JP3370621B2 - 移動通信用基地局アンテナ装置 - Google Patents

移動通信用基地局アンテナ装置

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JP3370621B2
JP3370621B2 JP05565299A JP5565299A JP3370621B2 JP 3370621 B2 JP3370621 B2 JP 3370621B2 JP 05565299 A JP05565299 A JP 05565299A JP 5565299 A JP5565299 A JP 5565299A JP 3370621 B2 JP3370621 B2 JP 3370621B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動通信用基地局
アンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動通信においては、移動局(端末局)
や無線基地局から放射された電波がその周辺の建物など
で反射したり散乱するため、様々な経路を通った電波が
受信側の無線局に到達する。すなわち、移動通信におけ
る電波はマルチパス障害を受けることになり、通信経路
の変化や複数経路を通った電波の干渉によってフェージ
ングが発生する。
【0003】従って、端末局の位置の違いに応じて、端
末局や無線基地局における受信信号強度が大きく変動す
る。そして、受信強度が低い時には伝送品質が著しく劣
化する。このようなフェージングを克服するために有効
な方法として、ダイバーシチ受信が知られている。ダイ
バーシチ受信においては、一般に複数のアンテナを互い
に異なる位置に配置して、複数のアンテナのうち受信レ
ベルの大きな信号が得られるアンテナを常に選択して受
信する。
【0004】ダイバーシチ受信を行う際には、選択可能
な複数のアンテナのそれぞれ(各ブランチ)の位置で受
信される複数の信号間の相関が重要な意味を持つ。ブラ
ンチ間の受信信号の相関が大きい場合、あるブランチに
おける信号強度が低下すると、他のブランチにおける信
号強度も低下してしまうため、ブランチを切換えても改
善効果がほとんど得られない。
【0005】しかし、ブランチ間の相関がない場合、あ
るいは相関が小さい場合には、あるブランチにおける受
信強度が低下しても、他のブランチの受信強度が低下し
ているとは限らないため、ブランチを切換えたときに大
きな受信信号強度の改善効果が得られる可能性がある。
【0006】受信信号のブランチ間の相関は、複数のア
ンテナの間隔に依存している。特に、ダイバーシチ受信
を無線基地局に採用する場合には、複数のアンテナの間
隔を数波長程度離す必要があることが報告されている
(たとえばWilliam C. Y. Lee著、"Mobile Communicati
on Design Fundamentals Second Edition" ,Section 6.
2,John Wiley & Sons, Inc.)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の移動通信
の普及に伴って沢山のユーザが同時に移動通信を利用す
る機会が増えたため、他のユーザからの電波により通話
ができなくなったり、通話品質が劣化するいわゆる同一
チャネル間干渉が大きな問題になっている。この同一チ
ャネル間干渉を低減し、限られた周波数資源を有効に利
用する方法として、アダプティブアンテナが注目されて
いる。
【0008】アダプティブアンテナは、環境に応じてア
ンテナの指向性のヌルを不要な電波の方向に向けること
により、不要な電波の干渉を抑制することができる。具
体的には、アダプティブアンテナは生成した指向性で受
信した信号と既知信号との誤差が最小になるようにアン
テナの指向性を決定することにより、受信信号に含まれ
る不要信号成分を低減することができる。このため、ア
ダプティブアンテナについては、特に無線基地局への導
入の検討が多くなされている。
【0009】ところで、所望波に対してダイバーシチ受
信を行う場合には、受信信号のブランチ間の相関を下げ
るために複数のアンテナ素子の間隔を大きくする必要が
ある。しかし、複数のアンテナ素子の間隔を大きくする
と、アレー指向性の原理により、グレーティングローブ
(回折格子によって生じる大きな放射)が生じる。つま
り、アンテナ全体の放射パターンにはメインローブ以外
に複数の大きな放射が現れるため、たとえば図7に示す
ように複雑な形状の放射パターンになる。図7に示す例
は、3素子の円形配列アダプティブアレーアンテナを利
用する無線基地局に対し、所望波となるユーザ#1から
の電波が180度方向から到来し、干渉波となるユーザ
#2からの電波が59度方向から到来する場合に、アン
テナにアダプティブ処理を施してユーザ#1からの電波
を捕捉し、ユーザ#2からの電波を抑圧するように指向
性を形成した場合の水平面内指向特性を示している。ま
た、円形に配置された3素子のアンテナの半径は2波長
に定めた。
【0010】図7の例では、多数生じたグレーティング
ローブの影響によって、干渉波の到来方向(ユーザ#2
の方向)に指向性のヌルを向けた結果、所望波の到来方
向(ユーザ#1の方向)の指向性利得も低下している。
このような状況では所望の伝送特性は得られない。本発
明は、マルチパス障害によるフェージングの影響を緩和
するとともに、干渉波の影響を抑制ししかも所望波に対
する指向性利得が低下するのを防止可能な移動通信用基
地局アンテナ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の移動通信用基
地局アンテナ装置は、それぞれが少なくとも受信機能を
有する複数の通信手段と、前記複数の通信手段のそれぞ
れと接続可能に構成され、前記通信手段のブランチ数と
同数の複数のアンテナ素子を備え、前記複数のアンテナ
素子が互いに異なる位置に所定の位置関係で配置された
第1組のアンテナと、前記第1組のアンテナのアンテナ
素子の周辺に配置された少なくとも1つのアンテナ素子
で構成される第2組のアンテナと、前記複数の通信手段
の少なくとも1つのブランチについて、前記第1組のア
ンテナのアンテナ素子と前記第2組のアンテナのアンテ
ナ素子とを選択的に切り替えるスイッチ手段と、前記複
数の通信手段のそれぞれに接続される各アンテナ素子か
らの信号について振幅及び位相の重み付けを行ってから
合成しアンテナのアレー指向性を形成する指向性形成部
と、前記指向性形成部の入力信号と出力信号とに基づい
て、前記指向性形成部の各ブランチの信号に対する振幅
及び位相の重みを計算する指向性制御部とを設けたこと
を特徴とする。
【0012】第1組のアンテナを構成する複数のアンテ
ナ素子の間隔を数波長程度に大きくすれば、効果的なダ
イバーシチ受信を行って望ましい結果を得られる。しか
し、複数のアンテナ素子の間隔が大きいため、第1組の
アンテナだけを用いて指向性形成部の重み付けにより指
向性の適応制御を行い、干渉波の方向に指向性のヌルを
向けようとすると、図7に示すようにグレーティングロ
ーブの影響によって所望波の方向に対するアンテナ利得
も低下する可能性がある。
【0013】請求項1の発明においては、スイッチ手段
を切り替えることによって、第1組のアンテナのアンテ
ナ素子と第2組のアンテナのアンテナ素子とを選択的に
切り替えることができる。第2組のアンテナのアンテナ
素子は、第1組のアンテナのアンテナ素子の周辺に配置
されているので、複数の通信手段の少なくとも1つのブ
ランチに接続するアンテナ素子を第1組のアンテナから
第2組のアンテナに切り替えることによって、使用する
アンテナ素子間の間隔が変わり、アンテナ全体の指向特
性に現れるグレーティングローブが減る。
【0014】たとえば、第1組のアンテナだけを用いて
図7に示すような指向特性になった場合には、そのまま
では所望波と干渉波との区別が困難であるが、1つのア
ンテナ素子を第2組のアンテナに切り替えれば、使用す
る複数のアンテナ素子の間隔の変化によって所望波の方
向に対するアンテナ利得が改善されるので、所望波と干
渉波との区別が可能になる。
【0015】なお、第2組のアンテナのアンテナ素子を
第1組のアンテナの最も外側のアンテナ素子よりも内側
に配置すれば、第1組のアンテナだけを設ける場合と同
じ大きさのレドームの中に第2組のアンテナもそのまま
収納することができる。請求項2は、請求項1の移動通
信用基地局アンテナ装置において、前記指向性形成部が
出力する合成された受信信号に基づいて前記スイッチ手
段の状態を自動的に切り替える自動切り替え手段をさら
に設けたことを特徴とする。
【0016】請求項2においては、自動切り替え手段が
スイッチ手段を自動的に切り替えるので、手動で切り替
えを行うことなく常に好ましい指向特性が得られる。つ
まり、所望波と干渉波との区別が困難な場合には、その
区別が容易になるように受信信号に基づいて指向特性が
自動的に変更される。請求項3は、請求項2の移動通信
用基地局アンテナ装置において、前記自動切り替え手段
が、合成された受信信号におけるデータの誤り率を調べ
て前記スイッチ手段の状態を自動的に切り替えることを
特徴とする。
【0017】2つの到来波間の空間相関は、それらの到
来方向が互いに直交する場合に最小(0)になり、到来
方向が同一である場合に最大(1)になる。空間相関が
1の場合には、出力の干渉信号抑圧度(SINR)が低
く、2つの到来波の区別は困難である。空間相関が0に
近づくに従って、干渉信号抑圧度が高くなり、データの
誤り率が低下するので2つの到来波の区別は容易にな
る。つまり、合成された受信信号のデータ誤り率を調べ
ることによって、複数の到来波の分離が可能か否かを識
別できる。この識別を自動切り替え手段が行う。
【0018】請求項4は、請求項1の移動通信用基地局
アンテナ装置において、3以上のアンテナ素子を所定の
円周上に均等に配置して前記第1組のアンテナを構成
し、前記第2組のアンテナのアンテナ素子を前記円周の
内側に配置したことを特徴とする。請求項4において
は、第1組のアンテナを円形配列アダプティブアレーア
ンテナとして構成できる。このアンテナを用いることに
より、様々な方向に指向性のヌルを向けることができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明の移
動通信用基地局アンテナ装置の1つの実施の形態につい
て、図1,図3〜図6及び図8を参照して説明する。こ
の形態は全ての請求項に対応する。図1はこの形態のア
ンテナ装置の構成を示すブロック図である。図3は指向
性制御系の構成を示すブロック図である。図4はこの形
態のアンテナの水平面内放射パターンの例を示すグラフ
である。図5は2つの到来波の空間相関と出力SINR
との関係を示すグラフである。図6は切り替え可能素子
数と2つの到来波の平均空間相関との関係を示すグラフ
である。図8はアンテナ素子の配置例を示す平面図であ
る。
【0020】この形態では、請求項1の通信手段,スイ
ッチ手段,指向性形成部及び指向性制御部はそれぞれ送
受信機15,スイッチ部13,指向性形成部16及び指
向性制御部17に対応し、請求項1の第1組のアンテナ
は主アンテナ素子11(1),11(2),11(3)に対応
し、第2組のアンテナは付加アンテナ素子12に対応す
る。また、請求項2の自動切り替え手段は伝送特性判定
部18に対応する。
【0021】図1に示すアンテナ装置は、移動通信用基
地局のアンテナとして利用される。図1を参照すると、
このアンテナ装置は主アンテナ素子11,付加アンテナ
素子12,スイッチ部13,送受信機15,指向性形成
部16,指向性制御部17及び伝送特性判定部18を備
えている。また、このアンテナ装置には3つの主アンテ
ナ素子11(1),11(2),11(3)と、3つの送受信機
15(1),15(2),15(3)とが備わっている。3つの
主アンテナ素子11(1),11(2),11(3)は、この例
では半径dが2波長の円周上に均等に配置されている。
半径dを大きくしたのは、ダイバーシチ受信の効果を高
めるためである。
【0022】また、図8に示すように、付加アンテナ素
子12は主アンテナ素子11を配置した円の中心からX
軸方向に0.5波長、Y軸方向に0.9波長それぞれず
れた位置に配置してある。スイッチ部13には、3つの
高周波スイッチ14(1),14(2),14(3)が備わって
いる。3つの主アンテナ素子11(1),11(2)及び11
(3)は、それぞれ高周波スイッチ14(1),14(2)及び
14(3)を介して3つの送受信機15(1),15(2)及び
15(3)と接続される。
【0023】高周波スイッチ14(1),14(2),14
(3)を切り替えることによって、付加アンテナ素子12
を3つの送受信機15(1),15(2)及び15(3)のいず
れか1つと接続することができる。付加アンテナ素子1
2が接続された送受信機15については、主アンテナ素
子11は切り離される。付加アンテナ素子12を選択し
た1つの高周波スイッチ14以外の高周波スイッチ14
は、主アンテナ素子11を選択する。
【0024】従って、3つの高周波スイッチ14(1),
14(2),14(3)の切り替えによって、3つの送受信機
15(1),15(2),15(3)にそれぞれ主アンテナ素子
11(1),11(2),11(3)が接続された状態と、送受
信機15(1)に付加アンテナ素子12が接続されて送受
信機15(2),15(3)に主アンテナ素子11(2),11
(3)が接続された状態と、送受信機15(2)に付加アンテ
ナ素子12が接続されて送受信機15(1),15(3)に主
アンテナ素子11(1),11(3)が接続された状態と、送
受信機15(3)に付加アンテナ素子12が接続されて送
受信機15(1),15(2)に主アンテナ素子11(1),1
1(2)が接続された状態との4種類の状態の切り替えが
可能になっている。
【0025】また、3つの高周波スイッチ14(1),1
4(2),14(3)は電気的な制御によって切り替え可能に
なっている。つまり、伝送特性判定部18からの制御出
力S4によって高周波スイッチ14(1),14(2),14
(3)の状態が決定される。送受信機15は、受信信号お
よび送信信号の周波数変換や増幅等を行う。指向性形成
部16は、3つの送受信機15(1),15(2),15(3)
のそれぞれを通る3系統の信号の振幅及び位相の調整に
よって、アンテナの指向性を形成する。
【0026】指向性制御部17は、指向性形成部16に
入力される信号S1(1),S1(2),S1(3)と出力の信
号S2とに基づいて指向性形成部16の指向性を制御す
るための重み信号S3を生成しそれを指向性形成部16
に与える。すなわち、指向性制御部17はアダプティブ
処理を施す。伝送特性判定部18は、指向性形成部16
から出力される受信信号(受信データ)に基づいて信号
の伝送特性を識別する。そして、識別結果に応じて制御
出力S4を制御する。
【0027】図1のアンテナ装置における指向性制御系
は、図3のように構成されている。なお、図3において
は受信系だけを示してあるが、受信系と送信系の指向性
は同一でよいので、受信系で生成した重み信号S3をそ
のまま送信系の指向性形成部16に印加すればよい。以
下、図3を参照して説明する。A/D変換部15bから
出力される3系統の受信信号は、それぞれ振幅位相可変
部57,58及び59で振幅及び位相を調整された後、
信号合成部60に印加される。信号合成部54,55及
び56の各々の振幅及び位相の調整量は、LMS制御部
50により制御される。
【0028】信号合成部60は、振幅位相可変部57が
出力する信号,振幅位相可変部58が出力する信号及び
振幅位相可変部59が出力する信号を合成して出力す
る。LMS制御部50は、信号合成部60が出力する合
成信号と、既知信号発生部113が出力する既知信号と
の差を最小にするのに必要な振幅及び位相値(重み信号
S3)を、LMS(Least Mean Square)法などの適応
アルゴリズムを用いて振幅位相可変部57,58,59
の重み(振幅と位相値)を調整しながら探索する。
【0029】LMS制御部50によって求められた振幅
及び位相値(振幅と位相値)を重み信号S3として振幅
位相可変部17,18に与えることにより、干渉波の影
響が最小になるようにアンテナの指向特性を調整して送
受信できる。具体的に説明すると、LMS制御部50は
次のように動作する。 (1)各系統のA/D変換部15bからの受信信号(x
1,x2,x3とする)のベクトルxを指向性制御部1
7に入力する。
【0030】(2)振幅位相可変部57,58,59に
与える重み(w1,w2,w3とする)として、ある初
期値を代入しておく。たとえば、1系統の重みw1を1
とし、他の系統の重みw2,w3を0とする(1本のア
ンテナだけで受信しているのと等価)。
【0031】(3)重みベクトルwの共役転置ベクトル
Hを入力信号ベクトルxにかけ算して出力信号yを得
る(各ブランチの受信信号x1,x2,x3に重みw1
*,w2*,w3*をそれぞれかけて合成することと等
価)。すなわち、次式の計算を行う。 y=wHx (4)既知信号発生部113が出力する既知の参照信号
Sdと前期出力信号yとの誤差eを求める。すなわち、
次式の計算を行う。
【0032】e=Sd−y (5)次式を用いて重みベクトルwを計算する。 wnext=wcurrent+μxe*next:計算後の重みベクトル wcurrent:計算前の重みベクトル μ:ステップ係数と呼ばれる係数(1より小さい値に定
められる) e*:誤差eの共役 (6)上記(3)〜(5)の処理を繰り返し行う。これ
によって、重みベクトルwはある値に収束し、所望の指
向性が得られる。つまり、所望波(参照信号Sd)と相
関の高い信号を取り込み、相関の低い干渉波信号を抑圧
するように動作する。
【0033】ところで、図1に示すように複数の主アン
テナ素子11の間隔が大きい場合には、アダプティブ制
御を実施すると指向特性にグレーティングローブが現れ
るため、たとえば図7に示すように所望波の方向に対す
るアンテナ利得も低下する可能性がある。発生するグレ
ーティングローブの方向は、使用する各主アンテナ素子
11(1),11(2),11(3)の位置関係によって定ま
る。そのため、図1のアンテナ装置においてはスイッチ
部13の切り替えによってアンテナ全体の指向特性を変
更することができる。
【0034】たとえば、3つの主アンテナ素子11
(1),11(2),11(3)をそれぞれ送受信機15(1),1
5(2),15(3)に接続すると、図7に示すような指向特
性になるが、主アンテナ素子11(2)のかわりに、付加
アンテナ素子12を接続して、2つの主アンテナ素子1
1(1),11(3)と付加アンテナ素子12とで3素子のア
ダプティブアンテナアレーを構成すると、図4に示すよ
うな指向特性が得られる。この指向特性を利用すれば、
所望波と干渉波とを分離できる。
【0035】図4の例は、図8に示すような位置関係で
各アンテナ素子を配置した場合に、2ユーザ#1,#2
がこの基地局に図4に示す2方向からアクセスする場合
を想定し、アダプティブ処理を施した後の指向特性を計
算した結果を示している。付加アンテナ素子12の切り
替えを行わない場合には、図7に示すように所望波と干
渉波との両方に対して指向性のヌルが向いてしまう可能
性があるが、図1に示すアンテナ装置を用いる場合に
は、図4に示すように、所望波の方向と指向性にヌルが
形成される方向とが異なるように指向性を制御すること
ができる。
【0036】従って、アンテナのグレーティングローブ
によって複数ユーザ間の分離特性が劣化した場合には、
スイッチ部13の切り替えによって複数ユーザの信号の
分離特性を改善でき、複数ユーザに同一の周波数を割り
当てることが可能になる。図1のアンテナ装置のような
3素子の円形配列アダプティブアンテナアレーを用いた
基地局に2波が到来する場合、2つの到来波間の空間相
関とアダプティブ処理後の出力SINR(干渉信号抑圧
度)との関係は図5に示すようになる。なお、空間相関
が0の場合は2つの到来波が互いに直交する方向から到
来することを意味し、空間相関が1の場合は2つの到来
波が同一方向から到来することを意味する。
【0037】図5を参照すると、空間相関が1の場合は
出力SINRが非常に悪く2波の区別ができないことが
わかる。また、空間相関が0の場合には出力SINRが
十分に大きいので2波を区別できることがわかる。つま
り、空間相関が大きくなるに従って2波の区別がより困
難になり、空間相関が小さくなるに従って2波の区別が
容易になる。空間相関と出力SINRとの間には図5に
示すような関係があるため、2つの到来波の空間相関を
知ることにより、2つの到来波の電波を区別できるかど
うかの判定も可能である。
【0038】図1に示すアンテナ装置においては、伝送
特性判定部18は指向性形成部16が合成した受信信号
におけるデータの誤り率などを調べることによって伝送
特性を判定する。そして、誤り率がもっとも小さくなる
アンテナの構成を選択するように、伝送特性判定部18
はスイッチ部13を自動的に制御する。従って、複数の
到来波の間の分離特性が悪い場合には、それが改善され
るように送受信機15(1),15(2),15(3)のいずれ
かに付加アンテナ素子12が接続され、アンテナ全体の
指向特性が切り替わるので分離特性が改善される。
【0039】なお、空間相関と出力SINRとの間には
図5に示すような関係があるので、分離特性の良否を複
数の到来波の空間相関の値で評価することも可能であ
る。 (第2の実施の形態)本発明の移動通信用基地局アンテ
ナ装置のもう1つの実施の形態について、図2を参照し
て説明する。この形態は、第1の実施の形態の変形例で
あり、以下に説明する部分以外は第1の実施の形態と同
一である。図2において、図1と同一の要素は同一の符
号を付けて示してある。
【0040】この形態では、送受信機15の代わりに受
信機25を用いてある。つまり、この形態では送信機能
が省略されている。また、主アンテナ素子11(1)及び
11(3)はそれぞれ受信機25(1)及び25(3)と直接接
続され、主アンテナ素子11(2)は高周波スイッチ24
を介して受信機25(2)と接続されている。伝送特性判
定部18の制御出力S4は、高周波スイッチ24に印加
されている。
【0041】つまり、この例では、高周波スイッチ24
を切り替えることによって、1つの受信機25(2)につ
いてのみ主アンテナ素子11(2)と付加アンテナ素子1
2との切り替えが可能になっている。
【0042】図6に示すグラフは、切り替え可能素子数
が0の場合(従来と同じ),切り替え可能素子数が1の
場合(図2の構成に相当),切り替え可能素子数が2の
場合,切り替え可能素子数が3の場合(図1の構成に相
当)のそれぞれについて、3素子円形配列アダプティブ
アンテナアレーに2波が様々な方向から到来する場合の
それらの空間相関の平均値を求めた結果を示している。
なお、付加アンテナ素子12を配置する位置について
は、切り替えられる素子数毎に空間相関の平均値が最小
になる位置に配置する場合を想定している。
【0043】図6を参照すると、3つの主アンテナ素子
11のうちの1素子だけを付加アンテナ素子12に切り
替え可能にする場合であっても、空間相関の平均値は
0.15程度下がることがわかる。また、切り替え可能
素子数が1素子の場合と2素子以上の場合とでは、空間
相関の下げ幅が0.02程度の違いにとどまることがわ
かる。つまり、図2に示すように、3つの主アンテナ素
子11のうちの1素子だけを付加アンテナ素子12に切
り替え可能にする構成であっても、十分な改善効果が得
られることがわかる。
【0044】なお、上記各実施の形態では、第2組のア
ンテナとして単一の付加アンテナ素子12をもうける場
合を説明したが、切り替え可能な複数の付加アンテナ素
子12をもうけてもよい。また、主アンテナ素子11の
素子数は2素子でもよいし、4素子以上でもかまわな
い。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、マ
ルチパス障害によるフェージングの影響を緩和するため
に第1組のアンテナのアンテナ素子間の間隔を大きくし
た場合に干渉波を抑制するためのアダプティブ処理を行
っても、アンテナ素子の切り替えによってグレーティン
グローブの発生する方向を変更し、所望波の方向の指向
性利得が低下するのを防止できる。
【0046】従って、送信部や受信部を増設することな
く、複数ユーザに同一周波数を割り当てて空間分割多重
アクセス方式の利用効率を改善でき、移動通信用基地局
アンテナ装置としてきわめて効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のアンテナ装置の構成を示す
ブロック図である。
【図2】第2の実施の形態のアンテナ装置の構成を示す
ブロック図である。
【図3】指向性制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態のアンテナの水平面内放射パ
ターンの例を示すグラフである。
【図5】2つの到来波の空間相関と出力SINRとの関
係を示すグラフである。
【図6】切り替え可能素子数と2つの到来波の平均空間
相関との関係を示すグラフである。
【図7】アンテナの水平面内指向特性の例を示すグラフ
である。
【図8】アンテナ素子の配置例を示す平面図である。
【符号の説明】
11 主アンテナ素子 12 付加アンテナ素子 13 スイッチ部 14 高周波スイッチ 15 送受信機 15a 受信部 15b A/D変換部 16 指向性形成部 16a 振幅位相可変部 16b 加算部 17 指向性制御部 18 伝送特性判定部 24 高周波スイッチ 25 受信機 30 フィルタ 50 LMS制御部 54,55,56,60 信号合成部 57,58,59 振幅位相可変部 113 既知信号発生部 d 半径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 俊和 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−260821(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 3/24 H01Q 3/26 H01Q 21/20 H04B 7/08 H04B 7/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれが少なくとも受信機能を有する
    複数の通信手段と、 前記複数の通信手段のそれぞれと接続可能に構成され、
    前記通信手段のブランチ数と同数の複数のアンテナ素子
    を備え、前記複数のアンテナ素子が互いに異なる位置に
    所定の位置関係で配置された第1組のアンテナと、 前記第1組のアンテナのアンテナ素子の周辺に配置され
    た少なくとも1つのアンテナ素子で構成される第2組の
    アンテナと、 前記複数の通信手段の少なくとも1つのブランチについ
    て、前記第1組のアンテナのアンテナ素子と前記第2組
    のアンテナのアンテナ素子とを選択的に切り替えるスイ
    ッチ手段と、 前記複数の通信手段のそれぞれに接続される各アンテナ
    素子からの信号について振幅及び位相の重み付けを行っ
    てから合成しアンテナのアレー指向性を形成する指向性
    形成部と、 前記指向性形成部の入力信号と出力信号とに基づいて、
    前記指向性形成部の各ブランチの信号に対する振幅及び
    位相の重みを計算する指向性制御部とを設けたことを特
    徴とする移動通信用基地局アンテナ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の移動通信用基地局アンテナ装
    置において、前記指向性形成部が出力する合成された受
    信信号に基づいて前記スイッチ手段の状態を自動的に切
    り替える自動切り替え手段をさらに設けたことを特徴と
    する移動通信用基地局アンテナ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の移動通信用基地局アンテナ装
    置において、前記自動切り替え手段が、合成された受信
    信号におけるデータの誤り率を調べて前記スイッチ手段
    の状態を自動的に切り替えることを特徴とする移動通信
    用基地局アンテナ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の移動通信用基地局アンテナ装
    置において、3以上のアンテナ素子を所定の円周上に均
    等に配置して前記第1組のアンテナを構成し、前記第2
    組のアンテナのアンテナ素子を前記円周の内側に配置し
    たことを特徴とする移動通信用基地局アンテナ装置。
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