JP3374114B2 - 蛍光x線分析装置 - Google Patents

蛍光x線分析装置

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JP3374114B2 JP2000056659A JP2000056659A JP3374114B2 JP 3374114 B2 JP3374114 B2 JP 3374114B2 JP 2000056659 A JP2000056659 A JP 2000056659A JP 2000056659 A JP2000056659 A JP 2000056659A JP 3374114 B2 JP3374114 B2 JP 3374114B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料の蛍光X線分
析を行う蛍光X線分析装置に関し、特にX線管の立上り
特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、蛍光X線分析装置は、X線管の
ターゲットに高電圧を印加して発生させた1次X線を試
料に照射し、試料から発生した蛍光X線の強度を検出器
で測定して試料を分析する。この装置において、1次X
線を発生させるためにターゲットに高電圧印加がONさ
れると、その大部分の電力は熱に変換されてターゲット
が蓄熱し、ターゲットがファン等で冷却されるものの、
ターゲットは熱膨張により伸長して、ターゲットと試料
との距離が短くなり、その距離の2乗に反比例して、試
料が受ける単位面積当りのX線強度が増大する。このた
め、測定を開始するX線管の立上り時に、ターゲットの
熱膨張が安定状態になるまで、蛍光X線強度の測定を長
時間(例えば、40分)待機する必要があった。また、
試料交換等の時に、一旦高電圧印加がOFFされると、
ターゲットが冷却されてそれまでの熱膨張が収縮し、再
度ONされた時に、同様にターゲットの熱膨張が安定状
態になるまで待機する必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のよう
に、ターゲットの熱膨張が安定状態になるまで測定を待
機するのでは、測定開始までの時間の短縮化は困難であ
る。したがって、ターゲットへの高電圧印加ONから直
ちに測定が可能な装置が要請されている。
【0004】本発明は、上記の問題点を解決して、ター
ゲットへの高電圧印加のON時に、測定開始までの時間
の短縮化を実現できる蛍光X線分析装置を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る蛍光X線分析装置は、X線管のター
ゲットに高電圧を印加して発生させた1次X線を試料に
照射し、試料から発生した蛍光X線の強度を検出器で測
定して試料を分析するものであって、ターゲットの熱膨
張による伸縮量に対応したターゲットと試料間の距離の
変化に応じて蛍光X線の強度が前記熱膨張の基準状態で
の蛍光X線の強度に対して変化するのに対応させて、前
記検出器で測定された時点の蛍光X線の強度を前記基準
状態の時の蛍光X線強度に合致するように補正する第1
補正手段と、前記高電圧の印加ONからの時間に対する
前記検出器で測定される蛍光X線の強度の変化、および
高電圧の印加OFFからの時間に対する前記検出器で測
定される蛍光X線の強度の変化に基づいて求めた時間−
X線強度補正曲線を記憶する記憶手段とを備え、前記第
1補正手段は、前記記憶手段に記憶された時間−X線強
度補正曲線に基づいて、前記検出器で測定された時点の
蛍光X線強度を補正するものである。
【0006】上記構成によれば、X線管のターゲットの
熱膨張による伸縮量に対応したターゲットと試料間の距
離の変化に応じて、時間−X線強度補正曲線に基づき、
前記検出器で測定された時点の蛍光X線の強度を、ター
ゲットの熱膨張が基準状態の時の蛍光X線強度に補正す
るので、ターゲットへの高電圧の印加ONから測定時点
において直ちに当該基準状態での蛍光X線強度が得られ
【0007】
【0008】請求項2に係る蛍光X線分析装置は、X線
管のターゲットに高電圧を印加して発生させた1次X線
を試料に照射し、試料から発生した蛍光X線の強度を検
出器で測定して試料を分析するものであって、ターゲッ
トの熱膨張による伸縮量に対応したターゲットと試料間
の距離の変化に応じて、試料に対してX線管を移動させ
て測定時点でのターゲットと試料との距離をターゲット
の熱膨張の基準状態の時と同一に保つように補正する第
2補正手段を備えている。
【0009】上記構成によれば、X線管のターゲットの
熱膨張による伸縮量に対応したターゲットと試料間の距
離の変化に応じて、試料に対してX線管を移動させて
定時点でのターゲットと試料との距離をターゲットの熱
膨張の基準状態の時と同一に保つように補正するから、
ターゲットへの高電圧の印加ONから測定時点において
直ちに当該基準状態での蛍光X線強度が得られる
【0010】請求項3に係る蛍光X線分析装置は、請求
項1または2において、前記ターゲットの熱膨張による
伸縮量を、ターゲットの熱膨張に関係するパラメータか
ら推定する推定手段を備えている。したがって、実測困
難なターゲットの伸縮量を推定することができる。上記
パラメータには、ターゲットに印加された高電圧の電
力、高電圧の印加時間および休止時間、冷却媒体への熱
伝導率、冷却媒体の温度、ターゲットの熱膨張係数、タ
ーゲットの機械的保持機構の寸法および熱伝導係数、タ
ーゲットと試料との距離の初期値等が含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係
る蛍光X線分析装置の構成図を示す。本装置は、1次X
線B1を発生させるX線管2、1次X線B1が照射され
た試料3から発生した蛍光X線B2の強度を測定する検
出器4、検出器4からの検出信号に基づいてX線スペク
トルを得る多重波高分析器5を備え、試料3の蛍光X線
分析を行うものである。上記X線管2と検出器4の一
部、試料3は真空容器6内に配置される。
【0012】X線管2は、試料面に相対向するように配
置されるターゲット材11、真空容器6の内壁13に取
り付けられ、上記ターゲット材11を支持するターゲッ
ト支持棒12、およびターゲット面の周りに設けられた
電子源となるフィラメント15を備えている。ターゲッ
ト材11とターゲット支持棒12によりターゲット10
が構成される。ターゲット10は絶縁壁21を貫通して
外部に引き出されている。ターゲット10に高電圧が印
加され、フィラメント15が点灯すると、フィラメント
15から発生した熱電子がターゲット面に衝突する。こ
の衝突によって1次X線B1が発生する。この場合、大
部分の電力は熱に変わり、この熱はターゲット支持棒1
2および電気絶縁物14を介して外部に放散される。タ
ーゲット支持棒12および電気絶縁物14はファン19
により空冷される。
【0013】本装置は、高電圧の印加ONからの時間に
対する検出器4で測定される蛍光X線B2の強度の変
化、および高電圧の印加OFFからの時間に対する検出
器4で測定される蛍光X線B2の強度の変化に基づいて
求めた時間−X線強度補正曲線を記憶する記憶手段24
と、この記憶手段24に記憶された時間−X線強度補正
曲線に基づいて、ターゲット10(主にターゲット支持
棒12)の熱膨張による伸縮量に応じて、検出器4で測
定される蛍光X線B2の強度を、基準状態例えばターゲ
ット10の熱膨張が安定した状態のX線強度に補正する
第1補正手段22を備えている。
【0014】図2は、例えば銅メタルのような一般的な
金属試料を使用して、高電圧の印加ONからの時間に対
する検出器4で測定される蛍光X線B2の強度の変化に
基づいて、予め実験により求めた時間−X線強度補正曲
線C1の一例を示す。図3は、同様に求めた高電圧の印
加OFFからの時間−X線強度補正曲線C2の一例を示
す。横軸は時間(分)、縦軸は蛍光X線強度の変化率
(%)である。図2、3において、変化率0%は温度上
昇が飽和に達して蛍光X線強度が飽和値(Ist)の状態
を示す。これらの時間−X線強度補正曲線は、上記の記
憶手段24に記憶されている。この補正曲線は元素の含
有率の大小にかかわらず、一定である。
【0015】本発明は、ターゲット10が十分に冷却さ
れた状態でONしてからの時間経過のみでなく、十分冷
却される前に再度ONした場合にも適用できる。図4は
そのような場合の、ターゲット10への高電圧印加をO
N、OFFさせた時の蛍光X線強度の変化を示すモデル
図の一例である。この例では、ターゲット10が十分に
冷却された状態から、X線管2の立上り時に高電圧印加
ONでta時間加熱される。a時点(この時の蛍光X線
強度はIa )で高電圧印加が例えば試料交換のために
FFされて、tb時間冷却される。b時点(この時の
X線強度はIb )で再び高電圧印加がONされて、t
c時間加熱され、c時点(この時の蛍光X線強度はIc
)に至る。この場合、ta時間には図2の蛍光X線強
度I0 からIa までの曲線C1が使用され、tb時間に
は、図3の蛍光X線強度Ia からIb までの曲線C2が
使用される。tc時間には、図2の蛍光X線強度Ib か
らIc の曲線C1が使用される。この曲線に基づいて、
例えばc時点で検出器4で測定される蛍光X線強度Ic
ターゲット10の熱膨張が安定した状態、つまり飽
和値の蛍光X線強度Ist(0%)に合致させるように
Icに比率Ist/Icを乗ずることにより補正する。これ
により、ターゲット10への高電圧の印加ONから、タ
ーゲット10の熱膨張が安定するまで測定を待機するこ
となく、当該測定されたc時点において直ちに基準状態
での蛍光X線強度が得られる
【0016】なお、第1実施形態では、記憶手段24に
より記憶された時間−X線強度補正曲線に基づいて、蛍
光X線強度に補正しているが、後述する推定手段34に
より推定されたターゲット10の伸縮量から蛍光X線強
度を補正するようにしてもよい。
【0017】図5は、本発明の第2実施形態に係る蛍光
X線分析装置の構成図を示す。本装置は、1次X線B1
を発生させるX線管2、1次X線B1が照射された試料
3から発生した蛍光X線B2の強度を測定する検出器
4、検出器4からの検出信号に基づいてX線スペクトル
を得る多重波高分析器5を備え、試料3の蛍光X線分析
を行うものである。第1実施形態と同様に、上記X線管
2と検出器4の一部、試料3は真空容器6内に配置され
る。
【0018】本装置は、第1実施形態と同様に構成され
るX線管2を固定する固定台16と真空容器6の内壁1
3間に、試料3に対するX線管2の距離を変化させる例
えばピエゾ素子のような移動手段18と、真空シール用
のベローズ17が設けられている。
【0019】また、本装置は、ターゲット10の熱膨張
による伸縮量を推定する推定手段34と、推定されたタ
ーゲット10の伸縮量に基づいて、例えば上記ピエゾ素
子18に所定電圧を与えることによりその歪み量を制御
する制御手段36とを備えている。上記移動手段18と
制御手段36により第2補正手段32を構成する。ピエ
ゾ素子18が伸びると、試料3に対してX線管2の位置
が後退する。ピエゾ素子18が縮むと、試料3に対して
X線管2の位置が前進する。第2補正手段32は、ター
ゲット10の熱膨張による伸縮量に応じて、ターゲット
10と試料3との距離を一定に保つように補正する。
【0020】例えば、X線管2の立上り時でターゲット
10(主にターゲット支持棒)の熱膨張が安定する前
に、推定されたターゲット10の伸び量に応じて、ター
ゲット10と試料3の距離が一定値、例えば熱膨張が飽
和した状態の値mとなるように、X線管2を移動させ
る。これにより、試料3に照射される1次X線B1の強
度、ひいては検出器4で測定される蛍光X線の強度がタ
ーゲット10の熱膨張が安定した状態、つまり飽和値に
補正される。したがって、ターゲット10の熱膨張が安
定する前に、ターゲット10に高電圧の印加ONから、
ターゲット10の熱膨張が安定するまで測定を待機する
ことなく、直ちにX線強度を測定することができる。
【0021】また、上記推定手段34は、前記ターゲッ
ト10の伸縮量△Lを、ターゲット10の熱膨張に関係
するパラメータから推定する。このパラメータには、例
えば、ターゲット10に印加された高電圧の電力、高電
圧の印加時間および休止時間、冷却媒体(例えば電気絶
縁物)への熱伝導率、冷却媒体の温度、ターゲット10
(主にターゲット支持棒)の熱膨張係数、ターゲット1
0の機械的保持機構の寸法および熱伝導係数、ターゲッ
ト10と試料3との距離の初期値等が含まれる。したが
って、ターゲット10に印加した高電圧を一旦OFFし
て再度ONした場合や、印加する高電圧の電力を変化さ
せた場合にも、ターゲット10の伸縮量△Lを推定でき
る。
【0022】以下、上記推定手段34の動作を説明す
る。図6は、印加高電圧の電力変化によるターゲット1
0の温度変化を示すモデル図である。ここで、I は、完
全に冷却された状態からQ1の電力が印加されている状
態で温度上昇の飽和値はTq1である。IIは、I の状態
がt1時間続いた後の温度T1からQ2の電力に切り換
えた状態での温度上昇の飽和値はTq2である。III
は、IIの状態がt2時間続いた後の温度T2からQ3の
電力に切り換えた状態での温度上昇の飽和値はTq3で
ある。IVは、III の状態がt3時間続いた後の温度T3
からQ4の電力に切り換えた状態での温度上昇の飽和値
はTq4である。
【0023】それぞれ状態が変化した時からの時間を
t、温度変化の時定数をτr とし、各状態での温度Tを
求めると、 I :T=Tq1−Tq1・Exp(−t/τr ) II :T=Tq2−(Tq2−T1)・Exp(−t/
τr ) III :T=Tq3−(Tq3−T2)・Exp(−t/
τr ) IV :T=Tq4−(Tq4−T3)・Exp(−t/
τr ) 時定数τr は、冷却媒体への熱伝導、冷却媒体の温度、
ターゲット10の機械的保持機構の寸法および熱伝導係
数等により設定される。
【0024】一般式を推定すると、 T=Tst−(Tst−Te )・Exp(−t/τr ) (1) ただし、Tstは所定状態での飽和温度、Te は所定状態
が始まった時の温度、ただし完全に冷却された状態では
0とする。Tstは供給電力Qに比例すると考えられるか
らpをその比例定数として、 Tst=pQ (2) したがって、 T=pQ−(pQ−Te )・Exp(−t/τr )
【0025】いま、固定点からターゲット面までの距離
をL(図1参照)、高電圧による温度上昇、すなわち熱
膨張によってのターゲットの伸び量を△L、飽和伸び量
を△Lst、所定状態が始まった時の伸び量を△Le とす
ると、これらとT、Tst、Te との間には次の関係が存
在する。 △L=k・L・T、△Lst=k・L・Tst、△Le =k
・L・Te ただし、kはターゲット支持棒の熱膨張係数である。
【0026】したがって、(1)式から、 △L=kL・(Tst−(Tst−Te )・Exp(−t/τr )) =△Lst−(△Lst−△Le )・Exp(−t/τr ) また、(2)式から、 △L=kLpQ−(kLpQ−kLTe )・Exp(−t/τr ) (3)
【0027】ターゲット10と試料間の距離をm0 (完
全に冷却された状態での初期値)とすると(図1参
照)、試料3におけるX線管2からの1次X線強度Ir
は、 Ir =I0 (m0 /(m0 −△L))2 ≒I0 (1+2△L/m0 ) I0 は△L=0、即ち温度上昇がないときの1次X線強
度である。したがって、 Ir /I0 =1+(2/m)・(△Lst−(△Lst−△Le ) ・Exp(−t/τr )) =1+A・(hQ−(hQ−△Le )・Exp(−t/τr )) (4) △L=hQ−(hQ−△Le )・Exp(−t/τr ) (5) ただし、kLp=hとおく。ここで、比例定数h、定数
Aは、次のように求めることができる。十分に冷却され
た状態から供給電力Qを与えて、飽和状態に達した時の
X線強度の変化量を△V、次にこの変化量に対応してX
線管2を微小距離移動させた時の移動量を△Uとする
と、 h=△U/Q、およびA=△V/△U 上記定数h、A、および所定状態時の温度変化の時定数
τr は、実験から求めることができる。また、所定状態
が始まった時の伸び量△Le の初期値は0である。した
がって、供給電力Q、所定状態が始まった時からの時間
tから、上記(5)式を用いて、△Lを推定することが
できる。
【0028】次に、W=△L/hのパラメータで考える
と、(4)式は、次のように変形される。 Ir/I0 =1+B・(Q−(Q−We )・Exp(−t/τr ))(6) W=Q−(Q−We )・Exp(−t/τr ) (7) 定数BはB=△V/Q(=Ah)であり、上記と同様に
実験により求めることができる。上記Wは、ターゲット
10に蓄積された熱量に比例する変数と考えることがで
きる。
【0029】(6)式は、X線強度がWの変数として管
理できることを示すもので、定数B、所定状態時の温度
変化の時定数τr を予め測定しておくことによって、供
給電力Qの立上り(Qが大きい方に変化した時)または
立下り(Qが小さい方に変化した時)状態におけるX線
強度をも推定できることを示す。すなわち、前述したよ
うに、第1実施形態の装置の記憶手段24(図1)に代
えて、この推定手段34を用いることができる。
【0030】なお、上記各実施形態では、ターゲットの
熱膨張の飽和時を基準状態として、この時のX線強度に
補正しているが、ターゲットの熱膨張がない時を基準状
態として補正するようにしてもよい。
【0031】なお、本発明は、ターゲット10に発生し
た熱をそのターゲット支持棒12および電気絶縁物14
を通して放散する間接冷却型装置に使用しているが、タ
ーゲット材11直下に冷却媒体(例えば冷却水)を導入
する直接冷却型装置に使用してもよい。
【0032】本発明は、上記各実施形態において、試料
から発生する蛍光X線を検出器によって直接検出し、多
重波高分析器によってスペクトル分離する方式、いわゆ
るエネルギー分散型蛍光X線分析装置に適用している
が、試料から発生する蛍光X線をゴニオメータを用い
て、分光結晶によって分光し、検出器によって検出す
る、いわゆる波長分散型蛍光X線分析装置に適用しても
よい。
【0033】上記エネルギー分散型蛍光X線分析装置に
おいて、X線管からの1次X線を分光結晶により分光し
て単色化する場合もある。この場合には、X線強度を補
正する第1実施形態では、X線管のターゲット移動によ
る分光特性の劣化による影響が大きく、補正量を推定す
ることが困難であるので、X線管を移動させてターゲッ
ト位置を安定に保つ第2実施形態が適用される。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の一構成によれ
ば、X線管のターゲットの熱膨張による伸縮量に対応し
たターゲットと試料間の距離の変化に応じて、時間−X
線強度補正曲線に基づき、検出器で測定された時点の
光X線の強度を、ターゲットの熱膨張が基準状態の時の
蛍光X線強度に補正するので、ターゲットへの高電圧の
印加ONから測定時点において直ちに当該基準状態での
蛍光X線強度が得られる
【0035】また、本発明の他の構成によれば、X線管
のターゲットの熱膨張による伸縮量に対応したターゲッ
トと試料間の距離の変化に応じて、試料に対してX線管
を移動させて測定時点でのターゲットと試料との距離を
ターゲットの熱膨張の基準状態の時と同一に保つように
補正するから、ターゲットへの高電圧の印加ONから
定時点において直ちに当該基準状態での蛍光X線強度が
得られる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る蛍光X線分析装置
を示す構成図である。
【図2】高電圧印加ONからの時間−X線強度補正曲線
の一例を示す特性図である。
【図3】高電圧印加OFFからの時間−X線強度補正曲
線の一例を示す特性図である。
【図4】高電圧印加のON、OFFによるX線強度の変
化を示すモデル図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る蛍光X線分析装置
を示す構成図である。
【図6】印加高電圧の電力変化によるターゲットの温度
変化を示すモデル図である。
【符号の説明】
2…X線管、3…試料、4…検出器、5…多重波高分析
器、10…ターゲット、11…ターゲット材、12…タ
ーゲット支持棒、18…移動手段、22…第1補正手
段、24…記憶手段、32…第2補正手段、34…推定
手段、36…制御手段。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−174007(JP,A) 特開 平10−185844(JP,A) 特開 平7−286977(JP,A) 特開 平8−255695(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 23/223 H05G 1/02 H05G 1/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線管のターゲットに高電圧を印加して
    発生させた1次X線を試料に照射し、試料から発生した
    蛍光X線の強度を検出器で測定して試料を分析する蛍光
    X線分析装置であって、 ターゲットの熱膨張による伸縮量に対応したターゲット
    と試料間の距離の変化に応じて蛍光X線の強度が前記熱
    膨張の基準状態での蛍光X線の強度に対して変化するの
    に対応させて、前記検出器で測定された時点の蛍光X線
    の強度を前記基準状態の時の蛍光X線強度に合致するよ
    うに補正する第1補正手段と、 前記高電圧の印加ONからの時間に対する前記検出器で
    測定される蛍光X線の強度の変化、および高電圧の印加
    OFFからの時間に対する前記検出器で測定される蛍光
    X線の強度の変化に基づいて求めた時間−X線強度補正
    曲線を記憶する記憶手段とを備え、 前記第1補正手段は、前記記憶手段に記憶された時間−
    X線強度補正曲線に基づいて、前記検出器で測定され
    時点の蛍光X線強度を補正する蛍光X線分析装置。
  2. 【請求項2】 X線管のターゲットに高電圧を印加して
    発生させた1次X線を試料に照射し、試料から発生した
    蛍光X線の強度を検出器で測定して試料を分析する蛍光
    X線分析装置であって、 ターゲットの熱膨張による伸縮量に対応したターゲット
    と試料間の距離の変化に応じて、試料に対してX線管を
    移動させて測定時点でのターゲットと試料との距離を
    ーゲットの熱膨張の基準状態の時と同一に保つように補
    正する第2補正手段を備えた蛍光X線分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記ターゲットの熱膨張による伸縮量を、ターゲットの
    熱膨張に関係するパラメータから推定する推定手段を備
    えた蛍光X線分析装置。
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