JP3353765B2 - Fmcwレーダーの自己診断システム及び方法 - Google Patents

Fmcwレーダーの自己診断システム及び方法

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JP3353765B2
JP3353765B2 JP32826399A JP32826399A JP3353765B2 JP 3353765 B2 JP3353765 B2 JP 3353765B2 JP 32826399 A JP32826399 A JP 32826399A JP 32826399 A JP32826399 A JP 32826399A JP 3353765 B2 JP3353765 B2 JP 3353765B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車載用のFMCWレーダ
ーに関する。特に、本発明は、FMCW(周波数変調連
続波)レーダーが正常に動作しているか否かを自己診断
するFMCWレーダーの自己診断システム及び方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】図8は走行中に前方車両との車間距離、
相対速度を計測する例を説明するための図である。本図
に示すように、自動車に搭載されたFMCWレーダーは
前方車両にレーダービームを照射し、反射波を受信して
前方車両との車間距離、相対速度を計測する。
【0003】FMCWレーダーでは、三角波で周波数変
調された高周波信号発振器から送られてくるローカル信
号を増幅し、送信信号として前方車両に照射し前方車両
の目標で反射されると、反射波が受信される。この反射
波の受信信号と高周波信号発振器から送られてくるロー
カル信号とが混合されビート信号が形成され、ビート信
号が処理されて前方車両との車間距離、相対速度が求め
られる。このように、レーザービームが照射され、前方
車両との車間距離、相対速度が得られていれば、動作が
正常と確認することが可能である。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、前方に
車両が走行していないと、FMCWレーダーにとっては
目標がなく、反射波がないので、前方車両の車間距離、
相対速度が得られない。この状態が続くと、FMCWレ
ーダーが故障しているかもしれないとの不安が生じると
いう問題がある。
【0005】このため、前方車両が走行していない場合
に正常に動作しているか否かの自己診断を行い、故障の
不安を除去する必要がある。このような自己診断を実現
する場合に、走行中に診断するので短時間に処理がで
き、FMCWレーダーを自動車に搭載するため設置場所
に制約があるのでコンパクトにでき、コストの上昇を抑
制しなければならないという問題がある。したがって、
本発明は上記問題点に鑑みて、短時間で処理ができ、コ
ンパクトで、コストの上昇を抑制でき、信頼性が高いF
MCWレーダーの自己診断システム及び方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点を解
決するために、レーダービームを対象物に照射し反射波
を受信するFMCWレーダーの自己診断システムにおい
て、高周波信号発振器から送られてくるローカル信号を
増幅し、送信信号とする送信用増幅器と、前記送信用増
幅器により増幅された増幅送信信号と受信信号とを分波
する分波器と、高周波信号発振器から送られてくるロー
カル信号と前記受信信号とを混合してビート信号を形成
する受信用ミキサと、前記対象物が無い時に、前記受信
用ミキサで、前記分波器により分波される前記増幅送信
信号の漏洩信号と高周波信号発振器から送られてくるロ
ーカル信号との混合により形成される前記送信信号の近
傍雑音信号のレベルを格納し、且つ前記送信用増幅器の
動作を停止した時に前記受信用ミキサから出力される雑
音の信号のレベルを格納するデータメモリと、前記デー
タメモリに格納される近傍雑音信号のレベルと前記雑音
の信号のレベルを比較してFMCWレーダーが故障して
いるか否かの自己診断を行う自己診断部とを備えること
を特徴とするFMCWレーダーの自己診断システムを提
供する。好ましくは、前記分波器はサーキュレータであ
り、さらに、好ましくは、半導体スイッチである。
【0007】この手段により、前方車両が走行していな
い場合に正常に動作しているか否かの自己診断が可能に
なり、FMCWレーダーの故障に対する不安を除去する
ことが可能になり、且つ、短時間で処理ができ、コンパ
クトで、コストの上昇を抑制でき信頼性が高くすること
ができる。
【0008】好ましくは、前記自己診断部は前記近傍雑
音信号のレベルと前記雑音の信号のレベルとの差が第1
の所定値よりも大きいか否かを判断し、大きい場合には
故障が無いと自己診断を行う。さらに、好ましくは、前
記自己診断部は前記近傍雑音信号のレベルの絶対値が第
2の所定値よりも大きいか否かを判断し、大きい場合に
は故障が無いと自己診断を行う。
【0009】この手段により、所定値に対する信頼性が
確保できる。好ましくは、前記サーキュレータにコイル
を設け、前記コイルに磁界を発生させることにより、逆
方向のアイソレーションを低減させ、前記サーキュレー
タの送信信号に関する漏洩信号のレベルを増大させる。
この手段により、漏洩信号のレベルを増大し、外部の影
響が排除でき漏洩信号の他の雑音によるレベル誤判定を
防止でき、所定値に対する信頼性が確保できる。
【0010】好ましくは、前記対象物がある場合に受信
用ミキサのビート信号のレベルが前記の近傍雑音信号レ
ベルとしてデータメモリに格納される。この手段によ
り、対象物がある場合にも、自己診断が可能になる。好
ましくは、前記自己診断部は受信用ミキサのビート信号
から対象物との距離、相対速度が得られているか否かで
対象物があるか否かを判断する。
【0011】この手段により、対象物の有無が容易に判
断ができ、対象物が無い場合の自己診断が自動的に行え
る。さらに、本発明は、レーダービームを対象物に照射
し反射波を受信するFMCWレーダーの自己診断方法に
おいて、送信信号を増幅する工程と、増幅された増幅送
信信号と受信信号とを分波する工程と、高周波信号発振
器から送られてくるローカル信号と前記受信信号とを混
合処理してビート信号を形成する工程と、前記対象物が
無い時に、分波された前記増幅送信信号の漏洩信号と高
周波信号発振器から送られてくるローカル信号との混合
により形成される送信信号の近傍雑音信号のレベルを格
納し、且つ前記送信信号の増幅の動作を停止した時に前
記混合処理により得られる雑音の信号のレベルを格納す
る工程と、格納されている前記近傍雑音信号のレベルと
前記雑音の信号のレベルを比較して前記FMCWレーダ
ーが故障しているか否かの自己診断を行う工程とを備え
ることを特徴とするFMCWレーダーの自己診断システ
ムを提供する。
【0012】この手段により、上記発明と同様に、前方
車両が走行していない場合に正常に動作しているか否か
の自己診断が可能になり、FMCWレーダーの故障に対
する不安を除去することが可能になり、且つ、短時間で
処理ができ、コンパクトで、コストの上昇を抑制でき、
信頼性が高くすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明に係る車載用
のFMCWレーダーにおける自己診断システムの概略構
成を示すブロック図である。本図に示すように、FMC
Wレーダーには高周波信号発振器1が設けられ、高周波
信号発振器1はミリ波の高周波(RF)信号を発生す
る。
【0014】高周波信号発振器1の入力には制御回路8
が接続され、制御回路8は高周波信号発振器1に対して
三角波変調を行わせ、高周波信号発振器1に周波数スイ
ープの発振を行わせる。高周波信号発振器1の出力には
送信用増幅器2、受信用ミキサ3が接続される。送信用
増幅器2は高周波信号発振器1の発振信号を増幅して送
信信号を形成する。
【0015】送信用増幅器2の出力、受信用ミキサ3の
入力にはサーキュレータ4が接続され、サーキュレータ
4にはさらにアンテナ4が接続される。サーキュレータ
4は送信用増幅器2から送信信号を入力してアンテナ5
に出力し、アンテナ5から受信信号(RF)を入力し、
受信用ミキサ3に出力するアンテナ5はサーキュレータ
4から入力した送信信号を送信波に変換し、反射波を受
信して受信信号に変換してサーキュレータ4に出力す
る。
【0016】なお、前方車両の方向に向いているアンテ
ナ5からレーダービームが放射されると、送信波は空中
を伝播し、レーダーの対象物である前方車両にあたり反
射される。反射波は空中を再び伝播してアンテナ5に戻
り、アンテナ5に受信される。なお、レーダービームが
アンテナ5から前方車両まで進み、前方車両で反射され
てアンテナ5まで戻ってくる伝播の時間分だけ、高周波
信号発振器1の三角波変調信号のローカル信号が受信信
号よりもスイープされている。このため、ローカル信号
と受信信号には送信波、受信波の空中伝播時間に起因し
て周波数差が発生する。
【0017】受信用ミキサ3では高周波信号発振器1か
らのローカル信号とサーキュレータ4からの受信信号と
を混合してビート信号が形成される。ビート信号の周波
数帯域は数百KHzまでにある。このビート信号はロー
カル信号と受信信号の周波数差により形成される。受信
用ミキサ3の出力には受信信号増幅器6が接続され、受
信信号増幅器6はビート信号を増幅する。
【0018】受信信号増幅器6には信号処理回路7が設
けられ、信号処理回路7は増幅されてビート信号を処理
して前方車両との車間距離、相対速度を求める処理を行
う。信号処理回路7の処理では、通常、ビート信号をア
ナログからディジタルに変換し、高速フーリエ変換等を
行って、ビート信号の周波数を求めて、ドップラ効果を
考慮して車間距離、相対速度を求めている。
【0019】ところで、走行中に前方に車両がない場合
には、レーダーの対象物がないので、空中を伝播する送
信波に対して受信波が存在しない。この場合、受信系に
は送信用増幅器2から出力された信号は、サーキュレー
タ4の逆回転のアイソレーション損失として一部がアン
テナ5へ行かずに受信用ミキサ3へ漏洩する。対象物が
存在し、受信波が存在する場合にはこの漏洩はレベルが
小さいため無視されている。
【0020】車載用のFMCWレーダーとしては小型
化、低コスト等が求められており、この要求からも、現
時点では、送信受信のアイソレーションは多く望めない
状況にある。このため、本発明では、送信受信間のアイ
ソレーション不足により現れる送信漏洩信号が積極的に
活用される。
【0021】受信波が存在しない場合には、サーキュレ
ータ4からの漏洩信号と高周波信号発振器1のローカル
信号とはほぼ同じ周波数の信号であるので、受信用ミキ
サ3では混合されると、直流成分と送信信号の近傍雑音
信号だけが残り、受信用ミキサ3の出力信号として形成
される。図2は送信信号、受信信号、ビート信号、漏洩
信号の波形を説明する図である。
【0022】本図(a)に示すように、送信信号は、三
角波変調信号であり、レーダービームが照射され、対象
物で反射され空中を伝播している時間だけ、高周波信号
発振器1のローカル信号周波数は受信信号よりもスイー
プする。本図(b)に示すように、受信波が存在する場
合、受信用ミキサ3の出力には高周波信号発振器1のロ
ーカル信号と受信信号とのビート信号が存在する。本図
(c)の点線に示すように、受信波が存在しない場合に
は、受信用ミキサ3の出力には高周波信号発振器1のロ
ーカル信号と受信信号とのビート信号が存在せず、直流
成分と送信信号の近傍雑音信号が存在する。
【0023】信号処理回路7には自己診断部7Aが設け
られ、自己診断部7Aは、受信用ミキサ3の直流成分の
信号を、受信信号増幅器6を介して、入力し、自己診断
処理を行う。さらに、送信用増幅器2にはスイッチ2A
が設けられ、スイッチ2Aは、自己診断部7Aにより制
御され、送信用増幅器2の電源電圧の供給を一時的に停
止する。
【0024】さらに、信号処理回路7にはデータメモリ
9が設けられ、データメモリ9は、自己診断部7Aの制
御により、受信用ミキサ3からの直流成分の信号レベル
を格納する。データメモリ9には、先ず、対象物が存在
せず、受信波が存在しない場合の漏洩信号による直流成
分の信号レベルLaがノイズレベルとして格納される。
【0025】次に、データメモリ9には、送信用増幅器
2のスイッチ2Aを一時的に切断して漏洩信号も存在し
ない信号のレベルLbが格納される。この信号のレベル
Lbは受信用ミキサ3の熱雑音等に起因するノイズレベ
ルである。この雑音は受信信号増幅器6を介して、ノイ
ズレベルとして処理される。自己診断部7Aでは、これ
らのLa、Lbを比較し、これらのレベル差が所定値
(Δ1)よりも大きい場合には、受信系が正常に動作し
ていると診断し、レベル差が所定値よりも小さい場合に
は、受信系、送信系の一方、双方が正常に動作していな
いと診断する。
【0026】もし、受信系、送信系の一方、双方が動作
しなければ、受信系に漏洩する信号が無く、レベル差が
小さくなるためである。図3はFMCWレーダーの自己
診断システムに関する一連の動作を説明する図でる。本
図に示すように、ステップS101において、高周波信
号発振器1が動作していることを確認する。
【0027】ステップS102において、受信用ミキサ
3、受信信号増幅器6、信号処理回路7が動作しており
受信状態であることを確認する。ステップS103にお
いて、送信用増幅器2が、スイッチ2Aの閉により、動
作状態であることを確認する。この場合、送信用増幅器
2により増幅される高周波信号は、サーキュレータ4を
介してアンテナ5に送られる。
【0028】このため、アンテナ5から空中に送信波が
放射される。通常は、空中に放射されたレーダービーム
はレーダー対象物にあてられて、反射波として戻る。
【0029】対象物からの反射波である空中の受信波が
存在しない場合には、受信系には送信用増幅器2から出
力された信号が、サーキュレータ4の逆回転のアイソレ
ーション損失として、受信用ミキサ3へ漏洩する。
【0030】漏洩した送信信号は、図1のFMCWレー
ダーでは、図2に示すように、ほぼ直流電圧と送信信号
の近傍雑音信号が現れる。これは、送信、受信を同一の
アンテナで行う場合、送信、受信のアイソレーションが
あるレベルで存在するため、定量的に現れる。ステップ
S104において、この送信信号の近傍雑音信号のレベ
ルは次段の受信信号増幅器6、信号処理回路7の自己診
断部7Aにて処理され、対象物が無い場合のノイズレベ
ルLaと確定される。
【0031】ステップS105において、このノイズレ
ベルLaをデータメモリ9に格納してステップS109
に送る。ステップS106において、自己診断部7Aは
スイッチ2Aを切断して送信用増幅器2の動作を一時的
に停止する。この場合、送信系からの信号の漏洩が無い
ために受信用ミキサ3の出力は、自身の熱雑音等のノイ
ズレベルになる。
【0032】ステップS107において、このノイズレ
ベルも次段の受信信号増幅器6、信号処理回路7の自己
診断部7Aにて処理され、受信系のみのノイズレベルL
bとして確定される。ステップS108において、この
ノイズレベルLbをデータメモリ9に格納してステップ
S109に送る。
【0033】ステップS109において、ステップS1
05、ステップS108でデータメモリ9に格納したノ
イズレベルLa、Lbを取り出して、これらのノイズレ
ベルを比較するために、ノイズレベル差を求める。ステ
ップS110において、ノイズレベル差が所定のレベル
以上あるか否かを判断する。
【0034】ステップS111において、ノイズレベル
差が所定のレベル以上あれば、送信、受信が正常に動作
しているとの診断を行う。ステップS112において、
ノイズレベル差が所定のレベル未満であれば、送信系、
受信系の一方,双方が動作していないとの診断を行う。
また、自己診断動作時にレーダーの反射物があったとし
ても、送信動作時に受信レベルの値としてデータメモリ
9に格納されるだけで、そのレベルはノイズレベルより
も大きく、実動作の時間内でも自己診断ができる。この
ため計測場所を選ぶことなく自己診断が可能となる。
【0035】したがって、本発明によれば、送信系の動
作、非動作時の受信ノイズレベルを比較することによ
り、FMCWレーダーの自己診断が、瞬時(数m秒)
に、簡単な構成で、余計な設置場所を必要とせず、計測
場所を選ばずに、可能になる。
【0036】以上の説明では、アンテナ5の分波器とし
てサーキュレータ4を用いたが、これに限らず、半導体
スイッチを用いても、同様の作用効果を得ることが可能
である。送信、受信干渉が利用できるためである。さら
に、以上の説明では、送信用増幅器2のスイッチ2Aの
ON/OFFにおけるノイズレベル差の大小を自己診断
の判断基準としたが、送信用増幅器2のスイッチ2Aの
ON時にノイズレベルの絶対値が所定値(Δ2)よりも
大きいか否かで自己診断を行っても同様の作用効果を得
ることが可能である。
【0037】次に、サーキュレータ4の逆方向のアイソ
レーション損失による送信信号の漏洩信号から自己診断
を行ったが、外部からの妨害波等の進入により、受信の
レベルが変動すると、自己診断が不安定になる。そのた
め、以下のようにして、判定の信頼性を向上する。
【0038】図4は図1の変形例を示す図である。本図
に示すように、図1と比較して、サーキュレータ4にコ
イル4Aが設けられ、さらに、コイル4Aにはスイッチ
4Bが設けられ、コイル4Aを駆動するスイッチ4Bの
開閉は信号処理回路7の自己診断部7Aにより制御され
る。コイル4Aはサーキュレータ4の上下いずれかに位
置し、磁界を発生させて、サーキュレータ4の逆方向の
アイソレーションを低減させ、送信信号の漏洩信号のレ
ベルを増大させる。このため、ノイズレベルが大きくな
り判定値として自己診断の信頼性を高めることが可能に
なる。
【0039】図5は図4のサーキュレータ4とコイル4
Aとの関係を示す組み立て斜視図であり、図6は図4の
サーキュレータ4とコイル4Aの関係を示す断面図であ
る。図5、図6に示すように、サーキュレータ4の1つ
の端子に入力した電波の磁界はストリップ線路41の進
行方向に直角であり、フェライト43の部分を通過する
とファラデーの効果により偏波面が回転する。
【0040】コイル4Aはフェライト43が形成する磁
界と逆の直流磁界H0を外部から一時的に与えて、フェ
ライト43の磁界を一時的に弱める。図7はサーキュレ
ータ4における逆方向のアイソレーションの低減を説明
する図である。本図に示すように、コイル4Aの直流磁
界H0により送信信号のアンテナ5への方向の伝送損失
が増加し、送信信号の受信用ミキサへの逆方向のアイソ
レーションが低減される。これにより、送信信号の近傍
雑音信号は、積極的に、受信用ミキサ3へより多く漏洩
し、漏洩信号として受信用ミキサ3に送られる。
【0041】このようにして、送信信号の近傍雑音信号
のレベルを、図2の実線で示すように、増大させ外部か
らの影響を受けないようにできるので、受信用ミキサ3
の出力である雑音に関するレベル判定の誤判断の回避が
でき、自己診断の判断の安定性を確保し信頼性を高める
ことが可能になる。なお、サーキュレータ4のアイソレ
ーションが十分にとれている場合には図2(c)の点線
に示すように近傍雑音信号のレベルが外部の影響を受け
変動する。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
FMCWレーダーの送信系の動作、非動作による受信系
のノイズレベルを比較することにより、自己診断が行
え、本来のレーダーの動作である対象物に対して、レー
ダービームを照射し動作の正常さの診断を行う作業より
も簡単に自己診断が行えるようになった。
【0043】また、対象物を必要としないときに自己診
断を行うため、車間距離、相対速度のデータを処理して
いない場合には故障であるとの不安をなくすことができ
る。また、短時間に、コンパクトに、低廉なコストで、
高い信頼性で自己診断ができ、また実動作の時間内でも
自己診断ができ、計測場所を選ばずに自己診断が可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車載用のFMCWレーダーにおけ
る自己診断システムの概略構成を示すブロック図であ
る。
【図2】送信信号、受信信号、ビート信号、漏洩信号の
波形を説明する図である。
【図3】FMCWレーダーの自己診断システムに関する
一連の動作を説明する図でる。
【図4】図1の変形例を示す図である。
【図5】図4のサーキュレータ4とコイル4Aとの関係
を示す組み立て斜視図である。
【図6】図4のサーキュレータ4とコイル4Aの関係を
示す断面図である。
【図7】サーキュレータ4における逆方向のアイソレー
ションの低減を説明する図である。
【図8】走行中に前方車両との車間距離、相対速度を計
測する例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…高周波信号発振器 2…送信用増幅器 2A、4B…スイッチ 3…受信用ミキサ 4…サーキュレータ 4A…コイル 5…アンテナ 6…受信信号増幅器 7…信号処理回路 7A…自己診断部 8…制御回路 9…データメモリ 41…ストリップ線路 42…基板 43…フェライト 44…接地板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーダービームを対象物に照射し反射波
    を受信するFMCWレーダーの自己診断システムにおい
    て、 高周波信号発振器から送られてくるローカル信号を増幅
    し、送信信号とする送信用増幅器と、 前記送信用増幅器により増幅された増幅送信信号と受信
    信号とを分波する分波器と、 高周波信号発振器から送られてくるローカル信号と前記
    受信信号とを混合してビート信号を形成する受信用ミキ
    サと、 前記対象物が無い時に、前記受信用ミキサで、前記分波
    器により分波される前記増幅送信信号の漏洩信号と高周
    波信号発振器から送られてくるローカル信号との混合に
    より形成される送信信号の近傍雑音信号のレベルを格納
    し、且つ前記送信用増幅器の動作を停止した時に前記受
    信用ミキサから出力される雑音の信号のレベルを格納す
    るデータメモリと、 前記データメモリに格納される近傍雑音信号のレベルと
    前記雑音の信号のレベルを比較してFMCWレーダーが
    故障しているか否かの自己診断を行う自己診断部とを備
    えることを特徴とするFMCWレーダーの自己診断シス
    テム。
  2. 【請求項2】 前記分波器がサーキュレータであること
    を特徴とする、請求項1に記載のFMCWレーダーの自
    己診断システム。
  3. 【請求項3】 前記分波器が半導体スイッチであること
    を特徴とする、請求項1に記載のFMCWレーダーの自
    己診断システム。
  4. 【請求項4】 前記自己診断部は前記近傍雑音信号のレ
    ベルと前記雑音の信号のレベルとの差が第1の所定値よ
    りも大きいか否か又は、第1の所定値に対して第2の所
    定値以内のレベルであるかを判断し、大きい場合又は、
    所定値以内の場合には故障が無いと自己診断を行うこと
    を特徴とする、請求項1に記載のFMCWレーダーの自
    己診断システム。
  5. 【請求項5】 前記自己診断部は前記近傍雑音信号のレ
    ベルの絶対値が第2の所定値よりも大きいか否かを判断
    し、大きい場合には故障が無いと自己診断を行うことを
    特徴とする、請求項1に記載のFMCWレーダーの自己
    診断システム。
  6. 【請求項6】 前記サーキュレータにコイルを設け、前
    記コイルに磁界を発生させることにより、逆方向のアイ
    ソレーションを低減させ、前記サーキュレータの送信信
    号に関する漏洩信号のレベルを増大させることを特徴と
    する、請求項2に記載のFMCWレーダーの自己診断シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 前記対象物がある場合に受信用ミキサの
    ビート信号のレベルが前記の近傍雑音信号レベルとして
    データメモリに格納されることを特徴とする、請求項1
    に記載のFMCWレーダーの自己診断システム。
  8. 【請求項8】 前記自己診断部は受信用ミキサのビート
    信号から対象物との距離、相対速度が得られているか否
    かで対象物があるか否かを判断することを特徴とする、
    請求項1に記載のFMCWレーダーの自己診断システ
    ム。
  9. 【請求項9】 レーダービームを対象物に照射し反射波
    を受信するFMCWレーダーの自己診断方法において、 高周波信号発振器から送られてくるローカル信号を増幅
    し、送信信号とする工程と、 増幅された増幅送信信号と受信信号とを分波する工程
    と、 高周波信号発振器から送られてくるローカル信号と前記
    受信信号とを混合処理してビート信号を形成する工程
    と、 前記対象物が無い時に、分波器された増幅送信信号の漏
    洩信号と高周波信号発振器から送られてくるローカル信
    号との混合により形成される送信信号の近傍雑音信号の
    レベルを格納し、且つ前記送信信号の増幅の動作を一時
    的に停止した時に前記混合処理により得られる雑音の信
    号のレベルを格納する工程と、 格納されている前記近傍雑音信号のレベルと前記雑音の
    信号のレベルを比較して前記FMCWレーダーが故障し
    ているか否かの自己診断を行う工程とを備えることを特
    徴とするFMCWレーダーの自己診断方法
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