JP3379180B2 - 光音響信号検出方法及びその装置 - Google Patents

光音響信号検出方法及びその装置

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JP3379180B2 JP31149593A JP31149593A JP3379180B2 JP 3379180 B2 JP3379180 B2 JP 3379180B2 JP 31149593 A JP31149593 A JP 31149593A JP 31149593 A JP31149593 A JP 31149593A JP 3379180 B2 JP3379180 B2 JP 3379180B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光音響効果あるいは光
熱効果を利用して、試料の表面及び内部情報を検出する
光音響信号検出方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光音響効果(Photoacoustic Effect)
は、1881年チンダル(Tyndall)、ベル(Bell)、
レントゲン(Rentogen)らによって発見された。即ち、
図13に示すように、強度変調した光(断続光)19を
励起光として、レンズ5により試料7上に集光して照射
すると、光吸収領域Vop21において熱が発生し、熱拡
散長μs22で与えられる熱拡散領域Vth23を周期的
に拡散し、この熱歪波によって弾性波(音波)が発生す
る現象である。上記音波、即ち光音響信号をマイクロホ
ン(音響電気変換器)や圧電素子を用いて、あるいは試
料表面に生じた周期的熱膨張変位を光干渉計を用いて検
出し、励起光の変調周波数と同期した信号成分を求める
ことにより、試料の表面及び内部の情報を得ることがで
きる。尚、熱拡散長μs22は、励起光の変調周波数を
Eとして、試料7の熱伝導率κ、密度ρ、及び比熱c
より、次式で与えられる。
【0003】
【数1】
【0004】上記光音響信号の検出方法に関しては、例
えば、文献「非破壊検査;第36巻第10号,p.73
0〜p.736(昭和62年10月)」や「アイ・イー
・イー・イー1986ウルトラ・ソニックス・シンポジ
ウム;p.515〜526(1986年)(IEEE1
986ULTRASONICS SYMPO-SIU
M;p.515〜526(1986)」において論じら
れている。
【0005】その一例を、図12に基づいて説明する。
レーザ1から出射した平行光を音響光学変調素子(AO
変調器)2により強度変調し、その断続光、即ち励起光
をビームエキスパンダ3により所望のビーム径の平行光
19とした後、ハーフミラー4で反射させ、レンズ5に
よりXYステージ6上の試料7の表面に集光させる。試
料7上の集光部21から生じた熱歪波により音波が発生
し、同時に試料7表面に微小な周期的熱膨張変位が生じ
る。この微小変位を以下に述べるマイケルソン干渉計で
検出する。レーザ8から出射した平行光をビームエキス
パンダ9により所望のビーム径に拡大した後、ハーフミ
ラー10で2つの光路に分離し、一方はプローブ光24
としてレンズ5により試料7上の21の位置に集光させ
る。他方は参照ミラー11に照射させる。試料7からの
反射光と上記参照ミラー11からの反射光とは、ハーフ
ミラー10上で互いに干渉し、この干渉光がレンズ12
によりホトダイオード等の光電変換素子13上に集光さ
れる。光電変換された干渉強度信号はプリアンプ14で
増幅された後、ロックインアンプ16に送られる。ロッ
クインアンプ16では、音響光学変調素子2の駆動に用
いる発振器15からの変調信号を参照信号として、干渉
強度信号に含まれる変調周波数成分だけが抽出される。
この周波数成分がその周波数に応じた試料7の表面ある
いは内部の情報を持つ。(数1)式より、変調周波数を
変えることにより熱拡散長μs21を変えることがで
き、試料の深さ方向の情報を得ることができる。熱拡散
領域Vth23内にクラック等の欠陥があれば、熱膨張変
位が変化し、干渉強度信号中の変調周波数成分の振幅
と、変調周波数信号に対する位相が変化するので、その
存在を知ることができる。XYステージ6の移動信号と
ロックインアンプ16からの出力信号は計算機17で処
理され、試料上の各点における光音響信号がモニタテレ
ビジョン等の表示器18に2次元画像情報として出力さ
れる。
【0006】上記光干渉を用いた光音響検出技術は、非
接触・非破壊で光音響信号を検出できる有効な手段であ
るが、ハーフミラー10から試料7に至る光路と、ハー
フミラー10から参照ミラー11に至る光路の間で、空
気の揺らぎや振動等の外乱が生じた場合、干渉信号が大
きく変動し、光音響信号のSN比が大幅に低下するとい
う課題を抱えている。
【0007】このような外乱の影響を低減する光干渉法
として、図14に示す共通光路形の干渉計が考えられ
る。励起光学系の部分は、図12に示す光学系と同様で
ある。干渉計において、レーザ8から出射した平行光を
ビームエキスパンダ9により所望のビーム径に拡大した
後、レンズ30を介し、ハーフミラー39で反射させ
て、方解石31a、31b等で構成した複屈折素子31
に入射する。複屈折素子31では、入射光が互いに直交
する2つの偏光成分35(実線)と36(破線)に分離
される。レンズ32及び5により、偏光成分35は試料
7上の励起光の集光点と同じ位置37に集光され、偏光
成分36は、それからわずか離れた位置38に集光され
る。即ち、偏光成分35はプローブ光として用い、偏光
成分36は参照光として用いる。プローブ光には、励起
光の照射によって生じた試料表面の熱膨張変位による位
相変化が生じる。両反射光は再び同一光路を経た後、複
屈折素子31で合成され、ハーフミラー39を透過した
後、レンズ12によりホトダイオード等の光電変換素子
13上に集光される。互いに直交する偏光成分から成る
この合成光は、光路中に設けた偏光板33により偏光干
渉する。光電変換された干渉強度信号の処理は、図12
に示した光学系と全く同様であるので、説明を省略す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記光学系では、プロ
ーブ光と参照光とがほぼ同一の光路を通過するため、空
気の揺らぎや振動等の外乱の影響を受けにくく、従来の
方式に比べ高い検出精度が期待できるが、以下に示すよ
うな課題をもっている。
【0009】例えば、試料のより深い情報を得ようとす
る場合は、励起光の強度変調周波数fEを低下させて、
熱拡散長μs22で与えられる熱拡散領域Vth23を大
きくする。この時、変調周波数によっては、図15に示
すように、熱拡散長μs、即ち熱膨張変位が生じる領域
がプローブ光35と参照光36との間隔Sよりも大きく
なるケースが生じてしまう。その結果、本来検出される
べき熱膨張変位hに対し、実際に検出される変位がhD
と小さくなってしまい、光音響信号の検出感度が低下し
てしまうという課題を有している。熱拡散長の増加に応
じて、プローブ光35と参照光36との間隔Sを大きく
することも可能であるが、空間分解能の低下という新た
な課題が生じてしまう。
【0010】一方、図16に示すように、試料の表面4
0が粗面あるいは微小な凹凸を有している場合、プロー
ブ光35及び参照光36の両反射光が散乱し、コヒーレ
ンスが低下してしまい、熱膨張変位による位相変化を正
確に検出することが困難になるという課題を有してい
る。
【0011】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決すべく、単純な構成にして、試料の表面または内部情
報を高感度で、且つ安定に検出できるようにした光音響
信号検出方法及びその装置を提供することにある。
【0012】また本発明の目的は、光干渉を用いた光音
響信号検出において、空気の揺らぎや振動の影響による
干渉信号の変動を低減し、かつ表面の荒れた試料に対し
ても、常に高精度で、且つ高感度な光音響信号の検出を
可能とした光音響信号検出方法及びその装置を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、光音響信号検出方法において、光源から
の光を所望の周波数で強度変調して強度変調した光を試
料表面の測定点に照射して光音響効果あるいは光熱効果
を発生させ、測定点にプローブ光と参照光とを照射し、
プローブ光の照射による試料表面からの反射光と、参照
光の照射による試料表面からの反射光とを互いに光学的
に干渉させて干渉光を光電変換素子で検出し、この検出
された干渉光の強度信号の中から試料の表面または内部
情報を抽出するようにした。
【0014】本発明は、上記目的を達成するために、光
音響信号検出装置を、光源とこの光源からの光を所望の
周波数で強度変調する強度変調手段とを備えてこの強度
変調手段で強度変調した光を試料表面の測定点に照射し
て光音響効果あるいは光熱効果を発生させる励起手段
と、この励起手段で光音響効果あるいは光熱効果を発生
させた測定点にプローブ光と参照光とを照射する照射手
段と、この照射手段で測定点に照射されたプローブ光の
照射による試料表面からの反射光と、照射手段で照射さ
れた参照光の照射による試料表面からの反射光とを互い
に光学的に干渉させて光電変換素子で検出する干渉光検
出手段と、この干渉光検出手段で検出された干渉光の強
度信号の中から試料の表面または内部情報を抽出する情
報検出手段を備えて構成した。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【作用】光音響信号検出装置において、強度変調した光
を試料表面の測定点に照射することにより、測定点にお
いて光音響効果あるいは光熱効果を発生させることがで
きる。一方、前記測定点にプローブ光と、該プローブ光
よりも大きい照射領域を有する参照光とを照射し、プロ
ーブ光に関して試料表面からの反射光と参照光に関して
は試料表面に対するフーリエ変換像の直流成分とを互い
に光学的に干渉させてその干渉光を光電変換素子で検出
し、検出した干渉強度信号の中から、前記強度変調周波
数と同じ周波数成分の熱歪を光音響信号として検出す
る。前記干渉手段により、プローブ光路と参照光路とを
完全に同一光路とすることができ、両光路間の微小な空
気の揺らぎや振動の影響による干渉信号の変動を低減す
ることが可能となる。また、参照光の照射領域を十分大
きくすることにより、試料表面の荒れや微小凹凸による
参照光のコヒーレンスの低下が抑えられ、表面の荒れた
試料に対しても、常に安定した干渉光を得ることが可能
となり、高精度かつ高感度な光音響信号の検出が可能と
なる。更に、従来の共通光路干渉計における、プローブ
光と参照光の間の微小間隔による空間分解能の低下を低
減することが可能となる。
【0022】また、前記参照光の照射領域を、前記光音
響効果あるいは光熱効果によって発生する熱拡散領域と
同じか、もしくはそれよりも大きくすることにより、熱
膨張変位により参照光が受ける位相変化の影響を低減す
ることが可能となり、高精度かつ高感度な光音響信号の
検出が可能となる。
【0023】また、前記プローブ光と参照光とを互いに
直交した偏光成分から成るものとすることにより、プロ
ーブ光路と参照光路とを完全に同一光路とすることがで
き、両光路間の微小な空気の揺らぎや振動の影響による
干渉信号の変動を低減することが可能となり、高精度か
つ高感度な光音響信号の検出が可能となる。
【0024】また、前記プローブ光に関して試料表面か
らの反射光を、参照光に関しては試料表面に対するフー
リエ変換像の直流成分を、互いに光学的に干渉させる手
段として、2重焦点レンズを用いることにより、プロー
ブ光路と参照光路とを完全に同一光路とすることがで
き、両光路間の微小な空気の揺らぎや振動の影響による
干渉信号の変動を低減することが可能となる。また、参
照光の照射領域を十分大きくすることができるため、試
料表面の荒れや微小凹凸による参照光のコヒーレンスの
低下が抑えられ、表面の荒れた試料に対しても、常に安
定した干渉光を得ることが可能となり、高精度かつ高感
度な光音響信号の検出が可能となる。また、従来の共通
光路干渉計における、プローブ光と参照光の間の微小間
隔による空間分解能の低下を低減することが可能とな
る。
【0025】また、前記2重焦点レンズを、複屈折光学
材料を用いて、入射光の偏光に依存して焦点距離が変わ
る構成とすることにより、プローブ光路と参照光路とを
完全に同一光路とすることができ、両光路間の微小な空
気の揺らぎや振動の影響による干渉信号の変動を低減す
ることが可能となり、高精度かつ高感度な光音響信号の
検出が可能となる。
【0026】
【実施例】本発明の実施例を図1〜図11に基づいて説
明する。
【0027】まず、本発明の第1の実施例を図1〜図8
に基づいて説明する。図1は第1の実施例における光音
響検出光学系を示すものである。本光学系は、励起光学
系201、光音響信号を検出するための2重焦点レンズ
を用いた共通光路形ヘテロダイン干渉光学系202、及
び信号処理系203から成る。励起光学系201のAr
レーザ141(波長515nm)から出射した平行ビー
ム144を、音響光学変調素子142により変調周波数
Eで強度変調した後、ビームエキスパンダ143によ
り所望のビーム径に拡大する。拡大ビーム光19をダイ
クロイックプリズム41(波長600nm以下は反射、
600nm以上は透過)で反射させた後、対物レンズ4
2により試料43上の65の位置に集光させる。集光点
65において、光音響効果または光熱効果により試料表
面に周期的な熱膨張変位が生じる。
【0028】次に、この熱膨張変位を検出するための、
2重焦点レンズを用いた共通光路形ヘテロダイン干渉光
学系202の構成とその機能について説明する。図1に
おいて、He−Neレーザ45(波長633nm)から
出射する直線偏光ビーム75の偏光方向を、図2(a)
の81のようにx軸及びy軸に対し45°方向に設定す
る。ここで、図1の紙面に対し、垂直方向をy軸とし、
それと直交する方向をx軸とする。偏光ビームスプリッ
タ46により、入射光ビーム75のうち図2(a)の8
2で示すP偏光成分66(実線)は偏光ビームスプリッ
タ46を透過し、音響光学変調素子47に入射する。ま
た、図2(a)の83で示すS偏光成分67(破線)は
偏光ビームスプリッタ46で反射され、ミラー49で反
射された後、音響光学変調素子50に入射する。ドライ
バ61から出力された周波数fC1及びfC2(fC1
C2)の正弦波を各々音響光学変調素子47及び50に
入力し、P偏光成分66及びS偏光成分67の各光周波
数を各々fC1及びfC2だけシフトさせる。両偏光成分
は、偏光ビームスプリッタ51で合成される。この合成
光68は二周波直交偏光、即ち図2(b)に示す様に、
82及び83の方向に互いに直交し、かつお互いにfC1
−fC2の周波数差をもったビーム光を成す。
【0029】合成光68を、ビームエキスパンダ52に
より所望のビーム径に拡大した後、ビームスプリッタ5
3を透過させ、方解石等の複屈折材料を用いて構成した
2重焦点レンズ54に入射させる。この2重焦点レンズ
54は、図3に示すように、入射光68に対し、ある偏
光成分69に対しては焦点距離が無限大となり、それと
直交する偏光成分70に対しては有限の焦点距離FP
なるように設計されている。今、偏光成分69を図1に
おけるP偏光成分、同じく偏光成分70をS偏光成分と
すると、図1において、2重焦点レンズ54から出射し
たP偏光成分69(実線)は、平行光のまま対物レンズ
に入射し、励起光19と同じ集光位置71(対物レンズ
42の前側焦点位置)に集光する。一方、S偏光成分7
0(破線)は集束光となり、対物レンズの後側焦点位置
151に集光した後、対物レンズ通過後平行光として試
料43表面に入射する。この様子を図4に示す。即ち、
P偏光成分69(実線)は、プローブ光として励起光1
9と同じ集光位置71(対物レンズ42の前側焦点位
置)に集光し、熱膨張変位による位相変化を受ける。
【0030】一方、S偏光成分70(破線)は、参照光
として円筒ビーム、即ち平面波の状態で試料の広い範囲
72に入射する。P偏光成分69の反射光は、光音響効
果または光熱効果により試料43表面で生じた周期的熱
膨張変位の情報を位相変化としてもっている。
【0031】P偏光成分69及びS偏光成分70の両反
射光は、再び同一の光路を経た後、2重焦点レンズ54
により合成される。この合成光は、ビームスプリッタ5
3で反射される。図5の84は、P偏光成分69(プロ
ーブ光)の反射光の偏光方向を、85はS偏光成分70
(参照光)の反射光の偏光方向を各々示している。両者
は互いに直交しているので、このままでは、干渉しな
い。そこで、結像レンズ55の後に偏光板56を挿入
し、その偏光方向を図5の86に示すように45°方向
とすることにより、両反射光は干渉しfB=fC1−fC2
のビート周波数を持ったヘテロダイン干渉光74が得ら
れる。このヘテロダイン干渉光74には光音響効果また
は光熱効果により試料43表面で生じた熱膨張変位の情
報が、位相情報として含まれている。この干渉光74を
結像レンズ55により、ホトダイオード等の光電変換素
子57上に結像させる。尚、干渉光74に含まれる不要
な高次回折光成分は、ピンホール150で遮光される。
光電変換された光干渉信号はプリアンプ58で増幅され
る。
【0032】ここで、重要な点は、図6に概略図として
示すように、プローブ光69(P偏光成分)に関して
は、試料43表面40上の集光位置71(対物レンズ4
2の前側焦点位置)と、光電変換素子57とが共役、即
ち結像関係にあり、一方、参照光70(S偏光成分)に
関しては、対物レンズの後側焦点位置151、即ち、試
料43表面40に対するフーリエ変換位置と、光電変換
素子57とが結像関係にあるという点である。従って、
プローブ光は、試料表面40の集光位置71で生じた周
期的熱膨張変位による位相変化を、そのままもっている
のに対し、参照光は、試料表面40の荒れや微小凹凸に
よる位相分布のフーリエ変換像の情報をもっている。こ
のフーリエ変換像のうち、高周波成分は、光電変換素子
57の手前のピンホール150で遮光されるため、最終
的に、試料表面40の荒れや微小凹凸による位相分布情
報のうち直流成分のみが参照波面として、干渉に寄与す
る。従って、参照光の照射範囲を十分大きくすることに
より、試料表面40の荒れや微小凹凸の影響が大幅に低
減した安定した参照波面を得ることが可能となる。
【0033】ところで、図7に示すように、励起光19
の照射により周期的熱膨張変位が生じる領域は、概ね熱
拡散長μSの範囲と考えられるので、円筒ビームの状態
で試料43表面に入射する参照光70の照射範囲(半径
R)は、静止し安定した参照波面が得られるよう、即
ち、熱膨張による光の位相変化の影響が十分無視できる
大きさとなるよう、R≫μSとする必要がある。
【0034】今、He−Neレーザ45から出射する直
線偏光ビーム75の波長をλ、試料43表面からの反射
光のうち、プローブ光69(P偏光成分)の反射光の強
度をIs、参照光70(S偏光成分)の反射光の強度を
r、2つの光路間の位相差を時間変動を含めてφ(t)、
試料43表面で生じた熱膨張変位の振幅をA、位相をθ
とすると、光電変換素子57で検出される干渉光の強度
Iは次式で表される。
【0035】
【数2】
【0036】さらに、A≪λより上式は近似的に次式の
形に改められる。
【0037】
【数3】
【0038】ここで、A・cos(2πfEt+θ)が
光音響効果に基づいて生じた試料43表面の熱膨張変位
を表す項である。尚、本実施例では、fB=100kH
z,fE=80kHzとした。
【0039】以下では、信号処理系203によって、
(数3)式で表される干渉信号から、熱膨張変位の振幅
A及び位相θを求める方法について説明する。光電変換
された干渉強度信号はプリアンプ58で増幅された後、
検波回路59に送られる。検波回路59では、図8に示
すように位相保持分波器91により、検出された干渉強
度信号が分離され、一方は中心周波数fBのバンドパス
フィルタ92を通った後、位相シフタ93により位相が
π/2遅延される。位相シフタ93からの出力信号はア
ンプ94で増幅された後、ミキサ95に送られ、位相保
持分波器91により分離された他方の干渉強度信号との
積が出力される。上記他方の干渉強度信号ID1は(数
4)式で、またアンプ94からの出力信号ID2は(数
5)式で、さらにミキサ95からの出力信号IDは(数
6)式で各々表される。
【0040】
【数4】
【0041】
【数5】
【0042】
【数6】
【0043】(数6)式において、第1項はfBの周波
数成分、第2項は2fBの周波数成分、第3項は、熱膨
張変位の振幅A、位相θを有する周波数fEの成分、第
4項は2fB+fEの周波数成分、第5項は2fB−fE
周波数成分である。fE≪fB、またfE≪2fB±fE
あるから、ミキサ95からの出力信号を、例えば2fE
程度のカットオフ周波数をもつローパスフィルタ96に
通すことにより、第3項、即ち、熱膨張変位の振幅A、
位相θを有する周波数fEの成分を取り出すことができ
る。尚、実際の光音響法では、熱膨張変位の振幅Aはサ
ブナノメートルオーダと非常に微弱であり、また、干渉
信号には、上記(数6)式で表される周波数成分以外に
各種電気ノイズが含まれている。そこで、実際には、ロ
ーパスフィルタ96からの出力信号を図1のロックイン
アンプ62に入力し、音響光学変調素子142駆動用発
振器60からの強度変調信号(周波数fE)を参照信号
として、最終的に周波数fEの成分、即ち、熱膨張変位
の振幅A及び位相θのみを高精度に抽出することができ
る。この振幅A及び位相θが、その変調周波数で定義さ
れる熱拡散領域Vth内の熱的及び弾性的情報をもつ。従
って、上記熱拡散領域Vth内にクラック等の内部欠陥が
あれば、上記振幅A及び位相θが変化し、その存在を知
ることができる。XYステージ44により試料43をx
y方向に逐次走査しながら、上記ロックインアンプ62
からの出力信号を計算機63で処理していくことによ
り、試料43全面の2次元光音響画像が得られ、TVモ
ニタ64に出力される。また、発振器60から出力され
る変調信号の周波数fEを計算機63で制御して、様々
な変調周波数に設定することにより、試料44の様々な
深さの内部情報を検出することができる。
【0044】本実施例では、図6に示すように、試料表
面40の荒れや微小凹凸による位相分布のフーリエ変換
像のうち、高周波成分を光電変換素子57の手前のピン
ホール150で遮光し、直流成分のみを透過させ、これ
を参照波面として用いている。この遮光手段は、ピンホ
ール150に限定されるものではなく、例えば、偏光板
にピンホールを形成し、これを対物レンズの後側焦点位
置151、即ち、試料43表面40に対するフーリエ変
換位置に設置し、その偏光方向をプローブ光69(P偏
光成分)の偏光方向と一致させる。これにより、プロー
ブ光はそのまま透過することができるが、参照光70
(S偏光成分)については、直流成分のみがピンホール
部を透過し、ピンホール径よりも大きく広がった高周波
成分は偏光板により遮光される。
【0045】本実施例によれば、図1に示すように、光
音響効果または光熱効果による熱膨張変位を検出するた
めのプローブ光路と参照光路とを完全に同一光路とする
ことにより、両光路間の微小な空気の揺らぎや振動の影
響による干渉信号の変動を低減することができる。
【0046】更に、本実施例によれば、図6に示すよう
に、参照波面として、試料表面の広い領域からの反射光
のフーリエ変換像の直流成分を用いているので、試料表
面40の荒れや微小凹凸によるコヒーレンスの低下を抑
えることができ、表面の荒れた試料に対しても、常に安
定した干渉光を得ることが可能となる。以上より、本実
施例によれば、高精度かつ高感度な光音響信号の検出が
可能となる。
【0047】更に、本実施例によれば、参照光の照射領
域を熱拡散長よりも十分大きくすることにより、従来の
共通光路干渉計において、熱膨張変位により参照光が受
ける位相変化の影響を低減することが、また、プローブ
光と参照光との間隔による空間分解能の低下を低減する
ことが可能となる。
【0048】本発明の第2の実施例を図9〜図11に基
づいて説明する。図9は、第2の実施例における光音響
検出光学系を示すものである。本光学系は、励起光学系
204、光音響信号を検出するための2重焦点レンズを
用いた共通光路形ヘテロダイン干渉光学系205、及び
信号処理系206から成る。第1の実施例が、励起ビー
ム、プローブビーム共にポイントビームを用い、試料を
2次元的に走査することにより、2次元光音響画像を得
ていたのに対し、本実施例では、励起ビーム及びプロー
ブビームに直線状のビームを用い、試料の複数点を同時
に励起、検出することにより、高速に2次元光音響画像
が得られるようにした点に大きな特徴がある。
【0049】励起光学系204のArレーザ141(波
長515nm)から出射した平行ビーム144を、音響
光学変調素子142により変調周波数fEで強度変調し
た後、ビームエキスパンダ143により所望のビーム径
に拡大する。拡大ビーム光19をシリンドリカルレンズ
(円筒レンズ)100により楕円ビーム122にし、ダ
イクロイックプリズム41(波長600nm以下は反
射、600nm以上は透過)で反射させた後、対物レン
ズ42の後側焦点位置151にx方向(紙面に対し垂直
方向)にのみ集光させる。y方向に関してはシリンドリ
カルレンズ100は曲率をもたない板ガラスとみなせる
ので、対物レンズ42の後側焦点位置151には平行光
のままで入射する。その結果、図10に示すように、対
物レンズ42の前側焦点位置、即ち試料101の表面上
には、励起光として、x方向に幅をもちy方向に集束し
た1本の直線状ビーム123が得られる。今、試料10
1として、ポリイミド等125を絶縁体として形成され
たCu等の配線パターン126、127を考える。図1
1は、試料101の内部構造と、直線状の励起ビーム1
23によって生じた熱拡散領域を示す断面図である。試
料101は、セラミック基板129上に厚さ20μmの
ポリイミド125を絶縁体として厚さ20μmのCuパ
ターン126、127が配線パターンとして形成された
構造となっている。Cu配線パターン中の内部クラック
131や下地基板とCuパターン界面の剥離132が検
出すべき内部欠陥である。ここで、重要な点はCuパタ
ーン126、127とその周辺のポリイミド125との
熱的性質の違いである。即ち、Cuの熱伝導率κは40
3〔J・m~1・k~1・s~1〕、密度ρは8.93〔×1
6g・m~3〕、比熱cは0.38〔J・g~1・k~1
であるのに対し、ポリイミドの熱伝導率κは0.288
〔J・m~1・k~1・s~1〕、密度ρは1.36〔×10
6g・m~3〕、比熱cは1.13〔J・g~1・k~1〕で
あり、特にCuの熱伝導率κはポリイミドのそれの14
00倍である。そこで、励起光の強度変調周波数fE
50kHzとして、(数1)式に上記の値を代入する
と、Cuパターン部126、127における熱拡散長μ
sは約27μm、ポリイミド部125における熱拡散長
は約1.1μmとなる。その結果、図11(a)に示す
ように、直線状の励起ビーム123によって形成された
直線状の光吸収領域において与えられた熱が、検査対象
であるCuパターン部126、127では大きく拡散
し、下地基板との界面を含めてCuパターンの断面を覆
うような熱拡散領域130が形成される。一方、検査対
象外のポリイミド部125では、熱は小さく拡散し熱拡
散領域は表面部分のみに形成される。その結果、図11
(a)に示すように、直線状の励起ビーム123を複数
のCu配線パターン126、127を覆うように照射す
ると、直線状の光吸収領域に沿って光音響効果もしくは
光熱効果に基づいて、試料101表面に周期的な熱膨張
変位の分布133(破線)が生じる。この熱膨張変位分
布133には、各Cu配線パターン126、127の内
部情報(内部クラック131、剥離欠陥132)及びポ
リイミド部125の内部情報が各々融合されることな
く、独立に反映されている。欠陥部では、熱伝導率が低
下するので、熱膨張変位が増加する。このように、直線
状の励起ビーム123を用いれば、熱的コントラストの
高い複数の検査対象を同時に励起でき、かつ独立に検出
することができ、試料の2次元内部情報を高速に検出す
ることが可能となる。
【0050】次に、この熱膨張変位分布133を検出す
るための、2重焦点レンズを用いた共通光路形ヘテロダ
イン干渉光学系205の構成とその機能について説明す
る。図9において、第1の実施例と同様、He−Neレ
ーザ45(波長633nm)から出射する直線偏光ビー
ム75の偏光方向を、図2(a)の81のようにx軸及
びy軸に対し45°方向に設定する。ここで、図1の紙
面に対し、垂直方向をy軸とし、それと直交する方向を
x軸とする。偏光ビームスプリッタ46により、入射光
ビーム75のうち図2(a)の82で示すP偏光成分6
6(実線)は偏光ビームスプリッタ46を透過し、音響
光学変調素子47に入射する。また、図2(a)の83
で示すS偏光成分67(破線)は偏光ビームスプリッタ
46で反射され、ミラー49で反射された後、音響光学
変調素子50に入射する。ドライバ135から出力され
た周波数fC1及びfC2(fC1≠fC2)の正弦波を各々音
響光学変調素子47及び50に入力し、P偏光成分66
及びS偏光成分67の各光周波数を各々fC1及びfC2
けシフトさせる。両偏光成分は、偏光ビームスプリッタ
51で合成される。この合成光68は二周波直交偏光、
即ち図2(b)に示す様に、82及び83の方向に互い
に直交し、かつお互いにfC1−fC2の周波数差をもった
ビーム光を成す。
【0051】合成光68ををビームスプリッタ102を
通過させた後、ビームエキスパンダ52により所望のビ
ーム径に拡大する。拡大ビームをビームスプリッタ53
を透過させた後、方解石等の複屈折材料を用いて構成し
た2重焦点シリンドリカルレンズ107に入射させる。
この2重焦点シリンドリカルレンズ107は、紙面と平
行な方向に関しては、第1の実施例で図3に示したよう
に、入射光68に対し、ある偏光成分69に対しては焦
点距離が無限大となり、それと直交する偏光成分70に
対しては有限の焦点距離FPとなるよう、即ち2重焦点
機能を有するように設計されている。一方、紙面に対し
垂直方向(図9においてA方向から見る方向)に関して
は、曲率をもたない形状となっているため、2重焦点機
能を有さない構造となっている。
【0052】今、図3における偏光成分69を図9にお
けるP偏光成分121(破線)、同じく偏光成分70を
S偏光成分120(実線)とすると、2重焦点レンズ1
07から出射したS偏光成分120(実線)は、紙面と
平行な方向(y方向)に関しては、集束光となり、リレ
ーレンズ108通過後平行光のまま対物レンズに入射
し、直線状励起ビーム123と同じ集光位置(対物レン
ズ42の前側焦点位置)に集光する。一方、紙面と垂直
な方向(x方向、A方向から見る方向)に関しては、2
重焦点シリンドリカルレンズ107は曲率をもたない板
ガラスとみなせるので、S偏光成分120(実線)は平
行光のままリレーレンズ108に入射するため、その出
射光は集束光となり、対物レンズ42の後側焦点位置1
51に集光し、対物レンズ42通過後、平行光として試
料101表面に入射する。その結果、図10及び図11
に示すように、S偏光成分120(実線)に関しては、
対物レンズ42の前側焦点位置、即ち試料101の表面
上に、励起ビーム123と同様、x方向に幅をもちy方
向に集束した1本の直線状プローブビーム128が得ら
れる。
【0053】一方、2重焦点レンズ107から出射した
P偏光成分121(破線)は、紙面と平行な方向(y方
向)に関しては、平行光のままリレーレンズ108に入
射するため、その出射光は集束光となり、対物レンズ4
2の後側焦点位置151に集光し、対物レンズ42通過
後、平行光として試料101表面に入射する。また、紙
面と垂直な方向(x方向、A方向から見る方向)に関し
ては、2重焦点シリンドリカルレンズ107は曲率をも
たない板ガラスとみなせるので、P偏光成分121(破
線)は平行光のままリレーレンズ108に入射するた
め、その出射光は集束光となり、対物レンズ42の後側
焦点位置151に集光し、対物レンズ42通過後、平行
光として試料101表面に入射する。その結果、図10
及び図11に示すように、P偏光成分121(破線)に
関しては、参照光として、平面波の状態で試料の広い範
囲124に入射する円筒ビーム121が得られる。
【0054】S偏光成分120(実線)から成る直線状
プローブビーム128は、直線状励起ビーム123によ
り直線状に生じた熱膨張変位分布による位相変化を受け
る。位相変化を受けたS偏光直線状プローブビーム12
8の反射光と、参照光であるP偏光円筒ビーム121の
反射光は、再び同一の光路を経た後、2重焦点シリンド
リカルレンズ107により合成され、平行光となる。
【0055】この合成平行光は、ビームスプリッタ53
で反射され、シリンドリカル結像レンズ109により、
紙面と平行な方向(y方向)に関しては集束光として、
紙面と垂直な方向(x方向、B方向から見る方向)に関
しては、平行光のまま、即ち直線状のビームとして、1
次元CCDセンサ等の蓄積形固体撮像素子111に入射
する。図5の84は、S偏光成分120(プローブ光)
の反射光の偏光方向を、85はP偏光成分121(参照
光)の反射光の偏光方向を各々示している。両者は互い
に直交しているので、このままでは、干渉しない。そこ
で、シリンドリカル結像レンズ109の後に偏光板11
0を挿入し、その偏光方向を図5の86に示すように4
5°方向とすることにより、両反射光は干渉しfB=f
C1−fC2のビート周波数を持った直線状のヘテロダイン
干渉光152が得られる。このヘテロダイン干渉光15
2には光音響効果または光熱効果により試料101表面
で生じた熱膨張変位の情報が、位相情報として含まれて
いる。尚、干渉光152に含まれる不要な高次回折光成
分は、直線状ビーム形状に対応させた直線状開口部を有
する遮光板153で遮光される。1次元CCDセンサ1
11で光電変換された光干渉信号はプリアンプ112で
増幅された後、入力用インタフェース回路115に送ら
れる。
【0056】ここで、重要な点は、図9に示すように、
直線状プローブビーム128(S偏光成分)に関して
は、試料101表面(対物レンズ42の前側焦点位置)
と、1次元CCDセンサ111とが共役、即ち結像関係
にあり、一方、参照光121(S偏光成分)に関して
は、対物レンズ42の後側焦点位置151、即ち、試料
101表面に対するフーリエ変換位置と、1次元CCD
センサ111とが結像関係にあるという点である。従っ
て、直線状プローブ光128は、試料表面101の表面
で直線状に生じた周期的熱膨張変位による位相変化を、
そのままもっているのに対し、参照光は、試料101表
面の荒れや微小凹凸による位相分布のフーリエ変換像の
情報をもっている。このフーリエ変換像のうち、高周波
成分は、1次元CCDセンサ111の手前の遮光板15
3で遮光されるため、最終的に、試料101表面の荒れ
や微小凹凸による位相分布情報のうち直流成分のみが参
照波面として、干渉に寄与する。従って、参照光の照射
範囲を十分大きくすることにより、試料101表面の荒
れや微小凹凸の影響が大幅に低減した安定した参照波面
を得ることが可能となる。
【0057】ところで、図10において、第1の実施例
と同様、直線状励起ビーム123の照射により周期的熱
膨張変位が生じる領域は、概ね熱拡散長μSの範囲と考
えられるので、円筒ビームの状態で試料101表面に入
射する参照光121の照射範囲(半径R)124は、静
止し安定した参照波面が得られるよう、即ち、熱膨張に
よる光の位相変化の影響が十分無視できる大きさとなる
よう、y方向に関してR≫μSとする必要がある。
【0058】尚、図9において、ビームスプリッタ10
2では、二周波直交偏光の合成光68のうち10%程度
のビーム光が反射される。このビーム光の両偏光成分
は、偏光方向を図5の86に示すように45°方向とし
た偏光板103により互いに干渉し、fB=fC1−fC2
のビート信号がホトダイオード等の光電変換素子104
で検出される。このビート信号は増幅回路105を経
て、基準信号発生回路106に送られ、1次元CCDセ
ンサ111駆動用クロック信号を生成する。クロック信
号は、分周回路113に送られ、1次元CCDセンサ用
蓄積時間制御信号を生成し、クロック信号と共に、1次
元CCDセンサ111及びセンサ出力信号入力用インタ
フェース回路115に送られる。また同時に、クロック
信号は分周回路114に送られ、励起用強度変調信号を
生成し、音響光学変調素子142駆動用ドライバ119
に送る。以上のように、1次元CCDセンサ駆動用クロ
ック信号、蓄積時間制御信号、及び励起用強度変調信号
は、総て干渉光学系で得られたヘテロダインビート信号
を基準信号として生成され、また、上記基準信号発生回
路106、分周回路113及び114は総てPLL(P
hase Lock Loop)回路で構成され、周波
数及び位相の安定度向上を図っている。
【0059】入力用インタフェース回路115に送られ
た1次元CCDセンサ111からの出力信号は、AD変
換の後、計算機116に送られ、試料101表面で生じ
た熱膨張変位の振幅A及び位相θが抽出される。He−
Neレーザ45から出射する直線偏光ビーム75の波長
をλ、試料101表面からの反射光のうち、直線状プロ
ーブビーム128(S偏光成分)の反射光の強度を
s、円筒状参照光121(P偏光成分)の反射光の強
度をIr、2つの光路間の位相差を時間変動を含めてφ
(t)、とすると、1次元CCDセンサ111の1画素に
入射するヘテロダイン干渉光の強度Iは、第1の実施例
と同様、(数3)式で表される。
【0060】以下では、計算機116を含めた信号処理
系206によって、(数3)式で表される干渉光から、
熱膨張変位の振幅A及び位相θを求める方法について説
明する。1次元CCDセンサ111の1画素から出力さ
れる検出信号ID(n+i)(n+iは1次元CCDセ
ンサ111の蓄積・出力回数)は、センサの蓄積時間を
α/fBとして、次式で与えられる。
【0061】
【数7】
【0062】次に、(数7)式に関して、各積分に伴
う、即ちiの変化に対する第2項の位相シフト量がπ/
4、熱膨張変位の振幅A及び位相θの成分を含む第4項
のそれがπ/2になる条件を、また第3項が消去され
る、即ち振幅成分が0になる条件を導くと、次式が得ら
れる。
【0063】
【数8】
【0064】
【数9】
【0065】ここで、p、sは任意の整数である。例え
ば、p=4、s=0とすると、(数8)式よりα=17
/8、またfB=100kHzとすると、(数9)式よ
りfE=88.235kHzとなる。αの値を(数4)
式に代入すると、次の(数10)式が得られる。
【0066】
【数10】
【0067】尚、上記パラメータfB=100kHzは
計算機116で設定され、音響光学変調素子47及び5
0駆動用ドライバ135に送られ、またfE=88.2
35kHzは、ホトダイオード104で検出した周波数
Bのヘテロダインビート信号を原信号とする基準信号
発生回路106及び分周回路114で設定され、強度変
調用音響光学変調素子142駆動用ドライバ119に送
られる。また、センサの蓄積時間α/fBの設定方法
は、基準信号発生回路106及び分周回路113によ
り、周波数fB/αの1次元CCDセンサ用読出しシフ
トパルス(蓄積時間制御信号)を作り出し、これにより
1次元CCDセンサ111を駆動することにより、実現
している。
【0068】(数10)式において、第1項は直流成
分、第2項は蓄積・出力回数iに対する位相シフト量が
π/4で、試料101表面の凹凸による位相変化を含め
たプローブ光路と参照光路との間の光位相差φに関する
変調成分、第3項は蓄積・出力回数iに対する位相シフ
ト量がπ/2で、試料101表面の凹凸による位相変化
を含めたプローブ光路と参照光路との間の光位相差φ、
熱膨張変位の振幅A及び位相θに関する変調成分であ
る。第2項に関しては、8個の積分データから、第3項
に関しては、4個の積分データから、各々1周期分の干
渉信号を再生できることが判る。
【0069】従って、1次元CCDセンサ111からの
検出信号ID(n+i)をプリアンプ112で増幅し、
インタフェース回路115にてAD変換した後、信号の
SN比等を考慮して、(数10)式に関して、i=1か
らi=8までのデータセットを10セット、計80個の
蓄積・出力データセットを、インタフェース回路115
内の2次元メモリに格納する。1次元CCDセンサ11
1の画素数を256とすると、256×80個のデータ
が格納されることになる。今、(n+i)回目の蓄積・
出力時におけるw画素目のデータを(n+i,w)で表
すとすると、2次元メモリに格納していく順序は、 (n+1,1)、(n+1,2)、(n+1,3)、…、(n+1,256)、 (n+2,1)、(n+2,2)、(n+2,3)、…、(n+2,256)、 (n+3,1)、(n+3,2)、(n+3,3)、…、(n+3,256)、 : : (n+80,1)、(n+80,2)、(n+80,3)、…、(n+80,256) である。一方、2次元メモリから読み出す際は、以下の
ように1画素ごとに80個の蓄積・出力データセットを
順次読み出し、計算機116に送っていく。
【0070】 (n+1,1)、(n+2,1)、(n+3,1)、…、(n+80,1)、 (n+1,2)、(n+2,2)、(n+3,2)、…、(n+80,2)、 (n+1,3)、(n+2,3)、(n+3,3)、…、(n+80,3)、 : : (n+1,256)、(n+2,256)、(n+3,256)、…、(n+80,2 56) 計算機116では、1画素ごとに80個の蓄積・出力デ
ータセットを用いて、以下の計算処理を行い、試料10
1表面の反射光強度Is(反射率に比例)、試料101
表面の凹凸による位相変化を含めたプローブ光の光路と
参照光路との間の光位相差φ、試料101表面の反射率
を補正した熱膨張変位の振幅A、試料101表面の凹凸
による位相変化を補正した熱膨張変位の位相θを求め
る。
【0071】
【数11】
【0072】
【数12】
【0073】
【数13】
【0074】
【数14】
【0075】xyステージ118により、試料101を
直線状励起ビーム及び直線状プローブビームと直交する
方向に逐次走査しながら、上記1次元CCDセンサ11
1からの検出信号を計算機116で処理していくことに
より、試料101全面の2次元光音響画像が得られ、T
Vモニタ117に出力される。図11(a)に示すよう
に、内部クラック131及び剥離欠陥132の部分で
は、熱膨張変位の振幅A133が増加するので、この変
化から、これら内部欠陥の存在を認識することができ
る。
【0076】本実施例では、図9に示すように、試料表
面の荒れや微小凹凸による位相分布のフーリエ変換像の
うち、高周波成分を1次元CCDセンサ111の手前の
遮光板153で遮光で遮光し、直流成分のみを透過さ
せ、これを参照波面として用いている。この遮光手段
は、遮光板153に限定されるものではなく、例えば、
偏光板にピンホールを形成し、これを対物レンズの後側
焦点位置151、即ち、試料101表面に対するフーリ
エ変換位置に設置し、その偏光方向をプローブ光120
(S偏光成分)の偏光方向と一致させる。これにより、
プローブ光はそのまま透過することができるが、参照光
121(P偏光成分)については、直流成分のみがピン
ホール部を透過し、ピンホール径よりも大きく広がった
高周波成分は偏光板により遮光される。
【0077】以上述べたように、本実施例によれば、第
1の実施例と同様、図9に示すように、光音響効果また
は光熱効果による熱膨張変位を検出するためのプローブ
光路と参照光路とを完全に同一光路とすることにより、
両光路間の微小な空気の揺らぎや振動の影響による干渉
信号の変動を低減することができる。
【0078】更に、本実施例によれば、図9及び図10
に示すように、参照波面として、試料表面の広い領域か
らの反射光のフーリエ変換像の直流成分を用いているの
で、試料表面の荒れや微小凹凸によるコヒーレンスの低
下を抑えることができ、表面の荒れた試料に対しても、
常に安定した干渉光を得ることが可能となる。以上よ
り、本実施例によれば、高精度かつ高感度な光音響信号
の検出が可能となる。
【0079】更に、本実施例によれば、参照光の照射領
域を熱拡散長よりも十分大きくすることにより、従来の
共通光路干渉計において、熱膨張変位により参照光が受
ける位相変化の影響を低減することが、また、プローブ
光と参照光との間隔による空間分解能の低下を低減する
ことが可能となる。
【0080】更に、本実施例によれば、第1の実施例の
ように1点ずつ情報を検出していくいわゆるポイント走
査方式でなく、直線状の励起ビームを用い複数の測定点
を並列に同時に励起し、各点で生じた熱膨張変位の検出
に光干渉を利用し、干渉光を並列に同時に検出すること
により、試料の複数測定点の熱膨張成分を並列に同時に
検出することができ、試料の2次元内部情報を高速に検
出することが可能となる。
【0081】更に、本実施例によれば、ただ1個の1次
元CCDセンサにより、試料表面の反射率分布、試料表
面の凹凸分布、熱膨張変位の振幅分布、及び熱膨張変位
の位相分布と計4つの表面及び内部情報を同時に検出す
ることができ、試料の複合的な評価が可能となる。
【0082】更に、本実施例によれば、試料表面の反射
率分布、試料表面の凹凸分布、及び光路のゆらぎを補正
した熱膨張成分の検出が可能となり、試料の表面及び内
部情報の高感度かつ安定な検出が可能となる。
【0083】更に、本実施例によれば、光音響効果に基
づく熱拡散長が検査対象であるCu配線パターンとセラ
ミック基板との界面の深さと同じか、もしくはそれを越
える長さとなるように、励起ビームの強度変調周波数を
設定することにより、内部界面の検査が可能となる。
【0084】更に、本実施例によれば、光干渉信号から
熱膨張成分を抽出する際に、アナログ的な周波数フィル
タリング処理ではなくディジタル処理を用いるため、高
調波成分の影響が少なく、高感度かつ高精度な熱膨張成
分の検出が可能となる。
【0085】尚、本実施例では、熱的コントラストの高
い複数の検査対象を有する試料に対する本発明の適用例
を述べたが、内部クラック等を含む均一材料からなる試
料への適用も十分可能である。この場合でも、試料上の
複数の測定点の同時励起が可能であるので、上記の効果
が期待できる。
【0086】尚、上記の実施例では、蓄積形の1次元C
CDセンサを用いているが、非蓄積形のホトダイオード
アレイを用いることも可能である。また、上記2つの実
施例では、複屈折材料を用いて偏光条件に依存した2重
焦点レンズを用いたが、色収差を用いた2重焦点レンズ
を用いることも可能である。
【0087】
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、参照波面として、試料
表面の広い領域からの反射光のフーリエ変換像の直流成
分を用いているので、試料表面の荒れや微小凹凸による
コヒーレンスの低下を抑えることができ、常に安定した
干渉光を得ることが可能となり、表面の荒れた試料に対
しても、高精度な内部構造及び内部欠陥計測が実現でき
るという効果を有する。
【0089】また、本発明によれば、参照光の照射領域
を熱拡散長よりも十分大きくすることにより、従来の共
通光路干渉計において、熱膨張変位により参照光が受け
る位相変化の影響を低減することが、また、プローブ光
と参照光との間隔による空間分解能の低下を低減するこ
とが可能となり、高安定かつ高分解能な試料内部構造及
び内部欠陥計測が実現できるという効果を有する。
【0090】また、本発明によれば、光音響効果に基づ
く熱拡散長が検査対象である内部界面の深さと同じか、
もしくはそれを越える長さとなるように、励起ビームの
強度変調周波数を設定することにより、内部界面の検査
が可能になるという効果を有する。
【0091】また、本発明によれば、空気の揺らぎや振
動等の外乱の影響が低減され、また、試料表面の荒れや
微小凹凸によるコヒーレンスの低下を抑えることがで
き、表面の荒れた試料に対しても、常に安定した干渉光
を得ることが可能となり、常に高精度かつ高感度な光音
響信号の検出が可能になるという効果を有する空気の揺
らぎや振動等の外乱の影響が低減され、また、試料表面
の荒れや微小凹凸によるコヒーレンスの低下を抑えるこ
とができ、表面の荒れた試料に対しても、常に安定した
干渉光を得ることが可能となり、常に高精度かつ高感度
な光音響信号の検出が可能になるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における光音響検出光学
系を示す図である。
【図2】ヘテロダイン干渉光学系へ入射するレーザビー
ムの偏光方向と、二周波直交偏光状態を示す図である。
【図3】複屈折材料を用いて構成した2重焦点レンズの
機能を示す図である。
【図4】第1の実施例におけるプローブ光と参照光のビ
ーム形状を示す斜視図である。
【図5】試料からのプローブ反射光、参照光及び偏光板
の各偏光方向を示す図である。
【図6】プローブ光と参照光に関する結像関係を示す図
である。
【図7】参照光の照射領域と熱拡散長との関係を示す図
である。
【図8】第1の実施例における検波回路の構成を示す図
である。
【図9】本発明の第2の実施例における光音響検出光学
系を示す図である。
【図10】第2の実施例における試料の平面構造と、励
起ビーム、プローブビーム、及び参照ビームのビーム形
状を示す斜視図である。
【図11】第2の実施例における試料の断面構造と、直
線状の励起ビームによる熱拡散及び熱膨張変位の発生の
様子を示す図である。
【図12】従来の光音響検出光学系を説明するための図
である。
【図13】光音響効果の原理図である。
【図14】従来の共通光路形干渉計を用いた光音響検出
光学系を説明するための図である。
【図15】共通光路形干渉計において、熱拡散長の増加
による熱膨張変位検出感度の低下を示す図である。
【図16】試料表面の荒れや微小凹凸によるプローブ光
及び参照光のコヒーレンスの低下を示す図である。
【符号の説明】
1、8…レーザ、141…Arレーザ、45…He−N
eレーザ、2、47、50、142…音響光学変調素
子、54…2重焦点レンズ、107…2重焦点シリンド
リカルレンズ、100…シリンドリカルレンズ、109
…シリンドリカル結像レンズ、42…対物レンズ、5
7、104…光電変換素子、111…1次元CCDセン
サ、59…検波回路、62…ロックインアンプ、63、
116…計算機、43、101…試料、126、127
…Cu配線パターン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 29/00 - 29/28

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光を所望の周波数で強度変調し
    て強度変調した光を試料表面の測定点に照射して光音響
    効果あるいは光熱効果を発生させ、前記測定点にプロー
    ブ光を照射するとともに該プローブ光の照射領域を含む
    領域に参照光照射し、プローブ光の照射による前記試
    料表面からの反射光と、前記参照光の照射による前記試
    料表面からの反射光とを互いに光学的に干渉させて干渉
    光を光電変換素子で検出し、該検出された干渉光の強度
    信号の中から試料の表面または内部情報を抽出すること
    を特徴とする光音響信号検出方法。
  2. 【請求項2】前記参照光の照射領域は、前記光音響効果
    あるいは光熱効果によって発生する熱拡散領域と同じ
    か、もしくはそれよりも大きくすることを特徴とする請
    求項1記載の光音響信号検出方法。
  3. 【請求項3】前記プローブ光と参照光とは、互いに直交
    した偏光成分からなることを特徴とする請求項1記載の
    光音響信号検出方法。
  4. 【請求項4】前記プローブ光に関しては試料表面からの
    反射光を、参照光に関しては試料表面に対するフーリエ
    変換像の直流成分を、互いに光学的に干渉させる方法
    は、2重焦点レンズを用いることを特徴する請求項1記
    載の光音響信号検出方法。
  5. 【請求項5】前記2重焦点レンズは、複屈折光学材料を
    用いて構成し、入射光の偏光に依存して焦点距離が変わ
    ることを特徴する請求項4記載の光音響信号検出方法。
  6. 【請求項6】光源と該光源からの光を所望の周波数で強
    度変調する強度変調手段とを備えて該強度変調手段で強
    度変調した光を試料表面の測定点に照射して光音響効果
    あるいは光熱効果を発生させる励起手段と、該励起手段
    で光音響効果あるいは光熱効果を発生させた測定点にプ
    ローブ光を照射するとともに該プローブ光の照射領域を
    含む領域に参照光照射する照射手段と、該照射手段で
    前記測定点に照射されたプローブ光の照射による前記試
    料表面からの反射光と、前記照射手段で照射された参照
    光の照射による前記試料表面からの反射光とを互いに光
    学的に干渉させて光電変換素子で検出する干渉光検出手
    段と、該干渉光検出手段で検出された干渉光の強度信号
    の中から試料の表面または内部情報を抽出する情報検出
    手段を備えたことを特徴とする光音響信号検出装置。
  7. 【請求項7】前記照射手段で照射される参照光の照射領
    域を前記光音響効果あるいは光熱効果によって発生する
    熱拡散領域と同じか、もしくはそれよりも大きくするよ
    うに構成することを特徴とする請求項6記載の光音響信
    号検出装置。
  8. 【請求項8】前記照射手段で照射されるプローブ光と参
    照光とを互いに直交した偏光成分からなるように構成す
    ることを特徴とする請求項6記載の光音響信号検出装
    置。
  9. 【請求項9】前記干渉光検出手段は、2重焦点レンズを
    備えたことを特徴する請求項6記載の光音響信号検出装
    置。
  10. 【請求項10】前記2重焦点レンズは、入射光の偏光に
    依存して焦点距離が変わるように複屈折光学材料を用い
    て構成したことを特徴する請求項9記載の光音響信号検
    出装置。
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