JP3384417B2 - 木材類の処理剤 - Google Patents

木材類の処理剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、木材類、即ち、木、
竹、籐などからなる材料に、含浸あるいは塗布すること
によって木質感を損なうことなく木材の諸性質を改良す
ることができる木材類の処理剤(以下「木材処理剤」と
称する。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築材や工芸品などの材料として広く用
いられている木材類の耐水性、耐火性、耐腐朽性、寸法
安定性、耐摩耗性などの諸性質を改良する目的で、木材
類に様々な高分子化合物や低分子化合物、防腐剤などの
薬剤、あるいは無機物質などの処理剤を含浸あるいは塗
布することが行われている。
【0003】このうちリン酸バリウムや水ガラス等の無
機物質を用いる方法は、木材の難燃化効果がたいへん高
い他、破壊強度や寸法安定性などの木材の諸性質が改善
できる方法として知られている。しかし、この方法は木
材の細胞内腔を無機物質で充填する方法であるため、十
分な効果を得るためには木材重量に対する処理後の重量
増加率が100%以上もの大量の薬剤を注入する必要が
あり、コスト高と共に処理後の木材が重くなり、加工性
や断熱性という木材類本来の長所が失われてしまうとい
う問題があった。
【0004】これらの問題に対して、珪素アルコキシド
を用いたゾルーゲル法を木材に応用し、木材の細胞内で
シリコーンポリマーを生成させることにより、木材本来
の柔らかい木質感を損なうことなく、難燃性や耐水性な
どの諸性質を改良する方法が開示されている(特開昭6
3ー265601)。
【0005】しかし、ここで挙げられた珪素アルコキシ
ドのうち、分子内に疎水性で嵩高いアルキル基を含むも
のは木材への含浸性が悪く、また反応性が低いため、塩
酸や有機金属化合物などの触媒によって硬化促進させる
という方法を採らざるを得ない。触媒を用いた珪素アル
コキシドの重合硬化は木材の細胞壁内よりはもっぱら細
胞内腔で起こるため、十分な木材の改質効果を得るため
には木材の細胞内腔を処理剤硬化物で充填する必要があ
り、その結果、木材重量に対する重量増加率が160〜
185%もの大量の薬剤を注入することが必要になる。
これにより、コスト高と共に処理後の木材は重くなり、
加工性、断熱性なども劣化してしまうという欠点があっ
た。
【0006】上記公開特許には、アルキル基を含まない
テトラアルコキシシランの部分加水分解生成物も開示さ
れている。先に上げたアルキル基を多量に含む珪素アル
コキシドほどではないにしても、この場合もやはり反応
性および含浸性が低いために触媒を必要とし、大量の薬
剤を注入しなければならない欠点は同じであった。更に
処理後の木材は硬くもろく、水分や生菌を侵入させる膜
欠陥が多くでき易く、木材表面に付着した分は硬化時の
歪によって無数のひび割れが出来、砂状に固まって美観
を損ねるなどの欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明はかゝる現状
に鑑み、木材類に耐水性、難燃性、寸法安定性、耐腐朽
性耐摩耗性などの優れた改質効果を、安価で簡便な方法
で付与することの出来る木材処理剤を提供せんとするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題に
対して鋭意検討した結果、一般式Hn −Si(OR)
4ーn 〔ただし、Rは炭素数1〜4のアルキル基で、1分
子中の複数のRは同じでも異なっていてもよい。nは1
または2である。〕で表されるアルコキシシランに、部
分加水分解・縮合反応を起こさせて得られるプレポリマ
ーが、加水分解反応性が高く、木材類の処理に使用した
時、木材類内部の水分やOH基と容易に加水分解・縮合
反応を起こして硬化し、木材類に耐水性、難燃性、寸法
安定性、耐腐朽性および耐摩耗性などの優れた改質効果
を付与出来る事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明において、Rは炭素数1〜4のアル
キル基であり具体的には、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル等
が挙げられる。Rは1分子中には2または3個あるが、
これらは同じでも違う種類でもよい。Rの炭素数の少な
いものほど加水分解反応が起き易いため、木材類と反応
させたときに加水分解・縮合反応が早く進み、t−ブチ
ルのように嵩高い場合は、加水分解反応が起き難く、木
材類と反応させる時に時間がかかる反面、例えば木材処
理剤を水系エマルジョン化したときの安定性が高まると
いう傾向がある。
【0010】部分加水分解縮合反応物は、単独のアルコ
キシシランを用いても2種以上を用いても構わない。部
分加水分解縮合反応物の重合鎖は、分岐状でも直線状で
も作ることができるがそのどちらでも木材処理剤として
使用することができる。
【0011】好ましいRの炭素数としては、Rの炭素数
が大きくなるほど木材類との反応が遅くなることから、
炭素数1〜3個のアルキル基が好ましいが、反応が早く
て反応副成物が無害なエタノールであるという点で、R
がエチルの場合が特に好ましい。また、好ましいnの数
としては、n=2の場合は、部分加水分解を起こす前の
モノマーが化学的に不安定であり工業的に取扱いが難し
いことから、n=1のトリアルコキシシランの部分加水
分解縮合反応物が好適である。従って、本発明の木材処
理剤としては、トリエトキシシランの部分加水分解縮合
反応物からなるものが、特に好ましいのである。
【0012】なお、本発明の木材処理剤の原料となるア
ルコキシシランは、いずれも工業的に安価に製造するこ
とができ、またアルコキシシランから適当な条件で、容
易に部分加水分解縮合反応物を得ることが出来るので、
本発明の木材処理剤は工業的に容易に安価で得られるも
のである。
【0013】部分加水分解縮合反応物の平均重合度は、
2量体から100量体までが好ましい。重合度が高くな
るほど該反応物の燃焼性が小さくなり、木材類中での硬
化も早くなるが、あまり大きくなると粘度が高くなるな
どの理由で木材類への含浸性が悪くなる傾向がある。そ
こで木材類への含浸性が要求される場合は、2量体から
10量体が好ましく用いられ、更に好ましくは2量体か
ら5量体である。含浸性よりも乾燥時間の短縮や作業の
安全性を重視する場合は、5量体から100量体が好ま
しく用いられ、更に好ましくは10量体から50量体で
ある。
【0014】当該アルコキシシランの部分加水分解縮合
反応物は、それ単独で木材処理剤とすることができるほ
か、トルエン、ヘキサン、イソプロパノールなどの有機
系溶媒と任意の割合で混合して使用することもできる。
また、適当な乳化剤やpH調整剤などを用いることによ
って水系溶媒とも安定なエマルジョンを形成するので、
水系の木材処理剤とすることも可能である。
【0015】木材処理剤中のアルコキシシランの部分加
水分解縮合反応物の濃度は、溶媒の種類や含浸方法によ
って大きく異なるが、一般的には1〜100重量%、好
ましくは10〜100重量%程度である。また、本発明
の木材処理剤には、必要に応じて染料、顔料、薬剤、フ
ィラーなどを配合することもできる。
【0016】本発明の木材処理剤によって前記した諸性
質の改良が可能な木材類としては、広葉樹、針葉樹など
の各種の木、竹、籐などからなる材料を対象とすること
ができる。また、樹脂含浸などの他の化学処理を施した
木材類にも充分使用可能であり、また該化学処理の前処
理として使用することもできる。
【0017】本発明の木材処理剤は、木材類に塗布また
は含浸して使用するが、木材類に含浸させる方法として
は、例えば常温常圧で木材類に浸すだけでもよいが、減
圧含浸、加圧含浸、木材類に対する公知の薬液注入法な
どや、処理剤を蒸気で含浸させてもよい。塗布する場合
は木材類の表面にスプレー、コーター、刷毛塗りなど、
公知の手段を用いる事が出来る。アルコキシシランの部
分加水分解縮合反応物は、木材類への浸透性が極めて高
く、いずれの方法をとっても木質内部へ容易に浸透させ
ることができる。
【0018】また、当該処理剤を木材類に含浸させて使
うとき、少ない含浸量で大きな効果が得られるのが当該
木材処理剤の特徴であるが、実際の木材類の比重は樹
種、部位、乾燥度などによって大きく変化するため、好
ましい含浸量を特定する事は難しい。しかし、大体処理
前の木材類の重量に対する処理後の木材類の重量増加率
が0.1%以上になるとき、明らかな木材類の改質効果
が表れる。そして1から40%の比較的少ない重量増加
率でも、本発明の処理剤は満足すべき改質効果に達する
ことができる。当該処理剤は含浸性がよいので、更に4
0%から150%以上の重量増加率を得る事は容易であ
り、この時木材類の改質効果は徐々に最高レベルまで上
昇する。すなわち、本発明の木材処理剤は、木材類の処
理後の重量増加率で0.1から150%以上の範囲で効
果があるが、処理木材類が重くなる事や薬剤コストなど
を考えると、好ましくは0.1%〜40%、更に好まし
くは1%〜40%の範囲で使用するのがよい。
【0019】本発明の木材処理剤は、これを木材類に塗
布または含浸して常温で放置するだけで充分であるが、
加熱することにより該処理剤の化学変化を促進し処理時
間を短縮することができる。加熱する場合の温度は、高
いほど反応が早く進み、更に処理剤硬化物が焼きしまっ
て改質効果が高くなるが、あまり高いと木材類自体の変
色や変質等が起きる恐れがあるので好ましくは20℃か
ら400℃で、更に好ましくは40℃から200℃であ
る。
【0020】本発明の木材処理剤は、木材類内部での反
応性が高いため従来技術のように加水分解触媒を添加す
ることなく木材類処理を完結する事が出来るが、該処理
剤に触媒を加えたり、予め木材類に触媒を含浸させてお
いたり、あるいは該処理剤を作用させた後、触媒を作用
させることによって硬化を速める事も可能である。該触
媒としては、例えば塩酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、
酢酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸、更にジブ
チル錫ジラウリレート、ナフテン酸鉛、ジルコノセンク
ロリド、チタノセンクロリドなどの有機金属化合物や、
アミノシラン、アミン、アミン塩などが挙げられ、これ
らは単独または2種以上を混合して用いても良い。
【0021】また、木材処理剤が溶剤成分を含む場合の
その溶剤の除去、および該処理剤の硬化反応に伴って副
生するアルコールの蒸発は、常温で放置するだけでも充
分であるが、加熱することにより処理後の乾燥時間を短
縮することができる。本発明の木材処理剤は、硬化反応
終了後は熱的に安定なので、乾燥時の加熱温度は木材自
体に変質のない程度において自由に設定することがで
き、また、減圧にして乾燥を速める方法も可能である。
【0022】
【作用】本発明の木材処理剤の作用機構は必ずしも明ら
かでないが、木材類への含浸性および反応性の高さ、少
量の処理剤により効果が得られる点、並びに処理後の木
材類の風合いや美観の保持などの特長は次の作用によっ
て得られるものと推定される。
【0023】すなわち、本発明の木材処理剤に含まれる
アルコキシシラン部分加水分解縮合反応物は、含浸性に
優れているため木材類の細胞壁内部およびその周辺に速
やかに含浸する。更に、分子内にSi−H結合を含むた
めに、化学的な反応性が高く、木材類中の水分やOH基
と速やかに反応する。細胞内腔を処理剤硬化物で充填す
る訳ではないので、少量の処理剤により充分な効果が得
られる。更に、反応後もSi−H結合は大半が分子内に
残るため、硬化物はSiの4つの結合手のうち2〜3本
だけでネットワーク構造を作るSiOネットワーク構造
となる。
【0024】従来のテトラアルコキシシランを用いた場
合は、Siの4つの結合手の4本ともが結合した剛直な
SiOネットワークとなり、該ネットワークは結合に自
由度が乏しいために硬くもろく、水分や生菌を浸入させ
る膜欠陥が多くでき易く、木材類表面に付着した分は硬
化時の歪によって無数のひび割れが出来るため、砂状に
固まって美観を損ねる。これに対して、本発明の木材処
理剤による2〜3つの結合手で構成されているSiOネ
ットワークは結合に自由度があるため柔軟性に富み、細
胞壁内においては防水性、防菌性、耐火性等の高い効果
を生ずる無欠陥の膜を生成し、木材類表面に付着した分
も無色透明の極めて薄い膜となってなんら木材類表面の
美観を損ねる事はない。
【0025】
【実施例】以下、実施例および比較例を掲げて本発明の
木材処理剤をより具体的に説明する。 実施例1 トリエトキシシラン1000gに対して水50gを加
え、攪拌して平均重合度2.3のトリエトキシシラン部
分加水分解縮合反応物を得た。これを50重量%アセト
ン溶液としたものを実施例1の木材処理剤とした。
【0026】木口縦30mm×横30mm×長さ100
mmの2方マサ木取スギ辺材3個を、常温常圧で木材処
理剤に10分間浸漬した後、常温で24時間乾燥し、3
個の試験片を得た。処理前の木材重量に対する処理後の
重量増加率は3個の試験片の平均で12.1%であっ
た。これらの試験片について下記の吸水試験を実施し
た。すなわち、前記試験片の1つの木口を残してパラフ
ィンとワセリンの混合物を塗布して防水し、繊維方向が
水面と平行になるように深さ5cmの水中に沈め、24
時間後に取り出して下記の計算式(1)で吸水率を測定
し、3つの試験片の平均値をもって代表値とした。結果
を表1に示した。
【0027】 計算式(1) 吸水率=(W−Wo)/Wo×100 (%) Wo;水浸漬前の試験片の重量(g) W ;水浸漬完了直後の試験片の重量(g)
【0028】比較例1 実施例1と同様、同寸法の無処理のスギ辺材3個を試験
片とし、実施例1と同じ吸水試験を実施した。結果を表
1に示した。
【0029】比較例2 テトラエトキシシラン部分加水分解生成物(商品名「エ
チルシリケート40」、コルコート(株)製)の50重
量%アセトン溶液10重量部に、0.4重量%塩酸水溶
液を1重量部加え、室温で2時間撹拌した後12時間放
置した処理液を用い、実施例1と同寸法のスギ材3個に
ついて実施例1と同様な処理法で処理した。処理前木材
重量に対する処理後の重量増加率は3個の試験片の平均
で6.6%であった。実施例1と同じ吸水試験を実施
し、結果を表1に示した。
【0030】メチルトリメトキシシランモノマーに、
0.5モル当量の水を加えて作ったメチルトリメトキシ
シラン2量体の50重量%アセトン溶液10重量部に、
0.4重量%塩酸水溶液を1重量部加え、室温で2時間
撹拌した後、12時間放置した処理液を用い、実施例1
と同寸法のスギ材3個について実施例1と同様な処理法
で処理した。処理前木材重量に対する処理後の重量増加
率は3個の試験片の平均で8.3%であった。実施例1
と同じ吸水試験を実施し、結果を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】本発明の木材処理剤は、木材に対して含浸
性が高いので、木材を常温常圧で含浸するだけで充分な
含浸量を得ることができ、また、木材内部での加水分解
反応性も高いので、無触媒でも充分な処理後重量増加率
を得ることができた。比較例2、3では加水分解触媒と
して塩酸を用いたにもかかわらず、薬剤の含浸性が悪い
ため含浸量は実施例1よりも少な目になった。
【0033】そして、吸水試験の結果は、本発明の処理
剤で処理した木材は、最も優れた耐水性を持つことを示
している。なお、これら各試験片を処理・乾燥した後の
木材の外観は、実施例1と比較例は処理前と全く同じ外
観を示し、当該処理による外観変化は認められなかった
が、比較例2では、処理後の木材表面の一部に白い粉末
が付着しているのが認められた。また、比較例3では、
処理後の木材の色が処理前に比べて、油を吸い込んだよ
うな若干の着色が認められた。
【0034】実施例2 木口縦30mm×横30mm×長さ5mmの2方マサ木
取スギ辺材3個を用い、実施例1と同じ木材処理剤を常
温常圧で10分間含浸した後、温度120℃で4時間乾
燥させたところ、処理前の木材重量に対する処理後の重
量増加率は3個の試験片の平均で12.3%であった。
この試験片の年輪に対する半径方向の長さを測定した
後、温度40℃相対湿度90%で24時間保存し、再び
長さを測定した。この他にASE値を算出するために同
寸法の無処理のスギ材3個を試験片として同じ吸湿試験
を実施し、測定結果から下記式(2)を用いてASE値
を計算した。結果を表2に示した。
【0035】ASE値の定義は計算式(2)で表され
る。 計算式(2) ASE=(Sc−St)/Sc×100 (%) Sc;無処理材の体積膨潤率(%) St;処理材の体積膨潤率(%)
【0036】比較例4 比較例2と同じ処理液を用い、処理方法は実施例2と同
様に処理した3個の試験片についてそれぞれ実施例2で
述べた吸湿試験を実施した。なお、比較例4の処理前木
材重量に対する処理後の重量増加率は3個の試験片の平
均で13.4%であった。この他にASE値を算出する
ために同寸法の無処理のスギ材3個を試験片として同じ
吸湿試験を実施し、測定結果からASE値を計算した。
結果を表2に示した。
【0037】比較例5 比較例3と同じ処理液を用い、処理方法は実施例2と同
様に処理した3個の試験片についてそれぞれ実施例2で
述べた吸湿試験を実施した。なお、比較例5の処理前の
木材重量に対する処理後の重量増加率は3個の試験片の
平均で11.4%であった。この他にASE値を算出す
るために同寸法の無処理のスギ材3個を試験片として同
じ吸湿試験を実施し、測定結果からASE値を計算し
た。結果を表2に示した。
【0038】
【表2】
【0039】これら試験では、一般的に木口試験片と呼
ばれる木口からの薬液の浸透が極めて容易な形状の木材
試験片を用いたため、実施例2と比較例4、5とで含浸
性の差はそれほどなかった。そして、無触媒でも反応性
の高い実施例2の処理剤に対し、各比較例では加水分解
触媒を用いたので処理後の重量増加率はどちらもほとん
ど差がなくなった。
【0040】しかし、吸湿後の寸法安定性(ASE値)
では、実施例2の方が高い寸法安定性を示した。この理
由は、処理後の重量増加率が実施例と同じでも、比較例
4、5の場合は加水分解触媒によって強引に硬化を行っ
たため、対吸湿性や寸法安定性に効果の無い低品質の硬
化膜が出来たためであると考えられる。
【0041】
【発明の効果】本発明の木材処理剤は、水素とアルコキ
シル基とを有するアルコキシシラン部分加水分解縮合反
応物を含むもので、木材類への含浸性がよく、木質内部
で容易に加水分解反応を起こして硬化し、難燃性、寸法
安定性、耐腐朽性、耐摩耗性などの優れた改質効果を木
材類に付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27K 3/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式Hn −Si(OR)4ーn 〔ただし、R
    は炭素数1〜4のアルキル基で、1分子中の複数のRは
    同じでも異なっていてもよい。nは1または2。〕で表
    されるアルコキシシランの、部分加水分解縮合反応物を
    含有することを特徴とする木材類の処理剤。
  2. 【請求項2】 式H−Si(OR)3 〔ただし、Rは炭
    素数1〜4のアルキル基で、1分子中の複数のRは同じ
    でも異なっていてもよい。〕で表されるトリアルコキシ
    シランの、平均重合度が2量体〜50量体の部分加水分
    解縮合反応物を含有することを特徴とする木材類の処理
    剤。
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