JP3349966B2 - ハイブリッド型磁石及びそれを備えたステッピングモータ - Google Patents

ハイブリッド型磁石及びそれを備えたステッピングモータ

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JP3349966B2 JP32104498A JP32104498A JP3349966B2 JP 3349966 B2 JP3349966 B2 JP 3349966B2 JP 32104498 A JP32104498 A JP 32104498A JP 32104498 A JP32104498 A JP 32104498A JP 3349966 B2 JP3349966 B2 JP 3349966B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、永久磁石と電磁石とを組み合わ
せて、電磁石に供給する電流を制御することにより外部
に及ぼす磁界の強さを制御するとともに、供給したエネ
ルギーを効率よく取り出すことのできるハイブリッド型
磁石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、永久磁石と電磁石とを組み合わせ
たハイブリッド形式の磁石の例は少ない。永久磁石と電
磁石とを組み合わせた効果として、通常考えられること
は、電磁石の励磁コイルにある方向の電流を流したとき
に、永久磁石と電磁石との合計の磁界を発生させ、励磁
コイルに反対方向の電流を流したときに、永久磁石によ
る磁界を電磁石によって発生させた逆向きの磁界によっ
てキャンセルさせるようにすることである。
【0003】従って、励磁コイルに電流を流さないとき
には、永久磁石のみによる磁界が存在し、励磁コイルに
電流を流すことにことにより、磁界の強さを増加した
り、あるいは減少させたりすることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような使用方法は、永久磁石のエネルギーを効果的に利
用しているとはいえない。一見、永久磁石のエネルギー
を利用しているように見えるが、磁界をキャンセルする
電磁石にエネルギーを投入しなければならないので、エ
ネルギー的にはプラスマイナスで0ということになる。
永久磁石の有するエネルギーを、電磁石の励磁によって
有効利用するには、発想の転換が必要といえる。
【0005】本発明は、永久磁石の有するエネルギー
を、電磁石の励磁によって有効利用することのできる構
造のハイブリッド型磁石の提供と、この磁石を用いたス
テッピングモータの提供を、その目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述課題を解決するため
に、本発明は、次のような手段を採用した。請求項1に
係るハイブリッド型磁石は、胴部と断面矩形の左右のア
ーム部とにより「コ」字状に形成された鉄心に励磁コイ
ルを巻き回して構成した電磁石と、永久磁石を両側から
磁性部材で挟み込み前記鉄心のアーム部の両外端部間に
わたって密着接合した角棒状の係合部材とを備え、かつ
前記永久磁石が前記鉄心のアーム部間に位置するハイブ
リッド型磁石であって、前記永久磁石の幅と前記磁性部
材の幅の合計との比を1:1.6〜1:7の範囲に構成
、さらに、前記鉄心を純鉄とし、前記磁性部材を純鉄
より飽和磁束密度及び透磁率の高い材料としたことを特
徴としている。
【0007】このように構成すると、電磁石の励磁コイ
ルに通電していないとき、永久磁石による磁力線は、永
久磁石、磁性部材、鉄心、磁性部材、永久磁石という閉
磁路を構成し、空気中への磁束の漏れは殆どない。次
に、電磁石の励磁コイルに、永久磁石の磁力線の方向と
反対方向でかつ永久磁石の磁束数よりも多い磁束数を発
生させる電流を流すと、永久磁石の磁力線が電磁石の磁
力線によってキャンセルされるだけではなく、永久磁石
の飽和状態を越えれば空気中に放出される。その際に、
電磁石の磁束数が充分に多量であれば、空気中に排出さ
れる磁束数は、永久磁石と電磁石との両者のものが適宜
加算されたものとなる。
【0008】このため、係合部材に近接して磁性体を配
置すると、その効果が著しく、励磁コイルに電流を流さ
ないときには、ハイブリッド磁石は磁性体を吸引せず、
励磁コイルに電流を流すと永久磁石と電磁石との力によ
って吸引するという現象が生じる。すなわち、エネルギ
ーを消費することのない永久磁石の効力を十分に利用す
ることができることになる。
【0009】請求項2に係るハイブリッド型磁石は、2
つの胴部と3つの断面矩形のアーム部とにより「E」字
状に形成された鉄心の2つの胴部にそれぞれ励磁コイル
を巻き回して構成した電磁石と、磁性部材、永久磁石、
磁性部材、永久磁石、磁性部材の順で密着構成し前記鉄
心の外側のアーム部の両外端部間にわたって密着接合し
た棒状の係合部材とを備え、かつ前記各永久磁石が前記
鉄心の各アーム部間にそれぞれ位置するハイブリッド型
磁石であって、前記永久磁石の幅を互いに同一に構成す
るとともに、前記永久磁石の幅の合計と前記磁性部材の
幅の合計との比を1:1.6〜1:7の範囲に構成した
ことを特徴としている。
【0010】このように構成した場合も、請求項1に記
載の発明と同様の作用を発揮する。
【0011】請求項3に記載のハイブリッド型磁石は、
請求項1又は2に記載の発明において、鉄心は純鉄で、
前記永久磁石はネオジム系磁石であること特徴としてい
る。
【0012】請求項4に記載のステッピングモータは、
請求項1から3のいずれかに記載のハイブリッド型磁石
を複数個、その胴部を中心にしてアーム部が放射状にな
るように等角度で一体構成してステータとし、ハイブリ
ッド型磁石の係合部材の外側に等間隔で磁性体を配置し
てロータとして構成したことを特徴としている。
【0013】請求項5に記載のステッピングモータは、
請求項4に記載のステッピングモータを複数個、位相差
を設けて直列接続して構成したことを特徴としている。
【0014】このように構成すると、各励磁コイルにパ
ルス電流を流すことにより、投入した電磁石のエネルギ
ーを、永久磁石利用することによって効率良く出力とし
て取り出すことができることになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るハ
イブリッド型磁石10の第1の実施の形態を示し、
(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図であ
る。このハイブリッド型磁石10は、大きく分けて2つ
の要素から構成されている。1つは胴部12aと断面矩
形の左右のアーム部12b、12bとにより「コ」字状
に形成された鉄心12に励磁コイル14を巻き回して構
成した電磁石16と、他方は永久磁石(ネオジム系マグ
ネット)18を両側から軟磁性体からなる磁性部材20
で挟み込み、鉄心12のアーム部12bの両外端部間に
わたって密着接合した角棒状の係合部材22とで構成さ
れている。その際に、前記永久磁石18は、鉄心12の
左右のアーム部12b、12b間に位置している。
【0016】電磁石16を構成する鉄心12は、軟磁性
材料である純鉄の板を積層したもので、この実施形態例
にあっては、図1に示すように、左右のアーム部12b
の幅Fは10mm、高さD(胴部12aの上端からの高
さ)は10mm、厚さHは10mmである。したがっ
て、アーム部12bの横断面積は100mmとな
る。
【0017】これに対し、係合部材22の縦断面は、永
久磁石18、磁性部材20とも同一の矩形を形成してい
て1本の角棒状になっていて、永久磁石18の高さCは
15mm、幅Bは5mm、厚さHは10mmとなってお
り、左右に配置された磁性部材20の高さCは15m
m、幅Aは17.5mm、厚さHは10mmとなってい
る。したがって、永久磁石18及び磁性部材20ともそ
の縦断面積は150mm となる。なお、この磁性部
材20の材質としては、例えば、純鉄を用いてもよい
し、あるいはパーマロイ、ケイ素鋼等の純鉄より飽和磁
束密度及び透磁率の高いものを用いてもよい。
【0018】また、電磁石16の鉄心12に巻き回され
ている励磁コイル14は、線径0.6mmの銅線を42
0ターンさせたものである。
【0019】次に、このハイブリッド型磁石10の特性
について説明する。先ず、電磁石16の励磁コイル14
に通電していないとき、永久磁石18による磁力線は、
永久磁石N極→磁性材20→鉄心12→磁性材20→永
久磁石S極という閉磁路を構成し、空気中への磁束の漏
れは殆どない。従って、鉄心12のアーム部12bと係
合部材22との間には強い吸着力が発生していて、係合
部材22の外部に磁性材料を近づけても、近づけた磁性
材料には影響が及ばない。
【0020】次に、電磁石16の励磁コイル14に対
し、永久磁石18の磁力線の方向と反対方向に磁束を発
生させる電流を流すと、どのようになるかを実験する。
先ず、磁性体からなる可動部材(幅40mm×高さ15
mm×厚さ10mm、ピースともいう)30を係合部材
22に接触させておき、図2に示すように、これを矢印
方向に引き離す力で測定してみる。比較のため、永久磁
石18のみがないとき(図3)、係合部材22もないと
き(図4)、永久磁石(磁性部材20で挟んだ状態)1
8のみのとき(図5)にも可動部材30を引き離す力の
最大値を調べる。下記の表1に示すようなデータが得ら
れた。なお、可動部材30がフェロパーム(NKK製)
の場合は、純鉄の場合はを付している。
【0021】測定装置は、 AT−10TE SHIMADZU LOAD CELL TYPE SBL−1kN 分解能 MAX 100kgf、 MIN 10gf
【0022】
【表1】
【0023】表1を見ると、電磁石+永久磁石につい
て、電流0Aのときでも引き離しに力が必要なのは、漏
れ磁束によるものといえる。電流0.2Aでは、電磁石
+永久磁石の場合、永久磁石のみのときよりも引き離し
力が低いのは、この規模の電流では永久磁石の磁束をキ
ャンセルできないためと考えられる。電流が0.4Aを
超えるあたりから急激に引き離しに力が必要となり、そ
の値はほぼ電磁石のみの場合と永久磁石のみの場合との
合計値に近似してくる。なお、図3に示す構成の場合、
磁性部材20間にエアギャップを通して磁路が形成され
るため、図4の構成よりも外部に配置された可動部材3
0に対する吸引力が弱くなることがわかる。
【0024】次に、可動部材30の厚さを変えた場合の
引き離し最大値を測定した。表2は、可動部材30の厚
さが5mmのとき、表3は7.5mmのとき、表4は1
2.5mmのとき、表5は15mmのときのデータであ
る。なお、厚さ10mmの場合は表1で示している。
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】表2〜表5を概観すると、可動部材30の
厚さが5mm以下だと引き離し力が弱まるが、7.5m
m以上15mmまでほとんど変わらないようである。
【0030】いずれにしても、上記のハイブリッド磁石
10によれば、電磁石に流す電流を制御することで、使
用してもエネルギーの減少がないとされる永久磁石のエ
ネルギーを電磁石のエネルギーに加算させて外部に及ぼ
すことができ、外部に影響を及ぼさないようにする場合
は、単に電流を0にすればよいことが判明した。
【0031】次に、このハイブリッド磁石10に対し、
磁性材料のすれ違いがあった場合、そのときの磁性材料
に及ぼす影響について実験を行った。図6にその実験方
法を示す。なお、比較のために、永久磁石18を取り去
った状態のもの、すなわち電磁石のみの場合と、永久磁
石18のみによる場合についても行った。その構成を、
図7及び図8に示す。
【0032】図6に示すように、2個のハイブリッド磁
石10を左右に対向して設置し、その間に紙面に対し垂
直に摺動する摺動部材を40を配置する。摺動部材は4
0は中央部に非磁性体からなる四角柱状の基部42を備
えており、この基部42の上下2カ所に穴44が設けら
れていて、この穴44に図示を省略したレールが通って
いる。また、基部42の左右両側には、同じく非磁性体
からなる取付け板46が設けられていて、この取付け板
46の両端部には磁性体からなる可動部材30が取り付
けられている。この可動部材30とハイブリッド磁石1
0の係合部材22とにはギャップGが形成されている。
【0033】実験は、ギャップGを0.2,0.3,
0.4,0.5mmと変え、かつ電磁石16の励磁コイ
ル14に流す電流を0〜2.0Aまで変化させて、摺動
部材40が紙面手前側から紙面後ろ側へとスライドして
ハイブリッド磁石10とすれ違うとき、どのような吸引
力が働くかを調べた。その結果を表6,7,8,9に示
す。また、電磁石16のみの場合と、永久磁石18のみ
の場合も同様に表6,7,8,9に示す。なお、いずれ
も最大値を示している。
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】
【表8】
【0037】
【表9】
【0038】これらの表から、電流が0.2A〜2.0
Aの範囲で、いずれの電流値のときもハイブリッド磁石
10がすれ違う磁性体に及ぼす吸引力は電磁石のみのと
きよりも大きいことがわかる。すなわち、永久磁石18
の持つエネルギーを有効に利用していることになる。
【0039】また、さらに重要なことが判明している。
それは、摺動部材40がハイブリッド磁石10とすれ違
うときに受ける吸引力と距離との関係である。ギャップ
G=0.2,0.3,0.4,0.5mmについて励磁
コイルに流す電流が2.0Aのときの測定値を図9,1
0,11,12に示す。なお、当然ながら永久磁石のみ
のときは電流値に無関係となる。
【0040】図から明らかなように、最大値はほぼ10
mm離れた位置で生じているが、ハイブリッド磁石10
の場合、電磁石のみの場合に比べて最大値が大きいだけ
でなく全体的に吸引力が強いことがわかる。すなわち、
距離と吸引力との積分値が大きいので摺動部材40に及
ぼすエネルギーが大であることがわかる。
【0041】次に、本発明に係るハイブリッド磁石の第
2の実施の形態について説明する。このハイブリッド磁
石50は、図13に示すように、大きく分けて2つの要
素から構成されている。1つの要素は、2つの胴部62
aと左右両側の断面矩形のアーム部62b及び中央のア
ーム部62cとにより「E」字状に形成された鉄心62
及びその2つの胴部62aにそれぞれ巻き回された励磁
コイル64とで構成された電磁石60と、磁性部材7
1、永久磁石72、磁性部材73、永久磁石74、磁性
部材75の順で密着構成し前記鉄心62の外側のアーム
部62bの両外端部間にわたって密着接合した角棒状の
係合部材70とで構成されている。そして、前記永久磁
石72は、鉄心62の左と中央のアーム部62b、62
c間に位置し、他の永久磁石74は鉄心62の中央と右
のアーム部62c、62b間に位置している。
【0042】電磁石60を構成する鉄心62は、軟磁性
材料である純鉄の板を積層したもので、この実施形態例
にあっては、図13に示すように、左右のアーム部62
bの幅Fは10mm、中央のアーム部62cの幅Iは2
0mm、アーム部62b、62cの高さD(胴部62a
の上端からの高さ)は10mm、厚さHは10mmであ
る。したがって、アーム部62b、62cの横断面積は
それぞれ100mm 、200mmとなる。
【0043】これに対し、係合部材70は5種類用意し
て実験を行った。図13に示す場合、係合部材70の縦
断面は、永久磁石72,74、磁性部材71,73,7
5とも同一の矩形を形成していて1本の角棒状になって
いて、永久磁石72,74の高さCは15mm、幅Jは
2.5mm、厚さHは10mmとなっており、左右及び
中央に配置された磁性部材71,73,75の高さCは
15mm、幅はそれぞれ18.75mm,37.5m
m,18.75mm、厚さHは10mmとなっている。
したがって、永久磁石72,74及び磁性部材71,7
3,75ともその縦断面積は150mmとなる。な
お、この磁性部材71,73,75の材質としては、例
えば、純鉄を用いてもよいし、あるいはパーマロイ、ケ
イ素鋼等の純鉄より飽和磁束密度及び透磁率の高いもの
を用いてもよい。なお、電磁石60の鉄心62に巻き回
されている励磁コイル64は、線径0.6mmの銅線を
420ターンさせたものである。
【0044】図14は、各永久磁石72,74の幅をそ
れぞれ5mmにしたもの、図15は各永久磁石72,7
4の幅をそれぞれ10mmにしたもの、図16は各永久
磁石72,74の幅をそれぞれ15mmにしたもの、図
16は各永久磁石72,74の幅をそれぞれ20mmに
したものを示している。これら5種類について、磁性体
からなる可動部材(幅80mm×高さ15mm×厚さ1
0mmのフェロパーム)80を係合部材70に接触させ
ておき、これを矢印方向に引き離す力で測定してみる。
比較のため、電磁石60のみのとき(図18)、永久磁
石(磁性部材71,73,75で挟んだ状態)72,7
4のみのとき(図19)も併せて調べる。表10に示す
ようなデータが得られた。
【0045】
【表10】
【0046】なお、表10のデータを視認しやすいよう
に折れ線グラフとして図20に示す。表10及び図20
を参照すると、永久磁石72,74の幅がそれぞれ2.
5mm〜20mmの範囲で、かつ電流0.2A〜2.0
Aの範囲のいずれにおいても、このハイブリッド磁石5
0は電磁石のみよりも大きな吸引力を有することがわか
った。特に、永久磁石72,74の幅がそれぞれ5mm
〜15mmの範囲での吸引力が大きいことがわかった。
このことを、考察すると、永久磁石の1つの幅と磁性部
材の幅の合計との比を1:1〜1:15の範囲に構成す
ればよく、特に1:1.6〜1:7の範囲ではより効果
が大きいことがわかった。なお、第1の実施の形態で
は、永久磁石の幅を変えて引き離し力を調べる実験を行
っていないが、第2の実施形態から同様の効果を推測す
ることができる。また、第2の実施形態では、磁性部材
のすれ違いによる吸引力について実験を行っていない
が、第1の実施形態から、同じく同様の効果を推察する
ことができる。
【0047】次に、本発明に係るステッピングモータの
実施の形態について説明する。このステッピングモータ
100は、図21に示すように、上述したハイブリッド
型磁石50を4個、その鉄心62の胴部62aを中心に
してアーム部62b、62cが放射状になるように等角
度(ここでは90°)で一体構成し、さらに上下(図で
は左右)に位相差(ここでは30°)を設けて直列3段
にしてステータ110とし、ハイブリッド型磁石50の
係合部材70の外側に回転筒122を配置してその内側
に等間隔(ここでは90°)で磁性部材80を取り付け
てロータ120として構成したものである。このように
すると、30°ステップで回転するモータとなる。
【0048】なお、図22(a)は、図21のA−A′
線による断面図、(b)はB−B′線による断面図、
(c)はC−C′線による断面図である。
【0049】このモータ100の効率は、上記のハイブ
リッド磁石の効果を参照すれば明らかであるが、通常の
モータに比べ格段に向上する。なお、この例ではステー
タ110として4個のハイブリッド型磁石50を放射状
に並べ、位相差を設けて直列3段にしたが、8個で構成
すれば15°ステップで回転するモータになり、段数を
増やせばさらに細かいステップで回転させることができ
ることは明らかである。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るハイ
ブリッド型磁石によれば、エネルギーを消費することの
ない永久磁石の効力を利用することにより、少ない消費
電力で大きな吸引力を得ることができる。
【0051】また、本発明に係るステッピングモータに
よれば、永久磁石を利用することによって投入したエネ
ルギーを効率よく出力として取り出すことができ、省エ
ネルギー化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハイブリッド型磁石の一実施形態
を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側
面図である。
【図2】図1に示すハイブリッド型磁石の引き離し力を
測定するための図で、(a)は正面図、(b)は側面図
である。
【図3】ハイブリッド型磁石から永久磁石を取り外した
状態で、引き離し力を測定するための図で、(a)は正
面図、(b)は側面図である。
【図4】ハイブリッド型磁石から係合部材を取り外した
状態で、引き離し力を測定するための図で、(a)は正
面図、(b)は側面図である。
【図5】永久磁石のみの場合の引き離し力を測定するた
めの図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図6】ハイブリッド型磁石が磁性部材とすれ違うとき
に作用する吸引力を調べる構成である。
【図7】ハイブリッド型磁石から永久磁石を取り外した
状態で、磁性部材とすれ違うときに作用する吸引力を調
べる構成である。
【図8】永久磁石のみのとき、磁性部材とすれ違うとき
に作用する吸引力を調べる構成である。
【図9】ギャップGが0.2mmで、かつ励磁コイルに
流す電流が2.0Aのとき、(a)はハイブリッド型磁
石が磁性部材とすれ違うときに作用する吸引力と距離と
の関係を示す図、(b)はハイブリッド型磁石から永久
磁石を取り外した状態で、磁性部材とすれ違うときに作
用する吸引力と距離との関係を示す図、(c)は永久磁
石のみのとき、磁性部材とすれ違うときに作用する吸引
力と距離との関係を示す図である。
【図10】ギャップGが0.3mmのとき、(a)はハ
イブリッド型磁石が磁性部材とすれ違うときに作用する
吸引力と距離との関係を示す図、(b)はハイブリッド
型磁石から永久磁石を取り外した状態で、磁性部材とす
れ違うときに作用する吸引力と距離との関係を示す図、
(c)は永久磁石のみのとき、磁性部材とすれ違うとき
に作用する吸引力と距離との関係を示す図である。
【図11】ギャップGが0.4mmのとき、(a)はハ
イブリッド型磁石が磁性部材とすれ違うときに作用する
吸引力と距離との関係を示す図、(b)はハイブリッド
型磁石から永久磁石を取り外した状態で、磁性部材とす
れ違うときに作用する吸引力と距離との関係を示す図、
(c)は永久磁石のみのとき、磁性部材とすれ違うとき
に作用する吸引力と距離との関係を示す図である。
【図12】ギャップGが0.5mmのとき、(a)はハ
イブリッド型磁石が磁性部材とすれ違うときに作用する
吸引力と距離との関係を示す図、(b)はハイブリッド
型磁石から永久磁石を取り外した状態で、磁性部材とす
れ違うときに作用する吸引力と距離との関係を示す図、
(c)は永久磁石のみのとき、磁性部材とすれ違うとき
に作用する吸引力と距離との関係を示す図である。
【図13】本発明に係るハイブリッド型磁石の他の実施
形態を示し、永久磁石の幅が2.5mmのとき、可動部
材の引き離しを実験を行う図で、(a)は正面図、
(b)は側面図である。
【図14】図13の例において、永久磁石の幅を5mm
に変えたもので、(a)は正面図、(b)は側面図であ
る。
【図15】同じく、図13の例において、永久磁石の幅
を10mmに変えたもので、(a)は正面図、(b)は
側面図である。
【図16】同じく、図13の例において、永久磁石の幅
を15mmに変えたもので、(a)は正面図、(b)は
側面図である。
【図17】同じく、図13の例において、永久磁石の幅
を20mmに変えたもので、(a)は正面図、(b)は
側面図である。
【図18】本発明に係るハイブリッド型磁石から係合部
材を取り去った状態で、可動部材の引き離しを実験を行
う図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図19】永久磁石のみのとき、可動部材の引き離しを
実験を行う図で、(a)は正面図、(b)は側面図であ
る。
【図20】図13〜18までの実験データを表示した表
10を折れ線グラフで示した図である。
【図21】本発明に係るステッピングモータの実施形態
を示し、縦断面図である。
【図22】(a)は図20のA−A′線による端面図、
(b)はB−B′線による端面図、(c)はC−C′線
による端面図である。
【符号の説明】
10 ハイブリッド型磁石 12 鉄心 12a 胴部 12b アーム部 14 励磁コイル 16 電磁石 18 永久磁石 20 磁性部材 22 係合部材 30 可動部材 40 摺動部材 50 ハイブリッド型磁石 60 電磁石 62 鉄心 62a 胴部 62b アーム部 62c アーム部 64 励磁コイル 70 係合部材 71,73,75 磁性部材 72,74 永久磁石 80 可動部材 100 ステータ 110 ロータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小栗 和也 神奈川県相模原市上鶴間5−6−1 ル ネ東林間A−111 (72)発明者 荻野 三四郎 東京都品川区二葉2−20−1 第2梅田 ビル405 (72)発明者 真壁 宏行 神奈川県平塚市田村6714 (56)参考文献 特開 平4−271103(JP,A) 特開 平4−286103(JP,A) 特開 昭61−177154(JP,A) 実開 平2−118478(JP,U) 特表 平1−502705(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴部と断面矩形の左右のアーム部とによ
    り「コ」字状に形成された鉄心に励磁コイルを巻き回し
    て構成した電磁石と、永久磁石を両側から磁性部材で挟
    み込み前記鉄心のアーム部の両外端部間にわたって密着
    接合した角棒状の係合部材とを備え、かつ前記永久磁石
    が前記鉄心のアーム部間に位置するハイブリッド型磁石
    であって、 前記永久磁石の幅と前記磁性部材の幅の合計との比を
    1:1.6〜1:7の範囲に構成し さらに、前記鉄心を純鉄とし、前記磁性部材を純鉄より
    飽和磁束密度及び透磁率の高い材料と したことを特徴と
    するハイブリッド型磁石。
  2. 【請求項2】 2つの胴部と3つの断面矩形のアーム部
    とにより「E」字状に形成された鉄心の2つの胴部にそ
    れぞれ励磁コイルを巻き回して構成した電磁石と、磁性
    部材、永久磁石、磁性部材、永久磁石、磁性部材の順で
    密着構成し前記鉄心の外側のアーム部の両外端部間にわ
    たって密着接合した角棒状の係合部材とを備え、かつ前
    記各永久磁石が前記鉄心の各アーム部間にそれぞれ位置
    するハイブリッド型磁石であって、前記永久磁石の幅を
    互いに同一に構成するとともに、前記永久磁石の幅の合
    計と前記磁性部材の幅の合計との比を1:1.6〜1:
    7の範囲に構成したことを特徴とするハイブリッド型磁
    石。
  3. 【請求項3】 前記鉄心は純鉄で、前記永久磁石はネオ
    ジム系磁石であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載のハイブリッド型磁石。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のハイ
    ブリッド型磁石を複数個、その胴部を中心にしてアーム
    部が放射状になるように等角度で一体構成してステータ
    とし、ハイブリッド型磁石の係合部材の外側に等間隔で
    磁性部材を配置してロータとして構成したことを特徴と
    するステッピングモータ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のステッピングモータを
    複数個、位相差を設けて直列接続して構成したことを特
    徴とするステッピングモータ。
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