JP3370636B2 - キャリア箔付金属箔及びその製造方法 - Google Patents

キャリア箔付金属箔及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャリア箔付金属
箔及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、キャリア箔付電解銅箔は、基
材と熱間プレス加工により積層した後に、キャリア箔付
電解銅箔のキャリア箔を引き剥がして銅張積層板として
用いる用途に広く用いられてきた。
【0003】キャリア箔付電解銅箔の中でも、本件発明
者等は、キャリア箔層と電解銅箔層との接合界面層を有
機系剤を用いて形成したキャリア箔付電解銅箔の使用を
提唱してきた。このキャリア箔付電解銅箔は、接合界面
の剥離強度が低位で安定し、容易にキャリア箔が引き剥
がせる点に特色がある。
【0004】キャリア箔付電解銅箔のキャリア箔は、電
解銅箔の取り扱い時に電解銅箔層に皺が入ることを防止
し、電解銅箔表面が汚染されることを防止する役割を果
たすものとして機能してきた。このときの電解銅箔層
は、一般に非常に薄いものが用いられてきた。
【0005】同様に、銅箔に限らず、箔状態で使用され
るものについては、そのハンドリング時に発生するシワ
をいかに防止するかは、長年の課題であった。例えば、
伝統工芸、仏具等に用いられる金箔も、約1gの金を一
畳程度の広さにまで、叩き延ばしたものであり、その取
り扱いには細心の注意と、熟練を要するものであった。
【0006】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、金属箔として
用いられるニッケル、スズ、コバルト、クロム、鉄等の
箔を、前述したキャリア箔付電解銅箔と同様の構成とす
ることができれば、ハンドリング時のシワの発生等を防
止することが可能となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本件発明者等
は、鋭意研究の結果、有機接合界面層を有するキャリア
箔付金属箔とすることで、銅、ニッケル、スズ、コバル
ト、クロム、鉄等の各種金属箔及び合金箔の取り扱いを
容易にすることを考えたのである。
【0008】従って、請求項1には、キャリア箔層と金
属箔層とが有機接合界面層を介して層状に張り合わされ
たキャリア箔付金属箔であって、金属箔層はニッケル、
スズ、コバルト、クロム、鉛、鉄、亜鉛のいずれか1種
又は2種以上を組み合わせた合金よりなることを特徴と
するキャリア箔付金属箔としている。
【0009】但し、この場合、亜鉛単独で金属箔層を構
成する場合は含まないものとする。本件発明者等の研究
により、40℃の塩化銀−銀飽和電極を参照電極として
測定した析出電位が−900mV以下の−1000mV
を越える領域に含まれる亜鉛は、有機接合界面層を有す
る本件発明に係るキャリア箔付亜鉛箔とした場合に、キ
ャリア箔と亜鉛箔とが容易に引き剥がし可能なものとな
らないからである。これに対し、亜鉛−ニッケル等の合
金とし、前記析出電位が−900mV以上の領域にある
ものとすれば、キャリア箔と金属箔層とが容易に引き剥
がし可能なものとなるのである。従って、金属箔層を2
層以上の構成とした、請求項2に係るキャリア箔付金属
箔の場合も、有機接合界面上に直接形成する場合は含ま
ないものとする。
【0010】上述した亜鉛単独の場合を除き、これらの
キャリア箔層は、いかなる段階においても、金属箔層か
ら引き剥がすことが可能である。例えば、金属箔を用い
る前にキャリア箔を引き剥がすことも、被覆物に金属箔
を張り付けた後にキャリア箔を引き剥がすことも可能な
のである。
【0011】これらのキャリア箔付金属箔を、平板の被
覆物に用いようとすると、キャリア箔を付けたまま金属
箔部を押し当て密着させた後に、キャリア箔を除去する
ことが可能であり、使用までの金属箔の損傷及び汚染を
防止することができる。また、複雑な形状を有する被覆
物に用いる場合は、予めキャリア箔を除去し、通常の金
属箔として用いればよいのである。
【0012】スズを用いて金属箔層を形成したキャリア
箔付スズ箔は、通常のスズ箔と同様に、その防食性の高
さより、建設分野において建材の被覆用、亜鉛と同様の
防食材として用いる等が可能である。
【0013】コバルトを用いて金属箔層を形成したキャ
リア箔付コバルト箔は、電気接点材、テープキャリアパ
ッケージに耐マイグレーション性を付与するために用い
ること等が可能である。
【0014】クロムを用いて金属箔層を形成したキャリ
ア箔付クロム箔は、プラスチック上の厚膜クロムメッキ
の代替え、抵抗箔、電熱箔として用いる等が可能であ
る。
【0015】鉄を用いて金属箔層を形成したキャリア箔
付鉄箔は、電子機器分野において電磁波吸収及びシール
ド用に、マグネットボードの表面形成として用いる等が
可能である。
【0016】鉛を用いて金属箔層を形成したキャリア箔
付鉛箔は、建材の貝類付着防止ラミネートシート、鋼板
の防振ラミネート材として用いる等が可能である。ま
た、鉛とスズを組み合わせ、金属箔層を鉛−スズ合金と
したたキャリア箔付合金箔は、サーモフューズ、電流フ
ューズ等に用いることが可能で、金属箔層を鉛−スズと
するとスーパーソルダーの代わりに用いることも可能と
なる。
【0017】ニッケルを用いて金属箔層を形成したキャ
リア箔付ニッケル箔は、電子機器分野において積層セラ
ミックコンデンサー、平面発熱抵抗体、抵抗回路用にと
して用いる等が可能である。金属箔層をニッケル−クロ
ム合金としたキャリア箔付合金箔も同様である。また、
ニッケル−コバルト合金、鉄−ニッケル−コバルト合金
で金属箔層を形成すると、極薄磁石の磁性材として使用
することが可能である。
【0018】そして、上述した元素の組み合わせ以外に
も、適宜上記元素を組み合わせることにより得られるキ
ャリア箔付合金箔は、電気接点材料、電気抵抗材、ロウ
材、磁性材、固体潤滑材、シールド材等に有効に活用す
ることが可能となる。
【0019】更に、請求項2には、キャリア箔層と金属
箔層とが有機接合界面層を介して張り合わされたキャリ
ア箔付金属箔であって、金属箔層は、ニッケル、スズ、
コバルト、クロム、鉛、鉄、亜鉛の2種以上を層状の構
造としたことを特徴とするキャリア箔付金属箔としてい
る。これらは、その組み合わせ方により、磁気シールド
材、耐摩耗性表面被覆材、放射線シールド材、磁性膜材
等種々の用途が考えられるものとなり、今後極めて広い
分野での用途の拡大が見込めるものである。
【0020】ここで、キャリア箔として用いることの出
来るものには、特段の限定はなく、一般に使用できるア
ルミニウム箔、銅箔その他の金属箔、若しくは導電性有
機膜等目的に応じて使い分けることが可能である。ただ
し、キャリア箔はそれ自体を、後に溶液中でカソード分
極して、電解法で金属箔層を形成するので、導電性を有
する状態のものでなければならない。特に、伸縮性を有
する導電性有機膜をキャリア箔に用いると、複雑形状の
被覆物に対し、キャリア箔を付けたままの被覆が可能と
なる。
【0021】キャリア箔と金属箔層との間に位置する有
機接合界面層の形成には、以下の有機剤を用いることが
有用である。ここでいう有機剤は、請求項3に記載した
ように、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物及び
カルボン酸の中から選択される1種又は2種以上からな
るものを用いることが好ましい。
【0022】窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物
及びカルボン酸のうち、窒素含有有機化合物には、置換
基を有する窒素含有有機化合物を含んでいる。具体的に
は、窒素含有有機化合物としては、置換基を有するトリ
アゾール化合物である1,2,3−ベンゾトリアゾール
(以下、「BTA」と称する。)、カルボキシベンゾト
リアゾール(以下、「CBTA」と称する。)、N’,
N’−ビス(ベンゾトリアゾリルメチル)ユリア(以
下、「BTD−U」と称する。)、1H−1,2,4−
トリアゾール(以下、「TA」と称する。)及び3−ア
ミノ−1H−1,2,4−トリアゾール(以下、「AT
A」と称する。)等を用いることが好ましい。
【0023】硫黄含有有機化合物には、メルカプトベン
ゾチアゾール(以下、「MBT」と称する。)、チオシ
アヌル酸(以下、「TCA」と称する。)及び2−ベン
ズイミダゾールチオール(以下、「BIT」と称する)
等を用いることが好ましい。
【0024】カルボン酸は、特にモノカルボン酸を用い
ることが好ましく、中でもオレイン酸、リノール酸及び
リノレイン酸等を用いることが好ましい。
【0025】以上に述べた有機剤の使用方法について、
キャリア箔上への接合界面層の形成方法について述べつ
つ、説明することとする。キャリア箔上への接合界面層
の形成は、上述した有機剤を溶媒に溶解させ、その溶媒
中にキャリア箔を浸漬させるか、接合界面層を形成しよ
うとする面に対するシャワーリング、噴霧法、滴下法及
び電着法等を用いて行うことができ、特に限定した手法
を採用する必要性はない。このときの溶媒中の有機剤の
濃度は、上述した有機剤の全てにおいて、濃度0.01
g/l〜10g/l、液温20〜60℃の範囲が好まし
い。有機剤の濃度は、特に限定されるものではなく、本
来濃度が高くとも低くとも問題のないものである。
【0026】また、有機剤による接合界面層の形成は、
前述の有機剤を適宜組み合わせて行うことも可能で、し
かも、上記した形成方法を繰り返し行うことも可能であ
る。これにより、より精度の高い接合界面層の厚さ制御
が可能となる。
【0027】接合界面層の形成は、キャリア箔の表面に
対する有機剤の吸着によるものと考えられる。従って、
有機剤の濃度が高いほど有機剤がキャリア箔表面に吸着
する速度が速くなると言え、基本的に有機剤の濃度は製
造ラインの速度に応じて定められるものである。キャリ
ア箔と溶媒に溶解させた有機剤とを接触させる時間も製
造ラインの速度から決まり、実用的には5〜60秒の接
触時間を基準に考えるべきものと思われる。
【0028】これらのことを考慮した結果、下限値であ
る有機剤の濃度0.01g/lよりも低い濃度となる
と、短時間でのキャリア箔表面への吸着は困難であり、
しかも形成される接合界面層の厚さにバラツキが生じ、
製品品質の安定化が不可能となるのである。一方、上限
値である10g/lを越える濃度としても、特に有機剤
のキャリア箔表面への吸着速度が添加量に応じて増加す
るものでもなく、生産コスト面から見て好ましいものと
は言えないためである。
【0029】上述した有機剤を使用することにより、接
合界面層を形成する際の量的制御を容易にし、キャリア
箔と電解銅箔との引き剥がし強度を一定の範囲に納める
ことが可能となる。しかも、熱的安定性にすぐれ、加熱
処理を受けても、引き剥がし強度の安定性を確保するこ
とが可能となる。
【0030】これらの有機剤は、本来一般に、導電性材
料ではなく、絶縁性を有する材料ある。しかしながら、
本件発明に係るキャリア箔付金属箔は、キャリア箔自体
を陰極として分極し、キャリア箔上に形成した有機剤を
用いて形成した有機接合界面層上に直接的に金属を電解
析出させるものであり、有機接合界面層を通しての通電
可能な状態とする必要がある。即ち、有機剤からなる接
合界面層の厚さは自ずと限界が生じ、適正な引き剥がし
強度の確保を可能とし、しかも金属の安定した電解析出
が可能な厚さとする必要がある。
【0031】従って、有機剤をどのような濃度の溶媒を
用いて、いかなる処理時間で接合界面層を形成するかが
重要なのではなく、結果として形成された有機接合界面
層の厚さ、言い換えると、接合界面に存在する有機剤の
量が重要となるのである。本件発明者等は、有機剤を用
いた接合界面層の厚さが、好ましくは1nm〜1μmの
範囲であることを確認している。
【0032】ここに明記した厚さ範囲で、適正な剥離強
度の確保が可能で、しかも金属の安定した電解析出が可
能となるのである。即ち、有機接合界面層に用いる有機
剤の量(厚さ)が、下限値である1nmを下回る厚さで
は、有機剤からなる接合界面層の厚みにバラツキが生
じ、均一な接合界面層が形成できない。その結果とし
て、安定した適正な引き剥がし強度が得られず、場合に
よってはキャリア箔を引き剥がせないことになる。
【0033】上限値である1μmを越えると、通電状態
が不安定になり、金属の析出状況が不安定で、均一な厚
さの電解銅箔層の形成が困難となる。また、長時間掛け
て金属を析出させても、最低限必要とされる引き剥がし
強度を満足しないものとなる。そして、接合界面層の厚
さが更に大きくなると、完全に通電不能な状態となる。
【0034】ここでいう「適正な引き剥がし強度」と
は、JIS−C−6481に準拠して測定した場合の値
が、1〜200gf/cmの範囲のものと考えている。
これは、従来のピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅
箔の使用実績を考慮し、経験上得られた適正と考えられ
るキャリア箔と電解銅箔との界面における引き剥がし強
度(剥離強度)に、当該キャリア箔付金属箔の使用者の
理想的な要求値を加味したものとしての範囲である。キ
ャリア箔と電解銅箔との界面における引き剥がし強度
が、低いほど剥離作業は容易になる。一方で、引き剥が
し強度が、1gf/cm未満であると、キャリア箔付金
属箔の製造時の巻き取り、被覆加工時等に自然にキャリ
ア箔と金属箔とが部分的に剥離してふくれ、ズレ等の不
良が発生する原因となる。一方、引き剥がし強度が、2
00gf/cmを越えた場合は、本件特許発明の特徴で
ある容易にキャリア箔が引き剥がせるというイメージの
ものではなく、引き剥がしに際し、特殊な引き剥がし装
置を用いる等の手法が必要となるのである。
【0035】以上のようにして、有機接合界面を形成し
た後、金属箔層の形成が行われることになる。即ち、請
求項4に記載したように、有機接合界面の上に電解法に
より金属箔層の形成を行うのである。金属箔形成槽で
は、以下の溶液を用いる。
【0036】ニッケル箔層を形成する場合は、ニッケル
メッキ液として用いられる溶液を広く使用することが可
能である。例えば、硫酸ニッケルを用いニッケル濃度
が5〜30g/l、液温20〜50℃、pH2〜4、電
流密度0.3〜10A/dm の条件、硫酸ニッケル
を用いニッケル濃度が5〜30g/l、ピロリン酸カリ
ウム50〜500g/l、液温20〜50℃、pH8〜
11、電流密度0.3〜10A/dmの条件、硫酸
ニッケルを用いニッケル濃度が10〜70g/l、ホウ
酸20〜60g/l、液温20〜50℃、pH2〜4、
電流密度1〜50A/dmの条件、その他一般のワッ
ト浴の条件とする等である。
【0037】スズ箔層を形成する場合は、スズメッキ液
として用いられる溶液を使用することが可能である。例
えば、硫酸第1スズを用いスズ濃度が5〜30g/
l、液温20〜50℃、pH2〜4、電流密度0.3〜
10A/dmの条件、硫酸第1スズを用いスズ濃度
が20〜40g/l、硫酸濃度70〜150g/l、液
温20〜35℃、クレゾールスルホン酸70〜120g
/l、ゼラチン1〜5g/l、ベータナフトール0.5
〜2g/l、電流密度0.3〜3A/dmの条件等で
ある。
【0038】コバルト箔層を形成する場合は、コバルト
メッキ液として用いられる溶液を使用することが可能で
ある。例えば、硫酸コバルトを用いコバルト濃度が5
〜30g/l、クエン酸三ナトリウム50〜500g/
l、液温20〜50℃、pH2〜4、電流密度0.3〜
10A/dmの条件、硫酸コバルトを用いコバルト
濃度が5〜30g/l、ピロリン酸カリウム50〜50
0g/l、液温20〜50℃、pH8〜11、電流密度
0.3〜10A/dmの条件、硫酸コバルトを用い
コバルト濃度が10〜70g/l、ホウ酸20〜60g
/l、液温20〜50℃、pH2〜4、電流密度1〜5
0A/dmの条件とする等である。
【0039】鉛箔層を形成する場合は、鉛メッキ液とし
て用いられる溶液を使用することが可能である。例え
ば、ホウフッ化鉛250〜400g/l、ホウフッ化水
素酸30〜50g/l、ホウ酸10〜30g/l、膠
0.1〜0.5g/l、ベータナフトール0.1〜1.
0g/l、液温25〜50℃、電流密度1〜5A/dm
の条件とする等である。
【0040】鉄箔層を形成する場合は、鉄メッキ液とし
て用いられる溶液を使用することが可能である。例え
ば、硫酸第1鉄を用い鉄濃度が10〜60g/l、液
温25〜50℃、pH2.5以下、電流密度1〜20A
/dmの条件、硫酸第1鉄200〜300g/l、
塩化第1鉄35〜50g/l、液温40〜60℃、pH
3.5〜5.5、電流密度1〜20A/dmの条件と
する等である。
【0041】亜鉛−ニッケル合金箔層を形成する場合
は、例えば、硫酸ニッケルを用いニッケル濃度が1〜
2.5g/l、ピロリン酸亜鉛を用いて亜鉛濃度が0.
1〜1g/l、ピロリン酸カリウム50〜500g/
l、液温20〜50℃、pH8〜11、電流密度0.3
〜10A/dmの条件等である。
【0042】ニッケル−コバルト合金箔層を形成する場
合は、例えば、硫酸コバルト80〜180g/l、硫酸
ニッケル80〜120g/l、ホウ酸20〜40g/
l、塩化カリウム10〜15g/l、リン酸2水素ナト
リウム0.1〜15g/l、液温30〜50℃、pH
3.5〜4.5、電流密度1〜10A/dmの条件等
である。
【0043】また、ニッケルの場合、リン酸系溶液を用
いることで、ニッケル−リン合金メッキとすることも可
能である。この場合、硫酸ニッケル120〜180g/
l、塩化ニッケル35〜55g/l、H3PO430〜
50g/l、H3PO320〜40g/l、液温70〜
95℃、pH0.5〜1.5、電流密度5〜50A/d
の条件等である。
【0044】鉛−スズ合金箔層を形成する場合は、例え
ば、硫酸第1スズ20〜40g/l、酢酸鉛15〜25
g/l、ピロリン酸ナトリウム100〜200g/l、
EDTA・2ナトリウム15〜25g/l、PEG−3
000 0.8〜1.5g/l、ホルマリン37%水溶
液0.3〜1ml/l、液温45〜55℃、pH8〜1
0、電流密度5〜20A/dmの条件等である。
【0045】鉄−ニッケル−コバルト合金箔層を形成す
る場合は、硫酸コバルト50〜300g/l、硫酸ニッ
ケル50〜300g/l、硫酸第1鉄50〜300g/
l、ホウ酸30〜50g/l、液温45〜55℃、pH
4〜5、電流密度1〜10A/dmの条件等である。
【0046】そして、請求項2に記載したように、キャ
リア箔層と金属箔層とが有機接合界面層を介して張り合
わされたキャリア箔付金属箔であって、金属箔層は、ニ
ッケル、スズ、コバルト、クロム、鉛、鉄、亜鉛の2種
以上を層状の構造としたことを特徴とするキャリア箔付
金属箔の場合は、上述したメッキ液を用いて繰り返しメ
ッキ行うことで、層状の構造を形成するのである。
【0047】以上に記載したような溶液を用いて有機接
合界面を形成したキャリア箔の面に対しアノード電極を
平行配置し、キャリア箔自体をカソード分極すること
で、薄膜金属層を均一且つ平滑に電析させるのである。
【0048】そして、金属箔層の上には、必要に応じて
防錆処理が施されることとなる。防錆処理は、金属箔よ
りも卑な金属を用いて、いわゆるメッキ処理を施すこと
により行われるものである。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るキャリア箔付
金属箔の製造方法を説明しつつ、その有機接合界面での
剥離評価結果を示すことにより、発明の実施の形態につ
いて説明する。ここでは図1を参照しつつ、キャリア箔
に電解銅箔を用いた場合を中心に説明し、本件発明に係
る実施形態として最適と思われるものについて説明す
る。
【0050】第1実施形態: 本実施形態においては、
キャリア箔付ニッケル箔1の製造に関して説明する。製
造装置2は、図2として示したものであり、巻き出され
たキャリア箔3が、工程内を蛇行走行するタイプのもの
である。ここでは、キャリア箔3に18μm厚のグレー
ド3に分類される析離箔を用い、キャリア箔3の光沢面
4側へ3μ厚のニッケル箔層5を形成したものである。
以下、各種の槽を直列に連続配置した順序に従って、製
造条件の説明を行う。
【0051】巻き出されたキャリア箔3は、最初に酸洗
処理槽6に入る。酸洗処理槽6の内部には濃度150g
/l、液温30℃の希硫酸溶液が満たされており、浸漬
時間30秒として、キャリア箔3に付いた油脂成分を除
去し、表面酸化被膜の除去を行った。
【0052】酸洗処理槽6を出たキャリア箔3は、接合
界面形成槽7に入ることになる。接合界面形成槽7の中
には、濃度5g/lのカルボキシベンゾトリアゾール
(CBTA)を含む、液温40℃、pH5の水溶液で満
たした。従って、キャリア箔3は、走行しつつ当該溶液
中に30秒浸漬され、キャリア箔3の表面にCBTA接
合界面層8を形成した。
【0053】CBTA接合界面層8の形成がなされる
と、続いて、その接合界面上にニッケル箔層5の形成を
行った。ニッケル箔層形成槽9の内で、硫酸ニッケルを
用いニッケル濃度が20g/l、液温40℃、pH3、
電流密度10A/dmの条件でキャリア箔3をカソー
ド分極し電解することで、キャリア箔3がニッケル箔層
形成槽9の内を通過する間に、2μm厚のニッケル箔層
5として、当該接合界面上に均一且つ平滑に電析させ
た。
【0054】ニッケル箔層5の形成が終了すると、最終
的にキャリア箔3は、乾燥処理部10で電熱器11によ
り加熱された炉内を40秒かけて通過し、完成したキャ
リア箔付ニッケル箔1としてロール状に巻き取った。各
槽毎の工程間には、約10秒間の水洗可能な水洗槽12
を設けて洗浄し、前処理工程の溶液の持ち込みを防止し
ている。
【0055】このキャリア箔付金属箔1のキャリア箔層
3とニッケル箔層5との接合界面8における引き剥がし
強度を測定した。その結果、当該引き剥がし強度は10
gf/cmであった。
【0056】第2実施形態:本実施形態は、第1実施形
態におけるニッケル層形成槽9を、コバルト層形成層9
に代え、キャリア箔付コバルト箔1の製造を行ったもの
である。従って、図面も第1実施形態と同じものが使用
できるため、重複した部分の説明は省略する。そして、
図面中の符号に関しても第1実施形態で用いたニッケル
箔層形成槽9をコバルト箔層形成槽9として用い、キャ
リア箔付ニッケル箔1の符号をキャリア箔付コバルト箔
1として、ニッケル箔層5の符号をコバルト箔層5とし
て、用いるものとする。その他の共通する符号について
も、第1実施形態と同様の符号を用いている。
【0057】コバルト箔層形成槽9の内は、硫酸コバル
トを用いコバルト濃度が15g/l、クエン酸三ナトリ
ウム200g/l、液温35℃、pH3、電流密度8A
/dmの条件で電解し、キャリア箔3がコバルト箔層
形成槽9の内を通過する間に、2μm厚のコバルト箔層
5を、当該接合界面上に均一且つ平滑に電析させた。
【0058】このキャリア箔付コバルト箔1のキャリア
箔層3とコバルト箔層5との接合界面8における引き剥
がし強度を測定した。その結果、当該引き剥がし強度は
15gf/cmであった。
【0059】第3実施形態:本実施形態は、第1実施形
態におけるニッケル層形成槽9を、スズ層形成層9に代
え、キャリア箔付スズ箔1の製造を行ったものである。
従って、図面も第1実施形態と同じものが使用できるた
め、重複した部分の説明は省略する。そして、図面中の
符号に関しても第1実施形態で用いたニッケル箔層形成
槽9をスズ箔層形成槽9として用い、キャリア箔付ニッ
ケル箔1の符号をキャリア箔付スズ箔1として、ニッケ
ル箔層5の符号をスズ箔層5として、用いるものとす
る。その他の共通する符号についても、第1実施形態と
同様の符号を用いている。
【0060】スズ箔層形成槽9の内は、硫酸第1スズを
用いスズ濃度が20g/l、液温30℃、pH3、電流
密度5A/dmの条件で電解し、キャリア箔3がスズ
箔層形成槽9の内を通過する間に、2μm厚のスズ箔層
5を、当該接合界面上に均一且つ平滑に電析させた。
【0061】このキャリア箔付スズ箔1のキャリア箔層
3とスズ箔層5との接合界面8における引き剥がし強度
を測定した。その結果、当該引き剥がし強度は15gf
/cmであった。
【0062】第4実施形態:本実施形態は、第1実施形
態におけるニッケル層形成槽9を、鉛層形成層9に代
え、キャリア箔付鉛箔1の製造を行ったものである。従
って、図面も第1実施形態と同じものが使用できるた
め、重複した部分の説明は省略する。そして、図面中の
符号に関しても第1実施形態で用いたニッケル箔層形成
槽9を鉛箔層形成槽9として用い、キャリア箔付ニッケ
ル箔1の符号をキャリア箔付鉛箔1として、ニッケル箔
層5の符号を鉛箔層5として、用いるものとする。その
他の共通する符号についても、第1実施形態と同様の符
号を用いている。
【0063】鉛箔層形成槽9の内は、ホウフッ化鉛35
0g/l、ホウフッ化水素酸40g/l、ホウ酸20g
/l、膠0.3g/l、ベータナフトール0.6g/
l、液温40℃、電流密度3A/dmの条件で電解
し、キャリア箔3が鉛箔層形成槽9の内を通過する間
に、2μm厚の鉛箔層5を、当該接合界面上に均一且つ
平滑に電析させた。
【0064】このキャリア箔付鉛箔1のキャリア箔層3
と鉛箔層5との接合界面8における引き剥がし強度を測
定した。その結果、当該引き剥がし強度は12gf/c
mであった。
【0065】第5実施形態:本実施形態は、第1実施形
態におけるニッケル層形成槽9を、鉄層形成層9に代
え、キャリア箔付鉄箔1の製造を行ったものである。従
って、図面も第1実施形態と同じものが使用できるた
め、重複した部分の説明は省略する。そして、図面中の
符号に関しても第1実施形態で用いたニッケル箔層形成
槽9を鉄箔層形成槽9として用い、キャリア箔付ニッケ
ル箔1の符号をキャリア箔付鉄箔1として、ニッケル箔
層5の符号を鉄箔層5として、用いるものとする。その
他の共通する符号についても、第1実施形態と同様の符
号を用いている。
【0066】鉄箔層形成槽9の内は、硫酸第1鉄を用い
鉄濃度が30g/l、液温35℃、pH2.0、電流密
度10A/dmの条件で電解し、キャリア箔3が鉄箔
層形成槽9の内を通過する間に、2μm厚の鉄箔層5
を、当該接合界面上に均一且つ平滑に電析させた。
【0067】このキャリア箔付鉄箔1のキャリア箔層3
と鉄箔層5との接合界面8における引き剥がし強度を測
定した。その結果、当該引き剥がし強度は12gf/c
m、であった。
【0068】第6実施形態:本実施形態は、第1実施形
態におけるニッケル箔層形成槽9を、亜鉛−ニッケル合
金箔層形成層9に代え、キャリア箔付亜鉛−ニッケル箔
1の製造を行ったものである。従って、図面も第1実施
形態と同じものが使用できるため、重複した部分の説明
は省略する。そして、図面中の符号に関しても第1実施
形態で用いたニッケル箔層形成槽9を亜鉛−ニッケル合
金箔層形成槽9として用い、キャリア箔付ニッケル箔1
の符号をキャリア箔付亜鉛−ニッケル合金箔1として、
ニッケル箔層5の符号を亜鉛−ニッケル合金箔層5とし
て、用いるものとする。その他の共通する符号について
も、第1実施形態と同様の符号を用いている。
【0069】亜鉛−ニッケル合金層形成槽9の内は、硫
酸ニッケルを用いニッケル濃度が2.0g/l、ピロリ
ン酸亜鉛を用いて亜鉛濃度が0.5g/l、ピロリン酸
カリウム250g/l、液温35℃、pH10、電流密
度5A/dmの条件で電解し、キャリア箔3が亜鉛−
ニッケル合金箔層形成槽9の内を通過する間に、2μm
厚の亜鉛−ニッケル合金箔層5を、当該接合界面上に均
一且つ平滑に電析させた。
【0070】このキャリア箔付亜鉛−ニッケル合金箔1
のキャリア箔層3と亜鉛−ニッケル合金箔層5との接合
界面8における引き剥がし強度を測定した。その結果、
当該引き剥がし強度は12gf/cmであった。
【0071】第7実施形態:本実施形態は、第1実施形
態におけるニッケル層形成槽9を、ニッケル−コバルト
合金箔層形成層9に代え、キャリア箔付ニッケル−コバ
ルト合金箔1の製造を行ったものである。従って、図面
も第1実施形態と同じものが使用できるため、重複した
部分の説明は省略する。そして、図面中の符号に関して
も第1実施形態で用いたニッケル箔層形成槽9をニッケ
ル−コバルト合金箔層形成槽9として用い、キャリア箔
付ニッケル箔1の符号をキャリア箔付ニッケル−コバル
ト合金箔1として、ニッケル箔層5の符号をニッケル−
コバルト合金箔層5として、用いるものとする。その他
の共通する符号についても、第1実施形態と同様の符号
を用いている。
【0072】ニッケル−コバルト合金箔層形成槽9の内
は、硫酸コバルト130g/l、硫酸ニッケル100g
/l、ホウ酸30g/l、塩化カリウム12.5g/
l、リン酸2水素ナトリウム8g/l、液温40℃、p
H4.0、電流密度7A/dm の条件で電解し、キャ
リア箔3がニッケル−コバルト合金箔層形成槽9の内を
通過する間に、2μm厚のニッケル−コバルト合金箔層
5を、当該接合界面上に均一且つ平滑に電析させた。
【0073】このキャリア箔付ニッケル−コバルト合金
箔1のキャリア箔層3とニッケル−コバルト合金箔層5
との接合界面8における引き剥がし強度を測定した。そ
の結果、当該引き剥がし強度は11gf/cmであっ
た。
【0074】第8実施形態:本実施形態は、第1実施形
態におけるニッケル層形成槽9を、鉛−スズ合金箔層形
成層9に代え、キャリア箔付鉛−スズ合金箔1の製造を
行ったものである。従って、図面も第1実施形態と同じ
ものが使用できるため、重複した部分の説明は省略す
る。そして、図面中の符号に関しても第1実施形態で用
いたニッケル箔層形成槽9を鉛−スズ合金箔層形成槽9
として用い、キャリア箔付ニッケル箔1の符号をキャリ
ア箔付鉛−スズ合金箔1として、ニッケル箔層5の符号
を鉛−スズ合金箔層5として、用いるものとする。その
他の共通する符号についても、第1実施形態と同様の符
号を用いている。
【0075】鉛−スズ合金箔層形成槽9の内は、硫酸第
1スズ30g/l、酢酸鉛20g/l、ピロリン酸ナト
リウム150g/l、EDTA・2ナトリウム20g/
l、PEG−3000 1.2g/l、ホルマリン37
%水溶液0.7ml/l、液温50℃、pH9、電流密
度12A/dmの条件で電解し、キャリア箔3が鉛−
スズ合金箔層形成槽9の内を通過する間に、2μm厚の
鉛−スズ合金箔層5を、当該接合界面上に均一且つ平滑
に電析させた。
【0076】このキャリア箔付鉛−スズ合金箔1のキャ
リア箔層3と鉛−スズ合金箔層5との接合界面8におけ
る引き剥がし強度を測定した。その結果、当該引き剥が
し強度は13gf/cmであった。
【0077】第9実施形態:本実施形態は、第1実施形
態におけるニッケル層形成槽9を、鉄−ニッケル−コバ
ルト合金箔層形成層9に代え、キャリア箔付鉄−ニッケ
ル−コバルト合金箔1の製造を行ったものである。従っ
て、図面も第1実施形態と同じものが使用できるため、
重複した部分の説明は省略する。そして、図面中の符号
に関しても第1実施形態で用いたニッケル箔層形成槽9
を鉄−ニッケル−コバルト合金箔層形成槽9として用
い、キャリア箔付ニッケル箔1の符号をキャリア箔付鉄
−ニッケル−コバルト合金箔1として、ニッケル箔層5
の符号を鉄−ニッケル−コバルト合金箔層5として、用
いるものとする。その他の共通する符号についても、第
1実施形態と同様の符号を用いている。
【0078】鉄−ニッケル−コバルト合金層形成槽9の
内は、硫酸コバルト150g/l、硫酸ニッケル150
g/l、硫酸第1鉄150g/l、ホウ酸40g/l、
液温50℃、pH4.5、電流密度8A/dmの条件
で電解し、キャリア箔3が鉄−ニッケル−コバルト合金
層形成槽9の内を通過する間に、2μm厚の鉄−ニッケ
ル−コバルト合金箔層5を、当該接合界面上に均一且つ
平滑に電析させた。
【0079】このキャリア箔付鉄−ニッケル−コバルト
合金箔1のキャリア箔層3と鉄−ニッケル−コバルト合
金箔層5との接合界面8における引き剥がし強度を測定
した。その結果、当該引き剥がし強度は12gf/cm
であった。
【0080】第10実施形態: 本実施形態において
は、キャリア箔付金属箔であって、図3に示す金属箔部
がニッケル層と鉄層とが層状になった製品の製造を行っ
た。以下、この製品をキャリア箔付ニッケル/鉄箔1と
称するものとする。この製品の製造装置2’は、図4と
して示したものであり、巻き出されたキャリア箔3が、
工程内を蛇行走行するタイプのものである。ここでは、
キャリア箔3に18μm厚のグレード3に分類される析
離箔を用い、キャリア箔3の光沢面4側へ4μ厚のニッ
ケル/鉄箔層13を形成したものである。以下、説明に
当たり、第1実施形態との説明と重複する部分の説明は
省略し、異なる部分の説明のみ行うこととする。そし
て、共通の符号と出来る部分は可能な限りそのまま使用
している。
【0081】酸洗処理槽6、接合界面形成槽7及びその
後のニッケル層14の形成が行われるニッケル層形成槽
15までの工程及び条件は何ら変わらない。キャリア箔
3の表面に2μm厚のニッケル層14を、当該接合界面
上に均一且つ平滑に電析させた後、ニッケル層14を形
成したキャリア箔3は、そのニッケル層14上に鉄層1
6を形成するため、鉄層形成槽17を設けるのである。
【0082】鉄層形成槽17の内では、硫酸第1鉄を用
い鉄濃度が40g/l、液温35℃、pH2.0、電流
密度10A/dmの条件でキャリア箔3をカソード分
極することで電解し、キャリア箔3が鉄層形成槽17の
内を通過する間に、2μm厚の鉄層16を均一且つ平滑
に電析させた。
【0083】以下に施される乾燥工程も第1実施形態と
同様である。このキャリア箔付ニッケル/鉄箔1のキャ
リア箔層3とニッケル/鉄箔層13との接合界面8にお
ける引き剥がし強度を測定した。その結果、当該引き剥
がし強度は10gf/cmであった。
【0084】
【発明の効果】本発明に係るキャリア箔付金属箔は、キ
ャリア箔層と金属箔層との界面での剥離が安定して小さ
な力で容易に行うことができる。このような特性が得ら
れることで、従来、その取り扱いに細心の注意を要した
種々の金属箔を、誰もが簡単に用いることが可能となっ
た。しかも、キャリア箔の表面に有機接合界面を形成
し、金属箔層を電解法で形成することで、薄膜の形成が
非常に容易になり、2種以上の異種金属の様々な層構成
を可能とすることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャリア箔付金属箔の断面模式図。
【図2】キャリア箔付金属箔の製造装置の模式断面図。
【図3】キャリア箔付金属箔の断面模式図。
【図4】キャリア箔付金属箔の製造装置の模式断面図。
【符号の説明】
1 キャリア箔付ニッケル箔 2 製造装置 3 キャリア箔 4 光沢面 5 金属箔層 6 酸洗処理槽 7 接合界面形成槽 8 CBTA接合界面層 9 金属箔層形成槽 10 乾燥処理部 11 電熱器 12 水洗槽 13 ニッケル/鉄箔層 14 ニッケル層 15 ニッケル層形成槽 16 鉄層 17 鉄層形成槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−274795(JP,A) 特開 平2−113591(JP,A) 特開 平5−102630(JP,A) 特開 平10−226009(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C25D 1/04 C25D 7/06 H05K 1/09

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリア箔層と金属箔層とが有機接合界
    面層を介して張り合わされたキャリア箔付金属箔であっ
    て、 金属箔層は、ニッケル、スズ、コバルト、クロム、鉛、
    鉄、亜鉛のいずれか1種又は2種以上を組み合わせた合
    金よりなることを特徴とするキャリア箔付金属箔。
  2. 【請求項2】 キャリア箔層と金属箔層とが有機接合界
    面層を介して張り合わされたキャリア箔付金属箔であっ
    て、 金属箔層は、ニッケル、スズ、コバルト、クロム、鉛、
    鉄、亜鉛の2種以上を層状の構造としたことを特徴とす
    るキャリア箔付金属箔。
  3. 【請求項3】 有機接合界面層の形成には、窒素含有有
    機化合物、硫黄含有有機化合物及びカルボン酸の中から
    選択される1種又は2種以上からなるものを用いたもの
    である請求項1又は請求項2に記載のキャリア箔付金属
    箔。
  4. 【請求項4】 キャリア箔の表面に有機接合界面層を形
    成し、当該有機接合界面上に電解法で金属箔層を形成す
    ることを特徴とした請求項1〜請求項3に記載のキャリ
    ア箔付金属箔の製造方法。
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