JP3368718B2 - 空調装置 - Google Patents

空調装置

Info

Publication number
JP3368718B2
JP3368718B2 JP11303495A JP11303495A JP3368718B2 JP 3368718 B2 JP3368718 B2 JP 3368718B2 JP 11303495 A JP11303495 A JP 11303495A JP 11303495 A JP11303495 A JP 11303495A JP 3368718 B2 JP3368718 B2 JP 3368718B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compressor
air
operating rate
evaporator
capacity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11303495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08300938A (ja
Inventor
義昭 高野
宏 木下
康彦 新美
守 前山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP11303495A priority Critical patent/JP3368718B2/ja
Publication of JPH08300938A publication Critical patent/JPH08300938A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3368718B2 publication Critical patent/JP3368718B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷房負荷に応じて容量
が変化するように構成された内部可変容量型圧縮機を用
いて、蒸発器における空気冷却度合いを制御する空調装
置であって、この圧縮機を作動させたまま、冷房負荷に
応じた容量変化によって前記冷却度合いを制御する機能
と、圧縮機の作動、停止を繰り返すことによって前記冷
却度合いを制御する機能とを有する空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような空調装置の従来技術の一例
によれば、冷房負荷に応じて圧縮機の容量が変化し、こ
の容量変化によって、蒸発器通過後の空気温度がほぼ所
定温度(例えは0℃〜1℃)で一定となるように制御さ
れる。そして、容量が最低(例えば20%)となっても
なお冷房能力が余って、蒸発器通過後空気温度が上記所
定温度以下となった場合には、圧縮機の作動、停止を繰
り返す制御(以下、オンオフ制御という)に切り換える
ことによって、蒸発器のフロストを防止するようにした
ものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術の場合、
蒸発器通過後空気温度が上記所定温度以下となったら、
オンオフ制御に切り換わるため、これによって圧縮機の
動力が大きくなってしまう場合があるということが、本
発明者等の実験、検討によって新たに分かった。以下、
この問題について図8を用いて詳述する。
【0004】図8は、圧縮機の容量制御が始まる点(以
下、制御開始点という)における冷房能力をQ0 、圧縮
機動力をL0 とし、この冷房能力Q0 に対する実際の冷
房能力Qの比(Q/Q0 )と、上記圧縮機動力L0 に対
する実際の圧縮機動力Lの比(L/L0 )との関係を、
容量制御を行った場合とオンオフ制御(このときの容量
は100%固定)を行った場合のそれぞれについて示し
たものである。つまり、冷房能力比Q/Q0 が1以下の
範囲のときに圧縮機の容量制御が行われる。
【0005】この図8からも分かるように、冷房能力比
Q/Q0 がQ1 以下のときには、容量制御を行った場合
よりもオンオフ制御を行った場合の方が、圧縮機の動力
比L/L0 が小さくなり、冷房能力比Q/Q0 がQ1 以
上のときには、オンオフ制御を行った場合よりも容量制
御を行った場合の方が、圧縮機の動力比L/L0 が小さ
くなる。
【0006】それに対して上記従来技術は、蒸発器通過
後の空気温度が上記所定温度以下となったら必ずオンオ
フ制御に切り換わる。すなわち、このときの冷房能力比
Q/Q0 がQ1 以上の任意の点(例えばQ2 )であれ
ば、冷房能力比Q/Q0 がQ2以上のときに容量制御を
行い、Q2 以下のときにオンオフ制御を行うことにな
る。
【0007】このように、冷房能力比Q/Q0 がQ2 以
下の範囲でオンオフ制御に切り換わると、Q1 ≦Q/Q
0 ≦Q2 の範囲では、容量制御を行う場合に比べて圧縮
機動力比L/L0 が大きくなってしまう。そこで本発明
は、内部可変容量型圧縮機の容量制御とオンオフ制御の
両方を行う空調装置において、冷房能力比Q/Q0 がQ
1 以下のときにはオンオフ制御、Q/Q0 がQ1 以上の
ときには容量制御を行うことによって、圧縮機の省動力
効果を上げることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために、以下に述べるような種々の検討を行
った。冷凍サイクルの高圧側の負荷、または圧縮機の回
転数等の条件によって、図8の制御開始点、すなわちQ
0 、L0 はずれる。つまり、冷房能力比Q/Q0 は、上
記条件によって変化するので、決まった値としての冷房
能力比Q/Q0 を求めることは極めて困難である。
【0009】そこで本発明者等は、圧縮機の稼働率(圧
縮機の全稼働率に対する圧縮機の作動時間の比率)が低
くなれば、それだけ冷房能力比Q/Q0 が小さくなるこ
とに着目し、稼働率と冷房能力比Q/Q0 との間に一定
の関係があるのではないかとの予想をたて、実際に実験
をしてみたところ、図9のようなデータが得られた。そ
してこの図9のデータより、稼働率φと冷房能力比Q/
Q0 とがほぼ同じであることが分かった。
【0010】次に本発明者等は、この稼働率φを推定す
る方法について検討を重ねた。その結果、蒸発器を通過
する空気の熱負荷が大きくなればそれだけ稼働率φは大
きくなり、また蒸発器の冷媒側能力(例えば冷媒流量)
が大きくなればそれだけ稼働率φは小さくなるというこ
とに着目し、稼働率φは下記数式1で表せるのではない
かと予想をたて、さらにこの推定稼働率φaの具体例と
して下記数式2をたてた。
【0011】
【数1】推定稼働率φa=(蒸発器の空気側負荷)/
(蒸発器の冷媒側能力)
【0012】
【数2】推定稼働率φa=CVa (Ta1−Ta2)/Nc (C:定数、Va :蒸発器通過風量、Ta1:蒸発器入口
空気温度、Ta2:蒸発器出口空気温度、Nc :圧縮機回
転数) そして、上記数式2によって算出される推定稼働率φa
と実際の稼働率φとの間の関係を実際に実験してみたと
ころ、図10に示すデータが得られた。そしてこの図1
0のデータより、上記数式2に基づいて算出される推定
稼働率φaが、実際の稼働率φとほぼ同じとみなしても
問題ないことが分かった。
【0013】なお、図10は、圧縮機の容量を100%
とした状態で圧縮機のオンオフ制御を行ったときの実験
データで、図中丸印は、図11(a)に示すように、蒸
発器通過後の空気温度(Ter)が3℃−4℃でオンオフ
するように制御した場合、図中三角印は、図11(b)
に示すように、Terが10℃−11℃でオンオフするよ
うに制御した場合を示す。
【0014】以上の検討の結果、本発明者等は、上記数
式1の考え方で推定稼働率φaを求めれば、この推定稼
働率φaにて冷房能力比Q/Q0 を代用できるというこ
とを新たに見出した。本発明は、上記種々の検討結果に
基づいてなされたもので、その構成上の特徴とするとこ
ろは、請求項1記載の発明では、冷媒を吸入、圧縮、吐
出する圧縮機(2)、この圧縮機(2)が吐出した冷媒
を凝縮させる凝縮器(3)、この凝縮器(3)からの冷
媒を減圧する減圧手段(5)、およびこの減圧手段
(5)からの冷媒を蒸発させる蒸発器(6)をそれぞれ
備える冷凍サイクル(1)と、空気流を発生する送風手
段(9)と、この送風手段(9)によって発生した空気
を室内に導くとともに、前記蒸発器(6)が内部に設け
られた空気通路(8)と、前記蒸発器(6)が前記空気
通路(8)内の空気を冷却する度合いを検出する冷却度
合い検出手段(11)とを備えた空調装置において、前
記圧縮機(2)は、冷房負荷に応じて容量が変化する内
部可変容量型圧縮機として構成されるとともに、この圧
縮機(2)には、この圧縮機(2)の作動、停止を切り
換える切換手段(12)が接続され、前記圧縮機(2)
の推定稼働率を算出する推定稼働率算出手段(ステップ
220)と、この推定稼働率算出手段(ステップ22
0)によって算出された推定稼働率(φa)が所定稼働
率(φ1 )よりも大きいか小さいかを判定する推定稼働
率判定手段(ステップ230)と、この推定稼働率判定
手段(ステップ230)によって、前記推定稼働率(φ
a)が前記所定稼働率(φ1 )よりも大きいと判定され
たときに、前記圧縮機(2)を作動させるように前記切
換手段(12)を制御する第1の圧縮機制御手段(ステ
ップ240)と、前記推定稼働率判定手段(ステップ2
30)によって、前記推定稼働率(φa)が前記所定稼
働率(φ1 )よりも小さいと判定されたときに、前記冷
却度合い検出手段(11)が検出した冷却度合いに応じ
て、前記圧縮機(2)を作動または停止させるように前
記切換手段(12)を制御する第2の圧縮機制御手段
(ステップ250〜330)とを備える空調装置を特徴
とする。
【0015】また請求項2記載の発明では、請求項1記
載の空調装置において、前記空気通路(8)内の空気の
うち、前記蒸発器(6)を通過する空気の熱負荷を検出
する空気側負荷検出手段(10、11、ステップ21
0)と、前記蒸発器(6)内を流れる冷媒の冷房能力を
検出する冷媒側能力検出手段(51、ステップ210)
とを備え、前記推定稼働率算出手段(ステップ220)
は、前記推定稼働率(φa)を、前記冷媒側能力検出手
段(51、ステップ210)が検出した能力に対する、
前記空気側負荷検出手段(10、11、ステップ21
0)が検出した負荷の比として算出するように構成され
たことを特徴とする。
【0016】また請求項3記載の発明では、請求項2記
載の空調装置において、前記空気側負荷検出手段(1
0、11、ステップ210)は、前記蒸発器(6)を通
過する風量と、前記蒸発器(6)の前後における空気の
温度差との積に基づいて、前記蒸発器(6)を通過する
空気の熱負荷を検出するように構成されたことを特徴と
する。
【0017】また請求項4記載の発明では、請求項2ま
たは3記載の空調装置において、前記冷媒側能力検出手
段(51、ステップ210)は、前記圧縮機(2)の回
転数に基づいて、前記蒸発器(6)内を流れる冷媒の冷
房能力を検出するように構成されたことを特徴とする。
また請求項5記載の発明では、請求項1ないし4いずれ
か1つ記載の空調装置において、前記圧縮機(2)の回
転数を検出する回転数検出手段(51)と、この回転数
検出手段(51)によって検出された圧縮機回転数が高
くなる程、前記所定稼働率(φ1 )を大きな値として決
定する所定稼働率決定手段とを備え、前記推定稼働率判
定手段(ステップ230)は、前記推定稼働率算出手段
(ステップ220)によって算出された推定稼働率(φ
a)が、前記所定稼働率決定手段によって決定された所
定稼働率(φ1 )よりも大きいか小さいかを判定するよ
うに構成されたことを特徴とする。
【0018】また請求項6記載の発明では、請求項1な
いし5いずれか1つ記載の空調装置において、前記第2
の圧縮機制御手段(ステップ250〜330)は、前記
冷却度合い検出手段(11)が検出した冷却度合いが所
定冷却度合いよりも大きいときに、前記圧縮機(2)を
停止させるように前記切換手段(12)を制御するとと
もに、前記検出冷却度合いが前記所定冷却度合いよりも
小さいときに、前記圧縮機(2)を作動させるように前
記切換手段(12)を制御するように構成されたことを
特徴とする。
【0019】また、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施例の具体的手段との対応関係を示すものであ
る。
【0020】
【発明の作用効果】請求項1ないし6記載の発明によれ
ば、求めるのが非常に困難な冷房能力比に代えて、この
冷房能力比とほぼ同じ値である圧縮機の稼働率を推定稼
働率算出手段によって推定する。そして、この推定稼働
率が所定稼働率(図8におけるφ1 )よりも大きいとき
は第1の圧縮機制御手段による制御(容量制御)を行
う。この場合、圧縮機は作動状態となるので、そのとき
の冷房負荷に応じて圧縮機の容量が変化し、この容量変
化によって、空気通路内を流れる空気は蒸発器によって
ほぼ所定温度に冷却され、室内に導かれる。
【0021】反対に、前記推定稼働率が前記所定稼働率
よりも小さいときは第2の圧縮機制御手段による制御
(オンオフ制御)を行う。この場合、冷却度合い検出手
段が検出した冷却度合いに応じて、圧縮機を作動させた
り停止させたりする。すなわち、例えば前記検出冷却度
合いが所定冷却度合いよりも大きいときは、圧縮機を停
止させて蒸発器での空気冷却度合いを低め、前記検出冷
却度合いが所定冷却度合いよりも小さいときは、圧縮機
を作動させて蒸発器での空気冷却度合い高める。これに
よって、空気通路内を流れる空気は蒸発器によってほぼ
所定温度に冷却され、室内に導かれる。
【0022】このように本発明では、推定稼働率が前記
所定稼働率よりも大きいとき、すなわち冷房能力比Q/
Q0 がQ1 以上のときは第1の圧縮機制御手段による制
御(容量制御)を行い、推定稼働率が所定稼働率よりも
小さいとき、すなわち冷房能力比Q/Q0 がQ1 以下の
ときは第2の圧縮機制御手段による制御(オンオフ制
御)を行うようにしているので、圧縮機の動力比を最も
小さくすることができる。
【0023】また、本発明者等の実験の結果、前記所定
稼働率は圧縮機の回転数が高くなる程大きな値となるこ
とが分かった。そこで請求項5記載の発明のように、所
定稼働率決定手段にて、圧縮機回転数が高くなる程、所
定稼働率を大きな値として決定し、推定稼働率判定手段
による判定を、この所定稼働率決定手段にて決定された
所定稼働率に基づいて行うことによって、圧縮機の回転
数によらず常に圧縮機の動力比を最も小さくすることが
できる。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。図
1は本実施例の全体構成図である。本実施例における冷
凍サイクル1は自動車に搭載されるものであり、冷媒を
吸入、圧縮、吐出する圧縮機2と、圧縮機2からの冷媒
を、外部の空気との熱交換によって凝縮させる凝縮器3
と、凝縮器3からの冷媒を気液分離するとともに、冷凍
サイクル1内の余剰冷媒を一時的に蓄える気液分離器4
と、気液分離器4からの液冷媒を減圧する減圧手段5
(具体的には膨張弁)と、減圧手段5からの低圧冷媒
を、空調ダクト8内の空気との熱交換によって蒸発させ
る蒸発器6とが、それぞれ冷媒配管7によって結合され
た周知のものである。
【0025】この蒸発器6は、自動車室内の空気または
外気を自動車室内に導く空調ダクト8内に配設されてい
る。また、この空調ダクト8の空気上流側には、この空
調ダクト8内に空気流を発生する送風手段9が設けられ
ている。この送風手段9は、後述する空調制御装置20
(以下、ECUという。図3参照)によって制御される
送風駆動手段9a(具体的にはブロワモータ)と、この
送風駆動手段9aの駆動によって回転するファン9bと
から構成される。
【0026】また、空調ダクト8内のうち、蒸発器6の
空気直上流側部位には、蒸発器6をを通過する直前の空
気温度を検出する検出手段10(以下、蒸発器前温度セ
ンサという)が設けられ、蒸発器6の空気直下流側部位
には、蒸発器6を通過した直後の空気温度を検出する検
出手段11(以下、蒸発器後温度センサという)が設け
られている。
【0027】また、空調ダクト8内には、図示はしない
が、蒸発器6を通過した冷風を再加熱する加熱手段、こ
の加熱手段における加熱度合いを調節する温度調節手段
等が配設されており、さらに空調ダクト8の空気下流端
には、車室内乗員の上半身に空気を吹き出すフェイス吹
出口、車室内足元に空気を吹き出すフット吹出口、フロ
ントガラス内面に空気を吹き出すデフロスタ吹出口が形
成されている。
【0028】ところで、上記圧縮機2は電磁クラッチ1
2と接続されている。そして圧縮機2は、ECU20
(図3)からの制御信号に基づいて電磁クラッチ12が
通電状態となったときに、自動車エンジン13の動力が
伝達されて冷凍サイクル1の冷媒を圧縮し、逆に電磁ク
ラッチ12が非通電状態となったときに、エンジン13
の動力の伝達が遮断されて冷媒圧縮機能がなくなるよう
に構成されている。
【0029】次に、圧縮機2の内部構造を図2を用いて
簡単に説明する。なお、以下説明する内部構造は、特開
平4−301189号公報に開示されているのて、詳細
な説明は省略する。圧縮機2のハウジング31内には、
エンジン13の回転に伴って回転する回転軸32が設け
られているとともに、この回転軸32とは一緒に回転し
ない状態で斜板33が設けられている。そして、回転軸
32と一緒にシリンダケース34が回転するときには、
ピストン35の一端側に設けられた摺動部材36が斜板
33の面に沿って摺動し、これによってピストン35が
シリンダ室37内で図中左右方向に往復運動する。つま
り、斜板33の傾きに応じて、ピストン35のストロー
ク、すなわち圧縮機2の吐出容量が変化する。
【0030】この斜板33は、その一部位がホルダ38
とピストン39とによって挟持されている。ここでホル
ダ38には、コイルスプリング40の弾性力によって、
斜板33の上記一部位を図中右方向に押す力が作用し、
またピストン39には、制御圧力室41内の制御圧力P
c によって、斜板33の上記一部位を図中左方向に押す
力が作用している。すなわち、斜板33の傾きは、これ
ら弾性力および制御圧力Pc によって決まる。
【0031】ところで上記制御圧力室41内には、蒸発
器6側の低圧圧力Ps が連通通路42、43を介して導
かれ、また圧縮機2自身によって高圧となった高圧圧力
Pdが連通通路42、44を介して導かれるように構成
されている。また、上記連通通路42と43との連通部
分には弁体45が設けられており、この弁体45の位置
が変化して、この連通部分における通路面積が変わるこ
とによって、制御圧力Pc が変化するように構成されて
いる。
【0032】ここで、冷房負荷が大きい場合には、上記
低圧圧力Ps が高くなるので、ダイヤフラム46が図中
下方に押し下がる。すると、ロッド47を介して弁体4
5が図中下方に下がるので、制御圧力室41内の制御圧
力Pc は高くなる。この制御圧力Pc が高くなれば、ピ
ストン39によって斜板33の上記一部位を図中左側に
押す力が大きくなるので、結果的に斜板33の傾きが大
きくなり、圧縮機2の吐出容量が大きくなる。
【0033】反対に、冷房負荷が小さい場合には、低圧
圧力Ps が低くなるので、ダイヤフラム46が図中上方
に押し上がる。すると、ロッド47を介して弁体45が
図中上方に上がるので、制御圧力室41内の制御圧力P
c は低くなる。従って、結果的に斜板33の傾きは小さ
くなり、圧縮機2の吐出容量が小さくなる。このよう
に、本実施例の圧縮機記2は、冷房負荷に応じて吐出容
量が自動的に変わる、いわゆる内部可変容量型圧縮機と
呼ばれるもので、このような内部可変容量型圧縮機を用
いることによって、蒸発器6を通過後の空気温度をほぼ
所定温度(例えば0℃〜1℃)一定となるように制御し
ている。
【0034】次に、本実施例の制御系の構成について図
3を用いて説明する。上記ECU20には、上記蒸発器
前温度センサ10、蒸発器後温度センサ11の他に、圧
縮機2の回転数を検出する回転数センサ51(具体的に
はエンジン13の回転数を検出するセンサ)や、空調制
御に必要な情報を検出するセンサ52(例えば車室内空
気温度センサ、外気温度センサ、日射量センサ等)が接
続されている。またこの他にも、車室内乗員が自分の希
望する温度を設定するための温度設定器53が接続され
てれる。
【0035】またECU20の内部には、図示しないC
PU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピ
ュータが設けられ、上記各センサ10、11、51、5
2からの信号は、ECU20内の図示しない入力回路に
よってA/D変換された後、上記マイクロコンピュータ
へ入力されるように構成されている。なお、ECU20
は、エンジン13の図示しないイグニッションスイッチ
がオンされ、かつオートエアコンスイッチがオンされた
ときに、図示しないバッテリーから電源が供給される。
【0036】次に、本実施例のマイクロコンピュータが
行う制御処理について、図4、5に基づいて説明する。
まず、イグニッションスイッチがオンされてECU20
に電源が供給されると、図4のルーチンが起動される。
そしてステップ110にて、上記各センサ10、11、
51、52の各値をA/D変換した信号を読み込むとと
もに、温度設定器53からの信号を読み込む。
【0037】そして次のステップ120にて、上記ステ
ップ110で読み込んだ信号に基づいて、車室内へ吹き
出す空気の目標吹出温度(以下、TAOという)を算出
する。そして次のステップ130にて、上記ステップ1
20で算出したTAOに対応するブロワ電圧を、ROM
からサーチして決定する。またステップ140では、上
記ステップ130で算出したTAOに対応するその他の
空調目標値(圧縮機2の空調目標値は除く)を、ROM
からサーチして決定する。
【0038】次にステップ150にて、上記ステップ1
30で決定したブロワ電圧を送風駆動手段9aに出力
し、次のステップ160にて、上記ステップ140で決
定した空調目標値を、その他の空調手段(電磁クラッチ
12は除く)に出力する。そして再びステップ110に
戻る。また、上記マイクロコンピュータは、図4のルー
チンの他に図5のルーチンも行う。なお、図5は、マイ
クロコンピュータが行う処理のうちの、圧縮機2の制御
に関する処理を示すフローチャートである。
【0039】具体的には、イグニッションスイッチがオ
ンされてECU20に電源が供給されると、図5のルー
チンが起動される。そしてステップ210にて、蒸発器
前温度センサ10、蒸発器後温度センサ11、および回
転数センサ51の各値をA/D変換した信号(Tef、T
er、Nc )を読み込むとともに、図4のステップ130
で決定したブロワ電圧もここで読み込む。
【0040】そして次のステップ220では、上記数式
2に基づいて上記推定稼働率φaを算出し、次のステッ
プ230では、上記ステップ220で算出したφaが所
定値φ1 よりも小さいか否かを判定する。なお、ここで
いう所定値φ1 は、図2に示す圧縮機2について、図8
に示す実験データを予め作り、この実験データから冷房
能力比Q1 を求め、このQ1 をパーセンテージに修正す
ることで得られる値である。
【0041】そして、このステップ230にてNO、す
なわちφa≧φ1 ならばステップ240にて、圧縮機2
が作動状態となるように電磁クラッチ12を制御する。
すなわちこの場合は、冷房負荷に応じた容量制御が行わ
れる。反対にYESと判定された場合は、ステップ25
0〜330にて、図6に示すヒステリシス特性となるよ
うに、蒸発器後温度センサ11の検出値(Ter)に基づ
いて圧縮機のオンオフ制御を行う。
【0042】具体的には、まずステップ250にてフラ
グBMCがセットされているか否かを判定し、セットさ
れていると判定されたら、今度はステップ260にて、
上記検出値(Ter)が第1所定温度TeLよりも低いか否
かを判定する。ここで低いと判定されたら、圧縮機2を
停止するように電磁クラッチ12を制御し、次のステッ
プ280にてフラグBMCをリセットした後、ステップ
210の処理に戻る。反対に、第1所定温度TeL以上と
判定されたら、ステップ290にてフラグBMCセット
した後、ステップ210の処理に戻る。
【0043】一方、ステップ250にてフラグBMCが
リセットされていると判定されたら、ステップ300に
て、上記検出値(Ter)が、上記第1所定温度TeLより
も高い第2所定温度TeHよりも高いか否かを判定する。
ここで高いと判定されたら、圧縮機2を作動させるよう
に電磁クラッチ12を制御し、次のステップ320にて
フラグBMCセットした後、ステップ210の処理に戻
る。反対に、第2所定温度TeH以下であると判定された
ら、ステップ330にてフラグBMCセットした後、ス
テップ210の処理に戻る。
【0044】以上説明したように本実施例では、ブロワ
電圧、蒸発器前温度センサ10、蒸発器後温度センサ1
1、および圧縮機回転数の各決定値、検出値に基づい
て、圧縮機2の推定稼働率φaを求め、このφaが上記
所定値φ1 以下のときにはオンオフ制御、φ1 以上のと
きには容量制御を行うようにしたので、図8からも分か
るように、圧縮機2の動力比L/L0 が最も小さくなる
ように圧縮機2の制御を行うことができる。従って、エ
ンジン13の省燃費に極めて有効となる。
【0045】(変形例)図7に示すように、容量制御を
行ったときの冷房能力比Q/Q0 と圧縮機動力比L/L
0 との関係は、そのときの圧縮機回転数によって異な
る。従って、例えば上記ステップ230の前のどこか
に、圧縮機回転数に基づいて所定値φ1 を決定するステ
ップ(請求項5記載の発明の所定稼働率決定手段)を設
け、このステップで決定したφ1 に基づいてステップ2
30の判定を行うようにしても良い。この場合、図7か
らも分かるように、圧縮機回転数が高い程、φ1 を大き
な値として決定すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例の全体構成図である。
【図2】上記実施例の圧縮機2の内部構造を示す一部断
面図である。
【図3】上記実施例の制御系の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】上記実施例のマイクロコンピュータが行う制御
処理を示すフローチャートである。
【図5】上記マイクロコンピュータが行う制御処理を示
すフローチャートである。
【図6】上記実施例の蒸発器後空気温度と目標圧縮機状
態との関係を示す特性図である。
【図7】圧縮機の容量制御とオンオフ制御についての、
冷房能力比と圧縮機動力比との関係を示す実験データで
ある。
【図8】圧縮機の容量制御とオンオフ制御についての、
冷房能力比と圧縮機動力比との関係を示す実験データで
ある。
【図9】実際の圧縮機稼働率φと冷房能力比との関係を
示す実験データである。
【図10】推定稼働率φaと実際の稼働率φとの関係を
示す実験データである。
【図11】(a)は、図10の丸印のデータをとったと
きの蒸発器後空気温度と目標圧縮機状態との関係を示す
特性図であり、(b)は、図10の三角印のデータを取
ったときの蒸発器後空気温度と目標圧縮機状態との関係
を示す特性図である。
【符号の説明】
1…冷凍サイクル、2…圧縮機、3…凝縮器、5…膨張
弁(減圧手段)、6…蒸発器、8…空調ダクト(空気通
路)、9…送風手段、11…蒸発器後温度センサ(冷却
度合い検出手段)、12…電磁クラッチ(切換手段)、
51…回転数センサ(回転数検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前山 守 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−90815(JP,A) 特開 昭58−96952(JP,A) 特開 昭59−211784(JP,A) 特開 平2−237815(JP,A) 特開 昭59−74384(JP,A) 特開 平3−25022(JP,A) 特開 平2−60818(JP,A) 実開 昭59−120618(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/32 623 B60H 1/32 622 B60H 1/32 624 F25B 1/00 341 F25B 1/00 361

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機、こ
    の圧縮機が吐出した冷媒を凝縮させる凝縮器、この凝縮
    器からの冷媒を減圧する減圧手段、およびこの減圧手段
    からの冷媒を蒸発させる蒸発器をそれぞれ備える冷凍サ
    イクルと、 空気流を発生する送風手段と、 この送風手段によって発生した空気を室内に導くととも
    に、前記蒸発器が内部に設けられた空気通路と、 前記蒸発器が前記空気通路内の空気を冷却する度合いを
    検出する冷却度合い検出手段とを備えた空調装置におい
    て、 前記圧縮機は、冷房負荷に応じて容量が変化する内部可
    変容量型圧縮機として構成されるとともに、この圧縮機
    には、この圧縮機の作動、停止を切り換える切換手段が
    接続され、 前記圧縮機の推定稼働率を算出する推定稼働率算出手段
    と、 この推定稼働率算出手段によって算出された推定稼働率
    が所定稼働率よりも大きいか小さいかを判定する推定稼
    働率判定手段と、 この推定稼働率判定手段によって、前記推定稼働率が前
    記所定稼働率よりも大きいと判定されたときに、前記圧
    縮機を作動させるように前記切換手段を制御する第1の
    圧縮機制御手段と、 前記推定稼働率判定手段によって、前記推定稼働率が前
    記所定稼働率よりも小さいと判定されたときに、前記冷
    却度合い検出手段が検出した冷却度合いに応じて、前記
    圧縮機を作動または停止させるように前記切換手段を制
    御する第2の圧縮機制御手段とを備えることを特徴とす
    る空調装置。
  2. 【請求項2】 前記空気通路内の空気のうち、前記蒸発
    器を通過する空気の熱負荷を検出する空気側負荷検出手
    段と、 前記蒸発器内を流れる冷媒の冷房能力を検出する冷媒側
    能力検出手段とを備え、 前記推定稼働率算出手段は、 前記推定稼働率を、前記冷媒側能力検出手段が検出した
    能力に対する、前記空気側負荷検出手段が検出した負荷
    の比として算出するように構成されたことを特徴とする
    請求項1記載の空調装置。
  3. 【請求項3】 前記空気側負荷検出手段は、 前記蒸発器を通過する風量と、前記蒸発器の前後におけ
    る空気の温度差との積に基づいて、前記蒸発器を通過す
    る空気の熱負荷を検出するように構成されたことを特徴
    とする請求項2記載の空調装置。
  4. 【請求項4】 前記冷媒側能力検出手段は、 前記圧縮機の回転数に基づいて、前記蒸発器内を流れる
    冷媒の冷房能力を検出するように構成されたことを特徴
    とする請求項2または3記載の空調装置。
  5. 【請求項5】 前記圧縮機の回転数を検出する回転数検
    出手段と、 この回転数検出手段によって検出された圧縮機回転数が
    高くなる程、前記所定稼働率を大きな値として決定する
    所定稼働率決定手段とを備え、 前記推定稼働率判定手段は、前記推定稼働率算出手段に
    よって算出された推定稼働率が、前記所定稼働率決定手
    段によって決定された所定稼働率よりも大きいか小さい
    かを判定するように構成されたことを特徴とする請求項
    1ないし4いずれか1つ記載の空調装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の圧縮機制御手段は、 前記冷却度合い検出手段が検出した冷却度合いが所定冷
    却度合いよりも大きいときに、前記圧縮機を停止させる
    ように前記切換手段を制御するとともに、前記検出冷却
    度合いが前記所定冷却度合いよりも小さいときに、前記
    圧縮機を作動させるように前記切換手段を制御するよう
    に構成されたことを特徴とする請求項1ないし5いずれ
    か1つ記載の空調装置。
JP11303495A 1995-05-11 1995-05-11 空調装置 Expired - Fee Related JP3368718B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11303495A JP3368718B2 (ja) 1995-05-11 1995-05-11 空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11303495A JP3368718B2 (ja) 1995-05-11 1995-05-11 空調装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08300938A JPH08300938A (ja) 1996-11-19
JP3368718B2 true JP3368718B2 (ja) 2003-01-20

Family

ID=14601809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11303495A Expired - Fee Related JP3368718B2 (ja) 1995-05-11 1995-05-11 空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3368718B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08300938A (ja) 1996-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4511393B2 (ja) 車両用空調装置
US7096680B2 (en) Vehicle air conditioner with discharge capacity control of compressor
JP4447277B2 (ja) 車両用空調装置
US7836716B2 (en) Refrigerant cycle device and control system for vehicle
JP4682904B2 (ja) 圧縮機駆動トルク推定装置および圧縮機駆動源制御装置。
US7370487B2 (en) Refrigerating cycle device capable of ensuring oil return
JP4360423B2 (ja) 圧縮機のトルク推定装置
JP4013318B2 (ja) 車両用冷凍サイクル装置
US7891204B2 (en) Refrigeration cycle device for vehicle
US8434315B2 (en) Compressor driving torque estimating apparatus
US20070084596A1 (en) Vehicle air conditioner with variable displacement compressor
JPH08332837A (ja) 空調装置
US6823687B2 (en) Vehicle air conditioner with variable displacement compressor
JP4626470B2 (ja) 車両用空調装置
JP3063575B2 (ja) 冷凍サイクル制御装置
JP3991536B2 (ja) 車両用空調装置
JP3368718B2 (ja) 空調装置
JP4525515B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2006001505A (ja) 車両用空調装置
JP2003211953A (ja) 車両用空調装置
JP4941363B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2000335232A (ja) 車両用冷凍サイクル装置
JP4470541B2 (ja) コンプレッサの制御装置
JP2002371882A (ja) 車両エンジン制御装置
JPH10185372A (ja) 冷媒不足検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091115

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101115

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111115

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees