JP2001279049A - ブロー成形用abs系樹脂組成物およびそのブロー成形品 - Google Patents
ブロー成形用abs系樹脂組成物およびそのブロー成形品Info
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Abstract
ロー成形性に優れ、且つ熱線膨張係数が小さいABS系
樹脂組成物およびそのブロー成形品を提供する。 【解決手段】 ゴム状弾性体存在下に、芳香族ビニル、
シアン化ビニル、α,β−不飽和酸グリシジルエステル
化合物、(メタ)アクリル酸エステルおよびマレイミド
よりなる群から選ばれた少なくとも1種を重合してえら
れるグラフト重合体(a)と、芳香族ビニル、シアン化
ビニル、α,β−不飽和酸グリシジルエステル化合物、
(メタ)アクリル酸エステルおよびマレイミドよりなる
群から選ばれた少なくとも1種からなる重合体(b)と
からなる特定の樹脂組成物であり、MEK可溶分の還元
粘度が0.5〜1.5dl/gであるABS系樹脂組成
物。
Description
面性、肉廻り性、耐熱性、耐衝撃性、ブロー成形性に優
れるブロー成形用ABS系樹脂組成物およびそれからな
るブロー成形品に関する。
ー成形(吹込成形)用材料としては、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリチレン、線状低密度ポリエチレンおよび
ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂が用いられている。
また、最近では、エアーダクトおよび照明用器具などの
電気・電子部品、エアースポイラーおよびコンソールな
どの自動車用部品、机の天板などの家具などを得るため
には熱的性質および機械的性質に優れた、いわゆるエン
ジニアリングプラスチック(例えば、特開平4−120
157号公報に記載のものなど)が用いられる。該特開
平4−120157号公報に開示された方法において
は、100℃以上の耐熱性(熱変形温度)を得ている
が、アキュームレーター式ブロー成形機を用い、例えば
エアースポイラー等パリソン重量が5kg/ショット以上
の大型成形品を成形しようとすると、金型内で成形品を
冷却する時間、次の成形を行うため樹脂を溶融する時間
とインサートする取付金具を金型に取り付けする時間
等、すなわち成形サイクルが長くなり、アキュームレー
ター内に残っている樹脂と新たにスクリューで溶融され
た樹脂との間に粘度差が生じ易くなり、ブロー成形品の
表面に湯ジワ(表面ムラ)が発生する現象、いわゆる表
面不良などの問題が生じやすい。ABS樹脂に耐熱性を
付与する手段として、スチレンの一部または大部分をα
−メチルスチレンを用いることが一般的であるが、複雑
な形状の部分やブロー成形品にインサートする取付金具
部分に溶融樹脂がゆきとどかない現象、いわゆる肉廻り
不良がおこり、得られたブロー成形品を自動車用外装部
品などとして取り付ける際、取付け強度が不足するとい
う問題などが生じやすい。
品の表面性、肉廻り性、耐熱性、耐衝撃性、ブロー成形
性に優れるブロー成形用ABS系樹脂組成物およびそれ
からなるブロー成形品を提供することを目的とするもの
である。
ために本発明者らは鋭意検討した結果、特定の樹脂組成
物が、ブロー成形品の表面性、肉廻り性、ブロー成形性
に優れ、かつ耐衝撃性、耐熱性のバランスが良好である
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
芳香族ビニル、シアン化ビニル、α,β−不飽和酸グリ
シジルエステル化合物、(メタ)アクリル酸エステルお
よびマレイミドよりなる群から選ばれた少なくとも1種
を重合してえられるグラフト重合体(a)と、芳香族ビ
ニル、シアン化ビニル、α,β−不飽和酸グリシジルエ
ステル化合物、(メタ)アクリル酸エステルおよびマレ
イミドよりなる群から選ばれた少なくとも1種を重合し
てえられる重合体(b)とからなり、ゴム状弾性体含有
量が5〜40重量%、マレイミド単位含有量が0.1〜
30重量%、α−メチルスチレン含有量が0.1〜5
9.9重量%、α,β−不飽和酸グリシジルエステル化
合物含有量が0.001〜5重量%、メチルエチルケト
ン可溶分の還元粘度が0.5〜1.5dl/gであるブ
ロー成形用ABS系樹脂組成物(請求項1)、240℃
でのメルトフロー値(MF240)が1.5〜8g/10
分以下(10kg荷重)であり、220℃メルトフロー値
(MF220)との比、MF240/MF220が3.5以下で
ある請求項1記載のブロー成形用ABS系樹脂組成物
(請求項2)、および請求項1または2記載のブロー成
形用ABS系樹脂組成物を用いたブロー成形品(請求項
3)に関する。
脂組成物は、ゴム状弾性体の存在下に、芳香族ビニル、
シアン化ビニル、α,β−不飽和酸グリシジルエステル
化合物、(メタ)アクリル酸エステルおよびマレイミド
よりなる群から選ばれた少なくとも1種を重合してえら
れるグラフト重合体(a)と、芳香族ビニル、シアン化
ビニル、α,β−不飽和酸グリシジルエステル化合物、
(メタ)アクリル酸エステルおよびマレイミドよりなる
群から選ばれた少なくとも1種を重合してえられる重合
体(b)とからなる。
を構成するグラフト共重合体(a)と重合体(b)との
比率は、ゴム状弾性体含有量が5〜40重量%である。
さらには7〜35重量%になるようにするのが好まし
い。ゴム弾性体含有量が5重量%未満では耐衝撃性が低
下する傾向にあり、40重量%を越えると耐熱性が低下
する傾向にある。ゴム状弾性体の粒子径は、重量平均粒
子径が0.15μm以下の小粒子ゴムと0.25μm以
上の大粒子ゴムを併用使用し、その重量比が1/9〜9
/1の範囲が耐衝撃性、剛性の面から特に好ましい。
中のマレイミド単位含有量が0.1〜30重量%であ
る。さらには0.1〜25重量%になるようにするのが
好ましく、最も好ましくは1〜15重量%である。マレ
イミド単位含有量が0.1重量%未満では耐熱性、肉廻
り性が低下する傾向にあり、30重量%を越えると耐衝
撃性が低下する傾向にある。
中のα−メチルスチレン含有量が0.1〜59.9重量
%である。さらには1〜58重量%になるようにするの
が好ましく、最も好ましくは3〜50重量%である。α
−メチルスチレン含有量が0.1重量%未満では表面性
が低下する傾向にあり、59.9重量%を越えると耐衝
撃性、肉廻り性が低下する傾向にある。
中のα,β−不飽和酸グリシジルエステル化合物含有量
は0.001〜5重量%である。さらには0.005〜
3重量%になるようにするのが好ましく、最も好ましく
は0.01〜2重量%である。α,β−不飽和酸グリシ
ジルエステル化合物含有量が0.001重量%未満では
表面を均一にする効果が不充分であり、5重量%を越え
ると耐衝撃性、肉廻り性が低下する傾向がある。
のメチルエチルケトン可溶分の溶剤粘度(N,N−ジメ
チルホルムアミド溶液、30℃)は、還元粘度が0.5
〜1.5dl/gである。さらには0.6〜1.3dl
/gになるようにするのが好ましく、最も好ましくは
0.7〜1.1dl/gである。還元粘度が0.5dl
/g未満ではブロー成形時ドローダウンが激しくなり、
パリソンが切れたり、肉厚が不均一になったりして良好
な成形品が得られ難くなる傾向が生じたり、耐衝撃性、
耐シンナー性、耐油性などが低下し、1.5dl/gを
越えるとブロー成形時の溶融粘度が高くなりすぎ、成形
が容易でなくなったり、成形温度が高くなるため成形品
内部の酸化劣化が起こりやすくなり、耐衝撃性が低下し
たりする傾向が生じる。
の240℃でのメルトフロー値(MF240)は1.5〜
8g/10分(10kg荷重)である。さらには1.7〜
7g/10分になるようにするのが好ましく、最も好ま
しくは2.0〜7g/10分であり、かつ220℃メル
トフロー値(MF220)との比、MF240/MF220が
3.5以下である。さらには3.49以下になるように
するのが好ましく、最も好ましくは3.48以下であ
る。
g/10分未満では、ブロー成形時の溶融粘度が高くな
りすぎ、成形が容易でなくなったり、成形温度が高くな
るため成形品内部の酸化劣化が起こりやすくなり、耐衝
撃性が低下したりする傾向が生じ、8g/10分を越え
るとブロー成形時ドローダウンが激しくなり、パリソン
が切れたり、肉厚が不均一になったりして良好な成形品
が得られ難くなる。また、前記MF240/MF220
が3.5を越えると成形品表面に湯ジワが生じやすくな
る傾向にある。
弾性体は、ガラス転移温度が0℃以下で、重量平均粒子
径が0.05〜1.0μmであるのが、耐衝撃性、剛性
の点から好ましい。ゲル含有量は特に限定されないが1
0〜95%、特に30〜95%が好ましい。
ン、ブタジエン−スチレン共重合体(SBR)、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体(NBR)、ブタジエ
ン−アクリル酸エステル共重合体などのジエン系ゴム、
スチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−
プロピレン−非共役ジエン共重合体(EPDM)などの
オレフィン系ゴム、ポリブチルアクリレート、ポリ2−
エチルヘキシルアクリレ−トなどのアクリル系ゴム、シ
リコーン系ゴムなどが挙げられ、1種または2種以上を
使用できる。これらのうちでは耐衝撃性の点からジエン
系ゴムが好ましい。さらに、剛性と耐衝撃性とのバラン
スを向上させるために多層構造にしたり、粒子径分布を
制御することが好ましい。多層構造とは、ゴム状弾性体
の成分が均一ではなく不均一層をなしているものであ
る。粒子径の分布とは、大粒子のものと小粒子のものと
の併用等である。そのためには、小粒子ゴムを酸性物
質、酸ラテックスで肥大することも可能である。
ては、芳香族ビニル30〜89.9重量%、さらには5
0〜79.5重量%、シアン化ビニル10〜40重量
%、さらには20〜40重量%、α,β−不飽和酸グリ
シジルエステル化合物0.1〜30重量%、さらには
0.5〜20重量%、(メタ)アクリル酸エステル0〜
70重量%、さらには0〜30重量%、マレイミド0〜
30重量%、さらには0〜25重量%である。前記芳香
族ビニルが30重量%未満ではブロー成形性が低下し、
90重量%を越えると耐シンナー性が低下したり、耐衝
撃性が低下したりする傾向がある。前記シアン化ビニル
が5重量%未満では耐シンナー性、耐衝撃性が低下し、
40重量%を越えると熱安定性が低下する傾向がある。
前記α,β−不飽和酸グリシジルエステル化合物が0.
1重量%未満では表面性を均一にする効果が不充分であ
り、30重量%を越えると耐衝撃性が低下する傾向があ
る。前記(メタ)アクリル酸エステルが70重量%を越
えると耐衝撃性、耐シンナー性が低下する傾向がある。
マレイミドが30重量%を越えると耐衝撃性が低下する
傾向がある。
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロ
ロスチレン、ブロモスチレン、ビニルナフタレンなど、
前記シアン化ビニルの具体例としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなど、前記α,β−不飽和酸グ
リシジルエステル化合物の具体例としては、アクリル酸
グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グ
リシジルなど、前記(メタ)アクリル酸エステルの具体
例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレートなど、前記マレイミドの具体
例としては、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N
−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロ
ピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−(p−メ
チルフェニル)マレイミドなどがあげられる。
は、特に限定されないが、前記グラフト共重合体のグラ
フト率(%): {グラフト枝(重量)/ゴム状弾性体(重量)}×10
0 は、10〜100%、さらには20〜70%が好まし
い。グラフト率が10%未満では耐衝撃性が低下し、1
00%を越えるとブロー成形性が低下する傾向にある。
0〜90重量%、さらには50〜80重量%、シアン化
ビニル5〜40重量%、さらには20〜30重量%、
α,β−不飽和酸グリシジルエステル化合物0〜30重
量%、さらには0〜20重量%、(メタ)アクリル酸エ
ステル0〜30重量%、さらには0〜20重量%、マレ
イミド0.1〜50重量%、さらには0.1〜30重量
%である。
ロー成形性が低下し、90重量%を越えると耐衝撃性、
耐シンナー性が低下する傾向にあり、前記シアン化ビニ
ルが5重量%未満では耐衝撃性、耐シンナー性が低下す
る傾向にあり、40重量%を越えると熱安定性が低下す
る傾向があり、前記α,β−不飽和酸グリシジルエステ
ル化合物が30重量%を越えると耐衝撃性が低下する傾
向があり、前記(メタ)アクリル酸エステルが30重量
%を越えると耐衝撃性が低下する傾向があり、前記マレ
イミドが0.1重量%未満では耐熱性、肉廻り性が低下
する傾向にあり、50重量%を越えると耐衝撃性、ブロ
ー成形性が低下する傾向がある。
としては、グラフト共重合体(a)のグラフト重合に例
示した単量体と同様のものがあげられるが、耐衝撃性、
剛性、ブロー成形性、耐熱変形性などの点から、芳香族
ビニルとしてはスチレン、シアン化ビニルとしてはアク
リロニトリル、(メタ)アクリル酸エステルとしてはメ
チルメタクリレート、マレイミドとしてはフェニルマレ
イミドが好ましい。
造する方法には特に制限はなく、公知の乳化重合法、乳
化−懸濁重合法、乳化−塊状重合法、塊状重合法、溶液
重合法等により行うことが出来る。例えば、ゴム状弾性
体の存在下に前記ビニル系単量体を反応させ、グラフト
共重合体(a)をうることにより製造される。また、重
合体(b)は、前記ビニル単量体を共重合させることに
より製造される。また、ゴム状弾性体の存在下に、前記
ビニル系単量体を反応させ、グラフト共重合体(a)と
重合体(b)を同一の反応機内で製造することも可能で
ある。さらに、えられたグラフト共重合体(a)と重合
体(b)を、ラテックス状態で混合し、塩析させパウダ
ーをえてもよく、別々に塩析しパウダーをえてそれらを
混合してもよい。
ては、ABS樹脂組成物の他に、スチレンの一部または
大部分をα−メチルスチレンおよび(または)マレイミ
ドに置きかえた耐熱ABS樹脂組成物、ブタジエンをエ
チレン−プロピレン系ゴムに置きかえた(耐熱)AES
樹脂組成物、ポリアクリル酸エステルに置きかえた(耐
熱)AAS樹脂組成物、さらにはシリコーン系ゴムに置
きかえた(耐熱)ASS樹脂組成物などがあげられる。
これらの組成物は単独で用いてもよく、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
には、本発明の効果を損なわない範囲で、滑剤、酸化防
止剤、タルク、アルカリ金属の水酸化物あるいは炭酸
塩、又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩あるいは
酸化物、さらに必要に応じて、顔料、可塑剤、紫外線吸
収剤、光安定剤などの1種または2種以上を混合しても
よい。また、耐ドローダウン性等をさらに向上させるた
めに、テフロン(登録商標)、高分子量AS樹脂(ポリ
スチレン換算の重量平均分子量50万〜300万)、高
分子量PMMA(ポリスチレン換算の重量平均分子量5
0万〜300万)を添加することも可能である。
組成物は、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリア
ミド、ポリブチレンテレフタレートなどの1種または2
種以上と組み合わせて用いてもよい。スチレン系樹脂と
しては、一般用(GP)ポリスチレン、耐衝撃性(HI
PS)ポリスチレン、スチレンとアクリロニトリルとの
共重合体であるAS樹脂があげられる。このようにして
製造される本発明のブロー成形用ABS系樹脂組成物
は、通常のブロー成形、例えばアキュームレーター式ブ
ロー成形、ダイレクトブロー成形などの方法により成形
され、本発明のブロー成形品が製造される。このブロー
成形工程では、ブローアップ性、表面性等の点から、得
られた樹脂組成物を200℃以上のパリソンまたはシー
トでブロー成形することが好ましい。更に、より良い効
果を得るためには、パリソンおよびシートを膨らませる
際に、空気に代えた、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ア
ルゴン、ネオンなどの不活性ガスを用いてもよい。
はこれらに何ら限定されるものではない。なお、以下に
示す「部」はいずれも「重量部」を意味する。
は以下のとおりである。 R−1:重量平均粒子径0.10μm、ゲル含有量90
%のポリブタジエンを酸基含有ラテックスを用い肥大化
した重量平均粒子径0.40μmのポリブタジエン R−2:重量平均粒子径0.25μm、ゲル含有量90
%のポリブタジエン R−3:重量平均粒子径0.10μm、ゲル含有量90
%のポリブタジエン R−4:重量平均粒子径0.06μm、ゲル含有量92
%のブタジエン−スチレン共重合体(ブタジエン65重
量%、スチレン35重量%) αMSt:α−メチルスチレン St:スチレン AN:アクリロニトリル PMI:N−フェニルマレイミド GMA:グリシジルメタクリレート CHP:クメンハイドロパーオキサイド tDM:t−ドデシルメルカプタン PN:パルミチン酸ナトリウム ABS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム。
ック(S)を用い肥大化した重量平均粒子径0.40μ
mのポリブタジエンラテックス(R−1)60部(固形
分換算)、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレー
ト0.3部、硫酸第一鉄0.0025部、エチレンジア
ミン四酢酸二ナトリウム0.01部を仕込み、脱酸素
後、窒素気流中で撹拌しながら60℃に加熱した後、A
N10部、St30部、CHP0.3部からなる単量体
混合物を60℃で5時間かけて連続的に滴下した。滴下
終了後、重合温度を65℃にし、1時間撹拌続けた後、
重合を終了させた。得られたラテックスを塩化カルシウ
ムで塩析し、洗浄、濾過および乾燥工程を経てパウダー
状のグラフト共重合体(a−1)を得た。結果を表1に
示す。
ために必要な酸基含有ラテックス(S)を以下のように
製造した。
クチルスルホコハク酸ナトリウム0.6部、ナトリウム
ホルムアルデヒドスルホキシレート0.5部、硫酸第一
鉄0.0025部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウ
ム0.01部を仕込み、脱酸素後、窒素気流中で撹拌し
ながら70℃に加熱した後、ブチルメタクリレート25
部、ブチルアクリレート5部、 tDM0.1部、CH
P0.15部の単量体混合物を、重合温度70℃で連続
的に2時間かけて滴下した後、さらにブチルメタクリレ
ート50部、ブチルアクリレート4部、メタクリル酸1
6部、 tDM0.5部、CHP0.15部の単量体混
合物を連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後、1
時間撹拌を続けて重合を終了させた。重合転化率は97
%であった。ゴム重合体(r)からゴム重合体(R)に
肥大化は、重量平均粒子径0.10μm、ゲル分率90
%のポリブタジエンラテックス100部を固形分31
%、PH11のラテックスに調整し、60℃に加熱した
後、酸基含有ラテックス(S)3.2部を添加し、60
℃で1時間撹拌して肥大化させ、重量平均粒子径0.4
0μmのポリブタジエンラテックスを得た。 グラフト共重合体(a−2)、(a−3)、(a−4) グラフト共重合体(a−1)と同様の方法で、表1に示
すゴム重合体、単量体混合物を使用し、グラフト共重合
体(a−2)、(a−3)、(a−4)を製造した。結
果を表1に示す。
を投入し、脱酸素後、窒素気流中で撹拌しながら70℃
まで加熱した。さらにナトリウムホルムアルデヒドスル
ホキシレート0.4部、硫酸第一鉄0.0025部、エ
チレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.01部を仕込み
後、αMSt60部、AN30部、St10部、 tD
M0.25部、CHP0.2部からなる単量体混合物
を、重合温度70℃で連続的に7時間かけて滴下した。
滴下終了後、重合温度を75℃にし、1時間撹拌を続け
て重合を終了させた。得られたラテックスを塩化カルシ
ウムで塩析し、洗浄、濾過および乾燥工程を経てパウダ
ー状の重合体(b−1)を得た。結果を表2に示す。
4) 重合体(b−1)と同様の方法で、表2に示す単量体混
合物を使用し、重合体(b−2)、(b−3)、(b−
4)を製造した。結果を表2に示す。
−1)〜(b−4)とを表3に示す割合で混合した樹脂
混合物100部に対し、リン系安定剤(アデカスタブP
EP−36、旭電化工業(株)製)0.4部、フェノー
ル系安定剤(アデカスタブAO−30、旭電化工業
(株)製)0.4部、滑剤としてエチレンビスステアリ
ルアミド0.7部(日本油脂(株)製)、ポリエチレン
ワックス(ネオワックスACL、安原油脂工業(株)
製)0.5部、アルカリ土類金属の水酸化物として水酸
化カルシウム(スーパーミクロスター、丸尾カルシウム
(株)製)0.5部、タルク(ミクロエースL−1(平
均粒径:1.8μm)、日本タルク社製)0.5部を添
加し、ヘンシェルミキサーで混合し、ベント式単軸押出
機(HV−40−28、田端機械工業(株)製)で28
0℃の設定温度で押し出し、ペレット化した。得られた
ペレットの評価を下記方法で行った。結果を表3、表4
に示す。
る。 (A)ブロー成形 上記のようにして得られたペレット状のABS系樹脂を
プラコー(株)製のDA−50型ブロー成形機(アキュ
ームレーター容量0.5l)を用いてブロー成形し、成
形品をえた。成形条件は、パリソン温度が約240℃、
射出速度(指数)が150、スクリュー回転数が60r
pm、ブロー圧が6kg/cm2G(エアー)、冷却時間が
100秒、金型温度が60℃であった。
厚3.5mmの箱型状ブロー成形品を用い、成形品表面に
40×80(mm)の長方形を描き、長方形内の不均一な
凹状不良部(ヘコ)(大きさは、0.02mm以上)を目
視で数え、長方形5点のヘコ数の平均値を求めた。以下
の基準により評価した。 ○:平均ヘコ数が1個未満である。 △:平均ヘコ数が1〜5個である。 ×:平均ヘコ数が5個以上である。
ブロー成形品を成形する際、冷却時間を100秒から2
00秒に変更した時の成形品表面の湯ジワ発生の有無を
目視にて観察した。以下の基準により評価した。 ○:湯ジワ発生なし。 ×:湯ジワ発生あり。
肉厚3.5mmの箱型ブロー成形品で、両端にM6のイン
サートボルトを取り込んだブロー成形品のボルトの頭部
への肉廻り状態を目視で観察し、以下の基準により評価
した。
を含む断面説明図(インサートボルトは断面説明図では
ない)である図1に示すように、インサートボルト1の
段部3の周囲P1にABS系樹脂組成物2がほぼ廻って
おり、隙間がない状態) ×:不良(ブロー成形品のインサートボルトを含む断面
説明図(インサートボルトは断面説明図ではない)であ
る図2に示すようにインサートボルト1の段部3の周囲
P2にABS系樹脂組成物2が充分に廻っておらず、隙
間がある状態)。
射出後放置し、パリソンがダイスからはずれ、落下する
までの時間を測定し評価した。 ○:パリソン射出後、パリソン落下までの時間が60秒
をこえる。 △:パリソン射出後、パリソン落下までの時間が20〜
60秒。 ×:パリソン射出後、パリソン落下までの時間が20秒
未満。
ブロー成形品を用い、−30℃での落錘強度(錘の重量
×半数破壊高さ(J)を測定した。
時間溶解させたのち、遠心分離し、可溶分をメタノール
で析出させた。析出物を真空乾燥機で乾燥させ、サンプ
ルをえた。えられたサンプルをN,N−ジメチルホルム
アミド0.3%溶液とし、ウベ・ローデ粘度計で30℃
で測定した。
220℃、10kg荷重と240℃、10kg荷重で測定し
た。 (D)熱変形温度:HDT えられたブロー成形品を切り出してテストピースを作成
し、ASTM D−648に準拠して0.45MPa荷
重で測定した。
し、ASTM D−790に準拠して23℃で測定し
た。
ブロー成形用ABS系樹脂によれば、熱変形温度が10
0℃以上で、ブロー成形時の耐ドローダウン性、肉廻り
性に優れ、ブロー成形品の表面外観に優れ、耐衝撃性に
優れたブロー成形品を得ることができる。
良好な場合の状態を示す断面説明図。
合の状態を示す断面説明図。
ない状態のインサートボルト1の段部3の周囲 P2 ABS系樹脂組成物2が充分に廻っておらず、隙
間がある状態のインサートボルト1の段部の周囲
Claims (3)
- 【請求項1】ゴム状弾性体の存在下に、芳香族ビニル、
シアン化ビニル、α,β−不飽和酸グリシジルエステル
化合物、(メタ)アクリル酸エステルおよびマレイミド
よりなる群から選ばれた少なくとも1種を重合してえら
れるグラフト重合体(a)と、芳香族ビニル、シアン化
ビニル、α,β−不飽和酸グリシジルエステル化合物、
(メタ)アクリル酸エステルおよびマレイミドよりなる
群から選ばれた少なくとも1種を重合して得られる重合
体(b)とからなる樹脂組成物であり、(i)該樹脂組
成物中のゴム状弾性体含有量が5〜40重量%、(ii)
該樹脂組成物中のマレイミド単位含有量が0.1〜30
重量%、(iii)該樹脂組成物中のα−メチルスチレン
含有量が0.1〜59.9重量%、(iv)該樹脂組成物
中のα,β−不飽和酸グリシジルエステル化合物含有量
が0.001〜5重量%で、かつ(v)該樹脂組成物の
メチルエチルケトン可溶分の還元粘度が0.5〜1.5
dl/gであることを特徴とする、耐熱性に優れたブロ
ー成形用ABS系樹脂組成物。 - 【請求項2】240℃でのメルトフロー値(MF240)
が1.5〜8g/10分(10kg荷重)であり、220
℃のメルトフロー値(MF220)との比、MF240/MF
220が3.5以下である請求項1記載のブロー成形用A
BS系樹脂組成物。 - 【請求項3】請求項1または2記載のブロー成形用AB
S系樹脂組成物を成形してなる成形品。
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- 2000-03-28 JP JP2000089376A patent/JP2001279049A/ja active Pending
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