JP3385380B2 - アンドロゲン受容体蛋白質をコードしたdna - Google Patents

アンドロゲン受容体蛋白質をコードしたdna

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一部資金を国立衛生研究所からの補助を受
けて為された研究により生まれたものである(NIH HD
16910、HD04466、およびHD18968)。
技術分野 本発明は、組換え体DNA分子および、それからの表現
(expression)生成物に係るものである。より詳細に
は、本発明はアンドロゲン受容体蛋白質(androgen rec
eptor protein)のためにコード化(coding)された組
換え体DNA分子と、アンドロゲン受容体蛋白質、およびD
NA分子および蛋白質を研究用、診断用および治療用目的
に使用することに、係るものである。
背景技術 天然に出現するアンドロゲン類ホルモンのテストステ
ロンおよびその5−位還元代謝物、ジヒドロテストステ
ロンは、睾丸のライディッヒ(Leydig)細胞により合成
され、体内を循環し、体内で細胞中に拡散しアンドロゲ
ン受容体蛋白質(“AR")と結合する。アンドロゲン
は、それらの受容体を通しての作用によって、胎児にお
ける男性性器および付属性腺の分化、思春期男性におけ
る男性性器の成熟と成長、および成人男子の男性性器と
生殖機能の維持の刺激となっている。アンドロゲン受容
体は、他のステロイドホルモン受容体と一緒になって、
特殊遺伝子シーケンスとの相互作用による遺伝子転写の
制御を司っている相補的転写制御蛋白質の一群を構成し
ている。
前立腺癌が前立腺に限られていることが判明した時に
は、選択する治療は外科的な除去である。しかしなが
ら、前立腺癌患者の50乃至80%は、既に診断の段階で転
移している。これら癌の多く(70乃至80%)は、性腺刺
激ホルモン放出ホルモン類似物を単独で使用するか、ま
たは抗アンドロゲンとの共用によって、脳下垂体による
黄体化ホルモン分泌を抑制するか、または去勢によるア
ンドロゲンの除去処理の対象となる。この処置による予
後の程度および生存期間は、非常にまちまちである(10
%が生存期間6ケ月以内、50%が生存期間3年以内、10
%が10年以上生存)。この処置によって、初めには癌細
胞がアンドロゲン刺激がないことで後退するが、しか
し、結局はアンドロゲンに無関係の腫瘍細胞が成長し続
ける(35)。現在のところ、患者がホルモン療法に好反
応を示すかどうか、またどの位の期間好反応のままで維
持できるかを、個々の患者ベースで予測することは不可
能である。もし好反応を示さない患者が早期に固定され
ることができるならば、これら患者がより好ましい反応
を示せる早い段階で、別の治療方法(例えば化学療法)
によって処置されることができるようになろう。
前立腺癌におけるアンドロゲン受容体に関する研究
が、癌細胞中におけるアンドロゲン受容体の存在とアン
ドロゲンホルモン刺激に対する癌細胞増殖の依存性との
間に、正の相関関係があることを暗示している。(同様
の現象は乳癌にも存在しており、エストロゲン受容体
と、エストロゲン除去に対応しての癌後退との間には、
相関関係がある。)。しかしながら、アンドロゲン受容
体の測定における方法に問題があるので、前立腺癌の診
断評価にアンドロゲン受容体試験を常法として実施する
ことは困難である。我々のアンドロゲン受容体の製造の
前までは、すべてのアンドロゲン受容体試験は、[3H]
−ラベルのアンドロゲンとの結合に基づいていた。これ
らの試験はヒトの前立腺癌組織の場合には信頼性がな
く、これはアンドロゲン結合部位が非常に不安定であ
り、非ラベル アンドロゲンが組織中に存在していたた
めである。内生アンドロゲンが、受容体上の結合部位を
占有して、非常にゆっくりと解離する(通常24−48時間
で約半分の解離)。さらに問題なのが、パイオプシー
(生体組織検査)サンプルが非常に小量であり、[3H]
−アンドロゲン結合試験用に十分量の組織を得ることが
難しいことである。さらに、前立腺癌は、細胞タイプに
関して不均質である。従って単一なバイオプシーサンプ
ルだけでは、アンドロゲン受容体を含む細胞の分布が不
揃いとなる。
男性表現型の発達と男性生殖機能の成熟とは、アンド
ロゲン ホルモンとアンドロゲン受容体蛋白質との相互
作用に依存しており、さらに、この受容体が遺伝子表現
の相補的誘起物質としての機能を有していることによっ
ている。過去25年にわたる研究で、アンドロゲン受容体
の遺伝的欠損が、女性性徴を持った遺伝的男性(46,X
Y)から、表現的には正常の男性であるが生殖能力を欠
く場合まで広範囲の発達および機能障害をもたらすこと
が、確立されるようになった。アンドロゲン受容体の構
造遺伝子の単離が、これらのゲノム的欠損の性質を分子
的に規定できるようにしている。遺伝的欠損から起こる
機能的相関性の解析が、アンドロゲン受容体遺伝子表現
の制御、および男性性発達と男性の性機能におけるアン
ドロゲン作用機作を、よりよく理解できるようにしてい
る。
精巣性女性化症候群としても知られているアンドロゲ
ン不感性症候群は、アンドロゲンの作用を細胞内で媒介
する蛋白質のアンドロゲン受容体の欠損によるアンドロ
ゲン応答不能として特徴づけられている。アンドロゲン
不感症は家族性に発生するX連鎖劣性形質であり、完全
型および不完全型の両方で表れる。完全型は、胚形成時
に男性の性分化が欠如し、思春期での男性化を欠くこと
となる。この結果は、睾丸及び男性体内導管を有する4
6,XYの遺伝的な男性である。精巣は、正常量のテストス
テロンおよび抗ミュラー管ホルモンを生成している。従
って子宮の発達は、正常男性におけると同様に抑制され
ている。アンドロゲンへの応答不能のために、外生殖器
(外性徴)は正常の陰核(クリトリス)および***を有
する女性表現に止っている。小型の膣が尿路性器洞から
発達し、閉止嚢に終わっている。思春期には、***の発
達と女性的な曲線輪郭が、精巣エストロゲン(卵巣ホル
モン)に応答して表れるが、しかしながら、循環テスト
ステロン濃度が正常男性における水準と同等またはより
大きくても、性毛の成長はない。
アンドロゲン不感性症候群の不完全型は、不完全なア
ンドロゲン応答性の程度の多様性から、多くの変化を含
んでいる。一つの極端な例では、クリトリスが中等程に
大きくなっているが、陰毛はまばらである。反対の極端
な例では、尿道下裂の奇形をさまざまな程度で有するが
顕著に男性表現を有する、より完全な男性化が特徴とな
っている。他の面では正常であるが、重い***過少症ま
たは無***症である成人男性のある場合には、アンドロ
ゲン受容体の欠損が原因であると報告されている。これ
らは、生殖能力のない男性の約10%になっている。
このような範囲の異常を生み出す遺伝子的欠損は、ア
ンドロゲン受容体のための遺伝子のレベルで起こる単一
の生化学的事象であると考えられている。アンドロゲン
受容体は、高親和性のアンドロゲン結合蛋白質であり、
遺伝子表現の相補的誘起物質として機能することによっ
て、テストステロンおよびジヒドロテストステロンの効
果を媒介している。適正な男性の性発達を起こすために
は、胚形成および思春期の決定的な時期にアンドロゲン
およびアンドロゲン受容体が是非必要である。アンドロ
ゲン不感性症候群を有する人達の大部分は、そのような
家系の歴史を有しているが、しかしこれらの患者の約1/
3は、このX連鎖異常となる突然変異からきている。こ
の発生頻度は、誕生男性20,000乃至60,000当りで1例と
なっている。
アンドロゲン不感性症候群の臨床的に証明された家族
についての研究から、4種類の主要カテゴリーが認めら
れたが、これらは最も重い例として、遺伝子的に男性で
あるが女性表現となっている受容体結合活性の完全に無
い患者から、定性的には正常の受容体を有する患者ま
で、さまざまである。2番目に重い患者は、正常レベル
に存在している受容体によるアンドロゲン結合が定性的
に異常である場合となっている。これらの例では、患者
の受容体を安定化するモリブデン酸ナトリウム(ステロ
イド受容体の研究で、しばしば用いられる試薬)の欠如
が原因となっている。モリブデン酸ナトリウムは、野生
型受容体を安定化することで知られている。標準的に転
換を起こすような条件下での受容体に関する不安定性
も、また報告されている。3番目の患者グループでは、
インビトロの結合性能において野生型との受容体量が減
少していることを示している。最後のグループでは、受
容体に何らの異常も検出されないアンドロゲン不感症患
者となっている。最近この種症候群の研究において、ア
ンドロゲン受容体が、野性型受容体と同様にオリゴヌク
レオチドと結合できることが判った。実際には、極めて
最近まで、従来技術ではある種の場合に患者におけるア
ンドロゲン受容体欠損を証明することが、困難であっ
た。
過去における受容体欠損を試験するのに用いた実験的
方法は、高親和力でアンドロゲンと結合する受容体能力
によっていた。この方法の限界は、受容体の表現脱落と
アンドロゲン結合能の欠損との間の相違を区別すること
ができなかったことである。不十分な方法が、いかに診
断を複雑にさせているかの例としては、部分的に男性化
している患者において、受容体結合能を検知することが
できないことである。理論的には、欠陥のあるアンドロ
ゲン結合能を有する受容体に、遺伝子転写を誘起させる
突然変異がおこることは可能である。ステロイド結合能
力を欠いているが、DNA結合領域を保持しているグルコ
コルチコイドの生物学的に活性な切頭形状物が、遺伝子
工学的に作られた変異原物質を用いて、證明されてい
る。
アンドロゲン受容体の精製は、それが低濃度であるこ
とと、不安定性が高いことのために達成するのが困難で
ある。カラムクロマトグラフィーまたはステロイド親和
性クロマトグラフィーのいずれかの常法を用いて精製す
る試みが報告されているが、モノクローナル抗体の製造
をするのにも不十分な量の受容体蛋白質を得ただけに終
わっている。
アンドロゲン受容体の部分精製に関する初期の報告
が、Mainwaring等によって、Biochem J,134,113−127
(1973)の“ステロイド受容体コンプレックスの特性を
表すことと部分精製のためのDNA−セルロースクロマト
グラフィーおよび等電点電気泳動の使用”と題する論文
中に開示されている。この著者らは、ラット腹部の前立
腺から受容体を分離するのに、DNA−セルロースクロマ
トグラフィーおよび等電点電気泳動法を使用して、その
受容体の物理化学および化学的性状を決定している。こ
の著者らのグループが、ステロイド親和性クロマトグラ
フィーを通常のクロマトグラフィーと組み合わせて使用
し、受容体精製に親和性ラベル17B−ブロモアセトキシ
テストステロンを使用した試みの最初の研究者らであっ
た(参照:Mainwaring等、“アンドロゲン受容体蛋白質
の精製における親和性ラベル(親和性標識試薬)17B−
ブロモアセトキシテストステロンの使用”、ステロイド
受容体研究の展望(1980))。アンドロゲン受容体の部
分精製は、また別の組織源、例えば雄羊性嚢等でも試み
られている(参照:Foekens等、分子細胞性内分泌学(Mo
lecular Cellular Endocr.),23,173−186(1981)お
よびFoekens等、“羊精嚢のアンドロゲン受容体の精
製”、Biochem Biophys Res Comm,104,1279−1286(198
2))。内部精製された受容体は、蛋白質分解された受
容体の特性を示したが、2000倍の精製で33%回収率だっ
たという報告がなされた(参照:Foekens等、“羊精嚢の
アンドロゲン受容体の精製”、Biochem Biophys Res Co
mm,104,1279−1286(1982))。その後も精製の試みが
続けられ、ステロイド親和性クロマトグラフィーと常法
技術を組み合わせて有意の精製度に到達したと報告がさ
れたが、回収率が低くてさらに分析することができなか
った(参照:Chang等、“雄子牛性嚢からのアンドロゲン
受容体の精製およびその物性",Biochemistry 21,4102−
4109(1982)およびChang等、“ラット腹部前立腺細胞
質からのアンドロゲン受容体の精製およびその物性",Bi
ochemistry 22,6170−6175(1983)およびChang等、
“ラット前立腺細胞質ゾル中のアンドロゲン受容体の17
B−〔(ブロモアセチル)オキシ〕−5−α−アンドロ
スタン−3−オンによる親和性標識(アフィニティーラ
ベル)",Biochemistry23,2527−2533(1984))。より
最近の研究は、アンドロゲン受容体に結合する能力を、
各種の固定化アンドロゲンに対する有効性で測定してい
る(参照:De Larminat等、“細胞核アンドロゲン受容体
の精製における親和性クロマトグラフィー用の固定化ア
ンドロゲン類の合成におよび評価",The Prostate(前立
腺),123−140(1984)およびBruchovsky等、“固定
化リガンドによる親和性クロマトグラフィーによる細胞
核アンドロゲン受容体の化学的証明",The Prostate(前
立腺)10,207−222(1987))。これらの努力にもかか
わらず、受容体は未だ均質であるところまで精製されて
おらず、得られた精製アンドロゲン受容体の量は抗血清
製造のためには不十分であった。
アンドロゲン受容体の臨床実験は、現在数種類の方法
を含んでいる。最も普通の方法は、トリチウム標識ホル
モンの結合および、木炭吸着法を用いての結合力測定で
ある。天然アンドロゲン例えばジヒドロテストステロ
ン、または合成アンドロゲン例えばミボレロン(mibole
rone)またはメチルトリエノロン(R1881)のいずれか
が用いられることができる。後者が人組織中で有利な点
は、これが有意の程度に代謝されることがなく、血清ア
ンドロゲン結合蛋白質、性ステロイド結合グロブリンに
結合しないことである。受容体の放射性同位元素標識法
の限界は、内性アンドロゲンにより引き起こされる干渉
である。アンドロゲン受容体に対する交換試験法(参
照:Carroll等、J Steroid Biochem 21,353−359(198
4)およびTraish等、J Steroid Biochem 23,405−413
(1985))は記述されているが、その有効性は、内生受
容体結合アンドロゲンの解離速度が遅いことにより限定
されている。
受容体の状態を評価するのに用いる別の方法は、オー
トラジオグラフィーである。Barrack等の“前立腺癌研
究に対する現在の考え方とアプローチの方法",臨床およ
び生物学的研究の進歩(Progress in Clinical and Bio
logical Research),239,155−187(1987)において開
示されているこの方法では、放射活性の標識をされたア
ンドロゲンが、小片組織パイオプシー試料をスライドに
のせた組織切片と共に培養されてから、次に凍結し、切
片化され、固定される。放射活性が細胞核のどの部位に
あるかは、同上組織切片をX−線フィルムに露光するこ
とで検出される。この技術は、かなりの技術的熟練を必
要とし、人手がかかり、露出時間がかなり長く必要とな
る。従って、一般的な臨床検査においては効用が限られ
る。別の問題点は、バックグラウンド シグナルが高い
ので、受容体結合細胞核の放射活性を、細胞中に分散し
ている非結合放射活性から区別することが難しくなるこ
とである。
WO 87/05049(Shine)は、精製ステロイド受容体蛋
白質、特にエストロゲン受容体蛋白質の製造のために、
宿主の真核細胞中のこのような蛋白質をコードした組換
えDNAの表現による方法を開示している。しかしなが
ら、該引用例は、アンドロゲン受容体結合蛋白質に対す
る蛋白質のアミノ酸配列を開示しておらず、このような
アミノ酸配列を得る方法についても記述していない。
発明の開示 本発明は、本質的にアンドロゲン受容体蛋白質と同一
の生物活性を有するポリペプチドでコード(coding)し
た構造遺伝子を特徴とするDNA鎖(配列、シークエン
ス)を、提供している。アンドロゲン受容体、またはア
ンドロゲン受容体活性と同等の生物活性を本質的に有す
る蛋白質でコードしたDNAシークエンスも、また提供さ
れる。DNA鎖は、サーキュラーDNA(cDNA)またはゲノム
DNAから得ることができ、またはDNA合成技術を用いて製
造することもできる。
本発明は、さらにアンドロゲン受容体蛋白質と同じ生
物活性を本質的に有しているポリペプチドをコードした
構造遺伝子を含むDNA鎖からなるクローニング ベヒク
ル(cloning vehicles)を、開示している。またアンド
ロゲン受容体蛋白質または、本質的にアンドロゲン受容
体蛋白質と同じ生物活性を有する蛋白質をコードしたDN
A鎖からなるクローニング ベヒクルも、提供される。
このクローニング ベヒクルは、さらに、DNA鎖の上流
にあって操作的に関連するプロモーター遺伝子鎖も含ん
でいる。一般的に、クローニング ベヒクルは、また選
択できる標識(マーカー)を含んでおり、使われるホス
ト(宿主)細胞によって調節遺伝子、ポリアデニル化シ
グナル、増強物質およびRNA接合部位等の要素を含むこ
とができる。
本発明は、さらにアンドロゲン受容体蛋白質、または
アンドロゲン受容体蛋白質と同じ生物活性を本質的に有
している蛋白質を製造するために、形質転換(transfec
ted)または変形(transformed)された細胞を提供して
いる。
本発明の別の特徴は、精製されたアンドロゲン受容体
蛋白質およびアンドロゲン受容体活性と同じ生物学的活
性度を本質的に有する精製されたポリペプチドおよび蛋
白質を提供しており、さらにこのような蛋白質およびポ
リペプチドを製造する方法を提供している。
図面の簡単な説明 第1図は、ヒトアンドロゲン受容体(略号hAR)のDNA
一結合領域を、細胞核受容体一族のメンバーと比較した
ところを示している。(A)はオリゴAヌクレオチド鎖
を、hAR鎖およびその他の細胞核受容体:hPR、ヒト プ
ロゲステロン受容体;hMR、ヒト ミネラルコルチコイド
受容体;hGR、ヒト グルココルチコイド受容体;hER、ヒ
ト エストロゲン受容体;hT3R、ヒトチロイドホルモン
(甲状腺ホルモン)受容体;hRAR、ヒト レチノイン酸
受容体等との比較で示したものである。染色体の位置
は、左側にある括弧内で示されている。オリゴAとhAR
の間のヌクレオチド同一性は、星印で示されている。オ
リゴAとの同一性のパーセントは、各列の右側の括弧内
にある。(B)は、ヒト線維芽細胞クローンARHFL1の構
造を示している〔1〕。ヌクレオチド残基は、5'−端末
から番号を付けられている。制限酵素(制限エンドヌク
レアーゼ)の部位は、マッピング(遺伝地図作成)によ
って決められたか、またはDNA鎖から帰納された。TGA翻
訳終止コドンが、hPR,hMRおよびhGRとの比較で決定さ
れ、他のステロイド受容体と同族の分子鎖を含む長鎖開
放読取りリフレームに属している。矢印は、ゲノム ク
ローンX05ARにおけるエキソン境界域を示している。斜
線部分は、推定のDNA結合領域である。
(C)は、AR DNA−結合領域のアミノ酸配列を、細胞
核受容体族のアミノ酸配列と比較したものを示してい
る。ARアミノ酸配列は、クローンARHFL1のヌクレオチド
鎖から推定されたものであって、初めに保持されている
システイン基(+)を始まりとして番号付けされてい
る。左側括弧内のアミノ酸数は、上述引例からの初めに
保持されているシステインの基数を示している。hARと
の同一性パーセントは、右側の括弧内に示されている。
オリゴA鎖が誘導されたDNA結合領域の境界域は、hARに
おいてアンダーラインを引かれている。アミノ酸基1か
ら31までのコードDNAは、ゲノム クローンX05AR内に含
まれている。上述の略号受容体に加えて、鶏ビタミンD
受容体がcVDR、およびトリ赤芽球症ウィルスからのエル
ブA蛋白質がvERBAである。
アミノ酸基の略号は、次のようになる: A,アラニン;C,システィン;D,アスパラギン酸;E,グルタ
ミン酸;F,フェニルアラニン;G,グリシン;H,ヒスチジン;
I イソロイシン;K,リジン;L,ロイシン;M,メチオニン;
N,アスパラギン;P,プロリン;Q グルタミン;R,アルギニ
ン;S,セリン;T,スレオニン;V,バリン;W, トリプルファ
ン;およびY,チロシンである。
第2図は、表現されたAR cDNAのステロイド結合物性
を説明している。(A)は、ヒトのサイトメガロウィル
ス即時早期遺伝子プロモーター、ヒトの成長ホルモン遺
伝子のポリ(A)相加−転写終止領域(hGHポリA)、
復製のSV40オリジン(SV40Ori)、およびcDNA類挿入の
ためのポリリンカー領域を含む表現ベクターpCMV中のpC
MVARの構造を示している。プラスミドpTEBRは、アンピ
シリン抵抗性遺伝子(Amp)を含んでいる。(B)は、C
OS M6細胞のpCMVARトランスフェクション(transfecti
on)の抽出物中にある[3H]ジヒドロテストステロン結
合の飽和度解析を、示している。細胞質ゾルの一部(0.
1m、0.3mg/m蛋白質)が、4℃で一晩、3H−標識ホ
ルモンの濃度を増加させて培養され、活性炭吸着で分析
された。非特異的結合が、全結合放射活性の18%から37
%に増加した。(C)は、[3H]−ジヒドロテストステ
ロン結合のひっかき(scratched)プロット分析を示し
ている。誤差推定は、線退行分析(linear regression
analysis)(r=0.966)に基づいた。(D)は、トラ
ンスフェクション(形質転換)されたCOS M6細胞抽出
物中にある5nM[3H]ジヒドロテストステロンの結合に
対する非標識ステロイド類の競争反応を、説明してい
る。非標識ステロイドは、標識ホルモンの10倍及び100
倍過剰で加えられた。特異的結合は、前述のようにして
測定された。
第3図は、ヒトのアンドロゲン受容体の収集クローン
地図を表している。この地図は、ヒトのアンドロゲン受
容体遺伝子の構造、およびcDNAプローブ〔A〕、
〔B〕、〔C〕および〔D〕中に含まれている核酸分子
鎖の相対的位置、ヒトの線維芽細胞 クローン〔1〕、
ヒトの精巣上体クローン〔1〕および〔5〕、ヒトのゲ
ノム クローン〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕および
〔5〕、およびラットの精巣上体クローン〔1〕および
〔2〕を示している。
第4図は、ヒトのアンドロゲン受容体cDNAに対する完
全なヌクレオチド鎖および演繹されたアミノ酸配列を、
示している。
第5図は、ラットのアンドロゲン受容体cDNAの完全な
ヌクレオチド鎖、および予想されたアミノ酸配列を示し
ている。
第6図は、ラット腹中前立腺を抗体(AR−52−3−
p)で着色し、即ちARペプチドNH2−His−Val−Leu−Pr
o−Ile−Asp−Tyr−Tyr−Phe−Pro−Pro−Gln−Lys−Th
r(NH2−アスパラギン酸−ヒスチジン−バリン−ロイシ
ン−プロリン−イソロイシン−アスパラギン酸−チロシ
ン−チロシン−フェニルアラニン−プロリン−プロリン
−グルタミン−リジン−スレオニン)を1/3000の希釈度
で、アビジン−ビオチン ペルオキシダーゼ(avidin−
biotin peroxidase)技術を用いた抗体着色ラット前立
腺の凍結切片の写真である。アンドロゲン受容体は、上
皮細胞の核が褐色に着色されていることで、示されてい
る。
第7図は、ヒトのアンドロゲン受容体遺伝子中の、制
限フラグメント長さ方向の多形現象を示している写真で
ある。
第8図は、完全なアンドロゲン不感性症候群患者のヒ
ト アンドロゲン受容体遺伝子をサザンブロット(Sout
hern blot analysis)法で測定した写真を示している。
発明を実施するための最良の形態 本説明では、次の用語が使用されている: ヌクレオチド 糖部分(ペントース)、リン酸塩、および窒素含有複
素環式塩基からなるDNAまたはRNAのモノマー単位であ
る。塩基はグリコシド結合炭素(ペントースの1'炭素)
により糖部分に結ばれており、この塩基と糖の結合した
ものがヌクレオチドである。また塩基が、ヌクレオチド
を特徴づけている。4種類のDNA塩基は、アデニン
(“A")、グアニン(“G")、シトシン(“C")および
チミン(“T")である。4種類のRNA塩は、A,G,Cおよび
ウラシル(“U")である。AおよびGはプリン塩基であ
り、Rという略号で表され、C,T,およびUはピリミジン
核であり、Yという略号で表されている。
DNA鎖 隣接ペントースの3'と5'炭素間のリン酸ジエステル結
合により相互に結合しているヌクレオチドの線形分子
鎖。
コドン mRNAにより、アミノ酸、翻訳開始シグナルまたは翻訳
終結シグナルをコードしている3塩基連鎖(トリプレッ
ト、triplet)のDNA鎖。例えば、ヌクレオチド、トリプ
レット TTA,TTG,CTT,CTC,CTAおよびCTGがアミノ酸のロ
イシン(“Leu")をコードし、TAG,TAAおよびTGAが翻訳
終結シグナルであり、ATGが翻訳開始シグナルとなって
いる。
読取りフレーム mRNAがアミノ酸配列を翻訳により決める時のコドンの
グループ別け。翻訳中に、適正読取りフレームが、保持
されなければならない。例えば、GCTGGTTGTAAG鎖は、3
種類の読取りフレームまたは読取り相に翻訳されること
ができ、その各々は違ったアミノ酸配列をあたえてい
る: GCT GGT TGT AAG−Ala−Gly−Cys−Lys G CTG GTT GTA AG−Leu−Val−Val GC TGG TTG TAA A−Trp−Leu−(終結) ポリペプチド α−アミノ基と隣接アミノ酸のカルボキシル基がペプ
チド結合により、お互いに結合することができる線形ア
ミノ酸分子鎖。
ゲノム 遺伝物質の完全DNA。ゲノムは、なかんずく、生体の
ポリペプチドのためにコードされた構造遺伝子、および
オペレーター遺伝子、プロモーターおよびリボソーム結
合、さらにシャイン−ダルガルノ(Shine−Dalgarno)
の配列等の対合形成反応に関与する配列を含んでいる。
構造遺伝子 特殊ポリペプチドの特性となるアミノ酸配列を、鋳型
またはメッセンジャーRNA(“mRNA")によってコードし
ているDNA鎖(蛋白質の一次構造を規定する遺伝子)。
転 写 構造遺伝子から、mRNAを合成するプロセス。
翻 訳 mRNAからポリペプチドを合成するプロセス。
表現(expression) ポリペプチド合成のために、構造遺伝子が引き受ける
プロセス。転写と翻訳の組み合わせである。
プラスミド 非染色体性2重ストランドDNA鎖であり、プラスミド
が宿主細胞内で複製されるように完全な“レプリコン”
(自律的複製に必要な機能部位をすべてもったDNAの複
製単位)を含む。プラスミドが単細胞生物中にある時に
は、この単細胞生物の特性は、プラスミドDNAによって
変換される。例えば、テトラサイクリン抵抗性(TetR
の遺伝子をもつプラスミドが、テトラサイクリンに感受
性のある細胞を変換して、テトラサイクリン抵抗性に変
える。プラスミドで変換された細胞を、形質転換細胞
(トランスフォーマント)と呼ぶ。
ファージまたはバクテリオファージ 蛋白質外殻(カプシド)中に包まれているDNA鎖を含
む細菌ウィルス。ファージが遊離DNAとして単細胞生物
(細菌)中に導入されることができ、このプロセスはト
ランスフェクションと呼ばれている。
クローニング ベヒクル プラスミド、ファージDNAまたはその他のDNA鎖で宿主
細胞中で複製できるものは、1個または少数のエンドヌ
クレアーゼ認識部位で特徴づけられ、これらのDNA鎖
は、DNAの主要な生物学的機能、例えば複製、外殻蛋白
質の製造の機能を失うことなしにまたはプロモーターま
たは結合部位を失うことはなしに、一定方式でカットさ
れることができ、変換細胞、例えばテトラサイクリンま
たはアンピシリン抵抗性を同定するのに用いる適当な標
識(マーカー)も含んでいる。このクローニング ベヒ
クルは、しばしばベクターと呼ばれている。
クローニング 単一種の選択と増殖。
組換えDNA分子 少なくとも2種類のヌクレオチド配列を含み、第1の
配列が通常の自然界では第2の配列と一緒になって発見
されることのないような2種類からなる雑種DNA鎖。
表現制御配列 操作的に構造遺伝子に連鎖された時に、構造遺伝子の
表現を制御、規制するヌクレオチドのDNA配列。
本発明の目的を達成するためには、アンドロゲン受容
体蛋白質のアミノ酸配列および、それをコードしている
構造遺伝子のDNA配列を決定することが必要であった。
このために、通常の接近法の一つは、精製アンドロゲン
受容体蛋白質で出発することを含むことになろう。しか
しながら、上述のように、このような目的のための蛋白
質の必要量は得られていない。
アンドロゲン受容体蛋白質精製の圧倒的な困難を回避
する別の方法は、アンドロゲン受容体蛋白質用のメッセ
ンジャーRNAをコードしたDNAを、直接分離することであ
る。
我々のアンドロゲン受容体(AR)DNAを分離する戦略
は、AR遺伝子がX−連結しているという事実および、他
のステロイド受容体遺伝子はX−染色体上に位置してい
ないという事実に基づいている。これらの配列データ
は、グルココルチコイド、エストロゲン、プロゲステロ
ン、ミネラロコルチコイドおよびビタミンD受容体に対
するcDNAから、入手できる。誘導アミノ酸配列の比較に
よって、最近甲状腺ホルモン受容体として固定されたv
−erbA発癌遺伝子生成物中に発見された高システイン含
量の中心領域が、明らかとなった。この61−63アミノ酸
領域中には、9個のシステイン基の配列が認められ、こ
れは、さらに特徴的なステロイド受容体の仲間にも保持
されているものである。この保存領域における包括的な
同一性が、40乃至90%の範囲にある。我々は、ARが保存
DNA−結合領域においてステロイド受容体グループの他
のメンバーに類似していると、仮定している。
ヒトX染色体ライブラリーが、他のステロイド受容体
のDNA−結合領域の保存配列から一致した配列として設
計された第1図(A)の合成オリゴ ヌクレオチド プ
ローブA(オリゴA配列=5'CTT TTG AAG AAG ACC
TTA CAG CCC TCA CAT GT3')で、スクリーニン
グされた。このヒトX染色体ライブラリーをオリゴAプ
ローブでスクリーニングすることによって、数種の組換
え体が得られ、この組換え体のインサートによりバクテ
リオファージM13 DNAがクローニングされて、配列が決
められた。一つの組換え体クローン(Charon 35 ×05A
R)(ヒト ゲノム クローン〔1〕)は、他のステロ
イド受容体のDNA−結合領域に類似の配列を明らかに含
んでいた。オリゴAと84%の配列同一性を有していた
が、一方で、他の受容体DNAは、一致したオリゴヌクレ
オチドと78乃至91%の同族性であった。
DNA結合領域のヌクレオチド配列5'位から、オリゴヌ
クレオチド プローブB(オリゴB配列=5'GGA CCA
TGT TTT GCC CAT TGA CTA TTA CTT TCC ACC
CC3')が合成されて、ヒト精巣上体からのバクテリアフ
ァージλ gt 11 cDNAライブラリーをスクリーニングす
るのに使用され、ヒト***線維芽細胞の培養に使われ
た。組換えファージ(増殖されていない)を、現場雑種
形成により、このオリゴヌクレオチドでスクリーニング
したものが、各ライブラリーで1個の陽性クローンを表
した。精巣上体 クローン(gt 11 ARHEL1)(ヒト精巣
上体クローン〔1〕)は、完全なDNA−結合領域および
約1.5kbの上流配列を含んでおり、一方で線維芽細胞ク
ローン(gt 11 ARHFL1)(ヒト線維芽細胞クローン
〔1〕)は、第1図(B)に示されているように、DNA
結合領域および1.5kbの下流配列を含んでいた。cDNA単
離物のDNA−結合領域は、ゲノム−エキソン配列の領域
に同じであった。
猿の腎臓細胞(COS M6)における短期表現は、ヒト
***線維芽細胞cDNA断片が、hARのステロイド−結合領
域をコードしていることを示していた。終結コドン(TG
A)による推定DNA−結合領域内の酵素Hind IIIから、5'
乃至3'に伸びているDNA断片(ARHFLIH−X)が、第2図
(A)に示されるようにpCMV中にクローンされた。表現
は、5'末端に読取りフレーム内にメチオニン コドン
(ATG)を含む一致した翻訳開始配列を加えることで容
易になった。組換え体のトランスフェクションは、第2
図(C)が示すホルモン生理学的水準で飽和となるよう
な[3H]ジヒドロテストステロンに対する高親和性の蛋
白質を生成させた。第2図(B)を参照せよ。結合恒数
〔Kd=2.7(+1.4)×10-10M〕が、ほぼ天然ARのものと
同一であった。表現された蛋白質の水準、即ち蛋白質ミ
リグラム当り1.3pmolは、男性生殖組織におけるものの2
0乃至60倍大きかった。プラスミド無しのにせのトラン
スフェクション、またはARインサートを欠いているプラ
スミドDNAでのトランスフェクションは、ジヒドロテス
トステロンの特別な結合を全く与えなかった。ステロイ
ドそれぞれの特異性を示している第2図(D)は天然AR
と同じであることを示し、ジヒドロテストステロンおよ
びテストステロンが最高の親和性であり、中間の親和性
がプロゲステロンおよびエストラジオールに対してであ
り、最低の親和性がコルチゾールに対してであった。
第3図は、ヒトのアンドロゲン受容体遺伝子、および
cDNAクローン、ヒト ゲノムクローン、ヒト線維芽細胞
クローン、ヒト精巣上体クローンおよびラット精巣上体
クローン中の核酸配列を示すために集められた、クロー
ン地図である。ヒト線維芽細胞クローン〔1〕は、終結
コドンまたはアンドロゲン受容体蛋白質のC−端末を通
って、伸びていた。アンドロゲン受容体蛋白質の5'また
はN−末端の配列を単離して解明するために、我々はプ
ローブ(cDNAプローブ〔A〕)としてヒト精巣上体クロ
ーン〔1〕の5'端からの、EcoR/Sst1断片(EcoR1はリン
カーからであった)を使用し、標準的技術によりヒトX
染色体ライブラリーを再スクリーニングした。これらの
技術により、ヒトのゲノムクローン〔2〕が分離され、
順に、プローブとしてヒト精巣上体ライブラリーの再ス
クリーニング用プローブとして使われて、ヒト精巣上体
クローン〔1〕を分離するのに役立った。N−末端配列
は、アンドロゲン受容体蛋白質および遺伝子の5'に及ん
でいる配列によって、説明された。ヒトのゲノムクロー
ン〔3〕,〔4〕および〔5〕は、ヒトのゲノムクロー
ン〔1〕の配列3'を見ならって、cDNAプローブB〔Hind
III/EcoR1断片〕およびC〔EcoR1断片〕を使って、標
準技術によるスクリーニングおよび分離法で得られた。
2種類のラットクローン、即ちラット精巣上体クロー
ン〔1〕および〔2〕は、ラット精巣上体cDNAライブラ
リーから、プローブとして、それぞれ完全なヒト精巣上
体クローン〔1〕およびEcoR1/Pst1断片、cDNAプローブ
〔D〕を使って、分離された。これらのラットクローン
は、ラットのアンドロゲン受容体に対する完全な蛋白質
コード配列、さらに並んだ5'および3'非翻訳配列で、ヒ
トのアンドロゲン受容体の配列を確保するのに用いられ
る配列を含んでいた。
ヒトのアンドロゲン受容体蛋白質をコードした完全二
重ストランド配列が決定されたので、これによって帰納
されるヒトのアンドロゲン受容体蛋白質のアミノ酸配列
が、第4図に示されている。ラットのアンドロゲン受容
体蛋白質に対するcDNA配列およびアミノ酸配列は、第5
図に示されている。
ヒト***線維芽細胞cDNA gt 11表現ライブラリーから
分離された組換えDNAクローンのヒト線維芽細胞クロー
ン〔1〕、およびヒト精巣上体cDNA gt 11表現ライブラ
リーから分離されたヒト精巣上体クローン〔1〕および
〔5〕は、それぞれに、アメリカ型培養収集施設(Amer
ican Type Culture Collection)において、承認番号AT
CC#40439,ATCC#40442およびATCC#40440として保存さ
れている。ヒトのX染色体λCharon35ライブラリーから
ATCC#57750として利用できるものから分離されたヒト
のゲノムクローン〔1〕,〔2〕,〔3〕,〔4〕およ
び〔5〕は、アメリカ型培養収集施設(略号ATCC)にお
いて、承認番号ATCC#40441,ATCC#40443,ATCC#40444,
ATCC#40445およびATCC#40446として、それぞれに保存
されている。
多種類の宿主/ベクター組み合わせが、ここで開示さ
れた二重ストランドDNAのクローニングで有効に使用さ
れることができる。例えば、有用なベクターは、染色体
性、非染色体性および合成DNA配列、例えば各種の既知
細菌性プラスミド、およびより広範の宿主範囲からのプ
ラスミド、例えばプラスミドとファージの組み合わせか
ら由来するpCMVおよびベクター、即ちファージDNA表現
制御配列を使用するように変性されているプラスミド等
を、含むことができる。有用な宿主は、細菌宿主、酵母
およびその他の真菌類(かび)、動物または植物宿主、
例えばチャイニーズ ハムスター卵巣(略号CHO)細
胞、または猿(サル)腎臓細胞(COS M6)およびその
他の宿主等を含むことができる。宿主−ベクターの組み
合わせの特別な選択は、DNA−即ちゲノムまたはcDNAの
源泉となるような因子を考慮して、当該技術の熟練者に
より、なされることができる。
本発明を実施するのに有用なベクターは、さらに、ア
ンドロゲン受容体蛋白質をコードしたDNA配列に操作的
に連鎖しているプロモーターを含む。ある場合には、ベ
クターがさらに複製源、および表現水準を制御したりま
たは増強したりする配列を、選択された宿主細胞が応じ
て、含むことができるようにするのが好ましい。
宿主を形質転換し、その中に異種クローニングを表現
する技術は、当該技術において、よく知られている(参
照、例えばManiatis等、以下)。細菌宿主中に異種遺伝
子を表現するのに用いられるベクターは、一般的に選択
的標識、例えば抗生物質抵抗性遺伝子、および宿主細胞
用で機能するプロモーター等を含むことになろう。
真核微生物、例えばサッカロミセス セレビシエ(Sa
ccharomyces cereviaiae)も、また宿主細胞として用い
られることができる。ベクターは、一般的に選択し得る
標識、例えば栄養(nutritional)標識トリプトファン
(TRP)を含んでおり、このトリプトファンは、宿主株
としてTRP突然変異を持っている宿主株を選択すること
ができるようになろう。酵母の形質転換において生成さ
れるアンドロゲン受容体蛋白質の精製を容易にするため
に、分泌蛋白質をコードした酵母遺伝子が、アンドロゲ
ン受容体蛋白質をコードした配列に組入れられることが
できる。
高等真核生物細胞も、また本発明を実施するための宿
主細胞として役立つことができる。培養哺乳動物細胞
が、好適である。哺乳動物細胞における使用のためのベ
クターは、哺乳動物細胞中に導入される機種遺伝子の転
写を指向することのできるプロモーターを含むことにな
ろう。また表現ベクター中には、ポリアデニル化シグナ
ルが含まれ、挿入位置の下流に位置している。ポリアデ
ニル化シグナルは、クローンされたアンドロゲン受容体
遺伝子のシグナルであることができるか、または異種遺
伝子から誘導されることができる。
選択し得る標識、例えば選択し得る表現型を与えられ
る遺伝子が、一般的に関連遺伝子と共に細胞中に導入さ
れる。好ましい選択標識は、医薬品、例えばネオマイシ
ン、ハイグロマイシン(hygromycin)およびメトトレキ
セート(methotrexate)に抵抗性のある遺伝子を含んで
いる。選択標識は、特殊プラスミド上で、関連遺伝子と
同時に細胞中に導入されることができるか、または標識
と遺伝子が同じプラスミド上で導入されることができ
る。
統合遺伝子配列のコピー標識が、ある種の選択標識を
使用することによる増強で増加されることができる。選
択により、表現水準が本質的に増加されることができ
る。
アンドロゲン受容体蛋白質は、本発明による宿主細胞
または細胞媒質から、当該技術者によく知られている技
術を使用して、精製されることができる。これらの蛋白
質は、下記の技術によりモノクローナルまたはポリクロ
ーナル抗体を製造するのに、使用され得る。
本発明の技術は、アンドロゲン受容体の測定に対して
既存技術以上に顕著な進歩を提供している。開示された
配列のモノクローナルまたポリクローナル抗体を含む蛋
白質およびペプチドを利用することが、免疫診断試験に
おける免疫化学的試薬としての用途に向けられることが
できる。例えば、放射線免疫検定法およびエリザ(ELIS
A)試験法が、内生アンドロゲンの存在において、アン
ドロゲン受容体の検出および定量することを可能とする
であろう。これは、内生アンドロゲンが、受容体に結合
する抗体を妨害しないからである。
我々の試薬を用いた免疫細胞化学は、組成がしばしば
不均一である腫瘍組織中でのアンドロゲン受容体の細胞
的分散状態を、測定し定量することを可能にしている。
この試験法は、前立腺癌についてアンドロゲンを減退さ
せる療法が有効かどうかを決定するための、診断的評価
に大きな可能性を与えている。
さらにこれに加えて、開示されたアミノ酸配列を用い
て製造された抗体は、また上述方法で製造されるアンド
ロゲン受容体蛋白質の精製プロセスにおいても、用いら
れることができる。このような精製プロセスの一つが、
Logeat,F.等、Biochemistry 24巻(1985)、1029−1035
頁および、同誌で引用された参考文献において、開示さ
れている。
アンドロゲン受容体蛋白質および演繹されたアミノ酸
配列からの合成ポリペプチドは、アンドロゲン受容体用
抗体の製造のために免疫原として用いられることができ
る。このような用途のためのペプチドは、長さが約3個
乃至約958個のアミノ酸からなるものであり、特に好適
には約15個から約30個のアミノ酸からなる長さが好まし
い。より短いペプチドは他のステロイド受容体蛋白質に
類似の配列を持つことになり、より大きなペプチドは、
多種多様の抗原決定基を含むことになる。これらの性状
が、他のステロイド受容体蛋白質に対して交差反応抗体
となることも、起こってくる。
ペプチドは、NH2−末端部位、DNA−結合領域、および
カルボキシル−末端ステロイド結合領域におけるアミノ
酸配列から、合成されることができる。ペプチド選択
は、受容体表面に暴露され易い親水性領域を選択して、
親水部位をベースにして行われることになろう。診断目
的のために好適な配列は、他のステロイド受容体蛋白質
と最も一致の少ないNH2−末端部位から、選ばれること
になるだろ。
免疫原としての用途に使用されるペプチドは、当該技
術で通常の技術熟練度のものには利用できる技術を用い
て、合成されることができる。例えば、アンドロゲン受
容体配列に対応したペプチドは、バイオサーチ モデル
(Biosearch Model)9500ペプチド合成機により、t−
ブトキシカルボニル化(tBOC)化学を用いて合成される
ことができる。ペプチド精製は、高圧液体クロマトグラ
フィーにより達成される。ペプチドは、鍵穴リンペット
(keyhole limpet)となるヘモシアニンに、カップリン
グ剤m−マレイミド−ベンゾイル−N−ヒドロキシ サ
クシンイミド エステルを用い、システイン基によっ
て、複合化(conjugated)されることができる。また樹
脂結合ペプチドを合成することもでき、このためには、
p−(オキシメチル ベンズアミド)処理を用いて、C
−末端アミノ酸を固相樹脂担体に結合させることができ
る。
本発明の蛋白質およびペプチドは、ポリクローナルま
たはモノクローナル抗体の製造用に利用されることがで
きる。これら抗体の製造方法は、当該技術の通常熟練度
を有する人達には既知であり、過度の実験なしに到達さ
れることができる。モノクローナル抗体の製造のための
一つの方法は、Kohler,G.等による“予め決められた特
性の抗体を分泌する融合細胞の連続培養法”、Nature,2
56巻(1975),495頁、およびここで引用された参考文献
中に記述されている。ポリクローナル抗体は、例えば下
記の方法により製造されることができる。
ペプチド複合体または樹脂結合ペプチドは、標準的な
免疫法操作を用いているVaitukatitis等、臨床的内分泌
代謝学雑誌(J Clin Endocrinol Metab.、33,988−991
(1971)の方法に従って、うさぎに注射されることがで
きる。抗血清力価は、エリザ(ELISA)試験法で測定さ
れることができる。
例えば、一個のアンドロゲン受容体配列、すなわちDN
A−結合領域から上流の5'部位にあるNH2−Asp−His−Va
l−Leu−Pro−Ile−Asp−Tyr−Tyr−Phe−Pro−Pro−Gl
n−Lys−Tyrが、うさぎにおける抗血清を起こすのに用
いられた。抗血清は、選択的に1/500の希釈割合で、ア
ンドロゲン受容体の非転換8−10s型および転換型4−5
S型の両者と、反応する。受容体のショ糖密度勾配遠心
分離で、高イオン強度で抗血清の存在においては4から
8−10Sに増加し、低イオン強度ショ糖密度勾配では8
−10Sから11−12Sになる。免疫原として用いられるペプ
チドに対するエリザ(ELISA)法反応では、反応性が1/2
5,000希釈度で検出された。1/3000希釈度の抗血清は、
ラット前立腺およびその他の男性付属性腺中の細胞核ア
ンドロゲン受容体を着色するのに、有効であることが発
見された(第6図参照)。
我々の発明は、診断目的用のアンドロゲン受容体をコ
ードした推測配列から誘導した補助的DNA配列を含む新
規の分子プローブを提供している。このようなプローブ
は、腫瘍細胞中のアンドロゲン受容体mRNAの存在を検出
するに使用されることができる。このようなプローブ
は、またアンドロゲン受容体遺伝子欠陥の検出にも使用
されることができる。アンドロゲン受容体補助DNA配列
はアンドロゲン受容体遺伝子またはそのメッセンジャー
RNAにおける異常を検出するために雑種形成プローブと
して使用されることができる。
開示されたアンドロゲン受容体DNA配列および補助DNA
配列は、DNA雑種形成試験において使用するためのプロ
ーブ形成に、使用されることができる。このような雑種
形成試験の1例と、これら試験のためのプローブ形成の
各種方法は、Mullis等の米国特許第4,683,195号、Mulli
sの米国特許第4,683,202号、Sheldon,III等の米国特許
第4,617,261号、Salki等の米国特許第4,683,194号、お
よびLevenson等の米国特許第4,705,886号およびこれら
で引用された参考文献中で開示されている。
例えば、遺伝子の欠落を検出する一つの方法は、サザ
ンブロット法および雑種形成を利用している。DNAは、
培養皮膚線維芽細胞または、血液から得られる白血球か
ら分離されることができる。DNAは、制限酵素で切断さ
れ、アガロース ゲル上で電気泳動され、ニトロセルロ
ースに吸収されて、[32P]−標識アンドロゲン受容体D
NAと雑種形成される(参照:Maniatis,T.等、分子クロー
ニング(Molecular Cloning),実験入門書(A Laborat
ory Manual)、Cold Spring Harbor Laboratory、1982
および同書中の参考文献)。
さらに、小さな突然変異が、当該技術における通常の
熟練者に既知の方法を用いて、患者の培養皮膚線維芽細
胞から検出されることができる。cDNAライブラリーは、
標準技術を用いて製造されることができる。アンドロゲ
ン受容体クローンは[32P]JDNA ARプローブを用い
て、分離されることができる。クローンAR cDNAが、次
に配列を決められて、正常のAR cDNA配列と比較される
ことができる。
別に、ゲノムDNAは、患者の血液の白血球または培養
皮膚線維芽細胞から、分離されることができる。次にこ
のDNAが、制限酵素の消化、電気泳動にかけられてか
ら、ニトロセルロース上に吸収される。合成オリゴヌク
レオチドが、特別なエキソン(specific exons)を括弧
に入れるのに用いられることができる。エキソン配列
は、ポリメラーゼによる連鎖反応を用いて拡大され、ク
ローンされてM13になり配列を決められる。この配列
が、正常のヒトAR DNA配列と比較される。
小さな突然変異またはDNA欠落を同定する別の方法
は、RNaseAが一重ストランドRNA領域を開裂してRNA:DNA
ハイブリッド(雑種)にする能力を利用している。患者
の線維芽細胞から分離されたゲノムDNAが、野生型アン
ドロゲン受容体cDNAから製造された放射能活性RNAプロ
ーブ(Promego Biotec)で雑種形成される。突然変異に
よる誤対合(mismatches)が、RNaseAにより切断され
て、変性ポリアクリルアミドゲル上の野生型に比べて変
異型の吸収帯となることができる。
アンドロゲン受容体遺伝子の遺伝子座に連鎖した制限
断片長多形態(RFLP)が、アンドロゲン不感性の出生前
診断および担体検出に使用されることができる。例え
ば、正常個人においてRELPが存在することは、初めて、
少なくとも6個の女性(合計では12×染色体)のリンパ
球からDNAを分離することで確立される。DNAは、プロテ
イナーゼK方法を用いて分離され、一組の制限酵素を用
いて断片化されることができる。好適なのは、それらの
認識配列において、ジヌクレオチド配列CGを含むような
酵素である。サザンブロットが、もし可能ならば反復DN
Aを欠いている5−10kbアンドロゲン受容体ゲノム断片
で、スクリーニングされる。反復要素を含むような領域
に対しては、ヒトのゲノムDNAの合計が、ハイブリッド
形成反応の競合相手として加えられることができる。別
の方法として、選別された領域を副次的にクローンし
て、反復要素のないプローブを得ることができる。
例えば、人の制限断片長は、サザンブロット法技術を
用いて、cDNAプローブ(B)および酵素Hind III制限エ
ンドヌクレアーゼにより、測定された(参照、第7
図)。2個の検出されたRELPアレル(対立遺伝子)は、
6.5kbの断片(アレル1)および3.5kbの断片(アレル
2)である。主要の恒常断片吸収帯は約2および5kbの
ところで見られ、少量の恒常吸収帯が0.9および7.5kbで
認められている。アレル1は、コーカサス人のX染色体
の約30%に存在している。アレル2は、コーカサス人の
X染色体の約20%に存在している。第8図において、ア
レル1に対して同型接合帯である婦人らからのレーン
(Lane)A、BおよびD、DNAが示されている。同じく
第8図において、アレル1および2の両者に対して異型
接合体である婦人からのレーンC、DNAが示されてい
る。第8図のレーンEは、アレル2のみを有する男性か
らのDNAを含んでいる。このRFLP、および我々が分離し
たクローンにより測定されたその他は、記述したような
疾患条件におけるアンドロゲン受容体遺伝子を監視する
ことを可能とするであろう。
突然変異を検出するためにアンドロゲン受容体クロー
ンを使用する1例が、第8図に示されており、ここでは
5例の異なった完全アンドロゲン不感症患者のDNAが、E
coR1で消化され、サザンブロット法で電気泳動され、さ
らにcDNAプローブBで探査される。レーンBの患者は、
3kb吸収帯を欠いており、アンドロゲン受容体遺伝子の
一部が欠落していることを示している。この患者および
他の患者のDNAを更に解析することは、他のARプローブ
により、および標準方法で配列を決めること、そして既
に記載している正常配列のものと、この異常配列のもの
とを比較することで、可能である。
既に示したオリゴヌクレオチド配列の別の潜在的用途
を考えると、例えば、遺伝的表現を抑止することによる
治療法の確立があり、このことは、当該技術の通常の熟
練者に明らかなことであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィルソン、エリザベス エム. アメリカ合衆国、27514 ノース キャ ロライナ州、チャペル ヒル、エモリー ドライブ 913 (72)発明者 ヨセフ、デビッド アール. アメリカ合衆国、27514 ノース キャ ロライナ州、チャペル ヒル、レクシト ン ロード 115 (72)発明者 ルバーン、デニス ビー. アメリカ合衆国、27713 ノース キャ ロライナ州、ダラン、ユークリッド ロ ード 1720 (56)参考文献 Nature,1986年12月,vol. 324,p.641−646 Nature,1986年 3月,vo l.320,p.134−139 Science,1988年 4月15日, vol.240,p.324−326 Science,1988年 4月15日, vol.240,p.327−330 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下のアミノ酸配列からなるアンドロゲン
    受容体活性を有するヒトアンドロゲン受容体蛋白質をコ
    ードするDNA配列を含む組換えDNA分子。
  2. 【請求項2】以下の核酸配列番号363から3119の配列か
    らなるアンドロゲン受容体活性を有するヒトアンドロゲ
    ン受容体蛋白質をコードするDNA配列を含む組換えDNA分
    子。
  3. 【請求項3】真核宿主において発現するとヒトアンドロ
    ゲン受容体を産生する、請求項1または2に記載の組換
    えDNA分子を含むベクター。
  4. 【請求項4】請求項3のベクターによって形質移入(ト
    ランスフェクション)または形質転換(トランスフォー
    メーション)された宿主生物中で、アンドロゲン受容体
    蛋白質をコードするDNA配列の翻訳により産生されるヒ
    トアンドロゲン受容体蛋白質。
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