JP3351981B2 - 耐候性の優れた高光輝性メタリック顔料 - Google Patents

耐候性の優れた高光輝性メタリック顔料

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JP3351981B2
JP3351981B2 JP06567697A JP6567697A JP3351981B2 JP 3351981 B2 JP3351981 B2 JP 3351981B2 JP 06567697 A JP06567697 A JP 06567697A JP 6567697 A JP6567697 A JP 6567697A JP 3351981 B2 JP3351981 B2 JP 3351981B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車車体,外装建材
等をコーティングするメタリック塗料に混入される高光
輝性メタリック顔料に関する。
【0002】
【従来の技術】メタリック顔料を混入した塗膜は、塗膜
に分散している鱗片状のメタリック顔料に外部からの入
射光が反射して輝き、塗膜の各種色調と相俟つて意匠性
に優れた独特の外観を呈する。この特徴を活用し、自動
車や二輪駆動車の車体等の塗装に使用されている。メタ
リック顔料としては、アルミニウム箔,銅箔,ステンレ
ス鋼箔等の金属箔やマイカ,板状酸化鉄等が従来から使
用されている。しかし、従来の顔料は、何れも耐候性及
び光輝性を兼ね備えたメタリック顔料とはいえない。た
とえば、アルミニウム箔や銅箔は、金属箔としてはかな
りの光輝性を呈するが、ガラスフレークに比較すると光
輝性が劣る。
【0003】光輝性の相違は、基材の表面状態に由来す
る。ガラスフレークは液体状態から冷却・固化されてい
るため極めて平滑な表面をもつが、アルミニウム箔や銅
箔では、ボールミル,スタンプミル等の機械加工によっ
て製造されるため、加工に伴う微細な凹凸が表面に残
る。優れた耐候性を呈するマイカや板状酸化鉄等も、ガ
ラスフレークに比較すると表面に微細な凹凸が多く、光
輝性がかなり劣る。優れた光輝性を呈するメタリック顔
料としては、無電解ニッケルめっき又は無電解銀めっき
を施したガラスフレークが市販されている。このニッケ
ルや銀を無電解めっきしたガラスフレークを使用し、メ
タリック塗料(特開平4−359957号公報,特開平
5−17710号公報),再帰光輝性塗料(特開平5−
179174号公報),スパークリング効果に優れた粘
着テープ(特開平5−320588号公報)等が製造さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ニッケルや銀の無電解
めっきにより必要な光輝性を発現させるためには、50
0〜2,000Åと比較的厚く無電解めっきする必要が
あり、高価な元素であるニッケルや銀の消費量が多くな
る。また、無電解めっきを採用しているので、めっき浴
組成や温度条件の変動等に応じて生成されるめっき層の
特性が変動し易く、厳格な管理が必要となる。しかも、
前処理,水洗,濾過,廃液処理等に多数の工程がかか
り、製造コストを上昇させる原因となっている。更に、
銀は酸化し易く、硫化物と反応すると黒色に変色し易い
ことも欠点である。そのため、自動車,二輪駆動車等の
車体用としては勿論、外装建材用のメタリック顔料とし
て使用するには、耐候性が不十分であった。しかし、最
近では意匠性や識別性を付与するため、自動車,二輪駆
動車,外装建材向けの耐候性に優れた高光輝性メタリッ
ク顔料の開発が強く望まれている。ところが、従来の製
造技術では、現状以上に耐候性及び光輝性を向上させた
メタリック顔料を製造することは困難であった。本発明
は、このような問題を解消すべく案出されたものであ
り、無電解めっきに替えてスパッタリング法で金属薄膜
をガラスフレークの表面に形成することにより、従来の
メタリック顔料に比較して格段に耐候性,光輝性及び品
質安定性に優れた高光輝性メタリック顔料を安価に提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の高光輝性メタリ
ック顔料は、その目的を達成するため、平均粒径10〜
300μm,平均厚み1〜20μmのガラスフレークの表
面に、Ti−Si−OおよびTi−Al−Oからなる化
合物層を介して、厚み50〜200Åのチタン又はチタ
ン合金からなる金属薄膜がスパッタリングで形成されて
いることを特徴とする。この高光輝性メタリック顔料
は、塗料に配合してメタリック感に富む塗膜を形成する
外、プラスチック成形品用の樹脂塑性物に配合して同様
に優れた表面をもつ成形品を得ることにも使用される。
また、このメタリック顔料を印刷インクに混合し、反射
テープ,表示材料,看板等にも応用される。
【0006】
【実施の形態】基材に使用するガラスフレークは、鱗片
状の粒子であり、平均粒径が10〜300μm(好まし
くは20〜100μm),平均厚みが1〜20μm(好
ましくは5〜10μm)のサイズをもっている。平均粒
径10μm未満のガラスフレークでは、塗膜中に一定方
向に配向し難く、光輝感が発現されない。逆に300μ
mを超える平均粒径では、きめ細かなメタリック感が得
られない。また、平均厚み1μm未満のガラスフレーク
は製造困難であり、20μmを超えるとガラスフレーク
が塗膜の厚みに近くなるので塗膜表面の平滑性が損なわ
れる。ガラスフレークは、その材質に制約を受けるもの
ではないが、元素ガラス,水素結合ガラス,酸化物ガラ
ス,フッ化物ガラス,塩化物ガラス,硫化物ガラス,炭
酸塩ガラス,硝酸塩ガラス,硫酸塩ガラス等が使用され
る。価格や性能を考慮すると、ケイ酸ガラス,ケイ酸ア
ルカリガラス,ソーダ石灰ガラス,鉛ガラス,バリウム
ガラス,ホウケイ酸ガラス等の酸化物ガラスが好まし
い。
【0007】ガラスフレークの表面をコーティングする
金属としては、耐食性に優れたチタン又はチタン合金が
好適である。チタン又はチタン合金によるコーティング
は、無電解めっき法では不可能であったが、スパッタリ
ング法ではガラスフレークの表面に簡単に施すことがで
きる。チタン合金としては、たとえば95%Ti−5%
Al,95%Ti−5%Cr,95%Ti−5%Fe,
95%Ti−5%V,95%Ti−5%Mn,92%T
i−4%Al−4%Mn,92%Ti−5%Cr−3%
Al,95.75%Ti−2.7%Cr−1.3%Fe
−0.25%O等のα相合金,β相合金,α+βの二相
合金等がある。これらチタン合金は、目的に応じて単独
で又は複数組み合わせて使用される。
【0008】ガラスフレークをチタン又はチタン合金で
コーティングする方法としては、イオンプレーティング
や真空蒸着法等も考えられる。しかし、ガラスフレーク
(基材)やコーティング層の特性に悪影響を及ぼすこと
なく、安定したコーティング層を形成する上で、本発明
者等が開発した粉末スパッタリング法が最も適してい
る。因みに、CVD法のようにコーティング時の温度が
600℃を超えると、ガラスフレーク自体が軟化し、光
輝性に影響を及ぼす表面の平滑度が低下する。この種の
粉末スパッタリング法には、回転ドラムに粉末を投入
し、回転ドラムの回転によって流動化させた粉末粒子を
スパッタリングする方法(特開平2−153068号公
報),繰り返される粉末の落下流に金属をスパッタリン
グする方法(特開昭62−250172号公報)等があ
る。
【0009】粉末スパッタリングでは、たとえば設備構
成を図1に示す装置を使用する。この粉末スパッタリン
グ装置においては、回転ドラム1を2本のロール2で支
持し、一方のロール2をモータ3で回転させる。回転ド
ラム1の内部には、2個のスパッタリング源4が配置さ
れており、投入したガラスフレーク5がスパッタリング
される。回転ドラム1の上方には、外周に加熱コイル6
を備えた減圧処理室7が配置されており、減圧処理室7
の底部がバルブ8を備えた供給管9を介して回転ドラム
1に接続されている。供給管9は、バルブ8より下側の
部分でArガス導入管10が内部に挿入された二重管構
造になっており、側面から回転ドラム1の内部に挿入さ
れ、先端が回転ドラム1の底部に延びている。また、バ
ルブ8より下側で供給管9に分岐管11が取り付けられ
ており、分岐管11の先端が流体ジェットミル12に接
続されている。流体ジェットミル12の出側は、循環管
13を経て減圧処理室7の上部に接続されている。分岐
管11,循環管13にバルブ14,15が挿入されてお
り、循環管13には固気分離装置16が接続されてい
る。
【0010】回転ドラム1内でスパッタリングにより金
属被覆されたガラスフレーク5は、分岐管11,循環管
13から減圧処理室7に送られ、所定厚み皮膜が形成さ
れるまでスパッタリング処理に繰返し供される。所定の
厚みをもつ皮膜が形成されたガラスフレーク5は、固気
分離装置16で回収される。粉末スパッタリング法でチ
タン合金層を形成するとき、焼結法,溶融法等で用意さ
れたターゲットが使用される。複数の結晶相からなるタ
ーゲットでは、目標とするチタン合金層の平均組成に等
しくなるように調整される。また、目標とするチタン合
金層の主成分であるチタン板に合金化しようとする金属
を埋め込んだターゲット,複数の単一金属を組み合わせ
たターゲット等も使用される。
【0011】一般に、基材に施すコーティング層が厚く
なるほど、被覆層表面の凹凸が大きくなり、光輝性が低
下するといわれている。たとえば、無電解めっきでは皮
膜厚みを1,000Å以上に厚くしないと粉末の表面全
体を均一に被覆できないとされているが、スパッタリン
グ法では200Å以下の薄膜でも十分に表面全体を均一
に被覆することが可能である。そのため、より優れた光
輝性が鱗片状基材に付与される。しかも、チタン又はチ
タン合金の消費量を少なくできることから、製造コスト
も低減できる。粉末スパッタリング法は、次に説明する
ように従来のコーティング法にみられない現象を利用し
て金属薄膜をガラスフレークの表面に形成するものであ
り、これによって耐候性及び光輝性が格段に優れたメタ
リック顔料が得られる。
【0012】(1)スパッタリング法では、プラズマ状
態まで励起された金属原子がガラスフレークの表面に高
速で衝突する現象を繰り返す。この衝突エネルギーによ
ってガラスフレークを構成しているSiO2 ,Al2
3 等の酸化物が金属チタンと反応し、界面にTi−Si
−O,Ti−Al−O等の化合物が形成される。その結
果、無電解めっきに比較し密着性に優れた皮膜が形成さ
れる。 (2)界面に形成された化合物層は、コーティング時に
皮膜形成の核発生起点となる。粉末スパッタリング法で
は、多数の核発生起点が極めて微細且つ緻密に形成され
る。そのため、少量のチタンでガラスフレークの表面を
均一にコーティングでき、形成された被覆層も緻密構造
になる。したがって、得られたメタリック顔料は、光輝
性に優れたものとなる。
【0013】これに対し、無電解めっきでは、予めガラ
スフレークの表面をPd等の活性化する前処理が施され
る。Pdが付着した部分は、無電解めっき時に皮膜形成
の核発生点になるといわれている。物理吸着現象である
Pdの付着強度はスパッタリング法に比較して著しく弱
く、またプラズマ状態に励起された金属原子の衝突密度
に比較してPdの付着密度はかなり小さい。そのため、
無電解めっきで形成された皮膜は粗くなり易く、光輝性
の向上に限度があるものと推察される。スパッタリング
法でガラスフレークの表面をチタン又はチタン合金で均
一にコーティングした後、塗料に対する分散性や樹脂と
の密着性を改善するため、脂肪酸等の有機物を使用した
被覆処理や各種のカップリング剤を用いた表面処理を施
しても良い。カップリング剤としては、たとえばγ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン,N−β−アミノエチ
ル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルエトキシ
シラン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン,チタン系カップリング剤,ジルコニア系カップリ
ング剤,アルミ系カップリング剤等が使用される。
【0014】チタン又はチタン合金でガラスフレークを
コーティングしたメタリック顔料の塗料樹脂に対する配
合量は、ビヒクル成分(固形分)100重量部に対して
0.1〜30重量部の範囲に調整することが好ましい。
メタリック顔料の配合量が少なすぎると、奥行感のある
高級なメタリック感が得られない。配合量の上限は特に
制約されるものではなく、樹脂の種類,要求される成形
品の物性等に応じ、通常は20重量%まで,特に好まし
くは5重量%までの範囲で適宜決定される。ビヒクル成
分は、基質樹脂及び架橋剤を主成分とする硬化性樹脂組
成物が好ましい。基質樹脂には、架橋性官能基をもつア
クリル樹脂,ポリエステル樹脂,アルキード樹脂等があ
り、できるだけ透明度の高い樹脂が使用される。架橋剤
としては、メチロール化又はアルキルエーテル化したメ
ラミン樹脂,尿素樹脂,ポリイソシアネート化合物等が
使用される。また、自己硬化性樹脂,熱硬化性樹脂等も
使用可能であり、染料,顔料等で着色された樹脂も使用
できる。溶剤には、塗料用の有機溶媒や水等が使用され
る。
【0015】
【実施例1】 実施例1:図1の粉末スパッタリング装置を使用して、
ソーダ石灰ガラスの透明ガラスフレーク(平均粒径:1
0μm,平均厚み:1μm)の表面に、膜厚が50Åと
なるように95%Ti−5%Al合金をコーティングし
た。内径200mm,軸方向長さ200mmの回転ドラ
ム1に、2個の95%Ti−5%Al合金スパッタリン
グ源4を配置した。スパッタリング源4としては、周波
数13.56MHz,出力1.5KWのマグネトロン型
を使用した。ガラスフレーク5を100g投入し、減圧
処理室7を3.0×10-3Paに減圧した後、Arガス
導入管10からArガスを15cm3 /分の流量で導入
し、ガラスフレーク5を分岐管11,流体ジェットミル
12及び循環管13を経て減圧処理室7に吸引移送し
た。そして、減圧処理室7で加熱コイル6により200
℃に30分間加熱して乾燥・脱ガスした。
【0016】次いで、回転ドラム1の雰囲気をArガス
で完全に置換した後、減圧処理室7のガラスフレーク5
を供給管9から回転ドラム1に落下させ、回転ドラム1
を5rpmの速度で回転させながら3.0×10-1Pa
の減圧雰囲気下でスパッタリング源4からスパッタリン
グした。10分後にスパッタリングを中止し、減圧処理
室7を減圧にすると共にArガス導入管10からArガ
スを導入し、ガラスフレーク5を流体ジェットミル12
経由で減圧処理室7に吸引返送し、スパッタリング中に
塊状化されたガラスフレーク5をできるだけ個々の粒子
にほぐした。減圧処理室7に返送されたガラスフレーク
5には、Ti−Si−OおよびTi−Al−Oからなる
化合物層を介して厚み10Åのチタン合金が被覆されて
いた。このスパッタリングを5回繰り返すことにより、
チタン合金皮膜を50Åまで成長させた後、固気分離装
置16から回収した。
【0017】実施例2〜5: 実施例1と同じ方法で、ガラスフレークの表面に、Ti
−Si−OおよびTi−Al−Oからなる化合物層を介
して95%Ti−5%Cr,95%Ti−5%Fe,T
i単独,92%Ti−5%Cr−3%Alの各合金層を
形成した。使用したガラスフレークの平均粒径,平均厚
み及び形成された被覆層の厚みを表1に示す。
【0018】比較例1: 透明ガラスフレーク(平均粒径:10μm,平均厚み:
20μm)の表面に、200Åの銀皮膜が形成されるよ
うに無電解めっきを施した。塩化第一錫30g/l及び
塩酸30g/lを含む水溶液1リットル中に透明ガラス
フレーク500gを投入し、60℃で20分間撹拌する
ことによりガラスフレークをセンシタイジングした後、
脱イオン水で十分洗浄し、塩化パラジウム1.5g/l
及び塩酸15g/lを含む水溶液1リットルに投入し、
室温で20分間撹拌した。アクチベーション処理された
ガラスフレークを再び脱イオン水で十分洗浄し、銀アン
モニア溶液及び還元性溶液を用いて次の手順で厚み20
0Åの無電解銀めっきを施した。
【0019】(1)銀アンモニア溶液の調製 脱イオン水100mlに硝酸銀8gを加えて溶解し、こ
れに脱イオン水100mlに水酸化カリウム4gを加え
て溶解したものを混合した。混合後の溶液は、次第に褐
色になる傾向を示した。更に水酸化アンモニウム80m
l/lを加え、溶液が透明になるまで撹拌した。 (2)還元性溶液の調製 脱イオン水200mlに食卓砂糖18gを加えて溶解し
た後、濃硝酸4mlを加え、30分間沸騰させることに
より食卓砂糖を転化糖に変え、溶液を室温まで冷却し
た。 (3)無電解銀めっき 前処理済みのガラスフレーク500gを銀アンモニア溶
液225mlに投入し、室温で十分に撹拌しながら、還
元性溶液150mlを滴下速度25滴/分で徐々に添加
した。無電解銀めっきが施されたガラスフレークを十分
に水洗し、乾燥させた。
【0020】得られた合計6種類の顔料を使用して、次
のように塗装鋼板を作製した。各顔料10重量部にトル
エン8重量部を加えて撹拌し、顔料をトルエン中に均一
分散させた。次いで、分散液に熱硬化性アクリル樹脂ワ
ニス(アマルテックス448−O 三井東圧化学株式会
社製)60重量部,メラミン樹脂ワニス[ユーバン20
N−60 三井東圧化学株式会社製)12重量部及び溶
剤(トルエン65重量%とn−ブタノール35重量%の
混合溶剤)15重量部を加え、ディスパーで30分間撹
拌することによりメタリック塗料を調製した。塗装原板
としては、板厚0.8mm,幅300mm,長さ500
mmの磨き鋼板を使用した。磨き鋼板を常法に従ってリ
ン酸亜鉛処理した後、カチオン電着塗料(パワートップ
U−30 日本ペイント株式会社製)を用いて電着塗装
し、160℃で30分間加熱することにより、乾燥膜厚
20μmの下塗り塗膜を形成した。次いで、中塗り塗料
(オルガP−2グレ− 日本ペイント株式会社製)を用
いて塗装し、140℃で30分間加熱することにより、
乾燥膜厚35μmの中塗り塗膜を形成した。
【0021】下塗り塗膜及び中塗り塗膜が形成された塗
装原板に対し、前述のように調製されたメタリック塗料
を用いた塗装を施した。塗装に先立って、20℃の粘度
がNo.4フォードカップ試験で15秒となるように、塗
料用シンナー(ニッペ298日本ペイント株式会社製)
でメタリック塗料を希釈した。そして、粘度調整された
メタリック塗料を中塗り塗膜の上にスプレーガンで静電
噴霧塗装し、乾燥膜厚で15μmのメタリック塗膜を形
成した。次いで、ウエット・オン・ウエットでクリヤー
塗料(スーパーラック128M−1 日本ペイント株式
会社製)を塗装し、140℃で30分間加熱し、乾燥全
膜厚を140μmとした。このようにして実施例1〜5
及び比較例1の合計6サンプルについて塗装鋼板を作製
した。得られた塗装鋼板のメタリック感及び耐候性を調
査した。メタリック感は、デジタル変角光沢計(UGV
−5K スガ試験機株式会社製)を用い、60度鏡面反
射率で評価した。
【0022】耐候性は、1,000時間のQUV試験で
調査した。QUV試験では、約60℃で紫外線ランプを
4時間点灯した後、約50℃で水分又は湿気凝結を伴う
4時間の非点灯を1サイクルとし、このサイクルを24
時間に3回繰り返す条件を採用した。この試験では、試
験パネルが模擬高温熱帯性昼間条件に続いて暖かい高湿
性夜間条件に曝されることになり、その間に湿気又は水
分がパネル面に凝結する。パネルが凝結した水分で濡れ
ている間は、紫外線点灯過程の反復に従ってパネルが強
烈な紫外光に曝される。QUV試験に暴露した塗装鋼板
を定期的に試験機から取り出し、外観の変化を色差計及
びデジタル変角光沢計で測定した。そして、各試験片に
ついて、試験前からの変化量をそれぞれ色差ΔE及び光
沢保持率%として求めた。以上の試験結果を示す表1に
みられるように、本発明に従ったメタリック顔料を用い
て作製された塗装鋼板は、比較例1との対比で色調及び
光沢度の変化が抑制されており、実用上十分な耐候性を
もち、しかも極めて優れたメタリック感を呈することが
判る。
【0023】
【0024】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の高光輝
性メタリック顔料は、ガラスフレークの表面にTi−S
i−OおよびTi−Al−Oからなる化合物層を介して
耐食性に優れたチタン又はチタン合金の薄膜をスパッタ
リング法で形成している。スパッタリング法によるコー
ティングであるため、ガラスフレークの表面との間にT
i−Si−OおよびTi−Al−Oからなる化合物層を
介する形態となり、従来法に比較して薄い膜厚でガラス
フレーク表面を均一且つ緻密に覆うことができ、チタン
やチタン合金の消費量増加を抑えた高品質のメタリック
顔料となる。このメタリック顔料を塗料に混合して鋼板
に塗装すると、耐候性及び光輝性に優れた塗装鋼板が得
られ、意匠性及び識別性の高い自動車用車体,二輪駆動
車用車体,外装建材等として使用される。また、印刷イ
ンクに混合して反射テープ,表示材料,看板等にも適用
でき、各種プラスチック成形品に練り込んでウエルドラ
インの発生防止剤としての応用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガラスフレーク表面にチタン又はチタン合金
をコーティングする粉末スパッタリング装置
【符号の説明】
1:回転ドラム 2:ロール 3:モータ 4:
スパッタリング源 5:ガラスフレーク 6:加熱コイル 7:減圧処
理室 8:バルブ 9:供給管 10:Arガス導入管 11:分岐管
12:流体ジェットミル 13:循環管 1
4,15:バルブ 16:固気分離装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 才田 淳治 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製 鋼株式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−179174(JP,A) 特開 平2−153068(JP,A) 特開 平9−188830(JP,A) 特開 平4−359937(JP,A) 特開 平5−320588(JP,A) 特開 平2−124981(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 1/28 C09C 3/00 C09D 5/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径10〜300μm,平均厚み1
    〜20μmのガラスフレークの表面に、Ti−Si−O
    およびTi−Al−Oからなる化合物層を介して、厚み
    50〜200Åのチタン又はチタン合金からなる金属薄
    膜がスパッタリングで形成されている耐候性に優れた高
    光輝性メタリック顔料。
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