JP3368955B2 - ジペンタエリスリトールの製造方法 - Google Patents
ジペンタエリスリトールの製造方法Info
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- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
ルの新規な製造方法に関するものである。ジペンタエリ
スリトールは、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレ
タン、アルキッド樹脂、潤滑油等の原料として有用であ
る。
リトールの合成反応の際、すなわちアルカリの存在下ホ
ルムアルデヒドとアセトアルデヒドとを反応させペンタ
エリスリトールを生成させる際に副生するものであり、
これを分離精製する事によって得ているのが一般的な工
業的製法である(特開昭57-139028)。また、ジペンタエ
リスリトールの収率および主生成物であるペンタエリス
リトールの品質を向上させる方法としてホルムアルデヒ
ド、アルカリ、アセトアルデヒドの一部を予め仕込んで
おき、そこにホルムアルデヒド、アルカリ、アセトアル
デヒドを各々の理論モル比以上を保って、かつ反応温度
を50℃以下に保って同時に滴下し反応させる方法(特公
平1-44689 )も提案されている。
酸などを用いてポリペンタエリスリトール混合物を合成
する方法も知られているが、ジペンタエリスリトールを
選択的に合成する手段は述べられていない(USP-246204
7)。
アセトアルデヒドとホルムアルデヒドの反応によるジペ
ンタエリスリトールの製造法には、なお次の問題があ
る。 (1) 副生する蟻酸ソーダ、ビスペンタエリスリトールモ
ノホルマール、過剰なホルムアルデヒドあるいはアセト
アルデヒド・ホルムアルデヒドの自己縮合物などの不純
物からペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール
を分離回収せねばならず、精製工程が複雑なものとな
る。 (2) ジペンタエリスリトールの生産可能量はペンタエリ
スリトールの生産量に依存し、ペンタエリスリトールの
10〜15%が限界であり、最近の需要増大に対応できな
い。
ルを脱水縮合させる方法は、本発明者等の知見によれ
ば、ジペンタエリスリトールを得る事が出来るが、生成
したジペンタエリスリトールは逐次的にトリペンタエリ
スリトール、さらには高分子量のポリペンタエリスリト
ールに変化したり、あるいは、分子内縮合物が生成した
りするため、このままでは実用化する事は難しい。従っ
て本発明の課題は、従来技術の問題点を解決した新規な
ジペンタエリスリトールの製造方法を提案する事にあ
る。
を解決するために鋭意検討を行った。その結果、炭酸エ
ステル類とペンタエリスリトールを無触媒あるいはアル
カリ触媒の存在下で反応させると、ジペンタエリスリト
ールが効率よく生成する事を見いだし、本発明を完成す
るに至った。これまで、炭酸エステル類とペンタエリス
リトールからジペンタエリスリトールを製造する方法は
報告されておらず、本発明はジペンタエリスリトールの
新規な製造方法である。本発明の方法における反応機構
は明かでないが、反応液中に3,3-ビス( ヒドロキシメチ
ル) オキセタンの存在が認められる事から、反応中間体
として、オキセタンを経由しているものと推定できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
ペンタエリスリトールは、通常アルカリの存在下ホルム
アルデヒドとアセトアルデヒドとを反応させる事により
工業的に製造されいるものを使用でき、さらに精製する
事なく原料として使用できる。 また、もう一方の原料
である炭酸エステル類の例としては、炭酸ジメチル、炭
酸ジエチル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジベンジル、炭
酸ジフェニル、炭酸エチレン等が例示できる。
類とペンタエリスリトールの使用量は特に制限はない
が、炭酸エステル類1モルに対し、ペンタエリスリトー
ルを0.1 〜20モル好ましくは 0.5〜10モル使用する。こ
の範囲よりも少ないとジペンタエリスリトールの生成量
が少なく、かつ副生するポリペンタエリスリトールの生
成量が増加し、多いと未反応のペンタエリスリトールの
回収量が多くなり、経済的に不利となる。
タエリスリトールを反応させる際に触媒を用いなくとも
反応は進行するが、アルカリ触媒の存在下で反応させる
とより効率よく反応が進行する。用いられるアルカリ触
媒の例としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水
酸化物、アルコキサイド、炭酸塩、カルボン酸塩等が用
いられる。例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウム、リチウムメトキサイド、リチウムエトキサイ
ド、リチウムイソプロポキサイド、ナトリウムメトキサ
イド、ナトリウムエトキサイド、ナトリウムイソプロポ
キサイド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酢酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウ
ム、酢酸カルシウム、プロピオン酸リチウム、蓚酸ナト
リウム、ラウリン酸カリウム、蟻酸マグネシウム等が例
示できる。これらのアルカリ触媒の中では、アルカリ金
属、アルカリ土類金属の水酸化物、アルコキサイドが好
ましい。
類とペンタエリスリトールを溶融状態で反応させる事も
出来るが、必要に応じて溶媒を用いても良い。好ましい
溶媒の例としては、ベンゼン、キシレン、デカリン、テ
トラリン等の炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、エチルエーテル、アニソール、フェニルエーテ
ル、ジグライム、テトラグライム、18- クラウン-6等の
エーテル類、酢酸メチル、酪酸エチル、安息香酸メチ
ル、γ- ブチロラクトン等のエステル類、アセトン、 ア
セトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン類、N-メチル
ピロリジン-2- オン、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メ
チルピペリドン、 ヘキサメチルホスホリックトリアミド
等のN-置換アミド類、N,N-ジエチルアニリン、N-メチル
モルホリン、ピリジン、キノリン等の三級アミン類、ス
ルホラン等のスルホン類、ジメチルスルホキサイド等の
スルホキサイド類、1,3- ジメチル-2- イミダゾリジノン
等の尿素誘導体、トリブチルホスフィンオキサイド等の
ホスフィンオキサイド類の他にシリコンオイル、水等を
例示できる。
アミド類、スルホン類、尿素誘導体、水等が好ましい。
これらの溶媒は、単独で使用しても、混合溶媒としても
使用できる。混合溶媒として用いる場合、もう一方の溶
媒は、炭酸とエステルを形成しているアルコールを用い
ることが好ましい。例えば、炭酸ジメチルを用いる場合
にはメタノール、炭酸ジエチルを用いる場合にはエタノ
ールを用いる。
タエリスリトールがエステル交換を起こし、まずペンタ
エリスリトールの炭酸エステルが生成する。この工程で
は炭酸エステルを還流させながら反応を行う。反応温度
は通常 50 〜200 ℃である。次いで、炭酸エステルから
遊離したアルコールを留去後、更に反応温度を高くして
反応を行う。この工程での反応温度は100 〜250 ℃、好
ましくは120 〜220 ℃である。反応温度が100 ℃未満で
は反応速度が極めて遅く、250 ℃を越えると不純物の副
生が増大する。
力を保持すればよい。通常、1 〜50kg/cm2(ゲージ圧)
である。また、反応圧力は必要ならばアルゴン、ヘリウ
ム、窒素等の不活性ガスで加圧しても良い。反応時間は
反応温度、触媒の種類等により異なるが、通常0.05〜10
0 時間、好ましくは0.1 〜80時間が用いられる。
法のいずれの方法によっても実施できる。例えば、回分
法の場合の例としては、反応器に炭酸エステル類とペン
タエリスリトール、溶媒および触媒を仕込み、加熱しな
がら反応を進行させる。また、連続法の場合には、炭酸
エステル類とペンタエリスリトール、溶媒および触媒を
反応器の一方に連続的に供給し、他方から反応混合物を
連続的に抜き出す事により反応が行われる。
する。
l のガラス製反応器に、ペンタエリスリトール 136g(1.
0mol) 、炭酸ジエチル59g(0.5mol) 、溶媒としてエタノ
ール15.6g および触媒として85% 水酸化カリウム0.66g
(0.01mol)を入れ、反応器をオイルバス中で加熱し、反
応温度85〜100 ℃で4時間還流させた。次いでコンデン
サーを取り外し、精留塔を備えた蒸留装置を反応器に取
り付け、85〜150 ℃で2時間エタノールを留去した。次
に、蒸留装置を取り外し1時間で190 ℃まで昇温した
後、190 ℃で5 時間反応を継続した。
で分析したところ、原料として用いたペンタエリスリト
ールに対して、ジペンタエリスリトールが収率 20.0%、
トリペンタエリスリトールが収率10.8% 生成しており、
その他に3,3-ビス( ヒドロキシメチル) オキセタンが収
率1.5%生成していた。
05mol)に変更し、蒸留装置を取り外し1時間で190 ℃ま
で昇温した時点で反応を終了した以外は実施例1と同様
に反応を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、原料として用いたペンタエリス
リトールに対して、ジペンタエリスリトールの収率 13.
2%、トリペンタエリスリトールの収率5.4%であり、その
他に3,3-ビス( ヒドロキシメチル) オキセタンが収率
9.0% 生成していた。
まで昇温し、さらに190 ℃で3.5 時間反応を継続した以
外は実施例2と同様に反応を行った。
で分析したところ、原料として用いたペンタエリスリト
ールに対して、ジペンタエリスリトールの収率 20.2%、
トリペンタエリスリトールの収率 11.1%であり、その他
に3,3-ビス(ヒドロキシメチル)オキセタンが収率3.2%
生成していた。
06mol)に変更し、溶媒としてテトラリンを 66g使用し、
さらに 190℃で3時間反応を継続した以外は実施例1と
同様に反応を行った。 反応後、反応液をガスクロマト
グラフィーで分析したところ、原料として用いたペンタ
エリスリトールに対して、ジペンタエリスリトールの収
率 21.5%、トリペンタエリスリトールの収率 11.8%であ
り、その他に3,3-ビス(ヒドロキシメチル)オキセタン
が収率3.3%生成していた。
入手可能な炭酸エステル類とペンタエリスリトールから
ジペンタエリスリトールが効率よく、工業的および経済
的に極めて有利に製造できるため、産業に利するところ
大である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ペンタエリスリトールと炭酸エステル類
を反応させることを特徴とするジペンタエリスリトール
の製造方法。 - 【請求項2】 アルカリ触媒の存在下で反応させること
を特徴とする請求項1記載のジペンタエリスリトールの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30282993A JP3368955B2 (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | ジペンタエリスリトールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30282993A JP3368955B2 (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | ジペンタエリスリトールの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07157450A JPH07157450A (ja) | 1995-06-20 |
JP3368955B2 true JP3368955B2 (ja) | 2003-01-20 |
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ID=17913598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30282993A Expired - Lifetime JP3368955B2 (ja) | 1993-12-02 | 1993-12-02 | ジペンタエリスリトールの製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3368955B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
JP3368958B2 (ja) * | 1993-12-14 | 2003-01-20 | 三井化学株式会社 | ジペンタエリスリトールの製造方法 |
JP3368957B2 (ja) * | 1993-12-14 | 2003-01-20 | 三井化学株式会社 | ジペンタエリスリトールの製造方法 |
JP5896028B2 (ja) * | 2012-08-09 | 2016-03-30 | 東亞合成株式会社 | 多価アルコールエーテルの製造方法 |
-
1993
- 1993-12-02 JP JP30282993A patent/JP3368955B2/ja not_active Expired - Lifetime
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