JP3385556B2 - 送風機用多翼車の射出成形方法および射出成形金型 - Google Patents

送風機用多翼車の射出成形方法および射出成形金型

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JP3385556B2
JP3385556B2 JP5031193A JP5031193A JP3385556B2 JP 3385556 B2 JP3385556 B2 JP 3385556B2 JP 5031193 A JP5031193 A JP 5031193A JP 5031193 A JP5031193 A JP 5031193A JP 3385556 B2 JP3385556 B2 JP 3385556B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、送風機用多翼車の射
出成形方法およびこの方法に用いる多翼車の射出成形金
型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、送風機用多翼車として図5に示す
ものが用いられている。この多翼車1は、金属筒からな
るボス(図示省略)を中心部に埋込んだ中央プレート2
の外周部両端面と両端部のリング3,4とが多数のブレ
ード5,6によって連結されている。これらのブレード
5,6は、それぞれ円周方向に相互間隔を設けて配列さ
れると共に、軸方向に延び、また、中央プレート2一側
のブレード5とその他側のブレード6とは円周方向に位
置をずらしてある。さらに、中央プレート2の外周面と
ブレード5,6の外周をそれぞれ結ぶ外周面との外径が
等しく、これらが円筒状に形成され、リング3,4は中
央プレート2およびブレード5,6の外周から若干突出
するように形成されている。
【0003】前述した多翼車を量産するには、図6ない
し図8の各図に示すように、射出成形金型を用い、一体
成形している。射出成形金型は、図6に示すように、射
出ユニット7aを有する射出成形機7の固定側7bに着
脱可能に固定する固定金型8と、射出成形機7の可動側
7cに着脱可能に固定する可動金型9とから構成されて
いる。図7および図8に示すように、固定金型8は、固
定型本体10の可動金型9と対向する内端面にケーシン
グ11が固定され、ケーシング11には先端側が大径に
なって開口する円錐台状の凹部が形成され、ケーシング
11の底面中央部には固定入れ子12が設けられ、固定
入れ子12の外周部には多数のブレード成形用溝12a
が円周方向に相互間隔を有して、軸方向全長にわたり、
並設されている。
【0004】前記可動金型9は、可動型本体13の固定
型本体10と対向する面に円錐台状のスライダ14が配
置され、スライダ14は横断扇形状の分割片15に4等
分され、各分割片15が半径方向に図示省略したレール
に係合してスライドするように可動型本体13に保持さ
れている。また、スライダ14は、分割片15の閉時に
外周面14aがケーシング11の内周面11aに当接さ
れ、内周面14bが横断面円形に形成され、その両端部
にリング成形用の切欠部16,17が環状に設けられて
いる。
【0005】前記可動型本体13の中央部には固定入れ
子12と対向する可動入れ子18が設けられ、可動入れ
子18の外周部にはブレード形成溝18aが固定入れ子
12のブレード成形溝12aと同様に並設されている。
可動入れ子18を軸方向に貫通して移動する複数の突出
しピン19が通常の手段で可動型本体13に装着されて
いる。
【0006】さらに、固定型本体10には4本のアンギ
ュラピン20の基部が固定され、これらの先端側部がス
ライダ14の各分割片15に形成した傾斜孔15aにそ
れぞれ嵌挿可能にされている。なお、後述するように、
固定,可動入れ子12,18のブレード成形用溝12
a,18aにはそれぞれ抜き勾配が形成されている。ま
た、図7中22は多翼車1のボスであり、このボス22
は送風機の電動機軸に嵌挿されて固定される。
【0007】前述した射出成形金型を用いて多翼車を射
出成形するには、図8(a)に示すように、射出成形機
に装着した固定金型8と可動金型9とが開き、突出しピ
ン19が引込み、スライダ14が外周側に開いた状態
で、固定入れ子12にボス(図示省略)を入れ、射出成
形機の作動によって型閉めを開始し、可動金型9が固定
金型8に向かって前進する。図8(b)に示す型閉め途
中で、固定金型8のケーシング11の内周面11aに可
動金型9のスライダ14の外周面14aが嵌まると共
に、固定金型8に固定したアンギュラピン20の先端部
がスライダ4の分割片15に設けた傾斜孔15aに嵌挿
される(図7参照)。なお、図8(b)に示す状態で
は、各分割片15がスライダ4周方向に離間している。
さらに、可動金型9が前進すると、アンギュラピン20
が傾斜孔15aに深く挿入されて行くことで、分割片1
5が可動金型9の中心側に移動し、図8(c)に示す型
閉め完了時は、各分割片15が互いに密接してスライダ
14が円錐台状になり、その外周面14aが固定金型8
のケーシング11の円周面11aに密接すると共に、固
定入れ子12の先端面と可動入れ子18の先端面との間
に中央プレート成形用の隙間が形成される。
【0008】次に、射出成形機から固定金型8と可動金
型9とによって形成されたキャビテイ内に溶融樹脂を注
入し、この樹脂を冷却してほぼ筒状の多翼車1を成形
し、図8(d)に示す型閉じ状態となる。この状態から
可動金型9が後退する型開きを行うと、固定金型8のケ
ーシング11の底面および固定入れ子12の先端面と離
れると共に、可動金型9の後退に連動して、アンギュラ
ピン20がスライダ14の分割片15から抜き出されて
行くため、図8(e)に示すように型開き途中では成形
された多翼車1が可動金型9に保持された状態になる。
【0009】さらに、可動金型9が後退すると、固定入
れ子12が多翼車1から離れ、アンギュラピン20が分
割片15と離間し、続いてスライダ14が固定金型8の
ケーシング11と離間した図8(f)に示す型開き完了
状態となる。この状態で、複数の突出しピン19が可動
入れ子18から突き出して、多翼車22の中央プレート
2を押す。このため、多翼車1は可動型本体13の内端
面および可動入れ子18から離間して可動金型9から離
れ、図8(g)に示すように、突出し完了状態となる。
その後、固定金型8と可動金型9とで囲まれた部分から
多翼車1を斜めにして外部に取り出す。さらにその後、
突出しピン19を引込め、図8(a)に示す型閉め開始
状態に戻し、前述した動作を繰り返すことで多翼車1を
量産する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述した従来の
送風機用多翼車の射出成形方法では、図9(d),(e)
に示すように、型閉じ状態から型開きすると、その途中
で、成形された多翼車1の固定金型8側のリング3がケ
ーシング11の底面に喰付いて、多翼車1が固定金型8
側に取られ、スライダ14と離れ、この際に多翼車1の
可動金型9側のリング4がスライダ14の切欠凹部17
に引掛って破損し、多翼車1が不良品となり、またスラ
イダ14内は外から見にくいので、リング4の破断片4
aが可動金型9のスライダ14内に残り、破断片4aに
気付かずに金型を閉じ、可動入れ子18などを破損する
ことがあるという問題点があった。
【0011】そこで、図10に示すように、多翼車1の
両ブレード5,6の先端を基準として中央プレート2側
のブレード幅が広くなるように、抜き勾配を設けてい
る。すなわち、固定金型側では6/1000、可動金型
側では5/1000など、固定,可動入れ子12,18
のブレード成形用溝12a,18aの底に率の異なる勾
配を設けることによって、固定金型側のブレード5の型
抜けがよくなるようにしている。しかし、射出成形時に
溶融樹脂が、中央プレートを成形する部分から可動金型
側より先に、固定金型側に流れ、固定金型側に成形され
た多翼車1が取られやすく、前述した前記問題点をほと
んど解決できない。
【0012】この発明は、前述した問題点を解決して、
成形された多翼車が可動金型側に確実に残り、可動金型
側のリングが破損するなどの不良品が発生せず、また前
記リングの破断片が可動金型のスライダ内に残って可動
入れ子が破損するのを防止できる、送風機用多翼車の射
出成形方法およびこの方法に用いる射出成形金型を提供
することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前述
したような送風機用多翼車の射出成形方法において、ス
ライダの内周面の軸方向中央部に形成した環状の凹部
に、固定金型と可動金型とを型閉めしてケーシング、ス
ライダおよび可動型本体に囲まれたキャビテイに注入し
た合成樹脂の一部を充填し、中央プレートの外周部をブ
レードの外周側に突出させて形成し、その後、可動金型
を固定金型と離れるこれらの軸方向に移動させ、この移
動と連動させてスライダを開く型開きの始めに、中央プ
レートの外周部がスライダの凹部に嵌まり、成形された
多翼車を可動金型側に留めるようにしている。
【0014】また、請求項2の発明は、前述のような送
風機用多翼車の射出成形金型において、スライダの内周
面の軸方向中央部に、型閉め完了時に環状になると共
に、固定、可動両入れ子の先端面間の中央プレート成形
用の隙間と対向する、中央プレートの外周部成形用の凹
部を形成したものである。
【0015】さらに、請求項3の発明は、請求項2に記
載の送風機用多翼車の射出成形金型において、固定入れ
子の外周部に並設した多数のブレード成形用溝の底に、
固定金型側のブレード先端を基準として中央プレート側
に大きくなる抜き勾配をそれぞれ形成し、可動入れ子の
外周部に並設した多数のブレード成形用溝の底に、中央
プレート側のブレード基端を基準として、可動入れ子の
ブレードの先端に向かって小さくなると共に、固定入れ
子のブレードの抜き勾配より低率となる抜き勾配をそれ
ぞれ形成したものである。
【0016】
【作用】請求項1の発明による送風機用多翼車の射出成
形方法は、スライダの内周面に形成した環状の凹部に、
型閉めが完了し固定金型と可動金型とによって形成され
たキャビテイに注入した合成樹脂の一部を充填し、中央
プレートの外周部をブレードの外周側に突出させたの
で、型開きの始めに、可動金型が固定金型と離れる軸方
向に移動し、この移動と連動してスライダが開き、成形
された多翼車の外周面からスライダの内周面が離れる
際、その凹部に中央プレートの外周部が嵌まっているた
め、この外周部によって可動金型側に多翼車を強制的に
留める。
【0017】したがって、型開きを続けることで、多翼
車が、固定金型側に取られることなく、可動金型側に確
実に残ってこれと共に移動し、リングを破損させずに多
翼車を固定金型から型抜きでき、型開き完了後、可動金
型から多翼車を型抜きすることで、不良品の発生をなく
すと共に、リングの破断片がスライダ内に残って可動入
れ子が破損することを防止できる。
【0018】請求項2の発明による送風機用多翼車の射
出成形金型は、可動金型に設けたスライダの内周面の軸
方向中央部に凹部を形成する、簡単な加工の付加によっ
て、型閉め完了時にスライダが閉じると、その内周面に
環状の凹部ができ、請求項1の多翼車の射出成形方法を
行うことができる。
【0019】請求項3による送風機用多翼車の射出成形
金型は、固定入れ子と可動入れ子とに設けたブレード成
形用溝の底に設けた抜き勾配を、可動入れ子では固定金
型側のブレード先端を基準とし、固定入れ子では中央プ
レート側のブレード基端を基準として形成し、可動入れ
子の抜き勾配を固定入れ子の抜き勾配より低率にしたの
で、型開きの開始時に、成形された多翼車の固定金型側
のブレードの型抜けがよくなり、多翼車が可動金型側に
残りやすくなる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1ないし図4
について説明する。図1および図2は、この発明の一実
施例による射出成形方法で得た送風機用多翼車を示し、
この多翼車1は、中央プレート2の外周部2aをブレー
ド5,6の外周側に環状に突出させてある。すなわち、
中央プレート2の外径寸法をA、ブレード5,6の外周
を結ぶ外径寸法をB、両端部に設けたリング3,4の外
径寸法をCにすると、B<A<Cの関係とする。なお、
A,B,Cはいずれも直径である。
【0021】具体的には、B=135mmの多翼車1で
は、A=B+2.0mm〜4.0mm、好ましくは、3.0
mm〜4.0mmにする。このことは、図2に示すように、
固定金型側のリング3の厚み5.0mm以上を型開きする
場合、アンギュラピン20の射出成形金型軸線方向に対
する傾斜角度を15°すると、スライダ14の移動量が
tan15°=0.268となり、中央プレート2の外
周部2aを半径で1.33mm(約1.5mm)として外径
を直径で3mm以上に設定すればよい。ただし、固定金型
8のケーシング11との干渉があるので、C=B+6mm
とする。
【0022】そこで、この実施例の射出成形金型のスラ
イダ14には、その軸方向中央部に位置させると共に、
分割片15が閉じた状態で環状となる1.0mm〜2.0
mm程度の深さに凹部23を内周面に堀り込む。
【0023】さらに、図1,図2,図3に示すように、
多翼車1の固定金型側のブレード5の先端を基準として
中央プレート2側のブレード幅が広くなるように抜き勾
配を設け、中央プレート2側の基端を基準として先端側
のブレード幅が狭くなるように抜き勾配を設け、これら
の勾配は固定金型側では6/1000、可動金型側では
5/1000にする。このために、固定入れ子12、可
動入れ子18のブレード成形用溝12a,18aの底に
前記の抜き勾配を形成する。なお、図1ないし図3の各
図において、図5ないし図10の各図と同符号は対応す
る部分を示し、この実施例に係る多翼車1および射出成
形金型の前述した以外の構成は、図5ないし図10の各
図に示した従来の多翼車および射出成形金型と同様であ
る。
【0024】次に、この発明の一実施例による多翼車の
射出成形方法について説明する。図3に示す射出成形金
型を用い、射出成形機の固定側に固定金型8、可動側に
可動金型9をそれぞれ着脱可能に固定し、これらが全開
した型開き状態とし、型閉め開始から型閉め完了までの
工程を、図8に示し前述した従来の射出成形方法と同様
に行う。
【0025】型閉め完了状態で、固定金型8と可動金型
9とによって形成されたキャビテイ内に溶融樹脂を注入
すると、この樹脂の一部が可動金型9のスライダ14の
内周面14bに形成された環状の凹部23にも充填さ
れ、成形された多翼車1の中央プレート2の外周部2a
がブレード5,6の外周側に突出する(図3,図4
(d)参照)。また、固定,可動入れ子12,18のブ
レード成形用溝12a,18aには底に率の異なった勾
配が設けられているので、図1,図2を参照して前述し
た抜き勾配が、ブレード5,6に形成される。このた
め、溶融樹脂は、中央プレート2側から、固定金型8側
のリング3側へ流れるより先に可動金型8側のリング4
側に流れる。
【0026】注入した樹脂を冷却した後、図4(d)に
示す型閉め状態から可動金型9が後退する型開きを行う
と、成形された多翼車1は、図4(e)および図3に示
すように、固定金型8のケーシング11底面および固定
入れ子12の先端面と離間し、固定金型8に固定したア
ンギュラピン20がスライダ14の分割片15から抜き
出されることで、可動金型9と連動してスライダ14の
各分割片15が半径方向外側に移動し、多翼車1のリン
グ3,4外周部、ブレード5,6の外周面、中央プレー
ト2の外周部2aがそれぞれスライダ14の内周面14
aから離れ、多翼車1のリング4先端面が可動金型9の
可動型本体13に接着して保持された状態となる。
【0027】この際、多翼車1の固定金型8側のブレー
ド5が固定入れ子12のブレード成形溝12aから抜き
出されるが、固定金型8側のブレード5には先端を基準
として6/1000の抜き勾配が形成され、可動金型9
側のブレード6には中央プレート2側の基端を基準とし
て可動金型9側に小さくなる5/1000の抜き勾配が
形成され、前述したように、合成樹脂が固定金型8側の
リング3側より先に可動金型8側のリング4側に流れる
ので、その中央リング2側に従来のもののような段差が
できないこともあって、固定金型8側のブレード5の型
抜けがよくなり、多翼車1が可動金型9側に残りやすく
なる。
【0028】また、スライダ14に設けた環状の凹部2
3に中央プレート2の外周部2aが喰込んだ状態から型
開きを開始し、スライダ14の内周面から多翼車1の外
周面が離れる時には、スライダ14の凹部23に中央プ
レート2の外周部2aが嵌まっているため、この外周部
2aによって多翼車1を可動金型9側に強制的に留め
る。したがって、成形された多翼車1は、固定金型8側
に取られることなく、可動金型9側に確実に残る。
【0029】図4(e)に示す型開き途中の状態から、
さらに可動金型9が後退すると、固定入れ子12が多翼
車1から離れ、アンギュラピン20が分割片15と離間
し、スライダ14がケーシング11と離間した図4
(f)に示す型開き完了状態となる。型開き完了後は、
前述した従来の射出成形方法と同様に突出しピンの突出
しによって多翼車1を可動型本体13の内端面および可
動入れ子18から離間させ、多翼車1を射出成形金型外
に出し、突出しピンを引込めて、前述した動作を繰り返
すことで、多翼車を量産する。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よる送風機用多翼車の射出成形方法は、スライダの内周
面に形成した環状の凹部に、型閉めが完了し固定金型と
可動金型とによって形成されたキャビテイに注入した合
成樹脂の一部を充填し、中央プレートの外周部をブレー
ドの外周側に突出させたので、型開きの始めに、可動金
型が固定金型と離れる軸方向に移動し、この移動と連動
してスライダが開き、成形された多翼車の外周面からス
ライダの内周面が離れる際、その凹部に中央プレートの
外周部が嵌まっているため、この外周部によって可動金
型側に多翼車を強制的に留める。
【0031】したがって、型開きを続けることで、多翼
車が、固定金型側に取られることなく、可動金型側に確
実に残ってこれと共に移動し、リングを破損させずに多
翼車を固定金型から型抜きでき、型開き完了後、可動金
型から多翼車を型抜きすることで、不良品の発生をなく
すと共に、リングの破断片がスライダ内に残って可動入
れ子が破損することを防止できる。
【0032】また、請求項2の発明による送風機用多翼
車の射出成形金型は、可動金型に設けたスライダの内周
面の軸方向中央部に凹部を形成する、簡単な加工の付加
によって、型閉め完了時にスライダが閉じると、その内
周面に環状の凹部ができ、請求項1の多翼車の射出成形
方法を行うことができる。
【0033】さらに、請求項3による送風機用多翼車の
射出成形金型は、固定入れ子と可動入れ子とに設けたブ
レード成形用溝の底に設けた抜き勾配を、可動入れ子で
は固定金型側のブレード先端を基準とし、固定入れ子で
は中央プレート側のブレード基端を基準として形成し、
可動入れ子の抜き勾配を固定入れ子の抜き勾配より低率
にしたので、型開きの開始時に、成形された多翼車の固
定金型側のブレードの型抜けがよくなり、多翼車が可動
金型側に残りやすくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る射出成形方法によっ
て得た送風機用多翼車の概略斜視図
【図2】図1の送風機用多翼車の縦断説明図
【図3】この発明の一実施例に係る送風機用多翼車の射
出成形金型を示した部分縦断面図
【図4】この発明の一実施例に係る送風機用多翼車の射
出成形方法の要部を示した説明図
【図5】従来の射出成形方法によって得た送風機用多翼
車の概略斜視図
【図6】図5の送風機用多翼車を成形する射出成形金型
を射出成形機に装着した概略正面図
【図7】従来の送風機用多翼車の射出成形金型を示した
部分縦断面図
【図8】従来の送風機用多翼車の射出成形方法を工程順
に示した説明図
【図9】図8の射出成形方法による問題点の説明図
【図10】従来例の送風機用多翼車の抜き勾配の説明図
【符号の説明】
1 多翼車 2 中央プレート 2a 外周部 3,4 リング 5,6 ブレード 7 射出成形機 8 固定金型 9 可動金型 11 ケーシング 12 固定入れ子 12a ブレード成形用溝 14 スライダ 15 分割片 16,17 リング成形用の切欠部 18 可動入れ子 18a ブレード成形溝 20 アンギュラピン 23 凹部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−43223(JP,A) 特開 平3−43239(JP,A) 特開 昭57−91225(JP,A) 特開 昭60−90727(JP,A) 実開 平4−102823(JP,U) 実開 昭60−114818(JP,U) 実開 昭60−117116(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内の中央部に固定入れ子が設
    けられた固定金型に、可動型本体にこの本体の内端面中
    央部に位置する可動入れ子および可動入れ子の外周側に
    配置されて半径方向に移動する複数の分割片からなるス
    ライダが設けられた可動金型を型閉めし、前記ケーシン
    グ、ケーシング内に嵌まったスライダおよび可動型本体
    に囲まれたキャビテイに合成樹脂を注入し、前記両入れ
    子の先端面間の隙間によって成形した中央プレートと、
    この中央プレートの両側に周方向に沿ってそれぞれ多数
    のブレードと、これらのブレードの先端部を連結するリ
    ングとを一体に成形する送風機用多翼車の射出成形方法
    において、前記スライダの内周面の軸方向中央部に形成
    した環状の凹部に、前記キャビテイに注入した合成樹脂
    の一部を充填し、前記中央プレートの外周部を前記ブレ
    ードの外周側に突出させて形成し、その後、可動金型を
    固定金型と離れるこれらの軸方向に移動させ、この移動
    と連動させてスライダを開く型開きの始めに、中央プレ
    ートの外周部がスライダの凹部に嵌まり、成形された多
    翼車を可動金型側に留めることを特徴とする送風機用多
    翼車の射出成形方法。
  2. 【請求項2】 ケーシング内の中央部に固定入れ子が設
    けられた固定金型と、可動型本体にこの本体の内端面中
    央部に位置する可動入れ子および可動入れ子の外周側に
    配置されて半径方向に移動する複数の分割片からなるス
    ライダが設けられた可動金型とを備え、前記両入れ子を
    型閉め時にこれらの先端間に中央プレート成形用の隙間
    が形成される長さに形成し、両入れ子の外周部に周方向
    に沿う多数のブレード成形用溝を並設すると共に、前記
    スライダの内周面の軸方向両端部にリング成形用の切欠
    部をそれぞれ形成した送風機用多翼車の射出成形金型に
    おいて、前記スライダの内周面の軸方向中央部に、型閉
    め完了時に環状になると共に、前記両入れ子の先端面間
    の中央プレート成形用の隙間と対向する、中央プレート
    の外周部成形用の凹部を形成したことを特徴とする送風
    機用多翼車の射出成形金型。
  3. 【請求項3】 固定入れ子の外周部に並設した多数のブ
    レード成形用溝の底に、固定金型側のブレード先端を基
    準として中央プレート側に大きくなる抜き勾配をそれぞ
    れ形成し、可動入れ子の外周部に並設した多数のブレー
    ド成形用溝の底に、中央プレート側のブレード基端を基
    準として、可動入れ子のブレードの先端に向かって小さ
    くなると共に、固定入れ子のブレードの抜き勾配より低
    率となる抜き勾配をそれぞれ形成したことを特徴とする
    請求項2に記載の送風機用多翼車の射出成形金型。
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