JP3374759B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP3374759B2
JP3374759B2 JP24034998A JP24034998A JP3374759B2 JP 3374759 B2 JP3374759 B2 JP 3374759B2 JP 24034998 A JP24034998 A JP 24034998A JP 24034998 A JP24034998 A JP 24034998A JP 3374759 B2 JP3374759 B2 JP 3374759B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の排気浄化
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】排気通路内の或る位置よりも上流の排気
通路内、燃焼室内、および吸気通路内に供給された全燃
料量および全還元剤量に対する全空気量の比をその位置
を流通する排気の空燃比と称すると、従来より、リーン
混合気を燃焼せしめるようにした内燃機関において、流
入する排気の空燃比がリーンのときにNOX を吸収し、
流入する排気中の酸素濃度が低くなると吸収しているN
X を放出するNOX 吸収剤を機関排気通路内に配置
し、NOX 吸収剤内に流入する排気の空燃比を一時的に
リッチにしてNOX 吸収剤から吸収されているNOX
放出させると共に放出されたNOX を還元するようにし
た内燃機関が知られている。
【0003】ところが燃料および機関の潤滑油内にはイ
オウ分が含まれているので排気中にはイオウ分例えばS
X が含まれており、このSOX も例えばSO4 2- の形
でNOX と共にNOX 吸収剤に吸収される。しかしなが
らこのSOX はNOX 吸収剤への流入する排気の空燃比
をただ単にリッチにしてもNOX 吸収剤から放出され
ず、したがってNOX 吸収剤内のSOX の量は次第に増
大することになる。ところがNOX 吸収剤内のSOX
量が増大するとNOX 吸収剤が吸収しうるNOXの量が
次第に低下し、ついにはNOX 吸収剤がNOX をほとん
ど吸収できなくなる。
【0004】そこで、流入する排気の空燃比がリーンの
ときに流入する排気中のイオウ分を吸収し、流入する排
気中の酸素濃度が低くなると吸収しているイオウ分を放
出するイオウ分吸収剤をNOX 吸収剤上流の排気通路内
に配置した排気浄化装置が公知である(特開平6−17
3652号公報参照)。この排気浄化装置では排気中の
イオウ分はイオウ分吸収剤に吸収され、NOX 吸収剤に
はNOX のみが吸収されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】SOX 吸収剤のSOX
吸収能力にも限界があるのでこの排気浄化装置では、S
X 吸収剤に流入する排気の空燃比を一時的にリッチに
してSOX 吸収剤から吸収されているSOX を放出させ
るようにしている。この場合、NOX 吸収剤に流入する
排気の空燃比もリッチになるのでこのときSOX 吸収剤
から放出されたSOX はNOX 吸収剤に吸収されること
なくNOX 吸収剤を通過すると考えられる。しかしなが
ら、例えばNOX 吸収剤に流入する排気の空燃比がリッ
チにされた直後はNOX 吸収剤の表面に未だ酸素が残存
しており、NOX 吸収剤表面では酸素濃度が低下してい
ないためにSOX がNOX 吸収剤内に吸収されてしまう
という問題点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に1番目の発明によれば、流入する排気の空燃比がリー
ンのときにNOを吸収し、流入する排気中の酸素濃度
が低下すると吸収しているNOを放出するNO吸収
剤を機関排気通路内に配置し、該NO吸収剤上流の排
気通路内にイオウ分を一時的に吸収するイオウ分吸収剤
を配置した内燃機関の排気浄化装置において、NO
収剤の温度がイオウ分吸収温度範囲外にあるとNO
収剤がイオウ分をほとんど吸収しないようになってお
り、NO吸収剤の温度がNO吸収剤のイオウ分吸収
温度範囲外のときにイオウ分吸収剤からイオウ分を放出
させるようにしている。すなわち本願発明者によれば、
NO吸収剤はイオウ分吸収温度範囲を有しており、N
吸収剤の温度がイオウ分吸収温度範囲外であればN
吸収剤はイオウ分を吸収しないことが確認されてい
る。そこで1番目の発明では、NO吸収剤の温度がN
吸収剤のイオウ分吸収温度範囲外のときにイオウ分
吸収剤からイオウ分を放出させるようにしている。
【0007】また、2番目の発明によれば1番目の発明
において、NO吸収剤の温度がNO吸収剤のイオウ
分吸収温度範囲よりも低いときにイオウ分吸収剤からイ
オウ分を放出させるようにしている。また、3番目の発
明によれば2番目の発明において、イオウ分吸収剤は流
入する排気の空燃比がリーンのときにイオウ分を吸収
し、イオウ分吸収剤の温度がイオウ分放出温度よりも高
いときに流入する排気中の酸素濃度が低くなると吸収し
ているイオウ分を放出するようになっており、イオウ分
吸収剤およびNO吸収剤の温度がNO吸収剤のイオ
ウ分吸収温度範囲よりも低い定常状態にあるときにイオ
ウ分吸収剤に流入する排気の空燃比を一時的にリッチま
たは理論空燃比にすると共にイオウ分吸収剤の温度をイ
オウ分放出温度よりも一時的に高くすることによりイオ
ウ分吸収剤から吸収されているイオウ分を放出させるよ
うにしている。すなわち3番目の発明では、イオウ分吸
収剤からイオウ分を放出させるべくイオウ分吸収剤の温
度が高められたときにNO吸収剤の温度が短時間のう
ちにSO吸収温度範囲まで高められるのが阻止される
のでイオウ分吸収剤からイオウ分が十分に放出される。
【0008】また、4番目の発明によれば3番目の発明
において、機関始動時にイオウ分吸収剤からイオウ分を
放出させるようにしている。すなわち、機関始動時には
イオウ分吸収剤およびNOX 吸収剤の温度がNOX 吸収
剤のイオウ分吸収温度範囲よりも低い定常状態になって
いる。そこで4番目の発明では、機関始動時にイオウ分
吸収剤からイオウ分を放出させるようにしている。
【0009】また、5番目の発明によれば2番目の発明
において、イオウ分吸収剤からイオウ分を放出させてい
るときにNOX 吸収剤の温度をイオウ分吸収温度範囲よ
りも低く維持するようにしている。すなわち5番目の発
明では、イオウ分吸収剤から放出されたイオウ分がNO
X 吸収剤に吸収されるのが確実に阻止される。また、6
番目の発明によれば5番目の発明において、イオウ分吸
収剤とNOX吸収剤間の排気通路内に大熱容量体を配置
している。すなわち、イオウ分吸収剤の温度を高くする
とこのときイオウ分吸収剤から流出する排気の温度が高
くなるのでNOX 吸収剤の温度がイオウ分吸収温度範囲
内まで上昇せしめられる恐れがある。そこで6番目の発
明では、イオウ分吸収剤とNOX 吸収剤間の排気通路内
に大熱容量体を配置してNOX 吸収剤の温度が低く維持
されるようにしている。
【0010】また、7番目の発明によれば1番目の発明
において、NOX 吸収剤の温度がNOX 吸収剤のイオウ
分吸収温度範囲よりも高いときにイオウ分吸収剤からイ
オウ分を放出させるようにしている。また、8番目の発
明によれば7番目の発明において、イオウ分吸収剤から
イオウ分を放出させているときにNOX 吸収剤の温度を
イオウ分吸収温度範囲よりも高く維持するようにしてい
る。すなわち8番目の発明では、イオウ分吸収剤から放
出されたイオウ分がNOX 吸収剤に吸収されるのが確実
に阻止される。
【0011】また、9番目の発明によれば8番目の発明
において、内燃機関が一対の気筒群に分割された複数の
気筒を具備しており、各気筒群の排気を互いに合流させ
る合流排気通路内にNOX 吸収剤を配置し、イオウ分吸
収剤からイオウ分を放出させているときに一対の気筒群
のうち一方の気筒群の排気の空燃比をリッチにして炭化
水素を含む排気を形成すると共に他方の気筒群の排気の
空燃比をリーンにして酸素を含む排気を形成し、これら
排気中の炭化水素と酸素とを反応させることによりNO
X 吸収剤の温度をイオウ分吸収温度範囲よりも高く維持
するようにしている。すなわち9番目の発明では、各気
筒群の排気の空燃比を制御することによりNOX 吸収剤
の温度が制御される。
【0012】また、10番目の発明によれば9番目の発
明において、イオウ分吸収剤とNO X 吸収剤間の排気通
路内に酸化触媒を配置し、酸化触媒において炭化水素と
酸素とを反応させることによりNOX 吸収剤の温度をイ
オウ分吸収温度範囲よりも高く維持するようにしてい
る。すなわち、NOX 吸収剤のNOX 吸収能力を高める
ためにはNOX 吸収剤のアルカリ度を高める必要がある
が、NOX 吸収剤のアルカリ度を高めるとNOX 吸収剤
の酸化能力が低下し、このため炭化水素と酸素との良好
な反応が得られない。そこで10番目の発明では、NO
X 吸収剤上流の排気通路内に酸化触媒を配置して炭化水
素と酸素とが良好に反応するようにしている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下の実施態様では本発明を火花
点火機関に適用した場合が示される。しかしながら、本
発明をディーゼル機関に適用することもできる。また、
以下の実施態様ではイオウ分をSOX とした場合につい
て説明するが、本発明は他のイオウ分を処理することも
できる。
【0014】図1を参照すると、機関本体1は例えば4
つの気筒を備えている。各気筒はそれぞれ対応する吸気
枝管2を介してサージタンク3に連結され、サージタン
ク3は吸気ダクト4を介してエアクリーナ5に連結され
る。吸気ダクト4内にはスロットル弁6が配置される。
各気筒には筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁7が設
けられる。一方、各気筒は排気マニホルド8を介してS
X 吸収剤9を内蔵したケーシング10に接続され、ケ
ーシング10は排気管11を介してNOX 吸収剤12を
内蔵したケーシング13に接続される。SOX 吸収剤9
には電気ヒータ14が設けられており、この電気ヒータ
14は通常オフに維持されているスイッチ15を介して
電源16に接続されている。各燃料噴射弁7およびスイ
ッチ15は電子制御ユニット20からの出力信号に基づ
いてそれぞれ制御される。なお、図1の内燃機関の排気
行程順序は#1−#3−#4−#2である。
【0015】電子制御ユニット20はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス21によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセ
ッサ)24、常時電力が供給されているB−RAM(バ
ックアップRAM)25、入力ポート26および出力ポ
ート27を具備する。機関本体1には機関冷却水温に比
例した出力電圧を発生する水温センサ28が取り付けら
れ、サージタンク3にはサージタンク3内の圧力に比例
した出力電圧を発生する圧力センサ29が取り付けら
れ、排気管11にはNOX 吸収剤12に流入する排気の
温度に比例した出力電圧を発生する温度センサ30が取
り付けられる。これらセンサ28,29,30の出力電
圧はそれぞれ対応するAD変換器31を介して入力ポー
ト26に入力される。また、入力ポート26には機関回
転数を表す出力パルスを発生する回転数センサ32とが
接続される。CPU24では圧力センサ28の出力電圧
に基づいて吸入空気量が算出される。一方、出力ポート
27はそれぞれ対応する駆動回路33を介して各燃料噴
射弁7およびスイッチ15にそれぞれ接続される。
【0016】図1に示す内燃機関では例えば次式に基づ
いて燃料噴射時間TAUが算出される。 TAU=TP・(A/F)S/(A/F)T ここでTPは基本燃料噴射時間を、(A/F)Tは目標
空燃比を、(A/F)Sは理論空燃比(=14.6)を
それぞれ表している。基本燃料噴射時間TPは筒内で燃
焼せしめられる混合気の空燃比を理論空燃比とするのに
必要な燃料噴射時間を示している。この基本燃料噴射時
間TPは予め実験により求められ、機関負荷Q/N(吸
入空気量Q/機関回転数N)および機関回転数Nの関数
として図2に示すようなマップの形で予めROM22内
に記憶されている。
【0017】一方、目標空燃比(A/F)Tは筒内で燃
焼せしめられる混合気の空燃比の目標値である。この目
標空燃比(A/F)Tは通常、リーン、例えば22.0
にされる。なお、図1の内燃機関では目標空燃比(A/
F)Tは各気筒に対し同一とされており、したがって燃
料噴射時間TAUも各気筒に対し同一とされている。ケ
ーシング13内に収容されているNOX 吸収剤12は例
えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウム
K,ナトリウムNa,リチウムLi,セシウムCsのよ
うなアルカリ金属、バリウムBa,カルシウムCaのよ
うなアルカリ土類、ランタンLa,イットリウムYのよ
うな希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Pt、
パラジウムPd、ロジウムRh、イリジウムIrのよう
な貴金属とが担持されている。このNOX 吸収剤12は
流入する排気の空燃比がリーンのときにはNOX を吸収
し、流入する排気中の酸素濃度が低下すると吸収したN
X を放出するNOX の吸放出作用を行う。なお、NO
X 吸収剤12上流の排気通路内に燃料或いは空気が供給
されない場合にはNOX 吸収剤12に流入する排気の空
燃比は各気筒の燃焼室内に供給された燃料量の合計に対
する空気量の合計の比に一致する。
【0018】上述のNOX 吸収剤12を機関排気通路内
に配置すればこのNOX 吸収剤12は実際にNOX の吸
放出作用を行うがこの吸放出作用の詳細なメカニズムに
ついては明らかでない部分もある。しかしながらこの吸
放出作用は図3(A)および図3(B)に示すようなメ
カニズムで行われているものと考えられる。次にこのメ
カニズムについて担体上に白金PtおよびバリウムBa
を担持させた場合を例にとって説明するが他の貴金属、
アルカリ金属、アルカリ土類、希土類を用いても同様な
メカニズムとなる。
【0019】すなわち、流入する排気がかなりリーンに
なると流入する排気中の酸素濃度が大巾に増大し、図3
(A)に示されるようにこれら酸素O2 がO2 - または
2-の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入する
排気中のNOは白金Ptの表面上でO2 - またはO2-
反応し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。次
いで生成されたNO2 の一部は白金Pt上でさらにに酸
化されつつ吸収剤内に吸収されて酸化バリウムBaOと
結合しながら、図3(A)に示されるように硝酸イオン
NO3 - の形で吸収剤内に拡散する。このようにしてN
X がNOX 吸収剤12内に吸収される。
【0020】流入する排気中の酸素濃度が高い限り白金
Ptの表面でNO2 が生成され、吸収剤のNOX 吸収能
力が飽和しない限りNO2 が吸収剤内に吸収されて硝酸
イオンNO3 - が生成される。これに対して流入する排
気中の酸素濃度が低下してNO2 の生成量が低下すると
反応が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、斯くして吸
収剤内の硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から
放出される。すなわち、流入する排気中の酸素濃度が低
下するとNOX 吸収剤12からNOX が放出されること
になる。流入する排気のリーンの度合が低くなれば流入
する排気中の酸素濃度が低下し、したがって流入する排
気のリーンの度合を低くすればNOX 吸収剤12からN
X が放出されることになる。
【0021】一方、このとき流入する排気の空燃比をリ
ッチにすると機関からは多量の未燃HC,COが排出さ
れ、これら未燃HC,COは白金Pt上の酸素O2 -
たはO2-と反応して酸化せしめられる。また、流入する
排気の空燃比をリッチにすると流入する排気中の酸素濃
度が極度に低下するために吸収剤からNO2 が放出さ
れ、このNO2 は図3(B)に示されるように未燃H
C,COと反応して還元せしめられる。このようにして
白金Ptの表面上にNO2 が存在しなくなると吸収剤か
ら次から次へとNO2 が放出される。したがって流入す
る排気の空燃比をリッチにすると短時間のうちにNOX
吸収剤12からNOX が放出されることになる。
【0022】上述したように目標空燃比(A/F)Tは
通常リーンとされるのでNOX 吸収剤12に流入する排
気の空燃比は通常リーンであり、したがってこのとき排
気中のNOX はNOX 吸収剤12に吸収される。ところ
が、NOX 吸収剤12のNO X 吸収能力には限界がある
のでNOX 吸収剤12のNOX 吸収能力が飽和する前に
NOX 吸収剤12からNOX を放出させる必要がある。
そこで図1に示す内燃機関では、NOX 吸収剤12のN
X 吸収量が予め定められた設定量よりも多くなったと
きには目標空燃比(A/F)Tを一時的にリッチ、例え
ば13.0にしてNOX 吸収剤12に流入する排気の空
燃比を一時的にリッチにし、それによりNOX 吸収剤1
2からNOX を放出させると共に還元するようにしてい
る。
【0023】ところが流入する排気中にはSOX が含ま
れており、NOX 吸収剤12にはNOX ばかりでなくS
X も吸収される。このNOX 吸収剤12へのSOX
吸収メカニズムはNOX の吸収メカニズムと同じである
と考えられる。すなわち、NOX の吸収メカニズムを説
明したときと同様に担体上に白金PtおよびバリウムB
aを担持させた場合を例にとって説明すると、前述した
ように流入する排気の空燃比がリーンのときには酸素O
2 がO2 - またはO2-の形で白金Ptの表面に付着して
おり、流入する排気中のSOX 例えばSO2 は白金Pt
の表面でO2 - またはO2-と反応してSO3 となる。次
いで生成されたSO3 は白金Pt上で更に酸化されつつ
吸収剤内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しなが
ら、硫酸イオンSO4 2- の形で吸収剤内に拡散する。次
いでこの硫酸イオンSO4 2- はバリウムイオンBa2+
結合して硫酸塩BaSO4 を生成する。
【0024】しかしながらこの硫酸塩BaSO4 は分解
しずらく、流入する排気の空燃比を単にリッチにしても
硫酸塩BaSO4 は分解されずにそのまま残る。したが
ってNOX 吸収剤12内には時間が経過するにつれて硫
酸塩BaSO4 が増大することになり、斯くして時間が
経過するにつれてNOX 吸収剤12が吸収しうるNO X
量が低下することになる。
【0025】そこで本実施態様では、NOX 吸収剤12
にSOX が流入しないようにSOX吸収剤9をNOX
収剤12上流の排気通路内に配置している。このSOX
吸収剤9は流入する排気の空燃比がリーンのときにSO
X を吸収し、SOX 吸収剤9の温度がSOX 放出温度よ
りも高いときに流入する排気中の酸素濃度が低下すると
吸収しているSOX を放出する。
【0026】上述したように機関本体1から排出される
排気の空燃比は通常リーンであるのでSOX 吸収剤9に
流入する排気の空燃比は通常リーンである。したがっ
て、機関本体1から排出されるSOX はSOX 吸収剤9
に吸収され、NOX 吸収剤12にはNOX のみが吸収さ
れることになる。ところがSOX 吸収剤9のSOX 吸収
能力にも限界があり、SOX 吸収剤9のSOX 吸収能力
が飽和する前にSOX 吸収剤9からSOX を放出させる
必要がある。そこで本実施態様では、SOX 吸収剤9に
吸収されているSOX 量が予め定められた設定量よりも
多くなったときにSOX 吸収剤9の温度を一時的にSO
X放出温度よりも高くすると共に目標空燃比(A/F)
Tを一時的にリッチ、例えば10.0にしてSOX 吸収
剤9に流入する排気の空燃比を一時的にリッチにし、そ
れによりSOX 吸収剤9からSOX を放出させるように
している。なお、SOX 吸収剤9からSOX を放出させ
るべきときにSOX 吸収剤9に流入する排気の空燃比を
理論空燃比にしてもよいが、この場合単位時間当たりに
SOX 吸収剤9から放出されるSOX 量が少なくなる。
【0027】SOX 吸収剤9に流入する排気の空燃比が
リッチになるとNOX 吸収剤12に流入する排気の空燃
比もリッチになるので、このときSOX 吸収剤9から放
出されたSOX はNOX 吸収剤12に吸収されることな
くNOX 吸収剤12を通過すると考えられる。しかしな
がら、例えばSOX 吸収剤9に流入する排気の空燃比が
リーンからリッチに切り換えられた直後はNOX 吸収剤
12の表面に未だ酸素が残存しており、NOX 吸収剤1
2表面では酸素濃度が低下していないためにSOX 吸収
剤9から放出されたSOX がNOX 吸収剤12内に吸収
されてしまう。或いは、流入する排気中に酸素が含まれ
ているとNOX 吸収剤12に流入する排気の空燃比がリ
ッチであってもNOX 吸収剤12にSOX が吸収される
という考えもある。
【0028】一方、本願発明者によれば、NOX 吸収剤
12の温度が或る特定温度であると、NOX 吸収剤12
はNOX 吸収剤12内の残存酸素または排気中の酸素に
関わらずSOX を吸収しないことが確認されている。図
4は流入する排気の空燃比がリッチのときにおけるNO
X 吸収剤12に流入する排気の温度TEXとNOX 吸収
剤12のSOX 吸収率RASとの関係を示す実験結果で
ある。この排気温度TEXはNOX 吸収剤12の温度を
表している。図4に示されるように、NOX 吸収剤12
の温度がかなり低いときにはSOX はNOX 吸収剤12
に吸収されない。これはNOX 吸収剤12におけるSO
X の酸化反応がほとんど生じていないためであると考え
られる。次いでNOX 吸収剤12の温度が高くなるとS
X 吸収率RASが次第に増大する。これはNOX 吸収
剤12の温度が高くなるにつれてNOX 吸収剤12にお
けるSOX の酸化反応が活発になり、硫酸塩の生成が活
発になるためであると考えられる。さらにNOX吸収剤
12の温度が高くなるとSOX 吸収率RASが次第に低
下する。これは硫酸塩の形でNOX 吸収剤12に一旦吸
収されたSOX の一部が速やかに分解されてNOX 吸収
剤12から放出され、NOX 吸収剤12の温度が高くな
るにつれて分解される硫酸塩の割合が増えるためである
と考えられる。さらにNOX 吸収剤12の温度が高くな
るとSOX はNOX 吸収剤12にほとんど吸収されな
い。これは硫酸塩の形でNOX 吸収剤12に一旦吸収さ
れたSOX が極めて速やかに分解されてNOX 吸収剤1
2から放出されるためであると考えられる。
【0029】図4に示されるようにSOX 吸収率RAS
が零よりも大きいNOX 吸収剤12の温度範囲をNOX
吸収剤12のSOX 吸収温度範囲と称すると、NOX
収剤12の温度がSOX 吸収温度範囲内であると流入す
る排気の空燃比がたとえリッチであってもNOX 吸収剤
12はSOX を吸収し、NOX 吸収剤12の温度がSO
X 吸収温度範囲外であればNOX 吸収剤12内の残存酸
素または流入排気中の酸素に関わらずNOX 吸収剤12
はSOX を吸収しないことになる。
【0030】すなわち、NOX 吸収剤12の温度がSO
X 吸収温度範囲外のときにSOX 吸収剤9からSOX
放出させ、あるいはNOX 吸収剤12の温度がSOX
収温度範囲内のときにSOX 吸収剤9からのSOX 放出
作用を禁止すればNOX 吸収剤12にSOX が吸収され
るのを阻止することができる。これが本発明の基本的な
考え方である。
【0031】一方、上述したようにNOX 吸収剤12か
ら吸収されているNOX を放出させるべきときには目標
空燃比(A/F)TがリッチにされるのでSOX 吸収剤
9に流入する排気の空燃比もリッチにされる。ところが
このときNOX 吸収剤12の温度がSOX 吸収温度範囲
内にある場合があり、このときSOX 吸収剤9からSO
X が放出されるとこのSOX がNOX 吸収剤12に吸収
される恐れがある。したがってSOX 吸収剤9のSOX
放出温度を通常の運転時にSOX 吸収剤9がとりうる温
度範囲よりも高くして通常の運転時にSOX 吸収剤9か
らSOX が放出されないようにする必要がある。言い換
えると、SOX 吸収剤9のアルカリ度を高くしてSOX
をSOX 吸収剤9内に安定な硫酸塩の形で保持すること
が必要となる。これを可能にするSOX 吸収剤としては
例えばアルミナからなる担体上に例えばカリウムK,ナ
トリウムNa,リチウムLi,セシウムCsのようなア
ルカリ金属、カルシウムCaのようなアルカリ土類から
選ばれた少なくとも一つと、白金Pt、パラジウムP
d、ロジウムRh、イリジウムIrのような貴金属とを
担持した吸収剤を用いることができる。
【0032】このSOX 吸収剤9のSOX 吸放出メカニ
ズムはSOX 吸収剤9の成分からわかるようにNOX
収剤12の吸放出メカニズムと同じであると考えられ
る。すなわち、担体上に白金PtおよびカルシウムCa
を担持させた場合を例にとって説明すると、流入する排
気の空燃比がリーンのときには流入する排気中のSOX
例えばSO2 は白金Ptの表面でO2 - またはO2-と反
応してSO3 となる。次いで生成されたSO3 は白金P
t上で更に酸化されつつ吸収剤内に吸収されて酸化カル
シウムCaOと結合しながら、硫酸イオンSO4 2- の形
で吸収剤内に拡散する。次いでこの硫酸イオンSO4 2-
はカルシウムイオンCa2+と結合して硫酸塩CaSO4
を生成する。これに対し、SOX 吸収剤9の温度がSO
X 放出温度よりも高いときに流入する排気中の酸素濃度
が低下すると硫酸塩が分解し(CaSO4 →Ca2++S
4 2- )、斯くして吸収剤内の硫酸イオンSO4 2- がS
2の形で吸収剤から放出される。
【0033】本実施態様では、NOX 吸収剤12の温度
がSOX 吸収温度範囲よりも低いときにSOX 吸収剤9
からSOX を放出させるようにしている。すなわち、ま
ず、SOX 吸収剤9からSOX を放出させるべきときに
はNOX吸収剤12の温度がSOX 吸収温度範囲よりも
低いか否かが判別される。上述したようにNOX 吸収剤
12に流入する排気の温度TEXはNOX 吸収剤12の
温度を表している。そこで本実施態様では、排気温度T
EXが設定温度T1よりも低いときにSOX 吸収剤9か
らSOX を放出させるようにしている。なお、設定温度
T1はNOX 吸収剤12のSOX 吸収温度範囲よりも低
い温度、例えば300℃に定められる。
【0034】なお、SOX 吸収剤9からSOX を放出さ
せるべきときにNOX 吸収剤12の温度がSOX 吸収温
度範囲よりも低くなるようにNOX 吸収剤12を冷却す
るようにしてもよいが、冷却装置が必要となる。これに
対し、本実施態様ではNOX吸収剤12の温度がSOX
吸収温度範囲よりも低いときにSOX 吸収剤9からSO
X を放出させるようにしているので冷却装置を必要とし
ない。
【0035】NOX 吸収剤12の温度がSOX 吸収温度
範囲よりも低いと判断されたときには次いでスイッチ1
5がオンにされて電気ヒータ14がオンにされ、斯くし
てSOX 吸収剤9が加熱せしめられる。上述したように
SOX 吸収剤9のSOX 放出温度は通常運転時における
SOX 吸収剤9の温度よりも高く定められている。した
がって、このときSOX 吸収剤9に流入する排気の空燃
比をリッチにしてもSOX 吸収剤9からSOX は放出さ
れず、燃料消費率が悪化する。一方、SOX 吸収剤9の
加熱が開始されてから一定時間経過した後にはSOX
収剤9の温度がSOX 放出温度よりも高くなったと判断
することができる。そこで本実施態様では、SOX 吸収
剤9の加熱が開始されたときには目標空燃比(A/F)
Tを直ちにリッチにするのではなく、SOX 吸収剤9の
加熱が開始されてから一定時間経過した後に目標空燃比
(A/F)Tをリッチにするようにしている。なお、S
X 吸収剤9の加熱が開始されてから一定時間経過した
後にはSOX 吸収剤9の温度は例えば900から100
0℃程度に維持される。
【0036】このようにSOX 吸収剤9が加熱されると
SOX 吸収剤9から流出する排気の温度が次第に高くな
り、その結果NOX 吸収剤12に流入する排気の温度T
EXが設定温度T1よりも高くなる場合がある。排気温
度TEXが設定温度T1よりも高くなるとNOX 吸収剤
12の温度がSOX 吸収温度範囲内になってNOX 吸収
剤12にSOX が吸収される恐れがある。そこで本実施
態様では、SOX 吸収剤9からSOX を放出させている
ときに排気温度TEXが設定温度T1よりも高くなった
ときにはSOX 吸収剤9からのSOX 放出作用を停止す
るようにしている。
【0037】図5は本実施態様におけるSOX 放出制御
ルーチンを示している。このルーチンは予め定められた
設定時間毎の割り込みによって実行される。図5を参照
すると、まずステップ50ではSOX 吸収剤9からSO
X を放出すべきときにセットされ、それ以外はリセット
されるSOX フラグがセットされているか否かが判別さ
れる。SOX フラグがリセットされているときには次い
でステップ51に進み、SOX 吸収剤9に吸収されてい
るSOX 量SSが例えば機関運転状態と、SOX 吸収剤
9からSOX が放出されている時間とに基づいて推定さ
れる。続くステップ52では吸収SOX 量SSが設定量
SS1よりも大きいか否かが判別される。この設定量S
S1は例えばSOX 吸収剤9が吸収しうる最大SOX
の約30%である。SS≦SS1のときには処理サイク
ルを終了する。これに対し、SS>SS1のときには次
いでステップ53に進み、NOX 吸収剤12に流入する
排気の温度TEXが設定温度T1よりも低いか否か、す
なわちNOX 吸収剤12の温度がSOX 吸収温度範囲よ
りも低いか否かが判別される。TEX≧T1のとき、す
なわちNOX 吸収剤12の温度がSOX 吸収温度範囲内
のときには処理サイクルを終了する。これに対し、TE
X<T1のとき、すなわちNOX 吸収剤12の温度がS
X 吸収温度範囲よりも低いときには次いでステップ5
4に進み、スイッチ15がオンにされて電気ヒータ14
がオンにされ、それによりSOX 吸収剤9の加熱が開始
される。続くステップ55ではスイッチ15がオンにさ
れてから一定時間が経過したか否か、すなわちSOX
収剤9の温度がSOX 放出温度まで上昇したか否かが判
別される。スイッチ15がオンにされてから一定時間経
過していないとき、すなわちSOX 吸収剤9の温度がS
X 放出温度よりも低いときには処理サイクルを終了す
る。これに対し、スイッチ15がオンにされてから一定
時間経過したとき、すなわちSOX 吸収剤9の温度がS
X 放出温度まで上昇したときには次いでステップ56
に進み、SOX フラグがセットされる。後述するように
SOX フラグがセットされると目標空燃比(A/F)T
がリッチにされ、したがってSOX 吸収剤9からSOX
が放出される。
【0038】SOX フラグがセットされたときにはステ
ップ50からステップ57に進み、SOX フラグがセッ
トされてから一定時間経過したか否か、すなわちSOX
吸収剤9のSOX 放出作用が完了したか否かが判別され
る。SOX フラグがセットされてから一定時間経過して
いないとき、すなわちSOX 吸収剤9のSOX 放出作用
が完了していないときには次いでステップ58に進み、
NOX 吸収剤12に流入する排気の温度TEXが設定温
度T1よりも高いか否かが判別される。TEX≦T1の
ときには次いで処理サイクルを終了する。これに対し、
ステップ57においてSOX フラグがセットされてから
一定時間経過したとき、すなわちSOX吸収剤9のSO
X 放出作用が完了したとき、およびステップ58におい
てTEX>T1のときには次いでステップ59に進み、
スイッチ15がオフにされる。続くステップ60ではS
X フラグがリセットされる。続くステップ61では、
NOX 吸収剤12からNOX を放出させるべきときにセ
ットされ、それ以外はリセットされるNOX フラグがリ
セットされる。SOX 吸収剤9からSOX を放出させる
べく目標空燃比(A/F)TがリッチにされるとNOX
吸収剤12に流入する排気の空燃比もリッチになり、こ
のときNOX 吸収剤12からNOX が放出されて還元さ
れる。NOX 吸収剤12のNOX 放出作用を完了させる
のに必要な時間はかなり短く、したがってSOX 吸収剤
9のSOX 放出作用が行われたときにはNOX 吸収剤1
2のNOX 放出作用は完了している。そこでSOX 吸収
剤9のSOX 放出作用が行われたときにはステップ61
に進んでNOX フラグをリセットし、あるいはリセット
状態に保持するようにしている。
【0039】なお、流入する排気の空燃比がリーンであ
るとSOX 吸収剤9はSOX と共にNOX を吸収する。
この吸収されたNOX はSOX 吸収剤9のSOX 放出作
用時にSOX と共にSOX 吸収剤9から放出され、還元
される。図6は本実施態様におけるNOX 放出制御ルー
チンを示している。このルーチンは予め定められた設定
時間毎の割り込みによって実行される。図6を参照する
と、まずステップ70ではNOX フラグがセットされて
いるか否かが判別される。NOX フラグがリセットされ
ているときには次いでステップ71に進み、NOX 吸収
剤12に吸収されているNOX 量SNが例えば機関運転
状態と、NOX 吸収剤12からNOX が放出されている
時間とに基づいて推定される。続くステップ72では吸
収NOX 量SNが設定量SN1よりも大きいか否かが判
別される。この設定量SN1は例えばNOX 吸収剤12
が吸収しうる最大NOX 量の約30%である。SN≦S
N1のときには処理サイクルを終了する。これに対し、
SN>SN1のときには次いでステップ73に進み、N
X フラグがセットされる。後述するようにNOX フラ
グがセットされると目標空燃比(A/F)Tがリッチに
され、したがってNOX 吸収剤12からNOX が放出さ
れて還元される。
【0040】NOX フラグがセットされたときにはステ
ップ70からステップ74に進み、NOX フラグがセッ
トされてから一定時間経過したか否か、すなわちNOX
吸収剤12のNOX 放出作用が完了したか否かが判別さ
れる。NOX フラグがセットされてから一定時間経過し
ていないとき、すなわちNOX 吸収剤12のNOX 放出
作用が完了していないときには処理サイクルを終了す
る。これに対し、NOXフラグがセットされてから一定
時間経過したとき、すなわちNOX 吸収剤12のNOX
放出作用が完了したときには次いでステップ75に進
み、NOX フラグがリセットされる。
【0041】図7は本実施態様における燃料噴射時間T
AUの算出ルーチンを示している。このルーチンは予め
定められた設定クランク角毎の割り込みによって実行さ
れる。図7を参照すると、まずステップ80では図2の
マップから基本燃料噴射時間TPが算出される。続くス
テップ81ではSOX フラグがセットされているか否か
が判別される。SOX フラグがセットされているときに
は次いでステップ82に進み、目標空燃比(A/F)T
が10.0に定められる。次いでステップ86に進む。
これに対しSOX フラグがリセットされているときには
次いでステップ83に進み、NOX フラグがセットされ
ているか否かが判別される。NOX フラグがセットされ
ているときには次いでステップ84に進み、目標空燃比
(A/F)Tが13.0に定められる。次いでステップ
86に進む。これに対しNOX フラグがリセットされて
いるときには次いでステップ85に進み、目標空燃比
(A/F)Tが22.0に定められる。次いでステップ
86に進む。
【0042】ステップ86では次式に基づいて燃料噴射
時間TAUが算出される。 TAU=TP・(A/F)S/(A/F)T 各燃料噴射弁7からはTAUだけ燃料噴射が行われる。
次に別の実施態様を説明する。本実施態様では、次に示
す二通りの方法によって燃料噴射時間TAUが算出され
る。すなわち、機関回転数Nが予め定められた設定回転
数N1、例えば400r.p.mよりも低い機関始動直
後には機関冷却水温THWに基づいて始動用燃料噴射時
間TPSが算出され、このTPSが燃料噴射時間TAU
とされる。この始動用燃料噴射時間TPSは機関を速や
かに始動させるために必要な燃料噴射時間であり、図8
に示されるように機関冷却水温が低くなると大きくな
る。始動用燃料噴射時間TPSは予め実験により求めら
れており、図8に示すマップの形で予めROM22内に
記憶されている。
【0043】これに対し、機関回転数Nが設定回転数N
1よりも高くなったときには次式に基づいて燃料噴射時
間TAUが算出される。 TAU=TP・KW・(A/F)S/(A/F)T ここでKWは暖機増量補正係数を表している。この暖機
増量補正係数KWは機関暖機運転時に燃焼を安定させる
ためのものであり、図9に示されるように機関冷却水温
THWが高くなるにつれて小さくなり、機関冷却水温T
HWがしきい温度T2、例えば60℃以上になると1.
0に維持される。暖機増量補正係数KWは予め実験によ
り求められており、図9に示すマップの形で予めROM
22内に記憶されている。
【0044】燃料噴射時間TAUが上述の始動用燃料噴
射時間TPSとされるとこのとき筒内で燃焼せしめられ
る混合気の空燃比はリッチになる。一方、機関冷却水温
THWがしきい温度T2よりも低いときには目標空燃比
(A/F)Tは理論空燃比(A/F)Sに維持される。
このとき暖機増量補正係数KWは1.0よりも大きいの
でこのときに筒内で燃焼せしめられる混合気の空燃比も
リッチになる。したがって、機関始動が開始されてから
機関冷却水温THWがしきい温度T2以上になるまでの
機関始動時には筒内で燃焼せしめられる混合気の空燃比
はリッチに維持されることになる。
【0045】ところで、本実施態様では上述の実施態様
と同様に、NOX 吸収剤12の温度がSOX 吸収温度範
囲よりも低いときにSOX 吸収剤9からSOX を放出さ
せるようにしている。上述の実施態様ではNOX 吸収剤
12の温度がSOX 吸収温度範囲よりも低いときにSO
X 吸収剤9からSOX が放出され、NOX 吸収剤12の
温度がSOX吸収温度範囲内になるとSOX 吸収剤9の
SOX 放出作用が停止される。ところがNOX 吸収剤1
2の温度は変動しうるのでNOX 吸収剤12の温度が一
時的にSOX 吸収温度範囲よりも低くなったということ
でSOX 吸収剤9のSOX 放出作用を開始しても短時間
のうちにNOX 吸収剤12の温度がSOX 吸収温度範囲
まで高められる場合があり、この場合SOX 吸収剤9か
ら十分にSOX を放出させることができない。また、N
X 吸収剤12の温度がSOX 吸収温度範囲よりも低く
てもSOX 吸収剤9の温度が高い場合にはSOX 吸収剤
9から排出される排気の温度が高くなるので、この場合
NOX 吸収剤12の温度が短時間のうちにSOX 吸収温
度範囲内まで高められる恐れがある。
【0046】一方、NOX 吸収剤12の温度がSOX
収温度範囲よりも低い定常状態にあるときには、このと
きSOX 吸収剤9からのSOX 放出作用を行ってもNO
X 吸収剤12の温度が短時間のうちにSOX 吸収温度範
囲まで高められることはない。また、SOX 吸収剤9の
温度がNOX 吸収剤12のSOX 吸収温度範囲よりも低
い定常状態にあるときにもNOX 吸収剤12の温度が短
時間のうちにSOX 吸収温度範囲まで高められることは
ない。そこで本実施態様では、SOX 吸収剤9およびN
X 吸収剤12の温度が共に、NOX 吸収剤12のSO
X 吸収温度範囲よりも低い定常状態にあるときにSOX
吸収剤9からSOX を放出させるようにしている。その
結果、SOX 吸収剤9からSOX を十分に放出させるこ
とが可能となる。
【0047】ところで、機関始動時にはSOX 吸収剤9
およびNOX 吸収剤12の温度が共に、NOX 吸収剤1
2のSOX 吸収温度範囲よりも低い定常状態になってい
る。また、上述したように機関始動時には筒内で燃焼せ
しめられる混合気の空燃比がリッチにされるのでSOX
吸収剤9に流入する排気の空燃比がリッチになってい
る。そこで本実施態様では、機関始動時に電気ヒータ1
4をオンにしてSOX 吸収剤9を加熱し、それによりS
X 吸収剤9からSOX を放出させるようにしている。
このように本実施態様では、SOX 吸収剤9からSOX
を放出させるための目標空燃比(A/F)Tの特別な制
御を必要としない。
【0048】図10は本実施態様におけるSOX 放出制
御ルーチンを示している。このルーチンは予め定められ
た設定時間毎の割り込みによって実行される。図10を
参照すると、まずステップ90では機関冷却水温THW
がしきい温度T2よりも低いか否か、すなわち現在機関
始動時であるか否かが判別される。THW<T2のと
き、すなわち現在機関始動時であるときには次いでステ
ップ91に進み、SOX 吸収剤9に吸収されているSO
X 量SSが設定量SS1よりも大きいか否かが判別され
る。SS>SS1のときには次いでステップ92に進
み、スイッチ15がオンにされて電気ヒータ14がオン
にされ、それによりSOX 吸収剤9の加熱が開始され
る。続くステップ93ではスイッチ15がオンにされて
から一定時間が経過したか否か、すなわちSOX 吸収剤
9のSOX 放出作用が完了したか否かが判別される。ス
イッチ15がオンにされてから一定時間経過していない
とき、すなわちSOX 吸収剤9のSOX 放出作用が完了
していないときには次いでステップ94に進み、NOX
吸収剤12に流入する排気の温度TEXが設定温度T1
よりも高いか否かが判別される。TEX≦T1のときに
は次いで処理サイクルを終了する。
【0049】これに対し、ステップ91においてSS≦
SS1のとき、ステップ93においてスイッチ15がオ
ンにされてから一定時間経過したとき、すなわちSOX
吸収剤9のSOX 放出作用が完了したとき、およびステ
ップ94においてTEX>T1のときには次いでステッ
プ95に進み、スイッチ15がオフにされる。一方、ス
テップ90においてTHW≧T2のときには次いでステ
ップ96に進み、SO X 吸収剤9に吸収されているSO
X 量SSを推定した後にステップ95に進む。
【0050】図11および図12は本実施態様における
燃料噴射時間TAUの算出ルーチンを示している。この
ルーチンは予め定められた設定クランク角毎の割り込み
によって実行される。なお、本実施態様でも図6に示さ
れるNOX 放出制御ルーチンが実行される。図11およ
び図12を参照すると、まずステップ100では機関回
転数Nが設定回転数N1よりも低いか否かが判別され
る。N<N1のときには次いでステップ101に進み、
図8のマップから始動用燃料噴射時間TPSが算出され
る。続くステップ102ではこのTPSが燃料噴射時間
TAUとされる。
【0051】これに対しステップ100においてN≧N
1のときには次いでステップ103に進み、図2のマッ
プから基本燃料噴射時間TPが算出される。続くステッ
プ104では図9のマップから暖機増量補正係数KWが
算出される。続くステップ105では機関冷却水温TH
Wがしきい温度T2よりも低いか否か、すなわち現在機
関始動時であるか否かが判別される。THW<T2のと
き、すなわち現在機関始動時であるときには次いでステ
ップ106に進み、目標空燃比(A/F)Tが理論空燃
比(A/F)Sに定められる。次いでステップ110に
進む。これに対しTHW≧T2のとき、すなわち現在機
関始動時でないときには次いでステップ107に進み、
NOX フラグがセットされているか否かが判別される。
NOX フラグがセットされているときには次いでステッ
プ108に進み、目標空燃比(A/F)Tが13.0に
定められる。次いでステップ110に進む。これに対し
NOX フラグがリセットされているときには次いでステ
ップ109に進み、目標空燃比(A/F)Tが22.0
に定められる。次いでステップ110に進む。
【0052】ステップ110では次式に基づいて燃料噴
射時間TAUが算出される。 TAU=TP・KW・(A/F)S/(A/F)T 図13に別の実施態様を示す。この実施態様はSOX
収剤9とNOX 吸収剤12間に例えばセラミックからな
る大熱容量体17が設けられる点で上述の実施態様と構
成を異にしている。この大熱容量体17はSOX 吸収剤
9からSOX を放出させるためにSOX 吸収剤9の温度
が高められたときにNOX 吸収剤12の温度を低く維持
するためのものである。好ましくは、SOX 吸収剤9の
SOX 放出作用が完了するまでNOX 吸収剤12の温度
がSOX 吸収温度範囲よりも低く維持されるように大熱
容量体17の熱容量が定められる。このようにするとS
X 吸収剤9からSOX が放出されている間にNOX
収剤12にSOX が吸収されるのが確実に阻止される。
【0053】なお、大熱容量体17を例えば触媒から形
成してもよいし、あるいは流入する排気中の微粒子を捕
集するフィルタから形成してもよい。図14に別の実施
態様を示す。図14を参照すると、機関本体1の気筒は
1番気筒#1および4番気筒#4からなる第1の気筒群
1aと、2番気筒#2および3番気筒#3からなる第2
の気筒群1bとに分割されている。上述したように機関
本体1の排気行程順序は#1−#3−#4−#2である
ので機関の気筒が第1の気筒群と、第1の気筒群と排気
行程が重ならない第2の気筒群とに分割されていること
になる。第1の気筒群1aは排気マニホルド8aを介し
て第1のSOX 吸収剤9aを収容したケーシング10a
に接続され、第2の気筒群1bは排気マニホルド8bを
介して第2のSOX 吸収剤9bを収容したケーシング1
0bに接続される。これらケーシング10a,10bは
共通の合流排気管18および排気管11を介してNOX
吸収剤12を収容したケーシング13に接続される。さ
らに、図14に示されるように、SOX 吸収剤9a,9
b上流のケーシング10a,10b内には酸化触媒、例
えば三元触媒19a,19bがそれぞれ収容される。
【0054】ところで、本実施態様でも通常運転時には
各気筒で燃焼せしめられる混合気の空燃比はリーンにさ
れる。このとき第1の気筒群1aの排気中のSOX は第
1のSOX 吸収剤9aに吸収され、第2の気筒群1bの
排気中のSOX は第2のSO X 吸収剤9bに吸収され、
したがってNOX 吸収剤12にはNOX のみが吸収され
る。
【0055】次いで、第1のSOX 吸収剤9aまたは第
2のSOX 吸収剤9bに吸収されているSOX 量が設定
量よりも多くなったときにはNOX 吸収剤12の温度が
SO X 吸収温度範囲よりも低いか否かが判別される。N
X 吸収剤12の温度がSO X 吸収温度範囲よりも低い
ときにはSOX 吸収剤9a,9bに流入する排気の空燃
比がそれぞれリッチにされると共に、SOX 吸収剤9
a,9bの温度がSOX放出温度よりも高くせしめら
れ、それによりSOX 吸収剤9a,9bから吸収されて
いるSOX が放出される。
【0056】この場合、SOX 吸収剤9a,9bの容量
をこれまで述べてきた実施態様におけるSOX 吸収剤9
よりも小さくすることができるのでSOX 吸収剤9a,
9bをSOX 放出温度まで速やかにかつ十分に高めるこ
とができる。したがってSO X 吸収剤9a,9bからS
X を速やかにかつ十分に放出させることができる。一
方、本実施態様では、SOX 吸収剤9a,9bからSO
X を放出させるべきときに各気筒から排出される排気の
空燃比を制御することによりSOX 吸収剤9a,9bの
温度が高められる。すなわち、排気中に多量の炭化水素
と多量の酸素O2 とが含まれており、これら炭化水素と
酸素O2 とがSOX 吸収剤9a,9b内またはSOX
収剤9a,9b上流で反応するとSOX 吸収剤9a,9
bの温度を高めることができる。そこで本実施態様で
は、第1のSOX 吸収剤9aからSOX を放出させるべ
きときには第1の気筒群1aのうち1番気筒#1から排
出される排気の空燃比をリーンにして多量の酸素O2
含む排気を形成し、4番気筒#4から排出される排気の
空燃比をリッチにして多量の炭化水素を含む排気を形成
し、これら排気を第1のSOX 吸収剤9a上流で合流さ
せて混合排気中の炭化水素と酸素O2 とを反応させるこ
とにより第1のSOX 吸収剤9aの温度をSOX 放出温
度よりも高くするようにしている。同様に、第2のSO
X 吸収剤9bからSOX を放出させるべきときには第2
の気筒群1bのうち2番気筒#2から排出される排気の
空燃比をリーンにして多量の酸素O2 を含む排気を形成
し、3番気筒#3から排出される排気の空燃比をリッチ
にして多量の炭化水素を含む排気を形成し、これら排気
を第2のSOX 吸収剤9b上流で合流させて混合排気中
の酸素O2 と炭化水素とを反応させることにより第2の
SOX 吸収剤9bの温度をSOX 放出温度よりも高くす
るようにしている。
【0057】すなわち、一般的に言うと、各気筒群が複
数の気筒を具備し、各気筒群の一部の気筒から排出され
る排気の空燃比をリーンにして多量の酸素を含む排気を
形成すると共に残りの気筒から排出される排気の空燃比
をリッチにして多量の炭化水素を含む排気を形成し、こ
れら排気をSOX 吸収剤上流で合流させて混合排気中の
酸素O2 と炭化水素とを反応させることによりSOX
収剤の温度をSOX 放出温度よりも高くするということ
になる。
【0058】ところが、上述したようにSOX 吸収剤9
a,9bは一旦吸収したSOX を確実に保持しておく必
要があるのでSOX 吸収剤9a,9bのアルカリ度が高
められており、その結果SOX 吸収剤9a,9bの酸化
能力が低くなっている。このため多量の酸素O2 と炭化
水素とを直接SOX 吸収剤9a,9bに導いてもSO X
吸収剤9a,9bの温度を十分に高めることができな
い。
【0059】そこで本実施態様では、SOX 吸収剤9
a,9bの上流側に三元触媒19a,19bを隣接配置
し、第1の気筒群1aの排気中の酸素O2 と炭化水素と
を三元触媒19aにおいて反応せしめ、第2の気筒群1
bの排気中の酸素O2 と炭化水素とを三元触媒19bに
おいて反応せしめるようにしている。その結果、SOX
吸収剤9a,9bに流入する排気の温度が高められてS
X 吸収剤9a,9bの温度が高められる。また、三元
触媒19a,19bがSOX 吸収剤9a,9bに隣接配
置されているのでSOX 吸収剤9a,9bの温度が確実
に高められる。
【0060】この場合、第1のSOX 吸収剤9aに流入
する混合排気の空燃比がリッチとなるように1番気筒#
1および4番気筒#4から排出される排気の空燃比を制
御すれば第1のSOX 吸収剤9aからSOX が放出さ
れ、第2のSOX 吸収剤9bに流入する混合排気の空燃
比がリッチとなるように2番気筒#2および3番気筒#
3から排出される排気の空燃比を制御すれば第2のSO
X 吸収剤9bからSOXが放出されることになる。
【0061】ところで、上述したようにNOX 吸収剤1
2の温度がSOX 吸収温度範囲外のときにSOX 吸収剤
9a,9bからSOX が放出されるのでNOX 吸収剤1
2にSOX が吸収されることはない。しかしながら、N
X 吸収剤12の温度がSO X 吸収温度範囲外であって
もわずかな量のSOX がNOX 吸収剤12に吸収される
こともあり得る。また、SOX 吸収剤9a,9bに流入
する排気の空燃比がリーンのときにわずかな量のSOX
がSOX 吸収剤9a,9bに吸収されることなくSOX
吸収剤9a,9bから流出してNOX 吸収剤12に吸収
されることもあり得る。一方、NOX 吸収剤12の温度
がNOX 吸収剤12のSOX 放出温度よりも高いときに
流入する排気中の酸素濃度が低下するとNOX 吸収剤1
2から吸収されているSOX が放出される。そこで本実
施態様では、SOX 吸収剤9a,9bのSOX 放出作用
が停止せしめられた直後にNOX 吸収剤12の温度をN
X 吸収剤12のSOX 放出温度よりも高くすると共
に、NOX 吸収剤12に流入する排気の空燃比をリッチ
にしてNOX 吸収剤12からSOX を放出させるように
している。
【0062】NOX 吸収剤12の温度をNOX 吸収剤1
2のSOX 放出温度よりも高くするために、本実施態様
では第1の気筒群1aから排出される排気の空燃比をリ
ーンにして多量の酸素O2 を含む排気を形成し、第2の
気筒群1bから排出される排気の空燃比をリッチにして
多量の炭化水素を含む排気を形成するようにしている。
この場合、三元触媒19aに流入する排気中には多量の
酸素O2 が含まれているが多量の炭化水素は含まれてお
らず、したがって多量の酸素O2 は三元触媒19aにお
いてほとんど消費されずにNOX 吸収剤12に到る。同
様に、三元触媒19bに流入する排気中には多量の炭化
水素が含まれているが多量の酸素O2 は含まれておら
ず、したがって多量の炭化水素は三元触媒19bにおい
てほとんど消費されずにNOX 吸収剤12に到る。した
がって、NOX 吸収剤12において多量の酸素O2 と多
量の炭化水素とが反応し、斯くしてNOX 吸収剤12の
温度をそのSOX 放出温度よりも高くすることができ
る。
【0063】このように本実施態様では、SOX 吸収剤
9a,9bからSOX を放出させるべきときには3番気
筒#3および4番気筒#4から排出される排気の空燃比
がリッチにされる。また、NOX 吸収剤12からSOX
を放出させるべきときには第2の気筒群1bすなわち2
番気筒#2および3番気筒#3から排出される排気の空
燃比がリッチにされる。さらに、NOX 吸収剤12から
NOX を放出させるべきときには全気筒から排出される
排気の空燃比がリッチにされる。気筒から排出される排
気の空燃比をリッチにするために本実施態様では気筒で
燃焼せしめられる混合気の空燃比をリーンに維持しつ
つ、燃料噴射弁7から2次燃料噴射を行うようにしてい
る。すなわち、機関吸気行程または圧縮行程に行われる
通常の燃料噴射、すなわち主燃料噴射に加えて機関膨張
行程または排気行程に2回目の燃料噴射、すなわち2次
燃料噴射が行われる。
【0064】SOX 吸収剤9a,9bからSOX を放出
させるべきときには3番気筒#3の2次燃料噴射時間T
AUS(3)および4番気筒#4の2次燃料噴射時間T
AUS(4)がそれぞれTSSとされる。このTSSは
SOX 吸収剤9a,9bの温度をSOX 吸収放出温度よ
りも高くしかつSOX 吸収剤9a,9bに流入する混合
排気の空燃比をリッチ例えば10.0にするのに必要な
2次燃料噴射時間である。TSSは予め実験により求め
られており、例えば機関負荷Q/Nおよび機関回転数N
の関数として図15(A)に示されるようなマップの形
で予めROM22内に記憶されている。なお、この場
合、1番気筒#1の2次燃料噴射時間TAUS(1)お
よび2番気筒#2の2次燃料噴射時間TAUS(2)は
それぞれ零にされる。
【0065】一方、NOX 吸収剤12からSOX を放出
させるべきときには第2の気筒群1bすなわち2番気筒
#2の2次燃料噴射時間TAUS(2)および3番気筒
#3の2次燃料噴射時間TAUS(3)がそれぞれTN
Sとされる。このTNSはNOX 吸収剤12の温度をS
X 吸収放出温度よりも高くしかつNOX 吸収剤12に
流入する混合排気の空燃比をリッチ例えば10.0にす
るのに必要な2次燃料噴射時間である。TNSは予め実
験により求められており、例えば機関負荷Q/Nおよび
機関回転数Nの関数として図15(B)に示されるよう
なマップの形で予めROM22内に記憶されている。な
お、この場合、1番気筒#1の2次燃料噴射時間TAU
S(1)および4番気筒#4の2次燃料噴射時間TAU
S(4)はそれぞれ零にされる。
【0066】NOX 吸収剤12からNOX を放出させる
べきときには全気筒の2次燃料噴射時間TAUS(i)
(i=1,2,3,4)がTNNとされる。このTNN
はNOX 吸収剤12に流入する排気の空燃比をリッチ例
えば13.0にするのに必要な2次燃料噴射時間であ
る。TNNは予め実験により求められており、例えば機
関負荷Q/Nおよび機関回転数Nの関数として図15
(C)に示されるようなマップの形で予めROM22内
に記憶されている。
【0067】図16および図17は本実施態様における
SOX 放出制御ルーチンを示している。このルーチンは
予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行され
る。なお、本実施態様でも図6に示されるNOX 放出制
御ルーチンが実行される。図16および図17を参照す
ると、まずステップ120ではNOX 吸収剤12からS
X を放出すべきときにセットされ、それ以外はリセッ
トされるN−SO X フラグがセットされているか否かが
判別される。N−SOX フラグがリセットされていると
きには次いでステップ121に進み、SOX 吸収剤9
a,9bからSOX を放出すべきときにセットされ、そ
れ以外はリセットされるS−SOX フラグがセットされ
ているか否かが判別される。S−SOX フラグがリセッ
トされているときには次いでステップ122に進み、第
1のSOX 吸収剤9aに吸収されているSOX 量SSa
が推定される。続くステップ123では吸収SOX 量S
Saが設定量SSa1よりも大きいか否かが判別され
る。この設定量SSa1は例えばSOX 吸収剤9a,9
bが吸収しうる最大SOX 量の約30%である。第1の
SOX 吸収剤9aおよび第2のSOX 吸収剤9bにはほ
ぼ同じ量のSOX が吸収されていると考えられるのでい
ずれか一方のSOX 吸収剤に吸収されているSOX 量が
設定量よりも大きいか否かを判別すればよいことにな
る。そこで本実施態様では第1のSOX 吸収剤9aに吸
収されているSOX 量SSaを推定し、この吸収SOX
量SSaが設定量SSa1よりも大きいか否かを判別す
るようにしている。
【0068】SSa≦SSa1のときには処理サイクル
を終了する。これに対し、SSa>SSa1のときには
次いでステップ124に進み、NOX 吸収剤12に流入
する排気の温度TEXが設定温度T1よりも低いか否
か、すなわちNOX 吸収剤12の温度がSOX 吸収温度
範囲よりも低いか否かが判別される。TEX≧T1のと
き、すなわちNOX 吸収剤12の温度がSOX 吸収温度
範囲内のときには処理サイクルを終了する。これに対
し、TEX<T1のとき、すなわちNOX 吸収剤12の
温度がSOX 吸収温度範囲よりも低いときには次いでス
テップ125に進み、S−SOX フラグがセットされ
る。後述するようにS−SOX フラグがセットされると
SOX 吸収剤9a,9bに流入する混合排気の空燃比が
それぞれリッチにされ、したがってSOX 吸収剤9a,
9bからSOX が放出される。
【0069】S−SOX フラグがセットされたときには
ステップ121からステップ126に進み、S−SOX
フラグがセットされてから一定時間経過したか否か、す
なわちSOX 吸収剤9a,9bのSOX 放出作用が完了
したか否かが判別される。S−SOX フラグがセットさ
れてから一定時間経過していないとき、すなわちSO X
吸収剤9a,9bのSOX 放出作用が完了していないと
きには次いでステップ127に進み、NOX 吸収剤12
に流入する排気の温度TEXが設定温度T1よりも高い
か否かが判別される。TEX≦T1のときには次いで処
理サイクルを終了する。これに対し、ステップ126に
おいてS−SOX フラグがセットされてから一定時間経
過したとき、すなわちSOX 吸収剤9a,9bのSOX
放出作用が完了したとき、およびステップ127におい
てTEX>T1のときには次いでステップ128に進
み、S−SOX フラグがリセットされる。続くステップ
129ではNOX フラグがリセットされる。続くステッ
プ130ではN−SOX フラグがセットされる。
【0070】N−SOX フラグがセットされたときには
ステップ120からステップ131に進み、N−SOX
フラグがセットされてから一定時間経過したか否か、す
なわちNOX 吸収剤12のSOX 放出作用が完了したか
否かが判別される。N−SO X フラグがセットされてか
ら一定時間経過していないとき、すなわちNOX 吸収剤
12のSOX 放出作用が完了していないときには処理サ
イクルを終了する。これに対し、N−SOX フラグがセ
ットされてから一定時間経過したときには次いでステッ
プ132に進み、N−SOX フラグがリセットされる。
【0071】図18は本実施態様における主燃料噴射時
間TAUおよび2次燃料噴射時間TAUSの算出ルーチ
ンを示している。このルーチンは予め定められた設定ク
ランク角毎の割り込みによって実行される。図18を参
照すると、まずステップ140では図2のマップから基
本燃料噴射時間TPが算出される。続くステップ141
では目標空燃比(A/F)Tが22.0とされ、続くス
テップ142では主燃料噴射時間TAUが算出される
(TAU=TP・(A/F)S/(A/F)T)。続く
ステップ143ではN−SOXフラグがセットされてい
るか否かが判別される。N−SOX フラグがセットされ
ているときには次いでステップ144に進み、図15
(B)のマップからTNSが算出される。続くステップ
145では1番気筒および4番気筒の2次燃料噴射時間
TAUS(1),TAUS(4)が零にされ、2番気筒
および3番気筒の2次燃料噴射時間TAUS(2),T
AUS(3)がTNSにされる。
【0072】これに対しN−SOX フラグがリセットさ
れているときには次いでステップ146に進み、S−S
X フラグがセットされているか否かが判別される。S
−SOX フラグがセットされているときには次いでステ
ップ147に進み、図15(A)のマップからTSSが
算出される。続くステップ148では1番気筒および2
番気筒の2次燃料噴射時間TAUS(1),TAUS
(2)が零にされ、3番気筒および4番気筒の2次燃料
噴射時間TAUS(3),TAUS(4)がTSSにさ
れる。
【0073】これに対しS−SOX フラグがリセットさ
れているときには次いでステップ149に進み、NOX
フラグがセットされているか否かが判別される。NOX
フラグがセットされているときには次いでステップ15
0に進み、図15(C)のマップからTNNが算出され
る。続くステップ151では全気筒の2次燃料噴射時間
TAUS(i)がTNNにされる。これに対しNOX
ラグがリセットされているときには次いでステップ15
2に進み、全気筒の2次燃料噴射時間TAUS(i)が
零にされる。
【0074】i番気筒の燃料噴射弁7からはTAUだけ
主燃料噴射が行われ、TAUS(i)だけ2次燃料噴射
が行われる。図19に別の実施態様を示す。図19に示
す内燃機関は次の点で図14の内燃機関と構成を異にし
ている。すなわち、図19に示す内燃機関ではNOX
収剤12上流のケーシング13内に酸化触媒160が収
容され、SOX 吸収剤9a,9b上流には三元触媒が設
けられない。また、SOX 吸収剤9a,9bにはそれぞ
れ電気ヒータ14a,14bが設けられており、電気ヒ
ータ14a,14bは通常オフに維持されているスイッ
チ15a,15bを介して共通の電源16に接続されて
いる。さらに、各吸気枝管2内には通常全開に維持され
ている吸気制御弁161が配置される。第1の気筒群1
aすなわち1番気筒および4番気筒の吸気制御弁161
は共通のアクチュエータ162aにより駆動されて同一
開度にせしめられ、第2の気筒群1bすなわち2番気筒
および3番気筒の吸気制御弁161は共通のアクチュエ
ータ162bにより駆動されて同一開度にせしめられ
る。スイッチ15a,15bおよびアクチュエータ16
2a,162bは対応する駆動回路33を介して電子制
御ユニット20の出力ポート26に接続されており、電
子制御ユニット20からの出力信号に基づいてそれぞれ
制御される。
【0075】本実施態様では各気筒毎に目標空燃比が定
められる。i番気筒の目標空燃比を(A/F)T(i)
で表すとi番気筒の燃料噴射時間TAU(i)は次式で
表される。 TAU(i)=TP・(A/F)S/(A/F)T
(i) なお、本実施態様では2次燃料噴射は行われない。
【0076】NOX 吸収剤12からNOX を放出させる
べきときには全気筒の目標空燃比(A/F)T(i)が
リッチ、例えば13.0にされる。さらにこのとき全気
筒の吸気制御弁161の開度OP(i)が全開よりも小
さな開度CLNとされる。すなわち、吸入空気量が多く
なると空燃比をリッチにするために多量の燃料を必要と
し、このため燃料消費率が悪化する。そこで本実施態様
では、目標空燃比がリッチの気筒の吸気制御弁161を
閉弁して吸入空気を低減し、それにより燃料消費率の悪
化を抑制するようにしている。この開度CLNは例えば
NOX 吸収剤12からNOX を放出させるために最適な
吸気制御弁161の開度であり、予め実験により求めら
れている。
【0077】一方、第1のSOX 吸収剤9aからSOX
を放出させるべきときにはスイッチ15aがオンにされ
て電気ヒータ14aにより第1のSOX 吸収剤9aがS
X放出温度まで加熱されると共に、第1の気筒群1a
すなわち1番気筒#1の目標空燃比(A/F)T(1)
および4番気筒#4の目標空燃比(A/F)T(4)が
リッチ、例えば10.0にされる。さらに、このとき1
番気筒#1の吸気制御弁161の開度OP(1)および
4番気筒#4の吸気制御弁161の開度OP(4)が全
開よりも小さい開度CLSとされる。この開度CLSは
例えばSOX 吸収剤9a,9bからSOX を放出させる
ために最適な吸気制御弁161の開度であり、予め実験
により求められている。
【0078】同様に、第2のSOX 吸収剤9bからSO
X を放出させるべきときにはスイッチ15bがオンにさ
れて電気ヒータ14bにより第2のSOX 吸収剤9bが
SO X 放出温度まで加熱されると共に、第2の気筒群1
bすなわち2番気筒#2の目標空燃比(A/F)T
(2)および3番気筒#3の目標空燃比(A/F)T
(3)がリッチにされる。さらに、このとき2番気筒#
2の吸気制御弁161の開度OP(2)および3番気筒
#3の吸気制御弁161の開度OP(3)がCLSとさ
れる。
【0079】さらに、本実施態様ではNOX 吸収剤12
の温度がSOX 吸収温度範囲よりも高いときにSOX
収剤9a,9bからSOX を放出させるようにしてい
る。通常の機関運転時にはNOX 吸収剤12の温度がS
X 吸収温度範囲よりも高くなることはほとんどない。
そこで、本実施態様ではSOX 吸収剤9a,9bからS
X を放出すべきときにはNOX 吸収剤12を加熱して
NOX 吸収剤12の温度をSOX 吸収温度範囲よりも高
くすると共に、SOX 吸収剤9a,9bのSOX 放出作
用が行われている間NOX 吸収剤12の温度をSOX
収温度範囲よりも高く維持するようにしている。
【0080】上述したように、NOX 吸収剤12に流入
する排気中に多量の酸素O2 と多量の炭化水素とが含ま
れているとNOX 吸収剤12の温度を高めることができ
る。一方、例えば第1のSOX 吸収剤9aからSOX
放出させるために第1のSO X 吸収剤9aに流入する排
気の空燃比がリッチにされているときには第1のSO X
吸収剤9aから排出される排気の空燃比はリッチになっ
ており、すなわち第1のSOX 吸収剤9aから排出され
る排気中には多量の炭化水素が含まれている。したがっ
て、このとき第2のSOX 吸収剤9bから排出される排
気の空燃比をリーンにして多量の酸素O2 をNOX 吸収
剤12に供給すればNOX 吸収剤12の温度を高めるこ
とができることになる。
【0081】そこで本実施態様では、第1のSOX 吸収
剤9aのSOX 放出作用と第2のSOX 吸収剤9bのS
X 放出作用とを同時に行わず、いずれか一方のSOX
吸収剤のSOX 放出作用が行われているときには他方の
SOX 吸収剤に流入する排気の空燃比をリーンにするよ
うにしている。すなわち、SOX 吸収剤9a,9bから
SOX を放出すべきときにはまず、第1の気筒群1aの
目標空燃比をリッチにして第1のSOX 吸収剤9aから
SOXを放出させると共に、第2の気筒群1bの目標空
燃比をリーンにする。第1のSOX 吸収剤9aから排出
される排気中の多量の炭化水素および第2のSOX 吸収
剤9bから排出される排気中の多量の酸素O2 は次いで
酸化触媒160において反応し、その結果NOX 吸収剤
12の温度がSOX 吸収温度範囲よりも高められる。こ
のとき、NOX 吸収剤12に流入する混合排気の空燃比
はリッチにされており、したがって第1のSOX 吸収剤
9aから放出されたSOX がNOX 吸収剤12に吸収さ
れるのが阻止されている。第1のSOX 吸収剤9aのS
X 放出作用が完了したときには次いで第2の気筒群1
bの目標空燃比をリッチにして第2のSOX 吸収剤9b
からSOX を放出させると共に、第1の気筒群1aの目
標空燃比をリーンにする。その結果、第2のSOX 吸収
剤9bからSOX が放出され、NOX 吸収剤12の温度
はSOX 吸収温度範囲よりも高く維持される。また、こ
のときにもNOX 吸収剤12に流入する混合排気の空燃
比はリッチにされており、したがって第2のSOX 吸収
剤9bから放出されたSOX がNOX 吸収剤12に吸収
されるのが阻止されている。
【0082】ところで、上述したようにSOX 吸収剤9
a,9bから放出されたSOX がNOX 吸収剤12に吸
収されるのはNOX 吸収剤12内の残存酸素に起因して
いると考えられている。一方、NOX 吸収剤12に流入
する排気中の酸素濃度を低下させるとNOX 吸収剤12
内の残存酸素量を低減することができる。したがって、
例えばNOX 吸収剤12からNOX を放出させるために
NOX 吸収剤12に流入する排気の空燃比がリッチにさ
れるとNOX 吸収剤12内の残存酸素量が低減されるこ
とになる。そこで本実施態様では、NOX 吸収剤12の
NOX 放出作用が完了した直後にSOX 吸収剤9a,9
bからSOX を放出させるようにしている。
【0083】一方、上述したようにNOX 吸収剤12に
流入する排気中に酸素が含まれているとSOX 吸収剤9
a,9bから放出されたSOX がNOX 吸収剤12に吸
収されるという考えもある。そこで本実施態様では、N
X 吸収剤12上流に酸化触媒160を設けてSOX
収剤9a,9bからSOX が放出されるときにこの酸化
触媒160において排気中の酸素O2 を消費し、それに
よりNOX 吸収剤12に流入する酸素量ができるだけ少
なくなるようにしている。好ましくは、NOX吸収剤1
2に流入する排気に酸素O2 がほとんど含まれないよう
にSOX 吸収剤9a,9bからSOX を放出させるとき
の例えば第1の気筒群1aまたは第2の気筒群1bの目
標空燃比、あるいは吸気制御弁161の開度が定められ
る。
【0084】また、このようにNOX 吸収剤12上流に
酸化触媒160を配置した場合にはNOX 吸収剤12の
酸化能力は低くてもよく、その結果NOX 吸収剤12の
アルカリ度を高めてNOX 吸収剤12のNOX 吸収能力
を高めることができる。図20および図21は本実施態
様におけるNOX およびSOX 放出制御を示している。
このルーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みに
よって実行される。
【0085】図20および図21を参照すると、まずス
テップ170では第2のSOX 吸収剤9bからSOX
放出すべきときにセットされ、それ以外はリセットされ
る第2SOX フラグがセットされているか否かが判別さ
れる。第2SOX フラグがリセットされているときには
次いでステップ171に進み、第1のSOX 吸収剤9a
からSOX を放出すべきときにセットされ、それ以外は
リセットされる第1SOX フラグがセットされているか
否かが判別される。第1SOX フラグがリセットされて
いるときには次いでステップ172に進み、NOX 吸収
剤12からNO X を放出すべきときにセットされ、それ
以外はリセットされるNOX フラグがセットされている
か否かが判別される。NOX フラグがリセットされてい
るときには次いでステップ173に進み、NOX 吸収剤
12に吸収されているNOX 量SNが推定される。続く
ステップ174では吸収NOX 量SNが設定量SN1よ
りも大きいか否かが判別される。SN≦SN1のときに
は次いでステップ175に進み、全気筒の吸気制御弁1
61の開度OP(i)が全開を表すFUとされる。これ
に対し、SN>SN1のときには次いでステップ176
に進み、NOX フラグがセットされる。続くステップ1
77では全気筒の吸気制御弁161の開度OP(i)が
CLNとされる。
【0086】NOX フラグがセットされたときにはステ
ップ172からステップ178に進み、NOX フラグが
セットされてから一定時間経過したか否か、すなわちN
X吸収剤12のNOX 放出作用が完了したか否かが判
別される。NOX フラグがセットされてから一定時間経
過していないとき、すなわちNOX 吸収剤12のNO X
放出作用が完了していないときには処理サイクルを終了
する。これに対し、NOX フラグがセットされてから一
定時間経過したとき、すなわちNOX 吸収剤12のNO
X 放出作用が完了したときには次いでステップ179に
進み、NOX フラグがリセットされる。続くステップ1
80では第1SOX フラグがセットされる。続くステッ
プ181では第1の気筒群1aすなわち1番気筒および
4番気筒の吸気制御弁161の開度OP(1),OP
(4)がCLSとされ、第2の気筒群1bすなわち2番
気筒および3番気筒の吸気制御弁161の開度OP
(2),OP(3)が全開FUに維持される。
【0087】第1SOX フラグがセットされたときには
ステップ171からステップ182に進み、第1SOX
フラグがセットされてから一定時間経過したか否か、す
なわち第1のSOX 吸収剤9aのSOX 放出作用が完了
したか否かが判別される。第1SOX フラグがセットさ
れてから一定時間経過していないとき、すなわち第1の
SOX 吸収剤9aのSOX 放出作用が完了していないと
きには処理サイクルを終了する。これに対し、第1SO
X フラグがセットされてから一定時間経過したとき、す
なわち第1のSOX 吸収剤9aのSOX 放出作用が完了
したときには次いでステップ183に進み、第1SOX
フラグがリセットされる。続くステップ184では第2
SOX フラグがセットされる。続くステップ185では
第1の気筒群1aすなわち1番気筒および4番気筒の吸
気制御弁161の開度OP(1),OP(4)が全開F
Uとされ、第2の気筒群1bすなわち2番気筒および3
番気筒の吸気制御弁161の開度OP(2),OP
(3)がCLSとされる。
【0088】第2SOX フラグがセットされたときには
ステップ170からステップ186に進み、第2SOX
フラグがセットされてから一定時間経過したか否か、す
なわち第2のSOX 吸収剤9bのSOX 放出作用が完了
したか否かが判別される。第2SOX フラグがセットさ
れてから一定時間経過していないとき、すなわち第2の
SOX 吸収剤9bのSOX 放出作用が完了していないと
きには処理サイクルを終了する。これに対し、第2SO
X フラグがセットされてから一定時間経過したとき、す
なわち第2のSOX 吸収剤9bのSOX 放出作用が完了
したときには次いでステップ187に進み、第2SOX
フラグがリセットされる。続くステップ188では全気
筒の吸気制御弁161の開度OP(i)が全開FUに戻
される。
【0089】図22は本実施態様におけるi番気筒の燃
料噴射時間TAU(i)の算出ルーチンを示している。
このルーチンは予め定められた設定クランク角毎の割り
込みによって実行される。図22を参照すると、まずス
テップ200では図2のマップから基本燃料噴射時間T
Pが算出される。続くステップ201では第2SOX
ラグがセットされているか否かが判別される。第2SO
X フラグがセットされているときには次いでステップ2
02に進み、第1の気筒群1aすなわち1番気筒および
4番気筒の目標空燃比(A/F)T(1),(A/F)
T(4)が22.0にされる。続くステップ203では
第2の気筒群1bすなわち2番気筒および3番気筒の目
標空燃比(A/F)T(2),(A/F)T(3)が1
0.0にされる。次いでステップ210に進む。
【0090】これに対し第2SOX フラグがリセットさ
れているときには次いでステップ204に進み、第1S
X フラグがセットされているか否かが判別される。第
1SOX フラグがセットされているときには次いでステ
ップ205に進み、第1の気筒群1aすなわち1番気筒
および4番気筒の目標空燃比(A/F)T(1),(A
/F)T(4)が10.0にされる。続くステップ20
6では第2の気筒群1bすなわち2番気筒および3番気
筒の目標空燃比(A/F)T(2),(A/F)T
(3)が22.0にされる。次いでステップ210に進
む。
【0091】これに対し第1SOX フラグがリセットさ
れているときには次いでステップ207に進み、NOX
フラグがセットされているか否かが判別される。NOX
フラグがセットされているときには次いでステップ20
8に進み、全気筒の目標空燃比(A/F)T(i)が1
3.0にされる。これに対しNOX フラグがリセットさ
れているときには次いでステップ209に進み、全気筒
の目標空燃比(A/F)T(i)が22.0にされる。
次いでステップ210に進む。
【0092】ステップ210では次式に基づいてi番気
筒の燃料噴射時間TAU(i)が算出される。 TAU(i)=TP・(A/F)S/(A/F)T
(i) これまで述べてきた実施態様では例えばSOX 吸収剤に
流入する排気の空燃比をリッチにするために筒内で燃焼
せしめられる混合気の空燃比をリッチにし、あるいは2
次燃料噴射を行うようにしている。しかしながら、SO
X 吸収剤上流の排気通路内に2次燃料噴射弁を配置して
この2次燃料噴射弁から2次燃料を噴射することにより
SOX 吸収剤に流入する排気の空燃比がリッチになるよ
うにすることもできる。
【0093】また、これまで述べてきた実施態様では排
気通路内にSOX 吸収剤とNOX 吸収剤とを直列に配置
している。しかしながら、上述したようにSOX 吸収剤
のSOX 吸放出作用はNOX 吸収剤のSOX 吸放出作用
とほとんど同じであり、したがって排気通路内に二つの
NOX 吸収剤を直列に配置した場合にも本発明を適用す
ることができる。
【0094】
【発明の効果】NOX 吸収剤の温度がイオウ分吸収温度
範囲外のときにイオウ分吸収剤からイオウ分が放出され
るのでイオウ分吸収剤から放出されたイオウ分がNOX
吸収剤に吸収されるのを阻止することがすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】基本燃料噴射時間のマップを示す図である。
【図3】NOX の吸放出作用を説明するための図であ
る。
【図4】NOX 吸収剤のSOX 吸収率を示す線図であ
る。
【図5】SOX 放出制御を実行するためのフローチャー
トである。
【図6】NOX 放出制御を実行するためのフローチャー
トである。
【図7】燃料噴射時間を算出するためのフローチャート
である。
【図8】始動用燃料噴射時間のマップを示す図である。
【図9】暖機増量補正係数のマップを示す図である。
【図10】別の実施態様においてSOX 放出制御を実行
するためのフローチャートである。
【図11】別の実施態様において燃料噴射時間を算出す
るためのフローチャートである。
【図12】別の実施態様において燃料噴射時間を算出す
るためのフローチャートである。
【図13】さらに別の実施態様による内燃機関の全体図
である。
【図14】さらに別の実施態様による内燃機関の全体図
である。
【図15】2次燃料噴射時間をのマップを示す図であ
る。
【図16】図14の実施態様においてSOX 放出制御を
実行するためのフローチャートである。
【図17】図14の実施態様においてSOX 放出制御を
実行するためのフローチャートである。
【図18】図14の実施態様において主燃料噴射時間お
よび2次燃料噴射時間を算出するためのフローチャート
である。
【図19】さらに別の実施態様による内燃機関の全体図
である。
【図20】図19の実施態様においてNOX およびSO
X 放出制御を実行するためのフローチャートである。
【図21】図19の実施態様においてNOX およびSO
X 放出制御を実行するためのフローチャートである。
【図22】図19の実施態様において燃料噴射時間を算
出するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体 7…燃料噴射弁 8…排気マニホルド 9…SOX 吸収剤 12…NOX 吸収剤 14…電気ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅沼 孝充 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 田中 比呂志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 鈴木 直人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−107812(JP,A) 特開 平6−229230(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/08 - 3/28

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流入する排気の空燃比がリーンのときに
    NOを吸収し、流入する排気中の酸素濃度が低下する
    と吸収しているNOを放出するNO吸収剤を機関排
    気通路内に配置し、該NO吸収剤上流の排気通路内に
    イオウ分を一時的に吸収するイオウ分吸収剤を配置した
    内燃機関の排気浄化装置において、NO 吸収剤の温度
    がイオウ分吸収温度範囲外にあるとNO 吸収剤がイオ
    ウ分をほとんど吸収しないようになっており、NO
    収剤の温度がNO吸収剤のイオウ分吸収温度範囲外の
    ときにイオウ分吸収剤からイオウ分を放出させるように
    した内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 NOX 吸収剤の温度がNOX 吸収剤のイ
    オウ分吸収温度範囲よりも低いときにイオウ分吸収剤か
    らイオウ分を放出させるようにした請求項1に記載の内
    燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 イオウ分吸収剤は流入する排気の空燃比
    がリーンのときにイオウ分を吸収し、イオウ分吸収剤の
    温度がイオウ分放出温度よりも高いときに流入する排気
    中の酸素濃度が低くなると吸収しているイオウ分を放出
    するようになっており、イオウ分吸収剤およびNO
    収剤の温度がNO吸収剤のイオウ分吸収温度範囲より
    も低い定常状態にあるときにイオウ分吸収剤に流入する
    排気の空燃比を一時的にリッチまたは理論空燃比にする
    と共にイオウ分吸収剤の温度をイオウ分放出温度よりも
    一時的に高くすることによりイオウ分吸収剤から吸収さ
    れているイオウ分を放出させるようにした請求項2に記
    載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 機関始動時にイオウ分吸収剤からイオウ
    分を放出させるようにした請求項3に記載の内燃機関の
    排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 イオウ分吸収剤からイオウ分を放出させ
    ているときにNOX吸収剤の温度をイオウ分吸収温度範
    囲よりも低く維持するようにした請求項2に記載の内燃
    機関の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 イオウ分吸収剤とNOX 吸収剤間の排気
    通路内に大熱容量体を配置した請求項5に記載の内燃機
    関の排気浄化装置。
  7. 【請求項7】 NOX 吸収剤の温度がNOX 吸収剤のイ
    オウ分吸収温度範囲よりも高いときにイオウ分吸収剤か
    らイオウ分を放出させるようにした請求項1に記載の内
    燃機関の排気浄化装置。
  8. 【請求項8】 イオウ分吸収剤からイオウ分を放出させ
    ているときにNOX吸収剤の温度をイオウ分吸収温度範
    囲よりも高く維持するようにした請求項7に記載の内燃
    機関の排気浄化装置。
  9. 【請求項9】 内燃機関が一対の気筒群に分割された複
    数の気筒を具備しており、各気筒群の排気を互いに合流
    させる合流排気通路内にNOX 吸収剤を配置し、イオウ
    分吸収剤からイオウ分を放出させているときに一対の気
    筒群のうち一方の気筒群の排気の空燃比をリッチにして
    炭化水素を含む排気を形成すると共に他方の気筒群の排
    気の空燃比をリーンにして酸素を含む排気を形成し、こ
    れら排気中の炭化水素と酸素とを反応させることにより
    NOX 吸収剤の温度をイオウ分吸収温度範囲よりも高く
    維持するようにした請求項8に記載の内燃機関の排気浄
    化装置。
  10. 【請求項10】 イオウ分吸収剤とNOX 吸収剤間の排
    気通路内に酸化触媒を配置し、酸化触媒において炭化水
    素と酸素とを反応させることによりNOX 吸収剤の温度
    をイオウ分吸収温度範囲よりも高く維持するようにした
    請求項9に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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