機物の移行が起こりやすくなってしまったためと
思われる。
【0079】
【表2】
【0080】
【発明の効果】本発明の二成分系現像剤は、特定の金属
を含有する有機化合物からなるトナーと、第2イオン化
ポテンシャルが特定の範囲となる金属から成るフェライ
トキャリアとから構成されることにより、キャリア汚染
が著しく抑制され、画質及び帯電量が大きく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの摩擦帯電量を測定する装置の説明図で
ある。
フロントページの続き (72)発明者 井田 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−308776(JP,A) 特開 平2−306253(JP,A) 特開 平5−197206(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 G03G 9/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負摩擦帯電性トナーとキャリアを有する
    二成分系現像剤において、該トナーがアルミニウムを含
    有する有機化合物を含有してなり、該キャリアがFe以
    外の金属として第二イオン化ポテンシャルが17eV以
    下の金属を1種又は2種以上含有し、かつ保磁力Hcが
    100エルステッド以下であるフェライトキャリアであ
    ることを特徴とする二成分系現像剤。
  2. 【請求項2】 キャリアのフェライト組成中におけるF
    e成分の含有量が、Fe23換算で20〜95モル%で
    あることを特徴とする請求項1に記載の二成分系現像
    剤。
  3. 【請求項3】 酸化チタン微粉末が外添されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の二成分系現像剤。
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