JP3361314B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置の作製方法

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JP3361314B2
JP3361314B2 JP2000191506A JP2000191506A JP3361314B2 JP 3361314 B2 JP3361314 B2 JP 3361314B2 JP 2000191506 A JP2000191506 A JP 2000191506A JP 2000191506 A JP2000191506 A JP 2000191506A JP 3361314 B2 JP3361314 B2 JP 3361314B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチンング素
子、集積回路、液晶表示素子等に用いられる薄膜トラン
ジスタ、薄膜ダイオード等の薄膜半導体装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】薄膜半導体装置、例えば薄膜トランジス
タや薄膜ダイオードは、液晶表示装置の駆動回路やイメ
ージセンサの増幅回路の様に、絶縁性の基板上に形成で
きる素子として注目されてきたが、半導体基板上に素子
を形成するモノリシック技術においても、素子の集積度
を上げる目的で薄膜トランジスタを使用し、回路の立体
化を図ることが試みられている。このときに使用される
薄膜半導体としては、ポリシリコン等の多結晶材料、ア
モルファスシリコンのような非晶質材料、あるいは両者
の中間に位置し、多結晶としての特性と非晶質としての
特性とを兼ね備えたセミアモルファスシリコンのような
セミアモルファス半導体が使用されている。
【0003】しかしながら、これらの薄膜半導体のキャ
リヤの移動度が単結晶のものに比べて数分の1から数1
0分の1と著しく小さいため、これらの材料を使用した
薄膜半導体装置の動作速度は著しく小さいものであっ
た。例えば、アモルファスシリコンでは、電子移動度が
1cm2 /Vs以下であり、一般的なポリシリコンでは
電子移動度が10〜30cm2 /Vsであった。また、
レーザーアニールのごとき、特殊な作製方法によるもの
であっても、200cm2 /Vsが限度であり、これ
は、単結晶珪素の電子移動度1350cm2 /Vsに比
べると著しく小さい。したがって、薄膜半導体装置は比
較的周波数の低い用途や単結晶半導体の補助的な用途、
例えばスタティックRAMにおける負荷抵抗素子、とし
て使用されるのみであった。
【0004】薄膜半導体のキャリヤ移動度が低い原因と
しては、例えば、非晶質材料においては結晶の周期性が
短いためキャリヤの散乱が起こりやすく、よってキャリ
ヤの平均自由工程が短いためと考えられる。また、多結
晶材料においては、結晶粒界で異元素の濃度が高くな
り、結晶粒界に障壁が生じ、よって結晶粒界においてキ
ャリヤが無秩序に散乱されるためと考えられる。したが
って、1つ1つの結晶の大きさを大きくすることによっ
て単位長さあたりの粒界の数を減らし、移動度を大きく
することが試みられている。セミアモルファス材料は全
体としては多結晶材料のように周期性の長い部分が大部
分であり、そして、明確な結晶粒界が存在しないため、
粒界におけるキャリヤの散乱は抑えられ、比較的大きな
キャリヤ移動度を示す。しかし、大きな粒径の結晶(長
距離秩序の保たれた領域)を有するセミアモルファス材
料は得ることが難しい。また、大きな粒径のポリシリコ
ンを得ることは簡単であるが、素子の大きさと粒径が同
じ程度であると、素子の特性のばらつきが大きくなり、
実用的ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する問題点は、薄膜半導体のキャリヤ移動度を向上せし
めるとともに、薄膜半導体素子に使用するのに適した半
導体材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】本発明人らは、レーザ
ーアニールによって大きな移動度の材料が得られる原因
について考察を進めていた。すなわち、結晶の大きさが
いづれも同じ、数〜10μm程度であるにも関わらず、
通常の電気炉での熱アニールによる場合では、得られる
電子移動度は30cm2 /Vsであるのに対し、レーザ
ーアニールをおこなったものは200cm2 /Vsであ
った。この原因の1つとしては熱アニールでは、十分長
時間かけてアニールをおこなうため、結晶粒界に異元素
が多く析出するのに対し、レーザーアニール、特にパル
スレーザーを利用するレーザーアニールでは異元素が粒
界へ移動するだけの時間がなく、粒界での障壁の形成が
不完全であることが考えられた。
【0007】それに加えて、レーザーアニールではレー
ザー照射時に生じたストレスがそのまま保存され、粒界
に何らかの影響を与えていることが考えられた。すなわ
ち、レーザーアニールによって、粒界の接合が密接なも
のとなり、粒界の障壁の幅が小さくなるものと考えた。
【0008】そして、その仮説を立証するために、図1
に示されるような実験をおこなった。すなわち、半導体
基板101上に熱によって収縮する絶縁性の材料の被
膜、例えば、リンガラス、ボロンガラス、リン・ボロン
ガラス、ANガラス、石英ガラスの材料となる被膜を、
プラズマCVD法やスパッタ法によって形成し、その上
にさらに、薄膜半導体材料の被膜、例えば、ポリシリコ
ンやアモルファスシリコン、セミアモルファスシリコン
の被膜をプラズマCVD法やスパッタ法によって形成し
た。ここで、熱収縮ということは熱膨張ということとは
別であるということに注意するべきである。後者は、熱
サイクルにおいて可逆性を有するのに対し、前者は熱サ
イクルにおける可逆性を有しない。すなわち、非可逆的
な現象である。したがって、上記の積層工程において
は、熱収縮性被膜が収縮しない十分低い温度に維持する
ことが重要である。
【0009】そして、半導体被膜と絶縁性被膜とをパタ
ーニングして図1(B)の状態を得た。その後、これら
を適切な温度で加熱することによって絶縁性被膜を収縮
せしめ、よって、その上の半導体被膜をも収縮せしめ
た。この温度は、下地の絶縁材料によって決定される
が、石英の場合には600度Cぐらいが最適であり、ま
た、この温度においてアモルファスシリコン膜は結晶化
する。この状態で、例えば24時間維持した。
【0010】その後、アニールによる結晶の乱れを中和
する目的で、200〜400度Cで水素気流中で熱アニ
ールをおこない、アニールによってできたポリシリコン
に水素添加をおこなった。そして、この半導体を用いて
MOS構造の素子を作製し、電子移動度を測定したとこ
ろ、40〜60cm2 /Vsの移動度が得られた。この
値は下地が特に熱収縮をおこさない材料上に形成された
場合に比べて、30〜100%も大きな値であった。
【0011】この実験自体がレーザーアニールによって
高い移動度が得られることの直接の証明とはならない
が、下地に特殊な材料を用いることによって上部の半導
体被膜にストレスを加え、移動度を向上せしめることが
可能であることが偶然にも見出されたのである。この実
験をもとに本発明人らは研究を続け、以下の発明に到っ
たのである。
【0012】基板として用いる材料は半導体でもガラス
材料のような絶縁体でも良い。また、一見矛盾するよう
であるが、後の工程で形成される熱収縮性の絶縁膜が十
分厚い場合には基板の影響は全く無視されうる。したが
って、このような場合には、特に基板はなんであっても
構わない。そして、これらの基板の上に熱収縮性の絶縁
材料、例えば、リンガラス、ボロンガラス、リン・ボロ
ンガラス、ANガラス、石英ガラスの材料となるもの
を、光CVD法や、プラズマCVD法、スパッタ法によ
って堆積する。その際には最初に酸化珪素被膜を形成し
たのち、イオン注入法等の方法によって、リンやボロン
を1014〜1018cm-2、好ましくは10 16〜5×10
17cm-2の密度で注入したものを用いてもよい。これら
のガラス材料に水素が10〜30原子%含まれている場
合には、比較的熱収縮が大きいことがわかった。また、
これらの絶縁層の厚さとしては、50〜1000nmが
適していた。この厚さは上に堆積される半導体被膜の厚
さや、素子の大きさによって決定される。しかしなが
ら、極めて薄い場合には熱収縮の際に基板から剥がれて
しまったり、あるいは基板の影響が大きすぎて収縮しな
かったりする。少なくとも50nmの厚さは必要であ
る。
【0013】その後、その上に半導体材料、例えば、ア
モルファスシリコンやポリシリコン、あるいはセミアモ
ルファスシリコンの被膜を10〜500nm形成する。
これらの半導体被膜は水素を含んでいてもいなくても構
わない。また、例えば、アモルファスシリコン被膜を低
温にて形成した後、レーザーアニールによって被膜をポ
リシリコン化してもよい。なぜならば、レーザーアニー
ルでは半導体被膜の表面近傍のみが加熱され、大部分の
絶縁性被膜には熱的な影響がないからであり、特にレー
ザー光として可視光を使用した場合には、シリコン等の
半導体層ではレーザー光が吸収されるのに対し、絶縁性
層は可視光に対し透明であるので熱的な作用は極めて小
さい。いづれにせよ半導体被膜の形成にあたっては、下
地の絶縁性層の被膜が熱収縮しない温度でおこなう必要
がある。
【0014】ついで、この半導体被膜と絶縁性被膜とを
パターニングする。パターニングは図2(A)のように
絶縁性被膜を全部除去してしまっても、あるいは同図
(B)のように、ある深さまで除去してもよいが、いづ
れの場合にも、パターニングによって分離する領域の幅
Lと半導体被膜と絶縁性被膜との界面から形成された溝
の底までの深さTの選択が重要であることがわかった。
本発明人らは、L/T<1000、好ましくはL/T<
100であることが必要であることを見出した。このこ
とは、Lが熱収縮する絶縁層の厚さに比べて著しく大き
な場合には熱収縮は、横方向ではなく、縦方向に進行す
るためである。その場合には上に形成された半導体被膜
にはほとんど影響が及ばない。
【0015】その後、加熱工程によって該絶縁性被膜を
収縮せしめる。このときの温度としては、酸化珪素の場
合には600〜1000度Cが適しているが、この工程
で同時に半導体被膜も結晶化が起こる。特に高温でアニ
ールすると結晶核が多く発生して結晶の大きさが小さく
なる。そのことを避けるために、最初に500〜700
度C、好ましくは550〜600度Cで12〜70時
間、例えば580度Cで36時間アニールして、アモル
ファスシリコン等のシリコン系材料の結晶化をおこな
い、ついで700〜1000度C、好ましくは750〜
800度Cで12〜70時間、例えば780度Cで24
時間アニールして、絶縁層の収縮をおこなってもよい。
また、これらの熱アニールの雰囲気はアルゴン等の非酸
化性雰囲気や水素等の還元性雰囲気が適していたが、1
-2torr以下の真空中でアニールをおこなうと、特
に絶縁性被膜に水素を多く含んだ材料を用いた場合に顕
著に収縮がおこった。これは、絶縁性被膜中の水素が水
となって外部へ出ていったためと考えられる。このアニ
ールの温度を上げれば熱収縮はより顕著に起こるが、温
度が高すぎると絶縁性材料が溶融する、あるいはガラス
状になって流動性を示すため適切でない。特にリンガラ
ス、ボロンガラアス、リンボロンガラスを用いる場合に
は、ガラス化温度が低いので注意が必要である。
【0016】図3には本発明を達成するための別の方法
を示した。まず最初に絶縁体もしくは半導体基板上に熱
収縮性絶縁被膜を形成し、それをパターニングして、図
3(A)を得る。さらにその上に半導体被膜を形成して
図3(B)を得る。そして、熱アニールによって絶縁性
被膜を熱収縮させる。この場合には、図1および図2に
示される場合と異なり、半導体被膜が切断されることが
なく、また基板に半導体被膜が直接接触するので、半導
体被膜の一部を配線として使用する場合、あるいは半導
体基板等の基板と半導体被膜がコンタクトを取る必要が
ある場合には効果的である。
【0017】図4には、図2および図3で示される本発
明を得るための工程を両方とも含んだ製造方法を示す。
まず、基板401上に熱収縮性を有する絶縁材料402
AおよびBを選択的に形成し、その上に半導体被膜40
3を形成する。そして、公知のドライエッチング等のパ
ターニング技術を用いて被膜403および402A、B
をエッチングし、図4(B)を得る。その後、熱アニー
ルによって絶縁性被膜402a〜dを収縮せしめるとと
もに、その上の半導体被膜403a〜dにストレスを及
ぼし、よって高い移動度を示させる。
【0018】図4(C)には、この方法によって作製さ
れた素子の例を示す。これは相補型MOS(CMOS)
といわれる素子を薄膜トランジスタを用いて形成したも
のであり、単結晶半導体基板411上にp型の不純物領
域412a〜cが形成され、半導体ゲイト電極413
a、bが設けられている。半導体ゲイトはリンを含むn
型半導体を用いるのが一般的である。そして、その上に
熱収縮した絶縁被膜414a、bがあり、さらにその上
にn型の半導体領域を有する半導体被膜を形成する。n
型半導体領域のうち、415b、cは基板上に設けられ
たn型の半導体領域に接している。このように412b
と415b、あるいは412cと413cの界面はPN
接合となるが、どちらも十分にドーピングされ、縮退半
導体となっている場合には整流作用はほとんどない。こ
の半導体領域の上には半導体ゲイト416a、bが設け
られている。さらに、層間絶縁膜417a〜eが形成さ
れ、穴開け工程の後に金属電極が、例えばアルミニウ
ム、アルミニウムーシリコン合金、タングステン、モリ
ブテン、あるいはそれらの珪素との合金等の材料によっ
て形成されている。
【0019】このように、薄膜半導体領域を半導体基板
に接触させることは電極形成を容易にする。図4(d)
は図4(c)の素子の左側の素子の回路図を示す。この
ような多層構造を有する場合には、電極形成のためには
深い穴を形成しなければならないし、その深い穴を通し
て確実なコンタクトをとるためには穴の面積は図4
(C)の418aおよびfのように面積を十分大きくす
る必要がある。なぜならば穴が深い場合には、電極用の
被膜を形成する際に穴の側面に電極材料が付着し、穴の
奥まで被膜が形成されることなく穴がふさがってしまう
ことがよくあるからである。この場合にはコンタクトが
確実にとれない。しかしながら、例えば418bの電極
は比較的穴が浅いため、電極形成部の面積を小さくでき
る。
【0020】多層構造半導体素子においては半導体基板
までコンタクト穴を形成して、最上層もしくはそれに近
い層の配線とコンタクトをとることは望ましくない。し
たがって、図4C)の場合にも、実際には、電極418
a、fを設けるかわりに、不純物領域412a、dが、
そのまま配線も兼ねるように設計することにより、該不
純物領域へのコンタクトは不要となり、素子の面積を図
4(C)に示すものより十分小さくできる。
【0021】
【実施例】〔実施例1〕抵抗率103 Ωcmのp型の単
結晶珪素基板501上に従来の集積回路製造技術を利用
して図5(A)に示すようなnチャネル型MOSFET
を作製した。すなわち、502a〜cは、いわゆるLO
COS技術、あるいはその他の同様な技術によって形成
された厚い酸化膜からなる素子分離領域(フィールド絶
縁物ともいう)であり、503aおよびbは、厚さ10
nmのゲイト絶縁膜504aおよびb上に形成された、
厚さ200nmのゲイト電極であり、リンを1021cm
-3程度ドープされたn型の珪素である。これらのゲイト
電極は図5(B’)に示すようにL字型をしている。さ
らに、505a〜dは、フィールド絶縁物およびゲイト
電極をマスクとして、自己整合的に(セルフアライン的
に)形成された不純物領域であり、不純物としてリンお
よび砒素をそれぞれ、3×10 20cm-3、1×1020
-3含んでいる。さらに、図5(B’)に示すように、
不純物領域505aおよびdは半導体基板上に形成され
た他の素子、および電源と電気的につながっている。ゲ
イト電極の幅は1μmであった。また、ソース・ドレイ
ン方向の不純物領域の長さは約5μmであり、チャネル
幅は3μmであった。
【0022】ついで、グロー放電プラズマCVD法によ
って、酸化珪素被膜を厚さ500nm堆積した。このと
きの作製方法を簡単に説明する。原料ガスとして、モノ
シランガス(SiH4 )と水素ガスを用い、高周波(1
3.56MHz)放電によって、モノシランを分解し
た。反応時のチャンバー内の圧力は0.1torrであ
った。また、基板温度は室温、あるいは液体窒素で冷却
した。このようにして得られた酸化珪素膜に含有されて
いる水素の量は様々な測定から約30原子%であること
が明らかになった。そして、酸化珪素膜を公知のドライ
エッチング技術によってエッチングし、酸化珪素領域5
06aおよびbを形成した。原料ガスとしてはモノシラ
ン以外にもジシランガス(Si26 )も使用できる。
【0023】ついで、スパッタ法によって、厚さ200
nmのアモルファス珪素膜507をその上に形成した。
基板温度は室温、スパッタターゲットは、純度99.9
9999%以上のシリコンターゲットであった。スパッ
タ時の雰囲気はアルゴン100%で、0.2torrで
あった。スパッタに使用した電力は13.56MHzの
高周波200Wであった。こうして図5(B)および
(B’)を得た。
【0024】そして、公知のエッチング技術によって珪
素被膜507と酸化珪素被膜506aおよびbを選択的
に除去した。このエッチングによって得られた素子を上
から見たものが図6(A’)である。珪素被膜が下の基
板もしくはゲイト電極と接してコンタクトを形成してい
る部分は図中の斜線部である。このとき、酸化珪素膜は
200nmはそのまま残した。その後、基板を、10-5
torrの真空中で600度Cに加熱し、その状態を7
0時間保持した。さらに、その状態で温度を2時間かけ
て800度Cまで上昇させ、その状態を3時間保持し
た。この工程によって、アモルファス珪素の結晶化と絶
縁膜の熱収縮を引き起こす。
【0025】その後、珪素被膜507の表面を乾燥した
高温の酸素雰囲気にさらして、厚さ約10nmの熱酸化
膜を形成した。この酸化膜は後にゲイト絶縁膜として使
用される。この酸化膜のうち、図6(A’)の507b
およびdの上に形成されたものは除去して下地の珪素被
膜を露出せしめる。さらに、シランの熱分解法によっ
て、その上に多結晶珪素被膜を形成した。多結晶珪素に
はリンを1020〜1021cm-3程度添加して良導電性と
した。そして、これを選択的に除去して、ゲイト電極5
08aおよびbを形成した。このゲイト電極は507b
およびdにおいて、珪素被膜507bおよびdと接し、
よって下に存在するゲイト電極503aおよびbと接す
ることとなる。
【0026】さらに、イオン注入法によって、ホウソイ
オンを1014〜1015cm-2注入した。そして、真空中
で1000度で30分アニールして、イオン注入によっ
て生じたアモルファス領域を再結晶化せしめて、p型の
不純物領域509a〜dを得た。さらに、リン・ボロン
ガラスを表面に形成し、リフロー技術を用いて表面の平
坦化をおこない、層間絶縁膜510とした。そして、電
極形成用穴を設けてアルミニウム電極511a〜dを形
成した。以上の工程を経て、図6(B)に示すように多
層構造の薄膜トランジスタを用いたCMOSが作製され
た。このようにして得られた薄膜トランジスタ(Pチャ
ネル型)のホール移動度は50〜100cm2 /Vsで
あり、従来のものに比べて約2倍の特性の向上が見られ
た。
【0027】〔実施例2〕抵抗率10Ωcmのp型の単
結晶珪素基板501上に従来の集積回路製造技術を利用
して図5(A)に示すようなnチャネル型MOSFET
を作製した。素子の細部の大きさは実施例1の場合と同
じであった。ついで、グロー放電プラズマCVD法によ
って、酸化珪素被膜を厚さ500nm堆積した。このと
きの作製方法は実施例1の場合とほぼ同じであったが原
料ガス中に1000ppm〜20%のフォスフィン(P
3 )を混入した。したがって、得られた膜にはリンが
含まれていた。また、酸化珪素膜に含有されている水素
の量は実施例1と同じく30原子%であった。このリン
を含む酸化珪素膜を公知のドライエッチング技術によっ
てエッチングし、酸化珪素領域506aおよびbを形成
した。ついで、スパッタ法によって、厚さ200nmの
アモルファス珪素膜507をその上に形成した。成膜条
件は実施例1とおなじであった。こうして図5(B)お
よび(B’)を得た。
【0028】そして、公知のエッチング技術によって珪
素被膜507と酸化珪素被膜506aおよびbを選択的
に除去した。このエッチングによって得られた素子を上
から見たものが図6(A’)である。珪素被膜が下の基
板もしくはゲイト電極と接している部分は図中の斜線部
である。このとき、酸化珪素膜は20nmはそのまま残
した。その後、基板を、10-6torrの真空中にお
き、エキシマーレーザー光(KrFレーザー、波長24
8nm、パルス幅30nsec:200mJ/パルス、
50ショット)を照射した。この工程によって、アモル
ファス珪素被膜は結晶化した。その後、やはり真空中で
700度Cで12時間保持した。この工程によって、絶
縁膜が熱収縮を引き起こす。更に、水素雰囲気中で基板
を200〜600度Cに3時間保持して水素パッシベー
ションをおこない、珪素の電気特性を向上させた。
【0029】その後、珪素被膜507の表面を乾燥した
高温の酸素雰囲気にさらして、厚さ約10nmの熱酸化
膜を形成した。この酸化膜は後にゲイト絶縁膜として使
用される。この酸化膜のうち、図6(A’)の507b
およびdの上に形成されたものは除去して下地の珪素被
膜を露出せしめる。さらに、シランの熱分解法によっ
て、その上に厚さ300nmの多結晶珪素被膜を形成し
た。多結晶珪素にはリンを1020〜1021cm-3程度添
加して良導電性とした。そして、これを選択的に除去し
て、ゲイト電極508aおよびbを形成した。このゲイ
ト電極は507bおよびdにおいて、珪素被膜507b
およびdと接し、よって下に存在するゲイト電極503
aおよびbと接することとなる。
【0030】さらに、イオン注入法によって、ホウソイ
オンを1014〜1015cm-2注入した。そして、真空中
で1000度で30分アニールして、イオン注入によっ
て生じたアモルファス領域を再結晶化せしめて、p型の
不純物領域509a〜dを得た。さらに、リン・ボロン
ガラスを表面に形成し、リフロー技術を用いて表面の平
坦化をおこない、層間絶縁膜510とした。そして、電
極形成用穴を設けてアルミニウム電極511a〜dを形
成した。以上の工程を経て、図6(B)に示されるよう
な多層構造の薄膜トランジスタを用いたCMOSが作製
された。このようにして得られた薄膜トランジスタ(P
チャネル型)のホール移動度は150〜200cm2
Vsであり、従来のものに比べて2倍以上の特性の向上
が見られた。
【0031】〔実施例3〕抵抗率10Ωcmのp型の単
結晶珪素基板501上に従来の集積回路製造技術を利用
して図5(A)に示すようなnチャネル型MOSFET
を作製した。素子の細部の大きさは実施例1の場合と同
じであった。ついで、グロー放電プラズマCVD法によ
って、酸化珪素被膜を厚さ500nm堆積した。このと
きの作製方法は実施例1の場合とほぼ同じであったが原
料ガス中に1000ppm〜20%のフォスフィンを混
入した。したがって、得られた膜にはリンが含まれてい
た。また、酸化珪素膜に含有されている水素の量は実施
例1と同じく30原子%であった。このリンを含む酸化
珪素膜を公知のドライエッチング技術によってエッチン
グし、酸化珪素領域506aおよびbを形成した。つい
で、スパッタ法によって、厚さ200nmのアモルファ
ス珪素膜507をその上に形成した。成膜条件は実施例
1とおなじであった。こうして図5(B)および
(B’)を得た。
【0032】そして、公知のエッチング技術によって珪
素被膜507と酸化珪素被膜506aおよびbを選択的
に除去した。このエッチングによって得られた素子を上
から見たものが図6(A’)である。珪素被膜が下の基
板もしくはゲイト電極と接している部分は図中の斜線部
である。このとき、酸化珪素膜は20nmはそのまま残
した。その後、基板を、10-6torrの真空中にお
き、エキシマーレーザー光(KrFレーザー、波長24
8nm、パルス幅30nsec、100mJ/パルス、
50ショット)を照射した。この工程によって、アモル
ファス珪素被膜はセミアモルファス化した。セミアモル
ファス状態であることはラマン分光法によって判別され
た。その後、やはり真空中で600度Cで72時間保持
した。この工程によって、絶縁膜が熱収縮を引き起こし
た。さらに、基板を200〜400度C、例えば300
度Cで30分、水素雰囲気、例えば、水素20%、アル
ゴン80%の混合気体(1気圧)中に保持して、水素パ
ッシベーションをおこない、セミアモルファスシリコン
の電気特性を向上させた。
【0033】その後、珪素被膜507上にグロー放電法
によって厚さ約100nmの酸化珪素膜を形成した。こ
の酸化膜は後にゲイト絶縁膜として使用される。この酸
化膜のうち、図6(A’)の507bおよびdの上に形
成されたものは除去して下地の珪素被膜を露出せしめ
る。さらに、シランの熱分解法によって、その上に厚さ
300nmの多結晶珪素被膜を形成した。多結晶珪素に
はリンを1020〜1021cm-3程度添加して良導電性と
した。そして、これを選択的に除去して、ゲイト電極5
08aおよびbを形成した。このゲイト電極は507b
およびdにおいて、珪素被膜507bおよびdと接し、
よって下に存在するゲイト電極503aおよびbと接す
ることとなる。
【0034】さらに、イオン注入法によって、ホウソイ
オンを1014〜1015cm-2注入した。そして、真空中
で600度で30時間分アニールして、イオン注入によ
って生じたアモルファス領域を再結晶化せしめて、p型
の不純物領域509a〜dを得た。さらに、リン・ボロ
ンガラスを表面に形成し、リフロー技術を用いて表面の
平坦化をおこない、層間絶縁膜510とした。そして、
電極形成用穴を設けてアルミニウム電極511a〜dを
形成した。以上の工程を経て、図6(B)に示すような
薄膜トランジスタを用いたCMOSが作製された。この
ようにして得られた薄膜トランジスタ(Pチャネル型)
のホール移動度は130〜150cm2/Vsであり、
従来のものに比べて2倍以上の特性の向上が見られた。
また、各素子による移動度のばらつきも小さかった。
【0035】
【発明の効果】本発明によって薄膜半導体のキャリヤ移
動度を向上せしめることが可能となった。その向上の度
合いは、大体、20〜100%であったが、場合によっ
ては3倍以上の向上も見られた。本実施例では電子移動
度については特に述べなかったが、全く同様な工程を経
て作製することによって、移動度の向上が見られた。本
実施例では主として、半導体材料として珪素を用いて説
明したが、ゲルマニウムであっても、また、珪素ゲルマ
ニウム合金のごとき化合物半導体であっても同じ現象が
確認された。
【0036】本実施例では、基板として半導体基板を用
いたもののみを示したが、絶縁性基板を用いてもよいこ
とは本文中に示した通りである。また、本実施例では半
導体基板上に第1層のトランジスタ、その上に第2層の
薄膜トランジスタという2層構造の素子のみを示した
が、例えば、半導体基板上に第1層のトランジスタ、そ
の上に本発明によって第1の薄膜トランジスタを形成
し、これを第2層のトランジスタとし、、この薄膜トラ
ンジスタ等を基板としてその上に熱収縮性の材料を形成
し、その上に第2の薄膜トランジスタを形成して、これ
を第3層のトランジスタという3層構造をとることも可
能であり、さらに、絶縁基板上に第1の薄膜トランジス
タとその上に第2の薄膜トランジスタを形成して、絶縁
基板上の2層構造素子を構成することも可能である。前
者は半導体集積回路における集積密度を上げる目的で、
また、後者は、例えば、液晶表示素子において、半導体
素子領域を減らして透光性領域を増やす目的で採用され
うる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜半導体材料の作製方法の例を示
す。
【図2】本発明の薄膜半導体材料の作製方法の例を示
す。
【図3】本発明の薄膜半導体材料の作製方法の例を示
す。
【図4】本発明の薄膜半導体材料の作製方法の例と本発
明の半導体材料を利用した素子の例を示す。
【図5】本発明の薄膜半導体材料の作製方法の例を示
す。
【図6】本発明の薄膜半導体材料の作製方法の例を示
す。
【符号の説明】
101・・・基板 102・・・熱収縮性を有する絶縁性被膜 103・・・半導体被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 H01L 21/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に気相反応を用いてリン又はボロ
    ンを含み、且つ10〜30原子%の水素を含有する絶縁
    性被膜を形成し、 前記絶縁性被膜を島状に形成し、 前記絶縁性被膜上に半導体膜を形成し、 真空中にて600℃〜1000℃で加熱して前記絶縁性
    被膜を収縮させることを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  2. 【請求項2】 基板上に気相反応を用いてリン又はボロ
    ンを含み、且つ10〜30原子%の水素を含有する絶縁
    性被膜を形成し、 前記絶縁性被膜に溝を形成し、 前記絶縁性被膜上に半導体膜を形成し、 真空中にて600℃〜1000℃で加熱して前記絶縁性
    被膜を収縮させることを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
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