JP3379924B2 - 吸着材 - Google Patents

吸着材

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JP3379924B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分量を特定した
セメントスラリー、特に、例えば廃セメントスラリー等
の安価な原料を用い、この水分量の調整、更に吸着能や
イオン交換能等の機能性付与剤を添加、二段養生して得
た多孔質構造の吸着材に関し、更に詳しくは、多孔質構
造に起因する優れた吸着機能を活かした環境材料とし
て、排水や河川水、大気等の浄化機能を高める浄化材、
床下調湿材、調湿防臭壁材、断熱・吸音ボード、パネル
類、快適な生活空間を構成する建築材料、緑化、培地
材、土壌改良材、植物育成の環境を改善する土木・農業
資材などに好適に用いられる吸着材に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】産業の発達は人々の生活改善に役立ってい
る反面、人々の生活を脅かす公害をもたらしている。こ
の公害が非人道的な被害を人々にもたらすことを知った
人類は、公害を伴わずに生活を改善するという新たな目
標に向かって歩みだし始めている。
【0003】河川、湖沼、海洋などの水質汚濁は、大気
汚染とともに典型的な公害とされており、この水質汚濁
を防止するために、一定量以上の排水を河川、湖沼、海
洋などに放流する企業などに対しては排水の水質規制を
行っているが、比較的排水量の少ない一般家庭排水など
に対する水質規制はなされていない。
【0004】この水質規制は一定の成果を挙げ、河川、
湖沼、海洋などの水質は一時に比べると改善されてい
る。特に、身体機能の低下や喪失をもたらす重金属類や
毒物の排出に対しての厳しい水質規制は河川等の水質の
安全性をかなり高めたと評価することができる。しかし
ながら、規制を受けない排水発生源からの排水による水
質汚濁はいまだに衰えることはなく、むしろ、激化して
いるといわれており、今日では河川や湖沼あるいは海洋
そのものの水質改善を図る必要性が訴えられている。
【0005】この河川、湖沼、海洋などの水質問題で最
も重視されてきたのは、漁業被害をもたらす「あおこ」
や「赤潮」の原因となる富栄養化の問題である。即ち、
水中の有機物、窒素化合物、燐酸及び燐酸塩の含有量が
多くなりすぎるという問題である。
【0006】家畜尿汚水、生活雑排水、下水などの有機
性汚水は水質を富栄養化するものとして広く知られてお
り、水質の富栄養化防止を図るために、これら有機性汚
水の処理方法が種々提案されている。
【0007】例えば下水は、スクリーン、沈砂、沈澱な
どの予備処理を行って、固体(汚泥)を液体から分離し
た後、散水濾過法、活性汚泥法などの高級処理を行って
酸化させ、更にこの後、生物学的処理と、最終沈澱(又
は沈澄)と、消毒とを順に行うことにより処理されてい
る。
【0008】スクリーンは、平行棒状、格子状、或いは
網目状のふるいに下水を流し、単に機械的に下水中の粗
浮遊物を除去する処理であり、沈砂は、下水の流速を減
じて重い固体である砂礫を沈澱させる処理である。沈砂
処理においては、砂礫の後処理とは異なる後処理を施す
有機質を砂礫から分離するために、流速を調節して有機
質をできるだけ沈殿させないようにしている。
【0009】沈澱には普通沈澱と薬品沈澱とがあり、普
通沈澱は主に有機性浮遊質を沈澱させる。この沈澱物は
沈澱汚泥又は生汚泥と呼ばれる。薬品沈澱は汚泥の沈澱
を助長するために薬品を加えて凝集沈澱を起こさせる方
法であり、使用する薬品としては、硫酸バンド、塩化ア
ルミニウム、3価又は2価の硫酸鉄、三塩化鉄、二塩化
鉄、消石灰、有機系凝集剤などが代表的である。
【0010】薬品沈澱は浮遊質の80〜95%を除去で
きるので、これをもって下水処理は解決されたとさえ考
えられたのであるが、流出下水の腐敗性、沈澱汚泥量の
多量化、薬品の高価さという大きな問題を伴っており、
現在では高級処理の中の生物学的処理にとって代わられ
たといえる。
【0011】散水濾過法は、その生物学的処理の典型で
あり、下水を噴水状にして粗濾材上に撒布し、下水が粗
濾材の隙間を通って下に流れる間に濾材表面に付着させ
た好気性細胞膜に触れて酸化させる処理方法であり、散
水位置が固定されている固定式と、散水の反動を利用し
て散水位置を旋回させる回転式とがある。この散水濾過
法は、維持管理が簡単で人手をあまり要しない、流出下
水の酸化が良く進行しており、腐敗性がないなどの長所
がある。
【0012】活性汚泥法は、下水に酸素を通じて十分掻
き混ぜると、汚泥が海綿状となって容積が大になるが、
これを静置すると容易に沈澱するという事実に基づいた
処理であり、このようにして生じた汚泥の25%程度を
返送し、新下水に混ぜて作業を行うと、短時間できわめ
て清澄で外観のよい上澄液を得ることができる。
【0013】ところで、近年、脱窒素及び脱リンに用い
られる微生物担体として、多孔質珪酸カルシウム系のも
のが提案されている(特公平6−83832号公報参
照)。
【0014】この微生物担体は、「珪酸質原料と石灰質
原料とからなる水スラリーを発泡剤の存在下で発泡させ
て得た発泡硬化物を水熱反応処理して得られ、且つ50
〜90%の空隙率を有する多孔質珪酸カルシウムを主成
分とするもの。」であり、珪酸質原料としては「珪石、
珪砂、クリストバライト、無定型シリカ、珪藻土、フェ
ロシリコン、白土などの粉末」が用いられ、石灰質材料
としては「生石灰、消石灰、セメントなどの粉末」が用
いられる。又、発泡剤としては「アルミニウム粉末など
の金属発泡剤やAE剤などの起泡剤」が用いられ、この
起泡剤としては、具体的には「樹脂せっけん類、サポニ
ン、合成界面活性剤類、加水分解たんぱく質、高分子界
面活性剤など」が挙げられている。
【0015】又、製品としての多孔質珪酸カルシウム水
和物としては、CHSゲル、トバモライト、ゾノライト
が挙げられている。
【0016】この微生物担体を用いる水処理において
は、この濾材を充填した好気性濾床槽に一次処理して浮
遊物や沈澱物を除去した有機性汚水を曝気しながら希釈
せずに通水することにより、生物膜法による有機物の除
去と、リンの除去と、窒素化合物の硝化とが同時に行わ
れる。そして、硝化された窒素化合物を含む処理水を処
理するめに、処理水は前記好気性濾床槽から嫌気性濾床
槽に導入され、メタノールなどの水素供与体を加えるこ
とにより、通気性嫌気性状態で脱窒菌により生物学的脱
窒素が行われる。
【0017】なお、この微生物担持体の大きさは0.5
〜10mmが望ましいとされている。
【0018】一方、炭、ゼオライトなどの多孔質体を濾
材として用いることにより水質を改善することはかなり
前から行われている。例えば家庭用上水道の蛇口に活性
炭を充填した浄水器を取付け、蛇口から流出する水を浄
水器に通すことにより水道水の臭いを取る技術が既に広
く実用化されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来微
生物担持体においては、珪酸質原料と石灰質原料とから
なる水スラリーを発泡剤の存在下で発泡させて得ている
ので、気孔の大きさが不揃いになり、微生物吸着能や汚
水の処理能力更に耐久性にバラツキが生じて、均一な製
品を作り難いという問題がある。
【0020】又、使用原料として、廃材を用いるのでは
なく、はいずれも原料として購入したものであり、材料
費が高くなるうえ、前記水スラリーを形成するための設
備と労力が必要であるため、設備費用や労賃を勘案すれ
ば高価にならざるを得ない。
【0021】更に、望ましいとされている0.5〜10
mmの粒径では、河川水の浄化材として使用すれば水流
によって流失することがある。
【0022】加えて、生物膜によって有機物、リン及び
アンモニア性窒素の硝化を行うためには微生物担持体に
一定以上の微生物が生息することが必要であり、この微
生物を微生物担持体に着床させ一定以上繁殖させる間に
は殆ど浄化機能を期待することができないという大きな
欠点を持っている。
【0023】一方、炭やゼオライトは、化学的吸着能や
物理的吸着能によって処理水中の有機物、リン酸イオン
及びアンモニア性窒素を吸着するので、使用開始と同時
に浄化機能が発揮されるが、耐久性や強度が小さいの
で、河川水の浄化材として使用すれば流失したり、破損
したりするという問題がある。
【0024】この強度的な問題を解決するために、例え
ばゼオライトをコンクリートに混入することが考えられ
るが、コンクリート自体が水密性の高い材料であるた
め、表面に露出したゼオライトの作用は期待できるが、
内部に埋まってしまったゼオライトが作用することは期
待できないという問題がある。
【0025】ところで、従来の多孔質体を用いて水質を
改善する技術にこれらの技術的課題がある中で、コンク
リートパイルなどのセメントを原料とするセメント製品
の製造工場においては、必然的にセメントを含む廃セメ
ントスラリーが生じることがあり、この廃セメントスラ
リーの処理には高価な処理費用を費やさなければならな
いという問題を抱えている。
【0026】例えばコンクリートパイルの製造工程にお
いては、セメントミルクを円筒状の型枠に投入し、型枠
をその軸心回りに回転させて遠心成形した後、蒸気養生
を行う前に、製品の重量軽減を図るために、中心におけ
るスラリー状のセメント廃材を型枠外に排出させる必要
がある。
【0027】又、ヒューム管の製造工程においても、セ
メントミルクを円筒状の型枠に投入し、型枠をその軸心
回りに回転させて遠心成形した後、蒸気養生を行う前
に、内径寸法の寸法精度を守るために、中心におけるス
ラリー状のセメント廃材を型枠外に排出させる必要があ
る。
【0028】これらコンクリートパイルやヒューム管の
製造工場において発生するスラリー状のセメント廃材、
即ち、廃セメントスラリーは、放置すれば硬化するが、
その硬化物は強度が低く、時間の経過とともに崩壊が進
むことや、アルカリ成分を溶出するために環境悪化への
影響が懸念される。
【0029】更に、この廃セメントスラリーの硬化物は
蒸気養生しても強度を高めることができず、構造材とし
て再利用することはできない。
【0030】そこで、かっては廃セメントスラリーを一
定の大きさのブロックに固めて埋め立て材料として利用
することが検討されたが、これらの問題があることから
実用化することは困難であると解釈され、結局、廃セメ
ントスラリーはこれまでのところ多額の費用を費やして
産業廃棄物として処理されてきた。
【0031】そこで、多額の処理費用が掛かるという問
題を解決するために、廃セメントスラリーを何らかの用
途に有効利用することを研究するうちに、廃セメントス
ラリーの成分は、セメントと水との成分が重量比でほぼ
1:1であることを除けば、ポルトランドセメントと珪
石微粉とが主成分で、水和物の生成や結晶成長にともな
って経時的に鉱物組成や気孔分布が変化することが判明
した。
【0032】そこで、本発明者は、セメントスラリーに
おいて、特に、廃セメントスラリーを有効な資源とする
ために、通常のセメント硬化体のセメントに対する水の
重量比(水セメント重量比という。)は50%以下であ
るのに対して、その比を上げて吸着材を製造し、得られ
た各種吸着材による水の浄化試験を行ったところ、特
に、水セメント重量比が70〜150%と大きくとった
セメントスラリーを形成し、このセメントスラリーを型
枠に充填し常圧高温養生(蒸気養生)を行うと気孔径が
比較的揃った水酸化カルシウム及び炭酸カルシウム組成
の多孔質体が得られること、この常圧高温養生に続い
て、この多孔質体を高温高圧養生(オートクレーブ養
生)すると、経時変化のない多孔質の硬化体が得られる
ことが判明したのである。
【0033】又、この多孔質の硬化体は、水酸化カルシ
ウムとシリカ質とが結合したCSHゲル或いはトバモラ
イトゲルと呼ばれる珪酸カルシウム水和物によって連続
した微細な気孔を有する多孔体構造を有し、しかも、こ
の珪酸カルシウム水和物の他にカルシウム分とアルミナ
分とを主成分とする水和生成物を含んでいることが判明
した。
【0034】更に、常圧高温養生により硬化した多孔質
体を高温高圧養生すると、水熱反応が起こり、この水熱
反応によりアルカリ溶出が抑制されるようになるととも
に硬化物の強度が高められる上、この水熱反応により生
成するアルミナ分が結合した水和生成物がゼオライトに
類似した働きを持ち、燐酸、燐酸塩、窒素化合物など水
質を富栄養化する環境汚染物質に対して優れた吸着能を
有していることが判明した。
【0035】加えて、この多孔質の硬化体は細孔容積が
0.2〜0.75mL/g、比表面積15〜55m2
gと非常に細孔が多く、しかも、この細孔は極大細孔半
径が0.05〜0.45ミクロンで、サブミクロン以下
で幅広く細孔半径あるいは直径が異なるものが存在して
いる。もちろん、吸着に関与するといわれる直径20〜
500オングストロームの気孔(メソポアと呼ばれ
る。)も多く含まれている。
【0036】なお、前記セメントスラリー中にCaO/
SiO2モル比=2.0以下となるシリカ分が存在する
場合には、CaOはシリカ分と水からトベルモライトや
ゾノトライト等の珪酸カルシウム水和物を生成し、ゼオ
ライト類似物質、即ち、アルミナ分が結合した水和生成
物の生成が進まないことも判明した。
【0037】このことから、特公平6−83832号公
報に係る発明の発明者は、この発明に係る多孔質珪酸カ
ルシウム系の微生物担持体において、CaO/SiO2
モル比=0.5〜2.0、具体的には0.8、1.0、
1.5となるように珪酸質原料と石灰質原料とが配合さ
れているので、シリカ分がCaO/SiO2モル比=
2.0を超える場合にはゼオライト類似物質が生成する
ことを知り得なかったと解釈されるし、このゼオライト
類似物質を生成できることすら知り得なかったのである
から、このようにして生成させた多孔質鉱物物質が環境
汚染物質の吸着により水を浄化するという機能を発現す
るとの着想に到達することはあり得なかったと解釈され
る。
【0038】そして、特公平6−83832号公報に係
る発明においては、ひたすらに生物学的処理に目を向け
て、微生物の着床及び繁殖に適した気孔を形成するため
に発泡剤を用いて多孔質にするという技術的手段を採用
されたものと推察される。
【0039】本発明は、上述したように、水セメント重
量比を70〜150%に構成すると共に、シリカ分とア
ルミナ分を主成分とする粉状ないし粒状の鉱物材を配合
したセメントスラリーを常圧高温養生してから高圧高温
養生すればゼオライト類似物を含んだ多孔質の硬化体を
得ることができるという知見に基づいて完成されたもの
であり、このように水セメント比が大きく、且つシリカ
分とアルミナ分を主成分とする粉状ないし粒状の鉱物材
を配合したセメントスラリーからゼオライト類似物を含
む多孔質セメント硬化体を形成することにより、経時変
化の少ない多孔質で、アンモニア性窒素等の窒素化合物
に対して著しく優れた吸着機能を発現するうえ、微生物
等の吸着やリン酸イオン等の各種イオンに対する至極優
れたイオン交換能、大気等の浄化機能、調湿・防臭機
能、断熱・吸音機能、土壌の改良・改質機能等を発揮し
たり、これら各種諸機能の長期安定性、更に耐久性に至
極優れ、しかも著しく廉価な吸着材を提供することを目
的とするものである。
【0040】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係る吸着材は、セメント100重量部に対
して、水70〜150重量部及びシリカ分とアルミナ分
を主成分とする粉状ないし粒状の鉱物材5〜50重量部
からなるセメントスラリーを形成し、これを常圧高温養
生と高圧高温養生とを順次行って硬化、多孔質構造に
ると共に、前記のシリカ分とアルミナ分を主成分とする
粉状ないし粒状の鉱物材の水熱反応によってゼオライト
類似物を生成してなることを特徴とするものである。
【0041】セメント100重量部に対して、水70〜
150重量部及びシリカ分とアルミナ分を主成分とする
粉状ないし粒状の鉱物材5〜50重量部を配合、混練し
てセメントスラリーを形成した後、型枠に投入し、この
後、常圧高温養生を行うと、水分の蒸散に起因する気孔
径が比較的揃った水酸化カルシウム及び炭酸カルシウム
組成の多孔質体が得られ、続いて、この多孔質体を高圧
高温養生すると、ゼオライト類似物を含んだ多孔質の硬
化体(吸着材)を得ることができる。
【0042】そして、この得られた吸着材は、経時変化
の少ない多孔質で、アンモニア性窒素等の窒素化合物に
対して著しく優れた吸着機能を発現するうえ、微生物等
の吸着やリン酸イオン等の各種イオンに対する至極優れ
たイオン交換能、大気等の浄化機能、調湿・防臭機能、
断熱・吸音機能、土壌の改良・改質機能等を発揮した
り、これら各種諸機能の長期安定性、更に耐久性に至極
優れ、しかも著しく廉価な多孔質の硬化体(吸着材)が
得られるのである。
【0043】つまり、この多孔質の硬化体、即ち、本発
明に係る吸着材にはゼオライトに類似した水和生成物が
含まれており、有機物、燐酸、燐酸塩、窒素化合物など
水質を富栄養化する水質汚染物質や大気中の悪臭成分な
どの大気汚染物質更に空気中の湿気更に土壌中のリン酸
イオン、カリウムイオンなどの金属イオン及びアンモニ
ウムイオン並びに水分に対する優れた吸着・保持能を発
揮するので、河川、湖沼、海洋、大気更に土壌などの浄
化、改良に用いる吸着材としてすこぶる有用である。
【0044】以下、本発明の吸着材について更に詳細に
説明する。本発明で用いられるセメントとしては特に限
定されるものではなく、市販品のものが、製造コストや
入手の容易性等の観点から、望ましい。
【0045】このセメントにはポルトランドセメント、
混合セメント及び特殊セメントが含まれ、ポルトランド
セメントには、普通ポルトランドセメント、早強ポルト
ランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱
ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐
硫酸塩ボルトランドセメント及びこれらのセメント中の
全アルカリを0.6%以下に抑えた低アルカリ形のもの
が含まれる。
【0046】混合セメントは、ポルトランドセメントの
クリンカーに適当な急冷高炉スラグやボゾラン材料を綴
合して粉砕したものであり、高炉セメント、シリカセメ
ント、及びフライアッシュセメントが含まれる。
【0047】特殊セメントの代表としては、ボーキサイ
トにほぼ等量の石灰石を混合し、溶融焼成した後、急冷
粉砕したアルミナセメントと、アルミナセメントと同じ
ように超速硬性を有し、長期にわたって安定した強度増
進を示し、高強度を期待することができる超速硬セメン
トとを挙げることができる。
【0048】これらのセメントの中では、最も安価で、
且つ入手が容易な普通ポルトランドセメントを用いるこ
とが推奨される。
【0049】本発明で用いられるシリカ分とアルミナ分
を主成分とする粉状ないし粒状の鉱物材としては、前記
二段養生の段階でゼオライト類似物を生成するものであ
れば特に限定されるものではないが、最も安価で、しか
も吸着能の優れたゼオライト類似物を生成するフライア
ッシュが望ましい。
【0050】本発明に係る吸着材を得るためには、ま
ず、セメント100重量部に対して、水70〜150重
量部及びシリカ分とアルミナ分を主成分とする粉状ない
し粒状の鉱物材5〜50重量部を配合、混練してセメン
トスラリーを形成する。
【0051】セメント100重量部に対して、水70重
量部未満になると、水分の蒸散に起因する多孔質化に限
界が生じ、所要の吸着能を発現する吸着材が得難いので
あり、一方、150重量部を超えると、材料の分離が発
生したり、二段養生をおこなっても硬化が困難になった
り、硬化体の強度が低下し、使用中に、風化したり、崩
壊して所要の耐久性が得られないので好ましく、これら
の観点から、特に、セメント100重量部に対して、水
75〜125重量部とするのが望ましい。
【0052】又、セメント100重量部に対して、シリ
カ分とアルミナ分を主成分とする粉状ないし粒状の鉱物
材5重量部未満になると、ゼオライト類似物の生成が不
充分で、所望の吸着能等の諸機能の発現が望めないので
あり、一方、50重量部を超えると、吸着等の諸機能の
効果に限界が生じ、それ以上配合する意味がないだけで
なく、硬化体(吸着材)の強度が低下する恐れがあるの
で好ましくなく、これらの観点から、特に、セメント1
00重量部に対して、シリカ分とアルミナ分を主成分と
する粉状ないし粒状の鉱物材10〜30重量部とするの
が望ましい。
【0053】得られた、セメントスラリーを型枠に投入
し、この後、常圧高温養生を行うと、水分の蒸散に起因
する気孔径が比較的揃った水酸化カルシウム及び炭酸カ
ルシウム組成の多孔質体が得られ、次いで、この多孔質
体を高圧高温養生すると、ゼオライト類似物を含んだ多
孔質の硬化体(吸着材)を得ることができる。
【0054】ここで、型枠に投入したセメントスラリー
を硬化させるために行う常圧高温養生は、公知の蒸気養
生と同じ手順で行われ、適当な時間を掛けて室温から所
定の養生温度までセメントスラリーを昇温させた後、所
定の時間にわたってその養生温度を保持してから空中放
冷する。養生温度は特に限定されず、又、この養生温度
を保持する養生時間も特に限定されることはなく、例え
ば養生温度は60〜75℃とすればよく、この養生温度
に保持する養生時間は5時間程度にすればよい。
【0055】又、常圧高温養生によって前記セメントス
ラリーは硬化し、気孔径が比較的揃った水酸化カルシウ
ム及び炭酸カルシウム組成の多孔質体が得られ、次い
で、この多孔質体を高圧高温養生すると、経時変化の少
ない多孔質の硬化体(吸着材)が得られる。
【0056】この高圧高温養生はオートクレーブを用い
て、例えば4時間程度にわたって160〜180℃の温
度で8〜10kg/cm2の圧力に保持して行われる。
そして、高圧高温養生後の冷却は例えば3時間程度をか
けて120℃程度まで冷却した後、4時間程度をかけて
室温近くまで水冷してから、自然放冷により室温まで冷
却するという方法が採用される。
【0057】このようにして得られた硬化体(吸着材)
は、経時変化がなく、水酸化カルシウムとシリカ質とが
結合したCSHゲルを含んでおり、又、カルシウム分と
アルミナ分とを主成分とする水和生成物を含んでいる。
【0058】更に、この高圧高温養生中に進行する水熱
反応により、この硬化体(吸着材)からのアルカリ溶出
は抑制されるようになるとともに、硬化体(吸着材)の
強度が高められる。しかも、この水熱反応によって生成
するアルミナ分が結合した水和生成物はゼオライトに類
似した働き、即ち、例えば物理的吸着能を持ち、燐酸、
燐酸塩、窒素化合物など水質を富栄養化する環境汚染物
質に対する優れた吸着能を発揮する。この場合、硬化体
(吸着材)に微生物が吸着され、この微生物吸着によっ
て優れた脱窒素効果が得られるのである。
【0059】本発明において、セメントスラリーを形成
する方法は、特に限定されるものではないが、材料費を
安価にするとともに、セメント製品の製造時に発生する
廃セメントスラリーの有効利用を図り、これを有効資源
として利用することによって環境改善を図るのが望まし
い。
【0060】即ち、本発明に係る吸着材においては、セ
メント製品の製造時に発生する廃セメントスラリーに水
又はセメント或いはシリカ分とアルミナ分を主成分とす
る粉状ないし粒状の鉱物材を投入して単位容積重量1.
3〜1.7t/m3に調整し、これを常圧高温養生と高
圧高温養生とを順次行って硬化、多孔質構造にすると共
に、前記のシリカ分とアルミナ分を主成分とする粉状な
いし粒状の鉱物材の水熱反応によってゼオライト類似物
を生成してなるものが望ましい。
【0061】ところで、セメント製品の製造時に発生す
る廃セメントスラリーに水又はセメント或いはシリカ分
とアルミナ分を主成分とする粉状ないし粒状の鉱物材を
投入して単位容積重量1.3〜1.7t/m3に調整す
る理由は、この範囲に調整することにより、前記本発明
に係る吸着材の場合と同様の成分比となって前記吸着材
と同等の吸着材が得られるのである。
【0062】つまり、本発明者は、廃セメントスラリー
はその用途がなく、その処理に多額の費用が掛かるう
え、環境悪化の原因ともなるため、これらの問題を解決
するために、廃セメントスラリーを何らかの用途に有効
利用することを研究するうちに、廃セメントスラリーの
成分は、セメントと水との成分が重量比でほぼ1:1で
あることを除けば、ポルトランドセメントと珪石微粉と
が主成分で、水和物の生成や結晶成長にともなって経時
的に鉱物組成や気孔分布が変化するとの知見を得た。
【0063】そこで、本発明者は、セメントスラリーに
おいて、特に、廃セメントスラリーを有効な資源とする
ために、通常のセメント硬化体のセメントに対する水の
重量比(水セメント重量比という。)は50%以下であ
るのに対して、その比を上げて吸着材を製造し、得られ
た各種吸着材による水の浄化試験を行ったところ、特
に、水セメント重量比が70〜150%と大きくとった
セメントスラリーを形成し、このセメントスラリーを型
枠に充填し常圧高温養生(蒸気養生)を行うと気孔径が
比較的揃った水酸化カルシウム及び炭酸カルシウム組成
の多孔質体が得られること、この常圧高温養生に続い
て、この多孔質体を高温高圧養生(オートクレーブ養
生)すると、経時変化の少ない多孔質の硬化体が得られ
るとの知見を得たのである。
【0064】又、この多孔質の硬化体は、水酸化カルシ
ウムとシリカ質とが結合したCSHゲル或いはトバモラ
イトゲルと呼ばれる珪酸カルシウム水和物によって連続
した微細な気孔を有する多孔体構造を有し、しかも、こ
の珪酸カルシウム水和物の他にカルシウム分とアルミナ
分とを主成分とする水和生成物を含んでいることが判明
した。
【0065】更に、常圧高温養生により硬化した多孔質
体を高温高圧養生すると、水熱反応が起こり、この水熱
反応によりアルカリ溶出が抑制されるようになるととも
に硬化物の強度が高められる上、この水熱反応により生
成するアルミナ分が結合した水和生成物がゼオライトに
類似した働きを持ち、燐酸、燐酸塩、窒素化合物など水
質を富栄養化する環境汚染物質に対して優れた吸着能を
有していることが判明した。
【0066】そして、この多孔質の硬化体(吸着材)は
細孔容積が0.2〜0.75mL/g、比表面積15〜
55m2/gと非常に細孔が多く、しかも、この細孔は
極大細孔半径が0.05〜0.45ミクロンで、サブミ
クロン以下で幅広く細孔半径あるいは直径が異なるもの
が存在している。もちろん、吸着に関与するといわれる
直径20〜500オングストロームの気孔(メソポアと
呼ばれる。)も多く含まれているのである。
【0067】このセメント製品の製造時に発生する廃セ
メントスラリーとしては、コンクリートパイルなどのセ
メントを原料とするセメント製品の製造工場において、
必然的にセメントを含む廃セメントスラリーが生じるこ
とがあり、この廃セメントスラリーが挙げられる。
【0068】具体的には、例えばコンクリートパイルの
製造工程において、セメントミルクを円筒状の型枠に投
入し、型枠をその軸心回りに回転させて遠心成形した
後、蒸気養生を行う前に、製品の重量軽減を図るため
に、中心におけるスラリー状のセメント廃材を型枠外に
排出させた廃セメントスラリーが挙げられる。
【0069】又、ヒューム管の製造工程においても、セ
メントミルクを円筒状の型枠に投入し、型枠をその軸心
回りに回転させて遠心成形した後、蒸気養生を行う前
に、内径寸法の寸法精度を守るために、中心におけるス
ラリー状のセメント廃材を型枠外に排出させた廃セメン
トスラリーが挙げられる。
【0070】又、本発明においては、前述のセメントス
ラリーを形成した後、このセメントスラリーを型枠に投
入するが、この型枠の型室の形状は特に限定されず、例
えば球形、立方形、板状形を含む直方形、円柱形、扇
形、L字形、H字形、円錐形、三角錐形、四角錐形、な
どの他、テトラポット形など任意の形状を選択すること
ができる。又、型室内に適当な中子を配置して、円筒
形、角筒形、立方骨枠形などの中空の硬化物を形成して
も良いのである。
【0071】更に、本発明においては、セメントスラリ
ー中のセメント100重量部に対して吸着機能を有する
機能性骨材5〜50重量部が配合されたものが、得られ
た吸着材の吸着機能が一層向上して、本発明の吸着材の
処理能力を高める上で有利である。
【0072】この機能性骨材としては、ゼオライト、ゼ
オライト質凝灰岩、多孔質酸化鉄又はパーライトなどの
多孔質鉱物資材、活性炭或いは籾殻薫炭から選ばれた少
なくとも1種が挙げられる。
【0073】本発明で用いられる機能性骨材は、燐酸、
燐酸塩、窒素化合物など水質を富栄養化する環境汚染物
質等に対する吸着機能を有する粒体であれば特に限定さ
れないが、価格性や入手の容易性を勘案すれば、物理的
吸着能を持つゼオライトやゼオライト質凝灰岩等のゼオ
ライト類似物や化学的吸着能を持つ籾殻薫炭などの活性
炭素材料を用いることが推奨される。
【0074】又、この機能性骨材の好適な配合量は使用
する機能性骨材によって異なり、例えばゼオライト質凝
灰岩の場合にはセメントに対する重量比が10〜40%
であることが好ましく、籾殻薫炭の場合にはセメントに
対する重量比が5〜15%であることが好ましい。
【0075】ところで、本発明を礫状に形成したり、玉
石状に成形して川床や川岸に置く場合には、本発明が水
流に押し流されないようにするため、型枠に投入する前
に、前記セメントスラリーに、骨材を硬化後の比重が
2.5〜3.5となるように混入し、練混ぜることが好
ましい。
【0076】即ち、本発明に係る吸着材はその比重が
2.5〜3.5となるように、鉄鉱石などの骨材をセメ
ントスラリーに配合されたものが望ましい。
【0077】この比重調整を目的とする骨材は、当然の
ことながら比重が2.75よりも大きいもの、特に、比
重が3よりも大きいもの、が必要であり、例えば鉄鉱石
からなる粗骨材又は細骨材を用いたり、これら鉄鉱石か
らなる粗骨材と細骨材とを併用したりすればよいのであ
る。
【0078】前記セメントスラリーへの骨材の混入は、
常圧高温養生時、高圧高温養生時など固化の段階でのク
ラック発生を防止することにも役立つ。このクラック防
止を目的とする骨材の種類は特に限定されず、例えば通
常のモルタルやコンクリートに骨材として配合される珪
石、凝灰岩などからなる骨材を用いればよい。
【0079】これらの中では、打設面の沈下クラックの
発生がなく、吸着能を有する凝灰岩からなる骨材を用い
ることが更に好ましい。もっとも、珪石からなる骨材を
混入した時に生じる打設面の沈下クラックは、骨材及び
前記スラリーを型枠に入れた後、振動締め固めを行うこ
とにより解消することができ、珪石以外に硬化時に打設
面の沈下クラックが生じる場合にも同様にして振動締め
固めを行うことにより沈下クラックの発生を防止するこ
とができる。
【0080】前記セメントスラリーに骨材を混入する方
法は、特に限定されず、例えば予めセメントスラリーに
骨材を混入し、練混ぜた後、型枠に流し込む方法を採用
できる他、先に型枠内に珪石、凝灰岩などの骨材を充填
した後、前記スラリーを型枠内に流し込むという方法
や、先に前記セメントスラリーを流し込んだ型枠の中に
骨材を投入する方法等、を採用することもできるのであ
る。
【0081】もっとも、凝灰岩からなる骨材を型枠に充
填した後に前記セメントスラリーを型枠に投入する場合
には骨材が浮き上がることがあり、この問題を解消する
ために、骨材として凝灰岩を用いる場合には、骨材と前
記スラリーとを混合して、練混ぜた後(プレミックスし
た後)に、この混合物を型枠に投入する方法を採用する
ことが望ましい。
【0082】本発明に係る吸着材は曲げ強度や圧縮強度
を増大させるために繊維補強することが可能である。し
かし、この場合には型室下面側と打設面側とを同じよう
に繊維補強することが好ましい。例えば、吸着材の表面
を繊維補強する場合には、型室下面と打設面(又は型室
上面)との両面を繊維補強することが好ましく、打設面
(又は型室上面)のみ又は型室下面のみを繊維補強する
と、常圧高温養生時にクラックが発生することがあるの
で好ましくない。
【0083】繊維補強に用いる繊維の素材は、特に限定
されないが、例えば炭素繊維、鋼チップなどの無機繊維
を用いることが好ましい。又、繊維補強に用いる繊維の
長さも特に限定されず、長繊維であっても、短繊維であ
ってもよい。更に、これらの繊維は布状に編成したり、
織成したりして用いてもよく、バインダーで不織布状な
いしマット状に結合して用いてもよく、束ねたり、縄状
に編んだりして用いてもよく、ばらばらにして用いても
よい。これら補強繊維の使用形態の中では、バインダー
で不織布状ないしマット状に結合して用いる形態が価格
的に安価であり、取扱いが容易であり、しかも、均等に
補強繊維を配置できるという観点から、望ましい。
【0084】しかしながら、バインダーで繊維を不織布
状ないしマット状に結合したものを用いる場合には、高
圧高温養生時にバインダーが溶け出し、冷却時に表面に
析出することがあり、更に高圧高温養生時にバインダー
のみならず繊維自体が溶融して、冷却時に表面に析出す
る恐れもある。特に繊維の溶解点が比較的低いガラス繊
維不織布やガラス繊維マットを用いる場合には、バイン
ダーの溶解を防止するため、養生温度を低く設定し、養
生期間を長く設定する必要が生じるので、実用性に問題
が生じてくる。
【0085】炭素繊維マットは、バインダーの溶解温度
が前記セメントスラリーの高圧高温養生時の養生温度よ
りも高いので、バインダーの溶解及び析出の問題は生じ
ないが、セメントスラリーが浸透し難く、硬化物の表面
に繊維が露出することがある。しかし、この問題は、型
枠にスラリーを流し込んだ後に振動締め固めを行い、繊
維間に十分にセメントスラリーを浸透させてから養生を
すれば生じることはない。
【0086】
【作用】以上に説明したように、本発明に係る吸着材
は、セメント100重量部に対して、水70〜150重
量部及びシリカ分とアルミナ分を主成分とする粉状ない
し粒状の鉱物材5〜50重量部からなるセメントスラリ
ーを形成し、これを常圧高温養生と高圧高温養生とを順
次行って硬化、多孔質構造にすると共に、前記のシリカ
分とアルミナ分を主成分とする粉状ないし粒状の鉱物材
の水熱反応によってゼオライト類似物を生成してなるの
で、ゼオライトと類似する働きを持つ水和生成物、即
ち、アルミナ分が結合した水和生成物を含み、かつ、経
時変化のない多孔質の硬化体であり、これにより、有機
物、燐酸、燐酸塩、窒素化合物など水質を富栄養化する
環境汚染物質に対する優れた吸着能を発揮する、という
作用が得られる。
【0087】又、本発明において、セメントスラリー
を、セメント製品の製造工程で生成する廃セメントスラ
リーに水又はセメント或いはシリカ分とアルミナ分を主
成分とする粉状ないし粒状の鉱物材を投入して単位容積
重量1.3〜1.7t/m3に調整することにより形成
すると、セメントスラリーを作るための専用設備が不要
になり、又、セメントスラリーを作るための労力も大幅
に削減することができるなどの作用を得ることができ
る。
【0088】更に、本発明において、セメントスラリー
中のセメント100重量部に対して吸着機能を有する機
能性骨材5〜50重量部が配合されたものが、得られた
吸着材の環境汚染物質に対する吸着機能が一層向上し
て、本発明の吸着材の処理能力を著しく高める、という
作用を得ることができる。
【0089】ここで、この機能性骨材としてシリカ分及
びアルミナ分を主成分とする天然鉱物材や籾殻薫炭など
安価で入手が容易なものを用いると、原料コストを更に
削減できる、という作用が得られる。
【0090】加えて、本発明において、セメントスラリ
ーに硬化後の比重が2.5〜3.5となるように、例え
ば鉄鉱石等からなる骨材が配合されると、本発明の比重
が川床や川岸の保護のために川床や川岸に置かれる玉石
の比重と同じようになり、流水の水勢によって押し流さ
れることを防止でき、単に水中に投入するという簡単な
作業で川床や川岸に敷設できるようになる、という作用
が得られる。
【0091】なお、本発明は、本来は水質浄化や大気浄
化に用いる吸着材として発明されたものであるが、吸着
能があるので、予め肥料、土質改良剤などを吸着させた
後、或いは肥料や土質改良材を吸着させることなく、地
表に撒いたり、土中に埋入したりすることにより緑化、
培地、土壌改良など植物の育成環境を改善する農業資
材、園芸資材或いは土木資材として利用することもでき
る、とういう作用が得られるのである。
【0092】更に、本発明は、吸着能があるので、床下
調湿剤、調湿防臭壁材などの建築資材として利用した
り、又、本発明は多孔質であるので、断熱材、防音材な
どの建築資材として利用したりすることができ、これら
の建築資材を用いることにより生活空間の快適性を高め
ることができる、とういう作用が得られる。
【0093】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【0094】実施例1 本発明の一実施例に係る吸着材は、コンクリートパイル
の遠心形成後、型枠から排出され、容器に貯蔵した廃セ
メントスラリーからなるセメントスラリーを用いて形成
されたものである。
【0095】このコンクリートパイルは、普通ポルトラ
ンドセメント100重量部と、水50重量部と、珪石か
らなる粗骨材50重量部とを配合、混練し、練混ぜたコ
ンクリートミルクを型枠の型室に流し込み、型枠ごと該
型室の中心軸を中心にして回転させることにより遠心成
形されたものであり、重量を軽減するために、この遠心
形成時に中心に集まった廃セメントスラリーが取り出さ
れる。
【0096】容器に貯蔵された廃セメントスラリーの単
位容積重量が1.5t/m3程度となるようにセメント
とフライアッシュ更に水で調整するにあたり、セメント
100重量部に対して、フライアッシュ10重量部とな
るように調製した。
【0097】そして、廃セメントスラリーの単位容積重
量が1.5t/m3程度であることを確認した後、図1
のフロー図に示すように、直径50mm、深さ30mm
の円筒形の型室を有する型枠にこの廃セメントスラリー
を流し込み、1時間静置した後、常圧高温養生する。
【0098】そして、図2の温度制御特性線図に示すよ
うに、前記廃セメントスラリーは原料の配合後に開始す
る水和反応により生じた熱で約27℃に上昇しており、
この常圧高温養生では約3時間かけてスラリーをこの温
度(約27℃)から70℃に昇温させた後、温度60〜
75℃の範囲、平均温度70℃にて4時間程度保持して
行った。
【0099】この常圧高温養生により、前記廃セメント
スラリーは硬化し、水酸化カルシウム及び炭酸カルシウ
ム組成の多孔質の硬化体(以下、多孔質体という。)が
得られる。
【0100】次いで、この多孔質体を前記コンクリート
パイルと同時にオートクレーブに入れ、高圧高温養生す
る。オートクレーブに入れるまでに前記多孔質体の温度
は35〜43℃まで低下するが、図3の温度制御特性線
図に示すように、高圧高温養生においては、この多孔質
体をこの温度から3時間を掛けて165〜180℃に昇
温させるとともに、この昇温と平行して炉内圧を常圧か
ら9〜10Kg/cm 2に昇圧させた後、炉内温度を1
65〜180℃、平均175℃に、炉内圧を9〜10K
g/cm2、平均9.8Kg/cm2に4時間保持してか
ら、2時間半かけて路内圧を常圧まで減圧するととも
に、強制空冷により3時間かけて炉内温度を120℃程
度まで冷却し、引続き水冷により4時間かけて炉内温度
を20℃まで冷却してから、自然放熱により多孔質体及
び炉内温度を室温まで徐冷する。そして、この多孔質体
が室温まで冷却された後、離型させると、所定の形状に
形成された吸着材を得ることができるのである。もっと
も、このように成形された吸着材を破砕して、濾材とし
て利用することも可能である。かくして、本発明の吸着
材を得た。
【0101】ところで、この高圧高温養生を行う間に進
行する水熱反応によって、この吸着材からのアルカリ溶
出が抑制されるようになるとともに、吸着材の強度が高
められる。又、この水熱反応によって吸着材内に水酸化
カルシウムとシリカ質とが結合したCSHゲルと、アル
ミナ分が結合した水和生成物とが生成する。
【0102】この水和生成物は無数の微細な気孔を有し
ているので、ゼオライトに類似した働き、即ち、物理的
吸着能を持ち、後述するように、有機物、燐酸、燐酸
塩、窒素化合物など水質を富栄養化する環境汚染物質に
対して優れた吸着能を発揮する。
【0103】実施例2 又、廃セメントスラリー、即ち、コンクリートパイル製
造工程において、型枠から排出された廃セメントスラリ
ーを投入する型枠に、予め、廃セメントスラリー中のセ
メント100重量部に対して、40重量部のゼオライト
質凝灰岩からなる骨材を機能性骨材として充填し、この
後、前記廃セメントスラリーを円筒形の型室を有する型
枠に流し込んでから、振動締め固めを行った。この後、
実施例1と同様にして常圧高温養生と、高圧高温養生と
を順次に行ってから、離型することにより、ゼオライト
質凝灰岩からなる機能性骨材を表面部に配置した多孔質
の硬化体からなる吸着材を得た。
【0104】実施例3 次に、廃セメントスラリー、即ち、コンクリートパイル
製造工程において、型枠から排出された廃セメントスラ
リーに、この廃セメントスラリー中のセメント100重
量部に対して、籾殻薫炭10重量部を機能性骨材として
配合し、練混ぜてから、この混合物を型枠に流し込み、
実施例1と同様にして、常圧高温養生と、高圧高温養生
とを順次に行ってから、離型することにより、籾殻薫炭
からなる機能性骨材を配合した多孔質の硬化体からなる
吸着材を得た。
【0105】これらの実施例1、実施例2及び実施例3
について、以下の要領でアンモニア性窒素、オルト燐酸
態リン、農薬(イソプロチオラン)の吸着能試験を行っ
た。又、これら実施例1、実施例2及び実施例3を破砕
して得た粉体についてイオン交換容量の測定を行った。
【0106】アンモニア性窒素の吸着能試験は、アンモ
ニア性窒素の初期濃度が70mg/L、20mg/L、
及び5mg/Lとなるように硫酸アンモニウム(試薬特
級)でそれぞれ1Lの検液を調整し、実施例1、実施例
2及び実施例3を別々の1Lの検液に塊状のまま浸漬し
て、スターラーで緩く攪拌しながら0時間、4時間、2
4時間経過時のアンモニア性窒素濃度をインドフェノー
ル青吸光光度法により測定し、除去率を計算した。
【0107】その結果、表1、表2、表3、図4、図
5、図6、図7、図8及び図9に示すように、実施例1
ないし3の24時間経過後のアンモニア性窒素の除去率
は49%〜74%に達し、高濃度水準(70ppm)の
除去率は実施例2>実施例1>実施例3の順に、中濃度
水準(20ppm)の除去率は実施例3>実施例2>実
施例1の順に、中濃度水準(20ppm)除去率は実施
例1>実施例2>実施例3の順になることが認められ
た。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】オルト燐酸態リンの吸着能試験は、オルト
燐酸態リンの濃度が50mg/L及び5mg/Lになる
ように燐酸二水素カリウム(試薬特級)で1Lの検液を
調整し、それらの検液に実施例1、実施例2及び実施例
3を別々の1Lの検液に塊状のまま浸漬して、スターラ
ーで緩く攪拌しながら0時間、4時間、24時間経過時
のオルト燐酸態リン濃度をモリブデン青吸光光度法によ
り測定し、除去率を計算した。
【0112】その結果、表4、表5、図10、図11、
図12及び図13に示すように、高濃度水準(50pp
m)での除去率は13.3〜32.7%で除去効果は低
いが、低濃度水準(5ppm)での除去率は90.0〜
98.6%できわめて高い除去効果が認められる。いず
れの場合にも実施例3>実施例2>実施例1の順であ
り、実施例1の除去率は他の実施例に比べて若干低くな
っていることが認められる。
【0113】
【表4】
【0114】
【表5】
【0115】農薬の吸着能試験は、殺虫剤であるイソプ
ロチオラン(標準品1000mg/L アセトンの溶
液)をアセトンで希釈して濃度が2mg/Lの検液を調
整し、実施例1、実施例2及び実施例3を別々の検液に
塊状のまま浸漬して、スターラーで緩く攪拌しながら0
時間、24時間経過時の残留農薬濃度をGC/MSで測
定し、除去率を計算した。
【0116】その結果、表6、図14及び図15に示す
ように、各実施例の24時間経過時のイソプロチオラン
除去率は20〜30%であることが認められた。なお、
実施例2の除去率は他の実施例よりも若干低くなってい
ることが認められる。
【0117】
【表6】
【0118】イオン交換容量(CEC)の測定は、実施
例1、実施例2及び実施例3を破砕した粉体20gをそ
れぞれ酢酸アンモニウム溶液100mL中に入れ1夜放
置した後、溶液を濾過し、残滓をメタノールで洗浄す
る。洗浄した残滓を10%塩化ナトリウム溶液でアンモ
ニアイオン(NH4+)の置換抽出を行い、中和滴定法
によりアンモニアイオン(NH4+)を分析し、イオン
交換容量を求めた。
【0119】その結果、表7に示すように、実施例2の
イオン交換容量が最も大きく、次いで実施例3、実施例
1の順になった。又、実施例3のイオン交換容量は実施
例1のそれの約3倍に達して達している。
【0120】なお、このイオン交換容量とアンモニア性
窒素吸収能との相関性はあまり見られないといえる。
【0121】
【表7】
【0122】ところで、前記実施例2及び実施例3にお
いては前記スラリーに機能性骨材を配合しているが、こ
の機能性骨材と共に、或いは、機能性骨材に代えて前記
スラリーに例えば鉄鉱石からなる骨材を配合して本発明
の比重を調整することができる。この比重調整用の骨材
を配合して、本発明の比重を3.0前後に調整すると、
本発明は玉石と同じような比重になり、流水中に投入さ
れた本発明が水流の勢いに押し流されることを防止でき
るのである。
【0123】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る吸
着材は、セメント100重量部に対して、水70〜15
0重量部及びシリカ分とアルミナ分を主成分とする粉状
ないし粒状の鉱物材5〜50重量部からなるセメントス
ラリーを形成し、これを常圧高温養生と高圧高温養生と
を順次行って硬化、多孔質構造にすると共に、前記のシ
リカ分とアルミナ分を主成分とする粉状ないし粒状の鉱
物材の水熱反応によってゼオライト類似物を生成してな
るので、ゼオライト類似物を含む多孔質の硬化体が形成
され、このゼオライト類似物の働きにより水中からアン
モニア性窒素、オルト燐酸態リン、農薬などの水質汚染
物質を吸着して除去できる結果、本発明の吸着材を河
川、湖沼、排水設備などに投入、敷設することにより、
そこを流れる水やそこに貯留されている水から前記水質
汚染物質を除去して水質を改善し、水の浄化を図ること
ができる効果を有するのである。
【0124】もっとも、本発明に係る吸着材は、ブロッ
ク状に形成して河川の床や湖沼の水底に護床材として敷
設したり、岸に護岸材として敷設したり、岸に敷設され
る枠組み護岸に組み込んだりしてもよいのであり、これ
ら護床材、護岸材あるいは枠組み護岸の一部分を構成す
る、本発明の吸着材に接触する水から水質汚染物質を除
去して水質を改善し、水の浄化を図ることができる効果
が得られる。
【0125】又、本発明に係る吸着材は、ゼオライト類
似物を含み、その働きによって大気中の窒素酸化物、硫
黄酸化物、悪臭気成分などを吸着して、大気を浄化する
ことができる結果、大気浄化用の吸着材として用いるこ
とができる効果が得られる。
【0126】更に、本発明に係る吸着材は、多孔質であ
るので、床下調湿材、調湿壁材、防臭壁材、断熱材、吸
音材などの生活空間の快適性を高める建築材料としても
利用できる効果が得られる。
【0127】加えて、本発明に係る吸着材は、ゼオライ
ト類似物を含む多孔質硬化体であるので、予め吸着させ
た肥料や土質改良剤を土中に拡散させたり、土中の栄養
分を担持して地力を高めたりする農業資材、園芸資材或
いは土木資材としても活用することができる効果が得ら
れる。
【0128】本発明においては、新しいセメント等の資
材を用いるのに代えて、セメント製品の製造工程で生成
する廃セメントスラリーを用いることができるのであ
り、この場合には、セメント製品の製造時に発生する廃
セメントスラリーに水又はセメント或いはシリカ分とア
ルミナ分を主成分とする粉状ないし粒状の鉱物材を投入
して単位容積重量1.3〜1.7t/m3に調整する
と、廃セメントスラリーの水セメント比が70〜150
%の範囲になったり、その成分比が前述の所要の範囲と
なり、これを常圧高温養生と高圧高温養生とを順次行っ
て硬化、多孔質構造にすると共に、前記のシリカ分とア
ルミナ分を主成分とする粉状ないし粒状の鉱物材の水熱
反応によってゼオライト類似物を生成することにより、
特別の設備と労力が不要になるので、特に安価にできる
上、これまで産業廃棄物として処理していた廃セメント
スラリーを本発明の原料として有効利用できるのであ
り、しかも、この処理費用が不要になるので工場の経済
性を著しく高めることができる効果が得られる。
【0129】又、本発明において、セメントスラリーに
機能性骨材を配合することにより吸着能を高めることが
できる。例えば、セメントに対する重量比10〜40%
のゼオライト質凝灰岩からなる機能性骨材を配合する
と、アンモニア性窒素、オルト燐酸態リンの吸着能を高
められる効果が得られる。又、前記スラリーにセメント
に対する重量比5〜15%の籾殻薫炭からなる機能性骨
材を配合すると、中濃度水準のアンモニア性窒素、オル
ト燐酸態リンの吸着能が高められる効果を得ることがで
きる。
【0130】更に、本発明において、セメントスラリー
に比重の大きい骨材、例えば鉄鉱石からなる骨材を硬化
物の比重が2.5〜3.5になるように配合すると、本
発明に係る吸着材の比重が水中にある自然の玉石と同じ
ようになり、水勢によって本発明の吸着材が押し流され
ることを防止できる効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造工程のフロー図である。
【図2】図2は、本発明の常圧高温養生の温度制御特性
線図である。
【図3】図3は、本発明の高圧高温養生の温度制御特性
線図である。
【図4】図4は、本発明の高濃度水準アンモニア性窒素
濃度変化特性線図である。
【図5】図5は、本発明の中濃度水準アンモニア性窒素
濃度変化特性線図である。
【図6】図6は、本発明の低濃度水準アンモニア性窒素
濃度変化特性線図である。
【図7】図7は、本発明の高濃度水準アンモニア性窒素
除去率特性線図である。
【図8】図8は、本発明の中濃度水準アンモニア性窒素
除去率特性線図である。
【図9】図9は、本発明の低濃度水準アンモニア性窒素
除去率特性線図である。
【図10】図10は、本発明の高濃度水準オルト燐酸態
リンの濃度特性線図である。
【図11】図11は、本発明の低濃度水準オルト燐酸態
リンの濃度特性線図である。
【図12】図12は、本発明の高濃度水準オルト燐酸態
リンの除去率特性線図である。
【図13】図13は、本発明の低濃度水準オルト燐酸態
リンの除去率特性線図である。
【図14】図14は、本発明のイソプロチオランの濃度
特性線図である。
【図15】図15は、本発明のイソプロチオランの除去
率特性線図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E02B 15/10 E02B 15/10 B // C02F 1/20 C02F 1/20 Z E04B 1/16 E04B 1/16 D (56)参考文献 特開 平11−77078(JP,A) 特開 平3−42096(JP,A) 特開 平10−192843(JP,A) 特開 平11−278958(JP,A) 特開 平10−1374(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/10 B01D 53/26 101 B01D 53/28 C04B 38/08 C04B 40/02 E02B 15/10 C02F 1/20 E04B 1/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント100重量部に対して、水70
    〜150重量部及びシリカ分とアルミナ分を主成分とす
    る粉状ないし粒状の鉱物材5〜50重量部からなるセメ
    ントスラリーを形成し、これを常圧高温養生と高圧高温
    養生とを順次行って、硬化、多孔質構造にすると共に、
    前記のシリカ分とアルミナ分を主成分とする粉状ないし
    粒状の鉱物材の水熱反応によってゼオライト類似物を生
    してなることを特徴とする吸着材。
  2. 【請求項2】 セメント製品の製造時に発生する廃セメ
    ントスラリーに水又はセメント或いはシリカ分とアルミ
    ナ分を主成分とする粉状ないし粒状の鉱物材を投入して
    単位容積重量1.3〜1.7t/m3に調整し、これを
    常圧高温養生と高圧高温養生とを順次行って硬化、多孔
    質構造にすると共に、前記のシリカ分とアルミナ分を主
    成分とする粉状ないし粒状の鉱物材の水熱反応によって
    ゼオライト類似物を生成してなることを特徴とする吸着
    材。
  3. 【請求項3】 セメントスラリー中のセメント100重
    量部に対して吸着機能を有する機能性骨材5〜50重量
    部が配合される請求項1又は2に記載の吸着材。
  4. 【請求項4】 機能性骨材がゼオライト、ゼオライト質
    凝灰岩、多孔質酸化鉄又はパーライトなどの多孔質鉱物
    資材、活性炭或いは籾殻薫炭から選ばれた少なくとも1
    種である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の吸着
    材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の吸着材の比重が2.5〜3.5となるように、鉄鉱石
    などの骨材をセメントスラリーに配合される吸着材。
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