JP3368926B2 - 液晶表示素子の駆動法 - Google Patents
液晶表示素子の駆動法Info
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Description
動する方法に関する。
ンパクトでかつ大容量の情報の表示を実現するものとし
て、液晶表示素子が注目されている。液晶表示素子とし
ては、ツイステッドネマチックタイプの液晶表示素子の
画素各々をそれぞれに対応して形成された薄膜フィルム
トランジスタで駆動するものと、いわゆるツイステッド
ネマチックタイプおよびスーパーツイステッドネマチッ
クタイプの液晶表示素子を、薄膜フィルムトランジスタ
を用いずに駆動するもの(単純マトリクスタイプ)との
2種類に、大きく分けられる。
スタを用いるものは比較的高速に駆動できるが、素子の
製造工程が複雑で、製造コストが高いという問題点があ
る。一方、単純マトリクスタイプのものは、比較的素子
の製造工程は単純であるが、高速表示切り替えが困難
で、端末におけるマウス表示や、ビデオ表示に対応しに
くいという問題点がある。
示素子において高速駆動が困難なのは、ツイステッドネ
マチックタイプおよびスーパーツイステッドネマチック
タイプの液晶表示素子の特性上、印加電圧に対する、液
晶分子の配向の追随速度が遅いからである。すなわち、
通常の250msec程度の平均応答時間を有するスー
パーツイステッドネマチック液晶表示素子では、ビデオ
表示等で通常要求される20〜30Hzでの表示切り替
え(33〜50msecごとの表示切り替えに相当)は
とうてい実現できない。
答時間が短い液晶表示素子を使用することが考えられ
る。このような液晶表示素子を高速応答性液晶表示素子
と呼ぶことがある。高速応答性液晶表示素子を得るため
の方法には、低粘性の液晶を用いる方法、屈折率異方性
の大きい液晶を用いて液晶層の厚みを小さくする方法な
どがある。
素子の応答時間は、おおよそ、液晶の粘度ηに比例し、
液晶層の厚みdの2乗に比例する。一方、スーパーツイ
ステッドネマチック液晶表示素子の屈折率異方性Δnと
液晶層の厚みdの積はほぼ一定にしなければならないと
いう要請を考慮すると、スーパーツイステッドネマチッ
ク液晶表示素子の応答時間は、粘度ηに比例し、屈折率
異方性Δnの2乗に反比例することになる。すなわち、
液晶層の厚みdを小さくするとともに、この液晶表示素
子に使用する液晶としては、低粘性で、屈折率異方性の
大きい液晶を用いることが好ましいことになる。
示素子を得たとしても、この素子の使用は、現実には、
以下のような極めて大きな問題点を有していた。
は、通常、電圧平均化法と呼ばれる方法が用いられてい
る。走査線数(行電極の本数)をN、フレーム周期をT
F とたときの電圧平均化法における行電極印加電圧の波
形は、時間TF 内に、1本の選択パルスが存在し、選択
パルス印加時以外には、オン電圧選択パルスの1/bの
波高値をもつバイアス波が存在する。すなわち、選択期
間にはTF /N、非選択期間には(N−1)TF /Nの
時間が割り当てられる。図5(a)のAに代表的な印加
波形を示した。横軸は時間、縦軸は電圧である。多くの
場合、2フレーム使用することにより、交流化が行われ
る。
印加電圧の実効値で応答することが前提となっており、
これにより所定のコントラスト比を得ることができる。
図5(b)のCに実効値応答の様子を示す。横軸は時
間、縦軸は液晶層の両側に偏光板を配置し、行電極の選
択時に列電極にオン電圧を印加した場合の透過光強度で
ある。通常、フレーム周期は十〜数十msec程度であ
るのに対して、通常の液晶表示素子の平均応答時間は2
50msec程度であるため、数〜十数フレームを使用
することにより、1つのオンまたはオフの表示が完了す
ることになる。
すると、液晶分子の分子軸方向の変化が、電圧に対して
追随しやすいため、図5(b)のBのように、光学応答
波形がいわゆるピーク値応答的な挙動を示すようにな
り、実効値応答(C線で示した)から外れるようにな
る。すなわち、選択期間に立ち上がった光学応答波形
が、非選択期間では保持できず、減衰するようになるの
で、透過率の平均レベルが下がり、コントラスト比が低
下するという問題点が生じる。以下、この現象を液晶の
「緩和現象」と呼ぶ。
ダイナミック駆動を行う際にはいわゆる液晶表示素子の
平均応答時間が150msec程度以下になると大きな
問題となり、特にダイナミック駆動における平均応答時
間100msec程度以下の液晶表示素子において顕著
である。
下のように本明細書では定義する。すなわち、充分時間
が経過した時点でのオフ電圧での光透過度をTOFF 、オ
ン電圧での光透過度をTONとし、オフ電圧からオン電圧
に切り替えた時刻をt1 、その後、光透過度Tが(TON
−TOFF )×0.9+TOFF となる時刻をt2 、また、
オン電圧からオフ電圧に切り替えた時刻をt3 、その
後、光透過度Tが(TON−TOFF )×0.1+TOFF と
なる時刻をt4 とすると、平均応答時間τは、 τ=((t4 −t3 )+(t2 −t1 ))/2 で表される。
数を上げて選択パルスの間隔を短くする方法をとること
が考えられる。しかし、この場合は、必然的に1本の行
電極を選択する時間(パルス幅)が短くなるため、液晶
分子が選択パルスに反応しにくくなるので、表示のコン
トラスト比の向上効果は大きくない。また、駆動周波数
が大きくなると、電極の抵抗値が無視できず、電極の信
号入力部近傍とそれ以外で表示むらを生じたり、Vthが
変動して表示むらを生じたりする問題点がある。このよ
うな理由で、高速応答性の液晶表示素子は、事実上、表
示に使用することが困難であった。
を低くし、表示むらを低減するための方法として、複数
の行電極を一括して選択し、駆動する方法を提案してい
る(1988 International Display Research Conferenc
e)。
示した方法においては、本方法を高速応答素子に適用す
ること、また、適用のために適した条件などについて
は、触れられていない。
決すべくなされたものであり、以下のような液晶表示素
子の駆動法を提供するものである。複数の行電極と複数
の列電極とからなるマトリクス型液晶表示素子の駆動法
において、行電極のうちのJ×L本を(JおよびLはそ
れぞれ2以上の整数)それぞれL本の行電極からなるJ
個の行電極サブグループに分けて、この行電極サブグル
ープについて一括して選択して行う駆動法であって、以
下のような条件を満足して行電極サブグループの選択を
行うことを特徴とする液晶表示素子の駆動法。 (1)Lは液晶表示素子の全行電極の本数をN(本)、
同時に選択される複数の行電極の選択時間をT(秒)、
液晶表示素子の平均応答時間をτ(秒)とすると、以下
の式1でk=20〜250となる値として、決定され
る。
対して正または負の方向にVr (Vr >0)の振幅で電
圧印加され、また、非選択時には前記中間電圧を印加さ
れる。 (3)選択電圧行列として、要素が電圧+Vr に対応す
る+1もしくは−Vrに対応する−1とからなる、L行
を有する直交行列Aを選ぶ。 (4)行電極サブグループの選択時には、選択電圧行列
の列ベクトルの要素とその行電極サブグループを構成す
る行電極における電圧振幅とが対応するように、電圧印
加される。
n が1988年に開示した方法と同様に、複数の行電極
が一括して選択される。本明細書では、一括して選択さ
れる行電極の集まりを、「行電極サブグループ」と呼ぶ
ことにする。駆動回路を簡単なものとするためには、行
電極サブグループを構成する行電極の本数をそれぞれ等
しくすることが好ましい。むろん、一般的なセル構成に
おいては、行電極全体の数が、行電極サブグループを構
成する行電極の本数の倍数となっているわけではないの
で、各行電極サブグループを構成する行電極の数をすべ
て等しくすることはできないことがある。端数として存
在する、他の行電極サブグループよりも構成する行電極
の本数が少ない行電極サブグループの扱いは後に説明す
ることにし、まず、行電極サブグループを構成する行電
極の本数がL本でそれぞれ等しい部分の駆動について説
明する。
速応答性のものが好ましい。前述のように、高速応答性
の液晶表示素子は、液晶層の厚みdを小さくするととも
に、低粘性で、屈折率異方性の大きい液晶を用いること
によって得られる。このような、屈折率異方性の大きい
液晶としては、例えば、トラン系のものが有用である。
トラン系の液晶としては、例えば、特開昭61−563
1号公報に記載されているものがあり、また、化1に示
すような構造のものがある。
−、−CH2 CH2 −、または−C≡C−を示す。ま
た、R1 、R2 は相互に独立して炭素数1〜10のアル
キル基、ハロゲン原子、シアノ基、または−SCN基を
示し、炭素−炭素結合を持つ場合にはその結合間または
この基と環との間の炭素−炭素結合間に酸素が挿入され
たり、炭素−炭素結合の一部が−COO−、−OCO
−、−CH=CH−で置換されていてもよい。なお、こ
れらの化合物は、単なる例示にすぎなく、水素原子のハ
ロゲン原子、シアノ基、メチル基等への置換等、種々の
材料が選択使用される。
粘性の材料としてはジフルオロスチルベン系の液晶が有
用である。ジフルオロスチルベン系の液晶としては、例
えば、特開平1−96475号公報に記載されているも
のがあり、また、化2に示すような構造のものがある。
−、−CH2 CH2 −、または−C≡C−を示す。ま
た、R1 、R2 は相互に独立して炭素数1〜10のアル
キル基、ハロゲン原子、シアノ基、または−SCN基を
示し、炭素−炭素結合を持つ場合にはその結合間または
この基と環との間の炭素−炭素結合間に酸素が挿入され
たり、炭素−炭素結合の一部が−COO−、−OCO
−、−CH=CH−で置換されていてもよい。なお、こ
れらの化合物は、単なる例示にすぎなく、水素原子のハ
ロゲン原子、シアノ基、メチル基等への置換等、種々の
材料が選択使用される。
の液晶とは、それぞれ別々に使用してもよく、また、両
者を同時に使用してもよい。特にジフルオロスチルベン
系の液晶を1〜80%、好ましくは5〜70%、さらに
好ましくは10〜60%含有する液晶組成物は粘度が著
しく低下し、高速応答を実現できる。
るように、行電極について、複数本からなるサブグルー
プ単位の選択を行うためには、選択電圧はそれぞれの行
電極ごとに異なるパターンで印加する必要がある。
ては、非選択時の電圧を0とした場合、選択時には+V
r ,−Vr (Vr >0)のいずれかの電圧レベルをとる
ものとされる。ここで、非選択時の電圧0は、必ずしも
大地に対する接地を意味するものではない。液晶表示素
子の駆動電圧は、行電極と列電極との間に印加される電
圧(電位差)で決まるものであり、両方の電極の電位
を、並行して同量変化させても、両電極間の電位差は変
わらないからである。
択時の電圧は、各行電極に印加される電圧を要素とする
ベクトルを時系列にしたがって並べたもので表せる。こ
のベクトルを本明細書では、「選択電圧ベクトル」と呼
ぶことにする。そして、選択電圧ベクトルをその列とし
て含む行列を「選択電圧行列」と呼ぶ。すなわち、特定
の選択電圧行列が定まった場合、その選択電圧行列を構
成する選択ベクトルの要素を各行電極の電圧に対応させ
ながら、選択電圧行列を構成するすべての選択電圧ベク
トルについて、順次各行電圧に電圧印加していくことに
よって、その行電極サブグループの選択を行うことにな
る。
+Vr もしくは−Vr からなり、自身の転置行列との積
が単位行列のスカラー倍となるL行K列の直交行列A=
[α1 ,α2 ,・・・,αq ,・・・,αK ](ここ
で、αq はL個の要素を有する縦ベクトル)が選ばれ
る。ここで、Kとしてはpを自然数としてL≦2p =K
となる整数を選べる。具体的には、Lが2の場合、Kは
K=2(p=1),4(p=2),8(p=3),・・
・等であり、Lが3,4の場合、KはK=4,8,1
6,・・・等であり、Lが5,6,7,8の場合、Kは
K=8,16,32,・・・等である。Kをあまり大き
くすると、行電極選択に必要な選択パルスの数も大きく
なるため、Kはとり得る値のうち最小の値とすることが
好ましい。
K=8とした場合について、行列Aの具体例を挙げる
と、下記の式2A、式2Bまたは式2Cのようになる。
ル行列と呼ばれる。
との積が単位行列のスカラー倍となるK次の行列から、
任意の(K−L)行を削ることにより、上記のL行K列
の行列Aを構成することができる。例えば、式2Cの8
次のアダマール行列から構成した例を下記の式3Aおよ
び式3Bに示す。
8列の行列であり、式3Bは式2Cから第1行および第
8行を削除した6行8列の行列である。これらはいずれ
も自身の転置行列との積が単位行列のスカラー倍となっ
ている。
とみなすことにより、A=[α1 ,α2 ,・・・,α
q ,・・・,αK ](ここで、αq はL個の要素を有す
る縦ベクトル)と形式的に表現できる。
電圧行列としてAと−Aの両方を選び、Aに続いて−A
を用いて駆動される。この場合、もし、表示しようとす
るデータが、二値(すなわち、オンまたはオフ)であれ
ば、選択電圧ベクトルは、上記それぞれの選択電圧行列
を構成する2K個のベクトルを基本的に含むことにな
る。ただし、各行電極に印加される選択電圧が交流化さ
れている場合があり、この場合は−Aを用いず、Aのみ
を選ぶことも可能である。以後は一般的なケースである
Aと−Aの両方を用いる場合を前提として説明する。
しては必ずしも上記のように選ばれた各ベクトル一個ず
つのみからなる必要はなく、要素が+Vr もしくは−V
r からなる他のベクトルを加えたり、同じベクトルを複
数個使用することも、本発明の効果を損しない範囲で可
能である。
も大きくなると、行電極選択に必要な選択パルスの数が
きわめて増大することになるので、パルス幅を同じにと
るなら、一つの表示サイクルを完了するために必要な時
間が極めて長くなってしまうことになる。
は、前記の選択電圧行列の表記を用いて、実質的に、α
1 ,α2 ,・・・,αK ,−α1 ,−α2 ,・・・,−
αK からなるベクトルの集合を、駆動に使用する選択電
圧ベクトルの集合とすることが好ましい。この場合は、
選択電圧ベクトルの数が、実質的に2K個となる。この
ようにすれば、行電極の選択に必要な選択パルスの数を
実質的に最少にすることができ、高速表示として有利で
ある。
配列順序は任意であって、サブグループごとに、もしく
は表示データごとに入れ替えて用いることもできる。実
際の駆動における表示むらを抑制するためには、上記の
入れ替えを適当に行いながら駆動することがかえって好
ましい場合が多い。
ルの要素のうち、+Vr を1、−Vr を0としたパター
ンで表し、これを「選択パターン」と呼び、また、選択
パターンを時系列で並べたものを「選択コード」と呼
ぶ。
行列(選択コード)について次に説明する。
際に適用した結果、駆動に用いる選択電圧ベクトルの数
を2I個とし(Iは2I≧2Kの自然数)、かつ、前半
分のI個の選択電圧ベクトルの列と、後半分のI個の選
択電圧ベクトルの列とは絶対値が同じで正負が反対にな
るようにするものが、駆動の表示むらを抑制する観点で
好ましいことがわかった。かかる選択ベクトルの配列が
駆動の表示むらを抑制することについてその原因は明ら
かではないが、1表示を行うときに電極間に生ずる供給
電圧波形が表示データにかかわらず一様の周期で交流化
されるためと推測される。以下、このように配列した選
択コードを、以下、特に「反転コード」と呼ぶ。
択コード電圧列がなっている場合に、第1番目から第I
番目までの選択パターンの列と、第(I+1)番目から
第2I番目までの選択パターンの列との2つの列を考え
たとき、第s番目の選択パターンと第(I+s)番目の
選択パターンとの内容が、否定の関係になるような選択
コードを用いることを特徴とする。すなわち、第s番目
の選択パターンをWsとして表すと、下記の式4のよう
な関係を満たすように、行電極選択コードが形成される
ということである。
からなるものの場合に適用することにより、つまり、
[α1 ,α2 ,・・・,αK ,−α1 ,−α2 ,・・
・,−αK ]となる順序のベクトルの列を選ぶことが、
駆動の表示むらを抑制する観点で好ましいことがわかっ
た。
ダマール行列から構成したものを表1に示す。
配列として、[α1 ,α2 ,・・・,αK ,−α1 ,−
α2 ,・・・,−αK ]となる順序の条件を満たしてい
る。また、サブグループごとに、もしくは表示データご
とに選択電圧ベクトルの配列(選択パターン)を入れ替
えて用いる場合は、表2もしくは表3に示すような選択
コードを採用することができる。表中の数字は表1の選
択パターン番号を示しており、左から右に向かって時系
列的に選択パターンが行電極に印加されていくものとす
る。表2は行電極サブグループひとつを選択するごとに
選択パターンをずらすもの、表3は行電極サブグループ
ふたつを選択するごとに選択パターンをずらすものであ
る。
合について表4に示す。
番目から第4番目までの行電極選択パターンの否定をと
ったものが、それぞれの順番で第5番目から第8番目ま
で並ぶことになる。
プに分ける分け方については、必ずしも実際の基板上で
隣り合う行電極どうしをひとつの行電極サブグループと
する必要はない。回路の配線によっては、基板上で離れ
た位置にある行電極を同じ行電極サブグループ内の行電
極とすることが可能である。
ープ内の行電極には、同時に異なる選択電圧が印加され
る。したがって、極性選択入力をサブグループ数だけ持
たないようなICの場合は、タイミングが同期された別
々のICからの出力を1つの行電極サブグループの選択
電圧として用いることが便利である。この観点で好まし
い各行電極の基板上の配置は以下のようになる。すなわ
ち、L本の行電極からなるJ個の行電極サブグループを
形成する場合には、実際の基板上では行電極をJ本の行
電極からなるL個のブロックに分けて、各ブロックから
1本ずつ選ばれた行電極L本をひとつ行電極サブグルー
プとする。この場合には、同一サブグループ内のL本の
行電極は基板上では分散配置されることになる。
(U+1)段(Uは2以上の自然数)の階調を有するも
のである場合は、いわゆるフレーム間引き法により階調
表示を行うことができる。この場合は、選択電圧ベクト
ルとして、少なくともα1 ,α2 ,・・・,αK ,−α
1 ,−α2 ,・・・,−αK のそれぞれU個を含むベク
トルの集合から選ばれる。
択電圧ベクトルは必ずしも上記各ベクトルU個ずつのみ
からなる(この場合は全体で2KU個になる)必要はな
く、要素が+Vr もしくは−Vr からなる他のベクトル
を加えたり、同じベクトルを加えたりすることも、本発
明の効果を損しない範囲で可能である。また、駆動に用
いる選択電圧ベクトルを実質的に上記各ベクトルU個ず
つからなる(実質的に全体で2KU個となる)ようにす
れば、行電極の選択に必要な選択パルスの数を少なくす
ることができ、高速表示のためには好ましく、特に、駆
動に用いる選択電圧ベクトルを上記各ベクトルU個ずつ
のみからなる(全体で2KU個からなる)ようにすれ
ば、行電極の選択に必要な選択パルスの数を最少にする
ことができ、高速表示のためには非常に好ましい。
り任意であって、選択電圧ベクトルをランダムに配列し
たり、または、サブグループごとに、もしくは表示デー
タごとに配列を入れ替えて用いることもできる。実際の
駆動における表示むらを抑制するためには、上記の入れ
替えを適当に行いながら駆動することがかえって好まし
い場合が多いのも二値表示の場合と同様である。
圧を構成する選択電圧ベクトルの配列については種々の
ものが採用できる。例えば、ベクトル列[α1 ,α2 ,
・・・,αK ]を1単位としてSと表すと、[S,S,
・・・,S,−S,−S,・・・,−S]と配列した
り、[S,−S,S,−S,・・・,S,−S]と配列
するごとくである。特に、フリッカを防止する観点で
は、[S,S,・・・,S,−S,−S,・・・,−
S]と配列することが好ましい。
クトルで表される選択パルスを各行電極に印加するタイ
ミングについて説明する。
晶分子の電圧印加に対する立ち上がりを急峻にするため
には、高速応答性の液晶表示素子を用いることが好まし
い。この場合、前述のように液晶分子に選択パルスが印
加されていないときに液晶分子の配向が緩和してしまう
問題がある。この問題は、数百以上の高デューティ比の
ダイナミック駆動を行う際にはいわゆる液晶表示素子の
平均応答時間が150msec以下になると大きな問題
となってくるが、特にダイナミック駆動における平均応
答時間100msec以下の液晶表示素子において顕著
である。
行電極について選択電圧が印加されない非選択期間の長
さを調整することが好ましい。この調整は具体的には、
本発明の駆動法において、一つの表示データを表示する
期間内で選択パルスを分散して印加することにより行え
る。この分散は均一に行うことが望ましい。
する選択電圧ベクトルに対応する電圧の印加を連続的に
一度で行うのではなく、配列された選択電圧ベクトルを
いくつかのステージに分割して、一つのステージを印加
したら次の行電極サブグループの選択に移ることにす
る。具体的には、以下のシーケンスをとる。 (a)行電極サブグループを構成する各行電極に対し
て、1つのステージに含まれるベクトルに対応する電圧
を選択電圧ベクトルの順序にしたがって連続的に電圧印
加する(以下、これをa工程という)。 (b)a工程をすべての行電極のサブグループについて
行う(以下、これをb工程という)。 (c)a工程およびb工程をすべてのステージについて
その順序にしたがって行う。
圧が印加されない非選択期間の長さを短くすることが可
能になる。
これは、一つの表示データを表示する間に、位相の異な
る二つの選択パルスを各行電極に印加することにより選
択電圧を交流化しているため、選択パルスは1サイクル
で2本が単位となる。
ルの配列を各ステージに分割した数だけの選択パルスの
列が現れることになる。したがって、選択電圧ベクトル
の列を3分割以上すれば、一つの表示データを表示する
間に現れる選択パルスの数を、従来法より多くすること
ができる。
れる選択電圧ベクトルの数をそれぞれ等しくすることは
極めて好ましいことである。駆動回路構成を簡易にする
ことができるからである。
非選択期間の長さの調整は、液晶表示素子の高速応答性
に応じて行うことができる。一般的には、選択電圧ベク
トル列の分割数を増やしたほうが、非選択期間が短縮さ
れるため、液晶の緩和現象防止にはより効果がある。つ
まり、選択パルスがより多く分散されれば、選択期間に
立ち上がった光学応答波形が、非選択期間で保持しやす
くなる。したがって、透過率平均レベルの低下を抑え、
コントラスト比の低下を防ぐために、もっとも好ましい
のは各ステージが1個の選択電圧ベクトルからなる場合
である。以下は説明の簡単のため、この場合について主
に説明する。
ずつ一括して選択して二値表示をする場合に、一つの表
示をするために各行電極に印加されるべき選択パルスの
数は、最少で2K・(N/L)本であり、これは従来の
電圧平均化法における2N本とほぼ同等である。したが
って、表示切り替え速度を両方法で同じとすると、一つ
の選択パターンに対応する選択パルスの幅もほぼ同等に
なる。一方、各行電極についてみれば、1表示をする間
に印加される選択パルスの数は、例えばL=2p (pは
整数)なら2L本であり、これをすべて分散して印加す
ることにより、行電極に選択電圧が印加されていない時
間を従来の方法に比べて1/Lにすることができる。す
なわち、実質的に選択パルスの幅を変えることなく、選
択パルスの本数を増やせることが本発明の駆動法の特長
となっている。
印加される電圧を示したのが図1である。R1 〜R4 は
行電極のそれぞれを表しており、時間間隔T 0 は全体で
N本の行電極をL本ずつの行電極からなる行電極サブグ
ループに分けた場合、行電極サブグループが一回選択さ
れるための時間間隔となる。
場合の、行電極サブグループ内のR1 〜R3 についての
印加電圧の時系列変化を、図7に示す。ここで行電極の
総本数N=240とした。
明したような条件で選択されているときに特定のデータ
を表示するために列電極に印加される電圧の例につい
て、以下に説明する。
は、(L+1)個の電圧レベルから、行電極サブグルー
プの選択パターンに応じて選ばれた電圧を列電極に印加
することにより駆動される。この(L+1)個の電圧レ
ベルは、表示むら防止の観点から電圧波形が交流化され
た方が有利であることを考慮すると、少なくとも以下の
ような条件を満たす電圧レベルV0 ,V1 ,・・・,V
L とされることが好ましい。
る。表示データと、行電極に印加される選択電圧から、
このうちどの電圧レベルを選ぶべきかが決定される。こ
の方法は後に説明する。
が奇数のときは(すなわちnを整数として、L+1=2
n)、V2n-m-1=−Vm (mは0≦m≦n−1の整数で
V2n-m-1>0)とされ、Lが偶数のときは(L=2
n)、V2n-m=−Vm (mは0≦m≦n−1の整数でV
2n-m>0)とされる。ただし、これは、行電極に印加す
る非選択時の電圧を0とした場合であり、行電極、列電
極両方の電位を並行して同量変化させることはむろん可
能である。両電極間の電位差は変わらないからである。
れの絶対値は液晶表示素子の構成等によって、適宜決定
する必要がある。
の、上記の(L+1)個の電圧レベルからの印加電圧の
選び方を説明する。
いて説明する。図2は行電極400本からなるマトリク
ス表示の表示パターンの一部を模式的に示したものであ
る。図2のような表示パターンを表示する場合に、これ
に対応するデータのパターンは、オンを1、オフを0と
すると、図中の表のようになる。行電極は4本を一括選
択することにすると、一本の列電極では各サブグループ
に対して、4ビットごとのデータパターンに分割され
る。j番目の行電極サブグループの表示データ(ここで
jは1〜Jまで変化する整数)を、L個の要素を有する
縦ベクトルDj (ここで、ベクトルDj の要素は、オン
を示す1もしくはオフを示す0からなる)で表現する。
例えば列電極C9 ではD1 =t (d1 ,d2 ,d3 ,d
4 )=t (1,0,1,0)である。tは、転置を表
す。
るために、行電極に印加されている選択電圧の選択パタ
ーンのベクトル(これをβとする)と、列電極のデータ
のベクトルとで、対応する要素ごとに排他的論理和をと
り、その総和iを求める。例えば図2の行電極の1番目
のサブグループの選択電圧が[1,1,1,1]という
選択パターンで表される場合、図2の列電極C9 に印加
すべき電圧を決定するとする。このときの、上記の排他
的論理和の総和iは下記の式5で表される。
加すべき電圧レベルは、Vi として表される。
ごとく選ぶ。この場合、図2の表示パターンを表示する
場合、列電極C1 ,C2 ,C3 ,C9 に印加する電圧は
図3のようになる。図3で、例えばR1 〜R4 とあるの
はR1 〜R4 の行電極のサブグループが選択されている
期間についての電圧変化を示している。ここで、R1〜
R4 、R5 〜R8 、R9 〜R12はそれぞれ独立して描か
れている。また、見やすさのため横軸の時間軸は、他の
サブグループ選択期間を省略して描いている。したがっ
て、本発明において、選択パルスを分散して印加する場
合には、グラフに示した電圧印加が連続して行われるの
ではなく、グラフ上のひとつの電圧印加が行われた後
に、他の行電極サブグループへの電圧印加が行われ、そ
の時間が経過した後に、グラフ上の次の電圧印加が行わ
れることになる。
=Vc (2i−L)/L,Vr =Vc N1/2 /L(ここ
で、Nは行電極の総本数)と選ぶことにより、電圧実効
値のVON/VOFF を最大にすることができるので極めて
好ましい。
傍で最もよいコントラスト比を得られるようにVr ,V
i のレベルを調整することもできる。
c ,V3 =+Vc /2,V2 =0,V1 =−Vc /2,
V0 =−Vc などと選ぶ。また、前記条件では、Vr =
5Vc となる。この場合の図2のR1 −C9 (オン状
態)およびR2 −C9 (オフ状態)の電圧変化を示した
のが図4である。ただし、これも図3と同様に、見やす
さのため横軸の時間軸は他のサブグループ選択期間を省
略して描いている。
されるが、特定の行電極サブグループに注目した場合、
一つもしくは複数の表示を終えるごとに、選択電圧行列
(選択パターン)の構成を変えていくことが、表示むら
低減のために有効な場合がある。特に、各行電極に印加
される選択電圧が、特定のサブグループ内のそれぞれの
行電極同志で入れ替わるようにすることは表示むらを低
減するために好ましい。すなわち、先のデータ表示の選
択電圧ベクトル形成に使用した行列Aの行を入れ替えて
形成した行列を、改めて選択電圧ベクトル形成用の行列
Aとして使用する。
の表示に採用した場合、表5、表6、表7のような選択
コードを、表示データが切り替わるごとに、順次使用す
ることができる。それぞれの表の選択コードは、それぞ
れの行電極に印加する選択電圧をずらしたものになって
いる。
示する場合の本発明の駆動法のシーケンスを、一括して
選択する行電極の本数を4とし(L=4)、行電極サブ
グループの数をJ個とした場合の代表的なものについて
まとめて述べておく。
おく。この例では、表1の選択コードを採用することに
する。
選択パターン1を印加する。同時に、各列電極には、こ
の選択パターンと、表示データから決定される電圧を印
加する。次に、第2の行電極サブグループには、表1の
選択パターン2を印加し、同時に、各列電極には、この
選択パターンと、表示データから決定される電圧を印加
する。次いで、第3の行電極サブグループには、表1の
選択パターン3を印加し、各列電極については同様に行
う。そしてこれを繰り返して、第J番目サブグループま
で行う。
選択パターン2を印加する。次に、第2の行電極サブグ
ループには、表1の選択パターン3を印加し、以下、こ
れを繰り返して、第J番目サブグループまで行う。
ープに選択パターンを印加していき、これをすべての選
択パターンが印加されるまで行う。これで1つの表示が
完了する。
は、表5の選択コードを採用する。これは、表1の選択
コードで印加される選択電圧を各行電極についてずらし
たものになっている。
うときは、表6の選択コードを採用し、順に、表示デー
タが切り替わるごとに、表7の選択コード、戻って表1
の選択コードと、採用する選択コードを切り替えてい
く。このようにして、順次、各表示データに基づいた表
示がなされる。
ては以下のようになる。表4に示すとおり、一本の列電
極について、行電極サブグループにおけるデータパター
ンD=t (d1 ,d2 ,d3 )のとり得る状態は全部で
8通りあり、これらの組合せで、任意の表示パターンが
構成され得る。各行電極選択パターンとデータパターン
のビットごとの排他的論理和の総和i、およびそのiに
おけるVi を Vi =Vc (2i−L)/L にしたがって計算した結果が、表8に示されている。た
だしVi の値はVc の係数のみ代表して示した。
択している期間に列電極に印加すべき電圧波形が決定さ
れ、図8のようになる。この図における8通りの波形の
組合せで、任意の表示が可能となる。
全面オン((d1 ,d2 ,d3 )=(1,1,1))の
データパターン、および全面オフ((d1 ,d2 ,d
3 )=(0,0,0))のデータパターンで表したのが
図11である。これで見ると、常に4ステージあとに同
じ電圧が印加されていることがわかる。これは全面オ
フ、全面オン以外のデータパターンでも同じである。
ドとして採用することにより、一画面を走査する周期
(以下、フレーム周期という、また、その逆数をフレー
ム周波数という)の間に絶対値の同じ電位が2回繰り返
されるようにすることができる。
圧のパルスのうち、絶対値として最大の電圧を持つ+
(Vr +Vc ),−(Vr +Vc )の印加がもっとも液
晶分子の動きに寄与すると思われるが、これも4ステー
ジに一度、すなわちフレーム周波数の2倍の周波数で正
確に現れることになる。
の光学的応答の周波数はフレーム周期に等しかったが、
本発明の駆動法において選択コードとして反転コードを
用いれば、フレーム周波数を実質的に2倍にすることが
できる。したがってこれにより、オン輝度、およびコン
トラスト比を増加させることができる。また、いかなる
表示パターンにおいても液晶の光学的応答周期が一定な
ため、均一な表示が得られる。
1)段(Uは2以上の自然数)の階調を有するものであ
る場合は、二値表示の場合とほぼ同様にして行うことが
できる。この場合、前述のように、それを構成する選択
電圧ベクトルが、実質的にα1 ,α2 ,・・・,αK ,
−α1 ,−α2 ,・・・,−αK のそれぞれU個からな
り、該選択電圧ベクトルが適宜配列されたベクトルの列
が選ばれる。
ぞれU個ずつある(全体で2KU個)それぞれの選択電
圧ベクトルについて、合計U個のオンもしくはオフを所
定の比率で表示することにより、行うことができる。
の表示を行う場合について説明する。このときの選択コ
ードは例えば、4次のアダマール行列から構成したもの
として、表9のようなものがある。左から右に向かって
選択パターンが進むものとし、また、上下方向の段は各
行電極に対応する。
3回ずつ現れる。この3個の選択パターンをオンもしく
はオフに振り分けることにより、階調表示が可能であ
る。例えば、二つをオンとし、一つをオフとすれば、オ
ンから数えて2番目の階調に相当する表示となる。ま
た、一つをオンとし、二つをオフとすれば、オンから数
えて3番目の階調に相当する表示となる。このオン、オ
フの振り分けは、均等に行ったほうが見栄え上は有利で
ある。
電極サブグループよりも少ないLr本の行電極から構成
される行電極サブグループからなる部分について、その
行電極と列電極に印加する電圧については、(L−L
r )本の行電極を仮想的に加えて駆動することにより、
行電極サブグループを構成する行電極の本数がL本であ
る場合と同様に駆動できる。
ループを駆動する場合は、Lr 番目、(Lr +1)番
目、・・・、L番目に相当する(L−Lr )本の行電極
を仮想的に考えるとともに、その仮想的な行電極上の表
示データも仮想的に選んでおく。この表示データは、二
値表示の場合は0または1であり、階調表示の場合はど
の階調に相当する表示データでもよい。
サブグループを駆動する場合は、L=4の場合に構成し
た選択コードのうちの、行電極3本分を使用する。具体
的には、もし、表1に示した選択コードを採用する場合
は、例えば、行電極2〜4にあたる3本分の選択コード
を使用して、選択パルスを印加する。選び方は、行電極
2〜4に相当するものだけではなく、行電極1〜3に相
当するものを使用するなど、他の選び方をしてもよい。
うに決定される。すなわち、表示データについては、仮
想的な表示データを仮想的に加えて、表示データのベク
トルDj を構成する。一方、選択パターンについては、
Lr 本の行電極用の選択コードを構成するために用いた
L本の行電極の選択コードにおける選択パターンを用い
る。そして、前述のように、これらの対応する要素ごと
に排他的論理和をとり、その総和iを求めることにより
列電極への印加電圧が決定される。
を構成するL本の行電極がすべて実際の電極である場合
について説明したものであるが、その一部を仮想電極で
あるとして扱うことも可能である。
構成する行電極に比べて、選択に必要な選択パルスおよ
び、列電極に印加すべき電圧の電圧レベルの数が最低必
要な値より大きくなることになる。しかし、列電極に印
加する電圧のレベルについて他の電圧レベルと共用する
場合などに利点のある場合がある。
は、液晶表示素子の全行電極の本数をN(本)、同時に
選択される複数の行電極の選択時間をT(秒)、液晶表
示素子の平均応答時間をτ(秒)とすると、式1で、k
が20〜250となるように決定される。
択する行電極数は極めて重要である。信号線の電圧の決
定による必要な回路の演算回路、またはメモリー回路の
規模等を考慮すると、同時選択数は少ないほど好まし
い。一方、液晶緩和の抑制効果は、同時選択数が多いほ
ど大きいともいえる。こうしたことから液晶緩和の抑制
に必要な最低限の同時選択ライン数にとどめて複数ライ
ン同時選択による駆動を行うことが最も好ましいことに
なる。
択する行電極数は式1にしたがって選ばれることがもっ
とも好ましいことを見いだした。以下は、この条件につ
いて実施例をまじえながら、より詳しく説明する。
路の一例が図6である。以下の説明は16階調表示を行
う場合のものである。表示データはR,G,B別々にア
ナログ信号で入力される。これをR,G,Bそれぞれ6
ビットのA/D変換器1,1,1でデジタルデータに変
換し、これを液晶の光学特性に合わせて補正器2で補正
を行って(いわゆるγ補正)、階調によって決まる所定
ビット数の階調のデータに変換し、いったん表示メモリ
3に納める。次に、この表示メモリ3から所定の順序で
読み出しを行い、データセレクタ4によりL個の各サブ
グループメモリ5,5,・・・,5に振り分ける。この
L個のデータをそれぞれ階調制御回路6,6,・・・,
6で、15サイクルをひとまとめとして、1ビットのオ
ンオフ表示データ列(L個)のデータに変換し、排他的
論理和および加算器7に送る。
選択パターン発生回路11から送られるLビットの行選
択パターンとの排他的論理和がとられ、ついで加算が行
われ、列電極ドライバ8へと送られる。行選択パターン
は遅延回路12で1行の選択時間だけ遅延されて行電極
ドライバ13へと送られる。行電極ドライバ13、列電
極ドライバ8の出力は液晶パネル9の各電極に入力され
る。なお、10はタイミング発生回路である。
ec(25℃)のSTN液晶表示素子を行電極本数Nは
490本に対して、L=7,J=70,K=8とし、1
つの選択パターンに対応する選択パルス幅を変化させて
本発明の駆動法で駆動をしたところ、25℃で最大コン
トラスト比が図9の三角印に示したようになった。
を30wt%、トラン系液晶を43%含有するもので、
全体としての特性は、屈折率異方性Δnが0.237、
粘性ηが12.1cSt、透明点Tc が86.7℃であ
った。また、液晶層厚みdは3.7μmで用いた。
を使用した。これは、表12に示したような8次のアダ
マール行列から構成した選択コードのうち、行電極2〜
行電極8に相当する選択コードを使用したものである。
るごとに次の行電極サブグループを印加することにし、
Vi =Vc (2i−L)/L、Vr =Vc N1/2 /Lと
選び、電圧の絶対値は最大のコントラスト比が得られる
ように調整した。以下の実施例においては、選択パター
ンの一つを行電極に印加するごとに次の行電極サブグル
ープに対して選択信号を印加するようにしている。
5バイアス、選択パルス幅を変化させながら、実施例1
の素子を駆動したところ、最大コントラスト比は図9の
丸印のようになった。図9から、1/480デューティ
比の電圧平均化法で通常用いられるパルス幅20μse
c(フレーム周波数100Hz程度)付近で、本発明と
従来法でコントラスト比に大きな違いがあり、本発明で
は、液晶の緩和現象が抑制され、コントラスト比が極め
て高くなることが理解される。
(25℃)のSTN液晶表示素子を行電極本数Nは49
0本に対して、L=7,J=70,K=8とし、1つの
選択パターンに対応する選択パルス幅を変化させて本発
明の駆動法で駆動をしたところ、25℃で最大コントラ
スト比が図10の三角印に示したようになった。
晶、トラン系液晶をいずれも含有せず、全体としての特
性は、屈折率異方性Δnが0.131、粘性ηが18.
9cSt、Tc が93.9℃であった。また、液晶層厚
みdは6.7μmで用いた。
じものを用いた。また、選択パターン1つを行電極に印
加するごとに次の行電極サブグループを印加することに
し、Vi =Vc (2i−L)/L、Vr =Vc /N1/2
Lと選び、電圧の絶対値は最大のコントラスト比が得ら
れるように調整した。
5バイアス、選択パルス幅を変化させながら、実施例2
の素子を駆動したところ、最大コントラスト比は図10
の丸印のようになった。図10から、1/480デュー
ティ比の電圧平均化法で通常用いられるパルス幅20μ
sec(フレーム周波数100Hz程度)付近で、従来
法で、すでに液晶の緩和現象の影響が出ており、本発明
に比べてコントラスト比が下がってきていることが理解
される。
理解されるように、選択パルス幅を短くしていくと、液
晶の緩和現象は抑制され、しだいにコントラスト比が大
きくなっていくが、ある程度のパルス幅でコントラスト
比の増加は飽和する。飽和する点は、飽和コントラスト
比の値をCR100 、その1/2のコントラスト比の値を
CR50とし、CR50を示すときのパルス幅をT50とする
と、おおよそT50/4〜T50/12の間にある。
(本)、液晶表示素子の全行電極の本数をN(本)、同
時に選択される複数の行電極の選択時間をT(秒)、液
晶表示素子の平均応答時間をτ(秒)とすると、これら
の間に一定の規則性があることが見いだされた。
素子を用いた場合の、横軸に1本の行電極の選択時間を
T(秒)、縦軸にCR50を示すときの同時選択行電極数
L50(本)をとったグラフである。実線は、τ=0.0
5(秒)、破線は、τ=0.25(秒)を示す。τ=
0.05(秒)の場合は、N=490(本)と240
(本)の場合の2通りを示し、τ=0.25(秒)の場
合は、N=490(本)の場合を示す。
よそ、L50はTに比例し、τおよびNに反比例する。ま
た、L50=k・N・T/τとした場合の比例定数kは2
0前後となる。このことから、液晶緩和を抑制する効果
を有し、かつハードウエア上の要請から、充分に小さい
Lの範囲は、おおよそ前記の式1でkを20〜250程
度にとった場合である。kをこれより大きくとると、ハ
ードウエアの構成が困難になり、これより小さいと、液
晶緩和抑制の効果が小さい。好ましくは40〜250程
度であり、特に好ましくは60〜250程度である。
にkに応じて計算したLの値と、同様に25μsecの
場合に計算した値を表13に示す。
複数分散させることによって、従来の単純マトリクス方
式における電圧平均化法が1フレーム内に1本の選択パ
ルスしか存在しないのと比べて、光学的状態の変化を少
なく抑制することが可能となった。これにより、ダイナ
ミック駆動時の平均応答時間が100msec以下、特
に50msec以下の液晶表示素子を駆動する場合に有
効である。
を表示する間に必要な選択パルスの数は、従来の電圧平
均化法に比べて実質的に変わらないので、特に高速表示
を行う場合に有利となっている。また、コントラスト比
の高い階調表示、カラー表示を行うことが可能になっ
た。
て、従来の電圧平均化法と比べてもその効果は大であ
る。
の周波数成分が大きく異なり、表示むらの要因になって
いたが、本発明においては、表示パターンによる周波数
成分の変動が少ないので、表示むらが出にくいと考えら
れる。
サブグループ内の行電極R1 〜R4 についての電位の時
系列変化を示すグラフ
表示パターンで列電極C1 ,C2 ,C3 ,C9 に印加す
る電圧を示すグラフ
表示パターンでR1 −C9 およびR2 −C9 の電圧を示
すグラフ
ロック図
サブグループ内の行電極R1 〜R3 についての電位の時
系列変化を示すグラフ
パターンで列電極に印加すべき電圧波形を示すグラフ
化させたときの、コントラスト比変化のグラフ
変化させたときの、コントラスト比変化のグラフ
したグラフ
時間をT(秒)、縦軸にCR50を示すときの同時選択行
電極数L50(本)をとったグラフ
Claims (11)
- 【請求項1】複数の行電極と複数の列電極とからなるマ
トリクス型液晶表示素子の駆動法において、 行電極のうちのJ×L本を(JおよびLはそれぞれ2以
上の整数)それぞれL本の行電極からなるJ個の行電極
サブグループに分けて、この行電極サブグループについ
て一括して選択して行う駆動法であって、 以下のような条件を満足して行電極サブグループの選択
を行うことを特徴とする液晶表示素子の駆動法。 (1)Lは液晶表示素子の全行電極の本数をN(本)、
同時に選択される複数の行電極の選択時間をT(秒)、
液晶表示素子の平均応答時間をτ(秒)とすると、以下
の式1でk=20〜250となる値として、決定され
る。 L=k・N・T/τ・・・式1 (2)行電極には、選択時には中間電圧に対して正また
は負の方向にVr (Vr >0)の振幅で電圧印加され、
また、非選択時には前記中間電圧を印加される。 (3)選択電圧行列として、要素が電圧+Vr に対応す
る+1もしくは−Vrに対応する−1とからなる、L行
を有する直交行列Aを選ぶ。 (4)行電極サブグループの選択時には、選択電圧行列
の列ベクトルの要素と該行電極サブグループを構成する
行電極における電圧振幅とが対応するように、電圧印加
される。 - 【請求項2】選択電圧行列の列ベクトルに対応する電圧
を行電極サブグループにひとつ印加するごとに、次の行
電極サブグループに選択電圧を印加するようにすること
を特徴とする請求項1記載の液晶表示素子の駆動法。 - 【請求項3】Lr 本の行電極(Lr <L)からなる行電
極サブグループについては、(L−Lr )本の行電極を
仮想的に加えて駆動することを特徴とする請求項1また
は2記載の液晶表示素子の駆動法。 - 【請求項4】行電極サブグループを構成するL本の行電
極のうち、一部は、仮想的な電極であることを特徴とす
る請求項1、2または3記載の液晶表示素子の駆動法。 - 【請求項5】駆動に用いる選択電圧行列の選択電圧ベク
トルの配列をサブグループひとつごとに入れ替えて用い
る請求項1、2、3または4に記載の液晶表示素子の駆
動方法。 - 【請求項6】駆動に用いる選択電圧行列の選択電圧ベク
トルの配列をサブグループふたつごとに入れ替えて用い
る請求項1、2、3または4に記載の液晶表示素子の駆
動方法。 - 【請求項7】駆動に用いる選択電圧列の選択電圧ベクト
ルの配列が、特定のサブグループ内のそれぞれの行電極
同士で入れ替わるようにする請求項1、2、3または4
に記載の液晶表示素子の駆動方法。 - 【請求項8】駆動に用いる選択電圧列の選択電圧ベクト
ルの配列が、ランダムに入れ替わるようにする請求項
1、2、3または4に記載の液晶表示素子の駆動方法。 - 【請求項9】駆動に用いる選択電圧行列の選択電圧ベク
トルの配列を表示データごとに入れ替えて用いる請求項
1、2、3または4に記載の液晶表示素子の駆動方法。 - 【請求項10】駆動に用いる選択電圧行列の選択電圧ベ
クトルの集合として、α 1 ,α 2 ,・・・,α K ,−α
1 ,−α 2 ,・・・,−α K を用いる請求項1〜9のい
ずれか1項に記載の液晶表示素子の駆動方法。 - 【請求項11】駆動に用いる選択電圧行列として、式2
Bの4行4列の行列をえらび、その各列ベクトルを順に
α 1 ,α 2 ,α 3 ,α 4 とし、α 1 ,α 2 ,α 3 ,α
4 ,−α 1 ,−α 2 −α 3 ,−α 4 からなる選択電圧ベ
クトルの集合を用いる請求項1〜 9のいずれか1項に記
載の液晶表示素子の駆動方法。 【数1】
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