JP3375307B2 - スポット溶接ガン - Google Patents

スポット溶接ガン

Info

Publication number
JP3375307B2
JP3375307B2 JP27111199A JP27111199A JP3375307B2 JP 3375307 B2 JP3375307 B2 JP 3375307B2 JP 27111199 A JP27111199 A JP 27111199A JP 27111199 A JP27111199 A JP 27111199A JP 3375307 B2 JP3375307 B2 JP 3375307B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
link
welding gun
electrode tip
spot welding
welded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27111199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001087864A (ja
Inventor
幸治 土肥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP27111199A priority Critical patent/JP3375307B2/ja
Publication of JP2001087864A publication Critical patent/JP2001087864A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3375307B2 publication Critical patent/JP3375307B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば多関節型
ロボットの手首に取り付けられ、スポット溶接を行うス
ポット溶接ガンに関する。
【0002】
【従来の技術】溶接ガンを用いた従来のスポット溶接で
は、溶接ガンに固定された下部電極チップ上に被溶接物
が当接するように溶接ガンを位置決めする一方、上下に
昇降する上部電極チップを下降させて被溶接物を挟み、
さらに加圧力を加えて両電極チップ間に溶接電流を流す
ことによって、被溶接物同士を接合する。溶接ロボット
による自動スポット溶接においては、溶接ガンは多関節
型ロボットの手首に取付けられており、溶接ガンは溶接
ロボットによって予め教示された溶接位置に逐次位置決
めされる。
【0003】図8(a)は、被溶接物5の溶接位置を示
す正面図である。図8(a)に示すように、被溶接物5
は下部電極1に当接するように位置決めされ、上部電極
2を下降させて被溶接物5を電極チップ1,2で挟み、
加圧してスポット溶接を行う。
【0004】加圧位置が所定の位置から外れた場合、す
なわち図8(b)に示すように、下部電極1が被溶接物
5から離反した位置となるように位置決めされた場合に
は、上部電極2を下降したとき、下部電極1によって上
部電極2の押圧力を受け止めることができず、図8
(b)で仮想線で示すように被溶接物5が変形し、上部
と下部の電極チップ1,2の加圧力がアンバランスにな
る結果、溶接品質の低下を招いていた。このような問題
は、被溶接物または溶接ガンのティーチ時およびリピー
ト時の位置決めのばらつきや、電極チップ1,2の消耗
や、加圧時のガンアームのたわみなどによって生じる。
【0005】従来では、上述したような被溶接物の加圧
時の変形を防止するために、溶接ロボットの手首部と溶
接ガンとをイコライジング装置を介して連結している。
イコライジング装置は、溶接ガンを上下方向に浮かして
支持するものであり、被溶接物の位置ずれを、溶接ガン
を上下に移動させて吸収する構成となっている。このよ
うなイコライジング装置の一例としては、たとえば実開
平5−18774号公報に開示されている。
【0006】しかしながら、イコライジング装置を設け
た場合はその分だけ溶接ガンが大形化するため、溶接ロ
ボットを可搬重量の大きいタイプのものにしなければな
らず、溶接ロボットの投資コストが高くなる。
【0007】また、溶接ガンが大形化すると被溶接物と
の干渉が問題となり、溶接作業の適用部位が限定され
る。
【0008】また、イコライジング装置では、一方の電
極チップが先に被溶接物に当接すると、この当接した電
極チップの反力で他方の電極チップを溶接ガンとともに
移動させて被溶接物に当接させるので、先に当接する電
極チップの衝撃が大きくなり、電極の消耗が大きくなる
とともに、被溶接物が薄い場合には被溶接物の変形が生
じる。
【0009】また、このようなイコライジング装置を用
いる代わりに、ロボットのアームをイコライジング動作
して、下部電極チップを持ち上げる方法がある。このイ
コライジング動作を行うときには、上部電極も一緒に上
昇移動してしまうので、イコライジングストローク動作
に無駄がある。この結果、歪みのない精度のよい製品を
高速で生産することができないといった問題を有する。
【0010】このような問題を解決する方法として、特
開平7−116856号公報には、上部電極チップおよ
び下部電極チップを独立に駆動させる2つのアクチュエ
ータを用いる方法が開示されている。この方法では、両
電極チップを個別に移動させ、いずれか一方の電極チッ
プが被溶接物に当接した場合には、この当接を検知し、
当接した一方の電極チップを駆動させるアクチュエータ
を停止させ、他方のアクチュエータの駆動は継続させ、
他方の電極チップが被溶接物に当接し、これを検知した
とき、両アクチュエータで加圧力を加えてスポット溶接
を行う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
従来技術では、溶接ガンに2つのアクチュエータを必要
とするため、依然として溶接ガンが大形化し、大重量と
なる。また、各電極チップが被溶接物に当接したか否か
を個別に検出し、これに応じて各アクチュエータを制御
するため、制御が複雑となる。
【0012】本発明の目的は、イコライジング装置もし
くは2つのアクチュエータを用いることなく被溶接物の
位置ずれなどがあっても、被溶接物を均等に加圧するこ
とが可能で、加圧時の被溶接物の変形を防止することが
可能なスポット溶接ガンを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、(a)互いに対向して配置され、駆動源によって両
者が互いに近接および離反する方向に移動する一対の電
極チップを有し、これらの電極チップで被溶接物を挟
み、加圧してスポット溶接を行うスポット溶接ガンにお
いて、 (b)ロボットの手首に取り付けられ、前記一対の電極
チップを移動可能に支持するハウジングと、 (c)前記ハウジングに固定され、両電極チップの近接
および離反方向に平行に移動する出力部を有する駆動源
と、 (d)当接伝達手段であって、 (d1)リンクを有するリンク機構であって、このリン
クの一端部には、一方の電極チップが角変位自在に連結
され、リンクの中間部に、駆動源の出力部が角変位自在
に連結されるリンク機構と、 (d2)反転手段であって、リンクの他端部に連結さ
れ、駆動源の出力部の移動方向を反転させて前記一方の
電極チップとは反対方向に他方の電極チップを移動させ
る反転手段とを有し、 (d3)両電極チップが互いに近接する方向に移動し、
いずれか一方の電極チップが先に被溶接物に当接したと
き、この当接した一方の電極チップの移動を停止したま
まで、この当接した電極チップ側を支点として、リンク
機構によっていずれか他方の電極チップの移動のみを継
続させる当接伝達手段とを含むことを特徴とするスポッ
ト溶接ガン。である。
【0014】本発明に従えば、溶接ガンが被溶接物に対
して所定の位置に位置決めされる一方、駆動源によっ
て、一方の電極チップおよび他方の電極チップが同期し
て互いに近接する方向に同時に移動を開始する。被溶接
物が位置ずれしていない場合、両電極が同時に移動する
ことによって一対の電極が同時に被溶接物に当接し、さ
らには両電極で同時加圧することができる。また、一方
の電極のみ移動させる従来の場合に比べて時間を短縮す
ることができる。
【0015】被溶接物の位置ずれなどによって、いずれ
か一方の電極チップが被溶接物に先に当接した場合、当
接した電極チップの移動が停止し、この当接した電極チ
ップ側を支点として当接伝達手段によって他方の電極チ
ップの移動のみを継続させ、両電極が被溶接物に確実に
当接する。
【0016】このようにして両電極チップが被溶接物に
当接した後、被溶接物に加圧力を加え、スポット溶接が
行われる。
【0017】このように両電極チップを被溶接物に確実
に当接した後に、両電極チップによる加圧が開始される
ので、溶接ガンまたは被溶接物が位置ずれした場合であ
っても、一方の電極チップの押圧力を他方の電極チップ
にて受け止めることができ、加圧時における被溶接物の
変形を防止し、最終的に被溶接物を均等加圧することが
できる。また、これによって打撃音も軽減できる。
【0018】また本発明では、溶接ガンを浮かして支持
するイコライジング装置と異なり、両電極チップの間に
介在され、当接した電極チップ側を支点として他方電極
チップの移動のみ継続させる当接伝達手段を用いること
により、イコライジング装置のように構成の大型化、大
重量化を招くことなく、正確な均等加圧を実現し、加圧
時の被溶接物の変形を確実に防止することができる。
【0019】また、イコライジング装置のように、当接
していない電極チップの移動を溶接ガンとともに移動さ
せるのでなく、電極チップのみ移動を継続させるので、
電極チップが当接するときの衝撃は小さく、電極チップ
の消耗や、被溶接物の変形を防止することができる。ま
たイコライジング装置を用いることなく、当接伝達手段
の作用によって、被溶接物との距離が一方のチップと他
方のチップとで異なっている場合であっても、加圧力が
バランスする。
【0020】また、従来技術のようにイコライジング装
置によるイコライジング動作をすることなく、両電極を
同期駆動させるので、溶接打点のスピードアップを図
り、被溶接物への加圧時の歪みや変形も防止することが
できる。
【0021】またアクチュエータを2つ用いる従来技術
のように、いずれか一方の電極チップが被溶接物に当接
したか否かを個別に検出する必要がなくなり、制御も容
易となる。
【0022】特に本発明に従えば、リンク機構は、リン
クを有し、このリンクの一端部には、一方の電極チップ
が角変位自在に連結され、リンクの他端部には、角変位
自在に連結された反転手段を介して他方の電極チップが
連結され、リンクの中間部には、駆動源の出力部が連結
され、これによって出力部の出力の伝達が可能になると
ともに、一方の電極チップが当接した場合に他方の電極
チップのみを移動させることが可能になる。
【0023】本発明に従えば、反転手段を用いることに
よって、一方の電極チップと他方の電極チップとの両方
を1つの駆動源で移動させることができ、2つのアクチ
ュエータを用いる必要がなく、溶接ガンの小形、軽量化
が図られる。
【0024】本発明に従えば、たとえば駆動源の出力部
によってリンクを押下げると、リンクの一端部に連結さ
れる一方の電極チップである上部電極チップが下降する
とともに、リンクの他端部に連結される反転手段によっ
て他方の電極チップである下部電極チップが上昇し、両
電極チップは互いに近接する方向に移動する。ここで、
たとえば上部電極チップが先に被溶接物に当接すると、
上部電極チップが連結されるリンクの一端部を支点とす
るとともに、駆動源の出力部によってリンクが継続して
押下げられ、これによって下部電極チップは上昇を継続
する。このようにリンク機構を用いることによって、先
に被溶接物に当接した電極チップを停止させるととも
に、被溶接物に当接していない電極チップの移動を継続
し、確実に両電極チップを被溶接物に当接させて挟むこ
とができる。請求項2記載の本発明の前記駆動源は電動
モータであり、モータの電流値または出力部の変位量に
基づいて両電極チップが被溶接物に当接したことを検出
し、この検出に応答して加圧を開始することを特徴とす
る。
【0025】本発明に従えば、モータの電流値またはエ
ンコーダなどのモータの出力部の変位量に基づいて、電
極チップが被溶接物に当接したか否かを検出するので、
たとえばセンサなどを別途に設ける必要がなく、構成が
簡単となる。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】請求項3記載の本発明は、前記リンクと前
記一方の電極チップおよび反転手段とは、中間リンクを
介して角変位自在に連結されることを特徴とする。
【0030】本発明に従えば、リンクと一方の電極およ
び反転手段とは中間リンクを介して多段リンクとなるの
で、一方の電極および反転手段をスムーズに所定の方向
に駆動させることができる。
【0031】請求項4記載の本発明の前記駆動源の出力
部は、前記リンクの中央に連結されることを特徴とす
る。
【0032】本発明に従えば、駆動源の出力部がリンク
の中央に連結されることにより、駆動源の駆動力を両電
極チップに均一に作用させることができる。これによっ
て両電極の加圧力が等しくなり、溶接品質を良好とする
ことができる。
【0033】請求項5記載の本発明の前記駆動源の出力
部は、リンクの中央からずれた位置に連結されることを
特徴とする。
【0034】たとえば、薄板と厚板とを溶接する場合に
は、通電時の発熱中心を中心からずらす必要があり、そ
のためには、あえて電極チップの加圧力に差を持たせる
方法がある。本発明では、駆動源の出力部とリンクとの
連結位置を中心からずらすことによって、容易に加圧力
に差を持たせることができる。
【0035】請求項6記載の本発明の前記当接伝達手段
には、駆動源の出力部とリンクとの角変位を阻止および
許容するクラッチが設けられ、このクラッチは、両電極
チップの近接開始時に所定時間または所定距離、リンク
と出力部との角変位を阻止し、加圧時にリンクと出力部
との角変位を許容することを特徴とする。
【0036】本発明に従えば、出力部とリンクとの間に
はクラッチが介在され、両電極の近接開始時にクラッチ
によって出力部とリンクとの角変位を阻止することによ
って、両電極を同期させて、確実に近接開始させること
ができる。
【0037】近接開始してから所定時間経過後、または
所定距離移動後、どちらの電極も被溶接物に当接しない
位置でクラッチによって出力部とリンクとの角変位を許
容させる。このことと当接伝達手段の作用によって両電
極チップを被溶接物に確実に当接させることができる。
両電極チップ当接後、駆動源によってリンクに押し下げ
力を加えることによって、両電極チップで被溶接物に均
一に加圧力を作用させることができる。
【0038】請求項7記載の本発明の前記クラッチは、
両電極チップが被溶接物から離反開始する時に所定時
間、または所定距離、リンクと出力部との角変位を阻止
することを特徴とする。
【0039】本発明に従えば、両電極チップが被溶接物
から離反開始する時に、所定時間または所定距離、クラ
ッチによってリンクと出力部との角変位を阻止すること
によって、同期して両電極の離反動作を開始することが
できる。
【0040】請求項8記載の本発明は、駆動源の出力部
とリンクとの間に介在され、リンクを予め定める中立位
置に向けてばね付勢するばね付勢手段が設けられること
を特徴とする。
【0041】本発明に従えば、ばね付勢手段が設けられ
ることにより、溶接ガンを閉じるとき、両電極を同時に
近接動作を開始することができる。また、溶接ガンを開
くとき、両電極チップを被溶接物から同時に離反させる
ことができる。
【0042】請求項9記載の本発明の前記反転手段は、
ラックとピニオンとを有することを特徴とする。
【0043】請求項10記載の本発明の前記反転手段
は、駆動源の出力部と同方向に変位駆動する第1ラック
と、第1ラックに噛合するピニオンと、ピニオンに噛合
し、第1ラックとは逆方向に変位駆動する第2ラックと
を有することを特徴とする。
【0044】本発明に従えば、駆動源によってリンクが
押下げられたとき、このリンクの他端部に連結される第
1ラックが押下げられ、この第1ラックに噛合するピニ
オンを介して第2ラックが押上げられ、この第2ラック
に連結する他方の電極チップである上部電極チップが上
昇する。このように、ラックとピニオンを用いた反転手
段によって容易に駆動源の移動方向を反転させることが
できる。
【0045】
【発明の実施の形態】図1は本発明のスポット溶接ガン
21を備えるスポット溶接装置11の全体の構成を示す
概略図であり、図2はスポット溶接ガン21の構成を示
す断面図である。スポット溶接装置11は、溶接ガン2
1、溶接ロボット61、および制御手段71を含んで構
成され、溶接ガン21は、溶接ロボット61の手首部6
5に取付けられている。溶接ガン21の開放、閉鎖、加
圧動作および溶接ロボット61の動作は制御手段71に
よって制御される。
【0046】溶接ガン21は、図2に示すように、ハウ
ジング22、アーム24,25、上部電極チップ26、
下部電極チップ27、駆動源30、当接伝達手段41お
よび反転手段40とを含んで構成される。
【0047】駆動源30はサーボモータ35および出力
軸42を有するボールねじ32とから構成される。ボー
ルねじ32は、軸受けを介してハウジング22に回転自
在に軸支されるねじ軸23と、ねじ軸23に螺合するナ
ット33とを有し、ねじ軸23はサーボモータ35によ
って正逆両方向に回転駆動される。ねじ軸23の回転に
よってナット33はねじ軸23の軸方向に上下に昇降す
る。ナット33には、ハウジング22に上下に変位自在
に支持される出力軸42が連結されており、ねじ軸23
によってナット33とともに出力軸42が昇降駆動す
る。また、サーボモータ35には、エンコーダ36が備
えられ、サーボモータの回転量を検出することによって
出力軸42の位置を検出することができる。
【0048】当接伝達手段41は、リンク43を有し、
リンク43の中央にはボールねじ32の出力軸42がピ
ン53によって角変位自在に連結される。リンク43の
一端部43aには連結部材44を介してアーム24が連
結され、アーム24の下端部には上部電極チップ26が
取付けられる。アーム24はハウジング22に上下に変
位自在に支持される。中間リンク44はリンク43の一
端部43aにピン54によって角変位自在に連結され、
下端部がアーム24の上端部にピン55によって角変位
自在に連結される。
【0049】リンク43の他端部43bには反転手段4
0を介して他方のアーム25が連結され、他方のアーム
25の先端部は一方のアーム24の下端部に対向し、下
部電極チップ27が取付けられる。反転手段40は第1
ラック50、ピニオン51および第2ラック52を有す
る。第1ラック50はハウジング22に上下に昇降可能
に支持され、ピニオン51は第1ラック50に噛合し、
ハウジング22に回転自在に支持され、第2ラック52
はピニオン51に噛合し、他方のアーム25の基部25
aに一体に取付けられる。
【0050】リンク43の他端部43bにはピン56を
介して中間リンク46が角変位自在に取付けられ、この
連結部材46の下端部にピン57を介して第1ラック5
0が角変位自在に連結される。
【0051】したがって、駆動源30の出力軸42を降
下させると、リンク43が降下し、これに伴ってリンク
43の一端部43aに連結されるアーム24および上部
電極26が降下する。またこれとともに、リンク43の
他端部43bに連結される第1ラック50が降下する。
第1ラック50はピニオン51を介して第2ラック52
に連結されているので、第1ラック50が降下すると第
2ラック52が上昇する。第2ラック52には他方のア
ーム25が一体に固定されているので、これに伴ってア
ーム25および下部電極27が上昇する。
【0052】このようにして、出力軸42を降下させる
と、上部電極26が降下するとともに下部電極27が同
時に上昇し、溶接ガン21は閉じる。またこのとき、上
部電極チップ26と下部電極チップ27とは当接位置ま
で閉じることができる。また、駆動源30の出力軸42
を上昇させると、上述したのとは逆の作用により、上部
電極チップ26は上昇し、下部電極チップ27は下降
し、溶接ガン21が開放する。
【0053】次に図1を再び参照してスポット溶接装置
11の構成について説明する。上部電極チップ26およ
び下部電極チップ27は、溶接トランス(図示略)に接続
されている。溶接トランスは、タイマ機能を有するコン
トローラ62を介して溶接電源(図示略)に接続されて
いる。コントローラ62は、制御手段71と接続されて
いる。溶接ロボット61は、制御軸が6軸であり、各制
御軸毎に設けられたサーボモータによって駆動されるよ
うになっている。
【0054】溶接ロボット61の動きは、制御手段71
によって制御される。制御手段71には、複数の溶接位
置が教示されており、溶接ロボット61は教示された溶
接位置に溶接ガン21を位置決めする。制御手段71に
は、溶接ロボット61の各制御軸からの位置情報が入力
されており、これらに基づいて溶接ロボット61によっ
て移動される溶接ガン21の位置情報が把握される。ま
た、制御手段71には、各電極チップ26,27を開閉
移動させる出力軸42の位置を検出するエンコーダ36
の検出値が入力される。
【0055】制御手段71は、溶接ロボット61自体の
軌道計算をする機能を有するとともに、サーボモータ3
5からフィードバックされた負荷電流値に基づいて、両
電極26,27が被溶接物90に当接したか否かを検出
する機能、および各溶接打点毎に設定される加圧力に対
応する負荷電流を指令する機能を有しており、両電極2
6,27が被溶接物90に当接したことを検出すると、
設定される加圧力に対応する負荷電流を指令する。
【0056】次に、本実施形態のスポット溶接装置11
の動作について説明する。本実施形態のスポット溶接装
置11は、たとえば自動車の車両ボディのスポット溶接
に用いられる。自動車の組立てラインではコンベアによ
って被溶接物90である車両ボディが間欠的に移動さ
れ、車両ボディの停止時にスポット溶接作業が行われ
る。車両ボディが所定の位置に位置決めされると、待機
状態にあった溶接ロボット61によって溶接ガン21が
溶接位置に向って移動し、スポット溶接作業を行う。
【0057】図3は、溶接作業時のスポット溶接ガン2
1のサーボモータ35の電流値およびエンコーダ値を示
すタイムチャートである。時刻t1において溶接ガン2
1は全開位置、すなわち出力軸42が上限位置にあり、
上部電極26と下部電極27とが最大限に離反した位置
にあるものとする。
【0058】時刻t1で溶接作業が開始されると、まず
電極チップ26,27が閉じる方向、ここではプラス方
向に電流をサーボモータ35に供給し、出力軸42を下
降させる。これによってアーム24および上部電極チッ
プ26が下降するとともに、反転手段40を介してアー
ム25および下部電極27が上昇し始める。
【0059】時刻t2において、いずれか一方の電極チ
ップ、たとえば下部電極チップ27が先に被溶接物90
に当接したとすると、下部電極チップ27の移動が停止
するが、当接伝達手段41のリンク43は、下部電極チ
ップ27側、すなわち他端部43bのピン56、および
中間リンク46とラック50とを連結するピン57を支
点とし、出力軸42によって押下げられ、これによって
リンク43の一端部43aに連結されるアーム24およ
び上部電極チップ26が下降移動を継続する。このよう
にリンク43と反転手段40とは中間リンク46を介し
て多段リンクによって連結されるので、スムーズに動作
することができる。これは、リンク43の一端部43a
に連結される中間リンク44においても同様である。
【0060】また、下部電極チップ27が被溶接物90
に当接したとき、図3に示すように、サーボモータ35
の負荷電流が上昇する。
【0061】時刻t3において上部電極チップ26が被
溶接物90に当接すると、サーボモータ35の電流値が
急激に増加する。したがって、この電流値の増加に基づ
いて制御手段71は両電極チップ26,27が被溶接物
90に当接したものと判断することができる。すなわ
ち、予め電流値を設定しておき、このフィードバックさ
れるサーボモータ35の負荷電流がこの設定電流値を越
えたときに両電極が被溶接物90に当接したものと判断
する。
【0062】また両電極が被溶接物90に当接したこと
を検出する他の方法として、サーボモータ35のエンコ
ーダ値に基づいて、電極チップ26,27間の間隔が所
定の間隔未満になったと判断したとき、両電極チップ2
6,27が被溶接物90に当接したものと判断してもよ
く、また所定の時間以上サーボモータ35のエンコーダ
値が変化しない場合に、両電極チップ26,27が被溶
接物90に当接したものと判断するようにしてもよい。
【0063】時刻t3において両電極チップ26,27
が被溶接物90に当接したことを検知すると、制御手段
71はこの溶接位置に対応する加圧力に応じた負荷電流
をサーボモータ35に供給し、被溶接物90に加圧力を
加える。このように、両電極チップ26,27が確実に
被溶接物90に当接したことを確認してから加圧力を加
えるので、被溶接物90の位置がずれていたとしても、
被溶接物90を均等に加圧することができ、被溶接物9
0が変形することが確実に防がれる。
【0064】時刻t3において加圧した後、所定時間経
過した次の時刻t4において所定の溶接電流を流し、さ
らに所定時間経過後、時刻t5において通電を停止す
る。このようにしてスポット溶接を行う。
【0065】次の時刻t6でサーボモータ35に加圧す
るときとは逆方向、ここではマイナス方向に電流を供給
する。すると溶接ガン21を開き始め、両電極チップ2
6,27が離反し始める。
【0066】前述したように、下部電極チップ27が先
に被溶接物90に当接したので、リンク43は上部電極
チップ26が連結される他端部43b側が上方となるよ
うに傾斜しており、出力軸42を引上げると、先ず時刻
t7においてリンク43の他端部43bが先に上限位置
に達し、下部電極27の上昇が停止する。
【0067】さらに出力軸42の引き上げを継続する
と、リンク43の他端部43b側を支点としてリンク4
3の一端部43a側が上昇して上部電極26の上昇が継
続し、時刻t8でリンク43の一端部43aが上限位置
に達し、溶接ガン21は全開状態となる。なお、上部電
極チップ26の上昇させる時刻t7〜t8間では、両電
極チップ26,27を移動させるときより供給する電流
が増加する。
【0068】また、図3においては溶接ガン21を全開
位置から閉じて溶接作業を行い、再び全開位置に戻す状
態を示したが、連続して溶接作業を行う場合には、全開
位置まで開けず、所定の中間位置まで開いて、次の溶接
位置まで移動する。
【0069】このように本実施形態においては、被溶接
物90が位置ずれした場合であっても、上部電極チップ
26と下部電極チップ27の両方が被溶接物90に当接
した後に、被溶接物90の加圧が開始されるので、従来
のようにイコライジング装置を用いることなく、加圧時
における被溶接物90の変形を確実に防止することが可
能となる。また、イコライジング装置がないので、その
分だけ溶接ガン21の小形、軽量化が図られる。したが
って、溶接ロボット21の可搬重量も小さくてすみ、小
形の溶接ロボットで対処することができ、溶接ロボット
21の投資コストの低減が図られる。さらに、溶接ガン
21の小形化により、狭いスペースでの溶接作業が可能
となり、溶接ガン21による溶接作業の適用範囲を拡大
することができる。
【0070】また溶接打点位置を溶接ロボットに教示す
るには、従来では、溶接ガンを打点位置毎に被溶接物に
近付け、下部電極を被溶接物に正確に当接させて、加圧
方向の位置決めを非常に厳密に行わなければならず、テ
ィーチングに多くの時間がかかる。本実施形態では、加
圧方向における電極チップ26,27のリピート時の最
終位置決めは、リンク機構によって、いわば自動で行わ
れ、被溶接物90との距離が、上部電極チップ26と下
部電極チップ27とで異なっていても加圧力がバランス
する。したがって、ティーチング作業における加圧方向
の電極チップ26,27の位置決めがラフでよく、ティ
ーチング作業を迅速化することが可能となる。
【0071】またティーチング作業における加圧方向の
電極チップ26,27の位置決めがラフでよいため、実
際の被溶接物90を用いたティーチングでなく、コンピ
ュータグラフィックス上でのティーチング(オフライン
ティーチング)も可能となる。つまり、ティーチング作
業においては被溶接物に平行な面の位置決め精度は品質
に大きな影響を与えないことから非常に高いものは要求
されておらず、上述した加圧方向の位置決め精度のみが
被溶接物の品質に大きな影響を与える。したがって、本
実施形態のように加圧方向の位置決めが自動で正確に行
うことができれば、オフラインティーチングが可能とな
る。
【0072】また、本実施形態では、駆動源30の出力
軸42の連結位置をリンク43の中央とすることで、被
溶接物に均等に加圧力を作用させることができる。
【0073】両電極チップの加圧力に差が生じたとする
と、加圧力の小さな電極チップと被溶接物との接触抵抗
が、加圧力の大きな電極チップと被溶接物との接触抵抗
より大きくなるため、通電時に被溶接物の発熱中心が加
圧力の小さな電極チップ側にずれてしまう。これによっ
て、被溶接物の接合面におけるナゲット径が小さくな
り、被溶接物の剪断溶接強度が低下してしまう。また、
被溶接物の接合面におけるナゲット径が所要値になるよ
うに溶接電流を増加すると、加圧力の小さい電極側の被
溶接物が溶け過ぎて、スパッタが飛散したり、電極チッ
プが溶着するといった不具合を生じる。
【0074】本実施形態では、リンク機構を用いること
により、正確に均等加圧し、両電極の接触抵抗を均等に
し、通電時の発熱中心を被溶接物の接合面に合致させる
ことができる。その結果、接合面で最大形になるように
ナゲットが形成され、剪断溶接強度の高い高品質の溶接
が得られ、かつスパッタやチップ溶着も生じにくくな
る。
【0075】図4は、本発明の実施の他の形態のスポッ
ト溶接ガンの当接伝達手段74を示す正面図である。本
実施形態の当接伝達手段74は、リンク43にさらにク
ラッチ75が設けられる。なお、その他の構成に関して
は前述したスポット溶接装置11と同様であるので説明
を省略する。
【0076】クラッチ75は、駆動源30の出力軸42
と当接伝達手段41のリンク43との間に介在され、電
磁クラッチであり、リンク43側に固定される摩擦板
と、出力軸42側に固定される摩擦板と、電磁ソレノイ
ドとを有し、コントローラから阻止指令が与えられる
と、電磁ソレノイドによってリンク43側の摩擦板と出
力軸42側の摩擦板とが挟持され、リンク43と出力軸
42との角変位が阻止される。また、コントローラから
許容指令が与えられると、電磁ソレノイドは摩擦板を離
反させ、リンク43と出力軸42との角変位が許容され
る。
【0077】次にクラッチ75の動作について、前述し
た図3のタイムチャートを用いて説明する。溶接作業が
開始され、各電極チップ26,27の近接動作開始時刻
t1から所定時間、または所定距離出力軸42が移動す
るまで、クラッチ75は、出力軸42とリンク43との
角変位を阻止している。これによって、近接動作開始時
に確実に両電極26,27を同時に近接方向に移動開始
させることができる。なお、前記所定時間、または所定
距離は、電極チップ26,27が被溶接物90に当接し
ない時間または距離であり、本実施形態の場合、長くと
も、時刻t2までの時間または時刻t2における位置ま
での出力軸42の移動距離に選ばれる。
【0078】所定時間経過後、または所定距離移動後、
コントローラからの許容指令によってクラッチ75は、
出力軸42とリンク43との角変位を許容する。これに
よって前述したように、当接伝達手段の作用によって、
いずれか一方の電極が先に被溶接物に当接したとして
も、他方の電極の移動を継続させて、両電極チップ2
6,27を確実に被溶接物90に当接させることができ
る。
【0079】さらに、時刻t3において両電極26,2
7の当接確認後、サーボモータ25の負荷電流を増加す
ることによって加圧力を加えると、出力軸42からの加
圧力が各電極チップ26,27に均等に作用し、被溶接
物90を正確に均等に加圧することができる。
【0080】加圧終了後、時刻t6において、コントロ
ーラからの阻止指令によって、クラッチ75は出力軸4
2とリンク43との角変位を再び阻止する。このように
リンク43が固定されることによって、溶接ガン21の
開放動作時に両電極チップ26,27が同時に離反方向
に移動し、両電極26,27を同時に被溶接物90から
離反させることができる。
【0081】時刻t6から所定時間、または所定距離出
力軸42を上昇させたとき、コントローラからの許容信
号によってクラッチ75は再び出力軸42とリンク43
との角変位が許容される。なお、所定時間、または所定
距離とはリンク43のいずれか一方端部が上限位置に達
するまでの時間、または出力軸42の移動距離であり、
本実施形態では、長くとも、時刻t7までの時間、また
は時刻t7における位置までの出力軸42の移動距離に
選ばれる。
【0082】このようにクラッチ75を設けることによ
って、近接開始時および離反開始時における同期を確実
に行うことができる。
【0083】図5は、本発明の実施のさらに他の形態の
スポット溶接ガンの当接伝達手段79を示す正面図であ
る。本実施形態の当接伝達手段79は、リンク43にさ
らにばね付勢手段78が設けられる。なお、その他の構
成に関しては前述したスポット溶接装置11と同様であ
るので説明を省略する。
【0084】ばね付勢手段78はリンク43の一方43
a側から出力軸42にわたって連結される引張コイルば
ね76とリンク43の他方43b側から出力軸42にわ
たって連結される引張コイルばね77とを有し、外力が
作用しない自然状態で、ばね付勢手段76,77のばね
力によってリンク43は出力軸42に垂直となる中立位
置に保持される。
【0085】このようなばね付勢手段78を設けること
によって、図4に関して説明したクラッチ75の機能と
同様に、溶接ガンの近接開始時に両電極チップ26,2
7を確実に同時に近接方向に移動させることができ、ま
た、溶接ガンの開放動作時にも、両電極チップ26,2
7を同時に被溶接物90から離反させることができる。
【0086】図6は、本発明の実施のさらに他の形態の
スポット溶接ガンの当接伝達手段80を示す正面図であ
る。なお、当接伝達手段80以外の構成は前述したスポ
ット溶接ガン21と同様であるので説明は省略する。
【0087】本実施形態の当接伝達手段80は、リンク
43と出力軸42の取付け位置が、リンク43の中央か
らずれた位置にある。したがって、出力軸42を押下げ
て加圧力を加えるとき、上部電極チップ26と下部電極
チップ27とに加圧力に差が生じる。図6に示す状態で
は、出力軸42とリンク43との連結位置が、リンク4
3の中央よりも一端部43a寄りにあるので、出力軸4
2を押し下げたとき、一端部43aに連結される上部電
極チップ26の方に大きな加圧力を加えることができ
る。
【0088】したがって、たとえば図7に示すように1
枚の厚板92の上に1枚の薄板93を重ね合わせた被溶
接物94において、薄板93側に位置する上部電極チッ
プ26の加圧力を下部電極チップ27の加圧力より大き
くすることができる。これによって下部電極チップ27
と厚板92との間の接触抵抗が上部電極チップ26と薄
板93との間の接触抵抗より大きくなり、通電時の発熱
中心が厚板92側にずれて、ナゲットNの厚さが薄板9
3側で薄くなり、スパッタやチップ溶着の発生を効果的
に防止できる。
【0089】このように、出力軸42とリンク43との
連結位置をリンク43の中央からずらすことにより、わ
ざと加圧力に差を持たせることが簡単にできる。したが
って、被溶接物の板厚に応じてこの連結位置をずらすこ
とにより、最適な状態で溶接を行うことができる。ま
た、たとえばリンク43に沿って複数箇所に連結可能位
置を形成し、被溶接物の板厚の組合せに応じて適宜連結
位置を調節するように構成してもよく、また出力軸42
をリンク43に沿って移動可能にし、溶接箇所毎に連結
位置を調整するように構成してもよい。
【0090】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、当接伝達
手段によって両電極チップを被溶接物に当接させた後、
両電極チップを均等に加圧するように構成したので、イ
コライジング装置を用いることなく被溶接物の位置ずれ
などがあっても一方の電極チップの押圧力を他方の電極
チップにて受け止めることができ、被溶接物の変形を防
止し、均等に加圧することが可能となり、不良品の発生
を防止することができる。
【0091】また、被溶接物に一方の電極チップが当接
したとき、この当接した電極チップを支点として他方の
電極チップの移動を継続させるので、簡単な構成で確実
に両電極チップを被溶接物に当接させることができる。
【0092】また、反転手段を用いることにより、2つ
のアクチュエータを用いることなく1つの駆動源で両電
極チップを移動させることができ、溶接ガンの小形、軽
量化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるスポット溶接装置
11の構成を示す概略図である。
【図2】スポット溶接ガン21の構成を示す断面図であ
る。
【図3】サーボモータ35の電流値とエンコーダ値のタ
イムチャートである。
【図4】本発明の実施の他の形態であるスポット溶接ガ
ンの当接伝達手段74の構成を示す正面図である。
【図5】本発明の実施のさらに他の形態であるスポット
溶接ガンの当接伝達手段79の構成を示す正面図であ
る。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態であるスポット
溶接ガンの当接伝達手段80の構成を示す正面図であ
る。
【図7】板厚の異なる2枚の板を溶接するときの状態を
示す図である。
【図8】被溶接物が正確に位置決めされた状態と、位置
ずれした状態とを示す図である。
【符号の説明】
11 スポット溶接装置 21 溶接ガン 26 上部電極チップ 27 下部電極チップ 30 駆動源 41,74,79,80 当接伝達手段 40 反転手段 53 リンク 50 第1ラック 51 ピニオン 52 第2ラック 61 溶接ロボット 71 制御手段 75 クラッチ 78 ばね付勢手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 11/11 B23K 11/24

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)互いに対向して配置され、駆動源
    によって両者が互いに近接および離反する方向に移動す
    る一対の電極チップを有し、これらの電極チップで被溶
    接物を挟み、加圧してスポット溶接を行うスポット溶接
    ガンにおいて、 (b)ロボットの手首に取り付けられ、前記一対の電極
    チップを移動可能に支持するハウジングと、 (c)前記ハウジングに固定され、両電極チップの近接
    および離反方向に平行に移動する出力部を有する駆動源
    と、 (d)当接伝達手段であって、 (d1)リンクを有するリンク機構であって、 このリンクの一端部には、一方の電極チップが角変位自
    在に連結され、リンクの中間部に、駆動源の出力部が角
    変位自在に連結されるリンク機構と、 (d2)反転手段であって、 リンクの他端部に連結され、駆動源の出力部の移動方向
    を反転させて前記一方の電極チップとは反対方向に他方
    の電極チップを移動させる反転手段とを有し、 (d3)両電極チップが互いに近接する方向に移動し、
    いずれか一方の電極チップが先に被溶接物に当接したと
    き、この当接した一方の電極チップの移動を停止したま
    まで、この当接した電極チップ側を支点として、リンク
    機構によっていずれか他方の電極チップの移動のみを継
    続させる当接伝達手段とを含むことを特徴とするスポッ
    ト溶接ガン。
  2. 【請求項2】 前記駆動源は電動モータであり、モータ
    の電流値または出力部の変位量に基づいて両電極チップ
    が被溶接物に当接したことを検出し、この検出に応答し
    て加圧を開始することを特徴とする請求項1記載のスポ
    ット溶接ガン。
  3. 【請求項3】 前記リンクと前記一方の電極チップおよ
    び反転手段とは、中間リンクを介して角変位自在に連結
    されることを特徴とする請求項1または2記載のスポッ
    ト溶接ガン。
  4. 【請求項4】 前記駆動源の出力部は、前記リンクの中
    央に連結されることを特徴とする請求項1〜3のうちの
    1つに記載のスポット溶接ガン。
  5. 【請求項5】 前記駆動源の出力部は、リンクの中央か
    らずれた位置に連結されることを特徴とする請求項1〜
    3のうちの1つに記載のスポット溶接ガン。
  6. 【請求項6】 前記当接伝達手段には、駆動源の出力部
    とリンクとの角変位を阻止および許容するクラッチが設
    けられ、このクラッチは、両電極チップの近接開始時に
    所定時間または所定距離、リンクと出力部との角変位を
    阻止し、加圧時にリンクと出力部との角変位を許容する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の
    スポット溶接ガン。
  7. 【請求項7】 前記クラッチは、両電極チップが被溶接
    物から離反開始する時に所定時間、または所定距離、リ
    ンクと出力部との角変位を阻止することを特徴とする請
    求項6記載のスポット溶接ガン。
  8. 【請求項8】 駆動源の出力部とリンクとの間に介在さ
    れ、リンクを予め定める中立位置に向けてばね付勢する
    ばね付勢手段が設けられることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか1つに記載のスポット溶接ガン。
  9. 【請求項9】 前記反転手段は、ラックとピニオンとを
    有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに
    記載のスポット溶接ガン。
  10. 【請求項10】 前記反転手段は、駆動源の出力部と同
    方向に変位駆動する第1ラックと、第1ラックに噛合す
    るピニオンと、ピニオンに噛合し、第1ラックとは逆方
    向に変位駆動する第2ラックとを有することを特徴とす
    る請求項9記載のスポット溶接ガン。
JP27111199A 1999-09-24 1999-09-24 スポット溶接ガン Expired - Fee Related JP3375307B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27111199A JP3375307B2 (ja) 1999-09-24 1999-09-24 スポット溶接ガン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27111199A JP3375307B2 (ja) 1999-09-24 1999-09-24 スポット溶接ガン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001087864A JP2001087864A (ja) 2001-04-03
JP3375307B2 true JP3375307B2 (ja) 2003-02-10

Family

ID=17495499

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27111199A Expired - Fee Related JP3375307B2 (ja) 1999-09-24 1999-09-24 スポット溶接ガン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3375307B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2010134213A1 (ja) 2009-05-21 2012-11-08 新光機器株式会社 スポット溶接機の電極部
JP5969747B2 (ja) * 2011-09-28 2016-08-17 富士重工業株式会社 スポット溶接装置
DE102012008831A1 (de) * 2012-04-28 2013-10-31 Volkswagen Aktiengesellschaft Fügen von Bauteilen mittels eines Widerstandsschweißens
CN109940251A (zh) * 2019-05-08 2019-06-28 天津中车唐车轨道车辆有限公司 一种适用于t型接头tig点固焊的枪头

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001087864A (ja) 2001-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1091825B1 (en) Apparatus for friction stir welding
JPH05138366A (ja) クランプを含む工具操作を制御するための装置
JPH1110353A (ja) スポット溶接方法及びその装置
JP3375307B2 (ja) スポット溶接ガン
CN115922324B (zh) 汽车空调控制器的组装生产线
CN106695181A (zh) 一种自动焊管设备
JP5818316B2 (ja) スポット溶接装置
JP2011156564A (ja) 溶接用電極の位置ずれ補正方法および装置
CN113188931A (zh) 一种焊接钢板性能检测装置及方法
JP5926439B1 (ja) 超音波接合装置
JP3859582B2 (ja) 摩擦撹拌接合装置および摩擦撹拌接合方法
JP2596722B2 (ja) スポット溶接方法および装置
JP2002153978A (ja) スポット接合方法およびスポット接合装置
JPH07144283A (ja) スポット溶接機の制御方法
KR20220156383A (ko) 마찰 요소 용접 장치 및 방법
JP5969747B2 (ja) スポット溶接装置
JP4733367B2 (ja) スポット溶接用ロボットシステム
WO2022168980A1 (ja) 摩擦攪拌ツールの制御方法及び摩擦攪拌装置
JPH09295158A (ja) スポット溶接ガン
KR970006323B1 (ko) 점용접 방법 및 그 장치
JP3795175B2 (ja) スポット溶接ガンの加圧制御方法
JPH10249543A (ja) スポット溶接ガンの加圧制御装置
JP2002219579A (ja) 溶接ロボットの制御方法および装置
JPH082508B2 (ja) 自動溶接装置
CN216576023U (zh) 一种移动式钢轨闪光焊机打滑在线监测装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees