JP3356943B2 - 乗用型田植機 - Google Patents

乗用型田植機

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JP3356943B2 JP32384296A JP32384296A JP3356943B2 JP 3356943 B2 JP3356943 B2 JP 3356943B2 JP 32384296 A JP32384296 A JP 32384296A JP 32384296 A JP32384296 A JP 32384296A JP 3356943 B2 JP3356943 B2 JP 3356943B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体に苗植付
装置を昇降自在に連結するとともに、前記苗植付装置
に、付勢手段により接地付勢されたセンターフロートを
後部支点周りに上下揺動自在に装備し、植え付け作業時
の走行に伴って変位する前記センターフロートの上下揺
動角度を検出するフロートセンサと、該フロートセンサ
からの検出に基づいて、前記センターフロートの上下揺
動角度が予め設定された目標角度に復帰するように前記
苗植付装置の昇降を制御する自動昇降制御手段とを備え
た乗用型田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような乗用型田植機おいては、自
動昇降制御手段が、フロートセンサからの検出値に基づ
いて、センターフロートの上下揺動角度が予め設定され
た目標角度に復帰するように苗植付装置の昇降を制御す
ることによって、圃場の起伏の変化にかかわらず苗植付
装置を所定の対地高さに維持できるように構成されてお
り、これによって、苗植付装置による苗の植え付けを予
め設定された植え付け深さで安定して行えるようにして
いる。尚、植え付け深さの設定は、苗植付装置の固定部
である植付伝動ケースに装備された植付機構に対する各
整地フロート(センターフロートを含む)の高さ位置を
変更し、植え付け作動時における植付機構の圃場に対す
る突入量を調節することによって行えるようになってい
る。また、センターフロートの目標角度は、圃場泥土の
硬さに応じて適宜設定変更されるものであって、その設
定変更は、作業者が圃場泥土の硬さを判断するととも
に、その判断に基づいて手動式の設定器を操作すること
によって行えるようになっている。
【0003】しかしながら、圃場によってはその一つの
圃場内において圃場泥土の硬さが頻繁に変化する場合が
あり、そのような場合には、植え付け作業時の走行に伴
って変化する圃場泥土硬さの判断と、その判断に基づく
センターフロートの目標角度の設定変更操作を迅速かつ
頻繁に行う必要が生じることから、作業者は、植え付け
作業時にかなりの労力を強いられるようになる。また、
植え付け作業時の走行に伴って圃場泥土の硬さが変化し
ている状況においてセンターフロートの目標角度の設定
変更操作を怠ると、例えば、圃場泥土の硬さが硬くなっ
た場合には、その泥土硬さの変化に起因してセンターフ
ロートが後部支点周りに上昇揺動(前上がり方向に姿勢
変更)するとともに、その上昇揺動角度をフロートセン
サが検出し、このフロートセンサからの検出値に基づい
て、自動昇降制御手段がセンターフロートの上下揺動角
度が予め設定された目標角度に復帰するように苗植付装
置を上昇させるようになることから、苗植付装置の対地
高さが所定の対地高さよりも高くなり、圃場泥土の硬さ
が硬くなっているにもかかわらず各整地フロートの接地
圧が低くなる。これによって、各整地フロートによる整
地が不十分になるとともに、苗植付装置による苗の植え
付けが予め設定された植え付け深さよりも浅くなること
から、苗倒れや浮き苗を招き易くなる不都合が生じるよ
うになる。また逆に、圃場泥土の硬さが柔らかくなった
場合には、その泥土硬さの変化に起因してセンターフロ
ートが後部支点周りに下降揺動(前下がり方向に姿勢変
更)するとともに、その下降揺動角度をフロートセンサ
が検出し、このフロートセンサからの検出値に基づい
て、自動昇降制御手段がセンターフロートの上下揺動角
度が予め設定された目標角度に復帰するように苗植付装
置を下降させるようになることから、苗植付装置の対地
高さが所定の対地高さよりも低くなり、圃場泥土の硬さ
が柔らかくなっているにもかかわらず各整地フロートの
接地圧が高くなる。これによって、各整地フロートによ
る泥押しが強くなることから、苗倒れを招き易くなる不
都合が生じるようになる。つまり、苗植付装置による適
切な苗の植え付けが行われなくなる不都合が生じるよう
になる。
【0004】そこで従来では、例えば特開平8‐130
941号公報や特開平8‐103129号公報などで開
示されているように、サイドフロートの泥面通過後に形
成された溝跡深さを検出する溝跡深さ検出センサと、こ
の溝跡深さ検出センサからの検出値に基づいて圃場泥土
の硬さを判断するとともに、その判断に基づいてセンタ
ーフロートの目標角度を補正する補正手段とを装備する
ことによって、植え付け作業時における作業者の労力を
軽減しながらも、苗植付装置による適切な苗の植え付け
を行えるようにしたものがあった。
【0005】ちなみに、サイドフロートの泥面通過後に
形成される溝跡深さは、前述した自動昇降制御手段の制
御作動によって、圃場泥土の硬さが硬くなるほど苗植付
装置が上昇することによって浅くなり、また逆に、圃場
泥土の硬さが柔らかくなるほど苗植付装置が下降するこ
とによって深くなる。一方、センターフロートの目標角
度は、前上がり側に変更されるほど前述した自動昇降制
御手段の制御作動によって苗植付装置が下降するように
なり、また逆に、前下がり側に変更されるほど苗植付装
置が上昇するようになる。これらの点から、補正手段
は、溝跡深さ検出センサにより検出される溝跡深さが深
いほど圃場の泥土が軟らかいと判断し、その判断に基づ
いて整地フロートの目標角度を前下がり側に変更するよ
う構成されており、これによって、圃場の硬軟にかかわ
らず、溝跡深さ検出センサにより検出される溝跡深さを
所定深さに維持することができて、苗植付装置の対地高
さを所定の対地高さに維持することができ、もって、苗
植付装置による適切な苗の植え付けを行えるようにな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術によると、溝跡深さ検出センサを構成する上に
おいては、例示した両公報で開示されているように圃場
泥土の表面を接地追従して泥土表面レベルを検出する接
地体と、サイドフロートの通過後に形成された溝跡底面
を接地追従して溝跡底面レベルを検出する接地体とを設
ける必要がある。また、サイドフロート通過後の溝跡底
面を接地追従することから、一般的には先に例示した特
開平8‐130941号公報で開示されているようにサ
イドフロートの後方に配置されて苗植付装置の後部から
突出する状態となる溝跡底面レベル検出用の接地体(同
公報においては泥土表面レベル検出用の接地体も苗植付
装置の後部から突出する状態に配置されている)の後進
走行時や旋回走行時における他物(畦など)との接触を
回避するための構成(例示した公報のうち、特開平8‐
130941号公報は、後進走行への切り換えに連動し
て苗植付装置を上昇させるバックアップ機能を設けた構
成であり、また、特開平8‐103129号公報は、整
地フロートの後部に切欠き部を形成するとともに、その
切欠き部に溝跡底面レベル検出用の接地体を配置して苗
植付装置の後部から突出させないようにした構成)を設
ける必要がある。つまり、構成が複雑化する不都合を招
くようになっていた。
【0007】しかも、例示した両公報で開示されている
ように、溝跡深さ検出センサは、苗植付装置の左右両端
側に配備されたサイドフロートの溝跡深さを検出するよ
う構成されていることから、溝跡深さを検出する際に
は、走行に伴う苗植付装置の走行機体との連結部を中心
にした左右両端側の上下揺動変位の影響を受け易くなっ
ており、検出精度の向上を図る上において困難なものと
なっていた。
【0008】本発明の目的は、作業者の労力の軽減を図
りながらも、植え付け作業時における苗植付装置の対地
高さを、より精度良く所定の対地高さに維持できるよう
構成して、適切な苗植付装置による苗の植え付けをより
確実に行えるようにするとともに、そのために要する構
成の簡素化を図れるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のうちの請求項1記載の発明では、走行機体
に苗植付装置を昇降自在に連結するとともに、前記苗植
付装置に、付勢手段により接地付勢されたセンターフロ
ートを後部支点周りに上下揺動自在に装備し、植え付け
作業時の走行に伴って変位する前記センターフロートの
上下揺動角度を検出するフロートセンサと、該フロート
センサからの検出に基づいて、前記センターフロートの
上下揺動角度が予め設定された目標角度に復帰するよう
に前記苗植付装置の昇降を制御する自動昇降制御手段と
を備えた乗用型田植機において、前記苗植付装置に対す
る前記センターフロートの左右近側部の泥土表面高さの
変位を検出するよう配置された左右一対の泥面高さ検出
センサを前記苗植付装置の固定部に装着するとともに、
前記泥土表面高さが大きくなるほど前記センターフロー
トの目標角度が前下がり側に変更されるように、前記左
右の泥面高さ検出センサからの検出値に基づいて前記セ
ンターフロートの目標角度を補正し、前記左右の泥面高
さ検出センサ(S3)からの検出値の差が所定値を超え
ると、前記センターフロート(16A)の目標角度を前
上がり側に変更する目標角度補正手段を装備した。
【0010】上記請求項1記載の発明によると、圃場の
起伏によりセンターフロートが後部支点周りに上下揺動
した場合には、そのセンターフロートの上下揺動角度を
フロートセンサが検出するとともに、その検出値に基づ
いて、自動昇降制御手段がセンターフロートの上下揺動
角度が予め設定された目標角度に復帰するように苗植付
装置の昇降を制御することによって、苗植付装置が圃場
の起伏に沿って昇降する状態となる。この状態では、泥
面高さ検出センサが苗植付装置に対する泥土表面高さの
変位を検出しないことから、目標角度補正手段がセンタ
ーフロートの目標角度を補正せずに維持するようにな
る。これによって、目標角度の補正に基づく自動昇降制
御手段の制御作動による苗植付装置の昇降が行われない
ことから、圃場の起伏の変化にかかわらず苗植付装置を
所定の対地高さに維持できるようになる。
【0011】一方、圃場泥土の硬さの変化によりセンタ
ーフロートが後部支点周りに上下揺動した場合には、そ
のセンターフロートの上下揺動角度をフロートセンサが
検出するとともに、その検出値に基づいて、自動昇降制
御手段がセンターフロートの上下揺動角度が予め設定さ
れた目標角度に復帰するように苗植付装置の昇降を制御
することによって、苗植付装置が圃場の起伏の変化がな
いにもかかわらず昇降する状態となって所定の対地高さ
から外れるようになる。これによって、泥面高さ検出セ
ンサが苗植付装置に対する泥土表面高さの変位を検出す
るようになるとともに、この検出値に基づいて、目標角
度補正手段が、その検出値に応じた補正値が得られるよ
うに、苗植付装置に対する泥土表面高さが大きく(高
く)なるほどセンターフロートの目標角度を前下がり側
に変更する補正を行うようになることから、この補正に
基づく自動昇降制御手段の制御作動によって苗植付装置
を所定の対地高さに復帰させることができるようにな
る。
【0012】詳述すると、例えば、圃場泥土の硬さが軟
らかくなることによってセンターフロートが後部支点周
りに下降揺動(沈下)した場合には、そのセンターフロ
ートの下降揺動角度をフロートセンサが検出するととも
に、その検出値に基づいて、自動昇降制御手段がセンタ
ーフロートの上下揺動角度が予め設定された目標角度に
復帰するように苗植付装置を下降させることによって、
苗植付装置が所定の対地高さから下降側に外れるように
なる。これによって、苗植付装置の固定部に配備された
泥面高さ検出センサは、苗植付装置に対して泥土表面高
さが大きく(高く)なる側に変位したことを検出するよ
うになるとともに、その検出値に基づいて、目標角度補
正手段は、その検出値に応じた補正値でセンターフロー
トの目標角度を前下がり側に補正するようになる。この
補正が行われると、自動昇降制御手段が、フロートセン
サにより検出されるセンターフロートの上下揺動角度が
前下がり側に補正された目標角度となるように苗植付装
置を上昇させるようになり、もって、苗植付装置を所定
の対地高さに復帰させることができるようになる。また
逆に、圃場泥土の硬さが硬くなることによってセンター
フロートが後部支点周りに上昇揺動(浮上)した場合に
は、そのセンターフロートの上昇揺動角度をフロートセ
ンサが検出するとともに、その検出値に基づいて、自動
昇降制御手段がセンターフロートの上下揺動角度が予め
設定された目標角度に復帰するように苗植付装置を上昇
させることによって、苗植付装置が所定の対地高さから
上昇側に外れるようになる。これによって、苗植付装置
の固定部に配備された泥面高さ検出センサは、苗植付装
置に対して泥土表面高さが小さく(低く)なる側に変位
したことを検出するようになるとともに、その検出値に
基づいて、目標角度補正手段は、その検出値に応じた補
正値でセンターフロートの目標角度を前上がり側に補正
するようになる。この補正が行われると、自動昇降制御
手段が、フロートセンサにより検出されるセンターフロ
ートの上下揺動角度が前上がり側に補正された目標角度
となるように苗植付装置を下降させるようになり、もっ
て、苗植付装置を所定の対地高さに復帰させることがで
きるようになる。
【0013】要するに、苗植付装置に対する泥土表面高
さの変位を検出する泥面高さ検出センサと、泥面高さ検
出センサからの検出値に基づいてセンターフロートの目
標角度を補正する目標角度補正手段とを装備したことに
よって、植え付け作業時における作業者の労力の軽減を
図りながらも、苗植付装置の対地高さを圃場の起伏や泥
土の硬さにかかわらず所定の対地高さに維持することが
できて、苗植付装置による苗の植え付けを、各整地フロ
ートによる整地不良や泥押しあるいは浅植えなどに起因
した苗倒れや浮き苗の生じ難い所定の植え付け深さで良
好に行えるようになる。
【0014】尚、当然のことながら、目標角度補正手段
は、センターフロートの左右に泥面高さ検出センサを配
設したことによって、左右それぞれの泥面高さ検出セン
サからの検出値の平均値を算出し、その平均値に応じた
補正値でセンターフロートの目標角度を補正するよう構
成されることから、センターフロートの左右いずれか一
方に配置した泥面高さ検出センサからの検出値に基づい
て補正値を選定してセンターフロートの目標角度を補正
する場合に比較して、より適切なセンターフロートの目
標角度の補正を行えるようになる。
【0015】また、上述したように、圃場泥土の硬さが
軟らかくなった場合には、泥面高さ検出センサからの検
出値に基づいて目標角度補正手段がセンターフロートの
目標角度を前下がり側に補正し、その補正に基づく自動
昇降制御手段の制御作動により苗植付装置を上昇させる
ことによって、苗植付装置を所定の対地高さに復帰させ
るようになることから、センターフロートは、接地圧が
低下して軟らかい圃場泥土の起伏でも敏感に上下揺動す
るようになり、フロートセンサは、その上下揺動角度を
検出するようになる。また逆に、圃場泥土の硬さが硬く
なった場合には、泥面高さ検出センサからの検出値に基
づいて目標角度補正手段がセンターフロートの目標角度
を前上がり側に補正し、その補正に基づく自動昇降制御
手段の制御作動により苗植付装置を下降させることによ
って、苗植付装置を所定の対地高さに復帰させるように
なることから、センターフロートは、接地圧が上昇して
多少の圃場泥土の起伏では上下揺動しないようになり、
フロートセンサは、その上下揺動角度の変動を余り検出
しないようになる。つまり、圃場泥土の硬さが軟らかく
なるほどフロートセンサの感知感度が自動的に敏感側に
調節され、また逆に、圃場泥土の硬さが硬くなるほどフ
ロートセンサの感知感度が自動的に鈍感側に調節される
のであり、これによって、泥土の硬い圃場における局部
的な凹凸をもフロートセンサが起伏として敏感に検出し
て苗植付装置が頻繁に昇降することによって、苗植付装
置による苗の植え付けに悪影響を及ぼすようになること
を回避でき、また、泥土の軟らかい圃場における起伏を
フロートセンサが検出しないことにより、起伏があるに
もにかかわらず苗植付装置が昇降しなくなることによっ
て、苗植付装置による苗の植え付けに悪影響を及ぼすよ
うになることを回避できるようになる。
【0016】要するに、フロートセンサの感知感度を圃
場泥土の硬さに応じた感知感度に自動調節することがで
きるのであり、これによって、苗植付装置による苗の植
え付けをより一層良好に行えるようになる。
【0017】しかも、泥面高さ検出センサは、単に苗植
付装置に対する泥土表面高さの変位を検出するものであ
ることから、従来技術として例示した溝跡深さ検出セン
サに比較して、溝跡底面レベル検出用の接地体を設ける
必要がなく、また、それによって、溝跡底面レベル検出
用の接地体の後進走行時や旋回走行時における他物(畦
など)との接触を回避するための構成を設ける必要がな
いので、構成の簡素化を図れるようになる。
【0018】その上、例えば、泥面高さ検出センサを苗
植付装置の可動部であるセンターフロートの揺動端に配
備した場合には、圃場泥土の硬さの変化に伴ってセンタ
ーフロートの目標角度(フロートセンサの感知感度)が
補正されることによりセンターフロートの基準姿勢が変
更されると、それに伴って泥面高さ検出センサの対地高
さおよび姿勢が変化し、泥面高さ検出センサの基準値が
変更された状態と同じようになることから、苗植付装置
に対する泥面表面高さの変位を精度良く検出するために
は、センターフロートの目標角度の補正に伴って、その
目標角度の補正値に応じた補正値で泥面高さ検出センサ
の基準値を補正する制御手段を備える必要が生じるので
あるが、上記請求項1記載の発明においては、泥面高さ
検出センサを苗植付装置の固定部に配備していることに
よって、センターフロートの目標角度の補正にかかわら
ず、センターフロートの後部支点に対する泥面高さ検出
センサの高さを一定に維持できるので、前述のようにセ
ンターフロートの目標角度の補正に伴って泥面高さ検出
センサの基準値を補正する制御手段を設けることなく、
泥面高さ検出センサにより苗植付装置に対する泥面表面
高さの変位を精度良く検出できるようになる。
【0019】さらに、センターフロートの左右近側部の
泥土表面高さの変位を検出する左右の泥面高さ検出セン
サは、苗植付装置の左右両端側に配備されたサイドフロ
ートの溝跡深さを検出する溝跡深さ検出センサよりもセ
ンターフロート側に配置されるものであることから、従
来技術として例示した溝跡深さ検出センサに比べて、検
出の際に、走行に伴う苗植付装置の走行機体との連結部
を中心にした左右両端側の上下揺動変位の影響を受け難
くなる。つまり、左右の泥面高さ検出センサを、センタ
ーフロートの左右近側部の泥土表面高さの変位を検出す
るように配置したことによって検出精度の向上を図れる
ようになる。
【0020】要するに、制御構成の複雑化を抑制しなが
らも、それぞれのセンターフロートの目標角度(フロー
トセンサの感知感度)における泥面高さ検出センサによ
る苗植付装置に対する泥土表面高さの変位検出をより精
度良く行うことができ、これによって、より適切なセン
ターフロートの目標角度の補正を行えるようになるとと
もに、その補正後の目標角度に基づく自動昇降制御手段
の制御作動によって、より精度良く苗植付装置を所定の
対地高さに維持できるようになる。
【0021】従って、植え付け作業時における作業者の
労力の軽減、ならびに、構成の簡素化を図りながらも、
植え付け作業時における苗植付装置の対地高さをより精
度良く所定の対地高さに維持することができて、苗植付
装置による適切な苗の植え付けをより確実に行えるよう
になった。
【0022】更に請求項1記載の本発明において、前記
左右の泥面高さ検出センサからの検出値の差が所定値を
超えると、前記センターフロートの目標角度が前上がり
側に変更されるように前記目標角度補正手段を構成し
た。
【0023】この発明によると、目標角度補正手段は、
一方の泥面高さ検出センサが、苗植付装置に対する泥土
表面の高さが大幅に小さく(低く)なったことを検出
し、かつ、他方の泥面高さ検出センサが、苗植付装置に
対する泥土表面の高さが大幅に大きく(高く)なったこ
とを検出することによって、左右の泥面高さ検出センサ
からの検出値の差が所定値を超えるようになると、その
圃場部分が荒れていると判断するとともに、その検出値
の差の所定値からの超過量に応じた補正値でセンターフ
ロートの目標角度が前上がり側に変更されるようにセン
ターフロートの目標角度を補正し、その補正後の目標角
度に基づく自動昇降制御手段の制御作動によって苗植付
装置を下降させるようになる。これによって、各整地フ
ロートの接地圧を高めることができて、各整地フロート
による整地作用を高くすることができるので、例えば、
枕地植えのように旋回走行などによって荒らされた圃場
部分に対して植え付けを行う場合においても、荒らされ
た圃場部分を充分に整地することができて、適切な苗の
植え付けを行うことができるようになる。つまり、単に
左右の泥面高さ検出センサからの検出値の平均値を算出
し、その平均値に応じた補正値でセンターフロートの目
標角度を補正するよう構成した場合には、圃場が荒れて
いることによって、一方の泥面高さ検出センサが、苗植
付装置に対して泥土表面の高さが大幅に小さくなったこ
とを検出し、かつ、他方の泥面高さ検出センサが、苗植
付装置に対して泥土表面の高さが大幅に大きくなったこ
とを検出したとしても、それらの検出値が相殺されるよ
うになって、圃場の荒れ具合が検知されずに目標角度補
正手段による通常の補正が行われるようになることか
ら、整地が不充分になって好適な苗の植え付けが行えな
くなる不都合が生じるのであるが、上記請求項2記載の
発明においては、このような不都合が生じることを回避
することができるようになる。
【0024】従って、植え付け作業時における作業者の
労力の軽減、ならびに、構成の簡素化を図りながらの苗
植付装置による適切な苗の植え付けを、旋回走行などに
よって荒らされた状態となる枕地などにおいても確実に
行えるようになった。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0026】図1には乗用型田植機の全体側面が示され
ており、この乗用型田植機は、乗用型の走行機体1と、
走行機体1の後部に昇降リンク機構2を介して油圧式の
リフトシリンダ3の作動により昇降自在に、かつ、電動
式のローリングモータ4の作動により前後軸芯P1周り
で傾動自在に連結された苗植付装置5によって構成され
ている。走行機体1の前部にはエンジン6が搭載されて
おり、エンジン6からの動力が、ベルト式無段変速装置
7やギヤ式変速装置8などを介して、前輪9、後輪1
0、および、苗植付装置5へ伝達されるようになってい
る。
【0027】図1および図2に示すように、苗植付装置
5は、エンジン6からの動力が入力されるフィードケー
ス11、フィードケース11から左右に向けて延設され
た角パイプ状の支持フレーム12、支持フレーム12か
ら後方に向けて三列で延設されたフレーム兼用の植付伝
動ケース13、各植付伝動ケース13の後部左右両側に
回転可能に軸支連結されたロータリ式の植付機構14、
各植付機構14に対して一定のストロークで往復横移動
する苗載台15、各植付機構14による苗植え付け箇所
に対して前もって整地作用を施す三つの整地フロート1
6などによって六条植え用に構成されている。
【0028】図2および図3に示すように、苗植付装置
5における各植付伝動ケース13の前下部には、左右の
植付伝動ケース13に渡って横架されたフロート支点パ
イプ17が、その軸芯である横軸芯P2周りに回動自在
に装着されている。フロート支点パイプ17における左
右中央部と左右両端部からは、フロート支点パイプ17
の横軸芯P2周りの回動に伴って横軸芯P2周りに上下
揺動する左右一対ずつの揺動アーム18が後方に向けて
延設されており、各揺動アーム18の遊端には対応配備
された整地フロート16の後部が横軸芯(後部支点)P
3周りに上下揺動自在に連結されている。フロート支点
パイプ17の略左右中央部には、走行機体1に向けて延
出された操作レバー19が一体回動自在に連結固定され
ている。支持フレーム12には、操作レバー19との係
合により操作レバー19を任意の操作位置に係合保持す
る係止板12Aが支持ブラケット12Bを介して連結固
定されている。つまり、操作レバー19をフロート支点
パイプ17の軸芯P2周りに操作し、係止板12Aとの
係合により任意の操作位置に係合保持することによっ
て、苗植付装置5の支持フレーム12や植付伝動ケース
13などからなる固定部5Aに装着された各植付機構1
4に対する各整地フロート16の高さ位置を一体的に変
更できて、植え付け作動時における各植付機構14の圃
場に対する突入量を一体的に調節でき、もって、苗植付
装置5による植え付け深さを調節できるようになってい
る。尚、整地フロート16の揺動支点となる横軸芯P3
は、植付機構14による植え付け箇所と機体前後方向に
おいて略一致するように設定されている。
【0029】図1および図4に示すように、走行機体1
にはマイクロコンピュータからなる制御装置20が搭載
されている。また、走行機体1の操縦部1Aに装備され
たステアリングハンドル22の左下部には中立復帰型の
操作レバー23が配備されている。この操作レバー23
を上方へ揺動操作すると第一スイッチ24が押圧操作さ
れ、また、操作レバー23を下方へ揺動操作すると第二
スイッチ25が押圧操作されるようになっている。第一
スイッチ24および第二スイッチ25は、それぞれ押圧
操作されるのに伴ってオン信号を制御装置20へ出力す
るようになっている。制御装置20は、第一スイッチ2
4からのオン信号が入力されると、植付クラッチ26の
伝動状態を切り換えるクラッチモータ27の作動を制御
して植付クラッチ26の切り状態を現出することによっ
て、苗植付装置5の植え付け作動を停止させるととも
に、その直後に、リフトシリンダ3に対する作動油の流
動状態を切り換える電磁制御弁28の作動を制御してリ
フトシリンダ3を伸長作動させることによって、苗植付
装置5を所定の上限位置まで上昇させるようになってい
る。また、苗植付装置5を所定の上限位置まで上昇させ
た後に第二スイッチ25からのオン信号が入力される
と、電磁制御弁28の作動を制御してリフトシリンダ3
を短縮作動させることによって、苗植付装置5を所定の
植え付け高さ位置まで下降させるようになっている。苗
植付装置5を所定の植え付け高さ位置まで下降させた後
に再び第二スイッチ25からのオン信号が入力される
と、クラッチモータ27の作動を制御して植付クラッチ
26の入り状態を現出することによって、苗植付装置5
の植え付け作動を再開させるようになっている。つま
り、制御装置20には、操作レバー23の操作に基づい
て苗植付装置5の植え付け作動ならびに昇降を制御する
手動制御手段20Aが制御プログラムとして備えられて
いる。
【0030】ちなみに、操作レバー23の操作に基づく
手動制御手段20Aの制御作動は、走行機体1における
運転座席29の右側方に配備された植付クラッチレバー
30を「自動」位置に位置させた状態においてのみ実行
されるようになっている。そして、手動制御手段20A
は、植付クラッチレバー30を「自動」位置に位置させ
ていない状態においては、植付クラッチレバー30の操
作位置に基づいて苗植付装置5の植え付け作動ならびに
昇降を制御するようになっている。尚、図4における符
号S1は、植付クラッチレバー30の「自動」「上昇」
「中立」「下降」「入(植付け)」「切(植付け)」の
各操作位置への操作を検出して制御装置20へ出力する
回転式のポテンショメータによって構成されたレバーセ
ンサである。
【0031】図3〜5に示すように、苗植付装置5に
は、整地フロート16のうちの苗植付装置5の左右中央
に配置されたセンターフロート16Aの揺動端となる先
端部を腰折れ式のリンク機構31を介して接地付勢する
付勢手段としてのコイルバネ32と、植え付け作業時の
走行に伴って横軸芯P3を支点として変位するセンター
フロート16Aの上下揺動角度θを検出して制御装置2
0へ出力する回転式のポテンショメータからなるフロー
トセンサS2とが装備されている。コイルバネ32の一
端とフロートセンサS2は、苗植付装置5の固定部5A
である支持フレーム12から上方に向けて延設された支
持ブラケット12Bに上下揺動自在に支持された上下一
対の揺動リンク34の遊端に枢支連結された固定部5A
側の可動ブラケット35に支持されている。上下一対の
揺動リンク34のうち上側に位置する揺動リンク34
は、その他端部が植え付け深さ調節用の操作レバー19
より延設された連係ピン19aに係合されており、操作
レバー19の操作により植付機構14に対する整地フロ
ート16の高さ位置を変更するのに伴って、フロートセ
ンサS2の高さ位置も整地フロート16と同じ変位量で
変更されるようになっている。つまり、植え付け深さ調
節にかかわらず、整地フロート16の後部支点P3に対
するフロートセンサS2の高さ位置が一定に維持される
ようになっている。
【0032】図4に示すように、制御装置20は、フロ
ートセンサS2による検出値としてのセンターフロート
16Aの上下揺動角度θが入力されると、その検出値に
基づいて、センターフロート16Aの上下揺動角度θが
予め設定された目標角度θoに復帰するように苗植付装
置5の昇降を制御するようになっている。尚、フロート
センサS2は、センターフロート16Aが水平姿勢にな
ると0度を検出し、センターフロート16Aが前上がり
姿勢になるとプラス角を検出し、センターフロート16
Aが前下がり姿勢になるとマイナス角を検出するよう設
定されている。フロートセンサS2からの検出値に基づ
く制御装置20の制御作動について詳述すると、制御装
置20は、予め設定されたセンターフロート16Aの目
標角度θo(以下、単に目標角度θoと略称する)とフ
ロートセンサS2により検出されたセンターフロート1
6Aの上下揺動角度θ(以下、単に検出角度θと略称す
る)とを比較し、その比較結果から、例えば、目標角度
θoに対して検出角度θが大きい(センターフロート1
6Aが目標角度θoよりも前上がり方向にある)と判断
した場合には、リフトシリンダ3の伸長作動により苗植
付装置5を上昇させてセンターフロート16Aの揺動支
点(横軸芯)P3を上昇変位させることによって、セン
ターフロート16Aの上下揺動角度θを目標角度θoに
復帰させるようになっている。また逆に、目標角度θo
に対して検出角度θが小さい(センターフロート16A
が目標角度θoよりも前下がり方向にある)と判断した
場合には、リフトシリンダ3の短縮作動により苗植付装
置5を下降させてセンターフロート16Aの揺動支点P
3を下降変位させることによって、センターフロート1
6Aの上下揺動角度θを目標角度θoに復帰させるよう
になっている。つまり、制御装置20には、フロートセ
ンサS2からの検出値に基づいて苗植付装置5の昇降を
制御する自動昇降制御手段20Bが制御プログラムとし
て備えられており、この自動昇降制御手段20Bの制御
作動によって、圃場の起伏にかかわらず苗植付装置5を
所定の対地高さに維持することができ、もって、苗植付
装置5による苗の植え付けを予め設定した所望の植え付
け深さで行えるようになっている。
【0033】ちなみに、センターフロート16Aの目標
角度θoは、圃場泥土の硬さに応じて適宜設定変更され
るものであり、その設定変更は、作業者が圃場泥土の硬
さを判断するとともに、その判断に基づいて、走行機体
1の操縦部1Aに装備された手動式の第一設定器37を
操作することによって人為的に行えるようになってい
る。また、制御装置20には、泥面高さ検出センサS3
からの検出値に基づいてセンターフロート16Aの目標
角度θoを補正する目標角度補正手段20Cが制御プロ
グラムとして備えられており、この目標角度補正手段2
0Cの制御作動を実行させることによって、センターフ
ロート16Aの目標角度θoを圃場泥土の硬さに応じた
目標角度θoに自動的に設定変更できるようになってい
る。
【0034】以下、目標角度補正手段20Cの制御作動
により、センターフロート16Aの目標角度θoを自動
的に設定変更するための構成について詳述する。
【0035】図2〜4に示すように、泥面高さ検出セン
サS3は、センターフロート16Aの左右近側部におけ
る苗植付装置5に対する泥土表面高さの変位を検出する
ように、苗植付装置5の左右に各整地フロート16の間
に位置する状態に配設されている。各泥面高さ検出セン
サS3は、植付機構14を備えた苗植付装置5の固定部
5Aに対する整地フロート16の高さ調節(植え付け深
さ調節)に連動して上下動する固定部5A側の可動ブラ
ケット35に支持固定された回転式のポテンショメータ
38と、このポテンショメータ38の操作軸38aから
後方に向けて上下揺動自在に延設された接地体39によ
って構成され、接地体39が、植え付け作業時の走行に
伴って圃場の泥土表面を接地追従し、かつ、ポテンショ
メータ38が、植え付け作業時の走行に伴って変位する
接地体39の上下揺動角度を検出することによって、苗
植付装置5に対する泥土表面高さの変位を検出するとと
もに、その検出値を制御装置20の目標角度補正手段2
0Cへ出力するようになっている。尚、泥面高さ検出セ
ンサS3の接地体39は、その接地点が植付機構14に
よる植え付け箇所と機体前後方向において略一致するよ
うに形成されている。一方、目標角度補正手段20C
は、左右の泥面高さ検出センサS3からの検出値に基づ
いて平均値を算出するとともに、その平均値に基づいて
苗植付装置5に対する泥土表面高さを検知し、その検知
に応じた補正値が得られるように、苗植付装置5に対す
る泥土表面高さが大きい(接地体39が上方に変位す
る)ほどセンターフロート16Aの目標角度θoを前下
がり側(フロートセンサS2の検出基準値をマイナス角
検出方向側)に変更する補正を行うよう構成されてい
る。
【0036】以上の構成から、例えば、圃場泥土の硬さ
が軟らかくなることによってセンターフロート16Aが
後部支点P3周りに下降揺動(沈下)した場合には、そ
のセンターフロート16Aの下降揺動角度θをフロート
センサS2が検出するとともに、その検出値に基づい
て、自動昇降制御手段20Bがセンターフロート16A
の上下揺動角度θが予め設定された目標角度θoに復帰
するように苗植付装置5を下降させることによって、苗
植付装置5が所定の対地高さから下降側に外れるように
なったとしても、これに伴って、泥面高さ検出センサS
3が、苗植付装置5に対して泥土表面高さが大きく(高
く)なる側に変位したことを検出するとともに、その検
出値に基づいて、目標角度補正手段20Cが、その検出
値に応じた補正値でセンターフロート16Aの目標角度
θを前下がり側に補正し、この補正後の目標角度θに基
づいて、自動昇降制御手段20Bが、フロートセンサS
2からの検出角度θが前下がり側に補正された目標角度
θoとなるように苗植付装置5を上昇させるようになる
ので、苗植付装置5を所定の対地高さに復帰させること
ができるようになっている。また逆に、圃場泥土の硬さ
が硬くなることによってセンターフロート16Aが後部
支点P3周りに上昇揺動(浮上)した場合には、そのセ
ンターフロート16Aの上昇揺動角度θをフロートセン
サS2が検出するとともに、その検出値に基づいて、自
動昇降制御手段20Bがセンターフロート16Aの上下
揺動角度θが予め設定された目標角度θoに復帰するよ
うに苗植付装置5を上昇させることによって、苗植付装
置5が所定の対地高さから上昇側に外れるようになった
としても、これに伴って、泥面高さ検出センサS3が、
苗植付装置5に対して泥土表面高さが小さく(低く)な
る側に変位したことを検出するとともに、その検出値に
基づいて、目標角度補正手段20Cが、その検出値に応
じた補正値でセンターフロート16Aの目標角度θを前
上がり側に補正し、この補正後の目標角度θに基づい
て、自動昇降制御手段20Bが、フロートセンサS2か
らの検出角度θが前上がり側に補正された目標角度θo
となるように苗植付装置5を下降させるようになるの
で、苗植付装置5を所定の対地高さに復帰させることが
できるようになっている。
【0037】つまり、苗植付装置5に対する泥土表面高
さの変位を検出する泥面高さ検出センサS3と、泥面高
さ検出センサS3からの検出値に基づいてセンターフロ
ート16Aの目標角度θoを補正する目標角度補正手段
20Cとを装備したことによって、圃場泥土の硬さに応
じた目標角度θoの設定を自動的に行うことができ、こ
れによって、苗植付装置5の対地高さを圃場の起伏や圃
場泥土の硬さにかかわらず所定の対地高さに維持するこ
とができて、苗植付装置5による苗の植え付けを予め設
定した所望の植え付け深さで安定して行えるようになっ
ている。
【0038】また、上述したように圃場泥土の硬さが軟
らかくなった場合には、泥面高さ検出センサS3からの
検出値に基づいて目標角度補正手段20Cがセンターフ
ロート16Aの目標角度θoを前下がり側に補正し、そ
の補正に基づく自動昇降制御手段20Bの制御作動によ
って苗植付装置5が上昇して所定の対地高さに復帰する
ようになることから、センターフロート16Aは、接地
圧が低下して軟らかい圃場泥土の起伏でも敏感に上下揺
動するようになり、その上下揺動角度θをフロートセン
サS2が検出するようになる。また逆に、圃場泥土の硬
さが硬くなった場合には、泥面高さ検出センサS3から
の検出値に基づいて目標角度補正手段20Cがセンター
フロート16Aの目標角度θoを前上がり側に補正し、
その補正に基づく自動昇降制御手段20Bの制御作動に
よって苗植付装置5が下降して所定の対地高さに復帰す
るようになることから、センターフロート16Aは、接
地圧が上昇して多少の圃場泥土の凹凸では上下揺動しな
いようになり、その上下揺動角度θの変動をフロートセ
ンサS2が余り検出しないようになる。つまり、圃場泥
土の硬さが軟らかくなるほど自動的にフロートセンサS
2の感知感度が敏感側に調節され、また逆に、圃場泥土
の硬さが硬くなるほど自動的にフロートセンサS2の感
知感度が鈍感側に調節されるのであり、これによって、
泥土の軟らかい圃場における起伏をフロートセンサS2
が検出しないことにより、起伏があるにもにかかわらず
苗植付装置5が昇降しなくなって、苗植付装置5による
苗の植え付けに悪影響を及ぼすようになることを回避で
き、また、泥土の硬い圃場における泥塊などに起因した
局部的な凹凸をもフロートセンサS2が起伏として敏感
に検出し、苗植付装置5が頻繁に昇降することによっ
て、苗植付装置5による苗の植え付けに悪影響を及ぼす
ようになることを回避できるようになっている。
【0039】要するに、フロートセンサS2の感知感度
(目標角度θo)を圃場泥土の硬さに応じた感知感度に
自動調節することができるのであり、これによって、苗
植付装置5による苗の植え付けをより一層良好に行える
ようになっている。
【0040】しかも、上述のように、苗植付装置5の固
定部5Aに対するセンターフロート16Aの高さ調節に
連動して上下動する固定部5A側の可動ブラケット35
に各泥面高さ検出センサS3を支持させることによっ
て、植え付け深さ調節にかかわらず、センターフロート
16Aの後部支点P3に対する泥面高さ検出センサS3
の高さを一定に維持できるようになっている。つまり、
例えば、泥面高さ検出センサS3を苗植付装置5におけ
る支持フレーム12や植付伝動ケース13などの固定部
5Aに固定装備した場合には、植え付け深さ調節(苗植
付装置5の固定部5Aに装備された植付機構14に対す
る整地フロート16の高さ位置調節)を行うと、それに
伴って泥面高さ検出センサS3の対地高さが変化し、苗
植付装置5に対する泥土表面高さの変位を検出する上に
おいて基準となる泥面高さ検出センサS3の基準値も変
化するようになることから、植え付け深さ調節に伴っ
て、その調節量に応じた補正値で泥面高さ検出センサS
3の基準値を補正する制御手段を備える必要が生じ、ま
た、泥面高さ検出センサS3を苗植付装置5における可
動部であるセンターフロート16Aの揺動端に配備した
場合には、圃場泥土硬さの変化に伴ってセンターフロー
ト16Aの目標角度θo(フロートセンサS2の感知感
度)が補正されることによりセンターフロート16Aの
基準姿勢が変更されると、それに伴って泥面高さ検出セ
ンサS3の対地高さが変化し、泥面高さ検出センサS3
の基準値も変化するようになることから、センターフロ
ート16Aの目標角度θoの補正に伴って、その目標角
度θoの補正値に応じた補正値で泥面高さ検出センサS
3の基準値を補正する制御手段を備える必要が生じるの
であるが、本実施形態においては、前述したように固定
部5A側の可動ブラケット35に泥面高さ検出センサS
3を支持させていることによって、植え付け深さ調節や
センターフロート16Aの目標角度θoの補正にかかわ
らずセンターフロート16Aの後部支点P3に対する泥
面高さ検出センサS3の高さを一定に維持できるので、
後述のように植え付け深さ調節やセンターフロート16
Aの目標角度θoの補正に伴って泥面高さ検出センサS
3の基準値を補正する制御手段を備える必要がない。
【0041】さらに、センターフロート16Aの左右近
側部に泥面高さ検出センサS3を配置したことによっ
て、泥面高さ検出センサS3は、苗植付装置5に対する
泥土表面高さの変位を検出する際において、走行に伴う
苗植付装置5の走行機体1との連結部(前後軸芯P1)
を中心にした左右両端側の上下揺動変位(ローリング揺
動)の影響を受け難くなることから、苗植付装置5に対
する泥土表面高さの変位を検出する際の検出精度の向上
を図れるようになっている。
【0042】要するに、制御構成の複雑化を抑制しなが
ら、それぞれの植え付け深さやセンターフロート16A
の目標角度θo(フロートセンサS2の感知感度)にお
ける泥面高さ検出センサS3による苗植付装置5に対す
る泥土表面高さの変位検出をより精度良く行うことがで
き、これによって、より適切なセンターフロート16A
の目標角度θoの補正を行えるとともに、その補正後の
目標角度θoに基づく自動昇降制御手段20Bの制御作
動によって、より精度良く苗植付装置5を所定の対地高
さに維持できるようになっている。
【0043】図4に示すように、制御装置20には、左
右の泥面高さ検出センサS3からの検出値の差を算出す
る演算手段20Dが備えられており、一方の泥面高さ検
出センサS3が、苗植付装置5に対する泥土表面高さが
大幅に小さく(低く)なったことを検出し、かつ、他方
の泥面高さ検出センサが、苗植付装置5に対する泥土表
面高さが大幅に大きく(高く)なったことを検出するこ
とによって、図6に示すように演算手段20Dからの算
出値が所定値を超えるようになると、目標角度補正手段
20Cは、その圃場部分が荒れていると判断して、その
算出値の所定値からの超過量に応じた補正値でセンター
フロート16Aの目標角度θoが前上がり側に変更され
るようにセンターフロート16Aの目標角度θoを補正
し、その補正後の目標角度θoに基づく自動昇降制御手
段20Bの制御作動によって苗植付装置5を下降させる
よう構成されている。これによって、各整地フロート1
6の接地圧を高めることができて、各整地フロート16
による整地作用を高くすることができるので、例えば、
枕地植えのように旋回走行などによって荒らされた圃場
部分に対して植え付けを行う場合においても、荒らされ
た圃場部分を充分に整地することができて、苗植付装置
5による適切な苗の植え付けを確実に行えるようになっ
ている。
【0044】尚、手動式の第一設定器37の操作により
フロートセンサS2の感知感度を手動設定する場合に
は、操縦部1Aに装備されたダイヤル式の切り換えスイ
ッチ40を「手動」位置に操作し、また、目標角度補正
手段20Cの制御作動によりフロートセンサS2の感知
感度を自動設定する場合には、切り換えスイッチ40を
「自動」位置に操作することによって、フロートセンサ
S2の感知感度設定方法を切り換えられるようになって
いる。
【0045】図4に示すように、制御装置20には、走
行機体1の操縦部1Aに装備された第二設定器42の操
作位置に基づいて、泥面高さ検出センサS3の基準値を
変更する基準値変更手段20Eが制御プログラムとして
備えられている。この構成により、泥面高さ検出センサ
S3の基準値つまり泥面高さ検出センサS3が苗植付装
置5に対する泥土表面高さの変位を検出する際の基準泥
土表面高さを変更できるようになることから、例えば、
苗植付装置5に対する基準泥土表面高さが小さく(低
く)なるように泥面高さ検出センサS3の基準値を変更
すると、その変更に伴って、泥面高さ検出センサS3
は、苗植付装置5に対して泥土表面高さが大きく(高
く)なる側に変位したことを検出するようになり、その
検出値に基づいて、目標角度補正手段20Cは、その検
出値に応じた補正値でセンターフロート16Aの目標角
度θoを前下がり側に補正するようになり、この補正が
行われると、自動昇降制御手段20Bが、フロートセン
サS2により検出されるセンターフロート16Aの上下
揺動角度θが前下がり側に補正された目標角度θoとな
るように苗植付装置5を上昇させるようになるので、整
地フロート16の接地圧を低くすることができるように
なる。また逆に、苗植付装置5に対する基準泥土表面高
さが大きく(高く)なるように泥面高さ検出センサS3
の基準値を変更すると、その変更に伴って、泥面高さ検
出センサS3は、苗植付装置5に対して泥土表面高さが
大きく(高く)なる側に変位したことを検出するように
なり、その検出値に基づいて、目標角度補正手段20C
は、その検出値に応じた補正値でセンターフロート16
Aの目標角度θoを前上がり側に補正するようになり、
この補正が行われると、自動昇降制御手段20Bが、フ
ロートセンサS2により検出されるセンターフロート1
6Aの上下揺動角度θが前上がり側に補正された目標角
度θoとなるように苗植付装置5を下降させるようにな
るので、整地フロート16の接地圧を高くすることがで
きるようになる。つまり、泥面高さ検出センサS3の基
準値を変更することによって整地フロート16の接地圧
を設定できるのであり、もって、作業者の好みに応じた
整地フロート16の整地具合を得ることができるように
なっている。また、その整地具合は、泥面高さ検出セン
サS3、自動昇降制御手段20B、および、目標角度補
正手段20Cの作動によって維持されるようになってい
る。
【0046】図4に示すように、制御装置20には、左
右の泥面高さ検出センサS3からの検出値に基づいてロ
ーリングモータ4の作動を制御することにより、苗植付
装置5を圃場泥面に沿う状態となるように前後軸芯P1
周りに回動させるローリング制御手段20Fが制御プロ
グラムとして備えられており、このローリング制御手段
20Fの制御作動によって、苗植付装置5を圃場泥面の
左右傾斜に沿うように考慮した状態で所定の対地高さに
位置させることができるようになっている。つまり、苗
植付装置5に対して圃場泥面が左右方向に傾斜していた
としても、ローリング制御手段20Fの制御作動によ
り、苗植付装置5を圃場泥面に沿う状態に傾斜させるこ
とによって、苗植付装置5の固定部5Aに左右方向に並
列装備される植付機構14の各対地高さを略同じ高さに
揃えることができて、各条の植え付け深さを略同じ深さ
に植え付けることができるので、苗植付装置5による良
好な苗の植え付けを安定して行えるようになっている。
また、センターフロート16Aの目標角度θoを補正す
るために装備した左右の泥面高さ検出センサS3をロー
リング制御用に流用していることから、ローリング制御
専用の検出センサを別途設ける場合に比較して、構成の
複雑化や製造コストの高騰を抑制できるようになってい
る。
【0047】〔別実施例〕 上記の実施形態においては、六条植え用の苗植付装
置5が装備された乗用型田植機を例示したが、苗植付装
置5としては、四条植え用、五条植え用、八条植え用、
十条植え用、あるいは、十二条植え用のものであっても
よい。 左右の泥面高さ検出センサS3を、苗植付装
置5における支持フレーム12や植付伝動ケース13な
どの固定部5Aに固定装備するようにしてもよい。この
場合には、植え付け深さ調節(苗植付装置5の固定部5
Aに装備された植付機構14に対する整地フロート16
の高さ位置調節)に伴って、その調節量に応じた補正値
で泥面高さ検出センサS3の基準値を補正する制御手段
を備えるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】苗植付装置の構成を示す概略平面図
【図3】泥面高さ検出センサおよびフロートセンサの構
成を示す苗植付装置の要部側面図
【図4】制御構成を示すブロック図
【図5】泥面高さ検出センサおよびフロートセンサの構
成を示す苗植付装置の要部正面図
【図6】左右の泥面高さ検出センサからの検出値の差の
変動を示すグラフ
【符号の説明】
1 走行機体 5 苗植付装置 5A 固定部 16A センターフロート 20B 自動昇降制御手段 20C 目標角度補正手段 32 付勢手段 P3 後部支点 S2 フロートセンサ S3 泥面高さ検出センサ θ 上下揺動角度 θo 目標角度

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体(1)に苗植付装置(5)を昇
    降自在に連結するとともに、前記苗植付装置(5)に、
    付勢手段(32)により接地付勢されたセンターフロー
    ト(16A)を後部支点(P3)周りに上下揺動自在に
    装備し、植え付け作業時の走行に伴って変位する前記セ
    ンターフロート(16A)の上下揺動角度を検出するフ
    ロートセンサ(S2)と、該フロートセンサ(S2)か
    らの検出に基づいて、前記センターフロート(16A)
    の上下揺動角度が予め設定された目標角度に復帰するよ
    うに前記苗植付装置(5)の昇降を制御する自動昇降制
    御手段(20B)とを備えた乗用型田植機において、 前記苗植付装置(5)に対する前記センターフロート
    (16A)の左右近側部の泥土表面高さの変位を検出す
    るよう配置された左右一対の泥面高さ検出センサ(S
    3)を前記苗植付装置(5)の固定部(5A)に装着す
    るとともに、前記泥土表面高さが大きくなるほど前記セ
    ンターフロート(16A)の目標角度が前下がり側に変
    更されるように、前記左右の泥面高さ検出センサ(S
    3)からの検出値に基づいて前記センターフロート(1
    6A)の目標角度を補正し、前記左右の泥面高さ検出セ
    ンサ(S3)からの検出値の差が所定値を超えると、前
    記センターフロート(16A)の目標角度を前上がり側
    に変更する目標角度補正手段(20C)を装備してある
    乗用型田植機。
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