JP3352905B2 - X線回折測定における単結晶試料の結晶傾き角調整方法 - Google Patents

X線回折測定における単結晶試料の結晶傾き角調整方法

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JP3352905B2 JP06100597A JP6100597A JP3352905B2 JP 3352905 B2 JP3352905 B2 JP 3352905B2 JP 06100597 A JP06100597 A JP 06100597A JP 6100597 A JP6100597 A JP 6100597A JP 3352905 B2 JP3352905 B2 JP 3352905B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶試料のX線
回折測定の際に行われる結晶傾き角調整方法に関し、特
に、調整を正確かつ迅速に行うことができる結晶傾き角
調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、一般的なX線回折測定に用いら
れるX線回折装置の構成を示す図である。通常、X線回
折測定は、試料(ここでは、単結晶試料)1の表面にX
線管3が発生させるX線を一定方向から入射し、回折線
の強度を計数管5で測定し、その強度を角度θとを求め
るものである。このX線回折装置を用いて、ブラッグ条
件を満たす方位付近で単結晶試料1を回転したときの回
折線の強度分布(通常、「ロッキングカーブ」と呼ばれ
る。)を求め、単結晶試料1の構造解析が行われる。
【0003】このようなX線回折測定を行う際には、結
晶傾き角をできるだけ小さくすることが信頼性のあるデ
ータを求めるためには非常に重要である。図2は、図1
に示す単結晶試料1を図中Aで示す方向から見た図であ
る。この図が示すように、単結晶試料1の表面7と測定
対象の格子面9とは通常一致してはおらず、単結晶試料
1の回転軸(ω軸)に垂直な平面と単結晶試料1の格子
面9の法線ベクトルとは一定の角度(以下、「結晶傾き
角(α)」と呼ぶ。)を有している。従って、格子面9
を正確に解析するためには、この結晶傾き角をできるだ
け小さく、究極的には0とすることが必要である。
【0004】従来、この結晶傾き角の調整方法としては
次に述べる方法が広く知られている。
【0005】(1)第1の方法 結晶傾き角αを少しずつ、例えば、Δαずつ変化させな
がら、その角度ごとにロッキングカーブを測定する。そ
して、その測定した複数のロッキングカーブのうちピー
ク強度が最大(或いは半値幅が最小)となっているロッ
キングカーブの結晶傾き角αを用いて調整する。
【0006】(2)第2の方法 試料(ω軸)の回転平面上において試料から適当な距離
だけ離れた位置に受光アパーチャを置き、受光アパーチ
ャの位置に二つの半割りスリット(上半分と下半分)を
設置して交互に用い、上半分スリットを用いた場合と下
半分スリットを用いた場合とで両者のX線強度が等しく
なるように調整する。
【0007】(3)第3の方法 上記(1)で述べた第1の方法を改善したものであり、
結晶傾き角αを少しずつ(Δαずつ)変化させながら、
その角度ごとにロッキングカーブを測定する。そして、
測定したロッキングカーブのピーク強度(或いは半値
幅)を結晶傾き角αに対してプロットし、それを適当な
関数曲線にフィッティングし、その曲線の頂点位置に相
当する結晶傾き角αを用いて調整する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
結晶傾き角調整方法には次のような不具合があった。
【0009】第1の方法においては、極めて多数回のロ
ッキングカーブの測定を行う必要があり、多大な時間を
要するばかりか、調整精度には一定の限界が存在する
(Δα以下の精度を得ることは困難である。)。
【0010】第2の方法においては、受光アパーチャが
正しくω軸の回転平面上にあることが必要であるが、こ
の受光アパーチャの正しい位置(ω軸の回転平面)の決
め方が容易ではない。また、何らかの要因によって受光
アパーチャの位置がずれてしまった場合には正確な結晶
傾き角αを形成することができない。従って、頻繁に受
光アパーチャの位置を確かめる必要がある。さらに、受
光アパーチャの位置に回折X線が到達するように導く調
整作業、さらにそれらを精密に調整する作業は非常に煩
雑なものである。
【0011】第3の方法においては、Δαを大きめに採
ると、その調整精度が低下し、逆にΔαを小さめに採る
と調整精度は通常は向上するが、調整の出発時点での結
晶傾き角αが真の値から大幅にずれているような場合に
は、測定に多大な時間がかかってしまう。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みて成されたもの
であり、その目的は、単結晶試料のX線回折測定の際
に、結晶傾き角を正確かつ迅速に調整することのできる
X線回折測定における単結晶試料の結晶傾き角調整方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の特徴は、単結晶のX線回折測定の際
に、単結晶試料の回転軸(ω軸)に垂直な平面と単結晶
格子面の法線ベクトルとがなす結晶傾き角調整方法にお
いて、前記結晶傾き角をΔα1 ずつ変化させ、その変化
ごとに±Δω1 の範囲で、前記ω軸についてスキャンス
ピードv1 のロッキングカーブを複数個測定し、該複数
のロッキングカーブそれぞれのピーク強度、半値幅、ピ
ーク位置若しくはピーク角度のうちの一つを結晶傾き角
に対してプロットし、その結果を1個のピーク値を持つ
任意の第1の関数曲線にフィッティングし、該第1の関
数曲線の頂点の位置に相当する結晶傾き角をα1 とする
第1の工程と、前記第1の工程で求めた前記α1 の近傍
で、前記結晶傾き角をΔα2 ずつ変化させ、その変化ご
とに±Δω2 の範囲で、前記ω軸についてスキャンスピ
ードv2 のロッキングカーブを複数個測定し、該複数の
ロッキングカーブそれぞれのピーク強度、半値幅、ピー
ク位置若しくはピーク角度のうちの一つを結晶傾き角に
対してプロットし、その結果を1個のピーク値を持つ任
意の第2の関数曲線フィッティングし、該第2の関数曲
線の頂点の位置に相当する結晶傾き角を用いて調整する
第2の工程とを具備し、前記Δα1 、Δα2 、Δω1
Δω2、v1 及びv2 が、Δα1 /20≦Δα2 ≦Δα
1 /10、Δω1 /10≦Δω2 ≦Δω1 /4、v1
10≦v2 ≦v1 /3を満たすことである。
【0014】本発明の第2の特徴は、単結晶のX線回折
測定の際に、単結晶試料の回転軸(ω軸)に垂直な平面
と単結晶格子面の法線ベクトルとがなす結晶傾き角調整
方法において、前記結晶傾き角をΔα1 ずつ変化させ、
その変化ごとに±Δω1 の範囲で、前記ω軸についてス
テップ幅Δθ1 、計数時間t1 のステップスキャニング
を行ってロッキングカーブを複数個測定し、該複数のロ
ッキングカーブそれぞれのピーク強度、半値幅、ピーク
位置若しくはピーク角度のうちの一つを結晶傾き角に対
してプロットし、その結果を1個のピーク値を持つ任意
の第1の関数曲線にフィッティングし、該第1の関数曲
線の頂点の位置に相当する結晶傾き角をα1 とする第1
の工程と、前記第1の工程で求めた前記α1 の近傍で、
前記結晶傾き角をΔα2 ずつ変化させ、その変化ごとに
±Δω2 の範囲で、前記ω軸についてステップ幅Δ
θ2 、計数時間t2 のステップスキャニングを行ってロ
ッキングカーブを複数個測定し、該複数のロッキングカ
ーブそれぞれのピーク強度、半値幅、ピーク位置若しく
はピーク角度のうちの一つを結晶傾き角に対してプロッ
トし、その結果を1個のピーク値を持つ任意の第2の関
数曲線にフィッティングし、該第2の関数曲線の頂点の
位置に相当する結晶傾き角を用いて調整する第2の工程
とを具備し、前記Δα1 、Δα2 、Δω1 、Δω2 、Δ
θ1 、t1 、Δθ2 及びt2 が、Δα1 /20≦Δα2
≦Δα1 /10、Δω1 /10≦Δω2 ≦Δω1 /4、
Δθ1 /5≦Δθ2 ≦Δθ1 /2、(Δθ1 /t1 )/
10≦(Δθ2 /t2 )≦(Δθ1 /t1 )/3を満た
すことである。
【0015】上記構成によれば、調整の出発時点で結晶
傾き角にかなりのずれがあっても膨大な時間、煩雑な操
作を必要とすることなく、容易に正確かつ迅速な結晶傾
き角の調整が可能である。従って、正確なロッキングカ
ーブプロファイルを測定することができ、ロッキングカ
ーブの精密な解析を行うことができる。例えば、ロッキ
ングカーブシミュレーションとの併用においては、結晶
構造の精密な評価ができ、またボンド法等の格子定数測
定において使用すれば、高精度の測定が行える。また、
X線トポグラフ撮影においては、正確な結晶傾き角の調
整により解像度の良いトポグラフの撮影をすることがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1及び図2を参照しつつ説明する。本実施の形態に
係るX線回折測定における単結晶試料の結晶傾き角調整
方法は、まず最初に、結晶傾き角αをΔα1 ずつ変化さ
せ、その変化ごとにω軸に対して±Δω1 の角度範囲で
スキャンスピードを毎分v1 (arcsec)としてロッキン
グカーブを複数回測定する。測定した複数のロッキング
カーブについてそれぞれのピーク強度、半値幅若しくは
ピーク位置(角度)のうち一つを結晶傾き角αに対して
プロットする。そして、そのプロットした結果をガウシ
ャン或いはローレンツィアン等の1個のピーク値を持つ
関数曲線にフィッティングする。その関数曲線の頂点の
位置に相当する結晶傾き角αをα1 とする。
【0017】次に、上記で求めたα1 の前後±Δα(Δ
α〜Δα1 /2)の角度範囲で同様にロッキングカーブ
を複数回測定する。すなわち、結晶傾き角αをΔα
2 (Δα1 >Δα2 )ずつ変化させ、その変化ごとにω
軸に対して±Δω2 の角度範囲でスキャンスピードを毎
分v2 (arcsec)でロッキングカーブを複数回測定す
る。測定した複数のロッキングカーブのピーク強度、半
値幅若しくはピーク位置(角度)のうち一つを結晶傾き
角αに対してプロットする。そして、そのプロットした
結果をガウシャン或いはローレンツィアン等の1個のピ
ーク値を持つ関数曲線にフィッティングする。その関数
曲線の頂点の位置に相当する結晶傾き角αを用いて調整
する。
【0018】ここで、本発明の特徴は、上述した調整方
法の際に、下記(1)〜(3)に示す式を満足するよう
に上述した各パラメータ、Δα1 、Δα2 、Δω1 、Δ
ω2、v1 及びv2 を設定することにある。
【0019】(1)Δα1 /20≦Δα2 ≦Δα1 /1
0 (2)Δω1 /10≦Δω2 ≦Δω1 /4 (3)v1 /10≦v2 ≦v1 /3 本発明者が鋭意研究を行った結果、上述した調整方法を
行う際に、Δα1 、Δα2 、Δω1 、Δω2 、v1 及び
2 を上記(1)〜(3)に示す式を満足するように設
定すれば、正確かつ迅速に結晶傾き角αを調整すること
ができることを見出だした。従って、本実施の形態に係
る調整方法によれば、調整の出発時点とした結晶傾き角
αが真の値と大幅にずれていた場合であっても、測定時
間の膨大化を招くことなく、結晶傾き角αの調整が可能
となる。
【0020】また、毎分v1 (arcsec)でωをスキャン
することに換えて、ステップ幅Δθ1 、計数時間t1
ステップスキャニングを行ない、毎分v2 (arcsec)で
ωをスキャンすることに換えて、ステップ幅Δθ2 、計
数時間t2 のステップスキャニングを行なう調整方法の
際に、下記(4)〜(7)に示す式を満足するように上
述した各パラメータ、Δα1 、Δα2 、Δω1 、Δ
ω2 、Δθ1 、Δθ2 、t1 及びt2 を設定しても、同
様な効果を得ることができる。
【0021】(4)Δα1 /20≦Δα2 ≦Δα1 /1
0 (5)Δω1 /10≦Δω2 ≦Δω1 /4 (6)Δθ1 /5≦Δθ2 ≦Δθ1 /2 (7)(Δθ1 /t1 )/10≦(Δθ2 /t2 )≦
(Δθ1 /t1 )/3
【0022】
【実施例】上述した本発明の実施の形態の実施例を以下
に説明する。
【0023】(実施例1)面方位(111)、比抵抗1
000(Ω・cm)の高純度FZ−Si単結晶ウェーハ
より1.5×1.5cmの試料を切り出し、化学エッチ
ングにより表面層約15μmを除去した後、X線回折装
置のゴニオメータヘッドに設置した。CuのKα1 特性
X線を用い、Si(444)面に対して、結晶傾き角α
の調整を行った。
【0024】まず、調整の開始状態(α=α0 )を仮に
α=0として、結晶傾き角αをΔα1 =0.2°ずつ変
化させ、その変化ごとにロッキングカーブを測定した。
測定はステップ幅Δθ1 =1”、X線計数時間t1
0.3秒のステップスキャニング法により、±Δω1
±50”の測定角度範囲で行った。測定した複数のロッ
キングカーブのそれぞれのピーク強度を結晶傾き角αに
対してプロットし、得られた曲線をガウシャンにフィッ
ティングし、曲線の頂点を示す位置(α=α1 )を求め
た。
【0025】次にα=α1 の近傍において、結晶傾き角
αをΔα2 =0.02°ずつ変化させ、その変化ごとに
ロッキングカーブの測定を行った。測定はステップ幅Δ
θ2=0.2”、X線計数時間t2 =0.4秒のステッ
プスキャニング法により、±Δω2 =±10”の測定角
度範囲で行った。測定したロッキングカーブのピーク強
度を結晶傾き角αに対してプロットし、得られた曲線を
ガウシャンにフィッティングし、曲線の頂点位置(α=
αθ)を求めたところ、αθ=−0.18°を得た。
【0026】従って、最初の状態(α=α0 )よりも
0.18°だけαをマイナス側に傾けた位置を結晶傾き
角が最適に調整された状態と決定した。この調整の正確
さを、従来例で述べた第2の方法を用いて確認した。す
なわち、試料(ω軸)の回転平面上において試料から適
当な距離だけ離れた位置に受光アパーチャを置き、受光
アパーチャの位置に二つの半割りスリット(上半分と下
半分)を設置して交互に用い測定したところ、上半分ス
リットを用いた場合と下半分スリットを用いた場合との
X線強度が極めて良い一致をみた。さらに、この設定に
おいてボンド法(単結晶の格子定数の精密測定法:Acta
Cryst.,13(1960(814)))により格子定数を求めたとこ
ろ、a=5.431074オングストロームが得られ、
文献値(J.Appl.Phys.,56(1984)314)と良く一致した。
【0027】(実施例2)面方位(100)、無添加C
Z−Si単結晶ウェーハより1×1cmの試料を切り出
し、化学エッチングにより表面層約23μmを除去した
後、X線回折装置のゴニオメータヘッドに設置した。C
uのKα1 特性X線を用い、Si(400)面に対し
て、結晶傾き角αの調整を行った。
【0028】まず、調整の開始状態(α=α0 )を仮に
α=0として、結晶傾き角αをΔα1 =0.2°ずつ変
化させ、その変化ごとにロッキングカーブを測定した。
測定はステップ幅Δθ1 =0.5”、X線計数時間t1
=0.3秒のステップスキャニング法により、±Δω1
=±20”の測定角度範囲で行った。測定した複数のロ
ッキングカーブそれぞれのピーク位置をロータリーエン
コーダで読みとり結晶傾き角αに対してプロットし、得
られた曲線をガウシャンにフィッティングし、曲線の頂
点を示す位置(α=α1 )を求めた。
【0029】次にα=α1 の近傍において、結晶傾き角
αをΔα2 =0.02°ずつ変化させ、その変化ごとに
ロッキングカーブの測定を行った。測定はステップ幅Δ
θ2=0.2”、X線計数時間t2 =0.4秒のステッ
プスキャニング法により、±Δω2 =±5”の測定角度
範囲で行った。測定したロッキングカーブのピーク位置
をロータリーエンコーダで読みとり結晶傾き角αに対し
てプロットし、得られた曲線をガウシャンにフィッティ
ングし、曲線の頂点位置(α=αθ)を求めたところ、
αθ=0.06°を得た。
【0030】従って、最初の状態(α=α0 )よりも
0.06°だけ結晶傾き角αをプラス側に傾けた位置を
結晶傾き角αが最適に調整された状態と決定した。この
調整の正確さを、従来例で述べた第2の方法を用いて確
認した。すなわち、試料(ω軸)の回転平面上において
試料から適当な距離だけ離れた位置に受光アパーチャを
置き、受光アパーチャの位置に二つの半割りスリット
(上半分と下半分)を設置して交互に用いて測定したと
ころ、上半分スリットを用いた場合と下半分スリットを
用いた場合とのX線強度が極めて良い一致をみた。さら
に、この設定においてボンド法(単結晶の格子定数の精
密測定法:Acta Cryst.,13(1960)814)により格子定数を
求めたところ、a=5.431077オングストローム
が得られ、文献値(J.Appl.Phys.,56(1984)314)と良く
一致した。
【0031】以下の実施例では、Δα1 、Δα2 、Δω
1 、Δω2 、Δθ1 、Δθ2 、t1及びt2 の値のみを
示す。
【0032】(実施例3)CuのKα1 特性X線を用い
て、試料表面が(100)であるSi単結晶の(42
2)面に対して結晶傾き角αの調整を行った(視射角<
ブラッグ角の場合)。
【0033】この場合には、Δα1 =0.2°、Δα2
=0.02°、Δω1 =50”、Δω2 =10”,v1
=200”/分、v2 =30”/分、若しくは、Δα1
=0.2°、Δα2 =0.02°、Δω1 =50”、Δ
ω2 =10”、Δθ1 =1”、Δθ2 =0.5”、t1
=0.3秒、t2 =0.1秒、の条件で行ったところ、
短時に精度よく測定できた。
【0034】(実施例4)CuのKα1 特性X線を用い
て、試料表面が(100)であるSi単結晶の(42
2)面に対して結晶傾き角αの調整を行った(視射角>
ブラッグ角の場合)。
【0035】この場合には、Δα1 =0.2°、Δα2
=0.02°、Δω1 =50”、Δω2 =5”,v1
200”/分、v2 =30”/分、若しくは、Δα1
0.2°、Δα2 =0.02°、Δω1 =50”、Δω
2 =5”、Δθ1 =1”、Δθ2 =0.5”、t1
0.3秒、t2 =0.4秒、の条件で行ったところ、短
時に精度よく測定できた。
【0036】(実施例5)CuのKα1 特性X線を用い
て、試料表面が(100)であるSi単結晶の(51
1)面に対して結晶傾き角αの調整を行った(視射角<
ブラッグ角の場合)。
【0037】この場合には、Δα1 =0.1°、Δα2
=0.01°、Δω1 =30”、Δω2 =4”,v1
200”/分、v2 =30”/分、若しくは、Δα1
0.1°、Δα2 =0.01°、Δω1 =30”、Δω
2 =4”、Δθ1 =1”、Δθ2 =0.5”、t1
0.15秒、t2 =0.4秒、の条件で行ったところ、
短時に精度よく測定できた。
【0038】(実施例6)CuのKα1 特性X線を用い
て、試料表面が(100)であるSi単結晶の(51
1)面に対して結晶傾き角αの調整を行った(視射角>
ブラッグ角の場合)。
【0039】この場合には、Δα1 =0.2°、Δα2
=0.01°、Δω1 =30”、Δω2 =5”,v1
200”/分、v2 =30”/分、若しくは、Δα1
0.2°、Δα2 =0.02°、Δω1 =50”、Δω
2 =5”、Δθ1 =1”、Δθ2 =0.5”、t1
0.3秒、t2 =0.4秒、の条件で行ったところ、短
時に精度よく測定できた。
【0040】(実施例7)CuのKα1 特性X線を用い
て、試料表面が(100)であるSi単結晶の(44
4)面に対して結晶傾き角αの調整を行った(視射角<
ブラッグ角の場合)。
【0041】この場合には、Δα1 =0.2°、Δα2
=0.02°、Δω1 =50”、Δω2 =10”,v1
=200”/分、v2 =30”/分、若しくは、Δα1
=0.2°、Δα2 =0.02°、Δω1 =50”、Δ
ω2 =5”、Δθ1 =1”、Δθ2 =0.5”、t1
0.3秒、t2 =0.4秒、の条件で行ったところ、短
時に精度よく測定できた。
【0042】(実施例8)CuのKα1 特性X線を用い
て、試料表面が(100)であるSi単結晶の(44
4)面に対して結晶傾き角αの調整を行った(視射角>
ブラッグ角の場合)。
【0043】この場合には、Δα1 =0.2°、Δα2
=0.02°、Δω1 =50”、Δω2 =10”,v1
=200”/分、v2 =30”/分、もしくは、Δα1
=0.2°、Δα2 =0.02°、Δω1 =50”、Δ
ω2 =5”、Δθ1 =1”、Δθ2 =0.5”、t1
0.3秒、t2 =0.4秒、の条件で行ったところ、短
時に精度よく測定できた。
【0044】以上の実施例により、本実施の形態に係る
結晶傾き角の調整方法によれば、容易に正確かつ迅速な
結晶傾き角の調整が可能であることが確かめられた。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
容易に正確かつ迅速な結晶傾き角の調整を行うことがで
きる。従って、ロッキングカーブ・プロファイル解析、
ボンド法等の格子定数測定、X線トポグラフ撮影等の結
晶評価において、多数の試料の短時間での精密な評価が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なX線回折測定に用いられるX線回折装
置の構成を示す図である。
【図2】図1に示す単結晶試料1を図中Aで示す方向か
ら見た断面図である。
【符号の説明】
1 単結晶試料 3 X線管 5 計数管 7 単結晶試料の表面 9 格子面

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶のX線回折測定の際に、単結晶試
    料の回転軸(ω軸)に垂直な平面と単結晶格子面の法線
    ベクトルとがなす結晶傾き角調整方法において、 前記結晶傾き角をΔα1 ずつ変化させ、その変化ごとに
    ±Δω1 の範囲で、前記ω軸についてスキャンスピード
    1 のロッキングカーブを複数個測定し、該複数のロッ
    キングカーブそれぞれのピーク強度、半値幅、ピーク位
    置若しくはピーク角度のうちの一つを結晶傾き角に対し
    てプロットし、その結果を1個のピーク値を持つ任意の
    第1の関数曲線にフィッティングし、該第1の関数曲線
    の頂点の位置に相当する結晶傾き角をα1 とする第1の
    工程と、 前記第1の工程で求めた前記α1 の近傍で、前記結晶傾
    き角をΔα2 ずつ変化させ、その変化ごとに±Δω2
    範囲で、前記ω軸についてスキャンスピードv2 のロッ
    キングカーブを複数個測定し、該複数のロッキングカー
    ブそれぞれのピーク強度、半値幅、ピーク位置若しくは
    ピーク角度のうちの一つを結晶傾き角に対してプロット
    し、その結果を1個のピーク値を持つ任意の第2の関数
    曲線にフィッティングし、該第2の関数曲線の頂点の位
    置に相当する結晶傾き角を用いて調整する第2の工程と
    を具備し、 前記Δα1 、Δα2 、Δω1 、Δω2 、v1 及びv
    2 が、Δα1 /20≦Δα2 ≦Δα1 /10、Δω1
    10≦Δω2 ≦Δω1 /4、v1 /10≦v2 ≦v1
    3を満たすことを特徴とするX線回折測定における単結
    晶試料の結晶傾き角調整方法。
  2. 【請求項2】 単結晶のX線回折測定の際に、単結晶試
    料の回転軸(ω軸)に垂直な平面と単結晶格子面の法線
    ベクトルとがなす結晶傾き角調整方法において、 前記結晶傾き角をΔα1 ずつ変化させ、その変化ごとに
    ±Δω1 の範囲で、前記ω軸についてステップ幅Δ
    θ1 、計数時間t1 のステップスキャニングを行ってロ
    ッキングカーブを複数個測定し、該複数のロッキングカ
    ーブそれぞれのピーク強度、半値幅、ピーク位置若しく
    はピーク角度のうちの一つを結晶傾き角に対してプロッ
    トし、その結果を1個のピーク値を持つ任意の第1の関
    数曲線にフィッティングし、該第1の関数曲線の頂点の
    位置に相当する結晶傾き角をα1 とする第1の工程と、 前記第1の工程で求めた前記α1 の近傍で、前記結晶傾
    き角をΔα2 ずつ変化させ、その変化ごとに±Δω2
    範囲で、前記ω軸についてステップ幅Δθ2 、計数時間
    2 のステップスキャニングを行ってロッキングカーブ
    を複数個測定し、該複数のロッキングカーブそれぞれの
    ピーク強度、半値幅、ピーク位置若しくはピーク角度の
    うちの一つを結晶傾き角に対してプロットし、その結果
    を1個のピーク値を持つ任意の第2の関数曲線フィッテ
    ィングし、該第2の関数曲線の頂点の位置に相当する結
    晶傾き角を用いて調整する第2の工程とを具備し、 前記Δα1 、Δα2 、Δω1 、Δω2 、Δθ1 、t1
    Δθ2 及びt2 が、Δα1 /20≦Δα2 ≦Δα1 /1
    0、Δω1 /10≦Δω2 ≦Δω1 /4、Δθ1 /5≦
    Δθ2 ≦Δθ1 /2、(Δθ1 /t1 )/10≦(Δθ
    2 /t2 )≦(Δθ1 /t1 )/3を満たすことを特徴
    とするX線回折測定における単結晶試料の結晶傾き角調
    整方法。
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