JP3372731B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3372731B2
JP3372731B2 JP28850195A JP28850195A JP3372731B2 JP 3372731 B2 JP3372731 B2 JP 3372731B2 JP 28850195 A JP28850195 A JP 28850195A JP 28850195 A JP28850195 A JP 28850195A JP 3372731 B2 JP3372731 B2 JP 3372731B2
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子、特
に表面伝導型電子放出素子を用いた画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子放出素子として、熱電子
源と冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子
源には、電界放出型(以下、FE型と略す)、金属/絶
縁層/金属型(以下、MIM型と略す)や表面伝導型電
子放出素子等がある。FE型の例は、W.P.Dyke & W.W.D
olan, "Field emission", Advance in Electron Physic
is, 8 89 (1956) あるいは C.A.Spindt,“Physical Pro
perties of thin-film field emission cathodes with
molybdenium", J.Appl.Phys., 47 5248 (1976)等に記載
されている。MIM型の例は、C.A.Mead, "The tunnel-
emission amplifier", J. Appl. Phys., 32 646 (1961)
等に記載されている。
【0003】表面伝導型電子放出素子の例は、M.I.Elin
son, Radio Eng. Electron Phys.,10 (1965) 等に記載
されている。この表面伝導型電子放出素子は、基板上に
形成された小面積の薄膜に膜面に平行に電流を流すこと
により、電子が放出する現象を利用するものである。こ
の素子としては、前記エリンソン等によるSnO2 薄膜
を用いたもの、Au薄膜によるもの[G.Dittmer: "Thin
Solid Films, 9 317(1972)] 、In23 /SnO2
薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.Fonstad: "IEEE
Trans. ED Conf.", 519 (1975)] 、カーボン薄膜による
もの[荒木久他:真空、第26巻、第1号、22頁(1
983)]等が報告されている。
【0004】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として、前述のM.ハートウェルの素子構成
を図15に示す。同図において201は基板である。2
04は導電性薄膜であり、スパッタリングで形成された
金属酸化物薄膜等によってH型形状のパターンに形成さ
れ、後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理により
電子放出部205が形成される。なお、図中の素子電極
の間隔Lは、0.5〜1mm、W’は0.1mmに設定
されている。電子放出部205の位置及び形状について
は厳密には不明なので模式的に表わした。
【0005】この通電フォーミングとは、導電性薄膜2
04の両端に直流電圧あるいは非常にゆっくりとした昇
電圧(例えば1V/分程度)を印加通電し、導電性薄膜
204を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気
的に高抵抗な状態にした電子放出部205を形成するこ
とである。通電フォーミング処理をした表面伝導型電子
放出素子の導電性薄膜204に電圧を印加して素子に電
流を流すと、導電性薄膜204の一部に形成した亀裂付
近から電子が放出する。
【0006】この表面伝導型放出素子は、構造が単純で
製造も容易なので大面積にわたり多数の素子を配列形成
できる利点がある。したがって、例えば荷電ビーム源、
画像表示装置など、この特徴を生かせる様な種々の応用
が研究されている。この電子放出素子を用いた画像形成
装置においては、電子放出素子で発生した電子を加速電
圧によって加速し、フェースプレート上に設けられた蛍
光体に照射させることによって画像を形成できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この様な画像形成装置
においては、特に電子放出素子が密に配置される電子源
基板の場合、電子放出素子に電流を流すことにより発熱
する。その結果、装置内に温度勾配が生じて熱膨張が発
生し、場合によっては画像の色ズレが生じる。また、こ
の温度勾配による熱応力で装置に悪影響を与えない様
に、従来技術においては構成部材を厚くする等の手段に
よって画像形成装置の剛性を高めていた。その結果、従
来の画像形成装置は、比較的重量が重くなっていた。
【0008】本発明は、この様な従来技術の課題に鑑み
なされたものであり、電子放出素子(特に表面伝導型放
出素子)を用いた画像形成装置において、電子源基板で
発生した熱を効率良く速やかに放熱し、電子源基板内の
温度分布を均一化でき、この結果画像の色ズレを防止
し、更には軽量化可能な画像形成装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、少
なくとも電子放出素子を有する電子源基板と、前記電子
源基板に対向して配置され前記電子放出素子から放出さ
れる電子を受ける被照射部材を搭載したフェースプレー
トとを有する画像形成装置において、前記電子源基板の
前記電子放出素子を有する面とは反対の面上に配置され
た導電膜層と、当該導電膜層と熱伝導性弾性層を介して
熱的に連結された放熱板とを有することを特徴とする画
像形成装置により達成できる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施態様
を示す。
【0011】図1は、本発明の画像形成装置の一態様と
しての画像形成パネルを示す斜視図である。図1におい
て、1は素子電極、電子放出素子等(図示せず)を搭載
する電子源基板である。2は電子放出素子から放出され
る電子を受ける被照射部材である蛍光体等(図示せず)
を搭載し、この蛍光体の発光により画像を形成する部分
である画像形成領域7をその中央部に有するフェースプ
レートである。3は支持枠、4は封着用フリット、5は
電子源基板1とフェースプレート2と支持枠3と封着用
フリット4によって作られた外囲器、6は電子源基板1
の電子放出素子を有する面とは反対の面(すなわち背
面)上に設けられた導電膜層、7は拡大放熱面7’を有
する放熱板、8は導電膜層6と放熱板7との間に介在す
る熱伝導性弾性層である。図2は、電子源基板1の背面
に設けられた導電膜層6等を示す拡大概略断面図であ
る。
【0012】この画像形成装置は、次の様にして製造で
きる。まず、電子源基板1とフェースプレート2と支持
枠3と封着用フリット4を固定用治具(図示せず)によ
って固定し、所定の温度で焼成封着し、外囲器5を作製
する。次いで、電子源基板1の背面に所望の成膜法に従
い導電膜層6を形成する。次いで、この導電膜層6に熱
伝導性弾性層8を合わせ、更に放熱板7を密着する。
【0013】導電膜層6としては、代表的には金属めっ
き膜が挙げられるが、これに限定されず、例えば電解又
は無電解めっき、真空成膜、蒸着法、スパッタ法など何
れの方法でも成膜できる。導電膜層6の構成材料は、熱
伝導率及び比重の点から、ニッケル、銅、アルミニウ
ム、銀、金等が好ましい。特に、無電解ニッケルめっき
被膜、無電解銅めっき被膜、無電解複合めっき被膜、蒸
着銅被膜などを好適に使用できる。また、多層構成にし
てもよい。導電膜層6の膜厚は1μm〜500μm程度
が望ましく、更に10μm〜500μm程度が好まし
い。
【0014】また、電子源基板1として青板ガラスを用
い、導電膜層6として金属めっき膜を用いた場合は、製
造が安価となる、厚膜にし易い等の点で有利である。
【0015】この様な導電膜層6は、電子源基板1の背
面に設けることによりスペースを必要としない放熱構造
として機能する。すなわち、電子放出素子で発生する熱
を速やかに電子源基板1面内に伝導でき、温度を均一化
できる。更には、放熱の効率も向上する。この結果、画
像の色ズレを防止でき、更には従来の装置よりも薄くで
き、かつ放熱手段の占めるスペースも小さいので、装置
の軽量化、薄板化が可能となる。更に、図1に示す態様
においては、導電膜層6と電子源基板1との間に、熱伝
導性弾性層8が介在するので、熱による反り等の変位が
起きても隙間が生じず、伝熱性が落ちないという利点も
ある。また、更に導電膜層6と熱的に連結する放熱板7
を有するので、特にフィン状の多数の拡大放熱面7’の
自然空冷によって、温度の均一化、放熱効率の向上が更
に促進される。
【0016】熱伝導性弾性層8は、熱伝導性と弾性を合
わせ持つ層であれば、特に制限無く用いることができ
る。例えば、市販品として入手可能な放熱用ゴム加工品
(熱伝導性ゴム)が好適である。これ以外にも、例えば
熱伝導グリス等も使用しても同様の効果が得られる。
【0017】放熱板7及び拡大放熱面7’の形状や数
は、図1に示すものも好適な例の一つであるが、特に限
定されず、拡大放熱面の上述の温度の均一化、放熱効率
の向上など所望の作用が得られる範囲で種々の変形が可
能である。特に、この放熱板7のフィン状の拡大放熱面
7’は、自然対流による放熱が良好に行われる様に、画
像形成装置を使用する際に拡大放熱面7’が重力に対し
てほぼ平行となるよう設置するとよい。特に、自然対流
による放熱形態が可能で、強制空冷が不要となる様にす
る事が好ましい。
【0018】図3は、本発明の別の態様を示す斜視図で
ある。図3において、9は金属を圧延したフィルム状金
属膜であり、10はパネルの側面に設けられた拡大放熱
面10’を有する放熱板である。図1と同一の部材につ
いては同一の符号を付与してある。この画像形成装置
は、先に説明した様に外囲器5を作製し、導電膜層6を
形成し、パネルの側面に拡大放熱面10’を有する放熱
板10を設け、更に、導電膜層6と放熱板10をフィル
ム状金属膜9を用いて連結することにより製造できる。
【0019】この側面に設けた放熱板10や拡大放熱面
10’の形状や数も、図1に示した放熱板7や拡大放熱
面7’と同様に所望により種々の変形が可能である。ま
た、フィルム状金属膜9は、導電膜層6および放熱板1
0を熱的に連結できる膜であれば特に制限されず、例え
ば、アルミニウム圧延膜、銅圧延膜など各種金属を好適
に使用できる。
【0020】図3に示す態様においては、電子源基板1
で発生した熱は、導電膜層6によって電子源基板1内の
温度分布が均一になるように伝導され、同時にフィルム
状金属膜9を通して、パネルの側面に設けられた放熱板
10に伝導され、特に拡大放熱面10’によって自然空
冷される。
【0021】また、本発明の別の態様として、ガス放電
型画像形成装置が挙げられる。以下に製造方法を簡単に
説明する。まず、背面板上に放電プラズマ電極、電子引
き出し電極を配置する。更に、板状の絶縁基体上に付設
された帯状の電極群からなる制御電極を配置する。その
後、蛍光膜が付設してあるフェースプレートを、引き出
し電極と平行に相対するように配置し封着する。そし
て、画像形成装置内の真空排気を行い、低気圧の稀ガス
を封入することで、ガス放電型画像形成装置を製造でき
る。この様な態様においても同様の効果が得られる。
【0022】本発明において、電子源基板1に搭載する
電子放出素子としては、特に表面伝導型電子放出素子が
好適である。以下、この表面伝導型電子放出素子につい
て説明する。表面伝導型電子放出素子としては、基本的
に平面型表面伝導型電子放出素子及び垂直型表面伝導型
電子放出素子の2種類が挙げられる。図4は、基本的な
表面伝導型電子放出素子の構成を示す図であり、(a)
は模式的平面図、(b)はその断面図である。図4にお
いて、201は基板、202及び203は素子電極、2
04は導電性薄膜、205は電子放出部である。
【0023】基板201としては、石英ガラス、Na等
の不純物含有量の少ないガラス、青板ガラス、SiO2
を表面に形成したガラス基板及びアルミナ等のセラミッ
クス基板等が用いられる。素子電極202、203の材
料としては一般的導電体が用いられ、例えばNi、C
r、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等
の金属又は合金、及びPd、Ag、Au、RuO2 、P
d−Ag等の金属又は金属酸化物とガラス等から構成さ
れる印刷導体、In23 −SnO2 等の透明導電体及
びポリシリコン等の半導体材料等から適宜選択される。
【0024】素子電極間隔Lは、好ましくは数千オング
ストローム乃至数百マイクロメートルである。また、素
子電極間に印加する電圧は低い方が望ましく、再現良く
作製することが要求されるので、好ましい素子電極間隔
は1マイクロメートル乃至百マイクロメートルである。
【0025】素子電極長さWは、電極の抵抗値、電子放
出特性から数マイクロメートル乃至数百マイクロメート
ルが好ましく、また素子電極202,203の膜厚は、
数百オングストローム乃至数マイクロメートルが好まし
い。
【0026】なお、図4の構成以外にも、例えば、基板
201上に導電性薄膜204、素子電極202,203
の電極を順次形成させた構成にしてもよい。
【0027】導電性薄膜204は、良好な電子放出特性
を得るために微粒子で構成された微粒子膜が特に好まし
く、その膜厚は素子電極202,203へのステップカ
バレージ、素子電極202,203間の抵抗値及び後述
する通電フォーミング条件等によって適宜設定される
が、好ましくは数オングストローム乃至数千オングスト
ロームで、特に好ましくは10オングストローム乃至5
00オングストロームである。そのシート抵抗値は10
3 乃至107 オーム/□である。
【0028】また導電性薄膜204を構成する材料は、
Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、C
r、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pd等の金属、Pd
O、SnO2 、In23 、PdO、Sb23 等の酸
化物、HfB2 、ZrB2 、LaB6 、CeB6 、YB
4 、GdB4 等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、T
aC、SiC、WC等の炭化物、Tin、ZrN、Hf
N等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン等が挙
げられる。
【0029】なお、ここで述べる微粒子膜とは複数の微
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を
さしており、微粒子の粒径は数オングストローム乃至数
千オングストロームであり、好ましくは10オングスト
ローム乃至200オングストロームである。
【0030】電子放出部205は、導電性薄膜204の
一部に形成された高抵抗の亀裂であり、通電フォーミン
グ等により形成される。また亀裂内には数オングストロ
ーム乃至数百オングストロームの粒径の導電性微粒子を
有することもある。この導電性微粒子は、導電性薄膜2
04を構成する物質の少なくとも一部の元素を含んでい
る。また電子放出部205及びその近傍の導電性薄膜2
04は炭素及び炭素化合物を含有することもある。
【0031】図5は、基本的な垂直型表面伝導型電子放
出素子の構成を示す模式的断面図である。図5におい
て、221は段差形成部であり、図4と同一の部材につ
いては同一符号を付与してある。
【0032】基板201、素子電極202と203、導
電性薄膜204、電子放出部205は、前述した平面型
表面伝導型電子放出素子と同様の材料で構成することが
できる。段差形成部221は絶縁性材料で構成され、段
差形成部221の膜厚が先に述べた図4中の平面型表面
伝導型電子放出素子の素子電極間隔Lに相当する。その
間隔は、数百オングストローム乃至数十マイクロメート
ルである。またその間隔は、段差形成部221の製法及
び素子電極間に印加する電圧により制御することができ
るが、好ましくは数百オングストローム乃至数マイクロ
メートルである。
【0033】導電性薄膜204は、素子電極202,2
03と段差形成部221作製後に形成するため、素子電
極202,203の上に積層される。なお、図5におい
て、電子放出部205は段差形成部221に直線状に形
成されているように示されているが、作製条件、通電フ
ォーミング条件等に依存し、形状、位置ともこれに限る
ものではない。
【0034】先に述べた図4の表面伝導型電子放出素子
の製造方法としては、様々な方法が考えられるが、その
一例を図6に示し説明する。図6中、図4と同一の部材
については同一の符号を付与してある。
【0035】1)基板201を洗剤、純水及び有機溶剤
により充分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法等により
素子電極材料を堆積する。その後、フォトリソグラフィ
ー技術によりパターニングし、この基板201上に素子
電極202,203を形成する[図6(a)]。
【0036】2)素子電極202,203を設けた基板
201に、有機金属溶液を塗布し放置することにより有
機金属薄膜を形成する。ここでいう有機金属溶液とは前
述の導電性薄膜204を形成する金属を主元素とする有
機金属化合物の溶液である。この後、有機金属薄膜を加
熱焼成処理し、リフトオフ、エッチング等の公知の技術
を用いてパターニングし、導電性薄膜204を形成する
[図6(b)]。なお、ここでは有機金属溶液の塗布法
により説明したが、これに限るものでなく、真空蒸着
法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、ディ
ッピング法、スピンナー法等により形成してもよい。
【0037】3)続いて、通電フォーミングと呼ばれる
通電処理を行う。通電フォーミングは素子電極202,
203間に不図示の電源より通電を行い、導電性薄膜2
04を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、構造を
変化させた部位を形成させるものである。この局所的に
構造変化させた部位を電子放出部205と呼ぶ[図6
(c)]。
【0038】通電フォーミングの電圧波形の例を図7に
示す。電圧波形は特にパルス波形が好ましく、パルス波
高値が一定の電圧パルスを連続的に印加する場合[図7
(a)]とパルス波高値を増加させながら、電圧パルス
を印加する場合[図7(b)]とがある。
【0039】まず、パルス波高値を一定電圧とした場合
[図7(a)]について説明する。図7(a)における
T1及びT2は、電圧波形のパルス幅とパルス間隔であ
る。T1を1マイクロ秒〜10ミリ秒、T2を10マイ
クロ秒〜100ミリ秒とし、三角波の波高値(通電フォ
ーミング時のピーク電圧)は表面伝導型電子放出素子の
形態に応じて適宜選択し、適当な真空度、例えば10-5
torr程度の真空雰囲気下で、数秒から数十分印加す
る。なお、素子の電極間に印加する波形は三角波に限定
されず、例えば矩形波等所望の波形を用いてもよい。
【0040】図7(b)におけるT1及びT2は図7
(a)と同様であり、三角波の波高値(通電フォーミン
グ時のピーク電圧)は、例えば0.1Vステップ程度ず
つ増加させて適当な真空雰囲気下で印加する。この場合
の通電フォーミングは、パルス間隔T2中に導電性薄膜
204を局所的に破壊、変形しない程度の電圧、例えば
0.1V程度の電圧で、素子電流を測定し、抵抗値を求
め、例えば1Mオーム以上の抵抗を示したときに通電フ
ォーミング終了とする。
【0041】4)次に通電フォーミングが終了した素子
に活性化工程と呼ぶ処理を施すことが望ましい。活性化
工程とは、例えば10-4〜10-5torr程度の真空度
で、通電フォーミング同様、パルス波高値が一定の電圧
パルスを繰り返し印加する処理のことであり、真空中に
存在する有機物質に起因する炭素及び炭素化合物を導電
薄膜上に堆積させ素子電流If、放出電流Ieを著しく
変化させる処理である。活性化工程は、素子電流Ifと
放出電流Ieを測定しながら、例えば放出電流Ieが飽
和した時点で終了する。また印加する電圧パルスは、動
作駆動電圧で行うことが好ましい。ここで炭素及び炭素
化合物とは、グラファイト(単、多結晶双方を指す)、
非晶質カーボン(非晶質カーボン及び多結晶グラファイ
トとの混合物を指す)であり、その膜厚は500オング
ストローム以下が好ましく、より好ましくは300オン
グストローム以下である。
【0042】5)こうして作製した電子放出素子を、通
電フォーミング工程、活性化工程における真空度よりも
高い真空度の雰囲気下において動作駆動させることが望
ましい。また、更に高い真空度の雰囲気下で、80℃〜
150℃の加熱後動作駆動させることが好ましい。ここ
で、通電フォーミング工程、活性化処理した真空度より
高い真空度とは、例えば約10-6以上の真空度であり、
より好ましくは超高真空系であり、新たに炭素及び炭素
化合物が導電薄膜上に殆ど堆積しない真空度である。こ
うすることによって素子電流If、放出電流Ieを安定
化させることが可能になる。
【0043】図8は、図4で示した構成を有する素子の
電子放出特性を測定するための測定評価装置の一例を示
す概略構成図である。図8において、図4と同様の符号
は同一のものを示す。また、251は電子放出素子に素
子電圧Vfを印加するための電源、250は素子電極2
02,203間の導電性薄膜204を流れる素子電流I
fを測定するための電流計、254は素子の電子放出部
205より放出される放出電流Ieを捕捉するためのア
ノード電極、253はアノード電極254に電圧を印加
するための高圧電源、252は素子の電子放出部205
より放出される放出電流Ieを測定するための電流計、
255は真空装置、256は排気ポンプである。
【0044】次に、本発明の画像形成装置について述べ
る。
【0045】画像形成装置に用いられる電子源基板は、
例えば複数の表面伝導型電子放出素子を基板上に配列す
ることにより形成される。表面伝導型電子放出素子の配
列の方式には、表面伝導型電子放出素子を並列に配置
し、個々の素子の両端を配線で接続するはしご型配置
(以下はしご型配置電子源基板と呼ぶ)や、表面伝導型
電子放出素子の一対の素子電極にそれぞれX方向配線、
Y方向配線を接続した単純マトリクス配置(以下マトリ
クス型配置電子源基板と呼ぶ)が挙げられる。なお、は
しご型配置電子源基板を有する画像形成装置には電子放
出素子からの電子の飛翔を制御する電極である制御電極
(グリッド電極)を必要とする。
【0046】以下この原理に基づき構成した単純マトリ
ックス型配置電子源基板について、図9を用いて説明す
る。図9において、271は電子源基板、272はX方
向配線、273はY方向配線、274は表面伝導型電子
放出素子、275は結線である。表面伝導型電子放出素
子274は前述した平面型あるいは垂直型のどちらであ
ってもよい。電子源基板271に用いる基板は前述した
ガラス基板等であり、用途に応じて形状が適宜設定され
る。
【0047】m本のX方向配線272は、Dx1,Dx
2,・・・・,Dxmからなり、Y方向配線273は、
Dy1,Dy2,・・・,Dynのn本の配線よりな
る。また、多数の表面伝導型電子放出素子274にほぼ
均等な電圧が供給されるように、材料、膜厚、配線幅が
適宜設定される。これらm本のX方向配線272とn本
のY方向配線273間は、不図示の層間絶縁層により電
気的に分離されてマトリック配線を構成する(m,n
は、共に正の整数)。不図示の層間絶縁層は、X方向配
線272を形成した基板271の全面あるいは一部に所
望の領域で形成される。X方向配線272とY方向配線
273は、それぞれ外部端子として引き出される。更
に、表面伝導型電子放出素子274の素子電極(図示せ
ず)が、m本のX方向配線272とn本のY方向配線2
73と、結線275によって電気的に接続されている。
また、表面伝導型電子放出素子274は、基板あるいは
不図示の層間絶縁層上のどちらに形成してもよい。
【0048】詳しくは後述するが、X方向配線272
は、X方向に配列する表面伝導型電子放出素子274の
行を入力信号に応じて走査するための走査信号を印加す
る不図示の走査信号発生手段と電気的に接続されれてい
る。一方、Y方向配線273は、Y方向に配列する表面
伝導型電子放出素子274の列の各列を入力信号に応じ
て変調するための変調信号を印加する不図示の変調信号
発生手段と電気的に接続されている。
【0049】更に、表面伝導型電子放出素子274の各
素子に印加される駆動電圧は、素子に印加される走査信
号と変調信号の差電圧として供給される。この様な構成
において、単純なマトリクス配線だけで個別の素子を選
択して独立に駆動可能になる。
【0050】次に、このマトリクス型配置電子源基板を
用いた画像形成装置について、図10、図11及び図1
2を用いて説明する。図10は画像形成装置の基本構成
図であり、図11(a)(b)はそれぞれ蛍光膜の構成
例を示す図であり、図12はNTSC方式のテレビ信号
に応じて表示をするための駆動回路ブロック図である。
【0051】図10において、271は電子放出素子を
基板上に作製した電子源基板、281は電子源基板27
1を固定したリアプレート、286はガラス基板283
の内面に蛍光膜284とメタルバック285等が形成さ
れたフェースプレート、282は支持枠であり、これら
部材によって外囲器288が構成される。276は、図
4における電子放出部205に相当する。272,27
3は表面伝導型電子放出素子の一対の素子電極と接続さ
れたX方向配線及びY方向配線である。
【0052】外囲器288は、上述の如くフェースプレ
ート286、支持枠282、リアプレート281で構成
したが、リアプレート281は主に電子源基板271の
強度を補強する目的で設けられるため、電子源基板27
1自体で十分な強度もつ場合は別体のリアプレート28
1は不要である。すなわち、電子源基板271に直接支
持枠282を設け、フェースプレート286、支持枠2
82、電子源基板271にて外囲器288を構成しても
よい。
【0053】フェースプレート283の蛍光膜284
は、詳細には図11に示すようになっている。図11に
おいて、292は蛍光体、291は黒色導電材である。
蛍光体292は、モノクロームの場合は蛍光体のみから
なるが、カラーの蛍光膜の場合は蛍光体の配列によりブ
ラックストライプあるいはブラックマトリクス等と呼ば
れる黒色導電材291と蛍光体292とで構成される。
ブラックストライプ、ブラックマトリクスが設けられる
目的は、カラー表示の場合に必要となる三原色蛍光体の
各蛍光体292間の塗り分け部を黒くすることで混色等
を目立たなくすることと、蛍光膜284における外光反
射によるコントラストの低下を抑制することである。ブ
ラックストライプの材料としては、通常よく用いられて
いる黒鉛を主成分とする材料だけなく、導電性があり、
光の透過及び反射が少ない材料であればこれに限るもの
ではない。ガラス基板283に蛍光体を塗布する方法は
モノクローム、カラーによらず、沈澱法や印刷法が用い
られる。
【0054】また、蛍光膜284(図10)の内面側に
は、通常、メタルバック285(図10)が設けられ
る。メタルバック285の目的は、蛍光体の発光成分の
うち内面側へ向かう光の成分をフェースプレート286
側へ鏡面反射することにより輝度を向上させること、電
子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用する
こと、外囲器288内で発生した負イオンの衝突による
ダメージからの蛍光体の保護等がある。メタルバック2
85は、蛍光膜284作製後、蛍光膜284の内面側表
面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を行
い、その後Al(アルミニウム)を真空蒸着法等で堆積
することにより作製できる。
【0055】そして、電子源基板271上には、更に、
図1〜図2に示した様な導電膜層6等を設ける。
【0056】外囲器288は、不図示の排気管を介して
その内部が排気され、10-7torr程度の真空度にさ
れ、封止される。また、外囲器288の封止後の真空度
を維持するために、ゲッター処理を行う場合もある。こ
れは外囲器288の封止を行う直前あるいは封止後に抵
抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器2
88内の所定の位置(図示せず)に予め配置されたゲッ
ターを加熱し、外囲器内面に蒸着膜を形成する処理であ
る。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の
吸着作用により、例えば1×10-5torr乃至1×1
-7torrの真空度を維持するものである。なお、表
面伝導型電子放出素子のフォーミング以降の工程は適宜
設定される。
【0057】次に、マトリクス型配置電子源基板を用い
て構成した画像形成装置において、NTSC方式のテレ
ビ信号に基づきテレビジョン表示を行うための駆動回路
の概略構成を、図12のブロック図を用いて説明する。
図12において、301は画像形成装置(表示パネル)
であり、302は走査回路、303は制御回路、304
はシフトレジスタ、305はラインメモリ、306は同
期信号分離回路、307は変調信号発生器、Vx及びV
aは直流電圧源である。
【0058】以下、各部の機能を説明する。画像形成装
置301は、端子Dox1乃至Doxm及び端子Doy
1乃至Doyn及び高圧端子Hvを介して外部の電気回
路と接続している。このうち端子Dox1乃至Doxm
には画像形成装置301に設けられている電子源、すな
わちM行N列の行列状にマトリクス配線された表面伝導
型電子放出素子群を一行(N素子)ずつ順次駆動してい
くための走査信号が印加される。一方、端子Dy1乃至
Dynには走査信号により選択された一行の表面伝導型
電子放出素子の各素子の出力電子ビームを制御するため
の変調信号が印加される。また、高圧端子Hvには直流
電圧源Vaより、例えば10[kV]の直流電圧が供給
されるが、これは表面伝導型電子放出素子より出力され
る電子ビームに蛍光体を励起するのに十分なエネルギー
を付与するための加速電圧である。
【0059】次に、走査回路302について説明する。
同回路は内部にM個のスイッチング素子を備えるもので
(図中、S1乃至Smで模式的に示している)、各スイ
ッチング素子は直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0
[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表
示パネル301の端子Dx1乃至Dxmと電気的に接続
するものである。S1乃至Smの各スイッチング素子
は、制御回路303が出力する制御信号Tscanに基
づいて動作するものであるが、実際には例えばFETの
ようなスイッチング素子を組み合わせることにより構成
することが可能である。なお、直流電圧電源Vxは、表
面伝導型放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基
づき走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子
放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力する
ように設定されている。
【0060】制御回路303は、外部より入力する画像
信号に基づいて適切な表示が行われるように、各部の動
作を整合させる働きをもつ。そして、次に説明する同期
信号分離回路306より送られる同期信号Tsyncに
基づいて、各部に対してTscan、Tsft及びTm
ryの各制御信号を発生する。
【0061】同期信号分離回路306は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離するための回路で、周波数分離(フ
ィルター)回路を用いて構成できる。同期信号分離回路
306により分離された同期信号は、よく知られるよう
に垂直同期信号と水平同期信号よりなるが、ここでは説
明の便宜上Tsync信号として図示した。一方、テレ
ビ信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DA
TA信号と表わすが、同信号はシフトレジスタ304に
入力される。
【0062】シフトレジスタ304は、時系列的にシリ
アルに入力されるDATA信号を、画像の1ライン毎に
シリアル/パラレル変換するためのもので、制御回路3
03より送られる制御信号Tsftに基づいて動作す
る。すなわち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ3
04のシフトクロックであると言い換えてもよい。シリ
アル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出素
子N素子分の駆動データに相当する)のデータは、Id
1乃至IdnのN個の並列信号としてシフトレジスタ3
04より出力される。
【0063】ラインメモリ305は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路303より送られる制御信号Tmryにし
たがって、適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記
憶された内容はId’1乃至Id’nとして出力され、
変調信号発生器307に入力される。
【0064】変調信号発生器307は、画像データI
d’1乃至Id’nの各々に応じて表面伝導型電子放出
素子の各々を適切に駆動変調するための信号源で、その
出力信号は、端子Doy1乃至Doynを通じて表示パ
ネル301内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
【0065】本発明における電子放出素子は、放出電流
Ieに対して以下の基本特性を有している。すなわち、
電子放出には明確なしきい値電圧Vthがあり、Vth
以上の電圧を印加されたときのみ電子放出が生じる。ま
た、電子放出しきい値以上の電圧に対しては、素子への
印加電圧の変化に応じて放出電流も変化してゆく。な
お、電子放出素子の材料や構成、製造方法を変えること
により、電子放出しきい値電圧Vthの値や印加電圧に
対する放出電流の変化の度合いが変わる場合もあるが、
いずれにしても以下のようなことが言える。
【0066】すなわち、本素子にパネル状の電圧を印加
する場合、例えば電子放出しきい値以下の電圧を印加し
ても電子放出は生じないが、電子放出しきい値以上の電
圧を印加する場合には電子ビームが出力される。その
際、第一にはパルスの波高値Vmを変化させることによ
り出力電子ビームの強度を制御することが可能である。
第二には、パルスの幅Pwを変化させることにより出力
される電子ビームの電荷の総量を制御することが可能で
ある。
【0067】したがって、入力信号に応じて、電子放出
素子を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅
変調方式等が挙げられる。電圧変調方式を実施する場合
は、変調信号発生器307としては一定長さの電圧パル
スを発生するが入力されるデータに応じて適宜パルスの
波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いる。
また、パルス幅変調方式を実施する場合は、変調信号発
生器307としては、一定の波高値の電圧パルスを発生
するが入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの幅を
変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる。
【0068】以上に説明した一連の動作により、本発明
の画像形形成装置301を表示パネルとして用いてテレ
ビジョンの表示を行える。なお、上記説明中特に記載し
なかったが、シフトレジスタ304やラインメモリ30
5はデジタル信号式のものでもアナログ信号式のもでも
差し支えない。要は画像信号のシリアル/パラレル変換
や記憶が所定の速度で行なわれればよい。
【0069】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路306の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これは306の出力部にA/D変換
器を備えれば可能である。また、これと関連してライン
メモリ305の出力信号がデジタル信号かアナログ信号
かにより、変調信号発生器307に用いられる回路が若
干異なったものとなる。
【0070】まず、デジタル信号の場合について述べ
る。電圧変調方式においては変調信号発生器307に
は、例えばよく知られるD/A変換回路を用い、必要に
応じて増幅回路等を付け加えればよい。また、パルス幅
変調方式の場合、変調信号発生器307には、例えば高
速の発振器及び発振器の出力する波数を計数する計数器
(カウンタ)及び計数器の出力値とメモリの出力値を比
較する比較器(コンパレータ)を組み合わせた回路を用
いることにより構成できる。必要に応じて比較器の出力
するパルス幅変調された変調信号を表面伝導型電子放出
素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け
加えてもよい。
【0071】次に、アナログ信号場合について述べる。
電圧変調方式においては変調信号発生器307には、例
えばよく知られるオペアンプ等を用いた増幅回路を用い
ればよく、必要に応じてレベルシフト回路等を付け加え
てもよい。またパルス幅変調方式の場合には、例えばよ
く知られた電圧制御発振回路(VCO)を用ればよく、
必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧にまで
電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
【0072】以上の様に完成した画像形成装置におい
て、各電子放出素子には、容器外端子Dox1乃至Do
xm、Doy1乃至Doynを通じ、電圧を印加するこ
とにより電子を放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタル
バック285、あるいは透明電極(図示せず)に高圧を
印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜284に衝突さ
せ、励起・発光させることで画像を表示することができ
る。
【0073】以上述べた構成は、表示等に用いられる好
適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう
適宜選択する。また、入力信号として、NTSC方式を
挙げたが、これに限るものではなく、PAL、SECA
M方式等の諸方式でもよく、また、これよりも、多数の
走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をはじ
めとする高品位TV)方式でもよい。
【0074】次に、前述のはしご型配置電子源基板及び
それを用いた画像形成装置について、図13、図14を
用いて説明する。
【0075】図13において、310は電子源基板、3
11は電子放出素子、312のDx1〜Dx10は、前
記電子放出素子に接続する共通配線である。電子放出素
子311は、基板310上に、X方向に並列に複数個配
されている(これを素子行と呼ぶ)。この素子行を複数
個基板上に配置し、はしご型電子源基板となる。各素子
行の共通配線間に適宜駆動電圧を印加することで、各素
子行を独立に駆動することが可能になる。すなわち、電
子ビームを放出させる素子行には電子放出しきい値以上
の電圧を、電子ビームを放出させない素子行には電子放
出しきい値以下の電圧を印加すればよい。また、各素子
行間の共通配線Dx2〜Dx9(例えばDx2とDx
3)を同一配線にしてもよい。
【0076】図14は、はしご型配置の電子源を備えた
画像形成装置の構造の一例を示す概略構成図である。3
20はグリッド電極、321は電子が通過するための空
孔、322はDox1,Dox2,・・・,Doxmよ
りなる容器外端子、323はグリッド電極320と接続
されたG1,G2,・・・Gnからなる容器外端子、3
10は前述の様に各素子行間の共通配線を同一配線とし
た電子源基板である。なお、図10と同一符号は同一の
部材を示す。前述の単純マトリクス配置の画像形成装置
(図10)との違いは、電子源基板310とフェースプ
レート286の間に、グリッド電極320を備えている
ことである。
【0077】グリッド電極320は、表面伝導型電子放
出素子から放出された電子ビームを変調することができ
るもので、はしご型配置の素子行と直交して設けられた
ストライプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各
素子に対応して1個ずつ円形の空孔321が設けられて
いる。グリッドの形状や設置位置は必ずしも図14のよ
うなものでなくともよく、開口としてメッシュ状に多数
の通過口を設けることもあり、また例えば表面伝導型放
出素子の周囲や近傍に設けてもよい。容器外端子322
及びグリッド容器外端子323は、不図示の制御回路と
電気的に接続されている。
【0078】この画像形成装置では、素子行を1列ずつ
順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極列
に画像1ライン分の変調信号を同時に印加することによ
り、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を1
ラインずつ表示することができる。
【0079】以上、表面伝導型電子放出素子を用いた画
像形成装置について説明したが、本発明はこれに限定さ
れず、電子放出素子として、例えば、MIM型電子放出
素子、電界放出型電子放出素子等の冷陰極電子源や、熱
電子源も使用可能である。
【0080】本発明の画像形成装置は、上述したテレビ
ジョン放送の表示装置のみならず、テレビ会議システ
ム、コンピュータ等の表示装置にも適する。更には、感
光性ドラム等で構成された光プリンターとしての画像形
成装置としても用いることができる。
【0081】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0082】<実施例1>図1及び図2に示した画像形
成装置を、以下の様にして作製した。
【0083】まず電子源基板1とフェースプレート2と
支持枠3と封着用フリット4を固定用治具(図示せず)
によって固定し、所定の温度で焼成封着し、外囲器5を
作製した。外囲器5の材質は青板ガラスとした。次い
で、電子源基板1の背面の全面にわたって無電解ニッケ
ルめっきを施し、膜厚100μmの導電膜層6を形成し
た。なお、外囲器5の電子源基板1の背面部分以外には
めっき被膜が付かないように、予め覆いをかぶせて行な
った。そして、導電膜層6に熱伝導ゴム(信越シリコー
ン社製、商品名TC−20BG)を合わせて熱伝導性弾
性層8を形成した。次いで、熱伝導性弾性層8の上に、
図1に示す様に拡大放熱面7’を設けた放熱板7を密着
した。この密着に際しては、隙間のできないように押え
治具(図示せず)を用いた。更に、先に説明した駆動回
路等を付け加えることによって画像形成装置を完成し
た。
【0084】この様にして得た画像形成装置は、電子源
基板1で発生した熱が導電膜層6により伝導され、電子
源基板1内の温度分布が均一化され、同時に、熱伝導性
弾性層8を通じて放熱板7に伝導され、特にその拡大放
熱面7’によって自然空冷され、この結果、熱膨張等に
よる画像の色ズレも無かった。また、構造部材の厚さを
薄くする等の軽量化が可能なものである。
【0085】<実施例2>導電膜層6として、電子源基
板1の背面の全面にわたって真空蒸着法により銅の蒸着
膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして画像形
成装置を作製した。この画像形成装置は、同様の良好な
温度分布の均一化、放熱効率の向上を示し、画像の色ズ
レも無かった。
【0086】<実施例3>図3に示した画像形成装置
を、以下の様にして作製した。
【0087】まず、実施例1と同様にして、外囲器5、
導電膜層6を設けた。次いで、拡大放熱面10’を有す
る放熱板10を図示する様にその側面に設け、更に、導
電膜層6と放熱板10とをA1のフィルム状金属膜(圧
延膜)9を用いて連結した。導電膜層6および放熱板1
0とフィルム状金属膜9にはA1を用いた。更に、先に
説明した駆動回路等を付け加えることによって画像形成
装置を完成した。
【0088】この様にして得た画像形成装置は、同様
に、温度分布の均一化、放熱効率の向上を示し、画像の
色ズレも無かった。
【0089】<実施例4>ガス放電型画像形成装置(図
示せず)を、以下の様にして作製した。
【0090】まず、ガラス製の背面板上に放電プラズマ
を生起する放電電極を配し、次に、放電プラズマから電
子を引き出すための電子引き出し電極を配置した。この
引き出し電極は、規則正しい多数の透孔を有する金属板
からなる。更に、板状の絶縁基体上に付設された帯状の
電極群からなる制御電極を配置した。この制御電極に
は、前記電子引き出し電極上の透孔と同軸上に透孔を有
し、電子の直進を妨げないようになっている。その後、
蛍光膜が付設してあるガラス製のフェースプレートを、
電子源基板上に形成された引き出し電極と平行に相対す
るように配置し、低融点ガラスで封着した。そして、画
像形成装置内の真空排気を行い、低気圧の稀ガスを封入
することで、ガス放電型画像形成装置を製造した。更
に、実施例1と同様の導電膜層6、熱伝導性弾性層8、
放熱板7を設けた。この画像形成装置においても同様の
効果が得られた。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子放出素子(特に表面伝導型電子放出素子)を用いた
画像形成装置において、電子源基板内の温度を均一化で
き、更に放熱効果を向上できるので、熱膨張等による画
像の色ズレを防止でき、また従来の装置と比較して軽量
化、薄板化が可能である。したがって、本発明の画像形
成装置は、特に優れた色画像を形成可能な軽量化、薄板
化されたプレート状の画像形成装置として非常に有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一態様を示す斜視図である。
【図2】導電膜層等の一態様を示す拡大概略断面図であ
る。
【図3】本発明の装置の他の態様を示す斜視図である。
【図4】基本的な平面型表面伝導型電子放出素子の構成
を例示する図であり、(a)は模式的平面図、(b)は
その模式的断面図である。
【図5】基本的な垂直型表面伝導型電子放出素子の構成
を例示する模式的断面図である。
【図6】表面伝導型電子放出素子の製造方法の一例を示
す工程図である。
【図7】(a)(b)は、各々、表面伝導型電子放出素
子に施す通電フォーミングの電圧波形の例を示すグラフ
である。
【図8】電子放出特性を測定するために用いる測定評価
装置の概略構成図である。
【図9】単純マトリクス配置の電子源基板の構成例を示
す模式図である。
【図10】単純マトリクス配置の電子源基板を用いた画
像形成装置の一例を示す基本構成図である。
【図11】(a)(b)は、各々、フェースプレートの
蛍光膜の構成例を示す模式図である。
【図12】NTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行
うための駆動回路を組み込んだ例を示すブロック図であ
る。
【図13】はしご型配置の電子源基板の構成例を示す模
式図である。
【図14】はしご型配置の電子源基板を用いた画像形成
装置の一例を示す基本構成図である。
【図15】従来の表面伝導型電子放出素子の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 電子源基板 2 フェースプレート 3 支持枠 4 封着用フリット 5 外囲器 6 導電膜層 7 拡大放熱面を有する放熱板 8 熱伝導性弾性層 9 フィルム状金属膜 10 拡大放熱面を有する放熱板 201 基板 202 素子電極 203 素子電極 204 導電性薄膜 205 電子放出部 221 段差形成部 250 電流計 251 電源 252 電流計 253 高圧電源 254 アノード電極 255 真空装置 256 排気ポンプ 271 電子源基板 272 X方向配線 273 Y方向配線 274 表面伝導型電子放出素子 275 結線 276 電子放出部 281 リアプレート 282 支持枠 283 ガラス基板 284 蛍光膜 285 メタルバック 286 フェースプレート 288 外囲器 291 黒色導電材 292 蛍光体 301 画像形成装置(表示パネル) 302 走査回路 303 制御回路 304 シフトレジスタ 305 ラインメモリ 306 同期信号分離回路 307 変調信号発生器 310 電子源基板 311 電子放出素子 312 共通配線 320 グリッド電極 321 電子が通過するための空孔 322 容器外端子 323 容器外端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/00 H01J 29/86 G09F 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電子放出素子を有する電子源
    基板と、前記電子源基板に対向して配置され前記電子放
    出素子から放出される電子を受ける被照射部材を搭載し
    たフェースプレートとを有する画像形成装置において、
    前記電子源基板の前記電子放出素子を有する面とは反対
    の面上に配置された導電膜層と、当該導電膜層と熱伝導
    性弾性層を介して熱的に連結された放熱板とを有するこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記熱伝導性弾性層は、前記導電膜層と
    前記電子源基板との間に配置されている請求項1記載の
    画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記電子源基板は青板ガラスであり、前
    記導電膜層は金属めっき膜である請求項1または2項記
    載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記電子放出素子が表面伝導型電子放出
    素子である請求項1〜の何れか一項記載の画像形成装
    置。
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