JP3367625B2 - 音像定位制御装置 - Google Patents

音像定位制御装置

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JP3367625B2
JP3367625B2 JP3137795A JP3137795A JP3367625B2 JP 3367625 B2 JP3367625 B2 JP 3367625B2 JP 3137795 A JP3137795 A JP 3137795A JP 3137795 A JP3137795 A JP 3137795A JP 3367625 B2 JP3367625 B2 JP 3367625B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、実際のトランスジュー
サ(スピーカ)の設置位置とは異なる所望の任意の位置
に音像が定位しているように感じさせる音像定位制御装
置に係り、特に、アミューズメントゲーム機やコンピュ
ータ端末機などにも搭載可能な、音像定位感に優れ、か
つ、回路規模を小さくできる音像定位制御装置に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、両耳における信号のレベル差
と位相差(時間差)によって特定な位置(方向)に音源
を感じさせる音像定位装置がある。例えば、特開平2−
298200号公報記載の「音像形成方法及びその装
置」であり、2つのスピーカから放出される左右の両チ
ャンネル信号に周波数に依存したレベル差と位相差を与
えて、音像の定位を制御するものである。また、本出願
人は特願平4−343459号および特願平4−356
358号を提案した。これはHRTF(頭部伝達関数)
による実測に基づき特性を定めて音像の定位を行わせる
ようにしたものである。 【0003】いずれもデジタル的に振幅周波数特性や位
相周波数特性を信号処理により加工して音像定位させて
いる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、音像の
定位位置が意図した位置に分散し(音像がぼけ)たり、
意図した位置からずれるという問題があった。そこで本
出願人はHRTFによる心理的要素を盛り込んで音像の
定位を改善すべく特願平5−34946号を提案した。
これは帯域ごとの修正処理を用いて音像の定位を改善し
たものである。本発明は、こうした音像の定位の位置ず
れの改善を踏まえ、さらに、雑音が多い外部環境あるい
は両耳間の距離の相違による個人差等によっても、常
に、音像の定位を最適に得ることができる音像定位制御
装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は下記する構成になる音像定位制御装置を提
供する。 【0006】 【0007】音源(X)から出力する信号を畳込演算し
た音声信号を一対のトランスジューサ(スピーカsp
1,sp2)から再生して、前記一対のトランスジュー
サ(スピーカsp1,sp2)の配置とは異なる位置に
音像が定位するように音像定位を行う音像定位制御装置
1であって、同一音源(X)から出力する信号が供給さ
れる一対の畳込演算処理回路(コンボルバ)2と、前記
一対のトランスジューサ(スピーカsp1,sp2)の
配置とは異なる位置に音像を定位するための音像定位位
置係数(一対のコンボルバの係数データ(cfLx,c
fRx))を前記畳込演算処理回路(コンボルバ)2に
供給する係数メモリ3と、聴取位置(聴取者Mの位置)
において定位している音像を周期的に角度位置変更する
(例えば、3秒間〜5秒間ごとに±10度、音像を振ら
せる)ことにより定位している音像の認識を確実化する
ことを特徴とする音像定位制御装置。 【0008】 【0009】 【実施例】本発明になる音像定位制御装置について、以
下図面と共に説明する。図1は本発明になる音像定位制
御装置の一実施例構成図、図2は音像定位認識のずれを
補正するマッピングを説明する図、図3は音像定位点の
振れ方を説明する図、図4は一般の音像定位装置の構成
図、図5は音像定位制御の基本原理を示す構成図、図6
はHRTF(頭部伝達関数)の測定システムを示す構成
図、図7はHRTF測定のポイントを説明する図、図8
はキャンセルフィルタの算出例を説明する図、図9はH
RTFのIR(インパルス応答)の具体的な例を示す
図、図10はキャンセルフィルタの係数の具体的な例を
示す図である。 【0010】最初に、音像定位制御の基本原理について
説明する。これは、離間して配設された一対のトランス
ジューサ(以下、スピーカを例として説明する)を使用
し、空間の任意の位置に音像を定位させる技術である。 【0011】音像定位制御の基本原理を示す構成図であ
る図5において、sp1,sp2は受聴者(即ち、聴取
者M)の前方左右に配置されるスピーカであり、sp1
から受聴者左耳までの頭部伝達特性(インパルス応答)
をh1L、右耳までの頭部伝達特性をh1R、sp2か
ら左右耳までの頭部伝達特性をh2L,h2Rとする。
また、目的とする定位位置xに実際のスピーカを配置し
たときの受聴者左右耳までの頭部伝達特性をpLx,p
Rxとする。ここで各伝達特性は音響空間にスピーカ
と、ダミーヘッド(または人頭)の両耳位置にマイクを
配置して実際に測定したものに、適切な波形処理などを
施したものである。 【0012】次に、定位させたい音源ソースXを信号変
換装置cfLx,cfRx(コンボルバなどによる伝達
特性)に通して得られる信号を、それぞれsp1,sp
2で再生することを考える。このとき受聴者左右耳に得
られる信号をeL,eRとすると、 eL=h1L・cfLx・X+h2L・cfRx・X eR=h1R・cfLx・X+h2R・cfRx・X ここで、両式を合わせて、(式1)とする。 【0013】一方、ソースXを目的の定位位置から再生
したときに受聴者左右耳に得られる信号をdL,dRと
すると、 dL=pLx・X dR=pRx・X ここで、両式を合わせて、(式2)とする。 【0014】ここで、sp1,sp2の再生により受聴
者左右耳に得られる信号が、目的位置からソースを再生
したときの信号に一致すれば、受聴者はあたかも目的位
置にスピーカが存在するように音像を認識することとな
る。この条件eL=dL,eR=dRと(式1),(式
2)より、Xを消去して h1L・cfLx+h2L・cfRx=pLx h1R・cfRx+h2R・cfRx=pRx ここで、両式を合わせて、(式3)とする。(式3)か
らcfLx,cfRxを求めると cfLx=(h2R・pLx−h2L・pRx)/H cfRx=(−h1R・pLx+h1L・pRx)/H ここで、両式を合わせて、(式4a)とする。 ただし、 H=h1L・h2R−h2L・h1R ………(式4b) 【0015】したがって、(式4a),(式4b)によ
り算出した伝達特性cfLx,cfRxを用いてコンボ
ルバ(畳込演算処理回路)等により定位させたい信号を
処理すれば、目的の位置xに音像を定位させることがで
きる。具体的な信号変換装置の実現方法は様々考えられ
るが、非対称なFIRデジタルフィルタ(コンボルバ)
を用いて実現すれば良い。なお、FIRデジタルフィル
タで用いる場合の最終の伝達特性は、時間応答関数であ
る。 【0016】つまり、必要な定位位置xにおける伝達特
性cfLx,cfRxとして、(式4a),(式4b)
で求めたものを、1回のFIRフィルタ処理により実現
するための係数として、cfLx,cfRxの係数をあ
らかじめ作成し、ROMのデータとして準備しておく。
ROMから必要な音像定位置の係数をFIRデジタルフ
ィルタに転送し、音源からの信号を畳み込み演算処理し
て一対のスピーカから再生すれば、所望の任意の位置に
音像が定位されることになる。 【0017】以上のような原理に基づく本音像定位制御
について、〜の順に説明する。 【0018】頭部伝達関数(Head Related Transfer
Function;以下、HRTFと称する)の測定 【0019】図6に示すように、ダミーヘッド(または
人頭)DMの両耳に一対マイクロホンML,MRを設置
し、スピーカSPからの測定音を受け、録音器DATに
ソース音(リファレンスデータ)refL,refRと
被測定音(測定データ)L,Rを同期して記録する。 【0020】ソース音XHとしては、インパルス音,ホ
ワイトノイズ,その他のノイズ等を用いることができ
る。特に、統計処理の観点からは、ホワイトノイズは、
連続音でかつオーディオ帯域にわたってエネルギー分布
が一定なので、ホワイトノイズを用いることによりSN
比が向上する。上記スピーカSPの位置を、正面を0度
として取決めた空間内の複数の角度θ(例えば、図7に
示すように、30度ごとに12ポイント)に設置し、そ
れぞれ所定の時間だけ、連続的に記録する。 【0021】HRTFのインパルス応答(Impulse Re
sponse;以下、IRと称する)の算出 前記したHRTFの測定で、同期して記録されたソー
ス音(リファレンスデータ)refL,refRと被測
定音(測定データ)L,Rとを、ワークステーション
(図示せず)上で処理する。 【0022】ソース音(リファレンスデータ)の周波数
応答をX(S)、被測定音(測定データ)の周波数応答
をY(S)、測定位置におけるHRTFの周波数応答を
IR(S)とすると、下記する(式5)に示す、入出力
の関係がある。 Y(S)=IR(S)・X(S) ………(式5) したがって、HRTFの周波数応答をIR(S)は、 IR(S)=Y(S)/X(S) ………(式6) である。よって、リファレンスの周波数応答X(S)、
測定データの周波数応答Y(S)は、前記ステップ10
1で求めたデータを時間同期した窓で切り出し、それぞ
れFFT変換により有限のフーリエ級数展開して離散周
波数として計算し、(式6)より、HRTFの周波数応
答IR(S)が、周知の計算方法で求められる。 【0023】この場合、IR(S)の精度をあげる(S
N比の向上)ために時間的に異なる数百個の窓に対して
それぞれIR(S)を計算し、それらを平均化すると良
い。そして、計算したHRTFの周波数応答IR(S)
を逆FFT変換して、HRTFの時間軸応答(インパル
ス応答)IR(第1のIR)とする。 【0024】IR(インパルス応答)の整形処理 ここで、前記したHRTFのインパルス応答で求めた
IRを整形する。まず例えばFFT変換により、前記し
た第1のIRをオーディオスペクトラムにわたる離散周
波数で展開し、不要な帯域(高域には大きなディップが
生じるが、これは音像定位にあまり影響しない不要なも
のである)を、BPF(バンドパスフィルタ)で除去す
る。このように帯域制限すると、周波数軸上での不要な
ピークやディップが除去されて、キャンセルフィルタに
不要な係数が生じなくなるので、収束性がよくなり、係
数を短くすることができる。 【0025】そして、帯域制限されたIR(S)を逆F
FT変換して、IR(インパルス応答)を時間軸上で切
り出し窓(例えば、コサイン関数の窓)を掛けて、ウィ
ンド処理する(第2のIRとなる)。ウィンド処理する
ことにより、IRの有効長が長くなくなり、キャンセル
フィルタの収束性が向上して、音質の劣化が生じないよ
うになる。図9にHRTFのIR(インパルス応答)の
具体的な例を示す。横軸は時間(サンプルクロックが 4
8kHzであるクロック単位の時間)、縦軸は振幅のレベル
である。2点鎖線はウィンド窓を示す。 【0026】キャンセルフィルタcfLx、cfRx
の算出 コンボルバ(畳込演算処理回路)であるキャンセルフィ
ルタcfLx、cfRxは、前述した(式4a)及び
(式4b)に示した値となる。 【0027】ここで、配置されるスピーカsp1,sp
2による頭部伝達特性h1L,h1R,h2L,h2R
及び、目的とする定位位置xに実際のスピーカを配置し
たときの頭部伝達特性pLx,pRxとして、上記した
〜によって求められた、各角度θごとの整形処理さ
れた第2のIR(インパルス応答)を代入する。 【0028】頭部伝達特性h1L,h1Rは、図8のL
チャンネルスピーカの位置に対応するもので、正面から
左に例えば30度(θ=330度)に設置されるとすれ
ば、θ=330度のIRを用いる。頭部伝達特性h2
R,h2Lは、同図のRチャンネルスピーカの位置に対
応するもので、正面から右に例えば30度(θ=30
度)に設置されるとすれば、θ=30度のIRを用いる
(すなわち、実際の音像再生時のシステム(例えば図4
に示す)に近いものを選ぶ)。 【0029】そして、頭部伝達特性pLx、pRxとし
ては、目的とする音源定位位置である正面から左右90
度の180度の範囲はもちろんのこと、それを越える広
範囲な空間(全空間)における、30度ごとのIRを代
入することにより、それに対応した全空間のcfLx、
cfRx、すなわち30度ごとに12組のキャンセルフ
ィルタcfLx、cfRx群が求められる(図8では、
240度の位置を例としている)。キャンセルフィルタ
cfLx、cfRx群は、最終的には、時間軸上の応答
であるIR(インパルス応答)として求められる。 【0030】なお、(式4a)によるキャンセルフィル
タcfLx、cfRxの計算は、次のようである。まず
(式4b)のHに対する一種の逆フィルタであるH-1
最小2乗法により求め、これを逆FFT変換して時間関
数h(t) とする。また(式4a)の各項h1L,h1
R,h2L,pRx,pLx,h2Rをそれぞれ時間関
数で表すことにより、次式が成り立つ。 cfLx(t) =(h2R・pLx−h2L・pRx)・
h(t) cfRx(t) =(−h1R・pLx+h1L・pRx)
・h(t) ここで、両式を合わせて、(式7)とする。 【0031】したがって、これらの(式7)からキャン
セルフィルタcfLx、cfRxの係数が求められるこ
とになる。(式7)から明らかなように、キャンセルフ
ィルタcfLx、cfRxの係数を短くするには、各頭
部伝達特性h1L,h1R,h2L,pRx,pLx,
h2Rをそれぞれ短くすることが極めて大切である。こ
のため、前述したように、〜でウィンド処理,整形
処理などの各種の処理をして、各頭部伝達特性h1L,
h1R,h2L,pRx,pLx,h2Rを短くしてい
る。 【0032】図10にキャンセルフィルタの係数cfL
x、cfRxの具体的な係数列を示す。横軸は時間(サ
ンプルクロックが 48kHzであるクロック単位の時間)、
縦軸は振幅のレベルである。2点鎖線はウィンド窓を示
す。なお、キャンセルフィルタの係数cfLx、cfR
xをFFT変換して周波数応答を求めこれを一定の幅で
移動平均化し、それを逆FFT変換して最終的なキャン
セルフィルタの時間応答を得てもよい。このように移動
平均化することにより、不必要なピークやディップを取
り除くことができ、実現すべき時間応答の収束を早め
て、キャンセルフィルタの規模を小さくできる。 【0033】各定位ポイントxのキャンセルフィルタ
のスケーリング また、実際にコンボルバ(キャンセルフィルタ)で音像
処理される音源(ソース音)のスペクトラム分布は、統
計的にみるとピンクノイズのように分布するもの、ある
いは高域でなだらかに下がるものなどがあり、いずれに
しても音源は単一音とは異なるために、畳み込み演算
(積分)を行ったときオーバーフローして、歪が発生す
る危険がある。そこで、オーバーフローを防止するた
め、キャンセルフィルタcfLx、cfRxの係数の中
で最大のゲイン(例えば、キャンセルフィルタcfL
x、cfRxの各サンプル値の2乗和)のものを見つ
け、その係数と0dbのホワイトノイズを畳込んだとき
に、オーバーフローが生じないように、全係数をスケー
リングする。実際的には、絶対値の最大値が、許容レベ
ル(振幅)1に対して0.1〜0.4位(例えば0.
2)となるように減衰させると良い。 【0034】そして、図10に示したウィンド窓(コサ
イン窓)により、実際のコンボルバの係数の数にあわせ
て、両端が0となるように、ウィンド処理し、係数の有
効長を短くする。このようにしてスケーリング処理され
て、最終的にコンボルバに係数として供給されるデータ
群(この例では、30度ごとに音像定位が可能な12組
のコンボルバの係数群)cfLx、cfRxが求まる。 【0035】音源からの信号を畳み込み演算して再生 例えば、ゲーム機の音響再生装置として、図4に示すよ
うに、ゲーム操作者(聴取者)Mを中心として左右30
度づづ離間して一対のスピーカsp1,sp2を配設
し、これら一対のスピーカsp1,sp2には、一対の
コンボルバ(畳込演算処理回路)で処理された音響信号
が再生されるように構成する。一対のコンボルバには、
同一の音源X(例えば、ゲーム用シンセサイザからの飛
行音など)からの信号が供給されると共に、前記ステッ
プ105で作成されたIRの係数cfLx、cfRx
(例えば、飛行音を左後方120度(θ=240度)の
位置に音像定位させたい時は、θ=240度の係数)
が、選択されてコンボルバに設定される。例えば、ゲー
ム機などのメインCPU(中央演算装置)からの音像定
位命令にもとづいてコントロール用サブCPUが係数R
OMから、所望の定位位置の係数を一対のコンボルバに
転送する。 【0036】このようにして、一対のコンボルバにより
音源Xからの信号は時間軸上で畳み込み演算処理がなさ
れて、離間して配設された一対のスピーカsp1,sp
2から再生される。一対のスピーカsp1,sp2から
再生された音は、スピーカsp1,sp2から両耳への
HRTFがキャンセルされ、所望の任意の位置から両耳
へのHRTFが再現されることにより、所望の位置に音
源があるように音像定位して、聴取者Mに聞かれ、極め
て現実感に満ちた音として再生される。コンボルバの係
数は、聴取者Mの操作に応じた飛行機の動きの推移と共
に、最適な音像位置が順次選択され、切換えられる。ま
た、飛行音から、例えばミサイル音に変更する時は、音
源Xからのソース音が飛行音からミサイル音に変更され
る。このようにして、任意の位置を音像を自由に定位さ
せることができる。 【0037】なお、再生のためのトランスジューサとし
てはー対のスピーカsp1,sp2のかわりにヘッドホ
ーンを用いることもできる。この場合は、HRTFの測
定条件が異なるので、係数を別に準備して再生状況に応
じて切換えると良い。 【0038】また、IR(インパルス応答)の整形処
理は必ずしも必要ではなく、省略しても音像定位の制御
は可能である。 【0039】また、本音像定位制御における、離間して
配設された一対のトランスジューサから同一の音源が供
給された一対のコンボルバで処理した信号を再生する構
成は、本願の効果を得るための最小限の構成を示すもの
である。よって、必要に応じては、一対、すなわち、2
つ以上のトランスジューサ及びコンボルバで追加構成し
ても良いことはもちろんであり、さらに、コンボルバの
係数が長い場合には、係数を分割して複数個のコンボル
バで構成しても良い。 【0040】さらに、上記コンボルバの係数は、スピー
カの開き角(すなわち、図4で角度sp1−M−sp
2)により異なるので、スピーカの開き角毎に求めてお
き、実際の再生システムに応じて選択的に使用できるよ
うにしてもよい。すなわち、上記したものでは、ゲーム
操作者(聴取者)を中心として左右30度ずつ離間して
開き角を60度として一対のスピーカsp1,sp2を
配設される場合のコンボルバの係数を求めたが、上記し
たのキャンセルフィルタの算出時に、スピーカsp
1,sp2による頭部伝達特性h1L,h1R,h2
L,h2Rとして、他の開き角、例えば45度,30度
に対応したものを代入して求めておけば良い。 【0041】また、コンボルバの係数は、HRTFの測
定条件により異なるので、この点について配慮しても良
い。すなわち、人頭の大きさには個人差があるので、H
RTF測定時に、ダミーヘッド(または人頭)の大きさ
を変えて、数種類求めておき、視聴者に応じて(例え
ば、頭の大きい大人用と、頭の小さい子供用とを)選択
的に使用できるようにしても良い。 【0042】さらに、実測していない位置、例えばθ=
15度ごとに、より緻密に音像定位をさせたい場合に
は、実測した係数cfLx、cfRxをもとにして、上
記したまたはで、中間値を計算で求めても良い。こ
の時、2つの実測値(例えばθ=15度における中間値
を求めるには、θ=0度とθ=30度の測定値)を単純
に算術平均するのではなく、実測にもとずくコンボルバ
の係数cfLx、cfRxをFFT変換して周波数応答
を求めてから、周波数−振幅特性を参照伝達特性の振幅
特性の相乗平均として求め、周波数−位相特性は参照伝
達特性の周波数複素ベクトルのベクトル平均の位相成分
として求めると良い。このようにして中間値を求める
と、実測値に良く近似した中間伝達特性が得られ、定位
感や音質の劣化がほとんどない。 【0043】また、上記したにおけるHRTFの測定
に際して、θ=0度〜180度までの半円部のみを実測
し、残りの半円部については、係数の対称性を利用し
て、実測値を流用しても良い。このようにすると、測定
が容易になると共に、IRの算出,係数の算出の計算が
不必要に細かくならず、音像定位感に優れた係数が得ら
れる場合がある。 【0044】以上詳述したように、上述した音像定位制
御技術によれば、一対のコンボルバにより音源からの信
号を時間軸上で処理して音像を定位させるようにしたの
で、実際に音像処理をする回路としては、上述したに
示すように時間軸上でのコンボルバが一組必要となるだ
けであり、回路規模が非常に小さく安価なものとなる。 【0045】また、前記コンボルバの音像定位処理の係
数データを、最終的には時間軸上のIR(インパルス応
答)のデータとして供給するようにしたので、より回路
規模を小さくするためには、コンボルバの係数の数を少
なくすれば良いこととなる。 【0046】さらに、コンボルバにIR(インパルス応
答)のデータを係数として供給して処理するようにした
ので、IRとしての係数を時間領域での最適解を簡単に
しかも適応的でなく一義的に求めることができ、さらに
時間軸応答波形の遅延時間を明確に規定できるので複数
点の応答波形の相互の時間関係を正確に制御できる。ま
た、コンボルバの係数を実測に基づいて周波数毎の位相
及び振幅について正確に実施でき、180度の範囲を越
える広範囲な空間に音像を定位させることが可能となっ
た。 【0047】また、上記したによるIRの整形処理、
すなわち、測定したHRTFに対応する第1のIRを求
め、第1のIRからオーディオスペクトラムにわたる離
散周波数帯域にて所定の処理(帯域制限)を行って、再
び時間軸上で切り出し窓(例えば、コサイン関数の窓)
を掛けてウィンド処理し、長さを所定の値に収束させた
第2のIRを求め、この第2のIRから一対のキャンセ
ルフィルタの係数を求めるようにすれば、前述したよう
に、キャンセルフィルタの算出処理における演算の精度
が向上する。 【0048】また、上記したにおいて、ホワイトノイ
ズを用いて各音像定位におけるHRTFを測定するよう
にすれば、ホワイトノイズを用いることによりSN比が
向上し、精度良くHRTF(それにもとづくIR,係
数)を求めることができる。また、上記したにおい
て、各HRTFに対応して求めた複数のIRを平均化し
て、すなわち、前述したように、時間的に異なる数百個
の窓に対してそれぞれIR(S)を計算しそれらを平均
化すれば、SN比が向上して精度が向上する。 【0049】また、上記したにより、係数の大きさの
最大値を最大レベルの 0.1〜 0.4であるようにスケーリ
ング処理して減衰させれば、オーバーフローして、再生
音に歪が発生することもない。 【0050】さて、前述した音像定位制御技術は、一対
のスピーカsp1,sp2の配置とは異なる位置に音像
を定位するために、一対のコンボルバの係数データ(c
fLx,cfRx)を一対のコンボルバ2に供給するこ
とによって、聴取者Mを中心とする360度の水平角度
制御と、聴取者Mからの距離制御を行うことができるこ
とまでであり、聴取者Mの真横から真上にまで亘る仰角
制御は盛り込まれていない。 【0051】このため、本発明者はこの音像定位制御技
術に仰角制御を盛り込むべく検討を行った。この結果、
水平角度及び距離制御に関するコンボルバの係数データ
(cfLx,cfRx)に画一な仰角制御に関するデー
タを盛り込むだけでは、聴取者Mにより、再生する音源
(ソース)により、仰角方向の音像定位の実現確率、定
位の精度にばらつきが大きいこと、また、水平面に関し
ても、聴取者Mの後方面において音像が静止していると
きに音像の前後反転が起こりやすいことを留意した。 【0052】つまり、音像定位制御における仰角方向の
音像定位制御を最適に行うためには、聴取者Mごとに、
再生するソースごとに、きめ細かな音像定位の補正が必
要なことである。 【0053】そこで、後述するマッピングに基づく補正
データを用いることにより、後方定位、垂直面定位の改
善をすることができ、聴取者Mごと、再生するソースご
とに、最適な音像定位を行うことができる。 【0054】(1)聴覚の定位認識のずれを補正する定
位フィルタのマッピング 本発明者は実音による空間音像定位実験を行った。この
結果、聴取者Mが音像を認識する位置は必ずしも提示し
た位置とは一致しないこと、その呈示位置と定位認識位
置とのずれは、聴取者Mによらず提示位置により、以下
の(a),(b)に示すことがほぼ同一傾向となること
が確認された。 【0055】(a)水平角の偏差は全体に聴取者Mの前
方に生じやすく、聴取者Mの真横から斜め後方で特にこ
の傾向が強いことである。即ち、図2(A)に示すよう
に、聴取者Mを中心として、聴取者Mから一定距離離間
した水平位置にマッピングした呈示位置a(聴取者Mの
真正面),b,c,d(聴取者Mの真後ろ)を設定す
る。この後、聴取者Mが実際に音像を認識する定位認識
位置をマッピングする。この結果、呈示位置a,dに対
しては定位認識位置とのずれは発生しない。一方、呈示
位置cに対しては定位認識位置とのずれが発生する。呈
示位置cに対してはあたかも呈示位置bのものであるか
のような定位認識位置ずれが発生する。特に、聴取者M
の真横から後方に亘り呈示位置と定位認識位置とのずれ
が発生する。 【0056】こうした呈示位置と定位認識位置とのずれ
を積極的に利用して、この例において、一例を示せば、
呈示位置bに音像を定位させる場合には、呈示位置cに
対応する一対のコンボルバの係数データ(cfLx,c
fRx)を補正し設定しておきさえすれば、定位認識位
置を最適に得ることができる。 【0057】(b)仰角の偏差は、全体に聴取者Mの上
方に生じやすく、特に聴取者Mの真後ろ周辺でこの傾向
が強いことである。即ち、図2(B)に示すように、聴
取者Mを中心として、聴取者Mの真後ろから頭頂に向か
い一定距離離間した仰角位置にマッピングした呈示位置
e(聴取者Mの真後ろ),f,g,h(聴取者Mの頭
頂)を設定する。この後、聴取者Mが実際に音像を認識
する定位認識位置をマッピングする。この結果、呈示位
置e,hに対しては定位認識位置とのずれは発生しな
い。一方、呈示位置fに対しては定位認識位置とのずれ
が発生する。呈示位置fに対してはあたかも呈示位置g
のものであるかのような定位認識位置ずれが発生する。
特に、真後ろ、頭頂を除く聴取者Mの後方上部に呈示位
置と定位認識位置とのずれが発生する。 【0058】こうした呈示位置と定位認識位置とのずれ
を積極的に利用して、この例において、一例を示せば、
呈示位置gに音像を定位させる場合には、呈示位置fに
対応する一対のコンボルバの係数データ(cfLx,c
fRx)を補正し設定しておきさえすれば、定位認識位
置を最適に得ることができる。 【0059】ところで、聴取者Mによって程度の差はあ
るが、音像定位を行った音は、動きの中では定位しやす
いが、後方面において音像が静止しているときに音像の
前後反転が起こりやすいことがある。音像を静止させて
おく場合、その定位点を小刻みに揺らすことにより定位
を明確にすることが可能であるかを、実験により検討し
た。 【0060】この結果、振り幅に関しては、振る周期が
短い場合に再生ソースの震えが感じられた。即ち、図3
(A)に示すように、角度+θ〜角度−θ範囲内におい
て、1秒間間隔で定位点を連続して小刻みに揺らした
(角度−θ→0→+θ→−θ1秒間休止−θ→0→+θ
→−θ…)。因みに、角度+θは定位点の右斜め前の所
要角度、角度−θは定位点の左斜め後ろの所要角度であ
る。 【0061】また、振る周期が長い場合には定位の動き
そのものが感じられた。即ち、図3(B)に示すよう
に、角度+θ〜角度−θ範囲内において、+θ(1秒
間)→0(2秒間)→−θ(1秒間)→0(2秒間)→
…で定位点を長い周期で揺らした。 【0062】さて、上述したマッピングに基づく補正デ
ータを用いることにより、後方定位、垂直面定位の改善
をするための音像定位制御装置は、図1に示すように、
音源(X)から出力する音声信号を畳込演算した音声信
号をスピーカsp1,sp2から再生して、スピーカs
p1,sp2の配置とは異なる位置に音像が定位するよ
うに音像定位を行う装置1であり、音源(X)から出力
する信号が供給される一対のコンボルバ2と、スピーカ
sp1,sp2の配置とは異なる位置に音像を定位する
ための係数データcfLx,cfRxをコンボルバ2に
供給する係数メモリ3と、聴取位置(聴取者(例えば、
ゲーム操作者)Mの位置)の後方に音像定位した係数デ
ータcfLx,cfRxにより定位した音像を補正する
変換テーブル4とを備えている。前述したものと同一構
成部分には同一符号を付しその説明を省略する。 【0063】これにより、聴取位置(聴取者Mの位置)
において最適な音像定位が得られない場合は、聴取者M
は図示せぬ入力装置によって最適な音像定位が得られな
い位置に応じた信号を指定し入力する。この入力状態を
メインCPUが認識すると、コントロール用サブCPU
に対して、係数メモリ3からコンボルバ2に供給されて
いる上記位置に対応する係数データcfLx,cfRx
に代えて、上記位置に対応する係数データcfLx,c
fRx(補正データ)を変換テーブル4から係数メモリ
3へ切り換え出力する旨の制御信号を係数メモリ3及び
変換テーブル4へ出力する。こうした補正データは上述
した聴覚の定位認識のずれを補正する定位フィルタのマ
ッピングに基づくデータであり、この補正データは変換
テーブル4に前もってメモリしておく。 【0064】こうして、聴取位置において最適な音像定
位が得られない特定位置が生じた場合は、その特定位置
に関する補正データを切り換え出力することによって、
後方定位、垂直面定位の改善をすることができ、聴取者
Mごと、再生するソースごとに、最適な音像定位を行う
ことができる。 【0065】例えば、上記した水平角の偏差により聴取
者Mがその後方定位を最適に得られない場合は、図2
(A)に示すように、呈示位置bに対応する角度位置に
呈示位置cの音像が定位するように音像定位認識位置ず
れが発生する。係数ROM3から出力する一対のコンボ
ルバの係数データ(cfLx,cfRx)は定位目標点
から両耳へのHRTFから求めた係数データではなく、
定位認識のずれを考慮し、そこに定位していると感じら
れる係数データである(即ち、呈示位置bに定位させる
係数は、呈示位置cからのHRTFからつくられた係数
とする)。 【0066】したがって、係数ROM3から出力する一
対のコンボルバの係数データ(cfLx,cfRx)が
呈示位置bを示すものであるときには、この代わりに呈
示位置cの係数データを出力するための補正データを変
換テーブル4から係数メモリ3に出力しさえすれば良
い。変換テーブル4からの補正データの読み出しはコン
トロール用サブCPUからの制御により行われる。 【0067】同様に、上記した仰角の偏差により聴取者
Mがその後方定位を最適に得られない場合は、図2
(B)に示すように、呈示位置gに対応する角度位置に
呈示位置fの音像が定位するように音像定位認識位置ず
れが発生する。係数ROM3から出力する一対のコンボ
ルバの係数データ(cfLx,cfRx)は定位目標点
から両耳へのHRTFから求めた係数データではなく、
定位認識のずれを考慮し、そこに定位していると感じら
れる係数データである(即ち、呈示位置gに定位させる
係数は、呈示位置fからのHRTFからつくられた係数
とする)。 【0068】したがって、係数ROM3から出力する一
対のコンボルバの係数データ(cfLx,cfRx)が
呈示位置gを示すものであるときには、この代わりに呈
示位置fの係数データを出力するための補正データを変
換テーブル4から係数メモリ3に出力しさえすれば良
い。 【0069】さらに、上記した音像の前後反転により聴
取者Mがその後方定位を最適に得られない場合は、図3
(A)に示すように、音像を振る周期を小刻みに揺らす
(角度−θ→0→+θ→−θ1秒間休止−θ→0→+θ
→−θ…)ことにより、静止している音像を前後反転な
く安定して確実に認識することができる。即ち、係数R
OM3には予め、−θ,0,+θに対応する一対のコン
ボルバの係数データ(cfLx,cfRx)を格納して
おく。一例として、呈示位置eのコンボルバの係数デー
タ(cfLx,cfRx)としては、−θ(例えば、
中心0から−10度程度の角度位置)における呈示位置
eの係数データ、中心0における呈示位置eの係数デ
ータ、+θ(例えば、中心0から+10度程度の角度
位置)における呈示位置eの係数データがそれぞれ格納
しておく。 【0070】そして、聴取位置(聴取者Mの位置)にお
いて静止している音像の安定した定位が得られない場合
は、聴取者Mは図示せぬ入力装置によって安定した音像
定位が得られない位置に応じた信号を指定し入力する。
この入力状態をメインCPUが認識すると、コントロー
ル用サブCPUに対して、その特定位置に対応した上記
した係数データ−θ,0,+θに対応する一対のコンボ
ルバの係数データが、−θ→0→+θ→−θ1秒間休止
−θ→0→+θ→−θ…と、係数ROM3から順次出力
する旨の制御信号を係数ROM3に対して出力する。 【0071】こうして、上記した特定位置に対応した音
像は周期的に小刻みに揺らすことができるので、聴取位
置(聴取者Mの位置)において、静止している音像を前
後反転なく安定して確実に認識することができる。 【0072】同様に、上記した音像の前後反転により聴
取者Mがその後方定位を最適に得られない場合は、図3
(B)に示すように、音像を振る周期を長くして揺らす
(+θ(1秒間)→0(2秒間)→−θ(1秒間)→0
(2秒間)→…)ことにより、静止している音像を前後
反転なく安定して確実に認識することができる。即ち、
係数ROM3には予め、−θ,0,+θに対応する一対
のコンボルバの係数データ(cfLx,cfRx)を格
納しておく。一例として、呈示位置eのコンボルバの係
数データ(cfLx,cfRx)としては、−θ(例
えば、中心0から−10度程度の角度位置)における呈
示位置eの係数データ、中心0における呈示位置eの
係数データ、+θ(例えば、中心0から+10度程度
の角度位置)における呈示位置eの係数データがそれぞ
れ格納しておく。 【0073】そして、聴取位置(聴取者Mの位置)にお
いて静止している音像の安定した定位が得られない場合
は、聴取者Mは図示せぬ入力装置によって安定した音像
定位が得られない位置に応じた信号を指定し入力する。
この入力状態をメインCPUが認識すると、コントロー
ル用サブCPUに対して、その特定位置に対応した上記
した係数データ−θ,0,+θに対応する一対のコンボ
ルバの係数データが、+θ(1秒間)→0(2秒間)→
−θ(1秒間)→0(2秒間)→…と、係数ROM3か
ら順次出力する旨の制御信号を係数ROM3に対して出
力する。 【0074】こうして、上記した特定位置に対応した音
像は周期的に長く揺らすことができるので、聴取位置
(聴取者Mの位置)において、静止している音像を前後
反転なく安定して確実に認識することができる。 【0075】上記した音像定位認識位置ずれあるいは音
像の前後反転は、外部雑音が大きい聴取位置の環境下、
聴取者の個人差あるいは音楽ソースなどにより大きく相
違するので、予め、テストパターンにより音像定位認識
位置ずれあるいは音像の前後反転現象を検知して、この
検知に基づく上記したような補正データを変換テーブル
4にメモリすることによって、上記した補正を効率よく
行うことができる。 【0076】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明になる音像
定位制御装置によれば、一対のコンボルバにより音源か
らの信号を時間軸上で処理して音像を定位させるように
したので、実際に音像処理をする回路としては、時間軸
上での畳込演算処理回路が必要となるだけであり、回路
規模が非常に小さく安価なものとなる。また、前記コン
ボルバの音像定位処理の係数データを、最終的には時間
軸上のIR(インパルス応答)のデータとして供給する
ようにしたので、より回路規模を小さくするためには、
コンボルバの係数の数を少なくすれば良いこととなる。
その結果、従来の周波数軸上のデータの近似と比較して
HRTFを正確にかつ効果的に近似処理することがで
き、この点からも音像定位感を損なうことなく回路規模
を小さくすることができる。さらに、外部雑音が多い環
境下の聴取位置、両耳間標準距離より大きな差がある聴
取者が聴取する場合など、一律の音像定位制御では良好
な音像定位感が得られない場合には、特に聴取位置の後
方の音像定位位置を補正することによって、それぞれ最
適な音像定位感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明になる音像定位制御装置の一実施例構成
図である。 【図2】音像定位認識のずれを補正するマッピングを説
明する図である。 【図3】音像定位点の振れ方を説明する図である。 【図4】一般の音像定位装置の構成図である。 【図5】音像定位制御の基本原理を示す構成図である。 【図6】HRTF(頭部伝達関数)の測定システムを示
す構成図である。 【図7】HRTF測定のポイントを説明する図である。 【図8】キャンセルフィルタの算出例を説明する図であ
る。 【図9】HRTFのIR(インパルス応答)の具体的な
例を示す図である。 【図10】キャンセルフィルタの係数の具体的な例を示
す図である。 【符号の説明】 1 音像定位制御装置 2 畳込演算処理回路、コンボルバ 3 係数ROM(係数メモリ) 4 変換テーブル(補正手段) cfLx,cfRx キャンセルフィルタ(コンボル
バ)及びその係数 M 聴取者 sp1,sp2 スピーカ(トランスジューサ) X 音源

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 音源から出力する信号を畳込演算した音
    声信号を一対のトランスジューサから再生して、前記一
    対のトランスジューサの配置とは異なる位置に音像が定
    位するように音像定位を行う音像定位制御装置であっ
    て、 同一音源から出力する信号が供給される一対の畳込演算
    処理回路と、 前記一対のトランスジューサの配置とは異なる位置に音
    像を定位するための音像定位位置係数を前記畳込演算処
    理回路に供給する係数メモリとを備え、 聴取位置において定位している音像を周期的に角度位置
    変更するための音像定位位置係数を用いることにより定
    位している音像の認識を確実化することを特徴とする音
    像定位制御装置。
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