JP3366678B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3366678B2 JP3793293A JP3793293A JP3366678B2 JP 3366678 B2 JP3366678 B2 JP 3366678B2 JP 3793293 A JP3793293 A JP 3793293A JP 3793293 A JP3793293 A JP 3793293A JP 3366678 B2 JP3366678 B2 JP 3366678B2
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、大型薄肉成形品を可能
とする樹脂組成物に関する。更に詳しくは、金型内に射
出された溶融樹脂組成物が固化する前に金型の一部を用
いて圧力を加え、冷却固化させる方法に用いられる材料
であって、特定の構造ならびに特性を有することを特徴
とする樹脂組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】自動車などの車両におけるエネルギー効
率の改善と言った面より、車両に用いられる樹脂成形品
の軽量化、すなわち成形品の薄肉化、大型化が進められ
ている。しかしながら、単に成形品の肉厚を薄くしよう
と試みても現状の一般的な射出成形機では、その設備上
困難な問題がある。例えば平均肉厚を3mmから2mm
にするには溶融樹脂の金型内流動の面より、射出成形時
の射出圧力を2倍程度に高めるとか、ゲート点数を約2
倍に増すなどの対応が必要となり、現実の射出成形機で
は、その対応が困難である。また、得られたとしても成
形品の耐衝撃性、剛性は著しく低下し、バリ、ソリ等も
発生する。 【0003】一方、材料面からの改善も考えられる。す
なわち、車両分野で多く用いられているABS樹脂、A
ES樹脂などのゴム強化樹脂においては、ゴム含有量や
分子量を増加させることにより耐衝撃性の向上を図るこ
とができるが、かかる材料を用いると加工性は逆に低下
し、金型内での未充填と言った問題が生じる。また、ゴ
ム含有量や分子量を低下させ、加工性を向上させる方法
により、薄肉成形品を得ることはできるが、耐衝撃性、
耐熱性、剛性等が低下し、実使用に耐えられない。さら
に、溶融樹脂温度や射出圧力を高める方法では、樹脂の
熱分解や、成形機の大型化と言った問題があり、温度、
圧力等にも制限がある。従って、従来公知の射出成形機
と樹脂を用いる限りにおいては、耐衝撃性、耐熱性、剛
性を犠牲にすることなく、薄肉で、大型な成形品を得る
ことは困難であった。 【0004】本発明者らは、単に樹脂の組成や構造を変
化させるだけや成形条件を変更するだけでは目的とする
成形品を得ることができないと考え、成形プロセスと樹
脂との両面より検討を行い、特定プロセスと特定組成お
よび構造の樹脂との組合せを見出し、本発明に到達した
ものである。すなわち、溶融状態の樹脂組成物を未充填
状態で成形し、溶融樹脂が固化するまでに金型の一部を
用いて圧力を加え、完全充填状態とする成形プロセスに
おいて用いられる樹脂組成物であって、特定のゴム粒子
径、グラフト率、固有粘度ならびに粘度特性を有する樹
脂組成物を提供するものである。かかる成形プロセスと
樹脂組成物を組合せることによって、製品の耐衝撃性、
耐熱性、剛性を低下させず、成形品の肉厚を薄く、又大
型化を可能にする。 【0005】以下に本発明について詳細に説明する。ま
ず、本発明の樹脂組成物が用いられる成形プロセスと
は、成形品形状より過剰の空間部を有する金型を用い、
完全に金型が閉じた状態で溶融状態の樹脂組成物を未充
填状態で成形し、溶融樹脂が完全固化するまでの間に金
型過剰空間部を押すことにより完全充填状態とし、その
後冷却、取り出しを経て成形品を製造する方法である。 【0006】かかるプロセスと類似したプロセスが特公
昭39−1825公報に開示されている。しかしなが
ら、特公昭39−1825公報の発明は、例えば15m
m厚と言った肉厚成形品を対象としたプロセスであり、
その効果も肉厚成形品ゆえに起こる固化の不均化に由来
する歪、反り、亀裂、冷却時の変形、肌荒れ防止であ
り、本発明の様に、薄肉、大型成形品を得ることを目的
としたものではない。 【0007】図1〜3に示すとおり、最終成形品形状
(イ)よりも過剰の空間部(ロ)を設けた金型に溶融樹
脂を射出する。この射出においては、従来の一般的な射
出成形と異なりショートショットすることが重要であ
る。最終成形品の体積に相当する溶融樹脂を射出するも
のであり、空間部(ロ)の体積が過剰となるため、ショ
ートショットとなる。その後、かかる溶融樹脂が完全固
化する前に金型をもって空間部(ロ)に充填された溶融
樹脂に圧力を加え最終成形品形状となす。これによりシ
ョートショットは解消される。当初の射出量を増加(例
えば最終成形品体積+空間部体積)させると、樹脂体積
が最終成形品体積を上回る結果となり、製品に不必要部
が付いた異常な成形品しか得られず、目的とする軽量化
された薄肉成形品が得られない。また、ショートショッ
トでの溶融樹脂材料が少なすぎると空間部(ロ)を圧入
してもショートショットは解消されない。従って、空間
部(ロ)を圧入させる前の射出すべき溶融樹脂量として
は、最終成形品体積相当量の溶融樹脂×0.98〜1.0
5が好ましい。最終成形品体積相当量とは用いられる樹
脂組成物の体積膨張係数(成形収縮率)などから算出す
ることができる。又、かかる金型を用いてのトライ&エ
ラー方式でも最適ショートショット条件を求めることが
できる。 【0008】次に過剰空間部は金型のいずれの場所にあ
ってもよく、又形状にも何ら制限はない。過剰空間部を
圧入させるための装置の大きさや取扱い易さを考慮して
選定することができる。なお、空間部は、最終成形品の
裏面となるよう配慮することが、成形品の外観維持と言
った面より好ましい。さらに過剰空間部の体積にも何ら
制限はないが、射出成形後に空間部を圧入させることよ
り最終成形品体積に比べ、比較的大きいと圧入のための
装置が大型となり、又小さいと本発明の効果が充分得ら
れない。好ましくは、最終成形品体積の5〜50容積%
である。 【0009】次に、上述の特定プロセスに用いられる樹
脂組成物とは、ゴム質重合体の存在下、芳香族ビニルモ
ノマーおよび他の共重合可能なビニルモノマーをグラフ
ト重合してなる重量平均粒子径0.1〜5.0μm、グラ
フト率30〜80重量%のグラフト重合体と、芳香族ビ
ニルモノマーおよび他の共重合可能なビニルモノマーを
共重合してなる固有粘度0.3〜0.8の共重合体との混
合物であり、ゴム質重合体含有量が5〜30重量%で、
かつ特定の粘度特性を有する樹脂組成物である。 【0010】ゴム質重合体としては、ガラス転移温度が
マイナス30℃以下のポリブタジエン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、アクニロニトリル−ブタジエン共重合
体等のジエン系重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン系共重合体等
のエチレン−プロピレン系共重合体、アクリル酸エス
テル系共重合体、塩素化ポリエチレン等が例示さ
れ、一種または二種以上用いることができる。特にジエ
ン系重合体が好ましい。これらのゴム質重合体は乳化
重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等により製造され
る。なお、乳化重合により製造する場合におけるゴム状
重合体のゲル含有率については特に制限はないが、0〜
95重量%であることが望ましい。 【0011】芳香族ビニルモノマーとしてはスチレン、
α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、
α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロル
スチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロ
ムスチレン、ビニルナフタレン等が例示され、一種また
は二種以上用いることができる。特にスチレンが好まし
い。 【0012】芳香族ビニルモノマーと共に用いる他の共
重合可能なビニルモノマーとしては、シアン化ビニルモ
ノマー、不飽和カルボン酸アルキルエステルモノマー
、不飽和カルボン酸又は不飽和ジカルボン酸無水物
、マレイミド化合物等が挙げられる。これらの化合
物は、一種または二種以上用いることができる。特にシ
アン化ビニルモノマーが好ましい。 【0013】シアン化ビニルモノマーとしては、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル等
が例示され、一種または二種以上用いることができる。
特にアクリロニトリルが好ましい。 【0014】不飽和カルボン酸アルキルエステルモノマ
ーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が例示
され、一種または二種以上用いることができる。特にメ
チルメタアクリレートが好ましい。 【0015】不飽和カルボン酸又は不飽和ジカルボン酸
無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物等が例示
され、一種または二種以上用いることができる。特にア
クリル酸、メタクリル酸が好ましい。 【0016】マレイミド化合物としては、マレイミ
ド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、N−フェニ
ルマレイミド、o−クロル−N−フェニルマレイミド等
が例示され、一種または二種以上用いることができる。
特にN−フェニルマレイミドが好ましい。 【0017】グラフト重合体の重量平均粒子径は0.1
〜5.0μmで、かつグラフト率は30〜80重量%で
ある。重量平均粒子径が0.1μm未満では耐衝撃性が
低下、一方5.0μmを越すと剛性が低下する。また、
グラフト率が30重量%未満では、耐衝撃性が低下、一
方80重量%を越すと成形に高圧を必要とし、通常の成
形機での成形が困難となる。さらにかかる範囲を逸脱す
ると、樹脂組成物の粘度特性を後述の範囲内に入れるこ
とが困難となる。物性と成形性ならびに樹脂組成物の粘
度特性の面より、重量平均粒子径が0.2〜0.5μm
で、かつグラフト率が30〜80重量%のグラフト重合
体が好ましい。グラフト重合体のグラフト率は、ゴムと
モノマーとの仕込み比率、ゴム粒子径、モノマーの添加
方法等により調整することができる。また、粒子径は、
グラフト重合に用いられるゴム質重合体の粒子径と同一
または若干肥大する程度であることより、ゴム質重合体
の粒子径を管理する事により調整できる。グラフト重合
に供されるゴムとモノマーの比率ならびにモノマーにお
ける芳香族ビニルモノマーと他の共重合可能なビニルモ
ノマーとの比率にも何ら制限はないが、目的とするグラ
フト率ならびに物理的特性の面より、ゴム100重量部
当たり、芳香族ビニルモノマー30〜90重量%と他の
共重合可能なビニルモノマー10〜70重量%からなる
モノマー30〜200重量部が好ましい。グラフト重合
体の製造方法には特に制限はなく、公知の乳化重合、懸
濁重合、塊状重合、溶液重合またはこれらを組み合わせ
た方法が用いられる。 【0018】グラフト重合体と共に樹脂組成物を構成す
る共重合体は、芳香族ビニルモノマーおよび他の共重合
可能なビニルモノマーを共重合してなる固有粘度0.3
〜0.8の共重合体である。芳香族ビニルモノマーおよ
び他の共重合可能なビニルモノマーとしては、グラフト
重合体の欄で例示された化合物が挙げられる。特に、芳
香族ビニルモノマーとしては、スチレンおよびα−メチ
ルスチレン、他の共重合可能なビニルモノマーとして
は、アクリロニトリルが好ましい。 【0019】芳香族ビニルモノマーと他の共重合可能な
ビニルモノマーと組成比率には特に制限はないが、物性
面ならびに最終組成物の粘度特性に対する制限より、芳
香族ビニルモノマー30〜90重量%、他の共重合可能
なビニルモノマー10〜70重量%が好ましい。 【0020】共重合体の固有粘度(30℃、ジメチルホ
ルムアミド)は0.3〜0.8である。固有粘度が0.3
未満では衝撃強度に劣り、一方0.8を越すと成形に高
圧を必要とし、通常の成形機での成形が困難となる。さ
らにかかる範囲を逸脱すると、樹脂組成物の粘度特性を
後述の範囲内に入れることが困難となる。物性と成形性
の面より、固有粘度は0.4〜0.7が好ましい。共重合
体の固有粘度は、重合温度、開始剤や分子量調整剤の種
類と量などを変更することにより調整することができ
る。共重合体の製造方法には特に制限はなく、公知の乳
化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合またはこれらを
組み合わせた方法が用いられる。 【0021】本発明において重要なことは、上述の特定
プロセスに用いられる樹脂組成物のグラフト重合体にお
ける粒子径とグラフト率の限定のみならず、ゴム含有量
と粘度特性が制限されていることである。すなわち、組
成物中のゴム含有量が5〜30重量%であり、かつ樹脂
組成物が溶融温度200℃と240℃で、剪断速度10
0sec-1および10-1sec-1のシェアーを与えた時の粘度
が、ある一定範囲内あることである。その一定範囲と
は、以下の通りである。 200℃、剪断速度100 (sec-1):2.0×104
8.0×105 ポイズ、 10-1(sec-1):5.0×104 〜2.0×106 ポイ
ズ、 240℃、剪断速度100 (sec-1):3.0×103
1.0×105 ポイズ、 10-1(sec-1):8.0×103 〜5.0×105 ポイ
ズ。 樹脂組成物の粘度特性は、公知のレオメータ、たとえば
株式会社レオロジ製MR−500ソリキッドメータにて
求めることができる。 【0022】組成物の溶融粘度特性が、上述の範囲を逸
脱すると、成形品の耐衝撃性、耐熱性、剛性、成形性に
劣るか、または均一な厚みの製品が得られない。上述の
溶融粘度特性を有する樹脂組成物を得る方法としては、
グラフト重合体や共重合体の構造(粒子径、グラフト
率、固有粘度等)、両重合体の配合比率を調整する方法
が挙げられる。成形品の物性(耐衝撃性、耐熱性、剛
性、成形性)および軽量化の面より、以下の範囲が好ま
しい。 200℃、剪断速度100 (sec-1):5.0×104
5.0×105 ポイズ、 10-1(sec-1):8.0×104 〜1.2×106 ポイ
ズ、 240℃、剪断速度100 (sec-1):4.0×103
8.0×104 ポイズ、 10-1(sec-1):2.0×104 〜3.0×105 ポイ
ズ。 【0023】組成物中のゴム含有量が5重量%未満で
は、耐衝撃性に劣り、一方30重量%を越すと耐熱性、
剛性に劣る。好ましくは10〜20重量%である。ゴム
含有量は、グラフト重合体に用いられるゴム量ならびに
グラフト重合体と共重合体との配合比率で調整すること
ができる。 【0024】グラフト重合体と共重合体の混合形態には
何ら制限はなく、ラテックスなどの水分散系はもとよ
り、ペレット、ビーズ、パウダーなどの形態で混合する
ことができる。混合方法にも制限はなく、タンブラー、
バンバリーミキサー、ロール、押出機等の公知の機械を
用いて行うことができる。 【0025】尚、混合時に必要に応じて酸化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、染料、顔
料、可塑剤、難燃剤、離型剤、ガラス繊維、金属繊維、
炭素繊維、金属フレーク等の添加剤、補強剤、充填剤を
添加できる。また、本発明で規定される樹脂組成物のゴ
ム含有量ならびに粘度特性を逸脱しない範囲において、
ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリフェ
ニレンオキサイド、ポリメチルメタアクリレート、ポリ
塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を適宜配合することもでき
る。 【0026】次に、以下に示す各種樹脂組成物ならびに
プロセスを用いて本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれらによって何ら制限を受けるものではない。尚、
部数及びパーセントについてはいずれも重量基準で示し
た。 【0027】参考例1 ポリブタジエンラテックスの製
造 ブタジエン 93(部) スチレン 7 オレイン酸ナトリウム 0.7 ドデシルメルカプタン 0.2 過硫酸カリウム 0.3 水酸化ナトリウム 0.1 脱イオン水 150 上記混合物を攪拌機付ステンレス製反応容器に仕込み、
60℃で18時間、次いで70℃で15時間重合させ
た。重合率は97%であり、重量平均粒子径0.3μで
あった。 【0028】参考例2〜5 グラフト重合体(G−1〜
3)の製造 還流冷却器付き重合槽に、参考例1で得られたポリブタ
ジエンラテックスと、脱イオン水110部にデキストリ
ン0.1部、無水ピロリン酸ナトリウム0.1部及び硫酸
第一鉄0.005部を溶解した水溶液を添加し、気相部
を窒素置換したのち70℃に昇温した。槽内温度が70
℃に達したら、アクリロニトリル、スチレン、t−ドデ
シルメルカプタン、クメンハイドロパーオキサイド0.
3部の混合液及び脱イオン水20部にオレイン酸カリウ
ム2.0部を溶解した乳化剤溶液を4時間に亘り連続添
加した。連続添加中は槽内温度を70℃に保ち、連続添
加完了後さらに70℃で2時間熟成し、重合を完結し
た。グラフト重合に供したポリブタジエンラテックス
“PBDE”(固形分)、アクリロニトリル“AC
N”、スチレン“STY”および分子量調整剤(t−ド
デシルメルカプタン)の使用量、さらには得られたグラ
フト重合体の構造を表−1に示す。 【0029】参考例6〜9 共重合体(R−1〜4)の
製造 攪拌機付ステンレス製反応容器に脱イオン水を仕込み、
反応容器内を窒素ガスで置換したのち攪拌下に70℃に
昇温した。その後、αーメチルスチレン、アクリロニト
リルおよび分子量調整剤を連続添加した。また、モノマ
ーの添加と同時に乳化剤(オレイン酸カリウム)1.5
部と開始剤(過硫酸カリウム)0.3部の水溶液を8時
間かけて連続添加した。連続添加完了後さらに80℃に
昇温して3時間保持し、重合を完結した。α−メチルス
チレン“AMS”、アクリロニトリル“ACN”および
分子量調整剤(t−ドデシルメルカプタン“TDM”)
の使用量、さらには得られた共重合体の固有粘度を表−
2に示す。 【0030】実施例および比較例 得られたグラフト重合体ラテックス、共重合体ラテック
スおよびフェノール系酸化防止剤(樹脂組成物100部
当たり0.5部)を混合したのち、硫酸を用いてラテッ
クスを破壊し、塩析した。重合体を含むスラリーを水
洗、乾燥し、樹脂組成物A−1〜11を得た。組成物の
組成、ゴム含有量、粘度特性を表−3〜4に示す。 【0031】上記の樹脂組成物を用いて200mm×2
50mm×2mmの薄肉成形品を射出成形した。本発明
で規定される成形プロセス(1)および一般的な成形プ
ロセス(2)における成形条件は以下の通り。 成形プロセス(1):ファナック社製の射出成形機(型
締力300トン)に、金型内に過剰体積(15cm3)な
らびに過剰体積部分を外部より圧力を加えることのでき
る機構を有する金型を取付け、溶融樹脂温度260℃の
樹脂組成物を射出(射出圧力1000Kg/cm2)し、溶
融樹脂が完全に固化する前に過剰部分に圧力を加え、完
全固化させる。金型温度40℃。 一般的な成形プロセス(2):成形プロセス(1)と同
様の方法で射出成形した。ただし、射出前に過剰部分に
圧力を加えておき、過剰空間部のない状態で射出成形し
た。射出圧力1000Kg/cm2では、試験片を取り出す
ことのできる成形品が得られなかったため、射出圧力を
上げて成形品を得た。射出成形の結果を表−5〜7に示
す。 【0032】得られた成形品より各種試験片を切出し、
耐衝撃性、耐熱性、剛性を評価した。成形品の評価結果
を表−3および4に示す。 【0033】評価方法は以下の通りである。 (1)成形性 上述の成形プロセスにて成形した時の、成形品の状態を
観察。 【0034】(2)耐衝撃性 成形品の中央部より直径50mmの円板状試験片を切出
し、内径42mm,外径48mmの円筒状の治具の上に
置く。試験片上に半径1/2インチの撃芯を置き、岩本
製作所製エンプラ用衝撃試験機IPT−101型を用い
て、上方より6.6m/秒のスピードで衝撃を加え、破
壊に要したエネルギーを求める。単位:kg・m 【0035】(3)耐熱性 成形品より試験片(100mm×250mm×厚み)を
切出し、スパン200mmの治具の上に置く。さらに、
試験片中央部に100gの荷重を加え、90℃の環境
下、2時間放置し、試験片の変形量(水平よりのたわ
み)を測定する。単位:mm 【0036】(4)剛性 成形品より試験片(25mm×150mm×厚み)を二
種類(樹脂の流れ方向MD、樹脂の流れと垂直方向T
D)切出し、ASTM D−790に準じて測定する。
単位:kg/cm2 【0037】本発明の樹脂組成物から製造される車両部
品としては、ドアーパネル、インストルメントパネル、
センタ−ピラ−、リヤ−パネル、リア−ピラ−等が挙げ
られる。 【0038】 【表1】 【0039】 【表2】【0040】 【表3】 【0041】 【表4】 【0042】 【表5】【0043】 【表6】【0044】 【表7】 【0045】 【発明の効果】本発明の樹脂組成物においては、現行の
射出成形機を改造することなく、さらにゴム強化樹脂組
成物本来の耐衝撃性、耐熱性、剛性を犠牲にすることな
く、薄肉で大型の成形品を得ることができる。すなわ
ち、車両成形品の如く大型の成形品の軽量化を容易に達
成することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の樹脂組成物が用いられる金型内空間
を示す図である。 【図2】 図1のA−A’線に沿った断面図である。 【図3】 図1のB−B’線に沿った断面図である。 【符号の説明】 イ・・最終成形品の形状 ロ・・過剰空間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 元一 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 ダウ株式会社高槻研究室内 (72)発明者 田伏 浩一 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 ダウ株式会社高槻研究室内 (56)参考文献 特開 平1−132660(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 55/02 C08L 25/04 B29C 45/56

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 成形品形状より過剰の空間部を有する金
    型を用い、完全に金型が閉じた状態で溶融状態の樹脂組
    成物を未充填状態で成形し、溶融樹脂が完全固化するま
    での間に金型過剰空間部を金型の一部を用いて圧力を加
    えることにより完全充填状態とし、その後冷却、取り出
    しを経て成形品を製造する方法において用いられる樹脂
    組成物であって、以下の構造ならびに特性を有すること
    を特徴とする樹脂組成物:ゴム質重合体の存在下、芳香
    族ビニルモノマーおよび他の共重合可能なビニルモノマ
    ーをグラフト重合してなる重量平均粒子径0.1〜5.0
    μm、グラフト率30〜80重量%のグラフト重合体
    と、芳香族ビニルモノマーおよび他の共重合可能なビニ
    ルモノマーを共重合してなる固有粘度0.3〜0.8の共
    重合体との混合物であり、ゴム質重合体含有量が5〜3
    0重量%であり、かつ粘度が 200℃、剪断速度100 (sec-1):2.0×104
    8.0×105 ポイズ、 10-1(sec-1):5.0×104 〜2.0×106 ポイ
    ズ、 240℃、剪断速度100 (sec-1):3.0×103
    1.0×105 ポイズ、 10-1(sec-1):8.0×103 〜5.0×105 ポイズ である。
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