JP3376807B2 - 光記録媒体および記録再生方法 - Google Patents

光記録媒体および記録再生方法

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JP3376807B2
JP3376807B2 JP05912296A JP5912296A JP3376807B2 JP 3376807 B2 JP3376807 B2 JP 3376807B2 JP 05912296 A JP05912296 A JP 05912296A JP 5912296 A JP5912296 A JP 5912296A JP 3376807 B2 JP3376807 B2 JP 3376807B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光記録媒体および記録
再生方法に関し、詳しくは、レーザー光の照射により、
基板の溝部と溝間の両方に情報の記録、再生、消去を行
うための光学的情報記録媒体及びこれを用いた記録再生
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報量の増大にともない、高密度
でかつ高速に大量のデータの記録・再生ができる記録媒
体が求められているが、光ディスクはまさにこうした用
途に応えるものとして期待されている。こうした記録媒
体への高容量化、高密度化への要求は、膨大な画像情報
や音声信号を扱う上で記録媒体と記録装置に課せられた
時代の必然であり、デジタル変調技術及びデータ圧縮技
術の進歩と歩調をあわせてその進歩はまさに日進月歩で
ある。
【0003】高密度化の具体的な手段として光ディスク
においては、光源の短波長化やレンズの高NA(Numeric
al Aperture)化による照射光の収束ビーム径の縮小、記
録マーク長の短小化、回転数一定のもとで外周に行くほ
ど記録周波数を上げて内外周での記録密度を一定とする
MCAV(Modified Constant Angular Velocity)、マー
ク始端と後端に情報をのせるマークエッジ記録などが開
発、利用されており、今後に向けてさらなる高密度化の
手法が模索されているのが現状である。
【0004】記録が可能な光ディスクでは、あらかじめ
案内溝がディスク上に刻まれ、いわゆるトラックが形成
されている。通常、案内溝相互間もしくは案内溝内にレ
ーザー光が集光されることによって、情報信号の記録、
再生又は消去が行われる。現在市販されている一般的な
光ディスクにおいては、通常案内溝相互間もしくは案内
溝内のどちらか一方にのみ情報信号が記録され、他方は
隣接トラックを分離して信号の漏れ込みを防ぐための境
界の役割を果たしているに過ぎない。
【0005】この境界部分、例えば案内溝相互間に記録
する場合においては案内溝内、また、案内溝内に記録す
る場合においては案内溝相互間、にも同様に情報の記録
が可能となれば記録密度は2倍となり記録容量の大幅な
向上が期待できる。以下、案内溝をグルーブ、案内溝相
互間をランド、ランド部とグルーブ部の両方に情報を記
録する方法をL&G記録と略称する。
【0006】L&G記録の提案としては、特公昭63−
57859号などがあるが、このような技術を用いる場
合には、クロストークの低減に格段の注意を払う必要が
ある。すなわち、前述の特公昭63−57859号記載
のL&G記録では、あるトラックの記録マーク列とそれ
と隣合うトラックの記録マーク列同士の間隔が収束ビー
ム径の半分になるため、再生したい記録マーク列の隣の
記録マーク列まで収束ビーム径が重なる。このため、再
生時のクロストークが大きくなり、再生S/Nが劣化す
るという問題がある。
【0007】このクロストークを低減させるため、例え
ば、SPIE Vol.1316、Optical D
ata Storage(1990)pp.35にある
ように、光ディスク再生装置に特別の光学系とクロスト
ークキャンセル回路を設けてクロストークを低減しよう
とする手法がある。しかしながらこの方法では、装置の
光学系及び信号処理系がさらに複雑なものになってしま
うデメリットがある。
【0008】再生クロストーク低減のための特別な光学
系や信号処理回路を特に設けることをせずに、クロスト
ークを低減する方法として、グルーブ(案内溝)とラン
ド(案内溝相互間)の幅を等しくし、グルーブ深さを再
生光波長に対応したある範囲内とすることが効果的であ
るとの提案がある。(Jpn.J.Appl.Phy
s.Vol32(1993)pp.5324−532
8)。
【0009】これによれば、ランド幅=グルーブ幅でか
つグルーブ深さがλ/7n〜λ/5n(λ:再生光波
長、n:基板の屈折率)のときにクロストークが低減さ
れることが、計算及び実験事実として示されている。こ
のことは特開平5−282705号にも記されている。
これらの提案ではグルーブとランドの幅が等しいという
ことが前提になっており、それに基づいて計算機シミュ
レーションによるクロストークの低減効果を示し、実際
にディスクを作製、評価した実施例を示して、その有効
性について言及している。
【0010】しかしながら、我々がさらに鋭意検討を進
めた結果、グルーブとランドの幅を1:1に保ったまま
グルーブ幅を狭くして狭トラックピッチ化による高密度
化を進めると、繰り返しオーバーライト後の前マークの
消え残りや記録マークのジッタの悪化の点でランド部で
の特性悪化が著しく、逆にグルーブでは狭トラックピッ
チ化しても繰り返し記録オーバーライト後の消去特性や
ジッタが悪化しにくいことが判明した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる課題を
解決するもので、特にレーザー光を光源として用いるよ
うなL&G記録型光ディスクにおいて、ランド部とグル
ーブ部のいずれを記録領域とした場合でも、繰り返しオ
ーバーライト特性を共に高いレベルに保ち、信頼性の高
い高密度光ディスクを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、グルーブ深さ
の規定と、グルーブ幅およびランド幅が繰り返し記録消
去特性に与える影響について検討を重ねた結果なされた
もので、その要旨は、溝が形成された透明基板上に、下
部誘電体保護層、相変化型記録層、上部誘電体保護層、
金属反射層を順次積層した構成からなり、前記溝上と溝
間の両方を記録領域として用い、レーザー光を照射する
ことによって情報の記録、消去、再生を行なう光記録媒
体であって、 (1)前記溝の深さdが以下に示す不等式を満たし、
【0013】
【数6】λ/7n < d < λ/5n (ここで、λ:照射光の波長、n:基板の屈折率、d:
溝の深さ)
【0014】(2)前記溝の幅をGW、溝間のをLW
とした時に、いずれも0.1μmより大きく、かつ、次
【0015】
【数7】GW < LW および
【0016】
【数8】0.62×(λ/NA) ≦ LW ≦ 0.
80×(λ/NA) (NAはレンズの開口数) を満足することを特徴とする光記録媒体である。
【0017】上記に示した構成により本発明の光ディス
クでは、ランド部とグルーブ部のいずれに記録、消去を
多数回繰り返し行っても、ランド部での消去比の著しい
低下を防止することができ、ランド部及びグルーブ部と
もに記録マークのジッタの低い高品質の再生信号を得る
ことができる。
【0018】繰り返しオーバーライト特性の点でグルー
ブ幅を狭くしてもマージンが広い利点を利用して、グル
ーブ幅をランド幅よりも狭いものと規定することで、同
程度に狭トラックピッチ化した従来のランド幅とグルー
ブ幅の等しいL&G記録用光ディスクと同程度又はそれ
以上の高密度化が可能となる。本発明を具体例を示しな
がら詳細に説明する。
【0019】図1は本発明の光ディスクの一部分を模式
的に示した拡大斜視図である。3および4はそれぞれ、
あらかじめディスク基板上に形成されたランド部及びグ
ルーブ部であり、それぞれの幅は実際よりも拡大されて
描かれているが、ランド部3の幅の方がグルーブ部4の
幅に比べて本発明の請求項1に記載された範囲内におい
て広くなっている。
【0020】実際には記録層2は誘電体層などによって
保護されているが、図を見やすくするために記録層2以
外の層は省略した。記録層2は可逆的に相変化を起こす
材料で形成されており、結晶状態とアモルファス状態と
で照射レーザー光の反射光量が変化することを利用し
て、情報の記録、消去、再生が行われる。
【0021】図1では、L&G用光ディスクのランド部
3上の未記録領域に再生光ビームが照射されている場合
が例として示されている。5は対物レンズなどを用いて
集光されたレーザービームであり、基板1側からディス
クに照射され、記録、消去、再生を行うために用いる。
収束ビーム5は基板側から照射されるので、紙面の向こ
う側から入射して反射する。
【0022】したがって、光源側から見るとランド部3
が凹となり、反対にグルーブ部4が凸となっている。ラ
ンド3とグルーブ4の間の段差dは、収束ビーム5の波
長をλとし基板1の屈折率をnとしたとき、λ/7nか
らλ/5nの範囲内にあればいずれの値でもよい。
【0023】これはJpn.J.Appl.Phys.
Vol32(1993)pp.5324−5328に記
載されているように、グルーブ深さがλ/7n〜λ/5
n(λ:再生光波長、n:基板の屈折率)のときに隣接
トラックからのクロストークが低減されるためである。
本発明ではランドの幅を0.62×(λ/NA)から
0.80×(λ/NA)の範囲とする。
【0024】ただし、λは照射光の波長、NAは対物レ
ンズの開口数である。ランドの幅がこの範囲内よりも狭
いと、ランド上に記録マークを繰り返しオーバーライト
した場合に前マークの消え残りが顕著になり、記録マー
クのジッタが著しく悪化する。ランドの幅がこの範囲内
にある場合には、繰り返しオーバーライトした場合の前
マークの消え残りや記録マークのジッタの著しい悪化は
なく、グルーブに記録した場合と同等の特性が保たれ
る。
【0025】ランドの幅がこの範囲より大きい場合には
ランドの繰り返しオーバーライト特性に何ら問題はな
く、良好な特性を得られるが、高密度記録という観点か
ら無意味にランド幅を広げて記録密度を低下させるのは
得策でない。ここで、溝幅、溝深さの測定方法について
述べる。測定は、He−Neレーザー光(波長633n
m)を基板の溝の付いていない側から照射し、透過光に
ついて基板の溝により回折した0次光強度I0 、1次光
強度I1 、2次項強度I2 および回折光の角度を測定す
ることにより行う。Pを溝ピッチ、wを溝幅、dを溝深
さ、λをレーザー波長、θを0次光と1次光の間の角度
とした場合、溝が矩形の時には、
【0026】
【数9】I2 /I1 =cos2 (πε)
【0027】
【数10】I1 /I0 ={2sin2 (πε)(1−c
osδ)}/[π2 {1ー2ε(1ーε)(1−cos
δ)}]
【0028】
【数11】ε=w/P,δ=2(n−1)πd/λ
(nは基板の屈折率)
【0029】
【数12】P=λ/sinθ
【0030】の関係が成り立つため溝幅、溝深さが計算
される。実際の溝形状は完全な矩形ではないが、本発明
における溝形状は上記の測定法により溝の幅及び溝深さ
を一義的に決定した値を用いている。したがって本発明
における溝形状は矩形からずれた場合であっても適用さ
れる。
【0031】なお、実際に上記の方法を適用して計算し
た場合には、真の解だけでなく、ありえない解も同時に
導かれる場合がある。これによる測定値決定のミスを防
ぐため、基板ディスクの表面観察及び断面観察をSEM
などの方法を用いてあらかじめ行って溝形状の寸法を把
握しておき、それを参考にして、上記測定及び計算を適
用して正確な溝幅及び溝深さを求めて決定するのが確実
である。
【0032】本発明では、ランド幅がグルーブ幅よりも
広いため、ランド上の記録マークの幅がグルーブ上の記
録マークの幅よりも広くなり、その結果としてランドで
の再生信号振幅又はCN比(キャリア対ノイズ比)がグ
ルーブでのそれに比べて大きくなり、双方の信号品質に
差が生じる場合がある。このような場合には、グルーブ
での再生信号振幅又はCN比がランドより大きくなるよ
うに層構成を選択をすることが有効である。
【0033】その指針として、グルーブでの記録前後の
再生光の反射光量変化がランドにおけるそれに比べて大
きくなるように工夫すればよい。その具体策としては、
記録前後の反射光の位相変化に注目し、その位相変化を
グルーブ上での記録に有利になるようにある範囲内に規
定することが効果的である。我々が鋭意検討を進めた結
果、 条件(1):本発明の光記録媒体の記録領域の反射率が
未記録領域の反射率よりも低い場合は、未記録領域から
の反射光と記録領域からの反射光の間の位相差αが次式 α=(未記録領域からの反射光の位相)−(記録領域か
らの反射光の位相)
【0034】
【数13】−π < α < 0 すなわち、未記録領域からの反射光の位相が記録領域か
らの反射光の位相よりも0からπの範囲内で遅れてい
る。
【0035】条件(2):本発明の光記録媒体の記録領
域の反射率が未記録領域の反射率よりも高い場合は、未
記録領域からの反射光と記録領域からの反射光の間の位
相差αが次式 α=(未記録領域からの反射光の位相)−(記録領域か
らの反射光の位相)
【0036】
【数14】0 < α < π すなわち、未記録領域からの反射光の位相が記録領域か
らの反射光の位相よりも0からπの範囲内で進んでい
る。
【0037】以上のような条件(1)又は条件(2)を
満足することにより、グルーブ記録における再生信号振
幅を改善することができ、ランドとグルーブのいずれの
記録しても同等な品質の信号振幅を得ることができた。
さらに、上記条件(1)の場合、
【0038】
【数15】 −(3/4)π < α < −(1/4)π 上記条件(2)の場合、
【0039】
【数16】(1/4)π < α < (3/4)π のような範囲内にあることが、グルーブ上の記録マーク
の再生信号振幅を大きくする点で、より望ましい。
【0040】このような条件を満たすディスクを設計す
るには、相変化前後の反射光の位相差を正確に把握する
必要がある。相変化前後の反射光の位相変化の測定につ
いてはレーザー干渉顕微鏡などによって実測することが
できるが、ディスクの各層の光学定数と膜厚を用いて計
算によっても求めることができ、有効である。計算方法
は「分光の基礎と方法」(工藤恵栄著、オーム社、19
85)3章に詳しく述べられている。
【0041】各層の光学定数はあらかじめ単層膜をスパ
ッタリングなどの方法で作製し、エリプソメーターなど
で測定すればよい。記録前後の反射率変化と位相変化が
ランド記録またはグルーブ記録を適用した場合にいかに
影響するかについては、特開平5−128589号の中
では数式を用いて詳細に述べられている。
【0042】しかしながら、特開平5−128589号
にはランドとグルーブの両方を記録領域に採用するとい
う点には何ら触れられていない。また、ランドとグルー
ブの幅に関する規定も全く、本発明で取り入れているよ
うな幅広いランドに対する幅の狭いグルーブにおけるC
N比の改善というものではない。
【0043】記録層としては相変化材料を適用すること
ができるが、組成がGeとSbとTeを主成分とするカ
ルコゲン系の相変化材料を厚み20±5nmの厚さに成
膜することが特に望ましい。この膜厚よりも厚すぎても
薄すぎても繰り返し記録消去の回数が著しく低下してし
まったり、記録パワーの許容幅(マージン)の低下を招
くことがある。
【0044】反射膜としては、Alを主成分とする金属
材料を適用することができる。特に、記録感度や安定性
を考慮すると、AlとTi又はAlとTaの合金である
ことが望ましい。願わくば、Ti又はTaの含有量が
0.5at%から3.5at%であることが望ましく、
このときディスクの反射率のロスが小さく、かつ適度な
放熱層としての役割を発揮する。
【0045】本発明のL&G用光ディスクは書換え可能
な光学的情報記録媒体であるが、一度だけ書換え可能な
ライトワンス型として使用することもできる。2度目の
記録消去ができないように、ドライブ側で情報の書き込
み禁止の信号をディスクに記録することにより容易に可
能となる。
【0046】ディスクの作成法としては、あらかじめグ
ルーブを形成した樹脂やガラスなどの基板ディスクにマ
グネトロンDCスパッタリング、同RFスパッタリング
などの通常の光学薄膜を形成する方法で作成できる。金
属反射層の上には膜の保護のために樹脂層を塗布又はス
ピンコートして作成することが望ましい。
【0047】本発明で誘電体層に用いる誘電体として
は、種々の組合せが可能であり、屈折率、熱伝導率、化
学的安定性、機械的強度、密着性等に留意して決定され
る。一般的には透明性が高く高融点であるMg,Ca,
Sr,Y,La,Ce,Ho,Er,Yb,Ti,Z
r,Hf,V,Nb,Ta,Zn,Al,Si,Ge,
Pb等の酸化物、硫化物、窒化物、炭化物やCa,M
g,Li等のフッ化物を用いることができる。
【0048】あるいは、ZnS又はZnSeのうち少な
くとも一種と、上記化合物のうちの少なくとも一種を含
む混合膜を用いると良好な繰り返しオーバーライト特性
および経時安定性が得られる。この場合、金属化合物の
含量が5〜40mol%であると、記録したディスクの
保存安定性に特に優れる。
【0049】ディスクは片面のみを利用した単板仕様と
して使用できるほか、2枚のディスクを基板と反対側の
面を向い合わせにして貼り合わせることにより容量を倍
増することができる。これはレーザー照射側と反対側に
磁石を必要とする光磁気型ディスクでは行うことのでき
ない重要な特徴である。
【0050】本発明の光ディスクの記録・消去・再生は
対物レンズで集光した1ビームのレーザーを使用し、回
転する光ディスクの基板側から照射する。記録及び消去
時にはパルス状に変調したレーザービームを回転するデ
ィスクに照射し、記録層を結晶状態又はアモルファス状
態の2つの可逆的な状態に相変化させ、記録状態又は消
去状態(未記録状態)とする。
【0051】このとき、オーバーライトにより、記録し
ながら記録前に存在していたマークを同時に消去するこ
ともできる。再生時には記録及び消去時のレーザーパワ
ーよりも低いパワーのレーザー光を回転するディスクに
照射する。このとき、再生直前の記録層の相状態を変化
させてはならない。
【0052】反射光の強度変化をフォトディテクタで検
知して、記録又は未記録状態を判定することにより再生
を行なう。
【0053】
【実施例】以下、実施例をもって本発明をさらに詳しく
説明する。実施例及び比較例で用いたディスク基板には
種々の大きさのグルーブ幅及びランド幅のトラックがあ
らかじめ形成されており、グルーブ形状の若干異なる複
数のディスク基板を用意した。それらの基板上には、記
録層を含む同一層構成の膜を形成した。
【0054】実施例1 基板材料はポリカーボネート(波長680nmのレーザ
ー光に対して屈折率1.56)を用いた。ランド幅及び
グルーブ幅が異なる複数の領域を用い、繰り返しオーバ
ーライト特性を比較した。それぞれの領域(領域1〜
3)とランド幅及び溝幅を表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】下部誘電体保護層及び上部誘電体保護層は
ZnSとSiO2 (4:1モル比)の混合物とし、下部
誘電体保護層の膜厚を100nm、上部誘電体保護層の
膜厚を20nmとした。
【0057】記録層はレーザー照射によってアモルファ
ス層と結晶相で可逆的に相変化を起こすGeとSbとT
eを主成分とする材料 を用い、組成比はGe:Sb:
Teをおよそ22:25:53(原子比)とした。記録
層の膜厚は25nmとした。反射層にはAlにTaを
2.5mol%を含有する材料を用い、膜厚は100n
mとした。
【0058】全ての薄膜はスパッタリングにより下部誘
電体保護層/記録層/上部誘電体保護層/反射層の順に
成膜した。スパッタリングによる成膜直後は記録層はア
モルファス状態であるため、レーザー光により全面アニ
ールを施し、結晶状態に相変化させ、これを初期(未記
録)状態とした。
【0059】したがって、記録についてはトラック上に
高パワーのレーザーの収束ビームを照射して、記録層を
アモルファス状態に変化させ、その結果生じたアモルフ
ァス記録マークからの反射光量の変化によって、記録マ
ークの検出を行うことができる。次にディスクを線速度
3m/sで回転させ、680nmの半導体レーザー光を
開口数0.55の対物レンズで記録膜上に集光し、プッ
シュプル方式でトラッキング制御を行いながら信号の記
録、再生を行った。
【0060】信号記録は以下のようにして行った。ラン
ド又はグルーブを記録領域として選択し、2.7μmの
長い記録マーク(マーク長さ:マーク間長さ=1:1)
を所定回数だけ繰り返しオーバーライトし、最後に0.
67μmの短い記録マークをオーバーライトしてその記
録マークのジッタを測定して評価を行った。
【0061】入力パルスは長い2.7μmのマークを記
録する場合には図2に示すような分割パルスを用い、記
録マークが記録時の熱干渉により涙型に変形するのを防
止した。短い0.67μmのマークを記録する場合に
は、2.24MHz、デューティー比25%のパルスを
入力した。
【0062】オーバーライト時の典型的なパルスパター
ンを図3に示す。記録時にはレーザーパワーをPw にす
ることにより、記録層を溶融、急冷し、記録層をアモル
ファス状態とする。それと前後して、レーザーパワーを
b に落とすことにより、記録層を結晶化温度以上かつ
融点以下に昇温して結晶状態、すなわち未記録状態を実
現して前マークを消去し、オーバーライトが実現され
る。
【0063】再生時はレーザーパワーをPr とし、記録
層の相変化を起こさない程度の低い温度に保つことで実
現される。最適なオーバーライトのためのレーザーパワ
ーPw ,Pe はマトリックス状にパワーを変化させて記
録し、記録マークのジッタが最小になるパワーを最適値
とした。
【0064】記録マークのジッタ測定はマークの始端か
ら後端までを信号波形の2回微分のゼロクロス点を検出
して測定した。繰り返しオーバーライトを行ったときの
0.67μmの短いマークのジッタの変化を図4に示し
た。ランドにおいてもグルーブと同様に良好な繰り返し
特性が得られていることが分かる。
【0065】比較例1 実施例1とは異なり、本発明の範囲外のランド幅を有す
る複数の領域(領域4〜5)を用い、繰り返しオーバー
ライト特性を比較した。それぞれの領域とランド幅及び
溝幅を表2に示した。
【0066】
【表2】
【0067】実施例1と同様な評価を行い、結果を図5
に示した。実施例1と異なり、ランド部での繰り返し特
性の悪化が著しい。
【0068】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明による
光記録媒体および記録再生方法によれば、ランドとグル
ーブの両方に信号を記録しても溝深さが限定されている
ために隣接トラックからのクロストークを低減すること
ができる。また、レーザー光の波長と対物レンズの開口
数の両者によって決まる収束ビーム径に対してランド幅
とグルーブ幅を適切な範囲に限定することにより、従来
のランド幅=グルーブ幅を用いたランド&グルーブ記録
よりも、特にランド部における繰り返しオーバーライト
特性に優れたディスクを提供できる。また、幅広いラン
ドを採用したことによりランド部での再生信号振幅がグ
ルーブ部でのそれよりも大きくなり、ランドとグルーブ
の信号品質に望ましくない差を生じ得る問題点の改善策
として、グルーブ部の再生信号振幅がランドでのそれよ
りも有利になるように、記録層が相変化する前後での反
射光の位相変化の範囲を規定し、問題点の回避策を提案
した。さらに、本発明の光記録媒体を用いることによ
り、溝上と溝間の両方を記録領域として用い、いずれの
領域にもレーザーの1ビームオーバーライトによって、
高密度に記録、消去、再生せしめることを特徴とする記
録再生方法を供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ディスクを模式的に示す拡大斜視
【図2】 実施例、比較例で使用する分割パルスの一例
を示す説明図
【図3】 オーバーライト時の入力パルスの説明図
【図4】 実施例1における繰り返しオーバーライト回
数と記録マークのジッタの関係を示した図
【図5】 比較例1における繰り返しオーバーライト回
数と記録マークのジッタの関係を示した図
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 ランド部 4 グルーブ部 5 収束ビーム 6 記録マーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溝が形成された透明基板上に、下部誘電
    体保護層、相変化型記録層、上部誘電体保護層、金属反
    射層を順次積層した構成からなり、前記溝上と溝間の両
    方を記録領域として用い、レーザー光を照射することに
    よって情報の記録、消去、再生を行なう光記録媒体であ
    って、 (1)前記溝の深さdが以下に示す不等式を満たし、 【数1】λ/7n < d < λ/5n (ここで、λ:照射光の波長、n:基板の屈折率、d:
    溝の深さ) (2)前記溝の幅をGW、溝間のをLWとした時に、
    いずれも0.1μmより大きく、かつ、次式 【数2】GW < LW および 【数3】 0.62×(λ/NA) ≦ LW ≦ 0.80×(λ/NA) (NAはレンズの開口数) を満足する(ただし、LW=0.71×(λ/NA)で
    ある場合を除く)ことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記光記録媒体の未記録領域からの反射
    光と記録領域からの反射光の位相差αが次式 α=(未記録領域からの反射光の位相)−(記録領域からの反射光の位相) 【数4】−π < α < 0 を満足し、かつ未記録領域の反射率に比べて記録領域の
    反射率が低いことを特徴とする請求項1記載の光記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記光記録媒体の未記録領域からの反射
    光と記録領域からの反射光の位相差αが次式 α=(未記録領域からの反射光の位相)−(記録領域からの反射光の位相) 【数5】0 < α < π を満足し、かつ未記録領域の反射率に比べて記録領域の
    反射率が高いことを特徴とする請求項1記載の光記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記記録層が、Ge、SbおよびTeを
    主成分とする合金からなり、厚みが20±5nmである
    請求項1ないし3のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の光記録媒体を用い、溝
    上と溝間の両方を記録領域として用い、いずれの領域に
    もレーザーの1ビームオーバーライトによって記録、消
    去、再生せしめることを特徴とする記録再生方法。
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