JP3361171B2 - ボルト軸力の測定装置及び測定方法 - Google Patents

ボルト軸力の測定装置及び測定方法

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JP3361171B2 JP02141294A JP2141294A JP3361171B2 JP 3361171 B2 JP3361171 B2 JP 3361171B2 JP 02141294 A JP02141294 A JP 02141294A JP 2141294 A JP2141294 A JP 2141294A JP 3361171 B2 JP3361171 B2 JP 3361171B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボルト軸力を締結状態
のまま測定することができるボルト軸力の測定装置及び
測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械や装置は、ボルト結合によって組み
立てられている場合が多い。従って、ボルトがゆるんだ
り破損したりすると、重大な事故を引き起こす恐れがあ
る。ボルト結合部の信頼性を確保するためには、締結状
態下のボルト軸力を正確に把握し、強度的に安全なボル
ト結合体を設計することが重要である。
【0003】ボルト軸力測定法としては、歪ゲージ法、
トルクレンチ法等が一般に知られている。
【0004】また、締結されていないボルトに対するボ
ルト軸力とボルト締付け長さ部分の往復伝搬時間変化率
との関係は、例えば、「超音波によるボルト軸力の簡易
測定法」(水口義久ら,日本機械学会第68期通常総会
講演論文集(Vol.A),No.910−17,(1
991),pp.228−230.)に記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】歪ゲージ法によってボ
ルト軸力を測定するには、ボルトに歪ゲージをはって歪
を計測しなければならず、歪ゲージがなければ軸力を測
定できない。また、トルクレンチ法によってボルト軸力
を測定するには、ボルトまたはナットを回転させた時の
トルクの大きさから求めるため、ボルトまたはナットを
回転させずに締結状態下のボルト軸力を知ることはでき
なかった。
【0006】また、上記「超音波によるボルト軸力の簡
易測定法」によれば、締結されていないボルトに対する
ボルト軸力とボルト締付け長さ部分の往復伝搬時間変化
率との関係は、ボルトとナットの座面部を利用して引張
り荷重を作用させて知ることができるが、締結状態下の
ボルト軸力はボルトまたはナットを回転させなければ測
定できなかった。
【0007】そこで、本発明の目的は、締結状態下のボ
ルト軸力を、ボルトまたはナットを回転させることなく
測定することができる測定装置及び測定方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のボルト軸力の測定装置は、機械や装置に締
結された状態のボルト軸端のねじ部、またはボルト頭部
とナットの座面段付き部、または横側面段付き部に種々
の大きさの引張り荷重を与える引張り手段と、引張り手
段の引張り荷重を測定する荷重測定手段と、ボルトの一
端から超音波を入射させる超音波入射手段と、ボルトの
他端で反射した超音波を検出する超音波検出手段と、ボ
ルトの音速を設定後、ボルト内を超音波が往復する時間
である往復伝搬時間を測定する往復伝搬時間測定手段
と、引張り荷重がゼロの状態の往復伝搬時間である締結
状態下のボルト内の往復伝搬時間を計測し、種々の大き
さの引張り荷重を加えている状態における往復伝搬時間
の引張り荷重がゼロの状態の締結状態下のボルト内の往
復伝搬時間に対する変化量を算出し、引張り荷重がゼロ
の状態の締結状態下のボルト締付け長さ部分の往復伝搬
時間に対する前記変化量の比を算出し、ボルトの引張り
荷重に対する前記比またはボルト内の往復伝搬時間の変
化量をプロットしたときの傾きを求め、その傾きが変化
するときの引張り荷重からボルト軸部に追加される引張
り内力を減じた荷重を求めて、締結状態におけるボルト
の軸力とするボルト軸力算出手段とを備えている。
【0009】また、本発明のボルト軸力の測定方法は、
ボルトの音速を設定後、機械や装置に締結された状態の
ボルトの一端から入射されボルトの他端で反射する超音
波が、引張り荷重を受けていない状態のボルト内を往復
する時間である締結状態下のボルト内の往復伝搬時間を
測定するステップと、ボルトに種々の大きさの引張り荷
重を加え、この状態のボルト内を超音波が往復する時間
である往復伝搬時間を測定し、引張り荷重がゼロの状態
の締結状態下の往復伝搬時間からの変化量を算出するス
テップと、引張り荷重がゼロの状態の締結状態下のボル
ト締付け長さ部分の往復伝搬時間に対する前記変化量の
比を算出するステップと、ボルトの引張り荷重に対する
前記比またはボルト内の往復伝搬時間の変化量をプロッ
トしたときの傾きを求め、その傾きが変化するときの引
張り荷重からボルトに追加される引張り内力を減じた荷
重を求めて、締結状態におけるボルトの軸力とするステ
ップとを備えている。
【0010】
【作用】ボルト軸端のねじ部、またはボルト頭部とナッ
トの座面段付き部、または横側面段付き部を引張り装置
で引張りながら、ボルトの音速に設定後、ボルト内の超
音波の往復伝搬時間の変化量を計数器や時間/電圧変換
器などにより計測する。引張り荷重がボルトやナットの
座面部分と被締結体とに分離を生ずる力(最初に締結し
たボルト軸力+ボルトに追加される引張り内力)以下の
場合、往復伝搬時間の変化量はボルトのばね定数と被締
結体のばね定数によって決まるボルトに追加される引張
り内力による、ボルト締付け長さ部分で生ずる伸びの変
化率と音速の変化率を加えた値となる。引張り荷重がボ
ルトやナットの座面部分と被締結体とに分離を生ずる力
(最初に締結したボルト軸力+ボルトに追加される引張
り内力)以上になる場合、往復伝搬時間の変化量はボル
トのばね定数のみによって決まるボルトの引張り荷重に
よる、ボルト長さの部分で発生する伸びの変化率と音速
の変化率を加えた値となる。従って、最初に締結したボ
ルト軸力の大きさは、得られた引張り荷重とボルト締付
け長さ部分の往復伝搬時間変化率またはボルト内の往復
伝搬時間の変化量との測定曲線の傾きが変化する位置の
荷重からボルトに追加される引張り内力を減じた荷重で
与えられる。
【0011】
【実施例】以下、添付図面に沿って本発明の実施例につ
いて説明する。なお、図面において同一または相当部分
には同一符号を用いる。
【0012】まず、本発明の基礎となる測定原理につい
て説明する。図1(a)に示すような長さLt のボルト
2の軸力Wを知るためには、まずボルト2の頭部に取り
付けられた超音波探触子50から超音波を軸方向に入射
させる。そして、ボルト2の無負荷状態とボルト軸部に
引張り荷重を作用させた状態における超音波の往復伝搬
時間の変化量を測定する必要がある。このような超音波
式の長さ測定装置として超音波探傷器を用いることがで
きる。図1(b)は超音波探傷器のブラウン管上に表示
されるエコー波形であり、入射波102と底面エコー1
04とが示されている。
【0013】ここで、無負荷時における超音波の往復伝
搬時間をT1 、ボルト2内の音速をcとし、ボルト2の
軸部に引張り荷重を作用させた時の往復伝搬時間を
2 、ボルトの長さLt部分の伸び量をΔLt 、音速の
変化量をΔcとする。
【0014】この場合、ΔLt 及びΔcはそれぞれLt
とcに対して非常に小さいため、負荷時と無負荷におけ
る往復伝搬時間の変化量ΔT(=T2 −T1 )は、ボル
ト締付け長さLf 部分の無負荷時における往復伝搬時間
Tに対して十分小さい。従って、Lf 部分における往復
伝搬時間の変化率ΔT/Tは近似的に次式で表される。
【0015】
【数1】
【0016】ただし、ΔT、ΔLt >0、Δc<0であ
る。
【0017】この式において、伸びの変化率ΔLt /L
f 及び音速の変化率Δc/cは、ボルト2の弾性限度内
ではボルト2の軸応力σに比例する。従って、ボルト締
付け長さLf 部分における往復伝搬時間の変化率ΔT/
Tは軸応力σに比例し、伸びの変化率ΔLt /Lf と音
速の変化率−Δc/cとを加えた値となる。なお、ボル
ト2の伸びΔLt は、長さLt のうち、ボルト頭部やナ
ット結合されているねじ部の一部でわずかに生じている
が、締付け長さLf の部分でほとんど生じているとみな
している。従って、ΔT/Tとボルト軸応力σの関係は
近似的に次式で表される。
【0018】
【数2】
【0019】ここで、kは比例定数である。また、軸応
力σはボルト軸力Wをボルトの円筒部長さLf1(軸径d
1 )と有効ねじ部長さLf2(谷径d2 )における平均断
面積で除した値で近似的に与えられ次式で表される。
【0020】
【数3】
【0021】本発明では、上述の性質を利用し、図3〜
6のようなボルト締結体において、最初に被締結体をF
なる引張り力すなわちボルト軸力で締結した後、このボ
ルト締結体に外力として引張り荷重Wを作用させた時、
ボルト軸部にFt なる引張り内力が追加され、被締結体
からFc なる圧縮力が失われる。なお、ボルトのバネ定
数をkt 、被締結体のばね定数をkc とする。このと
き、Ft とFc は次式で与えられる。
【0022】
【数4】
【0023】ここで、ΦはFt とWとの比で与えられ、
ボルト内力係数と呼ばれる。
【0024】図7はボルト締結体に作用する引張り荷重
Wと最初のボルト軸力F、引張り内力Ft および圧縮力
c に関する式( 4) の関係を表したものである。Wが
大きくなり、Wo になると、ボルトと被締結体とが分離
し、WがW0 の荷重より大きくなると、ボルトのばね定
数kt のみがボルトの引張り荷重に関係するようにな
る。ボルト軸端のねじ部2a、ボルト頭部8a、12a
またはナット10に引張り装置(後述の図8、9を参
照)を取り付けて引張り荷重を加えながら、ボルトの音
速に設定後、ボルト頭部に取り付けた超音波探触子から
超音波を入射させ、ボルトの頭部からボルトの底面まで
超音波が伝搬する往復時間の変化量を計数器または時間
/電圧変換機能などを用いて計測し、引張り荷重とボル
ト締付け長さLf 部分における往復伝搬時間変化率また
はボルト内の往復伝搬時間の変化量との測定曲線の傾き
が変化する位置を決め、その時の引張り荷重W0 の大き
さからボルトに追加される引張り内力Ftoを減じた荷重
の大きさを締結状態下のボルト軸力として求めるもので
ある。
【0025】ここで、引張り荷重WがW0 の荷重以下の
場合、往復伝搬時間の変化量はボルトのばね定数kt
被締結体のばね定数kc によって決まるボルトに追加さ
れる引張り内力Ft によるボルト締付け長さLf の部分
で生ずる伸びの変化率と音速の変化率を加えた値とな
る。引張り荷重WがW0 の荷重以上になる場合、往復伝
搬時間の変化量はボルトのばね定数kt のみによって決
まるボルトの引張り荷重によるボルト締付け長さLf
分で発生する伸びの変化率と音速の変化率を加えた値と
なる。従って、最初に締結したボルト軸力の大きさは、
得られた引張り荷重とボルト締付け長さLf 部分におけ
る往復伝搬時間変化率またはボルト内の往復伝搬時間の
変化量との測定曲線の傾きが変化する位置から求められ
る荷重Woから、ボルトに追加される引張り内力Fto
減じた荷重で与えられる。
【0026】なお、一般に用いられているボルトやナッ
トには、図4〜6に示したような座面段付き部9、1
1、13はない。
【0027】以下に、この実施例の詳細について述べ
る。まず、超音波探傷器の時間/電圧変換器について説
明しておく。図2はボルトの負荷前後において、超音波
探傷器(例えば、(株)トキメック製のSM90DX
型)のブラウン管上に現われる像を示したものであり、
ボルト底面から得られるエコーの位置を実線106と破
線108で示す。この図をもとに、ボルト内の往復伝搬
時間を電圧に変換する時間/電圧変換器について説明す
る。
【0028】2つのエコーを含む探傷範囲でゲート起点
(A点)とゲートエンド(B点)を定めた後、エコーに
対してしきい値110を適当に決める。これにより、ボ
ルトの負荷前後に発生する底面エコーに対し、ゲートエ
ンドのB点からしきい値110のC点及びC′点までの
時間がそれぞれ電圧V1 及びV2 に変換される。これが
時間/電圧変換器である。従って、ボルト内の超音波の
往復伝搬時間の変化量は、電圧差(V1 −V2 )を測定
することにより得られる。
【0029】次に、ボルトに引張り荷重を与える引張り
装置について説明する。
【0030】図3〜5は、ボルト2、8とナット4、1
0とによって、被締結体6a、6bを締結している状態
を示すもので、ボルト2、8は通しボルトになってい
る。また、図6は、めねじが形成された被締結体14b
にボルト12を直接ねじ込んで被締結体14a、14b
を締結した状態を示すもので、ボルト12は植込みボル
トになっている。また、図4、6に示したボルト8、1
2の頭部8a、12aの座面は段付きになっており、図
5に示したナット10の座面も段付きになっている。
【0031】なお、ボルトに引張り荷重を与えるのは、
座面段付き部からではなく、図3中に点線で示したよう
に、ボルトまたはナットの横側面の中間部分に設けられ
たへこみ部である横側面段付き部によってもよい。横側
面段付き部の形状としては、図3に示したような矩形の
他、三角形または円形等、ボルトやナットに引張り荷重
を与えられるへこみでもよい。さらに、ボルトまたはナ
ットの断面六角形の部分を圧着することにより引張り荷
重を与えてもよい。なお、図14、図15は、座面段付
き部の代わりに横側面段付き部を形成した図であって、
それぞれ図4、図5に対応する。
【0032】図8は、図3に示したようなボルト2の軸
端にねじ部2aが残っている場合に用いられる引張り装
置の断面図である。被締結体6a、6bはボルト2及び
ナット4により、締付け長さLf で締結されている。被
締結体6a上には円筒形外枠20が置かれている。円筒
形外枠20の内部は空胴になっており、その空胴部内に
は荷重検出枠22が配置されている。荷重検出枠22の
外径は円筒形外枠20の内径とほぼ一致しており、荷重
検出枠22は円筒形外枠20内を滑らかに上下に移動す
るようにされている。円筒形外枠20に対して荷重検出
枠22が回転することなく上下にのみ移動するように、
ボルト24が円筒形外枠20の長穴26(図8内の
(a)参照)を通って荷重検出枠22に取り付けられて
おり、ガイドとなっている。
【0033】荷重検出枠22の上部には開口部23が形
成され、この開口部23にはスラストベアリング28を
介して、支持用ボルト30が通されている。支持用ボル
ト30は支柱ねじ32に螺合している。支柱ねじ32の
側面には止めねじ34が取り付けられ、止めねじ34の
先端が支持用ボルト30に押し付けられることにより、
支持用ボルト30が緩まないようにされている。支柱ね
じ32の外周面にはおねじが形成され、円筒形外枠20
の開口部21に形成されためねじと螺合している。支柱
ねじ32にはラチェットレンチ36がナット38によっ
て固定されている。従って、ラチェットレンチ36によ
って支柱ねじ32を回転させると支柱ねじ32は上下に
移動し、支持用ボルト30も回転しながら上下に移動す
る。スラストベアリング28が介在するため、荷重検出
枠22は回転せずに上下に移動することになる。具体的
には、ラチェットレンチ36を左に回転させると、支柱
ねじ32は円筒形外枠20から抜け出る方向に移動し、
荷重検出枠22は上に移動する。
【0034】荷重検出枠22の下部には、ねじ枠40が
取り付けられている。ねじ枠40は、止めねじ42によ
って荷重検出枠22の下部に固定する。その後、円筒形
外枠20を把持してねじ枠40を回転させることによ
り、ねじ部2aとねじ枠40とを結合させる。
【0035】ねじ部2aとねじ枠40とが結合した状態
で、ラチェットレンチ36を左に回転させると、ねじ部
2aは上方向に引張られ、荷重検出枠22に引張り荷重
が作用し、ボルト2の軸部の軸力が変化する。荷重検出
枠22は、剛性が低くされた検出部22aを有してお
り、検出部22aには1個または数個、好ましくは4個
の歪ゲージ44が貼られ、そのリード線46はコネクタ
48と結線されている。従って、引張り荷重の大きさは
歪ゲージ44に生じる歪を測定することによって知るこ
とができる。
【0036】一方、ボルト2の頭部2bには超音波探触
子50が取り付けられる。超音波探触子50はカップ状
の位置決め枠52内に入れられており、位置決め枠52
は円筒形圧着枠54の凹部内に入れられている。円筒形
圧着枠54には深穴55が形成されており、深穴55内
には圧着スプリング56が配置されている。
【0037】円筒形圧着枠54は、止めねじ58の先端
が頭部2bの側面に押し付けられることにより、頭部2
bを覆うように取り付けられる。頭部2bの上面には、
超音波深触子50からの超音波が効率よくボルト内に伝
達されるように接触媒質(例えば、機械油やグリセリン
など)が塗布されている。圧着スプリング56が位置決
め枠52を押し込むため、超音波探触子50は一定の圧
力でボルト2の頭部2bに圧着される。なお、超音波探
触子50のケーブル60は、位置決め枠52及び円筒形
圧着枠54の側面に設けられたU字孔53を通して外へ
取り出される。
【0038】次に、図9は、図4、6に示したような、
ボルト8、12の頭部8a、12aの座面に、座面段付
き部9、13が形成されている場合に用いられる引張り
装置の断面図である。
【0039】被締結体6a上には円筒形支持枠70が置
かれ、その上に鋼球76を介して円筒形外枠20が置か
れ、それらの内部は空胴になっている。その空胴部内に
は荷重検出枠22が配置されている。荷重検出枠22の
外径は円筒形外枠20の内径とほぼ一致しており、荷重
検出枠22は円筒形外枠20内を滑らかに上下に移動す
るようにされている。円筒形外枠20に対して荷重検出
枠22が回転することなく、上下にのみ移動するよう
に、ボルト24、78が円筒形外枠20の長穴26、2
7(図9内の(a)、(b)参照)を通って荷重検出枠
22に取り付けられており、ガイドとなっている。
【0040】荷重検出枠22の上部には開口部23が形
成され、この開口部23にはスラストベアリング28を
介して支持用ボルト30が通されている。支持用ボルト
30は支柱ねじ32に螺合している。支柱ねじ32の側
面には止めねじ34が取り付けられ、止めねじ34の先
端が支持用ボルト30に押し付けられることにより、支
持用ボルト30が緩まないようにされている。支柱ねじ
32の外周面にはおねじが形成され、円筒形外枠20の
開口部21に形成されためねじと螺合している。支柱ね
じ32にはラチェットレンチ36がナット38によって
固定されている。図8に示した場合と同様に、ラチェッ
トレンチ36を左に回転させると荷重検出枠22は上に
移動する。
【0041】円筒形外枠20及び円筒形支持枠70の空
胴内には、左右対称に分割された引張り爪72a、72
bが配置されている。引張り爪72a、72bはボルト
8の頭部8aを左右から挟み込んでいる。荷重検出枠2
2の下部側面には前述の止めねじ78が取り付けられ、
荷重検出枠22と引張り爪72a、72bとが固定され
る。引張り爪72a、72bの内部は空胴になってお
り、この空胴部内には探触子固定枠74が配置されてい
る。探触子固定枠74はカップ状をなしており、その凹
部内には位置決め枠80が配置されている。探触子固定
枠74と位置決め枠80との間には圧着スプリング82
が配置され、位置決め枠80と頭部8aとの間には超音
波探触子50が配置されている。従って、超音波探触子
50は頭部8aに一定圧力で圧着される。超音波探触子
50は位置決め枠80に形成された凹部に入り込むた
め、超音波探触子50は頭部8aの中心に位置決めされ
る。また、止めねじ84が探触子固定枠74に取り付け
られ、その先端が位置決め枠80に形成された凹部に入
り込んでおり、位置決め枠80が探触子固定枠74から
外れず、しかも上下に移動できるようにされている。ま
た、超音波探触子50と接するボルト8の頭部8a上に
は、接触媒質(例えば、機械油やグリセリンなど)が塗
布されている。超音波探触子50のケーブル60は、引
張り爪72a、72b、円筒形支持枠70及び円筒形外
枠20に形成されたU字孔71を通して外に取り出され
ている。
【0042】次に、ボルト8の頭部8aにこの装置を取
り付ける方法について説明する。まず、左右対称に分割
された引張り爪72a、72bを被締結体6a上に置い
て、頭部8aを左右から挟み込むようにする。このと
き、位置決め枠80が取り付けられた探触子固定枠74
および圧着スプリング82も同時に挟み込んでおく。続
いて、引張り爪72a、72bの外側に円筒形支持枠7
0を置き、図8に示した引張り装置のうち、ねじ枠40
と止めねじ42を取りはずした円筒形外枠20を円筒形
支持枠70上に、鋼球76で位置決めしながら設置す
る。そして、荷重検出枠22の下部の両側より止めねじ
78をねじ込むことにより、荷重検出枠22と引張り爪
72a、72bとを連結する。
【0043】この引張り装置においても、荷重検出枠2
2はラチェットレンチ36を左回転させると上方向に移
動し、締結ボルト8の頭部8aが上方向に引張られてボ
ルト8に引張り荷重が付与される。なお、図8の場合と
同様に、引張り荷重の大きさは歪ゲージ44に生ずる歪
の大きさとの関係から測定できる。
【0044】次に、図5に示したボルト締結体におい
て、ナット10の座面段付き部11を引張る引張り装置
について述べる。この場合、ナット10の座面段付き部
11を引張るためには、図9に示した装置のうち、探触
子固定枠74、位置決め枠80及び圧着スプリング82
を取り除いたものをそのまま流用する。なお、締結ボル
ト2の座面は段付きになっていてもかまわない。一方、
超音波探触子50の取付け法は、図8に示したものと同
じである。
【0045】次に、ボルトの引張り荷重を検出する回路
について述べる。図10はボルトの引張り荷重を検出
し、さらに後述するように超音波の往復伝搬時間を電圧
として計測する回路を示すブロック図である。引張り荷
重は図8、9に示した歪ゲージ44によって検出され、
この歪は歪計147でアナログ出力に変換された後、A
D変換器148によってディジタル値に変換される。
【0046】次に、時間/電圧変換器に関する検出回路
について説明する。超音波の往復伝搬時間の変化量は、
ボルト頭部に取り付けられた超音波探触子50から超音
波を入射することにより測定される。まず、送信パルサ
150によって、超音波探触子50の振動周波数に相当
する繰り返し周期のパルス信号が発生され、このパルス
信号は増幅されて送波パルス電圧が発生され、この送波
パルス電圧が超音波探触子50に印加される。超音波探
触子50は、送波パルス電圧に応答して超音波パルスを
発生し、この超音波パルスがボルト内に入射される。
【0047】一方、超音波パルスの入射によって発生し
たエコーは、超音波探触子50によって電気信号である
エコー信号に変換され、このエコー信号は受信増幅器1
51によって増幅された後、検波ビデオ回路152で検
波される。検波されたエコー信号は、波形切換153で
波形整形された後、垂直増幅回路155と掃引発生水平
増幅器157の作用により、エコー波形としてCRT表
示器158に表示される。なお、垂直増幅回路155は
ゲート発生回路154によって制御され、掃引発生水平
増幅器157はパルス位置制御回路156によって制御
される。また、掃引発生水平増幅器157の出力信号
は、ゲート発生回路154及び送信パルサ150に印加
される。さらに、CRT表示器158はCRTコントロ
ーラ159によって制御される。
【0048】一方、検波ビデオ回路152を経たエコー
信号は、ゲート内のエコーエンドの点(図2のB点)か
らエコーのしきい値110(図2参照)の点までの時間
は、時間/電圧変換器160によって電圧に変換され
る。時間/電圧変換器160によって得られる電圧は直
流増幅器161で増幅された後、AD変換器162によ
りディジタル値に変換される。荷重及び時間/電圧変換
器による電圧を示すディジタル値は記憶装置163に格
納され、後述の処理が施された後、荷重とボルト締付け
長さLf 部分における往復伝搬時間変化率ΔT/Tまた
はボルト内の往復時間の変化量ΔTはパソコン164に
表示される。さらに、処理データは、外部メモリ16
5、例えば磁気テープ、ハードディスクあるいは光磁気
ディスク等に記録される。
【0049】次に、超音波の往復伝搬時間と時間/電圧
変換器の電圧の校正実験について説明する。ボルト内の
超音波往復伝搬時間と時間/電圧変換器を用いて得られ
る電圧との関係を調べるために、長さが異なるh1 =4
0. 05mmとh2 =45.08mmのSS41材(音
速:5960m/s)の校正ブロックを用い、以下の実
験を行なった。
【0050】まず、長さがh1 の校正ブロックの端面上
に接触媒質を介して超音波探触子(周波数:5MHz 、
振動子直径:φ5mm)を取り付けた後、超音波を入射
させた。この時の底面エコー高さは常に100%になる
ようにゲイン設定した。そして、時間/電圧変換器を用
い、底面エコーに対してしきい値を30%に設定した時
に検出されるBC間の電圧V1 (図2参照)を、直流増
幅器161で増幅して測定した。次に、同様にして、長
さがh2 の校正ブロックに超音波を入射させ、検出され
るBC′間の電圧V2 (図2参照)を測定した。また、
長さがh1 及びh2 の校正ブロック内の超音波の往復伝
搬時間Th1及びTh2は、それぞれの校正ブロックの2倍
の長さを音速で除して算出した。
【0051】その結果、校正ブロックの長さの差がh2
−h1 =5. 03mmに対して、往復伝搬時間の変化量
はTh =Th2−Th1=15. 128×10-6−13. 4
40×10-6=1. 688×10-6(sec)であり、
電圧差はVh =V1 −V2 =1. 191(V)であっ
た。
【0052】次に、ボルト締付け長さLf 部分の往復伝
搬時間変化率を測定することによりボルトの軸力を求め
る実験について説明する。
【0053】まず、実験材料について説明する。図3〜
5に示したボルト締結体について、ボルトの引張り荷重
とボルト締付け長さLf 部分の往復伝搬時間の変化率Δ
T/Tの関係を調べた。図3及び5に示すようなボルト
2は軸径がd1 =12mm、軸部長さがL=110m
m、ネジ部長さが45mm、材質がSS41材の標準の
ものである。図4に示すようなボルト8は図3及び5の
ボルト2の頭部の座面に直径17mm、深さ4mmの段
付き加工を施したものである。図3、4のナット4はM
12の標準のものである。図5のナット10は図3、4
のナット4の座面に直径17mm、深さ4mmの段付き
加工を施したものである。締結体6a、6bとしては、
厚さがLf =78mmのS45C材の平板を用いた。な
お、ボルト2、8は刻印のある頭部を平面に加工し、超
音波探触子がボルト頭部に密着して取り付けられるよう
にした。また、締結ボルトの軸端部は平面に加工し、底
面エコーが良好に得られるようにした。
【0054】次に、図3のように、ボルト軸端にねじ部
2aが残っている場合のボルト軸力測定について述べ
る。厚さがLf =78mmの平板をM12のボルトとナ
ットで締結し、ボルト軸力がF=7.15kNになるよ
うにした。その後、ボルト軸端のねじ部には、図8に示
す引張り装置を取り付け、ラチェットレンチ36で支柱
ねじ32を左回転させ、ボルト軸端のねじ部2aに引張
り荷重Wを作用させた。そして、引張り荷重Wの大きさ
は、荷重検出枠22に貼られている歪ゲージ44による
歪をコネクタ48を介して歪計147(図10参照)に
結線して計測した。引張り荷重Wの大きさは、0.98
kNずつ増加させ、ボルト軸力の大きさである7.15
kNを越えて13.72kNまで増加させた。一方、音
速はボルトの音速であるc=5960m/sに設定後、
超音波はボルト2の頭部2bに取り付けた超音波探触子
50より入射させ、この時に得られる底面エコー高さが
常に100%になるように超音波探傷器のゲインを設定
した。そして、この超音波探傷器の時間/電圧変換器を
用い、底面エコーに対してしきい値を30%に設定し
て、引張り荷重Wがゼロの締結状態下のボルト内の電圧
1 (図2参照)は、校正実験の測定条件と同じ設定
で、直流増幅器で増幅した後に測定された。次に、ボル
トに引張り荷重Wを作用させて検出される電圧V2 (図
2参照)を測定した。そして、引張り荷重W及び電圧V
1 、V2 のアナログ出力は、AD変換した後、パーソナ
ルコンピュータ164(図10参照)にディジタル値と
して格納した。
【0055】ボルト2の軸部に作用する引張り荷重Wと
ボルト締付け長さLf 部分の往復伝搬時間の変化率ΔT
/Tとの関係は、次のようにして求められる。ボルト内
の往復伝搬時間の変化量ΔTは、ボルト長さLt のう
ち、ボルト頭部やナット結合されているねじ部の一部で
わずかに生じているが、ボルト軸応力が生じているボル
ト締付け長さLf 部分でほとんど生じているとみなされ
る。従って、ΔTは時間/電圧変換器により検出される
締結状態下のボルト内の電圧差Vb (=V1 −V2 )、
ボルトの音速cを用いて近似的に次式で与えられる。
【0056】
【数5】
【0057】式(2)と式(5)より、Vh と(h2
1 )に測定結果を代入すると、ΔT/Tは近似的に次
式で与えられる。
【0058】
【数6】
【0059】図11に、この場合の測定結果を示す。図
中の横軸はボルト軸端に作用させた引張り荷重W、縦軸
は式(6)を用いて得られた超音波によるボルト締付け
長さLf 部分の往復伝搬時間変化率ΔT/Tである。最
初に締結したボルト軸力はF=7.15kNである。図
において○印は実験結果であり、ある点を境にして傾き
が異なる2つの直線からなることがわかる。これら2つ
の直線の交点の引張り荷重の大きさW0 =8.82kN
は、最初に締結した時のボルト軸力の大きさFとWがW
0 になった時の引張り内力Ft0を加えた値になってい
る。式(4)における内力係数Φは、文献(山本晃,ね
じ締結の理論と計算,p.68,養賢堂(1977))
によれば、直径d1 =12mm、板厚Lf =78mmの
場合、Φ=0.2である。従って、式(4)よりFt0
1.76kNとなる。従って、傾きが異なる2つの直線
の交点の荷重W0 =8.82kNから式(4)で得られ
る引張り内力Ft0=1.76kNを減じた荷重7.06
kNが最初に締結した時のボルト軸力の大きさとなる。
この結果はF=7.15kNの値とほぼ同じであり、こ
のようにすればボルト軸力Fを求めることができる。
【0060】次に、図4〜6に示したようなボルト8、
12の頭部の座面段付き部9、13またはナット10の
座面段付き部11を引張る場合のボルト軸力測定につい
て述べる。
【0061】図4,6のようなボルト頭部の座面段付き
部を引張る場合は、厚さがLf =78mmの平板をM1
2のボルトとナットで締結し、ボルト軸力がF=7.0
6kNになるようにした。その後、ボルトの座面段付き
部9、13に図9に示す引張り装置を取り付け、引張り
荷重Wを作用させた。この場合、引張り荷重Wの大きさ
は、0.98kNごとに増加させ、最初に締結したボル
ト軸力の大きさであるF=7.06kNを越えて11.
76kNまで増加させた。
【0062】図5のようなナットの座面段付き部を引張
る場合は、厚さがLf =78mmの平板をM12のボル
トとナットで締結し、ボルト軸力がF=6.86kNに
なるようにした。その後、ナットの座面段付き部11に
図9に示す引張り装置を取り付け、引張り荷重Wを作用
させた。この場合、引張り荷重Wの大きさは、0.98
kNごとに増加させ、最初に締結したボルト軸力の大き
さであるF=6.86kNを越えて12.74kNまで
増加させた。
【0063】図4、6に対応した実験結果を図12、1
3に示す。横軸と縦軸は図11と同じである。図から容
易にわかるように、図12、13の実験結果は傾きが異
なる2つの直線から構成されている。
【0064】図12における直線の交点の引張り荷重の
大きさW0 =7.45kNは、最初に締結したボルト軸
力F=7.06kNより6%程大きな値であった。この
場合、ボルト頭部が段付きになっているため、ボルトの
ばね定数kt は被締結体のばね定数kc に比べて非常に
小さくなり、ボルトに追加される引張り内力Ft0がW0
の6%に相当している。従って、傾きが異なる2つの直
線の交点から求まる引張り荷重W0 より約6%小さい荷
重より、最初に締結した時のボルト軸力の大きさFを求
めることができる。なお、引張り内力Ft0はいろいろな
ボルト締付体に対して式(4)を用いて求めてやればよ
い。
【0065】図13における直線の交点の引張り荷重の
大きさW0 =7.06kNは、最初に締結したボルト軸
力F=6.86kNより3%程大きな値であった。この
場合、ナット座面部が段付きになっているため、ボルト
・ナットのばね定数kt は被締結体のばね定数kc に比
べて非常に小さくなり、ボルトに追加される引張り内力
t0がW0 の約3%に相当している。従って、傾きが異
なる2つの直線の交点から求まる引張り荷重W0 より約
3%小さい荷重より、最初に締結した時のボルト軸力の
大きさFを求めることができる。なお、引張り内力Ft0
はいろいろなボルト締付体に対して式(4)を用いて求
めてやればよい。
【0066】なお、上記実施例においては、ボルト中の
超音波によるボルト内の往復伝搬時間の変化量は超音波
探傷器の時間/電圧変換器によって計測したが、他の方
法、例えば計数器または超音波波形のアナログ/ディジ
タル変換デ−タなどを直接利用してもよい。また、時間
の計測法には、「音弾性の基礎と応用」(福岡秀和他、
オーム社(1993)、pp. 33〜43)に記載され
ているように、シングアラウンド法、パルス・エコーオ
ーバーラップ法、位相干渉法等がある。
【0067】超音波波形のアナログ/ディジタル変換デ
−タを利用する具体的な測定装置としては、下記の測定
器がある。パルサーレシーバー(1050PRJ型、日
本マテック(株))に取り付けられた超音波探触子によ
り受信された超音波波形をA/D変換ボード(STR−
8100型、日本マテック(株))でディジタル化し、
往復伝搬時間の変化量を直接計測する方法である。
【0068】また、本発明で使用されるボルトの頭部や
ナットには座面段付き部または横側面段付き部が形成さ
れている。座面段付き部が形成されている場合は、座面
の面積は座面段付き部を有しない通常のボルトやナット
に比べて小さくなっている。従って、前者の場合は後者
の場合に比べて座面の圧力が大きくなり、ボルトの緩み
防止効果を高められ、ボルトやナットとしての機能も保
持している。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、ボルト軸端のねじ部、
またはボルトとナットの座面段付き部、または横側面段
付き部に引張り荷重を加えて、ボルト頭部より入射させ
た超音波によるボルト締付け長さ部分の往復伝搬時間変
化率または往復伝搬時間の変化量を計測することによ
り、機械や装置がボルトとナットによる通しボルトで締
結されている場合や、構造体のめねじ部にボルトを直接
植込みボルトで締結されている場合などについて、締結
状態下のボルト軸力を、ボルトまたはナットを回転させ
ることなく、簡単に測定することができる。なお、引張
り荷重に対するボルト内の往復伝搬時間の変化量の関係
よりボルト軸力を求める方法を用いれば、被締結体の厚
さを考えなくてもよいので便利である。
【0070】また、本発明で用いられるボルト軸端のね
じ部、またはボルトとナットの座面段付き部、または横
側面段付き部に引張り荷重を加える装置によれば、引張
り荷重を簡単に付与することができ、また引張り荷重を
容易に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定原理についての説明図である。
【図2】ボルトに負荷をかける前後における、超音波探
傷器のブラウン管上に現われる像を示した図である。
【図3】ボルト締結体を示す断面図である。
【図4】ボルト締結体を示す断面図である。
【図5】ボルト締結体を示す断面図である。
【図6】ボルト締結体を示す断面図である。
【図7】ボルトに引張り荷重を与えた時のボルトの軸力
とボルトの伸び、被締結体の縮みの関係を示す図であ
る。
【図8】ボルトに引張り荷重を与える装置の断面図であ
る。
【図9】ボルトに引張り荷重を与える装置の断面図であ
る。
【図10】ボルト引張り荷重及び超音波往復伝搬時間を
測定する回路を示す図である。
【図11】ボルト軸力の測定結果を示すグラフである。
【図12】ボルト軸力の測定結果を示すグラフである。
【図13】ボルト軸力の測定結果を示すグラフである。
【図14】横側面段付き部を形成したボルト締結体を示
す断面図である。
【図15】横側面段付き部を形成したボルト締結体を示
す断面図である。
【符号の説明】
2、8、12…ボルト、9、11、13…座面段付き
部、10…ナット、40…ねじ枠、44…歪ゲージ、5
0…超音波探触子、72a、72b…引張り爪。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−203514(JP,A) 特開 平5−203513(JP,A) 特開 昭60−216235(JP,A) 特開 昭55−82935(JP,A) 特開 平2−274476(JP,A) 特開 昭56−133638(JP,A) 特開 昭62−249057(JP,A) 特開 平5−66162(JP,A) 水口義久,超音波による締結状態下の ボルト軸力測定,日本機械学会全国大会 講演論文集,日本機械学会,1994年,V ol.72,No.Vol.1,p.315 −317 水口義久他,超音波によるボルト軸力 の簡易測定法,日本機械学会通常総会講 演会講演論文集,日本機械学会,1991 年,Vol.68th,No.Pt A, p.228−230 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 5/00 103 F16B 31/02

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械や装置に締結された状態のボルトに
    種々の大きさの引張り荷重を与える引張り手段と、 前記引張り手段の引張り荷重を測定する荷重測定手段
    と、 前記ボルトの一端から超音波を入射させる超音波入射手
    段と、 前記ボルトの他端で反射した超音波を検出する超音波検
    出手段と、 前記ボルト内を超音波が往復する時間である往復伝搬時
    間を測定する往復伝搬時間測定手段と、 引張り荷重がゼロの状態の締結状態下のボルト内の往復
    伝搬時間を計測し、種々の大きさの引張り荷重を加えて
    いる状態における往復伝搬時間の前記引張り荷重がゼロ
    の状態の締結状態下のボルト内の往復伝搬時間に対する
    変化量を算出し、引張り荷重がゼロの状態の締結状態下
    のボルト締付け長さ部分の往復伝搬時間に対する前記変
    化量の比を算出し、前記ボルトの引張り荷重に対する前
    記比またはボルト内の往復伝搬時間の変化量をプロット
    したときの傾きを求め、その傾きが変化するときの引張
    り荷重からボルト軸部に追加される引張り内力を減じた
    荷重を求めて、締結状態における前記ボルトの軸力とす
    るボルト軸力算出手段と、を備えたボルト軸力の測定装
    置。
  2. 【請求項2】 前記往復伝搬時間測定手段は、前記ボル
    ト内の超音波の往復伝搬時間を電圧に変換し、この電圧
    の変化から前記往復伝搬時間を測定する請求項1のボル
    ト軸力の測定装置。
  3. 【請求項3】 前記往復伝搬時間測定手段が、超音波探
    傷器である請求項2のボルト軸力の測定装置。
  4. 【請求項4】 前記往復伝搬時間測定手段が、計数器で
    ある請求項1のボルト軸力の測定装置。
  5. 【請求項5】 前記往復伝搬時間測定手段が、超音波波
    形のアナログ/デイジタル変換データを直接利用するも
    のである請求項1のボルト軸力の測定装置。
  6. 【請求項6】 前記ボルトまたは前記ボルトに螺合する
    ナットに座面段付き部が形成され、前記引張り手段が、
    前記座面段付き部に噛み合う引張り爪を備えている請求
    項1のボルト軸力の測定装置。
  7. 【請求項7】 前記ボルトまたは前記ボルトに螺合する
    ナットの横側面に横側面段付き部が形成され、前記引張
    り手段が、前記横側面段付き部に噛み合う引張り爪を備
    えている請求項1のボルト軸力の測定装置。
  8. 【請求項8】 前記引張り手段が、前記ボルトのねじ部
    に螺合する螺合手段を備えている請求項1のボルト軸力
    の測定装置。
  9. 【請求項9】 前記ボルトに取り付けられ、凹部を有す
    る圧着枠と、 前記圧着枠の凹部に入れられ、凹部を有する位置決め枠
    と、 前記位置決め枠の凹部に入れられ、前記超音波検出手段
    の一部を構成する超音波探触子と、 前記圧着枠と前記位置決め枠との間に配置され、前記位
    置決め枠を押し込むことにより前記超音波探触子を前記
    ボルトの頭部に一定の圧力で圧着させる圧着スプリング
    と、を備えた請求項1のボルト軸力の測定装置。
  10. 【請求項10】 機械や装置に締結された状態のボルト
    の一端から入射され前記ボルトの他端で反射する超音波
    が、引張り荷重を受けていない状態の前記ボルト内を往
    復する時間である締結状態下のボルト内の往復伝搬時間
    を測定するステップと、 前記ボルトに種々の大きさの引張り荷重を加え、この状
    態の前記ボルト内を超音波が往復する時間である往復伝
    搬時間を測定し、前記引張り荷重がゼロの状態の締結状
    態下のボルト内の往復伝搬時間からの変化量を算出する
    ステップと、 前記締結状態下のボルト締付け長さ部分の往復伝搬時間
    に対する前記変化量の比を算出するステップと、 前記ボルトの引張り荷重に対する前記比またはボルト内
    の往復伝搬時間の変化量をプロットしたときの傾きを求
    め、その傾きが変化するときの引張り荷重からボルト軸
    部に追加される引張り内力を減じた荷重を求めて、締結
    状態における前記ボルトの軸力とするステップと、を備
    えたボルト軸力の測定方法。
  11. 【請求項11】 前記ボルト内における超音波の往復伝
    搬時間が電圧に変換され、この電圧の変化から前記往復
    伝搬時間が測定される請求項10のボルト軸力の測定方
    法。
  12. 【請求項12】 前記ボルトまたは前記ボルトに螺合す
    るナットに座面段付き部または横側面段付き部が形成さ
    れ、前記座面段付き部または前記横側面段付き部に噛み
    合う引張り爪が前記ボルトに引張り荷重を与える請求項
    10のボルト軸力の測定方法。
  13. 【請求項13】 前記ボルトのねじ部に螺合する螺合手
    段が前記ボルトに引張り荷重を与える請求項10のボル
    ト軸力の測定方法。
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