JP3360460B2 - ステッピングモーター - Google Patents

ステッピングモーター

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JP3360460B2
JP3360460B2 JP00815395A JP815395A JP3360460B2 JP 3360460 B2 JP3360460 B2 JP 3360460B2 JP 00815395 A JP00815395 A JP 00815395A JP 815395 A JP815395 A JP 815395A JP 3360460 B2 JP3360460 B2 JP 3360460B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステッピングモーター
の構成に関し、特に、PM型のステッピングモーターに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1に、小型で位置決め精度の高い4相
PM型ステッピングモーター10の一般的な構成を展開
図を用いて示してある。このステッピングモーター10
は、シャフト11に多極磁着された円筒状のローターマ
グネット12が取りつけられたローター13と、この周
囲に同軸状に配置されるステーター20とを備えてい
る。ステーター20は、シャフト11に沿って上下に積
層された2つのユニット21aおよび21bから構成さ
れており、それぞれのユニット21は、円筒状に周回巻
きされたコイル22と、このコイル22を外周面から覆
う外ヨーク23と、さらに、この外ヨーク23と共にコ
イル22を挟み込む内ヨーク24を備えている。外ヨー
ク23は、コイル22の外周面を覆う円筒状のハウジン
グ25と、コイル22の一方の端面を覆うドーナツ状の
プレート26と、このプレート26内側から等間隔にコ
イル22の内面に延びた第1の極歯27を備えている。
また、内ヨーク24は、プレート26と反対側のコイル
22の他方の端面を覆うドーナツ状のプレート28と、
このプレート28の内側から等間隔にコイル22の内面
に延びた第2の極歯29とを備えている。外ヨーク23
と内ヨーク24には同数の第1の極歯27と第2の極歯
29が設けられており、コイル22の内面にはこれらの
極歯27と29が等間隔となるように相互に配置され、
これらの極歯27および29によってローター13を駆
動する磁界が形成される。2つのステーターユニット2
1aおよび21bは、上下のカバー15aおよび15b
によって挟みこまれ、さらに、ステーターユニット21
aおよび21bの上下には同軸状にシャフト11を回転
支持する軸受け16aおよび16bが設置される。
【0003】上下2つのステーターユニット21aおよ
び21bは、それぞれの極歯27a、27b、29a、
および29bが等間隔となるように所定の角度ずらして
積層されており、これらの極歯の位置関係を展開して示
すと図2のようになる。なお、以下において、1ステッ
プ角をΘと表し、これを用いて説明する。極歯の全枚数
をNとすると、1ステップ角Θは360°/Nで表すこ
とができ、Nが20枚の場合、Θは18°となる。
【0004】図2に、各々5枚の第1および第2の極歯
27および29を有するステッピングモーターの極歯の
相互位置を展開して示してある。第1および第2の極歯
27、29は、略台形であり、それぞれのプレート26
および28から向かい合った方向に細く延びている。第
1の極歯27は、それぞれが等間隔に72°(4Θ)ピ
ッチで配置されており、第2の極歯29も同様である。
そして、これら第1と第2の極歯27および29は等間
隔に組み合わされており、第1の極歯27と第2の極歯
29との間隔は36°(2Θ)に設定されている。さら
に、第1のユニット21aと第2のユニット21bは1
8°(Θ)ずれた位置で積層されている。この結果、こ
のステッピングモーターでは、第1および第2のユニッ
トを構成する、第1および第2の極歯27a、27b、
29aおよび29bの20(N)枚が各々18°(Θ)
づつ離れて等間隔に配置される。このステッピングモー
ターは、1相あるいは2相励磁によって20(N)ステ
ップの制御が可能であり、各ステップの角度は18°
(Θ)となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ステッピングモーター
において、1相励磁、2相励磁あるいは1−2相励磁駆
動などの方法によって回転した後の停止角度精度をより
高くすることが重要である。このため、ステッピングモ
ーターを構成する部品の精度を高くし、さらに、そのよ
うな部品の組み立て精度を向上する技術が数多く考案さ
れてきた。
【0006】このような部品などの精度の向上はもちろ
ん重要であるが、本願の発明者は、停止位置の角度精度
に対するステッピングモーターの特性上の影響を重要視
し、ステッピングモーターの発生トルクの角度依存性を
できるかぎり少なくすることによって停止位置の角度精
度が向上できることに着目した。トルクの角度依存性を
少なくすれば、回転速度の均一化を図れ、さらに、停止
位置のずれも少なくできるからである。
【0007】図3に、ステッピングモーターの角度−ト
ルク特性の概要を示してある。ステッピングモーターの
発生トルクは、主に、無励磁時の発生トルクである残留
磁束に起因するディテントトルクTrと、励磁駆動に伴
い発生するホールディングトルクがあり、1相励磁のホ
ールディングトルクは図示したような特性を描く。本図
にて判るように、ローターの回転角度によって周期的に
発生するディテントトルクTrの影響がホールディング
トルクに強く現れる。従って、ディテントトルクTrを
削減すればホールディングトルクの抑制につながり、回
転角度によるトルクの変動を抑えることによって、スム
ーズな回転と停止位置精度の向上を図れることが判る。
さらに、ディテントトルクTrを減少させることは、励
磁時はもちろん、無励磁時における発生トルクおよびそ
の角度依存性が少なくなるので、モーターを励磁駆動し
た場合の角度精度と、無励磁状態の停止角度精度を共に
高めることができる。
【0008】そこで、本発明においては、停止角度精度
の高いステッピングモーターを実現するために、発生ト
ルクの角度依存性を低減できるステッピングモーターの
構成を提供することを目的としている。発生トルクのう
ち、特に、ディテントトルクの低減を可能として、励磁
駆動した際の停止位置と、無励磁の際の停止位置精度を
共に向上できるステッピングモーターを提供することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の発明者は、ディテ
ントトルクTrは、ローターマグネットの残留磁束によ
ってローターの位置を保持しようとする力であり、ロー
ターの回転角度によって周期的に発生することに着目
し、周期的な要素を均一化することを考えた。このた
め、ステーターユニットを構成する極歯を不均等に配置
することによってディテントトルクTrの発生要因を分
散させ、そのピーク値を低減することとした。これによ
り、無励磁時の発生トルクはもちろん、1相励磁時の発
生トルクも低減でき、ステッピングモーターをより均等
な条件下で回転させられ、停止位置精度の向上を図り、
さらに、無励磁時と励磁時との停止位置のずれを防止す
ることができる。
【0010】すなわち、本発明に係るステッピングモー
ターは、軸方向に複数のユニットが積層された略円筒形
のステーターと、このステーターの内側に同軸状に配置
されたローターとを有しており、さらに、ローターは周
方向に分布した複数の磁極を備え、ステーターの各ユニ
ットは、円筒状のコイルと、このコイルの一方の端から
その内周に等間隔に延びた複数の第1の極歯と、コイル
の他方の端からその内周に等間隔に第1の極歯の間に延
びた第2の極歯とを備えており、これらのユニットの少
なくとも1つを構成する第1および第2の極歯のいずれ
かの極歯の少なくとも1枚を等間隔な位置からずれた位
置に形成するようにしている。
【0011】このような第1および第2の極歯は、それ
らの極歯の間に少なくとも3つの異なる隙間が設けられ
ており、ローターの角度に依存するディテントトルクを
含め、他の周期的な要素の角度依存性を抑制できるの
で、スムーズな回転動作を行え、停止位置精度の高いス
テッピングモーターを実現できる。
【0012】なお、以下の実施例に示してあるように、
2つのステーターユニットを備えた4相のPM型ステッ
ピングモーターの実験結果より、合計N枚の極歯を備え
たステッピングモーターにおいて、合計n枚の極歯を等
間隔な位置から次の関係を持ったΔθずれた位置に形成
したときに、ホールディングトルクの大幅な減少と、低
いディテントトルクTrが得られる。 Δθ = C×(K/K0)/(N×n) ・・・(A) ここで、Kは前記の面積と、これらの極歯に寄与する前
記コイルの面積の比であり、K0は0.73であり、ま
た、Cはほぼ200〜900の範囲である。
【0013】
【実施例】図4に、本発明の1実施例のステッピングモ
ーターの極歯の展開図を示してある。本例のステッピン
グモーターは、上記にて図1および図2に基づき説明し
たステッピングモーターと同じ構成であり、上下2つの
ステーターユニット21aおよび21bを有し、それぞ
れのユニット21の外ヨーク23および内ヨーク24は
それぞれ5枚の極歯27および29を備えたステップ数
が20のPM型ステッピングモーターである。本例のス
テッピングモーターは、内ヨーク24aおよび24bか
らコイルの内側に延びた5本の極歯29aおよび29b
の内、それぞれ2本の極歯、計4本の極歯の位置を均等
な角度72°(4Θ)からずらして形成してある。図4
に示した例では、上下それぞれ2本の極歯29A、29
B、29Cおよび29Dを均等な間隔72°(4Θ)か
ら7.125°(0.4Θ)ずらしてある。
【0014】図5に、図4に示したステッピングモータ
ーの内ヨーク24から極歯29が延びている様子を示し
てある。本例では、5本の極歯のうち、隣接しない2本
の極歯29Aおよび29Bの位置を7.125°(0.
4Θ)ずらしてあり、この結果、5枚の極歯29は72
°(4Θ)、79.125°(4.4Θ)および64.
875°(3.6Θ)の3つの異なった間隔をもって配
置される。
【0015】このように極歯29が不均等に配置された
内ヨーク24と、極歯27が均等に配置された外ヨーク
23とを組み合わせると、図4に示すように、外ヨーク
から延びた極歯27と、内ヨークから延びた極歯29と
は、均等に開いた隙間L1と、この隙間L1より狭い隙
間L2、さらに広い隙間L3の3つの異なった隙間をも
って組み合わされる。これに対し、極歯が共に均等に配
置された内ヨークと外ヨークを組み合わせ際に内ヨーク
と外ヨークとを角度をずらしても、極歯の間も従来の均
等に開いた隙間とは異なる隙間を設けれる。しかし、こ
の場合、極歯の間の隙間は最大で2種類であり、本例の
ように3つの異なった隙間をもって極歯を組み合わせる
ことは不可能である。さらに、本例では、2本の極歯2
9Aおよび29Bを同じ角度でずらしてあるが、これら
を異なった角度でずらすことも可能であり、この場合
は、さらに4あるいはそれ以上多数の異なった隙間を極
歯と極歯の間に形成できる。
【0016】図6に、図4に示した状態でずらしたモー
ターも含め、上述したステップ数Nが20のステッピン
グモーターの極歯のうち、4枚の極歯を均等な位置から
ずらした角度と、そのモーターのプルイントルク、およ
び、ディテントトルクTrの値を示してある。ここで示
すプルイントルクとは、一方のステータユニット内のコ
イルのみに連続的にパルスを印加したときに発生するト
ルクである。本図の左の縦軸はプルイントルクを示して
おり、ずらし角Δθが2°(0.11Θ)を超えると減
少し、Δθを2.8°(0.15Θ)としたステッピン
グモーターにおいてはプルイントルクが略0を示す。ず
らし角Δθを増加させてステッピングモーターを作成し
た場合でもプルイントルクは略0を示し、図4に示した
ずらし角Δθが7.125°(0.4Θ)のモーターも
プルイントルクは略0である。さらに、ずらし角Δθを
増加させてもプルイントルクは低いままであり、この状
態は極歯同士が隣接するΔθが11.3°(0.627
Θ)程度まで同じである。
【0017】プルイントルクの大きなケースとしてずら
し角Δθが1.8°(0.1Θ)のモーターを、また、
プルイントルクが小さなケースとして発生トルクが略0
であるずらし角Δθが7.125°(0.4Θ)のモー
ターを選択し、それらのディテントトルクTrを測定し
た。その結果、図6に記載してあるように、Δθが1.
8°のモーターではディテントトルクTrが1.1g・
cmであるのに対しΔθが7.125°のモーターでは
ディテントトルクTrが0.65g・cmであり、プル
イントルクの大きなモーターと比較して略半分の値に低
減されているのが判る。
【0018】ここで、プルイントルクとディテントトル
クとの関係について定性的に考察する。一方のコイルか
らの励磁のみで零でないプルイントルクが発生するとい
うことは、ロータの停止位置が、本来停止すべき位置か
らずれていることを意味する。すなわち、ディテントル
クが大きい状態と対応すると考えられる。そこで、ディ
テントルクについても、図6に破線で示したような特性
が得られると推測される。
【0019】以上から、ステーターユニットの内ヨーク
から延びた極歯の一部を等間隔な位置からずれた位置に
形成することによって発生トルクを大幅に低減できるこ
とが判る。さらに、発生トルクが低いモーターにおいて
は、ディテントトルクTrがほぼ半分まで低減されてい
るので、ディテントトルクTrの減少がホールディング
トルクの安定した出力に大きく寄与していることが判
る。このようにディテントトルクの小さなステッピング
モーターは、これらのトルク自体の値が小さいので、角
度によってその値が変動しても角度に対する依存性は小
さい。従って、1相励磁、2相励磁、および1−2相励
磁など、どのような駆動状態であっても回転はスムーズ
に行われ、停止位置精度も非常に高くなる。さらに、本
例のステッピングモーターは無励磁の発生トルクに相当
するディテントトルクTrが削減されているので、1相
励磁などによる駆動状態の停止位置と、無励磁の停止位
置とのずれは少なくなる。従って、駆動状態での停止位
置と無励磁の停止状態との間の静止角度誤差も少なくな
り、停止位置精度の高いステッピングモーターを実現で
きる。本例のようにトルクの角度依存性が少なく、停止
位置精度の高いステッピングモーターは、励磁駆動した
際に振動や騒音の発生も少ない。従って、モーターを動
力源とした駆動系統の振動や騒音も抑制できるので、本
例のステッピングモーターを動力源として振動や騒音の
発生が少なく、非常に位置精度の高い駆動機構を構成で
きる。
【0020】ステッピングモーターのステーターを構成
する極歯と極歯の間の隙間を様々、特に3以上の異なっ
た隙間を設けることにより、ディテントトルクの発生要
因が周方向に分散されるので、ディテントトルクのピー
ク値が低減されると考えられる。そして、上述したよう
に本実施例のステッピングモーターにおいては、図6に
示すような広い角度範囲で、ディテントトルクが大幅に
低減され、上記の技術的思想が確認できた。さらに、こ
のような広い角度範囲でディテントトルクを低減できる
ので、ステッピングモーターの組み立て時における許容
誤差を大きく設定できる。従って、良好な特性を持つ本
発明のステッピングモーターは容易に製造でき、安価に
提供できる。極歯の間の隙間を上記のように様々な幅に
設定するには、本例のように極歯の形成された位置(角
度)をずらしても良く、あるいは、1つあるいは複数の
極歯の面積を変えることによっても様々な幅の隙間を設
定することも可能である。
【0021】このような考えかたに基づくと、本例に限
らず、3枚以下、あるいは5枚以上の、ステーターユニ
ットの外ヨークあるいは内ヨークの少なくともいずれか
の極歯を不均等に形成することにより、トルクのロータ
ーの回転角度に対する依存性の低いステッピングモータ
ーを提供できることは明らかである。また、ステッピン
グモーターを構成する極歯の枚数も20枚に限定されな
いことはもちろんである。そして、このようなステッピ
ングモーターは、ローターの回転がスムーズに行われる
ので、騒音や振動等が少なく、停止位置精度も高いステ
ッピングモーターを実現できる。
【0022】上記のような測定と同時に、第1および第
2の極歯が等間隔で形成された図2に説明したステッピ
ングモーターにおいて、外ヨークあるいは内ヨークの極
歯をこれらが等間隔で組み合わせれる位置からずらした
ステッピングモーターについての特性も測定されてい
る。
【0023】図7に、内ヨークを外ヨークの極歯の中間
に等間隔に組み合わせた位置から2.85°(0.15
8Θ)ずらして組み立てた状態を示してある。これによ
って、内ヨークを構成する第2の極歯29aおよび29
bの計10枚を、第1の極歯27aおよび27bに対し
ずらすことになる。この10枚の極歯をずらしたステッ
ピングモーターにおける、ずらし角度Δθと、測定され
たプルイントルクおよびディテントトルクの値を図8に
纏めてある。本図にて判るように、Δθが略1.3〜
5.2°(0.072Θ〜0.289Θ)の範囲でプル
イントルクはほぼ0となり、ディテントトルクTrも
0.71g・cmと低い値を示す。
【0024】同様に、外ヨークも等間隔に組み合わせる
位置からΔθずらしてモーターを組み立てられる。この
モーターにおいては内ヨークを構成する極歯10枚に加
え、外ヨークを構成する極歯10枚の計20枚の極歯を
ずらしたことになる。図9に、ずらした角度Δθと、測
定されたプルイントルクおよびディテントトルクの値を
纏めてある。本図にて判るように、Δθが略0.4〜
1.9°(0.022Θ〜0.105Θ)の範囲でプル
イントルクがほぼ0となり、ディテントトルクTrも
0.7g・cmと低い値を示す。
【0025】図6に示した、極歯のいずれかを等間隔な
位置からずらし、極歯同士の隙間を様々に設定可能にし
たモーターと比較すると、図8および図9に示した極歯
が等間隔に形成され、内ヨークおよび外ヨークの組み立
てる角度をずらしたモーターでは、ディテントトルクを
低減できる角度領域が狭い。従って、その角度領域に収
まるようにステーターユニットを高い精度で組み立てる
必要があり、コストアップの原因となり、特性も不安定
になりやすい。これに対し、本発明に係るステッピング
モーターでは、組み立て精度はそれほど要求されないの
で、性能の安定した高性能のモーターを安価に提供でき
る。
【0026】図8および図9で得られた結果を参照する
と、ずらした極歯の枚数nが増えると、ディテントトル
クなどが低減できるずらし角Δθの範囲は減少し、これ
らの間には反比例の関係が成立すると推定される。ま
た、ステーターユニットを構成する極歯の総数Nが増え
ると、極歯をずらせる角度範囲は減少するので、ディテ
ントトルクを低くできるずらし角ΔθもNに反比例する
と推定される。従って、ずらし角Δθと、ステッピング
モーターを構成するこれらの要素N、nとの関係は以下
の式で表されると考えられる。
【0027】 Δθ = C0/( N×n ) ・・・(1) ここでC0は定数であり、この定数のとる範囲によって
Δθの範囲を設定できる。さらに、図10に示すような
極歯の面積S1に対し、その極歯に寄与するステーター
コイルの面積(磁石面積)S2の比S1/S2(=K)
が大きくなるとディテントトルクは上昇する傾向があ
る。このため、ΔθはKに比例すると考えられるので、
式1は以下の通りとなる。
【0028】 Δθ = C×(K/K0)/(N×n) ・・・(2) この式を用いて、図6で得られたディテントトルクを低
減できるΔθの範囲から定数Cの範囲を求める。なお、
図6の測定を行ったステッピングモーターの面積比Kは
0.73であり、この値をK0として採用する。この結
果、Cの範囲をほぼ200〜900として、上記の式2
により規定されるΔθの範囲であれば、本発明におい
て、ディテントトルクの低減されたステッピングモータ
ーを実現できることとなる。なお、図6で説明したよう
に、極歯同士が接触してしまうため本発明に係るステッ
ピングモーターのずらし角Δθの上限は特定されていな
い。従って、上記の定数Cの範囲は最小の範囲と考えら
る。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、ローターの回転角度に対する発生トルクの変動を少
なくすることにより、停止位置精度の高いステッピング
モーターを実現している。発生トルクの変動を抑制する
ために、本発明においては、ステーターユニットを構成
する外ヨークあるいは内ヨークの複数の極歯のうち、い
ずれか少なくとも1枚の極歯を従来の均等な位置から不
均等な位置にずらして配置している。このような極歯を
有する外ヨークあるいは内ヨークを用いると極歯同士の
隙間を様々に、特に3つ以上の異なった間隔に開けたス
テーターユニットを組み立てできる。
【0030】これらのステーターユニットを用いること
により、ローターの角度に依存するディテントトルクを
含め、発生トルクの角度依存性を低減できるので、スム
ーズな回転と高い停止位置精度を備えたステッピングモ
ーターを提供できる。また、発生トルクが均一化される
ので、1相、2相あるいは1−2相励磁などにより駆動
される場合と、無励磁状態で停止している場合との停止
位置の誤差もなくなり、いずれの場合であっても高い停
止位置精度を備えたステッピングモーターを実現でき
る。さらに、本発明に係るステッピングモーターでは、
ステーターユニットを組み立てる際の許容度が広いの
で、モーターの製造が容易であり、良好な特性の安定し
たモーターを安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PM型のステッピングモーターの概略構成を示
す展開斜視図である。
【図2】図1に示すステッピングモーターの極歯の配置
を示す展開図である。
【図3】ステッピングモーターの発生トルクとローター
の回転角度の概略を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例に係るステッピングモーターの
極歯の配置を示す展開図である。
【図5】図4に示したステッピングモーターの内ヨーク
の極歯の配置を示す展開図である。
【図6】本発明の実施例のステッピングモーターのプル
イントルク及びディテントトルクと、極歯のずらし角と
の関係を示すグラフである。
【図7】極歯が均等に配置された内ヨークをずらして組
み立てた極歯の配置を示す展開図である。
【図8】図7で示した10枚の極歯をずらしたときのず
らし角とステッピングモーターのプルイントルク及びデ
ィテントトルクとの関係を示すグラフである。
【図9】図7と同様に20枚の極歯をずらしたときのず
らし角とステッピングモーターのプルイントルク及びデ
ィテントトルクとの関係を示すグラフである。
【図10】極歯の面積と、これに寄与するステーターコ
イルの面積との比を説明する図である。
【符号の説明】
10・・ステッピングモーター 11・・シャフト 12・・ローターマグネット 13・・ローター 15・・モーターカバー 16・・軸受け 20・・ステーター 21・・ステーターユニット 22・・コイル 23・・外ヨーク 24・・内ヨーク 26、28・・プレート 27、29・・極歯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−2065(JP,A) 特開 平4−109836(JP,A) 特開 平4−244775(JP,A) 特開 昭55−58759(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 37/00 - 37/24 H02K 1/00 - 1/16 H02K 1/18 - 1/26 H02K 1/28 - 1/34 H02K 19/00 - 21/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に複数のユニットが積層された略
    円筒形のステーターと、このステーターの内側に同軸状
    に配置されたローターとを有し、 このローターは周方向に分布した複数の磁極を備えてお
    り、 前記ステーターの各ユニットは、円筒状のコイルと、こ
    のコイルの一方の端からその内周に等間隔に延びた複数
    の第1の極歯と、前記コイルの他方の端からその内周へ
    等間隔に前記第1の極歯の間に延びた第2の極歯とを備
    えており、これらのユニットの少なくとも1つを構成す
    る前記第1および第2の極歯のいずれかの極歯の少なく
    とも1枚が前記等間隔な位置からずれた位置に形成され
    ていることを特徴とするステッピングモーター。
  2. 【請求項2】 請求項1において、2つの前記ユニット
    が積層されており、合計N枚の前記第1および第2の極
    歯を備え、これらの極歯のうち合計n枚の極歯が前記等
    間隔な位置からΔθずれた位置に形成されており、これ
    らΔθ、nおよびNの間にほぼ次の関係があることを特
    徴とするステッピングモーター。 Δθ = C×(K/K0)/(N×n) ・・・(A) ここで、Kは前記極歯の面積と、これらの極歯に寄与す
    る前記コイルの面積の比、K0は0.73であり、ま
    た、Cはほぼ200〜900の範囲である。
  3. 【請求項3】軸方向に複数のユニットが積層された略円
    筒形のステーターと、 このステーターの内側に同軸状に配置されたローターと
    を有し、 このローターは周方向に分布した複数の磁極を備えてお
    り、 前記ステーターの各ユニットは、 円筒状のコイルと、 このコイルの一方の端からその内周に等間隔に延びた複
    数の第1の極歯と、 前記コイルの他方の端からその内周へ前記第1の極歯の
    間に該第1の極歯と隙間を開けて延びた第2の極歯とを
    備えており、前記第2の極歯は、 第1の極歯と第2の極歯の前記隙間
    が、少なくとも3つの異なる隙間サイズを持つように形
    成されていることを特徴とするステッピングモーター。
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