JP3354361B2 - 車両用変速機の制御装置 - Google Patents

車両用変速機の制御装置

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JP3354361B2
JP3354361B2 JP25466295A JP25466295A JP3354361B2 JP 3354361 B2 JP3354361 B2 JP 3354361B2 JP 25466295 A JP25466295 A JP 25466295A JP 25466295 A JP25466295 A JP 25466295A JP 3354361 B2 JP3354361 B2 JP 3354361B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車両用変速機の制
御装置に関し、より具体的にはトルクコンバータのロッ
クアップクラッチの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車速や機関回転数とスロットル開
度などの機関負荷とに基づいて予め定められる変速特性
(シフトマップ)と、これらパラメータの実測値とを比
較し、自動的に最適な変速段を選択して切り換える自動
変速機が知られている。
【0003】この種の自動変速機は、駆動力源である内
燃機関と変速機構部との間に流体トルクコンバータを備
え、発進や追越しなどの加速時にはそのトルク増大特性
を活用すると共に、クルーズ時には流体トルクコンバー
タの入出力間を直結ないし半係合状態とするロックアッ
プクラッチを備えている。そして、車速や機関負荷(ス
ロットル開度)、変速比などの走行条件によってロック
アップクラッチのオン(作動)/オフ(非作動)領域を
予め定め、それに基づいてロックアップクラッチを制御
して流体伝達による効率の低下を防止している。
【0004】また、このロックアップクラッチのオン/
オフ特性は、アクセルペダルの踏み込まれた加速領域で
はいわゆるサージングと呼ばれる車体振動などが起こる
可能性があることから、ドライバビリティの観点で設定
が非常に難しく、そのためにアクセルペダルの踏み込ま
れる加速領域では通例はロックアップクラッチをオフ、
より詳しくは油圧回路の特性から決定される弱い係合力
のみを与える弱ロックアップ領域としていた。そのよう
な従来技術の例としては、特開昭63−180,757
号公報記載の技術を挙げることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、燃費
を更に向上させることが一段と要求されており、その意
味からロックアップクラッチのオン(作動)領域を拡大
することが望まれているが、上記した従来技術にあって
はその点に十分応えるものではなかった。他方、オン
(作動)領域を無闇に拡大することは、上記したように
サージングの点でドライバビリティの低下につながる。
【0006】従って、この発明の目的は上記した不都合
を解消し、サージングの発生を回避しつつロックアップ
クラッチのオン(作動)領域を拡大させて燃費の向上を
図るようにした車両用変速機の制御装置を提供すること
にある。
【0007】更に、この発明の第2の目的は、ロックア
ップクラッチのオン(作動)領域を拡大させて燃費の向
上を図ると共に、加速領域でのダイレクト感ないしはア
クセルペダル踏込みに対する車両加速レスポンスなどの
点でむしろドライバビリティを向上させるようにした車
両用変速機の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の第1、第2の目的
を解決するためにこの発明は以下のように構成した。後
述する符合を付して説明すると、請求項1項にあって
は、駆動力源(内燃機関E)の駆動力を複数の変速比を
備える変速機構部(自動変速機T)へ伝達する継手手段
(ロックアップクラッチL)と、前記継手手段の係合解
除を制御する係合力制御手段(ECU、油圧制御回路
O、ソレノイド3,4,S18,S28)と、を有する
車両用変速機の制御装置において、前記係合力制御手段
は、所定の特性(スロットル開度θTH)に従って予め定
められた、前記継手手段の係合力を決定する基本デュー
ティ値BDUTYを記憶する記憶手段(ECU)と、車
両の走行状態(スロットル開度θTH、車速V、トルクコ
ンバータのスリップ率ETR)を検知する検知手段(E
CU、スロットル開度センサS1、車速センサS2、入
力軸回転速度センサS3、クランク角センサS6)と、
前記車両の走行状態(スロットル開度θTH、車速V)に
対して予め設定された、前記継手手段が所定の係合状態
(完全ロックアップまたはロックアップ強あるいは目標
スリップ率)となるように前記基本デューティ値を決定
する第1の制御領域(図4の領域ア、イ、ウ)と、前記
第1の制御領域よりも低い係合力となるように前記基本
デューティ値を決定する第2の制御領域(図4の領域
エ)の少なくとも2つの制御領域のうち、いずれの制御
領域にあるかを、前記検知手段の検知結果に基づいて判
断する判断手段(ECU,S16)と、および前記判断
手段によって前記第2の制御領域にあると判断されたと
き、前記検知手段の検知結果に基づいてあいまい推論を
い、前記基本デューティ値を補正する補正係数LFK
を算出すると共に、前記算出された補正係数に基づいて
前記基本デューティ値を補正する補正手段(ECU,S
28,S100からS128)と、を含み、前記第2の
制御領域にあるとき、前記補正されたデューティ値FB
DYに基づいて前記継手手段を制御する如く構成した。
【0009】請求項2項にあっては、さらに前記継手手
段を解除するように前記基本デューティ値を決定する第
3の制御領域(図4の領域カ)を設定すると共に、前記
係合力制御手段は、前記第2の制御領域から前記第3の
制御領域へ移行したとき、前記補正されたデューティ値
を徐々に減少させる(ECU,S200からS210)
如く構成した。
【0010】請求項3項にあっては、前記係合力制御手
段は、車両走行が前記第3の制御領域から前記第2の制
御領域に移行したとき、前記補正されたデューティ値に
向けて前記基本デューティ値を徐々に増加させる(EC
U,S300からS314)如く構成した。
【0011】請求項4項にあっては、駆動力源(内燃機
関E)の駆動力を複数の変速比を備える変速機構部(自
動変速機T)へ伝達する流体継手(流体トルクコンバー
タ12)と、前記流体継手の入力側と出力側とを連結す
る連結クラッチ(ロックアップクラッチL)と、および
前記連結クラッチの係合解除を制御する係合力制御手段
(ECU、油圧制御回路O、ソレノイド3,4,S1
8,S28)と、を有する車両用変速機の制御装置にお
いて、前記係合力制御手段は、所定の特性(スロットル
開度θTH)に従って予め定められた、前記連結クラッチ
の係合力を決定する基本デューティ値BDUTYを記憶
する記憶手段(ECU)と、車両の走行状態(スロット
ル開度θTH、車速V、トルクコンバータのスリップ率E
TR)を検知する検知手段(ECU、スロットル開度セ
ンサS1、車速センサS2、入力軸回転速度センサS
3、クランク角センサS6)と、前記車両の走行状態
(スロットル開度θTH、車速V)に対して予め設定され
た、前記連結クラッチが所定の係合状態(完全ロックア
ップまたはロックアップ強あるいは目標スリップ率)と
なるように前記基本デューティ値を決定する第1の制御
領域(図4の領域ア、イ、ウ)と、前記第1の制御領域
よりも低い係合力となるように前記基本デューティ値を
決定する第2の制御領域(図4の領域エ)の少なくとも
2つの制御領域のうち、いずれの制御領域にあるかを、
前記検知手段の検知結果に基づいて判断する判断手段
(ECU,S16)と、前記判断手段によって前記第2
の制御領域にあると判断されたとき、前記検知手段の検
知結果に基づいてあいまい推論を行い、前記基本デュー
ティ値を補正する補正係数LFKを算出すると共に、前
記算出された補正係数に基づいて前記基本デューティ値
を補正する補正手段(ECU,S28,S100からS
128)と、および前記補正手段による係合力の調整を
行う係合力調整条件が成立したか否かを判断する係合力
調整条件判断手段(ECU,S10,S12,S16,
S20からS28)と、を含み、前記第2の制御領域に
あって前記係合力調整条件が成立する場合、前記補正さ
れたデューティ値FBDYに基づいて前記連結クラッチ
を制御すると共に、前記第2の制御領域にあって前記係
合力調整条件が成立しない場合、前記基本デューティ値
に基づいて前記連結クラッチを制御する如く構成した。
【0012】請求項5項にあっては、さらに前記連結ク
ラッチを解除するように前記基本デューティ値を決定す
る第3の制御領域(図4の領域カ)を設定すると共に、
前記係合力制御手段は、前記第2の制御領域から前記第
3の制御領域へ移行したとき、前記補正されたデューテ
ィ値を徐々に減少させる(ECU,S200からS21
0)如く構成した。
【0013】請求項6項にあっては、前記係合力制御手
段は、前記第3の制御領域から前記第2の制御領域に移
行したとき、前記補正されたデューティ値に向けてデュ
ーティ値を徐々に増加させる(ECU,S300からS
314)如く構成した。
【0014】請求項7項にあっては、前記係合力調整条
件が、平坦路を走行するとき(ECU,S20)である
如く構成した。
【0015】請求項8項にあっては、前記係合力調整条
件が、前記駆動力を使用する補機の非作動時(ECU,
S26)である如く構成した。
【0016】請求項9項にあっては、前記係合力調整条
件が、前記変速比が小さいとき(ECU,S22)であ
る如く構成した。
【0017】請求項10項にあっては、前記基本デュー
ティ値の補正が、前記係合力調整条件が成立するとき
で、かつ特定の車両走行状態にある場合(ECU,S2
4)に行われる如く構成した。
【0018】請求項11項にあっては、前記特定の走行
状態が、前記第1の制御領域から前記第2の制御領域
移行したとき(ECU,S16。図4において矢印aで
示す)である如く構成した。
【0019】
【作用】請求項1項においては、係合力制御手段は、所
定の特性に従って予め定められた、継手手段の係合力を
決定する基本デューティ値を記憶する記憶手段と、車両
の走行状態を検知する検知手段と、前記車両の走行状態
に対して予め設定された、前記継手手段が所定の係合状
態となるように前記基本デューティ値を決定する第1の
制御領域と、前記第1の制御領域よりも低い係合力とな
るように前記基本デューティ値を決定する第2の制御領
域の少なくとも2つの制御領域のうち、いずれの制御領
域にあるかを、前記検知手段の検知結果に基づいて判断
する判断手段と、および前記判断手段によって前記第2
の制御領域にあると判断されたとき、前記検知手段の検
知結果に基づいてあいまい推論を行い、前記基本デュー
ティ値を補正する補正係数を算出すると共に、前記算出
された補正係数に基づいて前記基本デューティ値を補正
する補正手段と、を含み、前記第2の制御領域にあると
き、前記補正されたデューティ値に基づいて前記継手手
段を制御する如く構成したので、サージングの発生を回
避しつつ継手手段、より具体的にはロックアップクラッ
チのオン(作動)領域を拡大させて燃費の向上を図るこ
とができ、加速領域でのダイレクト感ないしはアクセル
ペダル踏込みに対する車両加速レスポンスなどの点でむ
しろドライバビリティを向上させることができる。
【0020】更に、基本値を補正してデューティ値を求
めるようにしたので、あいまい推論結果をデューティ値
に反映させるのが容易であると共に、あいまい推論を行
わない場合においてあいまい推論以外の制御則に基づい
デューティ値が決定されるときも、デューティ値の調
整が容易であり、構成が簡易となる。
【0021】尚、上記において「継手手段」はより具体
的には上記の如く、トルクコンバータのロックアップク
ラッチを意味する
【0022】請求項2項にあっては、さらに前記継手手
段を解除するように前記基本デューティ値を決定する第
3の制御領域を設定すると共に、前記係合力制御手段
は、前記第2の制御領域から前記第3の制御領域へ移行
したとき、前記補正されたデューティ値を徐々に減少さ
せる如く構成したので、継手手段、より具体的にはロッ
クアップクラッチの係合力を徐々に減少させることとな
って、ショックを発生することなく、円滑に解除するこ
とができる。
【0023】請求項3項にあっては、前記係合力制御手
段は、車両走行が前記第3の制御領域から前記第2の制
御領域に移行したとき、前記補正されたデューティ値
向けて前記基本デューティ値を徐々に増加させる如く構
成したので、継手手段、より具体的にはロックアップク
ラッチの係合力が急に増加することがなく、よってショ
ックを発生することがない。また、継手手段を駆動する
部材、より具体的にはロックアップクラッチの油圧回路
に応答遅れがあるときも、デューティ値を徐々に増加す
ることから、機関回転の吹き上がりを生じることがな
く、また係合力が急に増加してショックを発生すること
がない。
【0024】請求項4項にあっては、係合力制御手段
は、所定の特性に従って予め定められた、連結クラッチ
の係合力を決定する基本デューティ値を記憶する記憶手
段と、車両の走行状態を検知する検知手段と、前記車両
の走行状態に対して予め設定された、前記連結クラッチ
が所定の係合状態となるように前記基本デューティ値を
決定する第1の制御領域と、前記第1の制御領域よりも
低い係合力となるように前記基本デューティ値を決定す
る第2の制御領域の少なくとも2つの制御領域のうち、
いずれの制御領域にあるかを、前記検知手段の検知結果
に基づいて判断する判断手段と、前記判断手段によって
前記第2の制御領域にあると判断されたとき、前記検知
手段の検知結果に基づいてあいまい推論を行い、前記
本デューティ値を補正する補正係数を算出すると共に、
前記算出された補正係数に基づいて前記基本デューティ
を補正する補正手段と、および前記補正手段による係
合力の調整を行う係合力調整条件が成立したか否かを判
断する係合力調整条件判断手段と、を含み、前記第2の
制御領域にあって前記係合力調整条件が成立する場合、
前記補正されたデューティ値に基づいて前記連結クラッ
チを制御すると共に、前記第2の制御領域にあって前記
係合力調整条件が成立しない場合、前記基本デューティ
に基づいて前記連結クラッチを制御する如く構成した
ので、サージングの発生を回避しつつ連結クラッチ、よ
り具体的にはロックアップクラッチのオン(作動)領域
を拡大させて燃費の向上を図ることができ、加速領域で
のダイレクト感ないしはアクセルペダル踏込みに対する
車両加速レスポンスなどの点でむしろドライバビリティ
を向上させることができる。
【0025】更に、基本値を補正してデューティ値を求
めるようにしたので、あいまい推論結果をデューティ値
に反映させるのが容易であると共に、あいまい推論を行
わない場合においてあいまい推論以外の制御則に基づい
デューティ値が決定されるときも、デューティ値の調
整が容易であり、構成が簡易となる。
【0026】尚、上記において「流体継手」はより具体
的にはトルクコンバータを、「連結クラッチ」は上記の
如く、そのロックアップクラッチを意味する
【0027】請求項5項にあっては、さらに前記連結ク
ラッチを解除するように前記基本デューティ値を決定す
る第3の制御領域(図4の領域カ)を設定すると共に、
前記係合力制御手段は、前記第2の制御領域から前記第
3の制御領域へ移行したとき、前記補正されたデューテ
ィ値を徐々に減少させる如く構成したので、連結クラッ
チ、より具体的にはロックアップクラッチの係合力を徐
々に減少させることとなって、ショックを発生すること
なく、円滑に解除することができる。
【0028】請求項6項にあっては、前記係合力制御手
段は、前記第3の制御領域から前記第2の制御領域に移
行したとき、前記補正されたデューティ値に向けてデュ
ーティ値を徐々に増加させる如く構成したので、連結ク
ラッチ、より具体的にはロックアップクラッチの係合力
が急に増加することがなく、よってショックを発生する
ことがない。また、連結クラッチを駆動する部材、より
具体的にはロックアップクラッチの油圧回路に応答遅れ
があるときも、デューティ値を徐々に増加することか
ら、機関回転の吹き上がりを生じることがなく、また係
合力が急に増加してショックを発生することがない。
【0029】請求項7項にあっては、前記係合力調整条
件が、平坦路を走行するときである如く構成したので、
換言すれば勾配から駆動輪が駆動させられてクラッチ、
より具体的にはロックアップクラッチの滑り状態に影響
があるときはあいまい推論による制御を行わないので、
サージングの発生を一層効果的に回避しつつ燃費を向上
させることができる。
【0030】請求項8項にあっては、前記係合力調整条
件が、前記駆動力を使用する補機の非作動時である如く
構成したので、換言すれば駆動力が変動するときはあい
まい推論による制御を行わないので、サージングの発生
を一層効果的に回避しつつ燃費を向上させることができ
る。
【0031】請求項9項にあっては、前記係合力調整条
件が、前記変速比が小さいときである如く構成したの
で、換言すれば安全マージンが高い高速段で走行すると
きにあいまい推論による制御を行うようにしたので、サ
ージングの発生を一層効果的に回避しつつ燃費を向上さ
せることができる。
【0032】請求項10項にあっては、前記基本デュー
ティ値の補正が、前記係合力調整条件が成立するとき
で、かつ特定の車両走行状態にある場合に行われる如く
構成したので、換言すれば特定の車両走行状態にない場
合にはあいまい推論による制御を行わないようにしたの
で、サージングの発生を一層効果的に回避しつつ燃費を
向上させることができる。
【0033】請求項11項にあっては、前記特定の走行
状態が、前記第1の制御領域から前記第2の制御領域
移行したときである如く構成したので、サージングの発
生を一層効果的に回避しつつ燃費を向上させることがで
きると共に、補正手段による補正を行う状態への移行時
にも、機関回転の吹き上がりや係合力の急な増加による
ショックを生じることなく、円滑に制御することができ
る。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に即してこの発明
の実施の形態を説明する。
【0035】図1は、この発明に係る車両用変速機の制
御装置を全体的に示す概略図である。
【0036】図1において、内燃機関E(前記した駆動
力源)のクランクシャフト10は、車両用の自動変速機
T(前記した変速機構部)のトルクコンバータ(前記し
た流体トルクコンバータ)12を介してメインシャフト
MS(変速機入力軸)に接続される。図示の自動変速機
Tは平行軸式であって、メインシャフトMSとそれに平
行に設けられたカウンタシャフトCSとセカンダリシャ
フトSSとを備える。それぞれのシャフト上には、ギヤ
が支持される。
【0037】具体的には、メインシャフトMS上には、
メイン1速ギヤ14、メイン3速ギヤ16、メイン4速
ギヤ18、およびメインリバースギヤ20が支持される
と共に、カウンタシャフトCS上には、メイン1速ギヤ
14に噛合するカウンタ1速ギヤ22、メイン3速ギヤ
16に噛合するカウンタ3速ギヤ24、メイン4速ギヤ
18に噛合するカウンタ4速ギヤ26、およびメインリ
バースギヤ20にリバースアイドルギヤ28を介して噛
合されるカウンタリバースギヤ30が支持される。他
方、セカンダリシャフトSS上には、第1セカンダリ2
速ギヤ32および第2セカンダリ2速ギヤ34が支持さ
れる。
【0038】上記において、メインシャフトMS上に相
対回転自在に支持されたメイン1速ギヤ14を1速用油
圧クラッチC1でメインシャフトMS上に結合すると、
1速変速段が確立する。1速用油圧クラッチC1は、2
速〜4速変速段の確立時にも係合状態に保持されるた
め、カウンタ1速ギヤ22は、ワンウェイクラッチCO
Wを介して支持される。尚、後述するレンジにおいて
1,2レンジが選択されたときに駆動輪W側から内燃機
関Eを駆動できる、換言すればエンジンブレーキとして
機能するように、1速ホールドクラッチCLHが設けら
れる。
【0039】また、セカンダリシャフトSS上に相対回
転自在に支持された第2セカンダリ2速ギヤ34を2速
用油圧クラッチC2でセカンダリシャフトSS上に結合
すると、メイン3速ギヤ16、カウンタ3速ギヤ24、
第1セカンダリ2速ギヤ32を介して、2速変速段が確
立する。カウンタシャフトCS上に相対回転自在に支持
されたカウンタ3速ギヤ24を3速用油圧クラッチC3
でカウンタシャフトCS上に結合すると、3速変速段が
確立する。
【0040】更に、カウンタシャフトCS上に相対回転
自在に支持されたカウンタ4速ギヤ26をセレクタギヤ
SGでカウンタシャフトCSに結合した状態で、メイン
シャフトMS上に相対回転自在に支持されたメイン4速
ギヤ18を4速−リバース用油圧クラッチC4Rでメイ
ンシャフトMS上に結合すると、4速変速段が確立す
る。
【0041】カウンタシャフトCS上に相対回転自在に
支持されたカウンタリバースギヤ30をセレクタギヤS
GでカウンタシャフトCS上に結合した状態で、メイン
シャフトMS上に相対回転自在に支持されたメインリバ
ースギヤ20を前記4速−リバース用油圧クラッチC4
RでメインシャフトMS上に結合すると、後進変速段が
確立する。
【0042】そして、カウンタシャフトCSの回転は、
ファイナルドライブギヤ36およびそれに噛合するフィ
イナルドリブンギヤ38を介してディファレンシャルD
に伝達され、それからドライブシャフト40を介して駆
動輪Wに伝達される。
【0043】ここで、内燃機関Eの吸気路(図示せず)
に配置されたスロットル弁(図示せず)の付近には、そ
の開度θTHを検出するスロットル開度センサS1が設け
られる。またファイナルドリブンギヤ38の付近には、
ファイナルドリブンギヤ38の回転速度から車速Vを検
出する車速センサS2が設けられる。また、メインシャ
フトMSの付近にはその回転を通じて変速機の入力軸回
転数NM を検出する入力軸回転速度センサS3が設けら
れると共に、カウンタシャフトCSの付近にはその回転
を通じて変速機の出力軸回転数NC を検出する出力軸回
転速度センサS4が設けられる。
【0044】また、車両運転席床面に装着されたシフト
レバー(図示せず)の付近には、P,R,N,D4,D
3,2,1の7種のレンジの中、運転者が選択したレン
ジを検出するレンジセンサS5が設けられる。更に、内
燃機関Eのクランクシャフト10の付近にはその回転か
ら機関回転数(速度)Neを検知するクランク角センサ
S6が設けられると共に、シリンダブロック(図示せ
ず)の適宜位置には機関の冷却水温Twを検出する水温
センサS7が設けられる。これらセンサS1などの出力
は、ECU(電子制御ユニット)に送られる。
【0045】ECUはCPU50、ROM52、RAM
54、入力回路56および出力回路58からなるマイク
ロ・コンピュータから構成され、前記したセンサS1な
どの出力は、入力回路56を介してマイクロ・コンピュ
ータ内に入力される。マイクロ・コンピュータにおいて
CPU50は、ロックアップクラッチ制御を含む変速制
御を行って出力回路58を通じて指令値を油圧制御回路
Oに送出する。
【0046】油圧制御回路OはシフトソレノイドSL
1,SL2と、ロックアップクラッチのオン/オフ制御
用ソレノイドSL3と容量(係合力)制御用ソレノイド
SL4を備えると共に、前記した油圧クラッチを制御す
るためのリニアソレノイドSL5を備える。上記CPU
50はより具体的には、センサ検出値に基づいてシフト
位置(変速段)を決定し、出力回路58を通じて油圧制
御回路OのシフトソレノイドSL1,SL2を励磁・非
励磁して図示しないシフトバルブを切り替え、所定の変
速段の油圧クラッチを解放・締結する。またCPU50
は後述の如く、ロックアップクラッチをオン(係合ない
し作動)/オフ(解除ないし非作動)制御すると共に、
その間を所定の係合力に制御する。
【0047】トルクコンバータ12はポンプ12a、タ
ービン12b、ステータ12cおよびロックアップクラ
ッチL(前記した継手手段ないしは連結クラッチ)から
なる。ロックアップクラッチLは公知の如く、ロックア
ップピストン、ダンパスプリングなどから構成される
が、CPU50は、ロックアップクラッチの左右の室へ
の油圧供給量を通じて、オン状態(後に図2に実線で示
す)とオフ状態とその間の半係合状態に制御する。
【0048】ロックアップクラッチのオン状態では内燃
機関Eの出力(前記した駆動力)は、内燃機関E、ドラ
イブプレート、トルコンカバー、ロックアップクラッチ
L、メインシャフトMSと伝達され、ロックアップクラ
ッチのオフ状態では内燃機関E、ドライブプレート、ト
ルコンカバー、ポンプ12a、タービン12b、メイン
シャフトMSと伝達される。
【0049】図2はロックアップクラッチLの動作を制
御する油圧制御を機能的に示すブロック図である。図に
おいて、ロックアップシフトバルブは、前記したソレノ
イドSL3を介してモジュレータバルブよりモジュレー
タ圧を受け、マニュアルバルブを介して供給されるライ
ン圧を断続し、ロックアップクラッチをオン(作動)/
オフ(解除)状態に2位置制御する。L/Cコントロー
ルバルブは、前記したソレノイドSL4を介してモジュ
レータ圧を受け、ロックアップクラッチの右室に供給さ
れる油圧力を調整し、ロックアップクラッチLの係合力
を制御する。
【0050】L/Cタイミングバルブは、前記したリニ
アソレノイドSL5を介してのスロットル圧とモジュレ
ータ圧(前記ソレノイドSL4を介して)を受け、トル
クコンバータ12を完全ロックアップ状態に制御する。
尚、図2に実線で完全ロックアップ状態を、想像線で解
除状態を示す。
【0051】図3は出願に係る車両用変速機の制御装置
の動作を示すフロー・チャートであるが、同図の説明に
入る前に、図4を参照して出願に係る装置のロックアッ
プクラッチ作動特性(以下「LCマップ」と言う)を説
明する。図4において特性はスロットル開度θTHと車速
Vに関して設定される。
【0052】同図において符号1,2,3は、前記した
ソレノイドSL3,4がオンからオフへ切り替えられる
ラインを示す。ライン3より図において右側では、ロッ
クアップクラッチを締結・解除に2位置制御するソレノ
イドSL3と、その間でロックアップクラッチをトルク
コンバータの目標滑り率に応じて係合力を制御するソレ
ノイドSL4とは共にオンされる。係合力制御において
は、トルクコンバータの目標スリップ率(量)に応じ
て、ソレノイドSL4に与えるデューティ値(操作量)
が求められる。
【0053】詳しくは、図の右側のうち、領域アは完全
ロックアップ領域でソレノイドSL4はデューティ値1
00%を与えられ、ロックアップクラッチは直結状態と
なる。領域イはロックアップ強領域で、ソレノイドSL
4のデューティ値は隣接する領域での値からア領域の1
00%に向けて所定値を加算され、徐々に係合力を上げ
られて滑り率が減少させられる領域である。領域ウは回
転変動が少なく比較的走行状態の安定した領域を含み、
この領域では目標スリップ率を得るためのデューティ値
を学習すべく、目標スリップ率と実スリップ率との偏差
に基づいてPI制御則を用いてフィードバック制御がな
される。
【0054】領域エは斜線部αと斜線部以外の領域βと
からなるが、従来技術では斜線部以外の領域βにおいて
ソレノイドSL4がオフされて弱ロックアップ制御さ
れ、斜線部αではロックアップクラッチがオフされてい
た。それに対し、本願においては領域エでソレノイドS
L4がオンされたまま、係合力がデューティ制御される
こととなった。より詳しくは、従来技術にあっては図4
に矢印aで示す如く、車速Vの低下ないしはスロットル
開度θTHの増加により領域ウなどからライン3を越えて
領域エの斜線部以外の領域βに移行した場合、ソレノイ
ドSL3は未だオンされているが、SL4がオフされる
ことから、ロックアップクラッチには油圧回路の特性か
ら決まる最低限の容量のみが与えられ、その限度の弱い
係合力のみが与えられていた。そして、従来技術にあっ
てはライン2を越えた時点でSL3もオフされ、ロック
アップクラッチは非作動となっていた。
【0055】即ち、この領域エではスロットル開度の僅
かな変動によりサージングが発生する恐れがあることか
ら、従来技術ではハードウェア上で決まる値以上の係合
力を与えることができなかったが、本願において後述の
如くファジィ推論を通じてデューティ値を決定すること
により、係合力アップを可能とした。
【0056】尚、領域オは減速ロックアップ領域であ
り、この領域では内燃機関Eからのトルク変動は問題と
ならないため、トルクコンバータの目標スリップ率(=
NM /Ne×100%。後述)(102ないし103
%)となるようにデューティ値がPI制御則を用いてフ
ィードバック制御され、効果的にエンジンブレーキを得
る領域である。また領域カでは、従来技術においても本
願においてもロックアップクラッチは解除される。
【0057】以下、図3フロー・チャートを参照して出
願に係る装置の動作を説明する。尚、この動作は図4に
おいて矢印aで示す如く、ライン3の右側から領域エに
移行した場合を前提とする。また、図示のプログラムは
適宜な時間間隔、例えば20msごとにループされる。
【0058】先ずS10で通常のロックアップクラッチ
(図にLCと示す)の作動条件が成立しているか否か判
断する。これは具体的には、機関冷却水温Tw、機関回
転数Ne、車速V、スロットル開度θTHが所定範囲にあ
り、フェールが発生していないか否か判断することで行
う。
【0059】S10で否定されるときは直ちにプログラ
ムを終了すると共に、肯定されるときはS12に進み、
選択されているレンジがDレンジか否か判断し、否定さ
れるときはS14に進んで該当レンジの制御を行うと共
に、肯定されるときはS16に進んでロックアップクラ
ッチが作動中(オン状態)であるか否か、換言すれば図
4において矢印aで示す方向からの移行状態にあり、矢
印bで示す方向からの移行状態ではないか否か判断す
る。
【0060】これは、ロックアップクラッチの油圧回路
を含む構造上(ハードウェア上)のばらつきから、ロッ
クアップクラッチを解除した状態から直ちに微妙な係合
力制御を開始しても、トルクコンバータが目標とするス
リップ率とはならないためである。逆に、ロックアップ
クラッチが作動中、換言すれば、ソレノイドSL3,4
が共にオンされた状態にあれば、制御追従性が良い。
【0061】即ち、図4においてロックアップクラッチ
の係合力ないしトルクコンバータの滑り率は、概略的に
は、右側から左側に向かうにつれて減少することになる
が、係合力ないしスリップ率を減少する方向は、追従性
良く制御できるからである。従って、S16で否定され
るときはS18に進んでDレンジにおける通常のロック
アップクラッチ制御を行う。具体的には、図4において
従来技術と同様にSL4をオフしてハードウェア上から
決まる弱ロックアップ制御を行う。
【0062】他方、S16で肯定されるときはS20に
進んで現在走行している路面が平坦路か否か判断する。
これは、登・降坂路では勾配によって駆動輪Wが駆動さ
れることがあるため、トルクコンバータのスリップ率な
いしはロックアップクラッチの係合力がその影響を受
け、サージングが発生する可能性が高くなるためであ
る。
【0063】尚、この平坦路か否かの判断は、車両の適
宜位置に傾斜センサを設けて行っても良く、あるいは本
出願人が先に特開平6−109,122号公報で提案し
たように車両の走行加速度から走行抵抗に相当する指標
を求め、平坦路用、登坂路用など複数種用意されたマッ
プを選択する技術において、平坦路用のLCマップが選
択されているか否か判断することで行っても良い。
【0064】S20で否定されるときはS18に進んで
従来技術と同様の制御を行うと共に、肯定されるときは
S22に進んで現在確立している変速段(変速比)が4
速か否か判断する。これは、Dレンジで高速段、即ち、
変速比が小さいほどサージングに対して安全マージンが
あるからである。S22で否定されるときはS18に進
んで従来技術と同様の制御を行うと共に、肯定されると
きはS24に進んで現在の車速Vが許可車速、例えば5
0km/h以下か否か判断し、肯定されるときはS26
に進んで補機が作動中か否か判断する。ここで、補機は
内燃機関Eの出力(駆動力)で駆動される機器、例えば
エアコンディショナを意味する。
【0065】そしてS26で肯定されるときはS18に
進んで従来技術と同様の制御を行うと共に、否定される
ときはS28に進んでファジィ推論(あいまい推論)を
用いてロックアップクラッチ制御を行う。これは、許可
車速以下で補機が作動しているときは、補機の作動が機
関出力ないしはトルクコンバータ12の入力側回転数に
与える影響が大きく、ロックアップクラッチのスリップ
制御を適正に行うことが困難であるためである。従っ
て、S24で現在の車速が許可車速を超えていると判断
されるときは、機関出力ないしはトルクコンバータ12
の入力側回転数が変動する恐れが少なく、スリップ制御
に与える影響も少ないと考えられるため、S26をスキ
ップしてS28に進む。尚、上記でS10,S12,S
16,S20,S22,S24,S26が、前記した係
合力調整条件に相当する。
【0066】図5はファジィ推論を用いたロックアップ
クラッチ制御を示す、サブルーチン・フロー・チャート
であり、図6ないし図10はそのファジィ推論で用いる
ファジィプロダクションルールの説明図である。
【0067】図6ないし図10に示す如く、ファジィ推
論で用いるルール数は10個であり、前件部のパラメー
タは、車速Vとスロットル開度θTHとトルクコンバータ
のスリップ率ETRである。車速Vは0〜255km/
h、スロットル開度θTHは全閉〜全開、トルクコンバー
タのスリップ率ETRは18〜120%の範囲で、図示
の如くメンバーシップ関数が設定される。
【0068】尚、トルクコンバータのスリップ率ETR
は、本来的にはタービン軸入力回転速度/ポンプ軸入力
回転速度で求めるが、この実施の形態の場合には ETR=(メインシャフト回転速度NM /機関回転数N
e)×100% で求める(上限を120%としたのはエンジンブレーキ
状態を考慮したためである)。
【0069】また後件部のパラメータは、基本デューテ
ィ値を補正する補正係数(以下「LFK」と称する)で
あり、0〜1.0の間において図示の如くメンバーシッ
プ関数が設定される。ここで、基本デューティ値(図5
などにBDUTYと示す)は、テーブル(図11にその
特性を示す)として設定され、機関負荷(スロットル開
度θTH)に応じてソレノイドSL4への出力デューティ
値の上限を規定する値である。即ち、車速Vなどを用い
てファジィ推論を行って補正係数LFKを求め、それを
基本デューティ値BDUTYに乗算して補正すること
で、ソレノイドSL4に出力すべき操作量たるデューテ
ィ値(以下「FBDY」と称する)が決定される。
【0070】基本デューティ値は図11に示す如く、機
関負荷(スロットル開度θTH)が増加するにつれて減少
するように設定される。これは言うまでもなく、スロッ
トル開度が大きくなるにつれてサージングが発生する可
能性が高くなることから、デューティ値を減少させてロ
ックアップクラッチの係合力を低下させるためである。
【0071】尚、図6ないし図10に示すルールにおい
て、ルール1と2,3と4,5と6,7と8,9と10
は、(トルクコンバータの)スリップ率ETRについて
対をなしており、スリップ率ETRのメンバーシップ関
数が互いに補集合をなすように設定される。但し、ハン
チング防止のため、後件部の補正係数LFKのメンバー
シップ関数にはヒステリシスが設けられる。
【0072】ここで、ルール1,2は低車速かつスリッ
プ率(滑り)大、ルール3,4はやや低車速かつスリッ
プ率やや大、ルール5,6は中車速かつスリップ率中程
度、ルール7,8はやや高車速かつスリップ率やや小、
ルール9,10は高車速かつスリップ率小、と言う走行
状態を予定する。尚、スロットル開度θTHのメンバーシ
ップ関数は基本デューティ値をそれに対して設定するよ
うにしたため、10ルールにおいて全てのスロットル開
度域で1.0に設定し、事実上はファジィ推論で使用し
ないようにした。但し、必要に応じて任意に設定しても
良いのは言うまでもない。
【0073】図5フロー・チャートに従ってこのファジ
ィ推論を説明すると、先ずS100,S102で演算テ
ーブルLHIGHとLAREA(後述)を零にイニシャ
ライズし、S104に進んでカウンタLNRULE(ル
ール数カウンタ)の値を零にイニシャライズする。
【0074】次いでS106に進んでルール数カウンタ
LNRULEの値をインクリメントし、S108に進ん
でカウンタ値をn(初期値1)とし、S110に進んで
ルールn(この場合ルール1)の前件部の値を算出し、
S112に進んで後件部の値を算出し、S114に進ん
でルール数カウンタの値を10と比較し、10に達した
と判断されるまで、S106からS112をループし、
全ルールについて同様の処理を行う。
【0075】ここで、図12を参照して図示の推論を説
明すると、この推論は、前件部の3種のメンバーシップ
関数の最小値、図示の場合はスリップ率ETRの値、で
後件部のメンバーシップ関数のグレード(y軸上の高さ
Yn’。前記したLHIGHがそれに相当)を求め、次
いで面積LAREAを図示の如く求めることを意味す
る。S114までの作業で各ルールについてそれぞれ後
件部のy軸上の高さLHIGHと面積LAREAとが求
められ、累積される。そしてS116以降の作業で累積
値LAREAをLHIGHで除算して重心位置を求める
ことによって、推論値(補正係数LFK)を得る。
【0076】即ち、S116に進んでy軸上の高さLH
IGHが0であるか否か判断し、肯定されるときは零割
りを避けるためS118に進んで補正係数LFKを零と
する。S116で否定されるときはS120に進んで先
に述べた如く重心位置を算出し、よって求めた定義域上
の値を補正係数とし、S122に進んで求めた補正係数
LFKがオーバーフローしていか否か判断し、肯定さ
れるときはS124に進んで求めた補正係数LFKを上
限値1.0に書き替える。
【0077】他方、S122で否定されるときはS12
6に進んで図11にその特性を示したテーブルを検出し
たスロットル開度θTHから検索して基本デューティ値B
DUTYを求め、S128に進んで検索した基本デュー
ティ値BDUTYにファジィ推論で得た補正係数LFK
を乗算して出力デューティ値FBDYを求める。そし
て、図示しない別ルーチンでこの値をソレノイドSL4
に出力する。
【0078】以上が、図4において、ソレノイドSL
3,4が共にオンしているロックアップクラッチの係合
状態から、アクセルペダル踏込みなどによってライン2
を越えた場合の領域エでの制御である。このとき、従来
技術においてはライン2を越えた時点でソレノイドSL
4がオフされ、領域エの斜線部以外の領域βでは弱ロッ
クアップ制御のみなされていた。
【0079】しかし、本願では上記に述べてきたよう
に、ライン1を越えるまでソレノイドSL4をオンした
ままとすると共に、領域エ(前述の如く斜線部αおよび
それ以外の領域β含む)では係合力をアップして燃費を
向上させるようにした。更に、係合力の増加程度、換言
すればデューティ値の増加程度をファジィ推論を通じて
判断するようにしたので、サージングを回避しつつ係合
力を上げて燃費を向上することができる。また、それに
よって加速領域でのダイレクト感ないしはアクセルペダ
ルに対する車両加速レスポンスなどの点でドライバビリ
ティを向上させることができる。
【0080】以上が図4において矢印aで示す方向から
移行した場合の制御であるが、次いで図4において矢印
cで示す方向から移行する制御を説明する。これは、領
域エから領域カへ移行する時点の制御、即ち、ファジィ
推論を用いた係合力制御からロックアップクラッチ非作
動制御への移行時の制御である。
【0081】かかる状態が生じるのは、一つには車速V
の低下または機関負荷の増大(アクセルペダルの踏込
み)による場合であり、二つには前記した本出願人が先
に特開平6−109,122号公報で提案した技術にお
いてLCマップが平坦路用以外のものに切り換えられた
場合である。即ち、ファジィ推論による係合力アップ制
御は、平坦路用のLCマップが用いられるときに限って
行われ、例えば平坦路用のマップのエ領域で走行中、登
坂路や降坂路走行に移行した場合、LCマップはDレン
ジの通常のLCマップに切換わり、このときエ領域の斜
線部αは通常のLCマップではロックアップクラッチが
非作動となる領域であり、このLCマップの切換えによ
り、ファジィ推論を用いた係合力制御からロックアップ
クラッチ非作動制御へ移行する。上記のいずれかの場合
で、かつ変速を伴わずに4速変速段を保持して領域カに
移行したときは、出力デューティ値を漸減させて急激な
解除によるショックを防止するようにした。
【0082】以下、図13フロー・チャートを参照して
それを説明する。尚、図示のプログラムも図3の場合と
同様に20msなどの所定時間間隔で起動される。
【0083】先ずS200でロックアップクラッチ解除
領域、即ち、領域カか否か判断し、否定されるときは直
ちにプログラムを終了すると共に、肯定されるときはS
202に進んで前回ファジィ制御領域、即ち、領域エに
いたか否か判断する。そこで否定されるときは直ちにプ
ログラムを終了すると共に、肯定されるときはS204
に進んで変速が発生したか否か判断する。これは、変速
が発生していれば、それに伴うショックを防止するため
に、ロックアップクラッチを素早く解除する必要がある
ためである。
【0084】S204で否定されるときはS206に進
んで出力デューティ値FBDYが零か否か判断し、肯定
されるときは減少制御が不要なため直ちにプログラムを
終了すると共に、否定されるときはS208に進んでデ
ューティ値減算量Δdを算出する。ここで減算量Δd
は、トルクコンバータのスリップ率ETR、ないしは機
関負荷の変化率(具体的にはスロットル開度θTHの前回
検出値と今回検出値との差分値ΔθTH)が大きいほど、
大きな値とする。これは、スリップ率などが大きいとき
は、早くロックアップクラッチを解除してショックを防
止するためである。次いでS210に進んで図14に示
す如く、前記した出力デューティ値FBDYから算出し
た減算量Δdを減算し、その値を出力デューティ値DU
TYとする。尚、出力デューティ値は図示しない別ルー
チンでソレノイドSL4に出力する。この処理は、出力
デューティ値FBDYが零となったことがS206で肯
定されるまで繰返される。
【0085】図13フロー・チャートで述べた制御を行
うことにより、領域エで弱ロックアップ以上の係合力が
与えられた後、ロックアップクラッチが解除される領域
カに移行するときもショックを防止しつつ円滑に移行す
ることができる。
【0086】次いで、別の付随制御について述べる。こ
れは、図4において領域カから領域エに移行してファジ
ィ推論による係合力アップ制御を行う場合である。尚、
既述の如く、領域カから直ちに領域エに移行するときは
追従性の点からファジィ推論による係合力アップ制御は
行わないので、これは正しくは、領域カから領域エを経
過して領域ウに移行した後、直ちに領域エに戻る場合で
ある。
【0087】図15フロー・チャートを参照して以下説
明する。このプログラムも20msなどの時間間隔で起
動される。
【0088】先ず、S300でファジィ制御領域、即
ち、領域エか否か判断し、否定されるときは直ちにプロ
グラムを終了すると共に、肯定されるときはS302に
進んで領域ウなどのファジィ推論を行わないロックアッ
プクラッチの作動状態となってからの経過時間Tが所定
時間T1を超えたか否か判断する。これについて説明す
ると、ロックアップクラッチの油圧回路などの応答遅れ
から、ファジィ推論によって出力デューティ値を求めて
ソレノイドSL4に指令しても、ロックアップクラッチ
は予定する係合状態に瞬時には追従しない。
【0089】即ち、目標スリップ率に基づく係合力のフ
ィードバック制御が正確に行われない恐れがある。例え
ば、係合力を上げるように指令しても、実際には油圧回
路の動作が追従できず、係合力が低いままとなって機関
回転の吹き上がりを生じる恐れがある。その状態でフィ
ードバック制御が行われると、係合力をさらに上げるよ
うに動作させられる結果、ロックアップクラッチが急激
に係合してショックが発生する恐れがある。このため、
ロックアップクラッチの非作動(解除)状態から作動
(係合)状態(領域エを除く)へ移行した場合、図16
に示す如く、領域ウとなってからの経過時間が所定時間
T1以上続いたか否か判断する。
【0090】S302で肯定されるときはS304に進
み、次いでスリップ率ETRが上限値ETRH(例えば
110%)以下で下限値ETRL(例えば80%)以上
の間にあるか否か判断する。これは、所定時間T1を経
過した場合でも、トルクコンバータのスリップ率ETR
が所定範囲内(80〜110%)にないときは追従性が
悪く、制御が不正確となって上記の機関回転の吹き上が
りなどを生じる恐れがあるためである。S304で肯定
されるときは所定時間T1が経過して追従性が良いと判
断できるので、S306に進んでファジィ推論で求めた
出力デューティ値FBDYを出力デューティ値DUTY
とする。
【0091】他方、S302で所定時間T1が経過して
いないと判断されるときはS308に進んでタイマ(ダ
ウンカウンタ)T2をセットしてスタートさせ、S31
0に進んで第2の時間T2が経過したか否か、即ち、タ
イマ値が零に達したか否か判断する。このタイマは先の
ステップでセットされたばかりなので、ここでの判断は
当然否定されてS312に進み、出力デューティ値DU
TYを0%とする。
【0092】ここで、出力デューティ値を図4のライン
3を越える直前に求められたデューティ値とせず、0%
としたのは、ファジィ推論領域に入った時点でライン3
を越える直前に求められたデューティ値を出力した場
合、実際にはその後、そのデューティ値よりも低い、フ
ァジィ推論により求められる値までデューティ値を低下
させることになる。サージングが特に問題となる比較的
低い車速領域でのスロットル開度の急変時においては、
ライン3を越える直前に求められたデューティ値を出力
した場合に、サージングが発生する恐れが高い。
【0093】そのため、デューティ値を0%としてその
後ファジィ推論により求められる値まで、デューティ値
を徐々に上昇させるようにした。尚、制御の応答性を考
慮してデューティ値を0%とせず、ライン3を越える直
前に求められたデューティ値よりも小さい、低デューテ
ィ値としても良い。
【0094】図15においては、S304でスリップ率
ETRが所定範囲内にないと判断されたときS310に
進み、そこで否定されるときも同様に処理される。そし
て、S310で時間T2が経過したと判断されるときは
S314に進んでデューティ値0%(あるいは低デュー
ティ値)からファジィ推論で求められる出力デューティ
値FBDYまで徐々に増加させるようにした。
【0095】即ち、図17に示す如く、ロックアップク
ラッチの非作動(解除)状態から第1の時間T1が経過
する前にライン3を越えたとき、ないしはスリップ率が
所定範囲内にないときは追従性に問題があるため、0%
(あるいは低デューティ値)を第2の時間T2保持し、
その後にファジィ推論による出力デューティ値FBDY
まで徐々に上昇させるようにした。それによって、正確
なフィードバック制御を行うことができる。
【0096】この実施の形態は上記の如く構成したの
で、図4においてライン1を越えるまでソレノイドSL
4をオフすることなく、従来技術が行っていた弱ロック
アップ以上の係合力を領域エで与えるようにしたことか
ら、従来技術に比して燃費を向上させることができる。
【0097】更に、係合力の増加程度、換言すればデュ
ーティ値の増加程度をファジィ推論を通じて判断するよ
うにしたので、係合力を上げて燃費を向上させるとき
も、サージングなどを回避することができてドライバビ
リティを悪化させることがない。逆に、係合力を上げる
ことによって、加速領域でのダイレクト感ないしはアク
セルペダルに対する車両加速レスポンスを向上させるこ
とができ、むしろドライバビリティを向上させることが
できる。
【0098】また、ファジィ推論領域エからロックアッ
プクラッチ解除領域カに移行したとき、ないしはロック
アップクラッチ解除領域カから領域ウなどを経て直ちに
ファジィ推論領域エに移行したときは、デューティ値を
徐々に増減させて係合力が徐々に増減するようにしたの
で、ロックアップクラッチが急に係合解除されることが
ないので、ショックを発生することなく、円滑に移行す
ることができる。
【0099】また、ロックアップクラッチ解除領域カか
ら領域ウなどを経てファジィ推論領域エに移行したとき
は一定時間T1が経過すると共にスリップ率が所定範囲
内にあるときのみ、ファジィ推論によって求められたデ
ューティ値を使用し、しからざる場合には第2の時間T
2が経過するまで0%(あるいは低デューティ値)をホ
ールドし、その後に徐々にファジィ推論デューティ値ま
で上昇させるようにしたので、機関回転の吹き上がりな
どの不都合を発生することがない。また正確なフィード
バック制御を行うことができ、係合力が急に増加してシ
ョックを発生するなどの不都合が生じることがない。
【0100】尚、上記においてトルクコンバータの滑り
状態についてスリップ率を用いたが、スリップ量を用い
ても良い。
【0101】
【発明の効果】請求項1項においては、サージングの発
生を回避しつつ継手手段、より具体的にはロックアップ
クラッチのオン(作動)領域を拡大させて燃費の向上を
図ることができ、加速領域でのダイレクト感ないしはア
クセルペダル踏込みに対する車両加速レスポンスなどの
点でむしろドライバビリティを向上させることができ
る。
【0102】請求項2項にあっては、継手手段、より具
体的にはロックアップクラッチの係合力を徐々に減少さ
せることとなって、ショックを発生することなく、円滑
に解除することができる。
【0103】請求項3項にあっては、継手手段、より具
体的にはロックアップクラッチの係合力が急に増加する
ことがなく、よってショックを発生することがない。ま
た、継手手段を駆動する部材、より具体的にはロックア
ップクラッチの油圧回路に応答遅れがあるときも、デュ
ーティ値を徐々に増加することから、機関回転の吹き上
がりを生じることがなく、また係合力が急に増加してシ
ョックを発生することがない。
【0104】請求項4項にあっては、サージングの発生
を回避しつつ連結クラッチ、より具体的にはロックアッ
プクラッチのオン(作動)領域を拡大させて燃費の向上
を図ることができ、加速領域でのダイレクト感ないしは
アクセルペダル踏込みに対する車両加速レスポンスなど
の点でむしろドライバビリティを向上させることができ
る。更に、基本値を補正して操作量を求めるようにした
ので、あいまい推論結果を操作量に反映させるのが容易
であると共に、あいまい推論を行わない場合においてあ
いまい推論以外の制御則に基づいて操作量が決定される
ときも、操作量の調整が容易であり、構成が簡易とな
る。
【0105】請求項5項にあっては、連結クラッチ、よ
り具体的にはロックアップクラッチの係合力を徐々に減
少させることとなって、ショックを発生することなく、
円滑に解除することができる。
【0106】請求項6項にあっては、連結クラッチ、よ
り具体的にはロックアップクラッチの係合力が急に増加
することがなく、よってショックを発生することがな
い。また、連結クラッチを駆動する部材、より具体的に
はロックアップクラッチの油圧回路に応答遅れがあると
きも、デューティ値を徐々に増加することから、機関回
転の吹き上がりを生じることがなく、また係合力が急に
増加してショックを発生することがない。
【0107】請求項7項にあっては、サージングの発生
を一層効果的に回避しつつ燃費を向上させることができ
る。
【0108】請求項8項にあっては、サージングの発生
を一層効果的に回避しつつ燃費を向上させることができ
る。
【0109】請求項9項にあっては、サージングの発生
を一層効果的に回避しつつ燃費を向上させることができ
る。
【0110】請求項10項にあっては、サージングの発
生を一層効果的に回避しつつ燃費を向上させることがで
きる。
【0111】請求項11項にあっては、サージングの発
生を一層効果的に回避しつつ燃費を向上させることがで
きると共に、補正手段による補正を行う状態への移行時
にも、機関回転の吹き上がりや係合力の急な増加による
ショックを生じることなく、円滑に制御することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車両用変速機の制御装置を全体
的に示す説明図である。
【図2】図1のロックアップクラッチの動作を機能的に
説明するブロック図である。
【図3】この発明に係る車両用変速機の制御装置の動作
を示すメイン・フロー・チャートである。
【図4】図2のロックアップクラッチのオン/オフ制御
領域の説明特性図である。
【図5】図3フロー・チャートの中のファジィ推論作業
を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図6】図5フロー・チャートの推論で用いるファジィ
プロダクションルールの内のルール1,2を示す説明図
である。
【図7】図5フロー・チャートの推論で用いるファジィ
プロダクションルールの内のルール3,4を示す説明図
である。
【図8】図5フロー・チャートの推論で用いるファジィ
プロダクションルールの内のルール5,6を示す説明図
である。
【図9】図5フロー・チャートの推論で用いるファジィ
プロダクションルールの内のルール7,8を示す説明図
である。
【図10】図5フロー・チャートの推論で用いるファジ
ィプロダクションルールの内のルール9,10を示す説
明図である。
【図11】図5フロー・チャートで使用する基本デュー
ティ値のテーブル特性を示す説明図である。
【図12】図5フロー・チャートのファジィ推論を説明
する説明図である。
【図13】この発明に係る車両用変速機の制御装置の別
の動作を示すフロー・チャートである。
【図14】図13フロー・チャートの動作を説明するタ
イミング・チャートである。
【図15】この発明に係る車両用変速機の制御装置の更
に別の動作を示すフロー・チャートである。
【図16】図15フロー・チャートの動作を説明するタ
イミング・チャートである。
【図17】図15フロー・チャートの動作を説明する、
別のタイミング・チャートである。
【符号の説明】
E 内燃機関 T 自動変速機 O 油圧制御回路 12 トルクコンバータ(流体継手) L ロックアップクラッチ(継手手段ないしは連結ク
ラッチ) SL3 ロックアップクラッチのオン/オフ制御用ソレ
ノイド SL4 ロックアップクラッチの容量制御用ソレノイド S1 スロットル開度センサ S2 車速センサ S3 入力軸回転速度センサ S4 出力軸回転速度センサ S6 クランク角センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−207656(JP,A) 特開 平5−71639(JP,A) 特開 平4−60(JP,A) 特開 平3−103665(JP,A) 特開 平3−84261(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.駆動力源の駆動力を複数の変速比を備
    える変速機構部へ伝達する継手手段と、 b.前記継手手段の係合解除を制御する係合力制御手段
    と、 を有する車両用変速機の制御装置において、前記係合力
    制御手段は、 c.所定の特性に従って予め定められた、前記継手手段
    の係合力を決定する基本デューティ値を記憶する記憶手
    段と、 d.車両の走行状態を検知する検知手段と、前記車両の走行状態に対して予め設定された、前記
    継手手段が所定の係合状 態となるように前記基本デュー
    ティ値を決定する第1の制御領域と、前記第 1の制御領
    域よりも低い係合力となるように前記基本デューティ値
    を決定す る第2の制御領域の少なくとも2つの制御領域
    のうち、いずれの制御領域に あるかを、前記検知手段の
    検知結果に基づいて判断する判断手段と、 および前記判断手段によって前記第2の制御領域にあると
    判断されたとき、前記検知手段の検知結果に基づいて
    いまい推論を行い、前記基本デューティ値を補正する補
    正係数を算出すると共に、前記算出された補正係数に基
    づいて前記基本デューティ値を補正する補正手段と、 を含み、前記第2の制御領域にあるとき、前記補正され
    たデューティ値に基づいて前記継手手段を制御すること
    を特徴とする車両用変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 さらに前記継手手段を解除するように前
    記基本デューティ値を決定する第3の制御領域を設定す
    ると共に、前記係合力制御手段は、前記第2の制御領域
    から前記第3の制御領域へ移行したとき、前記補正され
    デューティ値を徐々に減少させることを特徴とする請
    求項1項記載の車両用変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記係合力制御手段は、車両走行が前記
    第3の制御領域から前記第2の制御領域に移行したと
    き、前記補正されたデューティ値に向けて前記基本デュ
    ーティ値を徐々に増加させることを特徴とする請求項1
    項または2項記載の車両用変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】a.駆動力源の駆動力を複数の変速比を備
    える変速機構部へ伝達する流体継手と、 b.前記流体継手の入力側と出力側とを連結する連結ク
    ラッチと、 および c.前記連結クラッチの係合解除を制御する係合力制御
    手段と、 を有する車両用変速機の制御装置において、前記係合力
    制御手段は、 d.所定の特性に従って予め定められた、前記連結クラ
    ッチの係合力を決定する基本デューティ値を記憶する記
    憶手段と、 e.車両の走行状態を検知する検知手段と、前記車両の走行状態に対して予め設定された、前記
    連結クラッチが所定の係 合状態となるように前記基本デ
    ューティ値を決定する第1の制御領域と、前 記第1の制
    御領域よりも低い係合力となるように前記基本デューテ
    ィ値を決 定する第2の制御領域の少なくとも2つの制御
    領域のうち、いずれの領域に あるかを、前記検知手段の
    検知結果に基づいて判断する判断手段と、 前記判断手段によって前記第2の制御領域にあると
    判断されたとき、前記検知手段の検知結果に基づいて
    いまい推論を行い、前記基本デューティ値を補正する補
    正係数を算出すると共に、前記算出された補正係数に基
    づいて前記基本デューティ値を補正する補正手段と、 および .前記補正手段による係合力の調整を行う係合力調整
    条件が成立したか否かを判断する係合力調整条件判断手
    段と、 を含み、前記第2の制御領域にあって前記係合力調整条
    件が成立する場合、前記補正されたデューティ値に基づ
    いて前記連結クラッチを制御すると共に、前記第2の制
    御領域にあって前記係合力調整条件が成立しない場合、
    前記基本デューティ値に基づいて前記連結クラッチを制
    御することを特徴とする車両用変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 さらに前記連結クラッチを解除するよう
    に前記基本デューテ ィ値を決定する第3の制御領域を設
    定すると共に、前記係合力制御手段は、前記第2の制御
    領域から前記第3の制御領域へ移行したとき、前記補正
    されたデューティ値を徐々に減少させることを特徴とす
    る請求項4項記載の車両用変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記係合力制御手段は、前記第3の制御
    領域から前記第2の制御領域に移行したとき、前記補正
    されたデューティ値に向けてデューティ値を徐々に増加
    させることを特徴とする請求項4項または5項記載の車
    両用変速機の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記係合力調整条件が、平坦路を走行す
    るときであることを特徴とする請求項4項から6項のい
    ずれかに記載の車両用変速機の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記係合力調整条件が、前記駆動力を使
    用する補機の非作動時であることを特徴とする請求項4
    から7項のいずれかに記載の車両用変速機の制御装
    置。
  9. 【請求項9】 前記係合力調整条件が、前記変速比が小
    さいときであることを特徴とする請求項4項から8項の
    いずれかに記載の車両用変速機の制御装置。
  10. 【請求項10】 前記基本デューティ値の補正が、前記
    係合力調整条件が成立するときで、かつ特定の車両走行
    状態にある場合に行われることを特徴とする請求項4項
    から9項のいずれかに記載の車両用変速機の制御装置。
  11. 【請求項11】 前記特定の走行状態が、前記第1の制
    御領域から前記第2の制御領域へ移行したときであるこ
    とを特徴とする請求項10項記載の車両用変速機の制御
    装置。
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