JP3374657B2 - 電子写真用キャリア、電子写真用現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真用キャリア、電子写真用現像剤及び画像形成方法

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JP3374657B2 JP13572396A JP13572396A JP3374657B2 JP 3374657 B2 JP3374657 B2 JP 3374657B2 JP 13572396 A JP13572396 A JP 13572396A JP 13572396 A JP13572396 A JP 13572396A JP 3374657 B2 JP3374657 B2 JP 3374657B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真法、あるい
は静電印刷などにおいて電気的潜像又は磁気的潜像を現
像するのに用いられる現像剤用キャリア及び現像剤に関
し、とりわけ帯電特性、耐久性及び画像特性を著しく改
良した電子写真用キャリア、該キャリアを用いた電子写
真用現像剤及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二成分系現像剤を構成するキャリアは、
導電性キャリアと絶縁性キャリアに大別され、導電性キ
ャリアとしては通常酸化又は未酸化の鉄粉が用いられる
が、この鉄粉キャリアを成分とする現像剤においては、
トナーの摩擦帯電性が不安定であり、また、現像剤によ
り形成される可視像にカブリが発生し易いという欠点が
ある。即ち、現像剤の使用に伴い鉄粉キャリア粒子の表
面にトナー粒子が付着・蓄積(トナースペント)する
為、キャリア粒子の電気抵抗が上昇してバイアス電流が
低下し、しかも摩擦帯電性が不安定となり、この結果、
形成される可視像の画像濃度が低下しカブリが増大す
る。従って、鉄粉キャリアを含有する現像剤を用いて電
子写真装置により連続的に印刷すると、少数回で現像剤
が劣化する為、現像剤を早期に交換することが必要とな
り、結局コストが高いものとなる。
【0003】また、絶縁性キャリアとしては、一般に
鉄,ニッケル,フェライト等の強磁性体より成るキャリ
アの芯材の表面を、樹脂等により均一に被覆したキャリ
アが代表的なものである。このキャリアを用いた現像剤
においては、キャリア表面にトナー粒子が融着すること
が導電性キャリアの場合に比べて著しく少なく、同時に
トナーとキャリアとの摩擦帯電性を制御することが容易
であり、耐久性に優れ、使用寿命が長い点で特に高速の
電子写真装置に好適であるという利点がある。
【0004】絶縁性キャリアに対して要求される特性は
種々あるが、特に重要な特性として適当な帯電性、耐衝
撃性、耐磨耗性、コアと被覆材料との良好な密着性、電
荷分布の均一性等を挙げることができる。
【0005】上記諸要求特性を考慮すると、従来使用さ
れてきた絶縁性キャリアは依然として改善すべき問題を
残しており、完全なものは今のところ知られていない。
例えば、アクリル系樹脂等をキャリアの被覆材として用
いる例が特開昭47−13954号公報,特開昭60−
208765号公報等で開示されており、ポリオレフィ
ン系樹脂をキャリアの被覆材として用いる例が特開昭5
2−154639号公報,特開昭54−35735号公
報等で開示されている。また、特に分子量について述べ
られているものとしては、特開昭60−208767号
公報等で開示されており、分子量を一定管理することに
より被覆されたキャリアの帯電性が安定化することが知
られている。ところが、被覆樹脂をキャリア芯材に付着
させるには、装置の条件や湿度等の被覆を行う環境の影
響を受けやすく、たとえそれらを厳しく管理しても樹脂
を安定的に芯材に付着させ、十分な帯電性、耐久性を持
たせる為には、未だ満足できるものがないのが現状であ
る。
【0006】さらに、近年、複写機の高精細,高画質化
の要求が市場では高まっており、当該技術分野ではトナ
ーの粒径を細かくして高画質化を達成しようという試み
がなされているが、トナーの粒径が細かくなると単位重
量当たりの表面積が増え、トナーの帯電量が大きくなる
ことに加えて帯電速度が遅くなる傾向にあり、画像濃度
薄や、カブリ、トナー飛散の如き耐久劣化が懸念される
ところである。
【0007】すなわち、静電潜像保持体に保持されてい
る静電潜像の現像において、トナーは比較的大粒子であ
るキャリアと混合され、電子写真用現像剤として用いら
れる。トナーとキャリアの両者の組成は、相互の接触摩
擦により、例えばトナーが光導電層上の電荷と反対の極
性を帯びるように選ばれる。両者の接触摩擦の結果、キ
ャリアはトナーを表面に静電的に付着させ、現像剤とし
て現像装置内を搬送し、静電潜像保持体の光導電層上に
トナーを供給する。
【0008】しかしながら、このような現像剤を用い、
電子複写装置で多数枚連続複写を行うと、初期には鮮明
で良好な画質を持った画像が得られるが、複写枚数が増
加するにつれ、カブリが多く、階調性及び鮮明性に乏し
い画像となる。
【0009】これは、補給トナーと現像剤中のキャリア
間の速やかな摩擦帯電の立ち上がりが悪くなり、不適正
な帯電量のトナーが現像に関与することに加え、トナー
スペントあるいはコート材の劣化によりキャリアの帯電
付与能が低下するためであり、用いられるトナーの粒径
が細かい程この現象が顕著となる。
【0010】そこで、特開平2−281280号公報で
は、微粉の存在量及び粗粉の存在量をコントロールした
粒度分布の狭いキャリアを提案して、現像特性の向上し
たキャリアが達成されている。さらにまた、細かい粒径
のトナー使用時における現像効率の向上を目的としてキ
ャリアの更なる小径化も試みられている。しかしなが
ら、このようなキャリアにおいては、トナーの環境ある
いは耐久による帯電量変化に対処できるだけの十分な品
質が得られておらず、高画像濃度,高画質,良好なカブ
リ防止及びキャリア付着防止の全てを達成することは難
しいのが実情である。
【0011】一方、上記の如き様々な問題を解決すべ
く、トナー側からの改良も積極的に行われている。
【0012】トナーの流動性を向上させ、補給トナーと
現像剤中のキャリア間の速やかな摩擦帯電の立ち上がり
を達成する手段として、例えば、特開昭46−5782
号公報,特開昭48−47345号公報,特開昭48−
47346号公報等では、シリカ微粉末をトナー粉末に
添加混合することが提案されている。
【0013】しかしながら、こういったトナーに対し十
分な流動性を付与しうる添加剤は粒径が非常に細かい必
要があり、結果としてキャリアコート材への添加剤の付
着といったキャリア汚染(いわゆるキャリアスペント)
や添加剤によるキャリア被覆材の磨耗が発生し易いこと
となり、キャリアの帯電付与能が低下するため、複写枚
数が増加するにつれカブリが多く階調性及び鮮明性に乏
しい画像となる。
【0014】このように、速やかな帯電の立ち上がり、
キャリアスペントの抑制を満足し、長期間の使用に対し
ても高画像濃度、カブリの無い高画質を十分満足しうる
現像剤は未だ得られていないのが実情である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
上記の如き従来の諸欠点、特に種々の環境下での帯電特
性、機械的強度、芯材との密着性、耐スペント性におい
て改良された耐久性の良い電子写真用キャリア、電子写
真用現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
【0016】また、本発明の目的は、トナー転写性の耐
久性が良好で、長期の使用においてもハイライト部の画
質劣化の見られない電子写真用現像剤及び画像形成方法
を提供することにある。
【0017】さらに、長期の使用においても感光体表面
に傷が発生しない電子写真用現像剤及び画像形成方法を
提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面がポリオ
レフィン系樹脂層で被覆されている磁性フェライト粉を
有する電子写真用キャリアにおいて、該フェライト粉が
下記式(1) (Fe23)x(MnO)y(A)z 式(1) [式中、AはNa2O,K2O,CaO,SrO又はそれ
らの混合物を示し、x,y及びzはモル分率を示し、か
つ下記条件 0.3<x<0.8,0.01<y<0.5,0<z<
0.69,x+y+z≦1 を満足する。]で示されるフェライト成分で構成されて
おり、該ポリオレフィン樹脂層がキャリア表面上に直接
重合被覆されていることを特徴とする電子写真用キャリ
ア及び該キャリアを有する電子写真用現像剤に関する
(以下において、「本発明1」は、この発明を意味す
る。)。
【0019】また、本発明は、少なくともトナー及びキ
ャリアを有する電子写真用現像剤において、該キャリア
は、表面がポリオレフィン系樹脂層で被覆されている磁
性フェライト粉を有しており、該フェライト粉が下記式
(2) (Fe23)x(A)y(B)z 式(2) [式中、AはMgO又はAg2O又はMgO+Ag2Oを
表し、BはLi2O,MnO2,CaO,SrO,Al2
3及びSiO2からなるグループから選ばれる一種また
は二種以上の金属元素を表し、x,y及びzは重量比を
表し、かつ下記条件 0.2≦x≦0.95,0.005≦y≦0.3,x+
y+z≦1 を満足する。]で示されるフェライト成分で構成されて
おり、該ポリオレフィン樹脂層がキャリア表面上に直接
重合被覆されており、該トナーは、105ポイズの見掛
け粘度を示す温度が80〜120℃の範囲にあることを
特徴とする電子写真用現像剤に関する(以下において、
「本発明2」は、この発明を意味する。)。
【0020】さらに、本発明は、少なくともトナー及び
キャリアを有する電子写真用現像剤において、該キャリ
アは、磁性芯材表面及び該磁性芯材表面を被覆するポリ
オレフィン樹脂層を有しており、該トナーは重量平均粒
径3〜9μmを有し、粒径4.00μm以下のトナー粒
子を10〜70個数%含有し、外添剤として少なくとも
アニオン重合触媒を構成しうる金属の化合物を含有して
おり、該トナーは、105ポイズの見掛け粘度を示す温
度が80〜120℃の範囲にあることを特徴とする電子
写真用現像剤に関する(以下において、「本発明3」
は、この発明を意味する。)。
【0021】さらに、本発明は、トナー及びキャリアを
有する二成分系現像剤を現像剤担持体で循環搬送し、現
像領域で静電潜像担持体に保持されている静電潜像を該
現像剤担持体に担持されている該二成分系現像剤のトナ
ーで現像する画像形成方法において、該キャリアは、磁
性芯材表面及び該磁性芯材表面を被覆するポリオレフィ
ン樹脂層を有しており、該トナーは、重量平均粒径3〜
9μmを有し、粒径4.00μm以下のトナー粒子を1
0〜70個数%含有し、外添剤として少なくともアニオ
ン重合触媒を構成しうる金属の化合物を含有しており、
該トナーは、外添剤として少なくともアニオン重合触媒
を構成しうる金属の化合物を含有しており、該トナーは
105ポイズの見掛け粘度を示す温度が80〜120℃
の範囲にあることを特徴とする画像形成方法に関する
(以下において、「本発明4」は、この発明を意味す
る。)。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明1のキャリアは、芯材表面
上でポリオレフィン系樹脂層が直接重合形成されている
が、その芯材組成に大きな特徴がある。
【0023】まず、Fe23は適正な磁気特性を得るた
めに必要な成分であり、特に磁気ブラシ現像方法におい
ては良好な画質を得ることができる。
【0024】アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の
酸化物を含有させることは、キャリア抵抗を適正範囲内
に維持しながら高湿下における帯電付与能を制御するの
に効果的であるが、特にMnOと併用することによりそ
の効果が飛躍的に増大する。
【0025】但し、本発明者等の詳細な検討によると、
全てのアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属が効果を
持つわけではなく、ある特定範囲内の物性値を持つ金属
原子にのみ効果が見られることが明らかとなった。
【0026】すなわち、各組成成分が相互に固溶しあ
い、結晶格子を構成して電気抵抗及び帯電量の制御が可
能となるには、含有される金属において適正なイオン半
径の範囲が必要であり、本発明者等が鋭意検討した結
果、Li+,Be2+及びMg2+のイオン半径では適正範
囲よりも小さく、また、Rb+及びCs+のイオン半径で
は適正範囲よりも大きく、いずれの場合も望ましいキャ
リア抵抗範囲よりも低抵抗となってしまい、電子写真用
キャリアとして用いるには不適当であった。また、帯電
量の制御には、金属のイオン化ポテンシャルが低いこと
及び高い原子状態が存在することが必要であり、Ba2+
のようにそれ以上高い原子価を持たない金属を含有させ
ても高い帯電量が得られないことも明らかとなってい
る。
【0027】前述したようにMnOを共存させた場合、
特に高い効果が得られる理由については明らかではない
が、Mn酸化物はFe23と互いに固溶してスピネル構
造を取りうることからある程度の抵抗制御が可能であ
り、また、イオン化ポテンシャルが低めでしかも高い原
子価状態を取りうることから比較的高い帯電能力を持つ
ことが原因の一つと考えられる。すなわち、MnOとア
ルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を共存させること
により、格子構造あるいは金属原子価状態がお互いに摂
動し合うため、それぞれの効果を相乗的に向上させ合う
ものと思われる。
【0028】MnOを必須成分とするフェライトキャリ
アとしては、特開昭58−123552号公報,特開昭
59−111159号公報,特公平6−23866号公
報にMnO及びMgOを必須成分とするフェライトキャ
リアが提案されており、特開昭58−215664号公
報,特開昭59−111926号公報,特開昭62−2
97857号公報にはMnO及びLi2Oを必須成分と
するフェライトキャリアが提案されている。しかしなが
ら、本発明者等の検討によれば、MgOあるいはLi2
OをMnOと共存させても抵抗調整の面で効果が不十分
であった。これは、前述したように、Li+あるいはM
2+等では安定で均一な結晶格子を構成するのに適正な
イオン半径の範囲よりずれているためと思われる。
【0029】また、特公平6−23866号公報におい
ては、フェライト組成中にMnO,MgOに加えて、さ
らにCu,Zn,Coの如き金属を共存させても良い旨
の提案がなされている。しかしながら、本発明者等の検
討によればこういった金属を含有させても、キャリアの
帯電付与能力を高めることは容易ではないことが明らか
となった。
【0030】これは、一般にキャリア中に含有される金
属のイオン化ポテンシャルとキャリアの帯電付与能力に
は相関が見られ、イオン化ポテンシャルが大きい程キャ
リアが正帯電し難いことより理解される。即ち、特公平
6−23866号公報に記載されているフェライト組成
中に含有される金属と、本発明において磁性フェライト
成分中に含有される金属とのイオン化ポテンシャルを比
較すると下記関係 Cu, Zn, Co>Na, K, Ca, Sr ( 大 ← イオン化ポテンシャル → 小 ) で示すような序列となり、Cu,Zn及びCoに比較し
てNa,K,Ca及びSrの方がイオン化ポテンシャル
が小さく、キャリア中に含有された場合、より正帯電す
るように作用するものと考えられる。
【0031】本発明1において用いられる磁性フェライ
ト成分は、下記式(1) (Fe23)x(MnO)y(A)z 式(1) [式中、AはNa2O,K2O,CaO,SrO又はそれ
らの混合物を示し、x,y及びzはモル分率を示し、か
つ下記条件 0.3<x<0.8,0.01<y<0.5,0<z<
0.69,x+y+z≦1 を満足する。]で示されるものである。
【0032】上記式(1)において、好ましくは、x,
y及びzが下記条件 0.3<x<0.8,0.01<y<0.5,0<z<
0.69,x+y<1,z=1−x−y を満足することが、より好ましくは 0.4<x<0.8,0.02<y<0.3,0<z<
0.3,x+y+z≦1 を満足することがキャリアの帯電能力の向上の点におい
て好ましいが、本発明においては、上記の磁性フェライ
ト成分の有する効果を妨げない0.03モル比以下の範
囲でその他の金属元素を、磁性キャリア芯材粒子の結晶
粒径の調整、焼成時の合一防止あるいは粒度分布調整を
目的として、磁性フェライト成分中に水酸化物、酸化
物、硫化物又は酸化合物塩等の形態で含有させても良
い。
【0033】上記式(1)において、xが0.3モル比
以下では抵抗が非常に高くなるため抵抗値の制御が困難
となり、xが0.8モル比以上では磁気特性が低下する
ため磁気ブラシ現像法に用いた場合に良好な画質が得ら
れにくい。yが0.01モル比以下ではキャリア抵抗及
び磁気特性の両方を適正範囲で制御することが難しく、
yが0.5モル比以上では磁気特性が低下してしまう。
zが0モルの場合、即ち(A)が含まれない場合には、
特に微粒径トナーと組み合わせた場合、帯電能力が低下
してしまい、耐久性が維持しにくくなる。
【0034】さらに本発明1においては、上記キャリア
芯材に対し、ポリオレフィン樹脂をキャリア表面上に直
接重合被覆する被覆方法と組み合わせることにより、帯
電特性及び転写性の耐久性を著しく向上させていること
も大きな特徴である。
【0035】ポリエチレン樹脂層を芯材表面上で直接重
合形成したキャリアの場合、耐スペント性は向上するも
ののポリエチレン樹脂層内には電荷をトラップするサイ
トが存在しないため、電子写真用現像剤に使用した場
合、トナーヘの帯電付与能が小さく帯電速度が遅いため
にトナーの帯電量分布がブロード化してトナーの転写性
が低下しハイライト部の画質ががさついたものとなり、
さらには長期間の使用時においてカブリ等の問題が発生
しやすい。加えて、被覆材となる樹脂がある程度の結晶
性を持つ場合キャリア芯材との密着性が不十分なため、
長期間の使用に伴い樹脂層の剥がれ等が起こりやすく、
芯材と樹脂間の電荷移動速度も遅いため、長期間の耐久
と共に帯電特性の低下が避けられない。
【0036】しかしながら、前述のフェライト組成より
成るキャリア芯材表面上にポリオレフィン樹脂層を直接
重合形成した場合、耐スペント性のみならず、被覆層の
磨耗や剥がれ、さらには帯電付与能、帯電速度、そして
帯電量分布の大幅な改良が可能となる。
【0037】この理由としては以下のように推察され
る。本発明1のキャリアにおいては負帯電付与能が高い
ことにより還元作用が強いものと考えられる。従って、
キャリア表面で還元重合反応が進行する場合触媒の能力
がより活性化され、形成された被覆樹脂において磨耗や
剥がれに強い分子量分布となっている可能性がある。
【0038】また、キャリア芯材自身の帯電付与能が高
いことにより、重合触媒及びポリオレフィン樹脂層を介
してのトナーヘの電荷注入能力も高いものと思われる。
【0039】さらにまた、上述した効果は式(1)にお
けるAがCaあるいはSrの場合特に顕著であった。
【0040】この理由として本発明者等は以下のように
考察している。本発明1においてキャリア表面の処理に
使用されるポリオレフィン重合用触媒中にはTi4+,M
2+が含有されている。前述のキャリア芯材の組成中に
アルカリ土類金属が含有されている場合、キャリアの表
面処理において同じアルカリ土類金属であるMg原子と
の親和性が向上し、あるいは一部原子の置換が起こり、
その結果、重合被覆されたポリオレフィン樹脂のキャリ
ア芯材表面への密着性も大幅に向上し、さらに被覆層と
キャリア芯材間の電荷移動速度も著しく改良されたもの
と考えられる。
【0041】加えて、この芯材構成成分との相互作用に
より重合時の触媒能力がさらに変化し、形成されるポリ
オレフィン樹脂の分子量分布が芯材表面への密着性、耐
磨耗性さらには耐スペント性により適正なものとなった
ことも推測される。
【0042】本発明2の現像剤は、少なくともトナー及
びキャリアを有しており、キャリアは、芯材表面上でポ
リオレフィン系樹脂層が直接重合形成されているが、そ
の芯材組成に大きな特徴がある。
【0043】本発明2において用いられる磁性フェライ
ト成分は、下記式(2) (Fe23)x(A)y(B)z 式(2) [式中、AはMgO又はAg2O又はMgO+Ag2Oを
表し、BはLi2O,MnO2,CaO,SrO,Al2
3及びSiO2からなるグループから選ばれる一種また
は二種以上の金属元素を表し、x,y及びzは重量比を
表し、かつ下記条件 0.2≦x≦0.95,0.005≦y≦0.3,x+
y+z≦1 を満足する。]で示される。
【0044】まず、Fe23は適性な磁気特性及び抵抗
特性を得るために必要な成分であり、特に磁気ブラシ現
像方法においては良好な画質を得ることができる。
【0045】上記式(2)において、xが0.2未満の
場合には磁気特性が低くなり、現像時のキャリア付着や
感光体表面の傷を生じさせやすく、xが0.95を超え
る場合にはフェライト芯材の抵抗が低くなりやすく、帯
電量及び画質の低下が見られる。yが0.005未満の
場合には適性な抵抗及び磁気特性が得られにくく、yが
0.3を超える場合にはキャリア粒子表面に均質化と球
状化が達成できなくなることがある。また、x+y+z
は必ずしも1である必要はなく、それ以外に、キャリア
芯材の特性を損ねない範囲で他の金属酸化物あるいは化
合物が含有されていても構わない。
【0046】本発明2に好適に用いられるA成分として
は、溶解度0.62mg/100mlのMgO、同じく
1.74mg/100mlのAg2Oを含有するフェラ
イト粒子であり、より好ましくは、芯材の抵抗安定性の
点で少なくともMgOを酸化物換算で0.5〜30重量
%含有するフェライト粒子が、表面均質化及び球状化が
容易で適度な水分を含有するために好ましい。
【0047】また、本発明2に好適に用いられるB成分
としては、Li2O,MnO2,CaO,SrO,Al2
3及びSiO2が挙げられるが、より好ましくは、高電
圧印加時にも抵抗低下の小さいMnO2,CaO,Al2
3及びSiO2が挙げられ、さらに好ましくは、補給ト
ナーとのなじみやすさの点で、MnO2,CaOが好ま
しい。
【0048】さらに本発明2においては、上記キャリア
芯材に対し、ポリオレフィン樹脂をキャリア表面上に直
接重合被覆する被覆方法と組み合わせていることも大き
な特徴である。
【0049】ポリエチレン樹脂層を芯材表面上で直接重
合形成したキャリアの場合、耐スペント性は向上するも
ののポリエチレン樹脂層内には電荷をトラップするサイ
トが存在しないため、電子写真用現像剤に使用した場
合、トナー及び超微粉の添加剤への帯電付与能が小さく
帯電速度が遅いために個々の添加剤を均一に帯電させる
ことが難しく、転写時に未転写の添加剤が多量に発生す
るため感光体表面の傷の発生が避けられない。
【0050】しかしながら、前述のフェライト組成より
成るキャリア芯材表面上にポリオレフィン樹脂層を直接
重合形成した場合、金属酸化物に対する帯電付与能が向
上し、未転写の添加剤が激減することにより、感光体表
面の傷の発生を抑制することが可能となる。
【0051】この理由については現在解明中であるが、
一つには、本発明2に係わるフェライト成分を構成する
金属元素はトナーに添加される金属酸化物との電荷移動
反応が速いことが考えられる。さらにまた、構成金属元
素の吸湿性の効果も考えられる。すなわち、フェライト
粒子に含有されるMgOあるいはAg2Oが適度な吸湿
性をもつため、キャリア芯材表面をポリオレフィン重合
触媒で処理する際その吸着水分により触媒活性が適度に
緩和され、被覆されるポリオレフィン樹脂の分子量ある
いはポリマー鎖間の隙間がキャリア表面とトナー用添加
剤との間の電荷の移動に適正なものとなること、さらに
は吸着水分が芯材表面と被覆層間の電荷移動反応速度を
促進させ、トナー用添加剤の帯電速度を向上させている
可能性もある。
【0052】なお、特開平2−33159号公報にも、
キャリア構成成分として前述の一般式(2)の一部を含
有することは記載されているが、本発明2においては、
特定の溶解度を有する金属酸化物を特定量含有させて、
キャリア芯材表面上にポリオレフィン樹脂層を直接重合
形成させることに特徴があり、その結果、キャリアの耐
久性のみならず感光体の寿命の大幅な改良を可能とする
ものであり、前記発明とは異なるものである。
【0053】また、MgOを含有するフェライトキャリ
アとしては、例えば特開昭59−111159号公報,
特開昭58−123551号公報,特開昭55−654
06号公報等に記載されているが、これらは表面被覆樹
脂との相互作用を意図したものではなく、本発明2とは
異なるものである。
【0054】さらに、特開平2−33159号公報に
は、MgOを含有させても良い記載はあるが、本発明2
の如く積極的にMgOを採用し、キャリア芯材表面をコ
ントロールし、反応性を高めようとする示唆は無く、や
はり本発明2とは異なるものである。
【0055】本発明3の現像剤においては、少なくとも
トナー及びキャリアを有しており、キャリアは、磁性芯
材表面及び該磁性芯材表面を被覆するポリオレフィン樹
脂層を有しており、かつトナーは、外添剤として少なく
ともアニオン重合触媒を構成しうる金属の化合物を含有
することを特徴とするものである。
【0056】この本発明3の現像剤には、上記の本発明
1及び2で説明したキャリアを用いることが好ましい形
態の一つであるが、必ずしもこれらのキャリアに限られ
るものではない。
【0057】本発明においては、キャリアとしてキャリ
ア芯材表面上でポリオレフィン系樹脂層が直接重合形成
されたものを使用することにより、現像剤としての耐久
性が飛躍的に向上することから好ましい。これは、キャ
リア表面全体が均一に樹脂被覆されているため、その耐
スペント性のみならず、被覆層の摩耗や剥がれの防止、
さらには帯電付与能及び帯電速度が大きく向上するため
である。
【0058】この効果は、ポリオレフィン樹脂層のGP
C分子量測定から得られる分子量分布において、分子量
が重量平均分子量5000以上、より好ましくは、70
00〜700000、さらには30000〜70000
0、さらには50000〜500000の高分子量の場
合に特に顕著である。さらに、その際、ポリオレフィン
樹脂のキャリア芯材表面への密着性の観点から数平均分
子量が2000〜30000の範囲にあることが好まし
い。
【0059】すなわち、重量平均分子量5000以上の
ポリオレフィン樹脂を成膜化した場合、膜の強度が高
く、かつ離型性に優れることから、キャリア表面に塗布
した場合、より耐久性及び耐スペント性が向上されるも
のと期待されるが、一般に重量平均分子量5000以上
のポリオレフィン樹脂は有機溶媒に対して溶解しずら
く、この溶解液をキャリア表面に湿式塗布して被覆層を
形成すると被覆層が不均一となりやすい。しかしなが
ら、キャリア表面上で直接重合した場合には、高分子量
のポリオレフィン樹脂層を均一に形成することができる
ため、耐久性が著しく向上することとなる。
【0060】ポリオレフィン樹脂の数平均分子量が20
00未満の場合には、成膜化した膜の強度が低下し、か
つ離型性が低下することから、キャリア表面に塗布した
場合、耐久性及び耐スペント性が低下しやすく、数平均
分子量が30000を超える場合には、キャリア芯材表
面に対するポリオレフィン樹脂の密着性が低下し、キャ
リア芯材表面に被覆したポリオレフィン樹脂の被覆層の
剥離が生じやすくなる。
【0061】これら本発明において、キャリアを製造す
るための方法としては、例えば、特開昭60−1068
08号公報あるいは特開昭60−106809号公報に
記載されている方法を用いることができる。また、製造
条件から分子量を適宜調整することにより、ポリオレフ
ィン樹脂層とキャリア芯材との密着性をより高めること
も可能であり、さらには、被覆後のキャリアを加熱処理
により球形化して使用することも好ましい使用形態の一
つである。
【0062】一方、本発明のポリオレフィン樹脂被覆キ
ャリアは、特にキャリア粒径が小さい場合に優れた帯電
特性を示すことも明らかとなった。一般にキャリア粒径
が小さくなるとキャリア表面積が増大するためトナーあ
るいは添加剤との摩擦帯電が有利となるが、逆にキャリ
ア表面全体を均一に樹脂被覆することが難しくなり、部
分的な帯電不良による転写性の低下、カブリ等の問題が
発生しやすい。しかしながら、本発明のキャリアにおい
ては、キャリア表面全体を均一に被覆することが可能で
あることにより、キャリア粒径が小さい場合でも良好な
帯電特性を示す。よって、添加剤を多量に含んだ粒径の
細かいトナー使用時のように、個々の添加剤粒子を均一
に帯電させることが難しい場合でも帯電不良の粒子の発
生が少なく、高精細な画像を得ることが可能である。
【0063】このように、本発明のキャリアは小さい粒
径で使用しても優れた帯電特性を示すため、比表面積が
大きい小粒径のトナーと組み合わせて使用することが可
能となる。
【0064】先述の如く、粒径の細かいトナーを用いた
場合には高画質化が達成できるが、反面、トナー比表面
積が増え、トナーの帯電量が大きくなることに加えて帯
電速度が遅くなる傾向にあり画像濃度薄や、カブリ、ト
ナー飛散の如き耐久劣化が発生し易い。加えて、トナー
比表面積が増加するためキャリアとの接触時間が長くな
り、キャリアスペントが生じ易くなるという問題点があ
る。
【0065】しかしながら、本発明の構成をとる粒径の
小さいキャリアと組み合わせることにより、キャリアス
ペントが見られず、かつ個々のトナー粒子を均一に帯電
させ、画像濃度薄や、カブリ、トナー飛散の如き耐久劣
化が防止でき、高精細な画像を長期に渡って得ることが
できる。
【0066】この適正なキャリア粒度としては、体積メ
ジアン径が10〜60μmのものが良く、10〜40μ
mのものならさらに好ましい。この範囲よりも小さくな
ると現像剤の流動性が低下し、現像器内における現像剤
の循環時の負荷が大きくなるため現像剤が劣化されやす
くなり、この範囲を超えてしまうと小粒径トナー使用時
に十分な帯電速度が得られにくい。さらには27.5μ
m以下の粒子を1.0〜80重量%含有していることが
より好ましい。この粒度分布構成により、キャリア表面
がある程度スペントした場合でも良好な帯電特性が維持
でき、耐久性がさらに向上する。27.5μm以下の粒
子が1.0%未満では耐久性の大幅な改良が難しく、8
0重量%を超えてしまうと現像時にキャリア付着が発生
しやすくなることに加え、現像剤の見掛け密度が増加す
るため、やはり現像器内における現像剤の循環時の負荷
が大きくなり現像剤が劣化しやすくなる。
【0067】さらにまた本発明のキャリアにおいては、
0.5kV〜1kVの電圧下における抵抗値が106
1011Ωcmであり、かつ79.6kA/m(1000
エルステッド)の印加磁場に対し飽和磁化が15〜85
Am2/kgの値を持つ場合に、現像剤としての耐久性
がより向上する。キャリア抵抗が1011Ωcmよりも高
くなると感光体と現像剤担持体間の現像電界の降下によ
り現像されやすいトナーの選択的な現像が起こりやすく
なるため現像されにくいトナーが蓄積し、この蓄積した
トナーがキャリア上に長時間滞在することによリキャリ
アスペントが発生しやすくなる。一方、キャリア抵抗が
106Ωcmよりも低い場合は、得られる画質が大きく
低下してしまい、小粒径のトナーを用いてもその高画質
化の効果が十分発揮されない。また、79.6kA/m
(1000エルステッド)の印加磁場に対する飽和磁化
が85Am2/kgより大きい場合、現像剤担持体近傍
での現像剤撹拌時において現像剤が劣化されやすいこと
により耐久性が低下し、15Am2/kgより小さい場
合は、補給トナーの混合が不十分となり帯電特性の耐久
性が低下すると共にキャリア現像、いわゆるキャリア付
着が発生する。
【0068】上記の抵抗範囲を有するキャリアを得る手
段としては、キャリア芯材での調整、被覆材被覆量から
の調整、あるいは被覆層内に導電性の添加剤を含有させ
ての調整等任意の手法を使用できる。係る導電性添加剤
としては、カーボンブラック、TiO2、SnO2等、添
加することによリキャリアの抵抗を低下せしめる材料で
あれば任意に選択することが可能である。
【0069】本発明におけるキャリアの芯材に用いられ
る磁性粒子の形態としては、種々の形状のフェライト粒
子、種々の樹脂と磁性粉との混合物から成る磁性粉分散
キャリア等を使用することができる。
【0070】かくして得られる本発明のキャリアは、公
知のトナーと混合して電子写真用の磁性ブラシ現像剤と
して使用することもできるが、係るトナーが重量平均粒
径3〜9μmを有し、外添剤としてアニオン重合触媒を
構成しうる金属からなる化合物をトナーの流動性あるい
は帯電特性等を改良する目的で外添混合されている場
合、これらのキャリア及びトナーから構成される本発明
の現像剤(特に本発明3)は、キャリア表面の被覆層の
磨耗や剥がれが見られず、高精細な画像を長期に渡って
与える非常に優れた耐久特性を示すことが明らかとなっ
た。この理由については明らかではないが、耐久時に外
添剤によって被覆層の磨耗や剥がれが発生した際、切断
された部分が外添剤構成成分であるアニオン重合触媒用
金属により直ちに修復されるためと考えられる。
【0071】このアニオン重合触媒を構成しうる金属と
しては、原子半径が小さすぎるものは好ましくない。こ
れは、原子半径が小さい場合金属と被覆樹脂との相互作
用が大きくなり、重合反応の逆反応である開裂反応が促
進されることにより耐久時の被覆層の磨耗や剥がれが悪
化するためと思われる。
【0072】この外添剤中に含有される金属の好ましい
原子半径の目安としては、化学便覧(日本化学会編)基
礎編II−714頁,表15・21中の原子間結合距離
のデータを参考にすると、金属酸化物を形成する際の酸
素との結合距離として1.7Å以上の値を有するものが
好ましい結果を与えることが分かった。
【0073】また、トナーに外添されているアニオン重
合触媒を構成しうる金属からなる化合物としては、表面
が疎水化処理された平均粒径0.005〜0.2μmの
金属酸化物であることが好ましい。疎水化処理により一
次粒子の凝集が防止されることに加え高湿下での帯電特
性が向上するため、トナーと外添混合した際高い流動性
及び良好な帯電特性を有するトナーが得られる。ここ
で、金属酸化物の疎水化度としては40〜75%が好ま
しい結果を与える。40%未満では高湿下における帯電
量が低下して耐久性に乏しいものとなり、75%を超え
るまで疎水化処理したものは金属酸化物とキャリア被覆
樹脂間の相互作用が妨げられるため被覆樹脂の修復効果
が低下して耐久性が低下すると共に、低湿下において耐
久時に帯電量の上昇が発生しやすくなる。
【0074】また、金属酸化物の平均粒径が0.2μm
より大きい場合は流動性付与能が低く、0.005μm
未満の場合は耐久時にトナーに埋め込まれ易くなり、現
像剤としての耐久性が低下することとなる。
【0075】さらに、こういった金属酸化物によるキャ
リア被覆樹脂の修復作用を高めるために表面積の大きい
ものを使用することも肝要である。具体的には、金属酸
化物のBET比表面積として90m2/g以上のものを
使用すると非常に好ましい結果が得られる。また、トナ
ーに対する添加量も重要であり、その添加量をトナーに
対してA重量%、金属酸化物のBET比表面積をBm2
/gとした時、A×B=50〜300となるように使用
するのが良い。50未満では被覆樹脂の修復作用が不十
分であり、300を超える場合修復反応の逆平衝が見ら
れるようになるため、被覆樹脂の削れや剥がれが逆に発
生しやすくなることがある。
【0076】これら金属酸化物の具体的化合物として
は、疎水化処理されたアルミナあるいは酸化チタンが流
動性付与能及び帯電特性の両方の面で好ましく使用され
る。なお、被覆樹脂の修復作用においては金属酸化物の
結晶構造も重要であり、特にγ−アルミナあるいはアモ
ルファス型酸化チタンが修復作用効果が高い。これらの
化合物は単独で、あるいは併用して、もしくは他の外添
剤と混合して用いることができる。
【0077】さらに、本発明に係るトナーとして重量平
均粒径3〜9μmのトナーを用いることも必須技術であ
る。これにより、高画質な画像を長期間安定に得ること
ができる。この理由としては、本発明のキャリアにより
粒径の細かい個々のトナー粒子を均一に帯電させ得るこ
とにより、帯電不良トナーの発生が少なく高精細な画像
が得られることに加え、微少粒径のトナーは粒度分布幅
が狭いため選択的現像が起こりにくいことが考えられ
る。その際、粒径4.00μm以下の粒径の粒子を10
〜70個数%含有するトナーを使用すると、選択的現像
性がさらに抑制され、長期に渡りよりいっそう高精細な
画像を得ることが可能となる。4.00μm以下の粒径
のトナー粒子が10個数%未満であると、高画質のため
には必須な成分である微小のトナー粒子が少なく、長期
の使用により高画質の再現に必要なトナー粒子成分が減
少してトナーの粒度分布のバランスがくずれ、画質が低
下する傾向を示す。一方、70個数%を超えると、トナ
ー粒子相互の凝集状態が生じ易く、トナー塊となり易い
ため、荒れた画質となったり、解像性を低下させたり、
又は、潜像のエッジ部と内部との濃度差が大きくなり、
中抜け気味の画像となり易い。
【0078】なお、トナーの粒径が細かくなるにつれ、
一般に、流動性向上剤等の添加量を増量する必要がある
が、結果として、こういった添加剤微粉体によるキャリ
ア表面被覆樹脂の削れが悪化し易く、耐久性の低下を招
き易い。
【0079】しかしながら、本発明の如く、特定の表面
構成を有するキャリア及び特定の外添剤を含有するトナ
ーを組み合わせて使用することにより、耐久性の低下が
大幅に低減されることとなる。
【0080】さらに、酸価として1〜30KOHmg/
gの値を持つトナーを使用することがより好ましい。酸
価が1KOHmg/g未満のトナーを用いた場合は帯電
速度が低下しやすく、低湿下での耐久特性も低下し、酸
価が30KOHmg/gを超えるとトナー表面の電荷が
漏洩しやすくなり、耐久と共に帯電特性が低下してしま
う。
【0081】また、ガラス転移温度が45〜70℃の範
囲にあり、さらには105ポイズの見掛け粘度を示す温
度が80〜120℃の範囲にあるトナーを使用すること
が、よりいっそう好ましい。ガラス転移温度が45℃未
満あるいは105ポイズの見掛け粘度を示す温度が80
℃未満の場合、現像剤の長期使用時にキャリアスペント
が発生しやすく、ガラス転移温度が70℃より高いかあ
るいは105ポイズの見掛け粘度を示す温度が120℃
より高い場合、現像剤の耐久性を維持したままトナー転
写体上へのトナーの定着性を維持することが困難とな
る。
【0082】トナー用結着樹脂としては特に制限は無い
が、C,H以外の原子から成る極性基を含有することが
好ましい。これにより、極性が低いポリオレフィン樹脂
とトナーとの親和性が低下し、トナーによるキャリアス
ペントがさらに抑制されるためである。具体的指標とし
て、17.0(J/cm31/2以上の溶解度パラメータ
ーの値を持つ高分子をトナー用結着樹脂として使用する
と、良好な耐久性が得られる。
【0083】ここで、ポリマーの溶解度パラメーターは
以下の手順で見積もることができる。溶解度パラメータ
ーの値の少しずつ異なる一連の溶媒及び混合溶媒に測定
するポリマーを添加し、最も良く解ける溶媒の溶解度パ
ラメーターをポリマーの溶解度パラメーターとする。溶
解しにくいポリマーは、膨潤量が最大となる溶媒の溶解
度パラメーターをポリマーの溶解度パラメーターとす
る。
【0084】また、本発明に係わるトナー中に、ポリエ
チレンあるいはポリプロピレン等のワックス状物質を添
加して用いることも、より好ましい結果を与える。こう
いった添加剤は、一般に、熱ロール定着時の離型性を良
くする目的で使用されるが、本発明においては現像剤の
耐久性がさらに向上することとなる。その理由は不明で
あるが、こういったワックス状物質がキャリア表面にお
けるコート材の削れ部、あるいは剥がれ部の修復に使用
されるためと考えられる。このワックス状物質の添加量
としては、0.1〜20.0重量%が好ましい。0.1
重量%未満では、修復作用によるキャリアの耐久性の向
上が見られず、20.0重量%を超えると、トナーとキ
ャリアとの親和性が向上し、トナーによるキャリアスペ
ントが悪化するためキャリアの耐久性が逆に低下してし
まう傾向にある。
【0085】本発明に係わるキャリアとトナーとを混合
して本発明に係わる二成分現像剤を調製する場合、その
混合比率は現像剤中のトナー濃度として2.0〜15重
量%が好ましく、さらに好ましくは3.0〜14重量%
にすると非常に良好な結果が得られる。トナー濃度が
2.0重量%未満では画像濃度が低いことに加え耐久時
の画質の劣化が著しく実用不可となり、15重量%を超
える場合ではカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤の
耐用寿命を短めることとなる。
【0086】次に上記二成分系現像剤を用いた本発明4
の画像形成方法について説明する。
【0087】本発明の画像形成方法は、トナー及びキャ
リアを有する二成分系現像剤を現像剤担持体上で循環搬
送し、潜像保持体とそれに対向する現像担持体の現像領
域で潜像保持体に保持されている潜像を該現像剤担持体
上の二成分系現像剤のトナーで現像するものである。
【0088】キャリアの磁気特性は現像スリーブに内蔵
されたマグネットローラーによって影響され、現像剤の
現像特性及び搬送性に大きく影響を及ぼすものである。
【0089】本発明の画像形成方法においては、現像ス
リーブ(現像剤担持体)とこれに内蔵されたマグネット
ローラーのうち、例えばマグネットローラーを固定して
現像スリーブを単体で回転し、磁性粒子からなるキャリ
アと絶縁性カラートナーからなる二成分系現像剤を現像
スリーブ上で循環搬送し、該二成分系現像剤にて静電潜
像保持体表面に保持された静電潜像を現像するものであ
る。
【0090】本発明の画像形成方法においては、特に
該マグネットローラーが反発極を有する5極構成とし、
現像領域における磁束密度が500〜1200ガウス
であり、キャリアの飽和磁化が20〜70Am2/k
gである場合には、カラー複写において画像の均一性や
階調再現性にすぐれ好適である。
【0091】本発明の画像形成方法においては、現像領
域で現像バイアスを印加して静電潜像を二成分系現像剤
のトナーで現像することが好ましい。
【0092】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形
成装置を図3を用いて説明する。
【0093】図3において、画像形成装置は、静電潜像
保持体としての感光ドラム1を有し、現像装置4にて、
現像容器66の内部は、隔壁67によって現像室(第1
室)R1と撹拌室(第2室)R2とに区画され、撹拌室R
2の上方には隔壁67を隔ててトナー貯蔵室R3が形成さ
れている。現像室R1及び撹拌室R2内には現像剤69が
収容されており、トナー貯蔵室R3内には補給用トナー
(非磁性トナー)68が収容されている。なお、トナー
貯蔵室R3には補給口70が設けられ、補給口70を経
て消費されたトナーに見合った量の補給用トナー68が
撹拌室R2内に落下補給される。
【0094】現像室R1内には搬送スクリュー63が設
けられており、この搬送スクリュー63の回転駆動によ
って現像室R1内の現像剤69は、現像スリーブ61の
長手方向に向けて搬送される。同様に、貯蔵室R2内に
は搬送スクリュー64が設けられ、搬送スクリュー64
の回転によって、補給口70から撹拌室R2内に落下し
たトナーを現像スリーブ61の長手方向に沿って搬送す
る。
【0095】現像剤69は、非磁性トナーと磁性キャリ
アとを有した二成分系現像剤である。
【0096】現像容器66の感光ドラム1に近接する部
位には開口部が設けられ、該開口部から現像スリーブ6
1が外部に突出し、現像スリーブ61と感光ドラム1と
の間には間隙が設けられている。非磁性材にて形成され
る現像スリーブ61には、バイアスを印加するためのバ
イアス印加手段80が配置されている。
【0097】現像スリーブ61内に固定された磁界発生
手段としてのマグネットローラ、即ち磁石62は、上述
したように、現像磁極S2とその下流に位置する磁極N2
と、現像剤69を搬送するための磁極N3、S1、N1
を有する。磁石62は、現像磁極S2が感光ドラム1に
対向するように現像スリーブ61内に配置されている。
現像磁極S2は、現像スリーブ61と感光ドラム1との
間の現像部の近傍に磁界を形成し、該磁界によって磁気
ブラシが形成される。
【0098】現像スリーブ61の上方に配置され、現像
スリーブ61上の現像剤69の層厚を規制する規制ブレ
ード65は、アルミニウム、SUS316の如き非磁性
材料で作製される非磁性ブレード65の端部と現像スリ
ーブ61面との距離は300〜2000μm、好ましく
は400〜1500μmである。この距離が300μm
より小さいと、磁性キャリアがこの間に詰まり現像剤層
にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行うのに必要
な現像剤を塗布することが出来ず濃度の薄いムラの多い
現像画像しか得られないという問題点がある。現像剤中
に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆるブ
レードづまり)を防止するためには400μm以上が好
ましい。1000μmより大きいと現像スリーブ61上
へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制
が行えず、感光ドラム1への磁性キャリア粒子の付着が
多くなると共に現像剤の循環,非磁性ブレード65によ
る現像規制が弱まりトナーのトリボが不足しカブリやす
くなるという問題点がある。
【0099】角度θ1は−5°〜35°、好ましくは0
°〜25°である。θ1<−5°の場合、現像剤に働く
磁気力,鏡映力,凝集力等により形成される現像剤薄層
がまばらでムラの多いものとなり、θ>35°の場合は
非磁性ブレードでは現像剤塗布量が増加し、所定の現像
剤量を得ることが難しい。
【0100】この磁性キャリア粒子層は、スリーブ61
が矢印方向に回転駆動されても磁気力,重力に基づく拘
束力とスリーブ61の移動方向への搬送力との釣合によ
ってスリーブ表面から離れるに従って動きが遅くなる。
もちろん重力の影響により落下するものもある。
【0101】従って磁極N1とN2の配設位置と磁性キャ
リア粒子の流動性及び磁気特性を適宜選択する事により
磁性キャリア粒子層はスリーブに近い程磁極N1方向に
搬送し移動層を形成する。この磁性キャリア粒子の移動
により現像スリーブ61の回転に伴なって現像領域へ現
像剤は搬送され現像に供される。71は、上流側トナー
飛散抑制部であり、72は下流側トナー飛散抑制部であ
り、この上流側トナー飛散抑制部71及び下流側トナー
飛散抑制部72によってトナー飛散の発生を抑えてい
る。
【0102】以下に、本発明における測定方法について
述べる。
【0103】(1)キャリアの粒度分布の測定 装置は、レーザー回折式粒度分布測定装置HELOS
(日本電子社製)に乾式分散装置RODOS(日本電子
社製)を装備し、0.05μm〜200μmの範囲を3
2対数分割することによって、分散圧300kPaの条
件下で3回測定し、その平均をとってキャリアの体積粒
度分布とした。そこから本発明に係るキャリア粒径並び
に27.5μm以下の粒径の粒子の含有量を求めた。な
お、本発明における粒径はメジアン径(50%平均粒
径)とした。
【0104】(2)キャリアの磁気特性の測定 装置は、BHU−60型磁化測定装置(理研測定製)を
用いた。測定試料は約1.0g秤量し内径7mmφ,高
さ10mmのセルにつめ、前記の装置にセットする。測
定は、印加磁場を徐々に加え最大238.8kA/m
(3000エルステッド)まで変化させる。次いで印加
磁場を減少せしめ、最終的に記録紙上に試料のヒステリ
シスカーブを得る。これより、飽和磁化、残留磁化、保
磁力を求める。
【0105】(3)キャリア粒子の電気抵抗の測定 方法キャリア粒子の抵抗値の測定は、図1に示すセルを
用いて測定した。すなわち、セルAにキャリア粒子を充
填し、該充填キャリア粒子に接するように電極11及び
12を配置し、該電極間に0.5〜1kVの直流電圧を
印加し、その時流れる電流を測定することにより求め
た。その測定条件は、充填キャリア粒子のセルとの接触
面積S=2cm2,厚みd=3mm,上部電極の荷重1
5kgである。尚、13は絶縁体、14はアンペアメー
ター、15はボルトメーター、16はボルテージスタビ
ライザー、17はキャリア粒子、18はガイドリングで
ある。
【0106】(4)トナーの粒度分布(重量平均粒径)
の測定 トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンター
TA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コー
ルター社製)を用いて測定可能であるが、本発明におい
てはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用
い、個数分布,体積分布を出力するインターフェイス
(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピュータ
ー(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウム
を用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、IS
OTON R−II(コールターサイエンティフィック
ジャパン社製)が使用できる。測定法としては前記電解
水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性
剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.
1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分
散処理を行い前記コールターマルチサイザーによりアパ
ーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μ
m以上のトナーの体積,個数を各チャンネル毎に測定し
て体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明
に係わる所の、4.00μm以下の粒径の粒子の個数%
及び体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径
(D4)を求めた。
【0107】(5)外添剤(金属化合物)の個数平均粒
径の測定 トナー粒子上の個数平均粒径は、走査型電子顕微鏡を使
用し、5万倍で観察し、視野中の100個の粒子をX線
マイクロアナライザー(XMA)にて定性し、その粒子
径を測定して、個数平均粒径を求めた。
【0108】(6)酸価測定法 サンプル2〜10gを200〜300mlの三角フラス
コに秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合
溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。溶解性が悪いよ
うであれば少量のアセトンを加えても良い。0.1%の
ブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬
を用い、あらかじめ標定されたN/10アルカリ性水酸
化カリウムアルコール溶液で滴定し、その消費量から次
の計算で酸価を求める。
【0109】 酸価=KOH溶液消費量(ml)×N×56.1/試料重量(g) (但し、NはN/10KOHのファクター)
【0110】(7)ガラス転移温度Tgの測定 本発明においては、示差熱分析測定装置(DSC測定装
置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いて測
定する。測定試料は5〜20mg、好ましくは10mg
を精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファ
レンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30
〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿
下で測定を行う。この昇温過程で、温度40〜100℃
の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
このときの吸熱ピークが出る前と出た後でのベースライ
ンの中間点の線と示差熱曲線との交点を、本発明におけ
るガラス転移温度Tgとする。
【0111】(8)トナー粘度の測定 フローテスターCFT−500型(島津製作所製)を用
いる。試料は60メッシュパス品を約1.0g秤量す
る。これを成型器を使用し、100kg/cm2の荷重
で一分間加圧する。この加圧サンプルを下記の条件で、
常温常湿下(温度約20〜30℃、湿度30〜70%R
H)でフローテスター測定を行い、見掛け粘度略vs.
温度曲線を得る。得られたスムース曲線より、試料が1
5ポイズの粘度を示した時の温度を求める。
【0112】 RATE TEMP 6.0 D/M (℃/分) SET TEMP 50.0 DEG (℃) MAX TEMP 180.0 DEG (℃) INTERVAL 3.0 DEG PREHEAT 300.0 SEC (秒) LOAD 20.0 KGF (kg) DIE(DIA) 1.0 MM (mm) DIE(LENG) 1.0 MM (mm) PLUNGER 1.0 CM2 (cm2
【0113】(9)帯電量測定 図2はトナーの帯電量を測定する装置の説明図である。
先ず、底に500メッシュのスクリーン23のある金属
製の測定容器22に、摩擦帯電量を測定しようとするト
ナーとキャリアの混合物(現像剤)約0.5〜1.0g
を入れ、金属製のふた24をする。このときの測定容器
22全体の重量を秤りW1(kg)とする。次に、吸引
機21(測定容器22と接する部分は少なくとも絶縁
体)において、吸引口27から吸引し風量調節弁26を
調整して真空計25の圧力を2450Pa(250mm
Aq)とする。この状態で十分、好ましくは約2分間吸
引を行いトナーを吸引除去する。このときの電位計29
の電位をV(ボルト)とする。ここで28はコンデンサ
ーであり容量をC(mF)とする。また、吸引後の測定
容器全体の重量を秤りW2(kg)とする。このときの
トナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下記式の如く計算
される。
【0114】 トナーの摩擦帯電量(mC/kg)=(C×V)/(W1−W2
【0115】(10)カブリ濃度測定 カブリの評価は、東京電色社製のREFLECTOME
TER MODELTC−6DSを使用してグリーンフ
ィルターにより測定し、下記式より算出した。数値が小
さい程、カブリが少ない。
【0116】
【数1】
【0117】(11)疎水化度測定 本明細書において規定される疎水化度は、以下に示すメ
タノール滴定試験により測定される。外添用化合物0.
2gを容器中の水500mlに添加する。メタノールを
ビューレットから外添用化合物の全量が湿潤されるまで
測定する。この際、容器内の溶液はマグネチックスター
ラーで常時撹拌する。その終点は外添用化合物の全量が
液体中に懸濁されることによって観察され、疎水化度は
終点に達した際のメタノール及び水の液状混合物中のメ
タノールの重量%として表される。
【0118】(12)BET比表面積の測定 BET比表面積は、湯浅アイオニクス(株)製、全自動
ガス吸着量測定装置、オートソーブ1を使用し、吸着ガ
スに窒素を用い、BET多点法により求める。なお、サ
ンプルの前処理としては、50℃で10時間の脱気を行
う。
【0119】(13)ポリオレフィン樹脂の分子量の測
定 分子量の測定は、ウォーターズ社製ゲルパーミエイショ
ンクロマトグラフィ(GPC)測定装置、GPC−15
0Cを使用し、以下の条件で測定した。 カラム:GMH−HT30cm 2連(東ソー(株)社製) 温度:145℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加) 流速:1.0 ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入 キャリア被覆樹脂の分子量測定の場合は、トルエン溶媒
を用いて20時間ソックスレー抽出を行い、抽出液より
トルエンをエバポレーター等で除去、乾燥した後、得ら
れた固形分を試料として用いる。試料の分子量算出にあ
たっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分
子量較正曲線を使用し、算出される。
【0120】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はな
んらこれらに限定されるものではない。「部」は「重量
部」を意味する。
【0121】<本発明1>キャリア製造例1 アルゴン置換した500mlのフラスコに精製n−ヘプ
タン100ml、ステアリン酸マグネシウム10g及び
四塩化チタン0.33gを入れ、昇温して環流下2時間
反応させチタン含有触媒成分を得た。別に用意した30
00mlのフラスコに精製n−ヘプタン1000ml、
減圧下150℃で脱水乾燥した表1に示す内容のフェラ
イト微粉末600g及びチタン含有触媒成分0.6g
(0.1ミリモル相当)を入れ、昇温して環流下1時間
加熱処理を行い、混合物(1)を得た。次に、アルゴン
置換した容積3000mlのオートクレーブ中に混合物
(1)を入れ、精製n−ヘプタンを加えて全量を150
0mlとした後、トリエチルアルミニウムを10ミリモ
ル、ジエチルアルミニウムモノクロライドを10ミリモ
ル添加し、80℃に昇温後、水素を392kPa(4k
g/cm2G)まで供給し、全圧を882kPa(9k
g/cm2G)に保つようエチレンガスを連続的に供給
しながら30分間重合反応を行い、ポリオレフィン樹脂
被覆キャリア(1)を得た。
【0122】キャリア製造例2〜5 キャリア芯材として表1に示した内容のものを使用し、
キャリア製造例1と同様の方法でポリオレフィン樹脂被
覆キャリア2〜5を得た。
【0123】
【表1】
【0124】黒色粉体製造例1 ・プロポキシ化ビスフェノール/エトキシ化ビスフェノール(モル比1:1) とフマル酸/トリメリット酸(モル比19:1) を縮合して得られたポリエステル樹脂 100部 ・カーボンブラック 5部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム化合物 3部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸
押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを
用いて約1mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット
方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉
砕物を風力分級して、重量平均粒径が7μmである黒色
粉体(1)を得た。
【0125】トナー製造例1 黒色粉体(1)100部と、表面を疎水化処理した酸化
チタン微粉末(平均粒径0.05μm)1.5部とをヘ
ンシェルミキサーで混合し、トナー(1)を得た。
【0126】トナー製造例2 黒色粉体(1)100部と、表面を疎水化処理したアル
ミナ微粉末(平均粒径0.04μm)1.5部とをヘン
シェルミキサーで混合し、トナー(2)を得た。
【0127】先述した分析方法により、上記トナー
(1)及び(2)の物性値として酸価13KOHmg/
g、Tg=64℃、105ポイズの見掛け粘度を示す温
度が114℃という値が得られた。
【0128】実施例1 トナー(1)とキャリア(1)とをトナー濃度13%で
混合して現像剤を作製し、図3に示す画像形成装置とし
て現像剤担持体(スリーブ)の回転速度が感光体の回転
速度に対し周速比で0.7倍となるように改造したカラ
ー複写機CLC‐500(キヤノン製)を用いて耐刷試
験を行った。まず、現像剤の入った現像器を30℃/9
0%の環境下で2時間空回転を行った後、現像器を複写
機本体に戻して画像面積比率30%のオリジナル原稿を
用い10000枚画出しを行った。以下の実験例と合わ
せて結果を表2に示す。表2に示したように、上述の現
像剤は空回転による劣化及び耐刷試験において、帯電量
変化や画像特性の劣化が少なく、良好な転写性を維持し
うることにより非常に良好なハイライト部画質を常に与
え、スペントやトナー飛散も見られない非常に良好な耐
久性を示す結果が得られた。
【0129】実施例2 トナー(1)をトナー(2)に変えて実施例1と同様の
実験を行ったところ、表2に示すように非常に良好な転
写性(ハイライト部画質)及び耐久性を示す結果が得ら
れた。
【0130】実施例3 キャリア(1)をキャリア(2)に変え、トナー濃度1
0%で混合して現像剤を作製し実施例1と同様の実験を
行ったところ、耐久後機内に若干のトナー飛散がみられ
た。キャリア粒径が大きいためキャリア表面積が小さ
く、帯電特性が低下したためと考えられるが、実用上は
問題の無いレベルであり、その他の特性も問題無かっ
た。
【0131】実施例4 キャリア(1)をキャリア(3)に変えて実施例1と同
様の実験を行ったところ、表2に示すように非常に良好
な転写性(ハイライト部画質)及び耐久性を示す結果が
得られた。
【0132】実施例5,6 キャリア(1)をキャリア(4),(5)に変えて実施
例1と同様の実験を行ったところ、耐久後のキャリア表
面上にトナースペントが僅かにみられた。芯材成分中に
アルカリ土類金属が含有されていないため重合触媒の密
着性あるいは触媒活性がやや不十分なためとも思われる
が、実用上は問題無く、その他の耐久特性に関しても表
2に示すように特に問題の無い結果が得られた。
【0133】
【表2】 表中、〇:非常に良好 △:実用上問題無し ×:問題有り(実用不可)
【0134】<本発明2>キャリア製造例6 アルゴン置換した500mlのフラスコに精製n−ヘプ
タン100ml、ステアリン酸マグネシウム10g及び
四塩化チタン0.33gを入れ、昇温して環流下2時間
反応させチタン含有触媒成分を得た。別に用意した30
00mlのフラスコに精製n−ヘプタン1000ml、
減圧下150℃で脱水乾燥した表3に示す組成内容のフ
ェライト微粉末600g及びチタン含有触媒成分0.6
g(0.1ミリモル相当)を入れ、昇温して環流下1時
間加熱処理を行い、混合物(6)を得た。次に、アルゴ
ン置換した容積3000mlのオートクレーブ中に混合
物(6)を入れ、精製n−ヘプタンを加えて全量を15
00mlとした後、トリエチルアルミニウムを10ミリ
モル、ジエチルアルミニウムモノクロライドを10ミリ
モル添加し、80℃に昇温後、水素を392kPa(4
kg/cm2G)まで供給し、全圧を882kPa(9
kg/cm2G)に保つようエチレンガスを連続的に供
給しながら40分間重合反応を行い、表3に示した物性
値から成るポリオレフィン樹脂被覆キャリア(6)を得
た。
【0135】キャリア製造例7〜11 キャリア芯材として表3に示した内容のものを使用し、
キャリア製造例6と同様の方法で表3に示すようなポリ
オレフィン樹脂被覆キャリア(7)〜(11)を得た。
【0136】
【表3】
【0137】黒色粉体製造例2,3 ・プロポキシ化ビスフェノール/エトキシ化ビスフェノール(モル比1:1) とフマル酸/トリメリット酸(モル比19:1) を縮合して得られたポリエステル樹脂 100部 ・カーボンブラック 4部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム化合物 3部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸
押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを
用いて約1mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット
方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに、得られた微
粉砕物を風力分級して、重量平均粒径が7μmである黒
色粉体(2)、及び重量平均粒径が10μmである黒色
粉体(3)を得た。
【0138】トナー製造例3 黒色粉体(2)100部と、表面を疎水化処理した酸化
チタン微粉末(平均粒径0.05μm)3.0部とをヘ
ンシェルミキサーで混合し、トナー(3)を得た。
【0139】トナー製造例4 黒色粉体(2)100部と、表面を疎水化処理したアル
ミナ微粉末(平均粒径0.04μm)3.0部とをヘン
シェルミキサーで混合し、トナー(4)を得た。
【0140】トナー製造例5 黒色粉体(3)100部と、トナー製造例3で使用した
酸化チタン微粉末3.0部とをヘンシェルミキサーで混
合し、トナー(5)を得た。
【0141】先述した分析方法により、上記トナー
(3)〜(5)の物性値として酸価14KOHmg/
g、Tg=63℃、105ポイズの見掛け粘度を示す温
度が116℃という値が得られた。
【0142】実施例7 トナー(3)とキャリア(6)とをトナー濃度8%で混
合して現像剤を作製し、図3に示す画像形成装置として
カラー複写機CLC−500(キヤノン製)を用いて3
0℃/90%の温度/湿度環境下で画像面積比率30%
のオリジナル原稿を使用し10000枚画出しによる耐
刷試験を行い、試験後、感光体上の傷の様子を目視によ
り観察した。耐久性の結果と合わせ、以下の実験例と共
に結果を表4に示す。表4に示したように、上述の現像
剤は耐刷試験において、帯電量変化や画像特性の劣化が
少なく、キャリアのスペントやトナー飛散も見られない
だけでなく、試験後の感光体上に傷が全く見られない非
常に良好な耐久性を示す結果が得られた。
【0143】実施例8 トナー(3)をトナー(4)に変えて実施例7と同様の
実験を行ったところ、表4に示すように非常に良好な結
果が得られた。
【0144】実施例9 トナー(5)とキャリア(6)とをトナー濃度10%で
混合して現像剤を作製し、実施例7と同様の実験を行っ
たところ、使用後の感光体上に若干の傷が見られた。ト
ナー粒径が大きくトナー表面積が小さいためトナー表面
に保持されない添加剤が発生したためと考えられるが、
画像上は間題が無かった。
【0145】実施例10 キャリア(6)をキャリア(7)に変え、トナー濃度6
%で混合して現像剤を作製し実施例7と同様の実験を行
ったところ、耐久後機内に若干のトナー飛散がみられ、
感光体上に若干の傷も見られた。キャリア粒径が大きい
ためキャリア表面積が小さく、添加剤への帯電付与能が
低下したためと考えられるが、実用上は間題の無いレベ
ルであり、その他の特性も間題無かった。
【0146】実施例11 キャリア(6)をキャリア(8)に変えて実施例7と同
様の実験を行ったところ、表4に示すように非常に良好
な結果が得られた。
【0147】実施例12 キャリア(6)をキャリア(9)に変えて実施例7と同
様の実験を行ったところ、耐久後機内に若干のトナー飛
散がみられ、感光体上に若干の傷も見られた。キャリア
の抵抗が高いため帯電速度が低下したためと考えられる
が、実用上は問題の無いレベルであり、その他の特性も
問題無かった。
【0148】実施例13 キャリア(6)をキャリア(10)に変えて実施例7と
同様の実験を行ったところ、耐久後機内に若干のトナー
飛散がみられ、感光体上に若干の傷も見られた。キャリ
アの抵抗が低いため高湿下での帯電付与能が低下したた
めと考えられるが、実用上は問題の無いレベルであり、
その他の特性も問題無かった。
【0149】実施例14 キャリア(6)をキャリア(11)に変えて実施例7と
同様の実験を行ったところ、耐久後の感光体上に若干の
傷が見られた。フェライト構成成分のA(この場合Mg
O)の含有量が少なめであることにより添加剤の帯電速
度が低下したためと考えられるが、実用上は問題の無い
レベルであり、その他の特性も問題無かった。
【0150】実施例15 トナー濃度を14%とする以外は実施例7と同様の実験
を行ったところ、耐久後機内に若干のトナー飛散がみら
れ、感光体上に若干の傷も見られた。トナー濃度が高い
ことにより帯電速度が低下したためと考えられるが、実
用上は間題の無いレベルであり、その他の特性も問題無
かった。
【0151】
【表4】 表中、〇:非常に良好 △:実用上問題無し
【0152】<本発明3>キャリア製造例12 アルゴン置換した500mlのフラスコに精製n−ヘプ
タン100ml、ステアリン酸マグネシウム10g及び
四塩化チタン0.33gを入れ、昇温して環流下2時間
反応させチタン含有触媒成分を得た。別に用意した30
0mlのフラスコに精製n−ヘプタン1000ml、減
圧下150℃で脱水乾燥したフェライト微粉末600g
及びチタン含有触媒成分0.6g(0.1ミリモル相
当)を入れ、昇温して環流下1時間加熱処理を行い、混
合物(12)を得た。次に、アルゴン置換した容積30
00mlのオートクレーブ中に混合物(12)を入れ、
精製n−ヘプタンを加えて全量を1500mlとした
後、トリエチルアルミニウムを10ミリモル、ジエチル
アルミニウムモノクロライドを10ミリモル添加し、8
0℃に昇温後、水素を392kPa(4kg/cm
2G)まで供給し、全圧を882kPa(9kg/cm2
G)に保つようエチレンガスを連続的に供給しながら3
0分間重合反応を行い、表5に示した物性値を持つポリ
オレフィン樹脂被覆キャリア(12)(被覆樹脂の重量
平均分子量360000、数平均分子量9500)を得
た。
【0153】キャリア製造例13 キャリア製造例12において、フェライト微粉末600
gに対し、さらにカーボンブラックを0.lg加えるこ
とにより、表5に示した物性値を持つポリオレフィン樹
脂被覆キャリア(13)を得た。
【0154】キャリア製造例14 低密度ポリエチレン樹脂のキシレン溶液(ポリエチレン
樹脂固形分0.5重量%)400部を用い、キャリア製
造例12で使用したフェライト微粉末100部に対して
スピラコーター(岡田精工社製)によリポリエチレン樹
脂を塗布し、表7に示した物性値を持つポリオレフィン
樹脂被覆キャリア(14)(被覆樹脂の重量平均分子量
35000、数平均分子量9400)を得た。
【0155】キャリア製造例15〜19 キャリア製造例12において、フェライト微粉末あるい
は重合条件を種々変えることにより、表5に示した物性
値を持つポリエチレン樹脂被覆キャリア(15)〜(1
9)を得た。
【0156】
【表5】
【0157】黒色粉体製造例4 ・プロポキシ化ビスフェノール/エトキシ化ビスフェノール(モル比1:1) とフマル酸/トリメリット酸(モル比19:1)を縮合して得られた ポリエステル樹脂(溶解度パラメーター:22.1(J/cm31/2) 100部 ・ポリプロピレン 2部 ・カーボンブラック 5部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム化合物 5部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸
押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを
用いて約1mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット
方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに、得られた微
粉砕物を風力分級して、重量平均粒径が7μmである黒
色粉体(4)を得た。
【0158】黒色粉体製造例5 黒色粉体製造4と同様の材料及び手法により、重量平均
粒径が10μmである黒色粉体(5)を得た。
【0159】黒色粉体製造例6〜9 黒色粉体製造例4において、プロポキシ化ビスフェノー
ル/エトキシ化ビスフェノールのモル比、トリメリット
酸の添加量を調整して黒色粉体(6)〜(9)を得た。
【0160】黒色粉体製造例10 黒色粉体製造例4において、ポリプロピレンを使用せず
に、黒色粉体製造例4と同様の手法により、黒色粉体
(10)を得た。
【0161】黒色粉体製造例11 ポリエステル樹脂に変えてスチレン−n−ブチルアクリ
レート−メチルアクリレート樹脂(溶解度パラメータ
ー:18.2(J/cm31/2)を用いる以外は黒色粉
体製造例4と同様の手法により、黒色粉体(11)を得
た。
【0162】黒色粉体製造例12 ポリエステル樹脂に変えてブタジエン−スチレン−イソ
ブチレン樹脂(溶解度パラメーター:16.8(J/c
31/2)を用いる以外は黒色粉体製造例4と同様の手
法により、黒色粉体(12)を得た。
【0163】黒色粉体製造例13,14 黒色粉体製造例4と同様の材料及び手法により、重量平
均粒径8.6μm、8.8μmの黒色粉体(13)、
(14)を得た。
【0164】トナー製造例6 黒色粉体(4)100部と、表面を疎水化処理したアモ
ルファス型酸化チタン微粉末(BET比表面積130m
2/g、疎水化度71%、平均粒径0.03μm)1.
5部とをヘンシェルミキサーで混合し、表6に示す内容
のトナー(6)を得た。
【0165】トナー製造例7 黒色粉体(4)100部と、トナー製造例6で使用した
酸化チタン微粉末2.5部とをヘンシェルミキサーで混
合し、表6に示す内容のトナー(7)を得た。
【0166】トナー製造例8 黒色粉体(4)100部と、表面を疎水化処理したアモ
ルファス型酸化チタン微粉末(BET比表面積91m2
/g、疎水化度80%、平均粒径0.04μm)1.5
部とをヘンシェルミキサーで混合し、表6に示す内容の
トナー(8)を得た。
【0167】トナー製造例9 黒色粉体(4)100部と、表面を疎水化処理したアモ
ルファス型酸化チタン微粉末(BET比表面積87m2
/g、疎水化度73%、平均粒径0.04μm)1.5
部とをヘンシェルミキサーで混合し、表6に示す内容の
トナー(9)を得た。
【0168】トナー製造例10 黒色粉体(4)100部と、トナー製造例6で使用した
酸化チタン微粉末0.35部とをヘンシェルミキサーで
混合し、表6に示す内容のトナー(10)を得た。
【0169】トナー製造例11 黒色粉体(4)100部と、表面を疎水化処理したアナ
ターゼ型酸化チタン微粉末(BET比表面積100m2
/g、疎水化度61%、平均粒径0.05μm)1.5
部とをヘンシェルミキサーで混合し、表6に示す内容の
トナー(11)を得た。
【0170】トナー製造例12,13 黒色粉体(4)100部と、表面を疎水化処理したγ−
アルミナ微粉末(BET比表面積170m2/g、疎水
化度67%、平均粒径0.03μm)1.5部、あるい
はシリカ微粉末(BET比表面積110m2/g、疎水
化度73%、平均粒径0.03μm)1.5部とをヘン
シェルミキサーで混合し、表6に示す内容のトナー(1
2),(13)を得た。
【0171】トナー製造例14 黒色粉体(5)100部と、トナー製造例6で使用した
アモルファス型酸化チタン微粉末1.0部とをヘンシェ
ルミキサーで混合し、表6に示す内容のトナー(14)
を得た。
【0172】トナー製造例15〜23 黒色粉体(6)〜(14)100部と、トナー製造例6
で使用したアモルファス型酸化チタン微粉末1.5部と
をヘンシェルミキサーで混合し、表6に示す内容のトナ
ー(15)〜(23)を得た。
【0173】
【表6】
【0174】実施例16 トナー(6)とキャリア(12)とをトナー濃度7%で
混合して現像剤を作製し、図3に示す画像形成装置とし
てカラー複写機CLC−500(キヤノン製)を用い、
20℃/10%の環境下、まず画像面積比率25%のオ
リジナル原稿を用いて10000枚画出しを行い、続け
て画像面積比率5%のオリジナル原稿を用いてさらに1
0000枚画出しを行った。以下の実験例と合わせて結
果を表7に示す。表7に示したように、上述の現像剤は
耐刷試験における帯電量変化や画像特性の劣化も少な
く、スペントやトナー飛散も見られない非常に良好な耐
久性を示す結果が得られた。
【0175】実施例17 トナー(7)とキャリア(12)とを使用し実施例16
と同様の実験を行ったところ、耐久と共に帯電量が若干
低下及びカブリの僅かな悪化が見られ、耐久後のキャリ
ア表面のSEM観察において多少のキャリアスペントが
見られた。外添剤のBET比表面積×外添量の値が32
5と高いため被覆樹脂の修復反応の逆反応が進行しやす
くなったことが考えられるが、実用上は問題の無いレベ
ルであった。
【0176】実施例18 トナー(8)とキャリア(12)とを使用し実施例16
と同様の実験を行ったところ、耐久と共に帯電量が若干
上昇し、画像濃度が僅かに低下した。また、耐久後のキ
ャリア表面のSEM観察において多少のキャリアスペン
トが見られた。外添剤の疎水化度が高いためと思われる
が、実用上は問題の無いレベルであった。
【0177】実施例19 トナー(9)とキャリア(12)とを使用し実施例16
と同様の実験を行ったところ、耐久と共に帯電量が若干
低下及びカブリの僅かな悪化が見られ、耐久後のキャリ
ア表面のSEM観察において多少のキャリアスペントが
見られた。外添剤のBET比表面積小さいため被覆樹脂
の修復反応が小さいことが考えられるが、実用上は問題
の無いレベルであった。
【0178】実施例20 トナー(10)とキャリア(12)とを使用し実施例1
6と同様の実験を行ったところ、耐久と共に帯電量が若
干低下及びカブリの僅かな悪化が見られ、耐久後のキャ
リア表面のSEM観察において多少のキャリアスペント
が見られた。外添剤のBET比表面積×外添量の値が4
6と小さいため被覆樹脂の修復反応が小さいことが考え
られるが、実用上は問題の無いレベルであった。
【0179】実施例21 トナー(11)とキャリア(12)とを使用し実施例1
6と同様の実験を行ったところ、耐久と共に帯電量が若
干低下及びカブリの僅かな悪化が見られ、耐久後のキャ
リア表面のSEM観察において多少のキャリアスペント
が見られた。外添剤がアナターゼ型チタンであり、その
結晶構造ゆえにアニオン重合触媒能が高くないことが考
えられるが、実用上は問題の無いレベルであった。
【0180】実施例22 トナー(12)とキャリア(12)とを使用し実施例1
6と同様の実験を行ったところ、表7に示すように非常
に良好な結果が得られた。
【0181】実施例23 トナー(6)とキャリア(13)とを使用し実施例16
と同様の実験を行ったところ、表7に示すように非常に
良好な結果が得られた。
【0182】実施例24 トナー(6)とキャリア(14)とを使用し実施例16
と同様の実験を行ったところ、耐久と共に帯電量の若干
の低下及びカブリの僅かな悪化が見られ、耐久後のキャ
リア表面のSEM観察において多少のキャリアスペント
が見られると共に、機内に多少のトナー飛散も見られ
た。キャリアの被覆方法が湿式コート法のためポリエチ
レン樹脂の被覆状態が不均一であること、さらにトナー
の摩擦帯電状態が均一でないこと等考えられるが、実用
上は問題の無いレベルであった。
【0183】実施例25 トナー(6)とキャリア(15)とをトナー濃度5%で
混合して現像剤を作製し実施例16と同様の実験を行っ
たところ、耐久と共に帯電量の若干の低下及びカブリの
僅かな悪化が見られ、耐久後機内に多少のトナー飛散が
見られた。キャリア表面積が小さいため帯電速度が不十
分なためと考えられるが、実用上問題の無いレベルであ
った。
【0184】実施例26 トナー(6)とキャリア(16)とを使用し実施例16
と同様の実験を行ったところ、耐久後のキャリア表面の
SEM観察において多少のキャリアスペントが見られ
た。キャリアの抵抗が高すぎるため現像されにくいトナ
ーが長時間キャリア上に滞在したためと考えられるが、
実用上は問題の無いレベルであった。
【0185】実施例27 トナー(6)とキャリア(17)とを使用し実施例16
と同様の実験を行ったところ、キャリアの抵抗が低すぎ
るため得られた画像の画質は良くなく、カブリも多少悪
化したものの、実用上は問題の無い耐久性を示す結果が
得られた。
【0186】実施例28 トナー(6)とキャリア(18)とを使用し実施例16
と同様の実験を行ったところ、耐久後のキャリア表面の
SEM観察において多少のキャリアスペントが見られ
た。キャリアの飽和磁化が高すぎるため現像器内での混
合時の現像剤劣化が促進されたためと考えられるが、実
用上は問題の無いレベルであった。
【0187】実施例29 トナー(6)とキャリア(19)とを使用し実施例16
と同様の実験を行ったところ、若干のキャリア付着に加
え耐久と共に帯電量が若干低下し、耐久後機内に多少の
トナー飛散が見られた。キャリアの飽和磁化が低すぎる
ため現像剤と補給トナーとの混合が不十分なことによる
と考えられるが、実用上は問題の無いレベルであった。
【0188】参考例1 トナー(14)とキャリア(12)とをトナー濃度9%
で混合して現像剤を作製し実施例16と同様の実験を行
ったところ、耐久性は良好であったが、トナー粒径が大
きいため耐久を通して画質があまり良くなかった。
【0189】実施例30 トナー(15)とキャリア(12)とを使用し実施例1
6と同様の実験を行ったところ、耐久と共に帯電量が若
干低下し、カブリの多少の悪化と共に耐久後機内に多少
のトナー飛散が見られた。トナーの酸価が低いために帯
電速度が遅いためと考えられるが、実用上は問題の無い
レベルであった。
【0190】実施例31 トナー(16)とキャリア(12)とを使用し実施例1
6と同様の実験を行ったところ、耐久と共に帯電量が若
干低下し、カブリの悪化及び耐久後機内に多少のトナー
飛散が見られた。トナーの酸価が高いためトナー上の電
荷が漏洩し帯電量が低下したためと考えられるが、実用
上は問題の無いレベルであった。
【0191】参考例2 トナー(17)とキャリア(12)とを使用し実施例1
6と同様の実験を行ったところ、耐久と共に帯電量が若
干低下し、カブリの悪化及び耐久後機内に多少のトナー
飛散が見られ、さらに耐久後のキャリア表面のSEM観
察において多少のキャリアスペントが見られた。トナー
のTg及び105ポイズの粘度を示す温度が低いために
トナーの耐劣化性が低いためと考えられるが、実用上は
問題の無いレベルであった。
【0192】参考例3 トナー(18)とキャリア(12)とを使用し実施例1
6と同様の実験を行ったところ、トナーのTg及び10
5ポイズの粘度を示す温度が高いためにトナーの定着性
が悪く画像濃度が低めとなったものの、非常に良好な耐
久性を示す結果が得られた。
【0193】実施例32 トナー(19)とキャリア(12)とを使用し実施例1
6と同様の実験を行ったところ、耐久と共に帯電量が若
干低下し、カブリの悪化及び耐久後機内に多少のトナー
飛散が見られ、さらに耐久後のキャリア表面のSEM観
察において多少のキャリアスペントが見られたものの、
実用上は問題の無いレベルであった。
【0194】実施例33 トナー(20)とキャリア(12)とを使用し実施例1
6と同様の実験を行ったところ、表7に示すように非常
に良好な結果が得られた。
【0195】実施例34 トナー(21)とキャリア(12)とを使用し実施例1
6と同様の実験を行ったところ、耐久と共に帯電量が若
干低下し、カブリの悪化及び耐久後機内に多少のトナー
飛散が見られ、さらに耐久後のキャリア表面のSEM観
察において多少のキャリアスペントが見られた。トナー
の製造に使用した樹脂の溶解度パラメータが低いため、
キャリアコート樹脂であるポリエチレン樹脂との親和性
が高く、キャリアがスペントしやすくなったためと思わ
れるが実用上は問題の無いレベルであった。
【0196】実施例35 トナー(22)とキャリア(12)とをトナー濃度9%
で混合して現像剤を作製し実施例16と同様の実験を行
ったところ、画質及び耐久性共に良好であった。
【0197】参考例4 トナー(23)とキャリア(12)とをトナー濃度9%
で混合して現像剤を作製し実施例16と同様の実験を行
ったところ、耐久性は良好であったが、4μm以下のト
ナー粒子が少ないため画質の低下が見られた。
【0198】実施例36 トナー濃度を1%とする以外は実施例16と同様の実験
を行ったところ、画質の劣化が顕著であったが、その他
の耐久性は表7に示すように非常に良好であった。
【0199】実施例37 トナー濃度を16%とする以外は実施例16と同様の実
験を行ったところ、カブリがあまり良くなく、耐久後機
内に多少のトナー飛散が見られたが実用上は問題の無い
レベルであった。
【0200】比較例1 キャリア製造例12で使用したフェライト微粉末のノン
コート品とトナー(6)とを使用し実施例16と同様の
実験を行ったところ、耐久と共に帯電量が低下し、カブ
リの悪化、耐久後の機内のトナー飛散及びキャリアスペ
ントが見られた。
【0201】参考例5 トナー(13)とキャリア(12)とを使用し実施例1
6と同様の実験を行ったところ、耐久と共に帯電量が低
下し、カブリの悪化、耐久後の機内のトナー飛散及びキ
ャリアスペントが見られた。重合触媒能を持たない疎水
化処理シリカを外添剤として用いた場合、耐久による被
覆層の磨耗や剥がれが修復されず、劣化したキャリア表
面部分にキャリアスペントが発生,成長したためと考え
られる。
【0202】
【表7】 表中、 ○:非常に良好 △:実用上問題無し
×:問題有り
【0203】
【発明の効果】本発明のキャリアは、帯電速度が速く、
高い帯電量付与能と耐久性を持っており、このキャリア
を使用した電子写真用現像剤は優れた耐久性を示し、良
好な画像特性を安定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャリアの抵抗を測定する装置の説明図であ
る。
【図2】トナーの帯電量を測定する装置の説明図であ
る。
【図3】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装
置の概略図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡戸 謙次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 井田 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 飯田 育 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 久木元 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−70857(JP,A) 特開 平5−204184(JP,A) 特開 平8−202084(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 - 9/113

Claims (49)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面がポリオレフィン系樹脂層で被覆さ
    れている磁性フェライト粉を有する電子写真用キャリア
    において、該フェライト粉が下記式(1) (Fe23)x(MnO)y(A)z 式(1) [式中、AはNa2O,K2O,CaO,SrO又はそれ
    らの混合物を示し、x,y及びzはモル分率を示し、か
    つ下記条件 0.3<x<0.8,0.01<y<0.5,0<z<
    0.69,x+y+z≦1 を満足する。] で示されるフェライト成分で構成されており、該ポリオ
    レフィン樹脂層がキャリア表面上に直接重合被覆されて
    いることを特徴とする電子写真用キャリア。
  2. 【請求項2】 該式(1)におけるx,y及びzが、下
    記条件 0.3<x<0.8,0.01<y<0.5,0<z<
    0.69,x+y<1,z=1−x−y を満足することを特徴とする請求項に記載の電子写真
    用キャリア。
  3. 【請求項3】 該キャリアが、10〜60μmの体積メ
    ジアン径を有することを特徴とする請求項又はに記
    載の電子写真用キャリア。
  4. 【請求項4】 該キャリアが、0.5kV〜1kVの電
    圧下において106〜1011Ωcmの抵抗値を持つこと
    を特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の電子写
    真用キャリア。
  5. 【請求項5】 該キャリアが、79.6kA/m(10
    00エルステッド)の印加磁場に対し飽和磁化が15〜
    85Am2/kgの値を持つことを特徴とする請求項
    乃至のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  6. 【請求項6】 少なくともトナー及びキャリアを有する
    電子写真用現像剤において、該キャリアが、表面をポリ
    オレフィン系樹脂層で被覆されている磁性フェライト粉
    を有しており、該フェライト粉が下記式(1) (Fe23)x(MnO)y(A)z 式(1) [式中、AはNa2O,K2O,CaO,SrO又はそれ
    らの混合物を示し、x,y及びzはモル分率を示し、か
    つ下記条件 0.3<x<0.8,0.01<y<0.5,0<z<
    0.69,x+y+z≦1 を満足する。] で示されるフェライト成分で構成されており、該ポリオ
    レフィン樹脂層がキャリア表面上に直接重合被覆されて
    いることを特徴とする電子写真用現像剤。
  7. 【請求項7】 該式(1)におけるx,y及びzが、下
    記条件 0.3<x<0.8,0.01<y<0.5,0<z<
    0.69,x+y<1,z=1−x−y を満足することを特徴とする請求項に記載の電子写真
    用現像剤。
  8. 【請求項8】 該キャリアが、10〜60μmの体積メ
    ジアン径を有することを特徴とする請求項又はに記
    載の電子写真用現像剤。
  9. 【請求項9】 該キャリアが、0.5kV〜1kVの電
    圧下において106〜1011Ωcmの抵抗値を持つこと
    を特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の電子写
    真用現像剤。
  10. 【請求項10】 該キャリアが、79.6kA/m(1
    000エルステッド)の印加磁場に対し飽和磁化が15
    〜85Am2/kgの値を持つことを特徴とする請求項
    乃至のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  11. 【請求項11】 該トナーが、重量平均粒径1〜9μm
    を有していることを特徴とする請求項乃至10のいず
    れかに記載の電子写真用現像剤。
  12. 【請求項12】 該トナーが、少なくとも結着樹脂及び
    着色剤を有する電子写真用トナーであって、該トナーが
    酸価1〜30KOHmg/gを有することを特徴とする
    請求項乃至11のいずれかに記載の電子写真用現像
    剤。
  13. 【請求項13】 該トナーのガラス転移温度が45〜7
    0℃の範囲にあることを特徴とする請求項乃至12
    いずれかに記載の電子写真用現像剤。
  14. 【請求項14】 該トナーが、105ポイズの見掛け粘
    度を示す温度が80〜120℃の範囲にあることを特徴
    とする請求項6乃至13のいずれかに記載の電子写真用
    現像剤。
  15. 【請求項15】 該トナーが、外添剤として少なくとも
    アニオン重合触媒を構成しうる金属からなる化合物を含
    有することを特徴とする請求項乃至14のいずれかに
    記載の電子写真用現像剤。
  16. 【請求項16】 該アニオン重合触媒を構成しうる金属
    が、酸素との結合距離として1.7Å以上の値を有する
    ことを特徴とする請求項15に記載の電子写真用現像
    剤。
  17. 【請求項17】 該外添剤が、疎水化処理された平均粒
    径0.005〜0.2μmの金属酸化物であることを特
    徴とする請求項15又は16に記載の電子写真用現像
    剤。
  18. 【請求項18】 該外添剤が、アルミ化合物及び/又は
    チタン化合物であることを特徴とする請求項15乃至
    のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  19. 【請求項19】 現像剤中におけるトナー濃度が2〜1
    5重量%であることを特徴とする請求項乃至18のい
    ずれかに記載の電子写真用現像剤。
  20. 【請求項20】 少なくともトナー及びキャリアを有す
    る電子写真用現像剤において、該キャリアは、表面がポ
    リオレフィン系樹脂層で被覆されている磁性フェライト
    粉を有しており、該フェライト粉が下記式(2) (Fe23)x(A)y(B)z 式(2) [式中、AはMgO又はAg2O又はMgO+Ag2Oを
    表し、BはLi2O,MnO2,CaO,SrO,Al2
    3及びSiO2からなるグループから選ばれる一種また
    は二種以上の金属元素を表し、x,y及びzは重量比を
    表し、かつ下記条件 0.2≦x≦0.95,0.005≦y≦0.3,x+
    y+z≦1 を満足する。] で示されるフェライト成分で構成されており、該ポリオ
    レフィン樹脂層がキャリア表面上に直接重合被覆されて
    おり該トナーは、10 5 ポイズの見掛け粘度を示す温度が8
    0〜120℃の範囲にある ことを特徴とする電子写真用
    現像剤。
  21. 【請求項21】 該キャリアが、10〜60μmの体積
    メジアン径を有することを特微とする請求項20に記載
    の電子写真用現像剤。
  22. 【請求項22】 該キャリアが、0.5kV〜1kVの
    電圧下において106〜1011Ωcmの抵抗値を持つこ
    とを特徴とする請求項2021に記載の電子写真用現
    像剤。
  23. 【請求項23】 該キャリアが、79.6kA/m(1
    000エルステッド)の印加磁場に対し飽和磁化が15
    〜85Am2/kgの値を持つことを特徴とする請求項
    20乃至22のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  24. 【請求項24】 該トナーが、重量平均粒径1〜9μm
    を有していることを特徴とする請求項20乃至23のい
    ずれかに記載の電子写真用現像剤。
  25. 【請求項25】 該トナーが、少なくとも結着樹脂及び
    着色剤を有する電子写真用トナーであって、該トナーが
    酸価1〜30KOHmg/gを有することを特徴とする
    請求項20乃至24のいずれかに記載の電子写真用現像
    剤。
  26. 【請求項26】 該トナーのガラス転移温度が45〜7
    0℃の範囲にあることを特徴とする請求項20乃至25
    のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  27. 【請求項27】 該トナーが、外添剤として少なくとも
    アニオン重合触媒を構成しうる金属からなる化合物を含
    有することを特徴とする請求項20乃至26のいずれか
    に記載の電子写真用現像剤。
  28. 【請求項28】 該アニオン重合触媒を構成しうる金属
    が、酸素との結合距離として1.7Å以上の値を有する
    ことを特徴とする請求項27に記載の電子写真用現像
    剤。
  29. 【請求項29】 該外添剤が、疎水化処理された平均粒
    径0.005〜0.2μmの金属酸化物であることを特
    徴とする請求項27又は28に記載の電子写真用現像
    剤。
  30. 【請求項30】 該外添剤が、アルミ化合物及び/又は
    チタン化合物であることを特徴とする請求項27乃至
    のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  31. 【請求項31】 現像剤中におけるトナー濃度が2〜1
    5重量%であることを特徴とする請求項20乃至30
    いずれかに記載の電子写真用現像剤。
  32. 【請求項32】 少なくともトナー及びキャリアを有す
    る電子写真用現像剤において、 該キャリアは、磁性芯材表面及び該磁性芯材表面を被覆
    するポリオレフィン樹脂層を有しており、 該トナーは重量平均粒径3〜9μmを有し、粒径4.0
    0μm以下のトナー粒子を10〜70個数%含有し、外
    添剤として少なくともアニオン重合触媒を構成しうる金
    属の化合物を含有しており、 該トナーは、10 5 ポイズの見掛け粘度を示す温度が8
    0〜120℃の範囲にある ことを特徴とする電子写真用
    現像剤。
  33. 【請求項33】 該ポリオレフィン樹脂層は、該磁性芯
    材表面上に直接重合被覆したものであることを特徴とす
    る請求項32に記載の電子写真用現像剤。
  34. 【請求項34】 該ポリオレフィン樹脂層は、GPC分
    子量測定から得られる分子量分布において、重量平均分
    子量が5000以上であることを特徴とする請求項32
    又は33に記載の電子写真用現像剤。
  35. 【請求項35】 該ポリオレフィン樹脂層は、GPC分
    子量測定から得られる分子量分布において、重量平均分
    子量が7000乃至700000の範囲内であることを
    特徴とする請求項32又は33に記載の電子写真用現像
    剤。
  36. 【請求項36】 該ポリオレフィン樹脂層は、GPC分
    子量測定から得られる分子量分布において、重量平均分
    子量が30000乃至700000の範囲内であること
    を特徴とする請求項32又は33に記載の電子写真用現
    像剤。
  37. 【請求項37】 該ポリオレフィン樹脂層は、GPC分
    子量測定から得られる分子量分布において、重量平均分
    子量が50000乃至500000の範囲内であること
    を特徴とする請求項32又は33に記載の電子写真用現
    像剤。
  38. 【請求項38】 該ポリオレフィン樹脂層は、GPC分
    子量測定から得られる分子量分布において、数平均分子
    量が2000乃至30000の範囲内であることを特徴
    とする請求項34乃至37のいずれかに記載の電子写真
    用現像剤。
  39. 【請求項39】 該アニオン重合触媒を構成しうる金属
    が、酸素との結合距離として1.7Å以上の値を有する
    ことを特徴とする請求項32乃至38のいずれかに記載
    の電子写真用現像剤。
  40. 【請求項40】 該キャリアが、10〜60μmの体積
    メジアン径を有し、27.5μm以下のキャリア粒子を
    1.0〜80重量%含有していることを特徴とする請求
    32乃至39のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  41. 【請求項41】 該キャリアが、0.5kV〜1kVの
    電圧下において106〜1011Ωcmの抵抗値を持つこ
    とを特徴とする請求項32乃至40のいずれかに記載の
    電子写真用現像剤。
  42. 【請求項42】 該キャリアが、79.6kA/m(1
    000エルステッド)の印加磁場に対し飽和磁化が15
    〜85Am2/kgの値を持つことを特徴とする請求項
    32乃至41のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  43. 【請求項43】 該トナーが、少なくとも結着樹脂及び
    着色剤を有する電子写真用トナーであって、該トナーが
    酸価1〜30KOHmg/gを有することを特徴とする
    請求項32乃至42のいずれかに記載の電子写真用現像
    剤。
  44. 【請求項44】 該トナーのガラス転移温度が45〜7
    0℃の範囲にあることを特徴とする請求項32乃至43
    のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  45. 【請求項45】 該外添剤が、疎水化処理された平均粒
    径0.005〜0.2μmの金属酸化物であることを特
    徴とする請求項32乃至44のいずれかに記載の電子写
    真用現像剤。
  46. 【請求項46】 該外添剤が、アルミ化合物及び/又は
    チタン化合物であることを特徴とする請求項32乃至
    のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  47. 【請求項47】 現像剤中におけるトナー濃度が2〜1
    5重量%であることを特徴とする請求項32乃至46
    いずれかに記載の電子写真用現像剤。
  48. 【請求項48】 トナー及びキャリアを有する二成分系
    現像剤を現像剤担持体で循環搬送し、現像領域で静電潜
    像担持体に保持されている静電潜像を該現像剤担持体に
    担持されている該二成分系現像剤のトナーで現像する画
    像形成方法において、 該キャリアは、磁性芯材表面及び該磁性芯材表面を被覆
    するポリオレフィン樹脂層を有しており、 該トナーは、重量平均粒径3〜9μmを有し、粒径4.
    00μm以下のトナー粒子を10〜70個数%含有し、
    外添剤として少なくともアニオン重合触媒を構成しうる
    金属の化合物を含有しており、 トナーは、外添剤として少なくともアニオン重合触媒
    を構成しうる金属の化合物を含有しており、該トナーは
    10 5 ポイズの見掛け粘度を示す温度が80〜120℃
    の範囲にあることを特徴とする画像形成方法。
  49. 【請求項49】 該二成分系現像剤は、請求項33乃至
    47のいずれかの電子写真用現像剤であることを特徴と
    する請求項48に記載の画像形成方法。
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