JP3381678B2 - インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びその製造方法

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JP3381678B2 JP26909499A JP26909499A JP3381678B2 JP 3381678 B2 JP3381678 B2 JP 3381678B2 JP 26909499 A JP26909499 A JP 26909499A JP 26909499 A JP26909499 A JP 26909499A JP 3381678 B2 JP3381678 B2 JP 3381678B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録ヘッド及びその製造方法に関し、特に、プリンタ、フ
ァクシミリ、複写機等に用いられるインクジェット記録
方式のヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のインクジェット記録ヘッ
ドは、例えば特開平9−174837号公報に示されて
いる。この従来のインクジェット記録ヘッドは、図21
に示すように、固定板71は、圧電素子72と不動圧電
素子73とを交互に、列状に配設し、不動圧電素子73
は、流路形成部材上の振動板74に固定され、圧電素子
72の駆動による振動板74の変形を防いでいた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成の従
来例においては、圧電素子72が駆動されると固定板7
1は駆動した圧電素子72の反作用を受け、固定板71
は圧力室75から遠ざかる方向に力を受ける。固定板7
1は隣接及びその両隣等の不動圧電素子73によって所
定の間隔で各圧力室75の側壁76に固定されている
が、固定板71に加わる力によって不動圧電素子73は
弾性コンプライアンスに応じて伸張する。したがって、
固定板71及びそれに固定されている圧電素子72は圧
力室75から遠ざかる方向に移動し、近隣の圧力室75
は減圧する方向の力を受ける。このように、圧電素子7
2を駆動すると、その近隣の圧電素子72の圧力室75
に、駆動した圧電素子72の圧力室75と反対方向の圧
力変化が生じるクロストークと呼ばれる現象が生じる。
また、隣接する複数の圧力室75を同時に駆動すると
き、圧電素子数により駆動された圧力室75のノズルか
ら吐出されるインク滴の滴速及び滴径が変動し、同時に
駆動する圧電素子数が多い程、その駆動によりノズルか
ら吐出されるインク滴の滴速及び滴径が小さくなる。イ
ンクジェット記録ヘッドは走査されながらインク滴を吐
出するので、上記のような滴速の変化によりインク滴の
着弾位置ずれが生じる。この滴径の変化や着弾位置のず
れから印字濃度むら等を引き起こし、印字品質が劣化す
るという問題がある。
【0004】本発明の目的は、小型で製造が容易な構成
でクロストークを低減し、印字品質が優れたインクジェ
ット記録ヘッドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録ヘッドは、1方の面に有する開口部が変形容易な振
動板により覆われ室内にインクを供給する供給口と室内
のインクを吐出するノズルとをそれぞれ有する複数の圧
力室と、1対の外部電極をそれぞれ備え前記1対の外部
電極間に印加される電圧に基づいて前記振動板を変形さ
せて各圧力室を駆動する複数の駆動柱と、前記複数の圧
力室の前記各開口部の周囲部分に対してそれぞれ固定す
る固定部とを有するインクジェット記録ヘッドにおい
て、前記固定部は、分極状態にありかつ電気的に開放で
ある圧電素子である固定柱を含んでいる。
【0006】本発明のインクジェット記録ヘッドは、固
定柱は分極状態にありかつ電気的に開放であるため、駆
動柱を駆動するとその反作用で固定柱に力が作用する
が、固定柱には圧電効果により反電界が生じ、その反電
界の作用で自らの変形が阻止される。いいかえれば、固
定柱の剛性が上がる。したがって、クロストークが減少
し、周囲の駆動柱の駆動によってノズルから吐出される
インク滴の滴速及び滴径が変化することを防止できる。
また、固定柱の剛性が上がり、駆動した駆動柱の他端の
移動が減少するので、駆動柱の変位はその駆動柱が接続
された圧力室へ効率良く伝達される。
【0007】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
の製造方法は、電極が表面に形成された圧電材料シート
を積層して1対の側面間の中央部分の所定の幅で前記圧
電材料シート1層を隔てて電極が重なりその両側で圧電
セラミックス2層を隔てて電極が重なる圧電材料シート
の積層部を有する積層圧電材料を形成するステップと、
前記積層圧電材料に溝を形成して、前記圧電材料シー
トの積層部を内部に有し各圧力室の振動板で覆われた開
口部上で振動板と接合される駆動柱と、各圧力室の前記
開口部の周囲部分で振動板と接合される複数の固定柱
と、前記各駆動柱の前記伸縮の方向の他方の端部と当該
圧力室の周囲部分に接続される少なくとも1つの固定柱
とが接合されるベース部とを形成するステップと、各駆
動柱毎に内部の複数の電極が交互に接続される1対の駆
動電極を形成するステップと、電圧の印加により前記固
定柱及びベース部を分極させる少なくとも1対の分極電
極を形成するステップと、対応する外部電極間に電圧を
印加して前記駆動柱及び固定柱及びベース部を分極させ
るステップとを有している。
【0008】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造
方法は、積層圧電材料に溝を形成して、各圧力室の振動
板で覆われた開口部上で振動板と接合される駆動柱と、
各圧力室の前記開口部の周囲部分で振動板と接合される
複数の固定柱と、前記各駆動柱の前記伸縮の方向の他方
の端部と当該圧力室の周囲部分に接続される少なくとも
1つの固定柱とが接合されるベース部とを形成し、電圧
の印加により固定柱又はベース部を分極させる少なくと
も1対の分極電極を形成し、対応する外部電極間に電圧
を印加して固定柱を分極させるステップとを有するの
で、駆動柱の駆動の反作用で力が加わった固定柱又はベ
ース部に圧電効果により反電界が生じ、その反電界の作
用で自らの変形が阻止され剛性が上がり、したがって、
クロストークが減少し、周囲の駆動柱の駆動によってノ
ズルから吐出されるインク滴の滴速及び滴径が変化する
ことを防止できるインクジェット記録ヘッドを容易に製
造できる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明のインクジェット記
録ヘッドの第一の実施形態の構成を説明するための説明
図である。なお、図1は、図の左右に続く同一の構成を
省略してインクジェット記録ヘッドの一部を示してい
る。また、図1においてインクジェット記録ヘッドの圧
電素子ブロック1とインク流路ユニット2とは上下に分
離して示しているが、実際には以下に詳述する位置関係
に位置合わせされて接合されている。また、インク流路
ユニット2内部の説明のためインク流路ユニット2の振
動板3を一部破断して示している。
【0010】本発明のインクジェット記録ヘッドは、イ
ンク流路ユニット2に、インク滴を吐出するノズル4
と、各ノズル4にそれぞれ連通し列状に設けられた圧力
室5と、各圧力室5にインクを供給する供給口6と、イ
ンクタンク(図示せず)に連接され供給口6を介して各
圧力室5に連接し、インクを供給するインクプール7
と、インク流路ユニット2のノズル4が設けられた面と
反対側の面を覆い、可撓性を有する材料で作成された
板、例えばステンレスの板である振動板3を備えてい
る。
【0011】また、圧電素子ブロック1は、圧力室5に
それぞれ対応し圧力を発生させる圧電素子である駆動柱
8と、駆動柱と同様の圧電素子であるが駆動されず、圧
電素子ブロック1をインク流路ユニット2に固定するた
めの固定部材として作用する固定柱9とがベース部10
で一体化されて構成されている。駆動柱8と固定柱9と
は1列をなして交互にベース部10から突設配置されて
いる。
【0012】駆動柱8と交互に設けられた固定柱9は、
図2に示すように、振動板3を間に挟んで駆動柱8に対
応する各圧力室5の側壁11に対して接合されている。
また、駆動柱8は、対応する各圧力室5の側壁間の中央
部において振動板3と夫々接合される。各駆動柱及び固
定柱は、主に圧電材料、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛
系セラミックスからなっている。また、それぞれの内部
には、接合される振動板3とほぼ平行で所定の間隔で配
設された平面状の複数の内部電極12a,12b,12
c,12dを備えている。
【0013】各圧電素子及び固定柱は、図3に示すよう
に、列の方向と直角の方向で、これらの内部電極ともほ
ぼ直角な互いに対向する1対の側面13a,13bをも
っている。内部電極12a,12cは、隣接する内部電
極12b、12dの端面が露出する側面13bとは異な
る側の側面13aに端面が露出するように配設されてい
る。駆動柱8及び固定柱9には、各々、対向する1対の
側面13a、13b上に1対の外部電極14,15が設
けられ、各外部電極は、それぞれ対応する駆動柱8及び
固定柱9の内部に設けられた内部電極と1つおきに接続
されている。各外部電極14,15は、ベース部10の
駆動柱8及びび固定柱9の設けられた側と反対側の面で
ある上面16にまで延設されている。
【0014】固定部材として作用する非駆動の圧電素子
である固定柱9は、駆動柱8と同様にこの外部電極1
4,15を用いて、対応する1対の電極間に分極用電圧
を所定時間加えることにより分極処理を施してある。
【0015】圧電素子に分極処理を施した固定柱9にお
いては、応力が加えられると圧電効果により、分極方向
に応じて、応力による自らの変形を阻止しようとする反
電界が生じる。したがって、電界方向に対向する2つの
電極があるとその電極間には電位差が発生する。しかし
本発明においては各電極は電気的に開放状態となってい
るので、電位差が維持される。したがって、その反電界
は、維持され応力による自らの変形を阻止しようとす
る。すなわち、応力に対するひずみを低減する。
【0016】以下、分極によりひずみが低減される効果
について、圧電材料において応力および電界とひずみお
よび電気変位との関係を示す圧電基本式を用いて具体的
に説明する。
【0017】ひずみをS、応力をT、電界による影響を
含まない、すなわち分極していないか、あるいは分極し
ているが電極をショートしている場合の弾性コンプライ
アンスをs、電界をE、圧電歪定数をd、電荷量を面積
で割ったものを示す電気変位をD、誘電定数εとする
と、圧電基本式から S=s×T+d×E D=d×T+ε×E となる。ここで、本発明では電極を開放状態とすること
により、電気変位D=0であるので、上記2式から電界
Eを消去すると、分極し電気的に開放状態での弾性コン
プライアンスs’は s’=S/T=s−d2/ε となる。例えば、ジルコン酸チタン酸鉛系セラミックス
の材料において、電界による影響を含まない弾性コンプ
ライアンスs=18.1×10-12(m2/N)、圧電歪
定数d=635×10-12(m/V)、誘電定数ε=4
8.2×10-9(F/m)、である場合、分極し電気的
に開放状態での弾性コンプライアンスs’は、9.73
×10-12(m2/N)となる。すなわち、分極していな
いか、あるいは分極しているが電極をショートしている
場合の弾性コンプライアンスの0.54倍となり、剛性
は1.94倍になる。
【0018】したがって、本発明の構成により、駆動し
た駆動柱8の変位は固定柱9で押え込まれ、ベース部1
0および非駆動の駆動柱を伝わって非駆動の圧力室に伝
達されにくくなり、クロストークが大幅に減少する。
【0019】駆動した駆動柱8の変位はベース部10を
介して一体化された近くの駆動柱が駆動されても効率よ
く圧力室5へ伝達されることになる。その結果、駆動電
圧を下げることができ、駆動回路のコストを下げること
ができる。
【0020】次に本実施形態の製造方法について説明す
る。
【0021】圧電材料シート17の上面に一方の側面1
3aに端面が露出し、その反対側の側面には端面が露出
しないように内部電極12aを形成し、その上に圧電材
料シート17を載せ、その上面に下の圧電材料シート1
7の内部電極と反対側の側面に端面が露出し、その反対
側の側面13aには端面が露出しないように内部電極1
2bを形成するという工程を繰り返し、図4に示すよう
に、積層された圧電材料シートの対向する2つの側面に
交互に端面が露出した圧電材料シート17の積層体を形
成する。
【0022】次に、その圧電材料シート17の積層体の
上に図5に示すように、ベース部10となる圧電材料の
ブロック18をのせ、これらを焼成する。
【0023】次に、図6に示すように、スクリーン印刷
によって銀合金を積層圧電材料の両側面およびブロック
18の上面に印刷し、焼成する。これによって、一方の
側面に端面が露出する複数の内部電極とそれぞれ接続
し、上面まで延設された複数の外部電極14、15を形
成する。また、各外部電極14は、内部電極と接続して
いる積層圧電材料の側面と反対側の側面上のほぼ対向す
る位置に、それぞれ対応する外部電極15を有してい
る。
【0024】次に、図7に示すように隣接する外部電極
14の間に、内部電極の形成された圧電材料シートを積
層した部分を分離するように溝19を形成して、インク
流路ユニット2の各圧力室上において振動板3と接合す
るための駆動柱8と、側壁上において振動板と接合する
ための固定柱9とを形成する。
【0025】次に、駆動柱8が圧力室5上に位置し、固
定柱9が側壁11上に位置するように、積層圧電材料を
インク流路ユニット2に位置合わせしてこれらを接着す
る。
【0026】次に、図8に示すように外部電極14,1
5にプローブ20を接触させ、対応する外部電極間に分
極電圧印加回路21により所定の電圧を所定の時間印加
して積層圧電材料の駆動柱8及び固定柱9を十分分極さ
せる。
【0027】溝加工前に分極処理を行うと、溝加工時に
熱が発生して分極状態が弱くなるので、このように溝加
工を行った後、分極処理を行うことが望ましい。
【0028】また、積層圧電材料とインク流路ユニット
2との接着工程において加熱する場合には、このように
接着を行った後、分極処理を行うことが望ましい。
【0029】そして、駆動信号を駆動柱8に印加するた
めのFPCを圧電素子ブロック1に接合する。FPCに
は、駆動柱8の外部電極14,15に対応した位置に電
極パッドが設けられ、ベース部10の上面16に固定さ
れたFPCと圧電素子ブロック1とのそれぞれ対応する
電極同士がボンディングにより接続される。しかし、F
PCには、固定柱9の外部電極14,15に対応した位
置に電極パッドが設けられておらず、固定柱9の外部電
極14,15は、駆動回路とは接続されなく電気的には
開放状態となる。
【0030】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。
【0031】図9は、本発明の第2の実施形態の構成を
示す斜視図である。
【0032】本実施形態においては、ベース部10を分
極するために、上面16の外部電極14、15を除いた
領域にベース部分極用外部電極22を設けている点で第
1の実施形態と異なる。また、溝19より上面側に1つ
の固定柱9の一対の外部電極14、15のうちの片方の
外部電極14と接続されたベース部分極用内部電極23
が設けられるものとしてもよい。ベース部分極用外部電
極22は、図9に示すように、上面16の複数の外部電
極14、15を除いた領域を覆うように、かつ、外部電
極14、15とは接続されないように形成されている。
また、ベース部分極用内部電極23は、図10に破線で
示すベース部分極用外部電極22とほぼ同一の形状であ
るが、圧電素子ブロックの側面13a上の外部電極のう
ち、固定柱9の少なくとも1つに対応する外部電極24
の形成される部分に端面が露出して、その外部電極24
と接続されている。
【0033】本実施形態の分極処理においては、まず、
駆動柱8及び固定柱9の外部電極14,24と、対応す
る外部電極15との間に第1の実施形態と同様に所定の
電圧を所定の時間印加した後、ベース部分極用外部電極
22と、ベース部分極用内部電極23に接続された外部
電極24との間に電圧を印加してベース部を分極させ
る。この場合、ベース部分極用外部電極22とベース部
分極用内部電極23との間隔が駆動柱8及び固定柱9の
内部電極の間隔より広い場合、その間隔に応じて、所定
の電界強度が得られるように、高い電圧を印加する。
【0034】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。図11は、本実施形態の構成を示す斜視図であ
り、本実施形態においては、図11に示すように複数の
圧電素子30が分離されてインク流路ユニット2に固定
されている。各圧電素子30は、各圧力室5にそれぞれ
対応して1つずつ設けられており、各圧力室5に対応す
る圧電素子同士は分離している。また、図12に示すよ
うに、駆動柱31は圧力室5の部分で振動板3と接続
し、圧力室5の両側において振動板3が圧力室5を構成
する基板部材に固定されている部分で、固定柱32、3
3は振動板3に固定される。すなわち、本実施形態にお
いては、圧力室間に固定柱を設ける代わりに、圧力室の
列と直角方向の両側に各駆動柱とともにベース部に接合
された固定柱を設けている。
【0035】圧電素子30は駆動柱31と、その両側に
設けられた固定柱32、33とこれらを一体に接合する
ベース部34とから構成される。圧電素子30には図1
3に示すように駆動柱31に一定間隔で平行に設けられ
た複数の内部電極12a、12b、12c、12dは、
駆動柱31の両側で固定柱32、33とを分離している
切り込み部35、36内面に交互に露出している。ま
た、各固定柱32、33には、駆動柱31の内部電極と
同一面の内部電極が少なくとも1つづつ設けられ、切り
込み部側及びその反対側の面に端面が露出している。切
り込み部35、36内面のほぼ全体にメッキもしくはス
パッタリングにて中間電極37、38が形成され、それ
ぞれ各切り込み部に露出する内部電極を接続している。
また、固定柱32、33の駆動柱と反対側の面には、各
固定柱の内部電極に接続された外部電極39、40が形
成される。各外部電極39、40は、圧電素子30の振
動板3に接合される側と反対側のベース部34上面にま
で延設されている。したがって、外部電極39、40に
電圧を印加した場合、固定柱32、33の内部電極及び
中間電極37、38を介して駆動柱31の内部電極に電
圧が印加される。
【0036】また、圧電素子30には、ベース部34上
面の外部電極を除いた領域にベース部分極用外部電極4
1が形成されている。また、切り込み部35、36より
上面側に一対の外部電極39、40のうちの片方の外部
電極39と接続されたベース部分極用内部電極42が設
けられている。
【0037】次に本発明のインクジェット記録ヘッドの
製造方法について説明する。
【0038】図13に示すように、上面に電極44が形
成された圧電材料シート45を重ねて積層圧電材料43
を作成する。各圧電材料シートの電極44は、1対の側
面間の中央部分の所定の幅で電極が交互に重なり、側面
付近では圧電材料シート2層を隔てて電極が1つおきに
重なるように形成される。また、積層された圧電材料シ
ートの上に、一方の側面に端面が露出し、反対側の側面
に端面が露出しないように、最大限広く形成された電極
46が形成された圧電材料シート47を積層する。その
上に、電極を形成していない圧電材料のブロック48を
載せる。これらを焼結して一体化する。
【0039】次に、図14に示すように上面に電極44
が形成された圧電材料シート45を重ねた積層部分にお
いて、圧電材料シート2層を隔てて内部電極が1つおき
に重なる部分に、ダイシング・ソーもしくはワイヤ・ソ
ーにてそれぞれ切り込み部35、36を設ける。切り込
み部35、36は、中央部分の所定の幅で内部電極が交
互に重なった活性領域の部分49から、幅方向に所定の
距離を隔てて設けられ、ブロックの長さ全体に一様の深
さで形成する。ここで、切り込み深さは、上述の最上の
電極46に達しない深さで、形成される。
【0040】次に、図15に示すように、中間電極3
7、38を切り込み部35、36内面に、また、外部電
極39、40を積層圧電材料43の両側面に、また、ベ
ース部分極用外部電極41を上面の外部電極39、40
を除いた領域にメッキ、スパッタリング、またはスクリ
ーン印刷にて形成し、インク流路ユニット2に接着す
る。このとき、外部電極及び内部電極を形成しない部分
に、レジストなどのマスキング部材を形成してマスキン
グしておき、電極成膜後にこのマスキング部材を剥離す
る。
【0041】そして、圧力室5の、列と直角方向の中央
部が、切り込み部35、36の中間部に合うように、か
つ、各圧力室5の列方向の中央部が、各外部電極39、
40の位置に合うように積層圧電材料43を位置合わせ
してインク流路ユニット2の振動板3に接着する。接着
後、積層圧電材料43を切断分離して圧電素子30を形
成する。
【0042】また分極処理においては、第2の実施形態
と同様に、積層圧電材料43の切断分離後に、まず外部
電極39、40間に所定の電圧を所定の時間印加した
後、各積層圧電材料のベース部分極用外部電極41と、
ベース部分極用内部電極42に接続された外部電極39
との間に電圧を印加してベース部34を分極させる。こ
の場合、ベース部分極用外部電極41とベース部分極用
内部電極42との間隔は、駆動柱31の内部電極の間隔
より広い場合、ベース部分極用外部電極41とベース部
分極用内部電極42との間隔に応じて、所定の電界強度
が得られるように、高い電圧を印加する。なお、本実施
形態で使用する分極電圧印加回路は、第1の実施形態で
使用する分極電圧印加回路17に対して、分離された各
圧電素子のベース部分極用外部電極41に接触するプロ
ーブをさらに備えており、ベース部分極用外部電極41
と、外部電極39との間に電圧を印加してベース部34
を分極させる。
【0043】なお、本実施形態において、以上の説明で
は圧電素子30には、ベース部34上面の外部電極を除
いた領域にベース部分極用外部電極41が形成され、ま
た、切り込み部35、36より上面側に一対の外部電極
39、40のうちの片方の外部電極39と接続されたベ
ース部分極用内部電極42が設けられているものとして
説明したが、ベース部分極用内部電極42を設けず、ベ
ース部分極用外部電極41はベース部34上面の外部電
極を除いた領域に駆動柱31に一定間隔で平行に設けら
れた複数の内部電極の最上の内部電極と同様のパターン
を設けたものとしてもかまわない。この場合には、積層
された圧電材料シートの上に、電極46が形成された圧
電材料シート47を積層する必要がなく、電極を形成し
ていない圧電材料のブロック48を載せる。したがっ
て、製造工程が少なくなり、製造が容易になる。
【0044】また、固定柱の内部には、複数の内部電極
によって中間電極37、38と外部電極39,40が接
続されているが、少なくとも1つの内部電極によって接
続されていればよい。
【0045】次に、本発明の第4の実施形態について説
明する。図16は、本実施形態の構成を示す斜視図であ
る。本実施形態においては、圧電素子50の固定柱5
1、52の内部には内部電極を設けない。また、駆動用
外部電極53、54をベース部55の上面に設け、ベー
ス部55内に切り込み部35または切り込み部36とベ
ース部55上面とに端面が露出する2つの内部電極5
6、57を設ける。また、圧電素子50の両側面には固
定柱51、52の分極用の固定柱分極用外部電極58、
59を設けている点で第3の実施の形態と異なる。ま
た、本実施形態では切り込み部35、36より上面側に
内部電極を設けない。
【0046】図16に示すように、第3の実施形態と同
様に、複数の圧電素子50が分離されてインク流路ユニ
ット2に固定されている。各圧電素子50は、各圧力室
5にそれぞれ対応して1つずつ設けられており、各圧力
室5に対応する圧電素子同士は分離している。ベース部
55上面の外部電極53、54を除いた領域にベース部
分極用外部電極60が形成されている。
【0047】図17は、本実施形態の圧力室の列と直角
方向の断面図である。本実施形態では、第3の実施形態
と同様に、圧力室の列と直角の方向に駆動柱31とベー
ス部55により接合された固定柱51、52を設け、駆
動柱31は圧力室5の部分で振動板3と接続し、固定柱
51、52は、圧力室5の列と直角方向両側において圧
力室5を構成する基板部材62の部分で振動板3に固定
される。また、各圧力室5を駆動する圧電素子50は分
離されている。すなわち、本実施形態は、第3の実施形
態と同様に、圧力室間に固定柱を設ける代わりに、圧力
室の列と直角方向の両側に各駆動柱31とともにベース
部55に接合された固定柱51、52を設けている。
【0048】圧電素子50には図17に示すように第3
の実施形態と同様、駆動柱31に一定間隔で平行に設け
られた複数の内部電極12a、12bは、駆動柱31の
両側で固定柱51、52とを分離している切り込み部3
5、36内面に交互に露出している。また、本実施形態
においては、ベース部55内に2つの内部電極56、5
7が設けられ、内部電極56、57は、切り込み部35
または切り込み部36とベース部55上面とに端面が露
出している。切り込み部35、36内面のほぼ全体にメ
ッキもしくはスパッタリングにて中間電極37、38が
形成され、それぞれ各切り込み部に露出する内部電極を
接続している。
【0049】また、本実施形態においては、駆動柱31
及び固定柱51、52を一体的に接合するベース部55
の駆動柱31及び固定柱51、52と反対側の上面のみ
に、各内部電極56、57と接続した駆動用外部電極5
3、54が形成される。外部電極53、54に電圧を印
加すると、ベース部55の内部電極56、57及び中間
電極37、38を介して駆動柱31の内部電極12a、
12bに電圧が印加される。
【0050】また、圧電素子50には、ベース部55上
面の駆動用外部電極53、54間の領域にベース部分極
用外部電極が60が形成されている。本実施形態におい
てはは、駆動部31に設けられた内部電極の最上の電極
61と、ベース部分極用外部電極60との間に電圧が印
加されることにより、ベース部55のこれらの電極の間
の部分を分極させることができる。
【0051】さらに圧電素子50の各側面に固定柱分極
用外部電極58、59を設けている。これらは、切り込
み部内面に形成された中間電極37、38及びこれと接
続された内部電極56、57と対向している。したがっ
て、内部電極56、57と接続している駆動用外部電極
53、54と固定柱分極用外部電極58、59との間に
電圧を印加することにより、固定柱51、52全体及び
ベース部55の両側部に電界を発生させることができ、
分極させることができる。
【0052】次に本実施形態のインクジェット記録ヘッ
ドの製造方法について説明する。
【0053】図18に示すように積層圧電材料63は、
上面に電極64が形成された圧電材料シート65を重ね
て圧電セラミックスの積層体を作成する。各圧電材料シ
ートの電極64は、1対の側面間の中央部分の所定の幅
で電極が重なり、また1層ごとに側面方向に交互にずれ
た範囲で電極64を形成してあり、かつ、側面付近には
電極64を形成していない。
【0054】また、積層された圧電材料シートの上に、
電極64の重なり幅より広く交互にずれた最大幅より狭
い幅の圧電材料のブロック66の両側面全面に、内部電
極67、68を形成し、その両側から圧電材料のブロッ
ク69ではさんだものをのせる。これらを焼結して一体
化する。
【0055】次に、図19に示すように積層圧電材料6
3の圧電材料シート65の積層部分において、ダイシン
グ・ソーもしくはワイヤ・ソーにてそれぞれ切り込み部
35、36を設ける。第3の実施形態と同様に、切り込
み部35、36は、中央部分の所定の幅で電極64が重
なった活性領域の部分49から、幅方向に所定の距離を
隔てて設けられ、ブロックの長さ全体に一様の深さで形
成する。本実施形態では、切り込み深さは、電極67、
68の端面が切り込み部内面に露出するように、また、
ブロックの下面から圧電材料シートの積層部分の電極6
4の最上のものを超えた深さで、形成される。
【0056】次に、図20に示すように、中間電極3
7、38を切り込み部35、36内面に、また、外部電
極53、54を内部電極56、57にそれぞれ接続する
ように所定間隔で積層圧電材料56の上面に、また、ベ
ース部分極用外部電極60を上面の外部電極53、54
の間に、また、固定柱分極用外部電極58、59を積層
圧電材料63の各側面に、メッキ、スパッタリング、ま
たはスクリーン印刷にて形成し、インク流路ユニット2
に接着する。このとき、外部電極及び内部電極を形成し
ない部分に、レジストなどのマスキング部材を形成して
マスキングしておき、電極成膜後にこのマスキング部材
を剥離する。
【0057】そして、圧力室5の、列と直角方向の中央
部が、切り込み部35、36の中間部に合うように、か
つ、各圧力室5の列方向の中央部が、各外部電極53、
54の位置に合うように積層圧電材料63を位置合わせ
してインク流路ユニット2の振動板3に接着する。接着
後、積層圧電材料63を切断分離して圧電素子30を形
成する。
【0058】また分極処理においては、第3の実施形態
と同様に、積層圧電材料56の切断分離後に、まず、外
部電極53、54間に所定の電圧を所定の時間印加した
後、各圧電素子50のベース部分極用外部電極60と、
駆動柱31の内部電極のうちベース部分極用外部電極6
0に最も近い最上の内部電極61に接続された外部電極
53との間に電圧を印加してベース部55の中央部分を
分極させる。この場合、ベース部分極用外部電極60と
最上の内部電極61との間隔は、駆動柱31の内部電極
の間隔より広い場合、その間隔に応じて、所定の電界強
度が得られるように、高い電圧を印加する。
【0059】さらに、本実施形態においては、各圧電素
子50の外部電極53,54と、固定柱分極用外部電極
58、59との間に電圧を印加することにより、固定柱
51、52全体及びベース部55の両側部を分極させ
る。この場合、外部電極53,54と固定柱分極用外部
電極58、59との間隔が駆動柱31の内部電極の間隔
より広い場合、その間隔に応じて、所定の電界強度が得
られるように、高い電圧を印加する。
【0060】なお、本実施形態においては、ベース部分
極用外部電極60を形成するものとして説明したが、こ
れを設けず、ベース部を分極しないものとしてもかまわ
ない。あるいは、ベース部分極用外部電極60を形成し
て固定柱分極用外部電極58、59を形成しないものと
してもよい。これ等の場合、第4の実施形態と比較して
剛性は劣るが、製造工程が少なくなり、製造は容易にな
る。
【0061】以上、第1から第4の実施形態に基づいて
説明したが、本発明はこれらの実施形態の構成に限定さ
れるものではなく、この明細書に記載された構成につい
て種々の変形を加えたものも含む。
【0062】例えば、上記実施形態では駆動柱及び固定
柱内部に設けられた内部電極の方向は振動板に対して平
行なものとしているが、振動板に対して垂直方向であっ
てもかまわない。
【0063】また、上記実施形態では固定柱及びベース
部を分極させる1対の電極間には内部電極が設けられて
いないが、駆動柱内部と同様に交互に一方の電極に接続
される内部電極を設けてもかまわない。
【0064】また、第1、第2の実施形態では、駆動柱
及び固定柱が単一のベース部に全て接合されているが、
複数のベース部に分割されていてもかまわない。また、
第3、第4の実施形態においては、各圧力室毎に圧電素
子が分離しているが、複数の圧力室に対応する圧電素子
がベース部で複数連接されていてもかまわない。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクジェ
ット記録ヘッドによれば、固定柱は分極状態にありかつ
電気的に開放であるため、駆動柱を駆動するとその反作
用で固定柱に力が作用するが、固定柱には圧電効果によ
り反電界が生じ、その反電界の作用で自らの変形が阻止
され固定柱の剛性が上がる。したがって、クロストーク
が減少し、周囲の駆動柱の駆動によってノズルから吐出
されるインク滴の滴速及び滴径が変化することを防止で
きる。また、固定柱の剛性が上がり、駆動した駆動柱の
他端の移動が減少するので、駆動柱の変位はその駆動柱
が固定された圧力室へ効率良く伝達される。したがっ
て、小型でかつ製造が容易であり、印字品質が優れ、ま
た、圧力室内インクへの圧力伝達効率が改善され、低電
力化・低コスト化が可能なインクジェット記録ヘッドが
得られる。
【0066】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
の製造方法によれば、積層圧電材料に溝を形成して、各
圧力室の振動板で覆われた開口部上で振動板と接合され
る駆動柱と、各圧力室の前記開口部の周囲部分で振動板
と接合される複数の固定柱と、前記各駆動柱の前記伸縮
の方向の他方の端部と当該圧力室の周囲部分に接続され
る少なくとも1つの固定柱とが接合されるベース部とを
形成し、電圧の印加により固定柱又はベース部を分極さ
せる少なくとも1対の分極電極を形成し、対応する外部
電極間に電圧を印加して固定柱を分極させるステップと
を有するので、駆動柱の駆動の反作用で力が加わった固
定柱又はベース部に圧電効果により反電界が生じ、その
反電界の作用で自らの変形が阻止され剛性が上がり、し
たがって、クロストークが減少し、周囲の駆動柱の駆動
によってノズルから吐出されるインク滴の滴速及び滴径
が変化することを防止できるインクジェット記録ヘッド
を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示す斜視図で
ある。
【図2】図1の圧力室の列方向の断面図である。
【図3】図1の駆動柱及び固定柱の圧力室の列と直角方
向の断面図である。
【図4】図1の製造方法を説明するための斜視図であ
る。
【図5】図1の製造方法を説明するための斜視図であ
る。
【図6】図1の製造方法を説明するための斜視図であ
る。
【図7】図1の製造方法を説明するための斜視図であ
る。
【図8】図1の製造方法を説明するための斜視図であ
る。
【図9】本発明の第2の実施形態の構成を示す斜視図で
ある。
【図10】図9のベース部分極用内部電極の外形を示す
断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の構成を示す斜視図
である。
【図12】図11の圧電素子の圧力室の列と直角方向の
断面図である。
【図13】図11の製造方法を説明するための斜視図で
ある。
【図14】図11の製造方法を説明するための斜視図で
ある。
【図15】図11の製造方法を説明するための斜視図で
ある。
【図16】本発明の第4の実施形態の構成を示す斜視図
である。
【図17】図16の圧電素子の圧力室の列と直角方向の
断面図である。
【図18】図16の製造方法を説明するための斜視図で
ある。
【図19】図16の製造方法を説明するための斜視図で
ある。
【図20】図16の製造方法を説明するための斜視図で
ある。
【図21】従来のインクジェット記録ヘッドの構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 圧電素子ブロック 2 インク流路ユニット 3 振動板 4 ノズル 5 圧力室 6 供給口 7 インクプール 8,31 駆動柱 9,32,33,51,52 固定柱 10,34,55 ベース部 11 側壁 12a,b,c,d,56,57 内部電極 13a、b 側面 14,15,24,39,40,53,54 外部電極 16 上面 17,45,47,65 圧電材料シート 18,48,66,69 圧電材料ブロック 19 溝 20 プローブ 21 分極電圧印加回路 22,41,60 ベース部分極用外部電極 23,42 ベース部分極用内部電極 30,50 圧電素子 35,36 切り込み部 37,38 中間電極 43,63 積層圧電材料 44,46,64,67,68 電極 49 活性領域 58,59 固定柱分極用外部電極 61 最上内部電極 62 基板材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−138800(JP,A) 特開 平11−138797(JP,A) 特開 平9−174837(JP,A) 特開 平7−137255(JP,A) 特開 平5−318727(JP,A) 特開 平5−96739(JP,A) 特開 平3−10846(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/16

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1方の面に有する開口部が変形容易な振
    動板により覆われ室内にインクを供給する供給口と室内
    のインクを吐出するノズルとをそれぞれ有する複数の圧
    力室と、1対の外部電極をそれぞれ備え前記1対の外部
    電極間に印加される電圧に基づいて伸縮し前記伸縮の方
    向の一方の端部で前記振動板を変形させて各圧力室を駆
    動する複数の駆動柱と、前記複数の圧力室の前記開口部
    の周囲部分に対して接続される複数の固定柱と、前記各
    駆動柱の前記伸縮の方向の他方の端部と当該圧力室の周
    囲部分に接続される少なくとも1つの固定柱とが接合さ
    れるベース部とを有するインクジェット記録ヘッドにお
    いて、前記複数の固定柱及び前記ベース部の少なくとも
    1つは、分極状態にありかつ電気的に開放である圧電素
    子であることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 1方の面に有する開口部が変形容易な振
    動板により覆われ室内にインクを供給する供給口と室内
    のインクを吐出するノズルとをそれぞれ有する複数の圧
    力室と、1対の外部電極をそれぞれ備え前記1対の外部
    電極間に印加される電圧に基づいて伸縮し前記伸縮の方
    向の一方の端部で前記振動板を変形させて各圧力室を駆
    動する複数の駆動柱と、分極状態にありかつ電気的に開
    放である圧電素子であって前記圧力室間部分に対して接
    続される複数の固定柱と、前記複数の固定柱と前記複数
    の駆動柱の前記伸縮方向の他方の端部とが接合される単
    一のベース部とを有することを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記ベース部は、分極状態にありかつ電
    気的に開放である圧電素子であることを特徴とする請求
    項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記駆動柱及び前記固定柱は、所定間隔
    で平行に配置された内部電極を有し、前記ベース部は、
    前記ベース部分極用内部電極と対向する表面を有し、前
    記駆動柱及び固定柱の内部電極と平行なベース部分極用
    内部電極と、前記ベース部分極用内部電極と対向する表
    面に形成されたベース部分極用外部電極とを有すること
    を特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 1方の面に有する開口部が変形容易な振
    動板により覆われ室内にインクを供給する供給口と室内
    のインクを吐出するノズルとをそれぞれ有する複数の圧
    力室と、1対の外部電極をそれぞれ備え前記1対の外部
    電極間に印加される電圧に基づいて伸縮し前記伸縮の方
    向の一方の端部で前記振動板を変形させて各圧力室を駆
    動する複数の駆動柱と、前記複数の駆動柱の前記伸縮の
    方向の他方の端部を前記複数の圧力室の前記開口部の周
    囲部分に対してそれぞれ固定する複数の固定部とを有す
    るインクジェット記録ヘッドにおいて、各固定部は、隣
    接する前記圧力室の方向と略直角方向両側において前記
    各圧力室の前記開口部の周囲部分に対して接続される複
    数の固定柱と、分極状態にありかつ電気的に開放である
    圧電素子であって前記複数の固定柱と前記各駆動柱の前
    記伸縮方向の他方の端部とが接合されるベース部とを有
    することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記各固定柱は分極状態にありかつ電気
    的に開放である圧電素子であることを特徴とする請求項
    5に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記各固定柱は、前記駆動柱と固定柱を
    分離する切り込み部内面及び前記各固定柱の前記切り込
    み部内面に対向する側面に前記各固定柱の分極用の電極
    を有することを特徴とする請求項6に記載のインクジェ
    ット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記駆動柱は、所定間隔で平行に配置さ
    れた内部電極を有し、前記ベース部は、前記ベース部分
    極用内部電極と対向する表面を有し、前記駆動柱及び固
    定柱の内部電極と平行なベース部分極用内部電極と、前
    記ベース部分極用内部電極と対向する表面に形成された
    ベース部分極用外部電極とを有することを特徴とする請
    求項5または6に記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. 【請求項9】電極が表面に形成された圧電材料シートを
    積層して1対の側面間の中央部分の所定の幅で前記圧電
    材料シート1層を隔てて電極が重なりその両側で圧電セ
    ラミックス2層を隔てて電極が重なる圧電材料シートの
    積層部を有する積層圧電材料を形成するステップと、前
    記積層圧電材料に溝を形成して、前記圧電材料シートの
    積層部を内部に有し各圧力室の振動板で覆われた開口部
    上で振動板と接合される駆動柱と、各圧力室の前記開口
    部の周囲部分で振動板と接合される複数の固定柱と、前
    記各駆動柱の前記伸縮の方向の他方の端部と当該圧力室
    の周囲部分に接続される少なくとも1つの固定柱とが接
    合されるベース部とを形成するステップと、各駆動柱毎
    に内部の複数の電極が交互に接続される1対の駆動電極
    を形成するステップと、電圧の印加により前記固定柱
    ベース部を分極させる少なくとも1対の分極電極を形
    成するステップと対応する外部電極間に電圧を印加して
    前記駆動柱及び固定柱及びベース部を分極させるステッ
    プとを有することを特徴とするインクジェット記録ヘッ
    ドの製造方法。
  10. 【請求項10】電極が表面に形成された圧電材料シート
    を積層して1対の側面間の中央部分の所定の幅で前記圧
    電材料シート1層を隔てて電極が重なりその両側で圧電
    セラミックス2層を隔てて電極が重なるとともに前記電
    極の端面は必ずどちらか一方の側面に露出する圧電材料
    シートの積層体を形成する第1のステップと、前記圧電
    材料シートの積層体の上に圧電材料のブロックをのせ、
    これらを焼成して積層圧電材料を形成する第2のステッ
    プと、前記両側面上の各圧力室及び各圧力室間に相当す
    る位置において端面が露出した前記電極に接続された複
    数組の外部電極を形成する第3のステップと、圧電材料
    シートを積層した部分を分離するように隣接する外部電
    極間に溝を形成して、各圧力室上で振動板と接合する駆
    動柱と、各圧力室間で振動板と接合する固定柱とを形成
    する第4のステップと、駆動柱が圧力室上に位置し、固
    定柱が圧力室間に位置するように、位置合わせして前記
    駆動柱及び前記固定柱を前記振動板に接合する第5のス
    テップと、前記複数組の外部電極にプローブを接触さ
    せ、対応する外部電極間に電圧を印加して前記駆動柱及
    び固定柱を分極させる第6のステップとを有するインク
    ジェット記録ヘッドの製造方法において、 前記第1のステップは、前記第4のステップで形成され
    る溝より上まで電極を形成した圧電材料シートを積層し
    てベース部分極用内部電極を形成するステップをさらに
    有し、前記第3のステップは、前記圧電材料のブロック
    の上面にベース部分極用外部電極を設けるステップをさ
    らに有し、前記第6のステップは、ベース部分極用外部
    電極とベース部分極用内部電極との間にその間隔に応じ
    た電圧を印加して当該電極間の圧電材料を分極させるス
    テップをさらに有することを特徴とするインクジェット
    記録ヘッド の製造方法。
  11. 【請求項11】電極が表面に形成された圧電材料シート
    を積層して1対の側面間の中央部分の所定の幅で前記圧
    電材料シート1層を隔てて電極が重なりその両側で圧電
    材料シート2層を隔てて電極が重なるとともに前記電極
    の端面は必ずどちらか一方の側面に露出する圧電材料シ
    ートの積層体を形成するステップと、前記 圧電材料シー
    トの積層体の上に圧電材料のブロックをのせ、これらを
    焼成して積層圧電材料を形成するステップと、前記電極
    の最上の電極に達しない深さで前記圧電材料シート1層
    を隔てて電極が重なる両側にそれぞれ切り込み部を設け
    側面間方向において駆動柱となる部分と固定柱となる部
    分を分離するステップと、前記切り込み部の内面に電極
    を形成するとともに前記両側面上の各圧力室に相当する
    位置において端面が露出した前記電極に接続された複数
    組の外部電極を形成するステップと、前記圧電材料のブ
    ロックの上面に電極を形成するステップと、前記切り込
    み部の中間部であって外部電極の各組の中間部が各圧力
    室上に位置し切り込み部の外側が圧力室の両側に位置す
    るように位置合わせして前記積層圧電材料を前記振動板
    に接合するステップと、積層圧電材料を切断分離して各
    圧力室に対応する駆動柱及び固定柱をもつ圧電素子を形
    成するステップと、前記複数組の外部電極にプローブを
    接触させ、対応する外部電極間に電圧を印加して前記駆
    動柱を分極させるステップと、前記圧電材料のブロック
    上面の電極と前記最上の電極間にその間隔に応じた電圧
    を印加して当該電極間の圧電材料を分極させるステップ
    を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの
    製造方法。
  12. 【請求項12】表面に電極が形成された圧電材料シート
    を積層して、1対の側面間の中央部分の所定の幅で圧電
    セラミックス1層を隔てて電極が重なり、その両側で圧
    電セラミックス2層を隔てて電極が1つおきに重なる圧
    電材料シートの積層体を形成するステップと、その上に
    ほぼ前記所定の幅をもち両側面に電極が形成され上面に
    その端面が露出した圧電材料のブロックを載せその両側
    に圧電材料のブロックをのせこれらを焼結して積層圧電
    材料を形成するステップと、前記圧電材料ブロックの両
    側面の電極に達する深さで前記圧電材料シート1層を隔
    てて電極が重なる両側にそれぞれ切り込み部を設け側面
    間方向において駆動柱となる部分と固定柱となる部分を
    分離するステップと、前記切り込み部の内面に電極を形
    成するとともに前記圧電材料ブロックの上面の各圧力室
    に相当する位置において端面が露出した前記電極に接続
    された複数組の外部電極を形成するステップと、複数組
    の外部電極の間に電極を形成するステップと、前記切り
    込み部の中間部であって外部電極の各組の中間部が各圧
    力室上に位置し切り込み部の外側が圧力室の両側に位置
    するように位置合わせして前記積層圧電材料を前記振動
    板に接合 するステップと、積層圧電材料を切断分離して
    各圧力室に対応する駆動柱及び固定柱をもつ圧電素子を
    形成するステップと、前記複数組の外部電極にプローブ
    を接触させ、対応する外部電極間に電圧を印加して前記
    駆動柱を分極させるステップと、複数組の外部電極の間
    に形成された電極と前記最上の電極間にその間隔に応じ
    た電圧を印加して当該電極間の圧電材料を分極させるス
    テップを有することを特徴とするインクジェット記録ヘ
    ッドの製造方法
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