JP3363816B2 - 放電管用電極及びこれを用いた放電管 - Google Patents

放電管用電極及びこれを用いた放電管

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    • HELECTRICITY
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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電管用電極及び
これを用いた放電管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】照明用、計測機器用の光源として、放電
管が広く用いられている。放電管は、陰極と陽極とを対
向させて放電ガス雰囲気中に封入し、陰極と陽極との間
でアーク放電を行わせることによって光を発する光源で
ある。かかる放電管には、例えば特開昭62−2412
54号公報に開示されているような電極が設けられてい
る。すなわち、タングステン等の高融点金属とアルカリ
土類金属酸化物等の易電子放射物質とを混ぜ合わせて焼
結させた本体部を、モリブデン等の高融点金属によって
形成された基体部の筒部(凹部)に挿入し、当該本体部
の底面と基体部の筒部の底面とをろう接等により固定し
た電極である。上記電極の如く、本体部に易電子放射物
質を含有させることで、容易に電子放射が得られるとと
もに、電極先端の損傷も少なくなる。
【0003】また、同様の構成を有し、高融点金属に易
電子放射物質を含浸させた本体部を有する電極を用いた
放電管が、例えば実公平4−3388号公報に開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記放電管、
特に上記放電管に用いられる上記電極には、以下に示す
ような問題点があった。すなわち、上記従来技術にかか
る放電管の電極においては、基体部の筒部(凹部)の内
面と当該筒部に挿入された本体部の側面との間に大きな
間隙が生じているか(特開昭62−241254号公
報)、若しくは、かかる間隙について何ら考慮がなされ
ていなかった(実公平4−3388号公報)。しかし、
かかる間隙が生じている場合は、かかる間隙に残留した
易電子放射物質が放電管使用時の温度上昇に伴って蒸発
し、放電管の壁面に付着する。その結果、放電管の出力
光量が低下し、放電管の寿命が短くなる。
【0005】そこで本発明は、上記問題点を解決し、寿
命の長い放電管及びこれに用いる放電管用電極を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の放電管用電極は、陰極と陽極とを対向させ
て放電ガス雰囲気中に封入し、陰極と陽極との間でアー
ク放電を行わせる放電管に用いられる放電管用電極にお
いて、高融点金属に易電子放射物質を含有させて形成さ
れ、一方の端部に尖頭を有する本体部と、高融点金属に
よって形成され、本体部の他方の端部を挿入する凹部を
有する基体部とを備え、基体部の凹部の内面と当該凹部
に挿入された本体部の側面との間隙をろう材で塞いで外
部と隔絶しており、ろう材は、本体部の側面のうち凹部
から露出した部分にまで連続して設けられていることを
特徴としている。
【0007】基体部の凹部の内面と当該凹部に挿入され
た本体部の側面との間隙をろう材で塞いで外部と隔絶し
ていることで、易電子放射物質が外部から当該間隙に進
入することが防止されるとともに、本体部の側面から当
該間隙に易電子放射物質がしみ出たとしても、かかる易
電子放射物質が当該間隙から外部に出ることが防止され
る。しかも、ろう材が、本体部の側面のうち凹部から露
出した部分にまで連続して設けられていることで、本体
部のかかる部分からしみ出した易電子放射性物質が外部
に出ることが防止される。
【0008】また、本発明の放電管用電極においては、
ろう材は、間隙に充填されていることを特徴としてもよ
い。
【0009】ろう材が間隙に充填されていることで、当
該ろう材を介して本体部と基体部との間の熱伝達効率が
向上する。
【0010】
【0011】
【0012】また、本発明の放電管用電極においては、
本体部は、多孔質の高融点金属に易電子放射物質を含浸
させた含浸型金属からなることを特徴としてもよい。
【0013】本体部を、多孔質の高融点金属に易電子放
射物質を含浸させた含浸型金属とすることで、易電子放
射物質が本体部に均一に含有されることになり、出力光
の均一性が増す。また、含浸によって易電子放射物質を
本体部に含有させる場合は、通常、本体部を基体部の凹
部に挿入したあとで易電子放射物質を含浸させることに
なるが、基体部の凹部の内面と当該凹部に挿入された本
体部の側面との間隙をろう材で塞いでいるため、易電子
放射物質の含浸時においても、当該易電子放射物質が上
記間隙に進入することが防止される。
【0014】また、本発明の放電管用電極においては、
ろう材は、本体部及び基体部のいずれの融点よりも低
く、かつ、本体部に易電子放射物質を含浸させる含浸温
度よりも高い融点を有する材料からなることを特徴とし
てもよい。
【0015】本体部及び基体部のいずれの融点よりも低
い融点を有するろう材を用いることで、ろう材を加熱し
て融解させ、上記間隙を塞ぐ際においても、本体部及び
基体部の形状は確保される。また、含浸温度よりも高い
融点を有するろう材を用いることで、含浸時にろう材が
蒸散したり、変形したりすることが無くなる。
【0016】本発明の放電管用電極においては、ろう材
は、モリブデン−ルテニウムろう材であることを特徴と
してもよい。
【0017】また、本発明の放電管用電極においては、
易電子放射物質は、アルカリ土類金属の単体若しくは酸
化物を含んで形成されることを特徴としてもよい。
【0018】易電子放射物質として、アルカリ土類金属
の単体若しくは酸化物を用いることで、本体部の仕事関
数を効果的に小さくすることが可能となる。
【0019】また、本発明の放電管用電極においては、
本体部の尖頭の先端を露出させるとともに、本体部の表
面を被覆する高融点金属からなる被膜をさらに備えたこ
とを特徴としてもよい。
【0020】かかる被膜を備えることで、本体部の側面
からしみ出した易電子放射性物質の外部への蒸散をより
効果的に防止できる。
【0021】上記課題を解決するために、本発明の放電
管は、陰極と陽極とを対向させて放電ガス雰囲気中に封
入し、陰極と陽極との間でアーク放電を行わせる放電管
であって、陰極と陽極との少なくとも一方は、上記いず
れかの放電管用電極であることを特徴としている。
【0022】上記いずれかの電極を用いることで、当該
電極の基体部の凹部の内面と当該凹部に挿入された本体
部の側面との間隙に、外部から易電子放射物質が進入す
ることが防止されるとともに、本体部の側面から当該間
隙に易電子放射物質がしみ出たとしても、かかる易電子
放射物質が当該間隙から外部に出ることが防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る放電管に
ついて、図面を参照して説明する。なお、本発明の実施
形態にかかる放電管用電極は、本実施形態にかかる放電
管に含まれる。
【0024】まず、本実施形態に係る放電管の構成につ
いて説明する。図1は、本実施形態に係る放電管の断面
図である。本実施形態にかかる放電管10は、ガラスバ
ルブ12、陰極14及び陽極16を備えて構成される。
【0025】ガラスバルブ12は石英から形成され、略
棒状の形状を有している。ガラスバルブ12の中間部に
は、中空のガス封入部12aが形成され、この内部にキ
セノンなどの放電ガスが封入されている。ガス封入部1
2aの内部には、陰極14と陽極16とが互いに対向し
て配置されている。陰極14と陽極16はそれぞれ、ガ
ラスバルブ12の両端部に設けられた外部端子18,2
0に電気的に接続されている。かかる外部端子18,2
0を介して陰極14と陽極16との間に電圧を印加する
ことで、陰極14と陽極16との間にアーク放電が発生
し、光が発せられる。
【0026】図2は、一方の電極である陰極14の断面
図である。陰極14は、陰極先端部22(本体部)とリ
ード棒24(基体部)とを備えて構成される。陰極先端
部22は、多孔質のタングステン(高融点金属)にバリ
ウム(易電子放射物質)を含浸させて形成される。アル
カリ土類金属であるバリウムを含浸させることで、陰極
先端部22の仕事関数を小さくすることができ、電子の
放出が容易となる。また、陰極先端部22は、陽極16
に対向する一方の端部側に設けられた円錐状の尖頭22
aと、他方の端部側に設けられた円柱状の基部22bと
からなる砲弾形状を有している。
【0027】リード棒24は、モリブデン(高融点金
属)によって形成されており、円柱状に延びる形状を有
している。ここで、リード棒24の一方の端部側には、
陰極先端部22の基部22b(の一部)を挿入するため
の凹部24aが形成されており、他方の端部側は、ガラ
スバルブ12に固定されている。凹部24aは、詳細に
は、上記陰極先端部22の基部22bの径よりも数μm
〜数百μm程度大きい内径を有する円柱状の凹部であ
り、上記陰極先端部22の基部22bの少なくとも一部
を挿入することができる深さを有している。
【0028】陰極先端部22の基部22bのうち一部
(以下、挿入部分という)は、リード棒24の凹部24
aに挿入されており、陰極先端部22の基部22bの底
面とリード棒24の凹部24aの底面とは、モリブデン
−ルテニウムろう材26によって接合・固定されてい
る。また、リード棒24の凹部24aの内面と陰極先端
部22の挿入部分の側面との間隙は、モリブデン−ルテ
ニウムろう材26によって塞がれており、当該間隙と外
部とを隔絶する。より詳細には、当該間隙にモリブデン
−ルテニウムろう材26が充填されており、さらにモリ
ブデン−ルテニウムろう材26は、リード棒24の端面
のうち凹部24a以外の部分、及び、陰極先端部22の
基部22bのうち挿入部分以外の側面すなわち凹部24
aから露出した部分にまで連続して設けられている。こ
こで特に、モリブデン−ルテニウムろう材26の融点は
1950°であり、陰極先端部22の材料であるタング
ステンの融点(3410℃)、及び、リード棒24の材
料であるモリブデンの融点(2620℃)のいずれより
も低く、また、陰極先端部22にバリウムを含浸させる
含浸温度(約1500℃)よりも高くなっている。
【0029】陽極16は、タングステンによって形成さ
れており、図1に示すように、陰極14に対向する一方
の端部側に設けられた円錐台状の先端部を円柱状の基部
に接続させた形状を有している。
【0030】続いて、本実施形態にかかる放電管の1つ
の特徴部分である陰極14の製造方法について説明す
る。図3は、陰極14の製造工程図である。陰極14を
製造するにはまず、図3(a)に示すように、陰極先端
部22の挿入部分をリード棒24の凹部24aに挿入
し、陰極先端部22の基部22bの底面とリード棒24
の凹部24aの底面とを、モリブデン−ルテニウムろう
材26によって接合・固定する。かかる接合・固定は、
リード棒24の凹部24aの底面に、あらかじめモリブ
デン−ルテニウムろう材26を注入しておき、その上に
陰極先端部22の挿入部分を配置したあとで、モリブデ
ン−ルテニウムろう材26を加熱することによって行
う。
【0031】その後、図3(b)に示すように、リング
状に成形されたモリブデン−ルテニウムろう材26を、
陰極先端部22の基部22bの外周とリード棒24の凹
部24aの縁部との双方に接するように配置する。
【0032】さらにその後、モリブデン−ルテニウムろ
う材26を加熱すると、図3(c)に示すように、リー
ド棒24の凹部24aの内面と陰極先端部22の挿入部
分の側面との間隙にモリブデン−ルテニウムろう材26
が充填される。ここで、モリブデン−ルテニウムろう材
26の量を適宜調節することで、リード棒24の端面の
凹部24a以外の部分、及び、陰極先端部22の基部2
2bのうち挿入部分以外の側面にまでモリブデン−ルテ
ニウムろう材26を連続して形成することもできる。ま
た、陰極先端部22及びリード棒24を構成する材料の
融点がモリブデン−ルテニウムろう材26の融点よりも
高いことから、モリブデン−ルテニウムろう材26を加
熱して融解させる際の陰極先端部22及びリード棒24
の熱変形が防止される。
【0033】その後、図3(d)に示すように、約15
00℃の雰囲気下で、陰極先端部22にバリウム28を
含浸させる。ここで、モリブデン−ルテニウムろう材2
6の融点が含浸温度よりも高いことから、バリウム28
の含浸時にモリブデン−ルテニウムろう材26が蒸散し
たり、変形したりすることが防止される。また、易電子
放射物質であるバリウム28を含浸によって陰極先端部
22に含有させることで、バリウム28が陰極先端部2
2に均一に含有されることになり、出力光の均一性が増
す。
【0034】続いて、本実施形態にかかる放電管の作用
及び効果について説明する。本実施形態にかかる放電管
10は、陰極14において、リード棒24の凹部24a
の内面と陰極先端部22の挿入部分の側面との間隙をモ
リブデン−ルテニウムろう材26によって塞いでおり、
特に当該間隙にモリブデン−ルテニウムろう材26を充
填することによって当該間隙を塞いでいる。従って、バ
リウム等の易電子放射物質が外部から当該間隙に進入す
ることが防止されるとともに、陰極先端部22の側面か
ら当該間隙に易電子放射物質がしみ出たとしても、かか
る易電子放射物質が当該間隙から外部に出ることが防止
される。よって、放電管10の使用時に、周囲温度が上
昇しても、易電子放射物質が蒸発して放電管10の壁面
に付着することはない。その結果、放電管10の出力光
量を長期間良好に維持することが可能となり、放電管1
0の寿命を長くすることが可能となる。
【0035】本実施形態にかかる放電管10はさらに、
モリブデン−ルテニウムろう材26を、リード棒24の
端面の凹部24a以外の部分、及び、陰極先端部22の
基部22bのうち挿入部分以外の側面すなわち凹部24
aから露出した部分にまで連続して設けている。従っ
て、陰極先端部22の基部22bのうち挿入部分以外の
側面から易電子放射物質がしみ出たとしても、かかる易
電子放射物質が外部に出ることが防止される。その結
果、放電管の寿命をさらに長くすることが可能となる。
【0036】図4は、本実施形態にかかる放電管10
(図4中のA)と従来技術にかかる放電管(図4中の
B)とについて、その出力の経時的変化を示すグラフで
ある。ここで、従来技術にかかる放電管とは、陰極先端
部の基部の底面とリード棒の凹部の底面との間のみがモ
リブデン−ルテニウムろう材によって接合・固定されて
おり、リード棒の凹部の内面と陰極先端部の挿入部分の
側面との間隙には、モリブデン−ルテニウムろう材が充
填されていない陰極を有する放電管を言う。図4から明
らかなように、従来技術にかかる放電管は、800時間
動作させると光出力が初期の60%程度まで低下するの
に対し、本実施形態にかかる放電管10は、800時間
近く動作させても初期の80%以上の光出力を維持する
ことができる。
【0037】さらに、本実施形態にかかる放電管10
は、リード棒24の凹部24aの内面と陰極先端部22
の挿入部分の側面との間隙にモリブデン−ルテニウムろ
う材26を充填しているため、モリブデン−ルテニウム
ろう材26を介して陰極先端部22とリード棒24との
熱伝達効率が向上する。その結果、陰極先端部22で発
生した熱を効果的にリード棒24に逃がすことが可能と
なり、放電管10の温度上昇を効果的に防止することが
可能となる。
【0038】また、陰極先端部22の基部22bの底面
とリード棒24の凹部24aの底面との間のみをモリブ
デン−ルテニウムろう材26によって接合・固定する場
合は、当該モリブデン−ルテニウムろう材26の厚み、
付着位置等によって陰極先端部からリード棒24への熱
伝達効率にばらつきが生じ、放電管の性能にもばらつき
が生じていた。これに対して、本実施形態にかかる放電
管10は、リード棒24の凹部24aの内面と陰極先端
部22の挿入部分の側面との間隙にモリブデン−ルテニ
ウムろう材26を充填することで、このようなばらつき
の発生を防止し、均一な性能の放電管を製造することが
可能となる。
【0039】上記実施形態にかかる放電管10の陰極
は、図5に示すような陰極30であっても良い。すなわ
ち陰極30は、上記陰極14と比較して、陰極先端部2
2の尖頭22aの先端を露出させるとともに、陰極先端
部22の表面を被覆するイリジウム(高融点金属)から
なる金属被膜32をさらに備えている。金属被膜32
は、CVD法、スパッタ法などで陰極先端部22の表面
にイリジウムを2000Å程度堆積させた後、陰極先端
部22の尖頭22aの先端に位置する金属被膜32をサ
ンドペーパによる研磨処理、レーザ光によるアブレーシ
ョン処理等によって除去することで容易に得られる。金
属被膜32を備えることで、陰極先端部22の側面から
しみ出した易電子放射物質の蒸散をさらに効果的に防止
することが可能となる。また、リード棒24に接する程
度の広範囲を被覆するように金属被膜32を設けること
で、陰極先端部22からリード棒24への熱伝達効率が
向上し、放電管10の温度上昇を効果的に防止すること
ができる。
【0040】上記実施形態にかかる放電管10において
は、陰極先端部22はタングステン、リード棒24はモ
リブデンによって形成されていたが、その他にレニウ
ム、タンタル等を用いても良い。また、陰極先端部22
を形成する材料とリード棒24を形成する材料とは同じ
ものであっても異なるものであっても良い。
【0041】また、上記実施形態にかかる放電管10に
おいては、易電子放射物質としてバリウムを用いていた
が、その他にもカルシウム、ストロンチウムなどのアル
カリ土類金属の単体若しくはこれらの酸化物を用いても
良い。また、2種以上の上記単体あるいは酸化物を混合
させたものを易電子放射物質として用いてもよい。
【0042】また、上記実施形態にかかる放電管10に
おいては、易電子放射物質を含浸によって含有させた含
浸型の陰極先端部22を用いていたが、これは、タング
ステン等の高融点金属の粉末とバリウム等の易電子放射
物質の粉末とを同時に焼結させた焼結型の陰極先端部を
用いてもよい。
【0043】また、上記実施形態にかかる放電管10に
おいては、リード棒24の凹部24aの内面と陰極先端
部22の挿入部分の側面との間隙にモリブデン−ルテニ
ウムろう材26を充填していたが、これは、リード棒2
4の凹部24aの内面と陰極先端部22の挿入部分の側
面との間隙を塞いで外部と隔絶すれば良く、必ずしも隙
間無く充填されていなくてもよい。
【0044】
【発明の効果】本発明の放電管用電極は、基体部の凹部
の内面と当該凹部に挿入された本体部の側面との間隙を
ろう材で塞いでいることで、易電子放射物質が外部から
当該間隙に進入することが防止されるとともに、本体部
の側面から当該間隙に易電子放射物質がしみ出たとして
も、かかる易電子放射物質が当該間隙から外部に出るこ
とが防止される。よって、放電管の使用時に、周囲温度
が上昇しても、易電子放射物質が蒸発して放電管の壁面
に付着することはない。その結果、放電管の出力光量を
長期間良好に維持することが可能となり、放電管の寿命
を長くすることが可能となる。
【0045】また、本発明の放電管用電極においては、
ろう材が上記間隙に充填されていることで、当該ろう材
を介して本体部と基体部との間の熱伝達効率が向上す
る。その結果、本体部で発生した熱を効果的に基体部に
逃がすことが可能となり、放電管の温度上昇を効果的に
防止することが可能となる。
【0046】さらに、本発明の放電管用電極において
は、ろう材が、本体部の側面のうち凹部から露出した部
分にも設けられていることで、本体部のかかる部分から
しみ出した易電子放射性物質が外部に出ることが防止さ
れる。その結果、放電管の寿命をさらに長くすることが
可能となる。
【0047】また、本発明の放電管は、上記放電管用電
極を用いることで、当該電極の基体部の凹部の内面と当
該凹部に挿入された本体部の側面との間隙に、外部から
易電子放射物質が進入することが防止されるとともに、
本体部の側面から当該間隙に易電子放射物質がしみ出た
としても、かかる易電子放射物質が当該間隙から外部に
出ることが防止される。よって、放電管の使用時に、周
囲温度が上昇しても、易電子放射物質が蒸発して放電管
の壁面に付着することはない。その結果、放電管の出力
光量を長期間良好に維持することが可能となり、放電管
の寿命を長くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】放電管の断面図である。
【図2】電極の断面図である。
【図3】電極の製造工程図である。
【図4】放電管の出力の経時的変化を示すグラフであ
る。
【図5】電極の断面図である。
【符号の説明】
10…放電管、12…ガラスバルブ、14,30…陰
極、16…陽極、18,20…外部端子、22…陰極先
端部、24…リード棒、26…モリブデン−ルテニウム
ろう材、28…バリウム
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/073

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極と陽極とを対向させて放電ガス雰囲
    気中に封入し、前記陰極と前記陽極との間でアーク放電
    を行わせる放電管に用いられる放電管用電極において、 高融点金属に易電子放射物質を含有させて形成され、一
    方の端部に尖頭を有する本体部と、 高融点金属によって形成され、前記本体部の他方の端部
    を挿入する凹部を有する基体部とを備え、 前記基体部の前記凹部の内面と該凹部に挿入された前記
    本体部の側面との間隙をろう材で塞いで外部と隔絶して
    おり、 前記ろう材は、前記本体部の側面のうち前記凹部から露
    出した部分にまで連続して設けられていることを特徴と
    する放電管用電極。
  2. 【請求項2】 前記ろう材は、前記間隙に充填されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の放電管用電極。
  3. 【請求項3】 前記本体部は、多孔質の高融点金属に易
    電子放射物質を含浸させた含浸型金属からなることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の放電管用電
    極。
  4. 【請求項4】 前記ろう材は、前記本体部及び前記基体
    部のいずれの融点よりも低く、かつ、前記本体部に前記
    易電子放射物質を含浸させる含浸温度よりも高い融点を
    有する材料からなることを特徴とする請求項3に記載の
    放電管用電極。
  5. 【請求項5】 前記ろう材は、モリブデン−ルテニウム
    ろう材であることを特徴とする請求項4に記載の放電管
    用電極。
  6. 【請求項6】 前記易電子放射物質は、アルカリ土類金
    属の単体若しくは酸化物を含んで形成されることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の放電管用電
    極。
  7. 【請求項7】 前記本体部の前記尖頭の先端を露出させ
    るとともに、前記本体部の表面を被覆する高融点金属か
    らなる被膜をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の放電管用電極。
  8. 【請求項8】 陰極と陽極とを対向させて放電ガス雰囲
    気中に封入し、前記陰極と前記陽極との間でアーク放電
    を行わせる放電管において、 前記陰極と前記陽極との少なくとも一方は、請求項1〜
    7のいずれか1項に記載された放電管用電極であること
    を特徴とする放電管。
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