JP3358760B2 - パルプの多段漂白方法 - Google Patents

パルプの多段漂白方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素漂白とオゾン漂白
を行ったパルプの多段漂白方法に関し、特に、オゾンが
無駄に使用されることを防止し且つパルプの漂白性低下
を抑制することができるパルプの多段漂白方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現状の化学パルプの漂白方法において、
1種類の漂白剤による単段の操作のみではパルプ中の着
色成分を完全に除去することが困難であるため、複数の
漂白剤の使用による多段漂白方法が一般的である。一
方、近年ダイオキシン等の有害な有機塩素系化合物の生
成を引き起こす塩素系漂白剤等の使用に変えて、そのよ
うな有害物質が生成されず、漂白作用が塩素系漂白剤等
に比べて強いオゾンをパルプの漂白に適用することが注
目されている。
【0003】このオゾンをパルプの漂白剤に使用したパ
ルプの多段漂白方法として、パルプをアルカリ蒸解した
後に酸素漂白し、さらにオゾンで漂白し、最後に仕上げ
漂白することが提案されている。このパルプの多段漂白
方法においては、アルカリ蒸解と酸素漂白、またそれ以
降の漂白と漂白との間には洗浄機が設置されている。こ
の洗浄機による洗浄によって、アルカリ蒸解や漂白によ
ってパルプから分解抽出されたリグニン等に加えて、有
機分解物や漂白薬品(酸素の場合は苛性ソーダなど)が
洗い出される。この洗浄機から排出される洗浄排水に
は、リグニン分解物を主体とする溶解性蒸発残留固形物
(TDS:Total Dissolved Solid 、以下、TDSとい
う)が含まれている。
【0004】このパルプの洗浄に使用される水は、古く
は大量の新しい水が使用されていたが、排水処理の不
利、経済性の面から、多段漂白方法における後段の洗浄
機から排出される洗浄排水を、前段のパルプの希釈水と
して使用するいわゆる向流洗浄が一般に行われている。
オゾンをパルプの漂白剤に使用したパルプの多段漂白方
法においては、酸素漂白後に洗浄・脱水されてパルプ濃
度約15%以上となったパルプに対して、後段のオゾン
漂白のパルプ濃度条件(例えば、中濃度パルプ条件では
8%〜20%)に適合するように、酸素漂白段乃至オゾ
ン漂白段の間に配置された複数の洗浄機の後段の洗浄機
からの洗浄排水が前段のパルプに希釈水として添加され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな向流洗浄を行えば、洗浄機による洗い出しを行って
も、その洗浄排水の一部をパルプの希釈水として利用す
るため、酸素漂白段からオゾン漂白段に至る間に配置さ
れた洗浄機からの洗浄排水由来のTDSがパルプに同伴
してしまい、パルプ中から完全にTDSを除去すること
は不可能であり、パルプ中のTDSの残留は避けられな
い。このためオゾン漂白段に、酸素漂白段由来のTDS
が流入することとなる。
【0006】また、オゾンを使用したパルプの多段漂白
方法では、オゾン漂白段以降にも洗浄機が設けられ、こ
の洗浄機から排出される洗浄排水はオゾン漂白段の希釈
水としても使用されている。したがって、上記の酸素漂
白段由来のTDSの流入に加えて、このオゾン漂白段以
降の洗浄機で発生した洗浄排水中のオゾン漂白段由来の
TDSもパルプ希釈水としてオゾン漂白段に流入する。
【0007】酸素漂白段及びオゾン漂白段を有するパル
プの多段漂白方法において、これまで、この酸素漂白段
からオゾン漂白段に至る間に配置された洗浄機からの洗
浄排水由来のTDS、及びオゾン漂白段以降に配置され
た洗浄機からの洗浄排水由来のTDSがパルプに混入し
た場合、オゾン漂白段におけるオゾン漂白時のパルプの
漂白度にどのような影響を与えるのかが十分に明らかに
されていなかった。
【0008】一方、オゾンは他の漂白剤に比較して高価
であり、パルプの漂白に有効に使用されなければならな
いが、酸素漂白段による酸素漂白と次いでオゾン漂白段
によるオゾン漂白が行われ、各漂白段から移送されるパ
ルプに対して向流洗浄が行われるパルプの多段漂白方法
において、オゾンを無駄にすることなく使用する条件は
明らかではなかった。
【0009】そこで本発明は、オゾンをパルプの漂白剤
として使用し、向流洗浄方式を採用したパルプの多段漂
白方法において、これらの各漂白段に係る洗浄排水由来
のTDSのオゾン漂白に対する影響を漂白実験によって
明らかにし、製造されるパルプに対して悪影響がなく、
漂白性の低下を抑制し、オゾン漂白時のオゾンを有効に
使用することができるパルプの多段漂白方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行ない、オゾン漂白段以降で発生するTDSよりむし
ろ、酸素漂白段からオゾン漂白段までの間で発生するT
DSの流入がオゾン漂白段におけるオゾン漂白時にオゾ
ンの無効消費(TDS中の有機物とオゾンが反応するこ
とによる)量を増加させ、白色度の上昇を妨げるととも
にパルプ粘度の低下を引き起こすことを見いだした。
【0011】そこで前記した課題を解決するために本発
明のパルプの多段漂白方法は、酸素漂白段による酸素漂
白と次いでオゾン漂白段によるオゾン漂白が行われ、各
漂白段から移送されるパルプに対して向流洗浄が行われ
るパルプの多段漂白方法において、(1)酸素漂白段か
らオゾン漂白段に至る間に配置される洗浄機からの洗浄
排水の一部をオゾン漂白段以前のパルプの希釈に使用
し、(2)その洗浄排水中及び/又は移送パルプの同伴
水中の溶解性蒸発残留固形物(TDS)の量をモニタリ
ングし、(3)オゾン漂白段に流入するパルプ自由水中
の溶解性蒸発残留固形物(TDS)の量がパルプ絶乾重
量でのトン当たり30Kg以下となるように調整したこ
とを特徴とする。
【0012】また、オゾン漂白段以降の洗浄機からの洗
浄排水の一部をオゾン漂白段前後のパルプの希釈に使用
することが望ましい。
【0013】
【0014】前記本発明のパルプ漂白方法において、洗
浄排水中の溶解性蒸発残留固形物(TDS)の量をモニ
タリングする方法は、酸素漂白段からオゾン漂白段に至
る洗浄用水ライン及び/又はパルプ移送ラインの任意の
位置に設けられたTDSセンサによって行うことが望ま
しい。
【0015】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。なお、
この実施例は本発明を具現化した一例にすぎないもので
あり、本発明はこれに限定されない。
【0016】図1は、本発明のパルプの多段漂白方法に
使用されるプロセス図の一例である。1は酸素漂白段で
あり、ここにアルカリ蒸解されたパルプが導入されて酸
素漂白される。2は一番目の洗浄機であり、酸素漂白さ
れ、希釈されたパルプがパルプ移送ラインによりこの洗
浄機2に導入され洗浄される。3は二番目の洗浄機であ
り、この洗浄機3でさらに洗浄が行われる。4はオゾン
漂白段であり、前記洗浄が行われたパルプがこのオゾン
漂白段4でオゾン漂白される。5は洗浄機であり、オゾ
ン漂白され希釈されたパルプがこの洗浄機5に導入され
洗浄される。
【0017】このパルプの多段漂白方法において、各洗
浄機に導入される洗浄用水を通す洗浄用水ラインには、
酸素漂白されたパルプの洗浄を行うための酸素漂白段系
統と、オゾン漂白されたパルプの洗浄を行うためのオゾ
ン漂白段系統の2系統の洗浄用水ラインが配管されてい
る。各洗浄用水ラインにおいては、パルプ移送方向に対
して向流となるように洗浄用水が移送される。酸素漂白
段系統の洗浄用水ラインでは、清浄な洗浄用水が洗浄機
3に供給され、洗浄に使用され洗浄排水となって排出さ
れる。次いで、この洗浄排水は一部が洗浄機2と洗浄機
3との間のパルプ移送ラインに希釈水として供給され、
その洗浄排水の残部は洗浄機2へ洗浄用水として供給さ
れる。洗浄機2で洗浄に使用され排出される洗浄排水は
同様に、その一部が酸素漂白段1と洗浄機2の間のパル
プ移送ラインに希釈水として供給され、その洗浄排水の
残部は前工程のアルカリ蒸解等に利用される。
【0018】他方のオゾン漂白段系統の洗浄用水ライン
は、清浄な洗浄用水が洗浄機5に供給され洗浄排水とな
って排出される。次いでこの洗浄排水は一部がオゾン漂
白段4と洗浄機5との間のパルプ移送ラインに希釈水と
して供給され、先の洗浄用水の残部は、その一部が回収
水として回収され、その他は洗浄機3とオゾン漂白段4
との間のパルプ移送ラインに希釈水として利用される。
図1における洗浄用水ライン上の(a)、(b)及びパ
ルプ移送ライン上の(c)、(d)、(e)、(f)、
(g)、(h)、(i)で示す場所から選ばれた箇所に
は、洗浄用水中のTDS量又はパルプ中のTDS量を測
定するためのTDSセンサが配置されている。
【0019】このパルプの多段漂白方法において、酸素
漂白段以降に配置される洗浄機を通過してもなおパルプ
に残留するTDSが及ぼすオゾン漂白における影響、並
びにオゾン漂白段4以降に配置される洗浄機5からの洗
浄排水をパルプの希釈のために使用した際のオゾン漂白
における影響を調べるため、以下に示す実験を行った。
即ち、酸素漂白段1からオゾン漂白段4までのパルプ移
送ラインに配置される複数の洗浄機から回収した洗浄排
水(以下、酸素漂白排水という)をパルプに添加してオ
ゾン漂白した場合と、オゾン漂白段4以降に配置される
洗浄機5からの洗浄排水(以下、オゾン漂白排水とい
う)を再び別のパルプに添加し、オゾン漂白した場合と
で、添加する各洗浄排水中の各TDSの量がパルプ漂白
度に及ぼす影響を調べた。
【0020】この漂白実験において、酸素漂白排水又は
オゾン漂白排水を添加する対象パルプとして、広葉樹ク
ラフトパルプをアルカリ蒸解し、酸素漂白処理したパル
プを使用した。パルプに添加すべき酸素漂白排水又はオ
ゾン漂白排水を濾紙(5種Cフィルター)で濾過し、懸
濁固形物を除去した後に、ろ液中のTDSを予め測定し
た。酸素漂白排水を前記パルプに対して下記の表1に記
載のTDS添加量となるように添加した。また、オゾン
漂白排水を前記パルプに対して下記の表1に記載のTD
S添加量となるように添加した。なお、各TDS添加量
は、パルプの絶乾重量(トン)あたりのTDS重量(k
g)で示し、その単位をkg/BDTで標記した(な
お、BDTはBorn Dry Tonの略である)。
【0021】
【表1】 上記表1に示すTDS添加量の異なる各洗浄排水の添加
された各パルプをpH2、温度50℃、パルプ濃度10
%の条件でオゾン漂白した。得られたオゾン漂白処理後
のパルプに対して、白色度、粘度を測定し、パルプの漂
白性を評価した。また、オゾン漂白前後で消費されたオ
ゾン量を測定し、これと実験に使用したパルプ量(絶乾
重量300g)からパルプ重量あたりのオゾン消費量を
次の式(1)のように定義した。
【0022】
【数1】 得られたオゾン消費量と白色度との関係を図2に示し、
白色度と粘度との関係を図3に示す。図2及び図3中に
おいて、■印はTDSを全く含まない希釈水をパルプに
添加してオゾン漂白した場合、●印はパルプに酸素漂白
排水を添加してパルプ中のTDSが10kg/BDTと
なるようにしてオゾン漂白した場合、▲印は同じくTD
Sが30kg/BDTとなるようにしてオゾン漂白した
場合、◆印は同じくTDSが60kg/BDTとなるよ
うにしてオゾン漂白した場合、○印はオゾン漂白排水を
パルプに添加してTDSが32kg/BDTとなるよう
にしてオゾン漂白した場合をそれぞれ表す。
【0023】図2によれば、TDSの添加量が増加する
ほど、オゾン漂白において所定の白色度に到達するため
に要するオゾン量が増加する傾向が認められる。また図
3によれば、TDSの添加量が増加すると同一白色度に
おいて粘度が低下する傾向が認められる。これらの結果
から、TDSを含む酸素漂白排水をパルプの希釈水とし
て使用しパルプをオゾン漂白した場合には、希釈水から
のパルプへのTDS流入量の増加は、オゾンの無効消費
量を増加させ、かつパルプの粘度を低下させることが理
解される。
【0024】また、オゾン漂白排水をオゾン漂白段以前
のパルプの希釈水として使用してオゾン漂白した場合
(図2、図3において○印で表されている)、TDSを
全く含まない希釈水をパルプに添加してオゾン漂白した
場合(図2、図3において■印で表されている)に比べ
て若干のオゾン消費量の増加が認められるが、酸素漂白
排水によるパルプ中のTDS量が30kg/BDT(▲
印で表されている)とほぼ等しいTDS量であるにもか
かわらず、▲印よりも○印の方がオゾン消費量は少なく
なっていることが分かる(図2参照)。
【0025】さらに、図3から、オゾン漂白排水を希釈
水として使用してパルプをオゾン漂白した場合、そのT
DS量が32kg/BDTであっても、TDSを全く含
まない希釈水をパルプに添加してオゾン漂白した場合の
粘度低下とほぼ同じであり、粘度低下への影響はほとん
どないことが分かる。以上の実験の結果は、オゾン漂白
では、特に酸素漂白排水から流入するTDSがオゾンの
無効消費の増加やパルプの粘度低下を顕著に引き起こす
ことを示すものである。
【0026】このような結果の考察としては、酸素はオ
ゾンに比べ酸化力が弱い漂白剤であるため、酸素漂白排
水のTDS中の有機物はオゾンと反応しやすいものと考
えられ、一方、既にオゾンによって酸化分解されたオゾ
ン漂白排水のTDS中の有機物は酸素漂白排水中の有機
物に比べオゾンと反応しにくいものであるからと考えら
れる。
【0027】通常、オゾン漂白処理後には、さらに過酸
化水素などで仕上げ漂白が行われる。通常のパルプ漂白
方法では、仕上げ漂白後のパルプは、白色度80%以
上、粘度15cP程度以上が要求されている。そのため
には、オゾン漂白段を終了した段階のパルプでは、白色
度60〜70%程度で粘度15cP以上であることが必
要である。図3中の点線(…)を要求品質下限とする
と、白色度70%程度で粘度15cP以上とするために
は酸素漂白排水によるTDSの量を30kg/BDT以
下とする必要がある。なお、TDSを完全に0kg/B
DTとするのは実操業上困難である。
【0028】図2から、白色度60%に達するまでは酸
素漂白排水によるTDSの量を60kg/BDTとした
場合は、0kg/BDTの約2倍のオゾン消費量である
ことがわかるが、30kg/BDTでは0kg/BDT
の約5割増し、10kg/BDTでは約2割増しとTD
S量の削減に伴い大幅にオゾンの無効消費を抑えること
ができることがわかる。
【0029】本発明のパルプの多段漂白方法の好ましい
態様は次のように行われる。アルカリ蒸解されたパルプ
は、酸素漂白段で漂白され、その後パルプは、希釈され
複数の洗浄機を通過した後、さらに希釈され、オゾン漂
白段でオゾン漂白される。このオゾン漂白工程におい
て、酸素漂白段からの酸素漂白排水によるオゾン漂白段
へのTDS流入量を30kg/BDT以下とする。この
TDS流入量の調整は、酸素漂白段からオゾン漂白段に
至る洗浄用水ラインや、パルプ移送ラインの図1に示す
任意の位置〔(a)〜(i)〕に設けられたTDSセン
サによる計測値に基づいて行う。オゾン漂白後のパルプ
はさらに洗浄機で洗浄され、この洗浄排水(オゾン漂白
排水)はオゾン漂白段の希釈用水として使用される。な
お、このオゾン漂白排水中のTDSはパルプの粘度低下
に影響を及ぼさない。オゾン漂白後に洗浄機を通過した
パルプは仕上げ漂白工程へと送られる。二酸化塩素など
の仕上げ漂白剤を用いて、パルプは白色度80%以上、
粘度15cP以上で漂白され、要求されている品質を満
たすことができる。
【0030】なお、オゾン漂白段に流入する酸素漂白段
及び酸素漂白排水からのTDSが、蒸解や酸素漂白等の
前段操業条件が変動しても30kg/BDTを越えない
ようにするためには、このTDS値をコントロールする
必要がある。例えば、図1において、オゾン漂白段4に
流入するTDSが大きくなった場合は酸素漂白後の洗浄
機3への清浄な洗浄用水の量を増加させることで、洗浄
機3の洗浄効率を上げ、オゾン漂白段4に流入するTD
Sを下げることができる。また、オゾン漂白段4に流入
するTDSが30kg/BDTを越えるとき、洗浄機3
のあとにさらに別の洗浄機に通させてTDSを下げるこ
ともできる。
【0031】ライン上のTDSの変動を検知するための
TDSセンサには、有機物の溶解量を測定するために、
例えば、COD(Chemical Oxygen Demand; 化学的酸素
要求量)計やTOC(Total Organic Carbon; 全有機炭
素量)計などを用いても良いし、酸素漂白前後のパルプ
の漂白程度を自動カッパー価計や白色度計などで測定し
て酸素漂白後の有機物溶出量を算出してもよい。例え
ば、図1中の(h)に位置するTDSセンサでこのパル
プ移送ライン上のパルプ同伴水中のTDSを測定するこ
とができる。また(g)に位置するTDSセンサでパル
プ同伴水中のTDSと、(b)に位置するTDSセンサ
で洗浄排水中のTDSを測定することにより、パルプ移
送ライン上の記号の位置のTDSの量を算出することも
できる。
【0032】TDSセンサは、パルプ移送ライン上の
(c)〜(i)の位置、或いは洗浄用水ライン上の
(a)又は(b)の位置でのどのような組み合わせで設
置してもよく、オゾン漂白段に流入する酸素漂白TDS
の量がわかる位置に配置する。
【0033】
【発明の効果】本発明においては、オゾン漂白排水中の
TDSはオゾン漂白時にパルプの粘度低下に影響を及ぼ
さず、酸素漂白排水中のTDSがオゾン漂白時にオゾン
の無効消費やパルプの粘度低下を引き起こすことを明ら
かにし、本発明を構成したので、本発明のパルプの多段
漂白方法は、オゾン漂白時にパルプに対して悪影響がな
く、漂白性の低下を抑制し、オゾンを有効に使用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルプの多段漂白方法に使用されるプ
ロセス図の一例である。
【図2】オゾン消費量と白色度との関係を示す。
【図3】白色度と粘度との関係を示す。
【符号の説明】
1 酸素漂白段 2,3,5 洗浄機 4 オゾン漂白段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−101187(JP,A) 特開 昭53−19407(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21C 1/00 - 11/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素漂白段による酸素漂白と、次いでオ
    ゾン漂白段によるオゾン漂白とが行われ、各漂白段から
    移送されるパルプに対して向流洗浄が行われるパルプの
    多段漂白方法において、 (1)酸素漂白段からオゾン漂白段に至る間に配置され
    る洗浄機からの洗浄排水の一部をオゾン漂白段以前のパ
    ルプの希釈に使用し、 (2)その洗浄排水中及び/又は移送パルプの同伴水中
    の溶解性蒸発残留固形物(TDS)の量をモニタリング
    し、 (3)オゾン漂白段に流入するパルプ自由水中の溶解性
    蒸発残留固形物(TDS)の量がパルプ絶乾重量でのト
    ン当たり30Kg以下となるように調整したことを特徴
    とするパルプの多段漂白方法。
  2. 【請求項2】 酸素漂白段による酸素漂白と、次いでオ
    ゾン漂白段によるオゾン漂白とが行われ、各漂白段から
    移送されるパルプに対して向流洗浄が行われるパルプの
    多段漂白方法において、 (1)酸素漂白段からオゾン漂白段に至る間に配置され
    る洗浄機からの洗浄排水の一部をオゾン漂白段以前のパ
    ルプの希釈に使用するとともに、オゾン漂白段後の洗浄
    機からの洗浄排水の一部をオゾン漂白段前後のパルプの
    希釈に使用し、 (2)その洗浄排水中及び/又は移送パルプの同伴水中
    の溶解性蒸発残留固形物(TDS)の量をモニタリング
    し、 (3)オゾン漂白段に流入するパルプ自由水中の溶解性
    蒸発残留固形物(TDS)の量がパルプ絶乾重量でのト
    ン当たり30Kg以下となるように調整したことを特徴
    とするパルプの多段漂白方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄排水中の溶解性蒸発残留固形物
    (TDS)の量をモニタリングする方法は、酸素漂白段
    からオゾン漂白段に至る洗浄用水ライン及び/又はパル
    プ移送ラインの任意の位置に設けられたTDSセンサに
    よって行うことを特徴とする請求項1又は2記載のパル
    プの多段漂白方法。
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