JP3373694B2 - 磁気浮上装置 - Google Patents

磁気浮上装置

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JP3373694B2 JP07431795A JP7431795A JP3373694B2 JP 3373694 B2 JP3373694 B2 JP 3373694B2 JP 07431795 A JP07431795 A JP 07431795A JP 7431795 A JP7431795 A JP 7431795A JP 3373694 B2 JP3373694 B2 JP 3373694B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば鋼板などの磁性
体からなる被搬送体を吸引式磁気浮上によって非接触で
搬送する磁気浮上装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、製鉄所の冷間圧延工程では、鋼
板加工装置間において鋼板を輸送するに当たり、通常、
搬送方向にローラを多数配置したローラ軌道を用いて反
そうする方法が採用されている。また、自動車工場等の
鋼板プレス工程では、一般的にプレス加工される鋼板を
台車やクレーンを用いてプレス加工装置まで搬送する方
法が採用されている。
【0003】しかしながら、ローラ軌道を用いる方法で
は、ローラ上にゴミ当が合った場合に、軌道を移動する
鋼板の表面に傷が付き易く、商品価値を著しく下げるお
それがあった。このため、ゴミ等がローラに付着しない
ように、常にローラを整備しなければならず、多大の労
力と費用を必要とする問題があった。また、台車やクレ
ーンによる方法では、鋼板の積み降ろしの際に傷が生じ
易いばかりか、移載に多くの時間を費やす問題があっ
た。
【0004】そこで、こうとた問題を解決すべく、最近
では様々な装置が開発され始めている。例えば、軌道に
電磁石を多数配置し、電磁石の下方を軌道に沿って移動
する鋼板の端部が電磁石に差し掛かろうとするところで
電磁石を次々に励磁していき、電磁石の吸引力を鋼板の
重量支持と鋼板への推力付与に使用する一方で、電磁石
と鋼板との間に設けられた圧縮空気の通路から鋼板側に
空気を噴き出して鋼板が電磁石に吸着されるのを防止す
るとともに、鋼板を非接触で支持する装置が開発されて
いる(日経メカニカル1989.6.12 )。
【0005】また、薄板鋼板を4つの電磁石で支持しよ
うとする研究(電気学会産業応用部門全国大会予稿集,
平1年7月,P915)や、鋼板を特殊形状の電磁石を用い
て非接触で案内しようとする装置も開発され始めている
(特開平2-270739号公報)。
【0006】しかし、これらの技術は、装置が複雑であ
ったり、搬送できる鋼板の寸法や重量の範囲が狭いなど
の理由により、多種多様の鋼板を長距離にわたって搬送
するには非常な困難が予想される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、鋼板を
傷付けることなく搬送する場合、機械的な接触を用いる
手段では、保守や搬送時の衝撃防止策に多大の労力と時
間とが必要となる。また、従来技術による非接触搬送手
段では、搬送できる鋼板の寸法や重量が限られていた
り、装置が複雑で長距離搬送を行うことが困難であるな
どの問題があった。
【0008】そこで本発明は、磁性体で形成された多種
多様の被搬送物を長距離にわたり非接触で搬送すること
ができ、かつ搬送ラインを容易に構築できる磁気浮上装
置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、電磁石を備え
た磁石ユニットと、前記磁石ユニットを取り付けるため
の架台と、少なくとも一部が磁性体より形成される被搬
送体を非接触支持するために、前記電磁石の吸引力を制
御する磁気支持制御手段と搬送方向における前記被搬送
体の傾斜角度を変化させるため前記架台を傾斜させる傾
斜手段と、前記傾斜角度を制御する傾斜角制御手段とを
具備したことを特徴とする。また、本発明は、電磁石を
備えた磁石ユニットと、前記磁石ユニットを取り付ける
ための架台と、少なくとも一部が磁性体より形成される
被搬送体を非接触支持するために、前記電磁石の吸引力
を制御する磁気支持制御手段と、搬送方向における前記
被搬送体の傾斜角度を変化させる傾斜手段と、前記傾斜
角度を制御する傾斜角制御手段とを具備し、前記磁石ユ
ニットは前記傾斜手段を介して前記架台に取り付けら
れ、前記磁石ユニットは前記傾斜手段により上下方向に
移動することを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明によれば、浮上している被搬送体を傾け
ることにより重力と磁石ユニットの吸引力との合力によ
り被搬送体に案内力が作用する。被搬送体の案内方向の
移動量または移動速度を検出して被搬送体の傾斜角を制
御することで案内力が調節できるため、新たに案内用の
電磁石を設ける必要がなく、支持機構が簡素化される。
【0011】また、被搬送体を傾けて案内力を得るた
め、被搬送体の質量に応じた大きさの案内力を得ること
ができ、さらに、被搬送体の幅が案内方向の磁石ユニッ
ト間隔より広くても被搬送体の案内が可能となる。この
ため、多種多様の鋼板を長距離にわたり非接触で支持す
ることができかつ搬送ラインを容易に構築することがで
きる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。図1乃至図2には本発明の一実施例に係る磁
気浮上装置を用いた鋼板搬送装置が示されている。
【0013】鋼板搬送装置12は所定の経路に敷設された
軌道14と、本発明に係る磁気浮上装置10を備えた搬送車
16より構成されている。軌道14は、L字形状の軌道支持
柱18をベース板20の上面で固定してなる軌道支持部22を
搬送経路の左右に設置し、それぞれの軌道支持部22に断
面がL字形状のガイドレール24を固定して形成されてい
る。軌道支持柱18は絶縁部材、ガイドレール24は導電性
部材でそれぞれ形成され、左右のガイドレール24は図示
されない電源に所定の方法で接続されている。
【0014】搬送車16は、磁気浮上装置10の上部四隅に
駆動部26を取り付けて構成されており、軌道14に沿って
走行自在に配置されている。駆動部26は、車輪28とこの
車輪28を駆動するモータ30、外部からの無線指令により
モータ30を制御して搬送車16を走行,停止,逆走させる
走行制御装置32より構成されている。
【0015】車輪28は導電性部材であり、左右のガイド
レール24に接触することで磁気浮上装置10および駆動部
26に必要な電力を供給している。磁気浮上装置10は、井
字形状の基台34、基台34の前後部平板状部材に取り付け
られた傾斜手段36、傾斜手段36にユニバーサルジョイン
ト37を介して接合された平板状の架台38、架台38下面に
左右各列に3個づつ計6個配置された磁石ユニット40、
各磁石ユニット40の両側に配置され磁石ユニット40と被
搬送体である鋼板42との間のギャップ長を非接触で測定
するためのギャップセンサ44、架台38下面前後端中央部
に位置し鋼板42の対向する部分の左右方向の移動量を非
接触で測定するためのフィードモニタ46、架台38下面左
右端中央部に位置し鋼板42の対向する部分の前後方向の
移動量を非接触で測定するためのフィードモニタ48、鋼
板42が磁石ユニット40のつくる非接触支持可能範囲から
外れるのを防ぐために架台38の四隅を挟むように配置さ
れた8つのガイドバー50、磁石ユニット40の吸引力を制
御して鋼板42を非接触支持するための磁気支持制御手段
52、鋼板42が磁石ユニット40の作る非接触支持可能範囲
から外れるのを防ぐために傾斜手段36で架台38の傾斜角
を制御して鋼板42を案内するための傾斜角制御手段54で
構成されている。
【0016】ここで、走行制御装置32、磁気支持制御手
段52および傾斜角制御手段54は、図示したように基台34
の井字形状左右の部材上に固定されている。また、ユニ
バーサルジョイント37は、機械的な寸法誤差を吸収す
るべく適度な柔軟性を備えた構造となっている。
【0017】なお、フィードモニタ46、フィードモニタ
48は、鋼板42が所定位置より離れている場合には、それ
ぞれゼロが出力されるようになっている。磁石ユニット
40は、図2に示されるように、永久磁石56をコイル58と
鉄心60からなる2つの電磁石62で挟んで構成されてお
り、2つのコイル58同士は同一の励磁電流によりこれら
の磁束が互いに強め合うよう直列に接続されている。
【0018】走行制御装置32は、図3に示されるよう
に、左右の車輪28を介してガイドレール24より図示して
いない電源の電力を導入し、所定の定電圧三相交流を発
生する走行用定電圧源64、走行用定電圧源64からの定電
圧を導入し、励磁周波数演算器66からの周波数指令値ω
に基づいて各モータ30を励磁する4つのインバータ68、
各車輪28の回転数から搬送車16の走行速度を演算するた
めの4つの速度検出器70と外部からの無線により搬送車
16の目標走行速度を出力する速度指令値発生器72と速度
検出器70および速度指令値発生器72から搬送車16が目標
走行速度で走行するように各モータ30を励磁すべき4つ
の周波数指令値ωを演算する励磁周波数演算器66とを備
えた走行制御部74、左右の車輪28を介してガイドレール
24より電源電圧を導入し、所定の定電圧を走行制御部74
に供給する発生する制御用定電圧源76から構成されてい
る。
【0019】なお、図3以降の制御ブロック図において
は、棒線は電力経路、矢印は信号経路を示す。傾斜手段
36は、井字形状の基台34の前後部平板状部材に所定の間
隔でこれを貫いて取り付けられた上下方向に伸縮自在の
4つのアクチュエータ78と、各アクチュエータ78の左右
両側に所定間隔に配置され、基台34の前後部平板状部材
を貫いて取り付けられた8つのリニアガイド80、各リニ
アガイド80を貫いて上下方向にのみ可動な8つの棒材82
で構成されており、各アクチュエータ78および各棒材82
はユニバーサルジョイント37を介して平板状の架台38に
接続されている。また、アクチュエータ78は傾斜角制御
手段54により伸縮量を制御され、これにより傾斜手段36
が架台38を所定の傾斜および所定の高さで支持すること
が可能になる。ここで、各リニアガイド80は棒材82の移
動距離測定器を兼ねている。
【0020】次に、図4を参照して磁気支持制御手段52
を説明する。磁気支持制御手段52は、各磁石ユニット40
の左右に近接し、それぞれの磁石ユニット40と鋼板42と
の間の浮上ギャップ長を測定する12個のギャップセンサ
44(ギャップセンサ44a-1,44a-2,44b-1,44b-2,…,44f-
1,44f-2)、電磁石62の各コイルに流れる励磁電流を測
定するための電流検出器84a,84b,84c,84d,84e,84f で構
成される浮上用センサ部86、浮上用センサ部86の出力信
号za-1,za-2,…,zf-1,zf-2、ia,ib,…,if を入力として
鋼板42を浮上させるのに必要な磁石ユニット40ごとの励
磁電圧ea,eb,…,ef を演算する浮上用演算部88、左右の
車輪28を介してガイドレール24より図示しない電源の電
力を導入し、所定の定電圧を発生する浮上用定電圧源9
0、浮上用定電圧源90に接続され、浮上用演算部88の出
力ea,eb,…,ef に基づき各磁石ユニット40のコイル58を
励磁するパワーアンプ92a,92b,…,92f、図示しない電源
からガイドレール24、車輪28を介して電力を供給され、
所定の一定電圧をギャップセンサ44および浮上用演算部
88に給電する制御用定電圧源93より構成されている。
【0021】浮上用演算部88は、例えば、メインコンピ
ュータが無線により設定する所定の設定値を出力する浮
上ギャップ長設定器94、同電流設定器96、各磁石ユニッ
ト40の左右に位置するギャップセンサ44の出力を平均
し、鋼板42と磁石ユニット40の平均浮上ギャップ長za,z
b,…,zf を出力する平均値演算回路98、浮上ギャップ長
設定値を平均値演算回路98のそれぞれの出力値za,zb,
…,zf から減算するための減算器100a,100b,…,100f 、
電流設定値を電流検出器84a,84b,…,84fから減算するた
めの減算器102a,102b,…,102f 、ギャップセンサ44の出
力値za-1,za-2,…,zf-1,zf-2から全ての磁石ユニット40
の下方位置で鋼板42が磁石ユニット40による浮上可能範
囲内に存在するかどうかを判定するとともに図示してい
ないメインコンピュータからの搬送開始指令に基づいて
この判定を開始する鋼板検出回路104、減算器100a,100
b,…,100f の出力値から鋼板42の重心座標の所定位置か
らの偏差Δz、鋼板42のピッチ角Δξ、鋼板42のロール
角Δθならびに架台38四隅位置下方の鋼板42のねじれ、
架台38前後端と架台38中央部位置下方の鋼板42のねじれ
および架台38前後端と架台38中央部位置下方の鋼板42の
たわみに関する3つのねじれモード偏差を得るための浮
上ギャップ長偏差座標変換回路106 、鋼板42の重心の上
下動に寄与するコイル励磁電流Δiz、鋼板42のピッチ
ング、ローリングに寄与するコイル励磁電流Δiξ、Δ
iθ、架台38四隅位置下方の鋼板42のねじれ、架台38前
後端と架台38中央部位置下方の鋼板42のねじれおよび架
台38前後端と架台38中央部位置下方の鋼板42のたわみに
寄与する3つのねじれモード励磁電流を得るための励磁
電流偏差座標変換回路108 、浮上ギャップ長偏差座標変
換回路106 および励磁電流偏差座標変換回路108 の出力
Δz,Δizを入力として鋼板42の重心の上下動に寄与
するコイル励磁電圧ezを演算する上下動モード制御電
圧演算回路110 と浮上ギャップ長偏差座標変換回路106
および励磁電流偏差座標変換回路108 の出力Δξ,Δi
ξを入力として鋼板42のピッチングに寄与するコイル励
磁電圧eξを演算するピッチモード制御電圧演算回路11
2 と浮上ギャップ長偏差座標変換回路106 および励磁電
流偏差座標変換回路18の出力Δθ,Δiθを入力として
鋼板42のローリングに寄与するコイル励磁電圧eθを演
算するロールモード制御電圧演算回路114 と前記3つの
ねじれモード偏差およびねじれモード励磁電流を入力と
してそれぞれのねじれモードに関する3つの励磁電圧を
演算するねじれモード制御電圧演算回路116 とで構成さ
れる制御電圧演算回路118、制御電圧演算回路118 の出
力ez,eξ,eθおよび前記3つのねじれモードに関
するそれぞれの励磁電圧ならびに鋼板検出回路104 の検
出信号TFを入力として、架台38の下方に鋼板42が存在す
るときにそれぞれの磁石ユニット40を励磁する励磁電圧
ea,eb,…,ef を演算する制御電圧座標逆変換回路120 で
構成されている。
【0022】なお、制御電圧座標逆変換回路120 では、
鋼板検出信号TFが無から有に変わると、所定時間t1 後
に6つのゼロ出力からea,eb,…,ef へと切換が行われ
る。次に、図5を参照して傾斜角制御手段54を説明す
る。
【0023】傾斜角制御手段54は、架台38の高さ情報で
ある各リニアガイド80の移動距離zbsa〜zbsdを出力
する4つのリニアガイド80a,80b,80c,80d と、鋼板42の
左右部分の前後移動量xbsa, xbsbを出力するフィー
ドモニタ48a,48b と鋼板42の前後部分の左右移動量yb
sa, ybsbを出力するフィードモニタ46a,46b とからな
る案内用センサ部122 、磁気支持制御手段52から出力さ
れる鋼板42の有無検出信号TFおよび鋼板42の重心の浮上
ギャップ長偏差Δzならびに案内用センサ部122 の出力
信号zbsa〜zbsd、xbsa, xbsb、ybsa, ybsb
を導入し、鋼板42を前後左右方向に案内するために4つ
のアクチュエータ78の伸縮を制御する制御電流値ida
〜idd を演算する案内用演算部124 、所定の定電圧を
発生する案内用定電圧源125 、案内用定電圧源125 に接
続され、案内用演算部124 の出力ida 〜idd に基づ
いて各アクチュエータ78のモータを駆動し、アクチュエ
ータ78を伸縮させる電流ドライバ126a〜126d、図示しな
い電源からガイドレール24、車輪28を介して電力を供給
され、所定の一定電圧を案内用センサ部122 および案内
用演算部124 に給電する制御用定電圧源127 より構成さ
れている。
【0024】案内用演算部124 は、例えば、図示しない
メインコンピュータにより無線で設定される架台38の重
心高さに関する複数の設定値を磁気支持制御手段52から
の鋼板検出信号TFに基づいて選択的に出力する架台高さ
設定器128 、図示しないメインコンピュータにより無線
で設定される鋼板42の前後位置に関する設定値を出力す
る前後位置設定器130 、同鋼板42の左右位置に関する設
定値を出力する左右位置設定器132 、架台高さ設定器12
8 の出力値を各リニアガイド80の出力値zbsa〜zbsd
から減算するための減算器13、前後位置設定器130 の出
力値を各フィードモニタ48の出力値xbsa, xbsbから
減算するための減算器136 、左右位置設定器132 の出力
値を各フィードモニタ46の出力値ybsa, ybsbから減
算するための減算器138 、減算器134 の出力Δzbsa〜
Δzbsdを入力として、架台38の重心高さの設定値から
の偏差Δzbs 、架台38のピッチ角Δξbs および同ロ
ール角Δθbs を演算する架台高さ座標演算回路140 、
減算器136 の出力Δxbsa,Δxbsbを入力として、こ
れらの値に基づいて鋼板42を前後方向に案内するための
架台38のピッチ角Δξbc を演算する前後傾き角演算回
路142 と、減算器138 の出力Δybsa, Δybsbを入力
として、これらの値に基づいて鋼板42を左右方向に案内
するための架台38のロール角−Δθbc を演算する左右
傾き角演算回路144 とから成り、鋼板検出信号TFが無の
時は出力が0,0、TFが無から有に変わると所定時間t
2 後にΔξbc ,−Δθbc を出力する案内制御回路14
6 、磁気支持制御手段52からの偏差Δzおよび鋼板検出
信号TFを入力として全ての磁石ユニット40の下方で鋼板
42が浮上しているときにΔz、そうでないときに0を出
力する切換器148 、架台高さ座標演算回路140 の出力Δ
zbs と切換器148 の出力を加算する加算器150 、同Δ
ξbs から案内制御回路146 の出力Δξbc を減算する
減算器152 、同Δθbs から案内制御回路146 の出力−
Δθbc を減算する減算器154 、加算器150 の出力から
鋼板42の重心高さに係るアクチュエータ78のモータ駆動
電流izbsを演算する平均高さモード励磁電流演算回路
156 と、減算器152 の出力から架台38のピッチングに係
るアクチュエータ78のモータ駆動電流iξbs を演算す
る前後傾きモード励磁電流演算回路158 と、減算器154
の出力から架台38のローリングに係るアクチュエータ78
のモータ駆動電流iθbs を演算する左右傾きモード励
磁電流演算回路160 とからなる励磁電流演算回路162、
励磁電流演算回路162 の出力izbs 、iξbs および
iθbs を入力として4つのアクチュエータ78の伸縮を
制御する制御電流値ida 〜idd を出力する架台高さ
制御電流座標逆変換回路164 で構成されている。
【0025】なお、架台高さ設定器128 では、鋼板検出
信号TFが無から有に変わると所定時間t2 後に設定値の
選択が行われるとともに、切換器148 では、鋼板検出信
号TFが無から有に変わると所定時間t3 後に0からΔz
へと切換が行われる。
【0026】次に、上記のように構成された本実施例に
係る磁気浮上装置の動作を説明する。まず、複数の搬送
車16で軌道14の所定地点に置かれた鋼板42を他の所定地
点まで搬送する場合について、図6を用いながら説明す
る。
【0027】図6において166 は鋼板42を置く台座であ
る。まず、図6(a) に到る経緯について説明する。メイ
ンコンピュータにより走行速度を指令されると、搬送車
16では、走行制御装置32において速度指令値発生器72に
指令速度が設定され、速度検出器70の実際の車速と速度
指令値が比較され、これらが一致するようにモータ30を
回転させる励磁周波数ωが励磁周波数演算器66より出力
され、搬送車16は速やかに指令速度で走行する。
【0028】このとき、搬送車16が鋼板42を搬送してい
ないのでメインコンピュータから搬送開始指令は出てい
ない。このため、磁気支持制御手段52では、全てのギャ
ップセンサ44の出力が導入されている鋼板検出回路104
において鋼板の無いことを示すTF信号が出力され、この
検出信号TFが制御電圧座標逆変換回路120 に伝達されて
制御電圧座標逆変換回路120 はゼロを出力する。したが
って、コイル58が励磁されることはない。
【0029】また、検出信号TFは傾斜角制御手段54にも
伝達され、架台高さ設定器128 においては、磁石ユニッ
ト40が永久磁石56の吸引力で鋼板42を吸着しない所定の
高さh1 が出力されるとともに、案内制御回路146 にお
いては、Δξbc,−Δθbcの代わりに0,0が出力さ
れ、案内制御は行われないことになる。
【0030】さらに、フィードモニタ46a,46b 、フィー
ドモニタ48a,48b においては、鋼板42が存在しないので
前後左右の移動量xbsa, xbsb, ybsa, ybsbはゼ
ロとなる。
【0031】一方、リニアガイド80a,80b,80c,80d の出
力zbsa〜zbsdが架台高さ設定器128 の出力値h1 と
異なる場合には、減算器134 の出力Δzbsa〜Δzbsd
に基づいて架台高さ座標演算回路140 でΔzbs,Δξb
s,Δθbs が演算されるとともに、切換器148 および案
内制御回路146 からの3つのゼロ出力が、加算器150、
減算器152 、減算器154 においてΔzbs,Δξbs,Δθ
bs に加減算され、制御電圧演算回路118 に導入され
る。
【0032】制御電圧演算回路118 では、偏差Δzbs
をゼロに収束させる架台38の重心高さに関するモード、
偏差Δξbs をゼロに収束させる同前後方向の傾きに関
するモードおよび偏差Δθbs をゼロに収束させる同左
右方向の傾きに関するモードのそれぞれの励磁電流iz
bs 、iξbs およびiθbs が演算される。制御電圧
演算回路118 の出力izbs 、iξbs およびiθbs
は、架台高さ制御電流座標逆変換回路164 においてモー
タ駆動電流値ida 〜idd に変換され、電流ドライバ
126 を介して各アクチュエータ78が駆動される。
【0033】このようにして、アクチュエータ78の伸縮
が制御され、架台38は架台高さ設定値h1 の高さで水平
に維持される。やがて、搬送車16が台座166 の上方に到
達すると、走行速度指令値にはゼロが設定され、搬送車
16は速やかに停車する。このとき、図6(a) に示すよう
に、鋼板42は台座166 上に置かれている。
【0034】搬送車16が図6(a) の状態にあるとき、図
示しないメインコンピュータから、搬送開始指令を鋼板
検出回路104 に伝達して鋼板の有無を判定させるととも
に、鋼板検出回路104 において鋼板のあることが検出さ
れる所定高さh2 を架台高さ設定器128 に出力させる
と、傾斜角制御手段54において上述の制御動作が生じ、
アクチュエータ78が伸長して図6(b) のように架台38が
所定の設定高さh2 に到達する。すると、磁気支持制御
手段52では、全てのギャップセンサ44の出力値が所定位
置より小さくなるため鋼板検出回路104 が鋼板のあるこ
とを検出する。そして、架台38の高さが磁石ユニット40
による鋼板42の浮上可能範囲に到達したことは、検出信
号TFにより制御電圧座標逆変換回路120 に伝達され、こ
の時点からt1 時間後、つまり、架台38の高さ制御が終
了した後に、以下のような浮上制御が開始される。
【0035】すなわち、ギャップセンサ44a-1,44a-2,
…,44f-1,44f-2の出力値za-1,za-2,…,zf-1,zf-2が平均
値演算回路98により各磁石ユニット40の両端に位置する
もの同士の平均値za〜zfとして出力される。
【0036】za〜zfは、減算器100a〜100fにより浮上ギ
ャップ長設定器94の出力から減算され減算結果が浮上ギ
ャップ長偏差座標変換回路106 に導入されて鋼板42の重
心座標の所定位置からの偏差Δz、ピッチ角偏差Δξ、
ロール角Δθならびに架台38四隅位置下方の鋼板42のね
じれ、架台38前後端と架台38中央部位置下方の鋼板42の
ねじれおよび架台38前後端と架台38中央部位置下方の鋼
板42のたわみに関する3つのねじれモード偏差が演算さ
れるとともに電流検出器84a 〜84f により検出された電
磁石62の励磁電流測定値ia〜ifが減算器102a〜102fによ
り電流設定器96のゼロ出力から減算され減算結果が励磁
電流偏差座標変換回路108 に導入されて鋼板42の重心の
上下動に寄与するコイル励磁電流Δiz、ピッチッチン
グに寄与するコイル励磁電流Δiξ、ローリングに寄与
するコイル励磁電流Δiθならびに架台38四隅位置下方
の鋼板42のねじれ、架台38前後端と架台38中央部位置
下方の鋼板42のねじれおよび架台38前後端と架台38中央
部位置下方の鋼板42のたわみに寄与する3つのねじれモ
ード励磁電流が演算される。
【0037】浮上ギャップ長偏差座標変換回路106 およ
び励磁電流偏差座標変換回路108 の出力のうち、Δz,
Δiz、Δξ,ΔiξおよびΔθ,Δiθは、それぞ
れ、上下動モード制御電圧演算回路110 、ピッチモード
制御電圧演算回路112 およびロールモード制御電圧演算
回路114 に導入され、鋼板42の重心の上下動に寄与する
コイル励磁電圧ez、同ピッチングに寄与するコイル励
磁電圧eξおよび同ローリングに寄与するコイル励磁電
圧eθが演算される。ez、eξおよびeθの演算に際
しては、鋼板42の定常浮上状態においてΔiz、Δiξ
およびΔiθがゼロに収束するゼロパワー制御が行われ
る。
【0038】このとき、3つのねじれモード偏差と3つ
のねじれモード励磁電流のそれぞれ対応するペアが3つ
のねじれモード制御電圧演算回路116 に導入され、架台
38四隅位置下方の鋼板42のねじれ、架台38前後端と架台
38中央部位置下方の鋼板42のねじれおよび架台38前後端
と架台38中央部位置下方の鋼板42のたわみに寄与する3
つのねじれモード励磁電圧が演算される。
【0039】これらの演算に際しても、鋼板42の定常浮
上状態において3つのねじれモード励磁電流がゼロに収
束するゼロパワー制御が行われる。この浮上制御によ
り、鋼板42の定常浮上状態においてia〜ifがゼロに収束
するいわゆるゼロパワー制御(特願平4-351167号明細書
に詳述されている)が全体として達成され、鋼板42は安
定に浮上する。このとき、浮上ギャップ長偏差Δzは鋼
板42の重量に応じた値に収束する。
【0040】一方、架台38の高さが磁石ユニット40によ
る鋼板42の浮上可能範囲に到達したことは、検出信号TF
により傾斜角制御手段54にも伝達される。傾斜角制御手
段54において、検出信号TFは、架台高さ設定器128 、案
内制御回路146 および切換器148 に導入される。
【0041】架台高さ設定器128 においては、鋼板42が
浮上した時、すなわち、検出信号TFが無から有に変わっ
たt2 時間後に鋼板42を非接触支持するときの所定の設
定値h3 が選択され、架台38が上昇する。架台38の上昇
が終了した時、すなわち、検出信号TFが無から有に変わ
ったt3 時間後に切換器148 においてΔzが選択され、
加算器150 には鋼板42が定常浮上状態にあるときの浮上
ギャップ長偏差が導入される。
【0042】このため、傾斜角制御手段54においては、
この定常偏差Δzを打ち消すように架台38の高さが制御
され、鋼板42はその重量に係わらず図6(c) のように常
に所定の高さで浮上する。
【0043】また、検出信号TFが無から有に変わったt
2 時間後には案内制御が開始される。すなわち、図6
(a) の状態から架台38が下降して行くと、フィードモニ
タ46a,46b 、フィードモニタ48a,48b においては鋼板42
までの距離が所定範囲内となるので鋼板42の前後左右の
移動量xbsa, xbsb, ybsa, ybsbが出力されると
ともに、検出信号TFが無から有に変わったt2 時間後に
案内制御回路146 の出力が0,0からΔξbc ,−Δθ
bc に切り替わる。この時点で、xbsa, xbsb, yb
sa, ybsbが減算器136 、減算器138 において前後位置
設定器130 および左右位置設定器132 のゼロ出力と比較
され、それぞれの減算器136 、減算器138の出力Δxbs
a, Δxbsb, Δybsa, Δybsbが前後傾き角演算回
路142 および左右傾き角演算回路144 に導入される。
【0044】前後傾き角演算回路142 においては、(Δ
xbsa+Δxbsb)/ 2を打ち消すためのピッチ角Δξ
bc が演算されるとともに左右傾き角演算回路144 にお
いては、(Δybsa+Δybsb)/ 2を打ち消すための
ロール角−Δθbc が演算される。ピッチ角Δξbc は
減算器152 において架台高さ座標演算回路140 の出力Δ
ξbs から減算され、減算結果が前後傾きモード励磁電
流演算回路158 に導入される。また、ロール角−Δθb
c が減算器154 において架台高さ座標演算回路140 の出
力Δθbs から減算され、減算結果が左右傾きモード励
磁電流演算回路160 に導入される。
【0045】前後傾きモード励磁電流演算回路158 にお
いては、(Δξbs −Δξbc )をゼロにすべき励磁電
流iξbs が演算されるため、アクチュエータ78の伸縮
が制御されて架台38は鋼板42の前後方向のずれを打ち消
すように傾斜する。
【0046】同様に、左右傾き角演算回路144 において
は、(Δθbs +Δθbc )をゼロにすべき励磁電流i
θbs が演算されるため、アクチュエータ78の伸縮が制
御されて架台38は鋼板42の左右方向のずれを打ち消すよ
うに傾斜する。
【0047】この案内制御により、鋼板42は常に架台38
と向かい合う状態に維持される。搬送車16が図6(c) の
状態にあるとき、メインコンピュータにより指令走行速
度を徐々に増加して行くと、搬送車16は加速する。加速
の際、鋼板42は架台38の後方へ移動するが、上述の案内
制御により、図6(d) に示すように架台38が傾斜して鋼
板42は架台38に追従する。搬送車16が一定の指令速度で
定速走行しているときは、図6(e) に示すように架台38
はほぼ水平となる。
【0048】やがて、搬送車16が目的地点に接近し、指
令走行速度を徐々に減少して行くと、搬送車16は減速す
る。減速の際、鋼板42は架台38の前方へ移動するが、上
述の案内制御により、図6(f) に示すように架台38が傾
斜して鋼板42は架台38に追従する。
【0049】このようにして、目的地点に到着し指令速
度がゼロになると図6(g) に示すように搬送車16は停車
する。この間、浮上中の鋼板42に横方向の外力が加わ
り、鋼板42が左に偏った図7(a) の場合には図7(b) に
示すように、右に偏った図7(d) の場合には図7(d) に
示すように架台38が傾斜して鋼板42を元の位置戻す案内
制御が行われ、鋼板42と架台38が向かい合う状態が維持
される。
【0050】搬送車166が停車し、案内制御により鋼板
42が静止した時点でメインコンピュータにより架台高さ
設定器128 に所定の架台高さh4 を出力させると、架台
38が降下して鋼板42が台座166 に着地する。この時、メ
インコンピュータから搬送終了信号を送信すると鋼板検
出回路104 は鋼板42の存在しないことを示すTF信号を出
力する。すると、制御電圧座標逆変換回路120 および案
内制御回路146 においてゼロが出力されて浮上制御およ
び案内制御が停止されるとともに架台高さ設定器128 に
おいて所定の架台高さh1 が出力され、図6(h) に示す
ように鋼板42を台座166 に残して架台38が上昇し、架台
高さがh1 になって図6(i) の状態で搬送が終了する。
【0051】本実施例では、磁石ユニット40の両端にギ
ャップセンサ44が配置されているが、これにより、搬送
すべき鋼板にたわみがある場合でも、磁石ユニット40と
鋼板42との間の浮上ギャップ長をより正確に検出するこ
とが可能となる。
【0052】また、浮上制御において、鋼板42の運動を
各運動座標系にモード分解してモード毎に浮上制御を行
っており、そのためそれぞれのモード毎で浮上制御系の
設計が可能となるため、鋼板の重量や材質、厚みの変化
に対してロバストな浮上制御を行うことができる。
【0053】さらに、浮上制御にゼロパワー制御を用い
ているが、こうしたゼロパワー制御で鋼板42を非接触支
持すると、鋼板42の偏りによって負荷の増加した磁石ユ
ニット40の浮上ギャップ長が減少するため、鋼板42の前
後左右の位置ずれに対して、これを元に戻す方向に鋼板
が傾斜して案内制御の効果がさらに付与される。つま
り、磁気支持制御手段が傾斜角制御手段を兼ねているこ
とになる。
【0054】なお、上述した実施例では、磁気浮上装置
10が搬送車16に組み込まれているが、これは、鋼板の搬
送手段の有無および傾斜手段を何等限定するものではな
い。例えば、図8に示すように、スカラ形ロボット168
の手先部170 の下端に2自由度の屈曲が可能な関節機構
172 を取り付け、これを磁気浮上装置10の傾斜手段とし
て利用しても差し支えない。スカラ形ロボット168 は図
8に示す軸回りでの自由度を有するとともに、アクチュ
エータ174 により手先部170 が上下動するように構成さ
れている。
【0055】このような構成により、手先部170 の移動
に応じて関節機構170 の2自由度の屈曲動作およびアク
チュエータ174 の上下動作を介して架台38の傾斜が制御
され、鋼板42が常に架台38に向かい合う状態で非接触支
持される。
【0056】もちろん、本発明は上述のスカラ形ロボッ
ト以外の搬送,運搬用途にも広く利用することができる
ことは言うまでもない。また、上述した実施例では、磁
石ユニットが平板状の架台38に取り付けられ、架台38を
傾斜させることで鋼板を傾斜させて案内制御を達成して
いるが、これは、磁気支持ユニットの取り付け方法を何
等限定するものでない。
【0057】例えば、図9に示すように、図2の磁気浮
上装置10において、架台38に代えて、アクチュエータ78
とその左右両端のリニアガイド80を貫く棒材82の下端に
短冊状部材176 を固定し、短冊状部材176 の下面に磁石
ユニット40とギャップセンサ44を配置して磁気浮上装置
178 を構成してもよい。この場合、基台34を磁石ユニッ
ト40を取り付けるための架台とみなすことができる。ま
た、短冊状部材180 の下面に取り付けられたフィードモ
ニタ46,48 は台座182 を介して基台34に固定されてい
る。
【0058】このような構成では、それぞれの磁石ユニ
ットの高さを変えることで鋼板を傾斜させて案内制御が
行われるとともに、鋼板42' のように大きな歪みを持つ
被搬送体の磁気浮上が可能となる。
【0059】さらに、上述の実施例では、鋼板を6つの
磁石ユニットで非接触支持しているが、これは磁石ユニ
ットの個数を何等制限するものでない。例えば、図10に
示すように、12個の磁石ユニットを使用しても何等差し
支えない。このように多数の磁石ユニットを用いると被
搬送体の重量増加に対処できるとともに、磁石ユニット
1個当たりの支持重量および磁束を小さくできるので、
被搬送体が薄い鋼板であっても磁束の飽和を回避でき、
安定な非接触支持が可能となる。
【0060】加えて、本実施例では、U字形状の磁石ユ
ニットが永久磁石を備えているが、これは磁石ユニット
の形状や構成をなんら限定するものでない。例えば、E
字形状あるいは円筒状などの各種形状の電磁石で磁石ユ
ニットを構成しても何等差し支えない。
【0061】また、本実施例では、被搬送体が平板状の
鋼板であるが、これは、被搬送体の材質や形状をなんら
限定するものでない。被搬送体が磁性体または強磁性体
で構成されていればいかなる形状であってもなんら差し
支えない。
【0062】さらに、上述した実施例では、制御装置お
よびその動作をアナログ的に表現してあるが、このよう
な制御方式に限定されるものでなく、デジタル方式を採
用してもよい。このように本発明はその要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更して実施することができることは言う
までもない。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気浮上
装置によれば、浮上している被搬送体を傾けることによ
り重力と磁石ユニットの吸引力との合力により被搬送体
に案内力が作用する。被搬送の案内方向の移動量または
移動速度を検出して被搬送体の傾斜角を制御することで
案内力が調節できるため、新たに案内用の電磁石を設け
る必要がなく、支持機構が簡素化される。
【0064】また、被搬送体を傾けて案内力を得るた
め、被搬送体の質量に応じた大きさの案内力を得ること
ができ、さらに、被搬送体の幅が案内方向の磁石ユニッ
ト間隔より広くても被搬送体の案内が可能となる。この
ため、多種多様の磁性体を長距離にわたり非接触で支持
することができ、かつ搬送ラインを容易に構築すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気浮上搬送装置の第1実施例を示す
斜視図。
【図2】同搬送装置に用いられる搬送車を示す斜視図。
【図3】同搬送装置に用いられる走行制御装置のブロッ
ク構成図。
【図4】同搬送装置に用いられる磁気支持制御装置のブ
ロック構成図。
【図5】同搬送装置に用いられる傾斜角制御装置のブロ
ック構成図。
【図6】同搬送装置による搬送動作を説明するための動
作説明図。
【図7】同搬送装置による別の搬送動作を説明するため
の動作説明図。
【図8】本発明の磁気浮上装置を適用したスカラ形ロボ
ットを示す斜視図。
【図9】本発明の磁気浮上装置の他の実施例を示す斜視
図。
【図10】本発明の磁気浮上装置の他の実施例を示す斜
視図。
【符号の説明】
10,178…磁気浮上装置 12…鋼板搬送装置 14…軌道 16…搬送車 24…ガイドレール 26…駆動部 28…車輪 30…モータ 32…走行制御装置 34…基台 36…傾斜手段 37…ユニバーサルジョイント 38…架台 40,40a,40b,40c,40d,40e,40f…磁石ユニット 42,42'…鋼板 44,44a-1,44a-2,44b-1,44b-2,44c-1,44c-2, 44d-1,44d-2,44e-1,44e-2,44f-1,44f-2 …ギャップセン
サ 46,46a,46b,48,48a,48b …フィードモニタ 52…磁気支持制御手段 54…傾斜角制御手段 56…永久磁石 58…コイル 60…鉄心 62…電磁石 66…励磁周波数演算器 68…インバータ 70…速度検出器 74…走行制御部 78…アクチュエータ 80…リニアガイド 82…棒材 84…電流検出器 86…浮上用センサ部 88…浮上用演算部 92…パワーアンプ 122 …案内用センサ部 124 …案内用演算部 126 …電流ドライバ 146 …案内用制御回路 162 …励磁電流演算回路 164 …架台高さ制御電流座標逆変換回路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁石を備えた磁石ユニットと、 前記磁石ユニットを取り付けるための架台と、 少なくとも一部が磁性体より形成される被搬送体を非接
    触支持するために、前記電磁石の吸引力を制御する磁気
    支持制御手段と搬送方向における前記被搬送体の傾斜角
    度を変化させるため前記架台を傾斜させる傾斜手段と、 前記傾斜角度を制御する傾斜角制御手段とを具備したこ
    とを特徴とする磁気浮上装置。
  2. 【請求項2】電磁石を備えた磁石ユニットと、 前記磁石ユニットを取り付けるための架台と、 少なくとも一部が磁性体より形成される被搬送体を非接
    触支持するために、前記電磁石の吸引力を制御する磁気
    支持制御手段と、 搬送方向における前記被搬送体の傾斜角度を変化させる
    傾斜手段と、 前記傾斜角度を制御する傾斜角制御手段とを具備し、 前記磁石ユニットは前記傾斜手段を介して前記架台に取
    り付けられ、前記磁石ユニットは前記傾斜手段により上
    下方向に移動することを特徴とする磁気浮上装置。
  3. 【請求項3】前記磁石ユニットは永久磁石を有し、前記
    電磁石と前記被搬送体との間のエアギャップ中で前記電
    磁石の作る磁路と前記永久磁石の作る磁路とを共有して
    なることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項
    に記載の磁気浮上装置。
  4. 【請求項4】前記磁気支持制御手段は、前記被搬送体の
    重量に拘わらず、前記被搬送体が安定に浮上していると
    きは前記電磁石の励磁電流を零に収束させるゼロパワー
    制御機能を有していることを特徴とする請求項3記載の
    磁気浮上装置。
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