JP3346125B2 - 発泡性abs樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

発泡性abs樹脂粒子及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐薬品性、強靱
性、特に表面外観、耐熱性に優れた発泡成形体に適する
発泡性ABS樹脂粒子及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ポリスチ
レン系発泡体は、優れた緩衝性、断熱性を有し、成形も
容易である一方、耐熱性、耐薬品性、粘り強さに劣ると
いった欠点を有している。このようなポリスチレン系発
泡体が持つ欠点は、ABS樹脂発泡体により解決するこ
とができるため、近年ポリスチレン系に代わり、ABS
樹脂の発泡体が注目されている。
【0003】ABS樹脂発泡粒子の製造方法として、例
えば、ABS樹脂粒子を密閉容器中において水性媒体に
分散させ、次いで揮発性発泡剤を添加し、系内温度をA
BS樹脂のガラス転移温度より20℃以上高くして含浸
を行った後、密閉容器の一端を開放し、ABS樹脂と水
性媒体を密閉容器内よりも低圧域に放出する方法(特開
昭63−77947号公報)があるが、この方法は大が
かりな設備を必要とする上、すでに発泡した粒子の形で
製造メーカーから加工メーカーに輸送することになるた
め製造コストの上昇が避けられないといった問題があ
る。
【0004】一方、発泡性のABS樹脂粒子を製造する
方法としては、特別な構造のABS樹脂を用いる方法
や、ABS樹脂粒子の内部揮発性発泡剤量と水分量を規
定する方法(特公昭57−48380号、特開昭50−
12156号公報)等が提案されている。前者の方法で
はABS樹脂が限定されてしまう欠点があるため、本発
明者らは後者の方法を検討した。
【0005】しかしながら、後者の方法に従って発泡性
ABS樹脂粒子を製造するために、ABS樹脂を水性媒
体に分散させ、揮発性発泡剤を含浸させたところ、粒子
内に発泡剤とともに水分が多量に内部に取り込まれ、発
泡に必要な揮発性発泡剤が十分含浸されない場合があ
り、揮発性発泡剤の添加量を増やす必要が生じた。しか
しながら、揮発性発泡剤の添加量を増やすと、水性媒体
中に分散しているABS樹脂粒子同士の凝結が起きやす
くなり懸濁安定性に問題が生じた。また、内部水分量の
多い発泡性ABS樹脂粒子を発泡させると、内部水分量
の経時変化に伴い発泡粒子の気泡サイズや構造が大きく
変化するために、常に一定の気泡構造を持つ発泡粒子が
得られ難かった。更にまた、たとえ、発泡性粒子を加熱
等により内部水分を減少させたとしても発泡粒子表面付
近の気泡が微細化し、発泡粒子表面に厚めの非発泡層が
形成され、そのためそれを用いて得られた成形体表面は
収縮やメルトを起こし、綺麗な表面外観を持つABS発
泡体は得られないことが判った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、発泡剤含浸後
の樹脂粒子中の内部水分量を一定量以下にし、かつ、該
樹脂粒子を30倍に発泡させた際の粒子表面の非発泡層
を一定量以下になるようにすることにより、300g/
l以下の密度まで発泡可能で、綺麗な表面外観を持つA
BS樹脂発泡体の製造に適する発泡性ABS樹脂粒子が
得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、発泡剤を含有する発泡性
ABS樹脂粒子であって、該樹脂粒子中の内部水分量が
5重量%以下であり、且つ、該樹脂粒子を30倍に発泡
させさた際の粒子表面の非発泡層が50μm以下である
ことを特徴とする発泡性ABS樹脂粒子である。ここ
で、該樹脂粒子中の内部水分量が4重量%以下であるの
が好ましい。
【0008】ここでまた、該粒子表面の非発泡層が10
〜30μmであるのが好ましい。また、本発明は、この
発泡性ABS樹脂粒子を得る方法の1つとしての、AB
S樹脂粒子を密閉容器中、水性媒体に分散させ、揮発性
発泡剤を含浸させて発泡性ABS樹脂粒子を製造する方
法において、少なくとも前記揮発性発泡剤の含浸時に
は、水性媒体に対する濃度が0.01〜2mol/lに
なるような量の電解質を存在させることを特徴とする発
泡性ABS樹脂粒子の製造方法である。
【0009】ここで、水性媒体中に存在させる電解質の
濃度が0.03〜1mol/lであるのが好ましい。こ
こでまた、水性媒体の温度が70〜140℃であるのが
好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の発泡性ABS樹脂粒子
は、発泡剤を含有する発泡性ABS樹脂であって、該樹
脂粒子中の内部水分量が5重量%以下、好ましくは4重
量%以下であり、且つ、該樹脂粒子を30倍に発泡させ
さた際の粒子表面の非発泡層が50μm以下、好ましく
は10〜30μmであるものである。
【0011】樹脂粒子中の内部水分量が多すぎると、発
泡成形体とした際、収縮、メルトといった表面外観の悪
化という問題が生じる。また、この粒子表面の非発泡層
が厚過ぎると、発泡性や成形性が改善されることがほと
んどなくなるばかりではなく、収縮やメルトといった表
面外観の悪化という問題が生じる。逆に粒子表面の非発
泡層が薄過ぎると、成形時のスチーム圧力によってはメ
ルトを起こす恐れがある。よって、得られた発泡性樹脂
粒子を高温で強制的に乾燥させすぎないようにする必要
がある。
【0012】尚、内部水分量は、精秤した粒子を乾燥メ
タノールに入れ、攪拌しながら、カールフィッシャー試
薬で滴定を行って表面水分量を求め、別途精秤した粒子
を乾燥トルエンに溶解させ、攪拌しながら、カールフィ
ッシャー試薬で滴定を行って発泡性ABS樹脂粒子に付
着及び含有される全水分量を求め、この求められた全水
分量より粒子表面に付着した前記にて求められた表面水
分量を減じた値として求められる。
【0013】また、本発明の非発泡層とは、発泡粒子表
面から表面近傍にある気泡までの間に存在する発泡して
いない部分を言い、この厚みは、30倍に発泡させた発
泡粒子断面の薄片を作成し、光学顕微鏡写真から、ラン
ダムに10ヵ所の非発泡層厚みを測定し、平均して求め
た。
【0014】本発明の発泡性ABS樹脂粒子又は後記す
る発泡性ABS樹脂粒子の製造方法に使用されるABS
樹脂としては、例えばブタジエン重合体、ブタジエンと
共重合可能なビニルモノマーとの共重合体、エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体、ブタジエンと芳香族ビニ
ルモノマーとのブロック共重合体、アクリル酸エステル
やメタアクリル酸エステルと共重合可能なビニルモノマ
ーとの共重合体等のゴム状重合体の存在下で、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブ
チルスチレン、クロロスチレン等の1種類以上の芳香族
ビニルモノマーと、例えばアクリロニトリル、メタアク
リロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の1種類
以上のシアン化ビニルモノマーを乳化重合又はバルク重
合等の方法で重合させて得られたものが挙げられる。こ
の重合の際に、更に芳香族ビニルモノマーやシアン化ビ
ニルモノマーと共重合可能な無水マレイン酸、マレイン
酸、イタコン酸、N−フェニルマレイミド、(メタ)ア
クリル酸エステル等のモノマーを重合させても良い。ま
た、一般に市販されているものを用いても良い。
【0015】さらに、ABS樹脂には、タルク、クレ
イ、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機充填剤、酸化
防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、カーボンブラッ
ク、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、p
−t−ブチル安息香酸アルミニウム等の滑剤、トリス
(ジブロモプロピル)ホスフェート、ペンタブロモジフ
ェニルエーテル、テトラブロモブタン、ジブロモエチル
ベンゾール、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモ
シクロデカン等の難燃剤が含有されていてもよい。
【0016】本発明に用いられるABS樹脂粒子は、A
BS樹脂をストランドカット、水中カット、ホットカッ
ト等により造粒された大きさが0.5〜5mmの粒子で
あって、形状は球状でも円柱状でも良い。上記した本発
明の発泡性ABS樹脂粒子を得る一つの方法としては、
ABS樹脂粒子を密閉容器中、懸濁剤の存在下で水性媒
体に分散させ、揮発性発泡剤を含浸させて発泡性ABS
樹脂粒子を製造する方法において、少なくとも前記揮発
性発泡剤の含浸時には、水性媒体に対する濃度が0.0
1〜2mol/lになるような量の電解質を存在させる
ことを特徴とする発泡性ABS樹脂粒子の製造方法が挙
げられる。
【0017】本発明において、前記したABS樹脂粒子
を水性媒体に分散させる懸濁剤としては、一般に市販さ
れているものを利用しても合成してもよく、例えばポリ
ビニルアルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロ
リドン等の水溶性高分子、ピロリン酸マグネシウム、第
3リン酸カルシウム等の難水溶性無機塩等を用いること
ができ、これらは界面活性剤を併用してもよい。なお、
難水溶性無機塩を用いる場合は、ドデシル硫酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオ
ン性界面活性剤を併用するのが好ましい。
【0018】懸濁剤の使用量は、ABS樹脂粒子100
重量部に対し0.01〜5.0重量部が好ましく、前記
した難水溶性無機塩とアニオン性界面活性剤との併用系
では、それぞれABS樹脂粒子100重量部に対し難水
溶性無機塩を0.05〜3.0重量部、アニオン性界面
活性剤を0.0001〜0.5重量部が好ましい。
【0019】本発明の製造方法で使用される電解質は、
水溶液中でイオン解離する物質であればよく、例えば、
塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩
化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硫酸
ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸カ
ルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硝酸
ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カリウム、硝酸カ
ルシウム、硝酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸アン
モニウム等の無機塩類、或は酢酸カリウム、酢酸ナトリ
ウム、オクタン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、コ
ハク酸二ナトリウム等の水に可溶なカルボン酸のアルカ
リ金属塩等が挙げられる。特にナトリウムやカリウム等
のアルカリ金属塩は、少量の添加重量で内部水分量の減
少効果が大きく、本発明の発泡性ABS樹脂粒子を容易
に得ることができるので好ましく、また特には塩化ナト
リウムや硫酸ナトリウムは前記効果が大きい上、工業的
に安価に大量に入手できるので好ましい。
【0020】また、水性媒体中に添加する電解質の量
は、水性媒体に対して、0.01〜2mol/l、好ま
しくは0.03〜1mol/lである。0.01mol
/1未満の濃度では得られる樹脂粒子内の十分な内部水
分減少効果が得られない。また、2mol/lを超える
濃度では、それに見合った内部水分減少効果が得られな
いばかりではなく、電解質の種類によっては懸濁安定性
を著しく損なわれ塊化しやすくなる場合がある。
【0021】電解質の添加時期は特に制限はなく、最初
から添加しておいても、発泡剤含浸途中で添加してもよ
いが、通常は最初から添加する方が操作上好ましい。ま
た、水性媒体の温度は、ABS樹脂粒子の凝結防止と発
泡剤のABS樹脂粒子への含浸性の点から70〜140
℃が好ましい。揮発性発泡剤としては、プロパン、ノル
マルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペン
タン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、トリ
クロロフルオロメタン、ジクロロジフロロメタン、ジク
ロロテトラフロロエタン、クロロメタン、クロロエタ
ン、ジクロロメタン、メタノール、ジエチルエーテル等
の沸点が80℃以下の有機化合物を単独または2種類以
上混合して用いることができる。
【0022】発泡剤は、通常、生成重合体粒子中の発泡
剤含有量が1〜20重量%になる程度の量が供給され
る。また、不揮発性の可塑剤や揮発性のシクロヘキサ
ン、キシレン、トルエン等の溶剤を添加することにより
発泡性を高めることが可能である。
【0023】また、このようにして得られた発泡性AB
S樹脂粒子は高温で長時間乾燥させられすぎると、粒子
の表面に厚い非発泡層が生じやすいので、50μmを超
える厚みの非発泡層が生じない程度の乾燥にとどめなく
てはならない。ここで言う、50μmを超える厚みの非
発泡層が生じない程度の乾燥とは、揮発性発泡剤を含浸
したABS樹脂系を密閉容器から抜き出した後、例えば
遠心分離機にかけた後の、窒素又は空気等でビーズ表面
に付着した水分を除去する工程の前後で内部水分量の減
少率が30%以内のものである。即ち、内部水分量の減
少率は、発泡剤の含浸されたABS樹脂粒子を遠心分離
機にかけた直後の内部水分量に対する、窒素又は空気等
の風乾による内部水分減少量の割合である。以下に本発
明について、実施例および比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0024】
【実施例】
実施例1 組成重量比が、スチレン:ブタジエン:アクリロニトリ
ル=62.9:14.6:22.5、ゴム粒子の平均粒
径0.14μm、軟化温度102℃の原料ABS樹脂を
30mm単軸押し出し機で溶融後、水中カットダイによ
り1.2mg/ヶのABS樹脂粒子とした。
【0025】攪拌機付き3リットルのオートクレーブ
に、イオン交換水600g、ピロリン酸ナトリウム4.
0g、硫酸マグネシウム8.0gを入れ、ピロリン酸マ
グネシウムを合成し、次いで、ドデシル硫酸ナトリウム
0.45g、塩化ナトリウム27g及び得られたABS
樹脂粒子600gを入れ、120℃まで1時間かけ昇温
し、120℃に到達後、ペンタン66gを添加した。そ
のまま10時間120℃に保持した後、室温まで冷却し
た。イオン交換水に対する電解質(塩化ナトリウムとピ
ロリン酸マグネシウム合成時に副生する硫酸ナトリウム
との合計)の濃度は0.54mol/lに相当する。
【0026】オートクレーブより得られた発泡性ABS
樹脂粒子を取り出し、硝酸で表面に付着したピロリン酸
マグネシウムを溶解させ、水洗後、遠心分離装置にかけ
た。次いで、上下に網目が0.1mmの金網を取り付け
た内径10cm高さ25cmの金属製円筒形容器に発泡
性ABS樹脂粒子を入れ、毎分500リットルの流量で
20℃の乾燥窒素を円筒形容器の下部から10分間吹き
込み乾燥させた。
【0027】得られた発泡性ABS樹脂粒子100重量
部当たり、ステアリン酸亜鉛0.2重量部、ステアリン
酸グリセリド0.1重量部及び帯電防止剤としてビス
(ヒドロキシエチル)アルキルアミン0.01重量部を
混合してコーティングした後、攪拌機付きバッチ式発泡
機に投入し、圧力が1.0kgf/cm2 のスチームを
吹き込み、30倍まで加熱発泡させて、ABS樹脂の発
泡粒子を得た。
【0028】こうして得られた発泡粒子を成形金型内に
充填し、スチーム圧力0.8kgf/cm2 で15秒間
加熱して、発泡成形体を得た。ABS樹脂のゴム粒径、
軟化温度、上記のようにして得られる発泡性樹脂粒子中
の内部水分量、内部水分減少割合、揮発分量及び非発泡
層の厚み、並びに、発泡成形体の表面外観及び耐熱性を
下記の方法で評価した。
【0029】ABS樹脂のゴム粒径測定:TEM観察写
真において、ゴム粒子100〜200個の粒子径を測定
し、次式により計算した。 平均粒径=ΣNiD2 /ΣNiD 軟化温度:JIS K7206により測定されるビカッ
ト軟化温度。 揮発分量の測定:秤量したサンプルを120℃で4時間
加熱した後、再び秤量し加熱前後の重量変化を揮発分量
とした。
【0030】内部水分量:精秤した粒子を乾燥メタノー
ルに入れ、攪拌しながら、カールフィッシャー試薬で滴
定を行って表面水分量を求め、別途精秤した粒子を乾燥
トルエンに溶解させ、攪拌しながら、カールフィッシャ
ー試薬で滴定を行って発泡性ABS樹脂粒子に付着及び
含有される全水分量を求め、この求められた全水分量よ
り粒子表面に付着した前記にて求められた表面水分量を
減じた値とした。
【0031】内部水分減少割合:発泡剤の含浸されたA
BS樹脂粒子を遠心分離機にかけた直後、及び、窒素又
は空気等の風乾後に、上記と同様にして内部水分量を測
定し、これら内部水分量の差を前者にて測定された内部
水分量で割って求めた。 非発泡層の厚み:発泡粒子断面の薄片を作成し、光学顕
微鏡写真から、ランダムに10ヵ所の非発泡層厚みを測
定し、平均して求めた。
【0032】表面外観;発泡成形体の表面外観を目視に
より下記基準にて評価した。 ○;収縮、メルト、間隙がほとんどない。 △;収縮、メルト、間隙が見られる。 ×;著しい収縮、メルト、間隙が見られる。 耐熱性:50×50×25mmの大きさにカットした発
泡成形体を90℃で22時間加熱し、加熱前後の変形率
が1%未満の場合を○、1%以上の場合を×とした。
【0033】実施例2 組成重量比が、スチレン:ブタジエン:アクリロニトリ
ル:62.8:15.0:22.2、ゴム粒子の平均粒
径0.21μm、軟化温度97℃のABS樹脂を原料に
用いる他は実施例1と同様に行った。 実施例3 組成重量比が、スチレン:ブタジエン:アクリロニトリ
ル:62.0:15.1:22.9、ゴム粒子の平均粒
径0.20μm、軟化温度100℃のABS樹脂を原料
に用いる他は実施例1と同様に行った。
【0034】実施例4 組成重量比が、スチレン:ブタジエン:アクリロニトリ
ル:61.2:16.5:22.3、ゴム粒子の平均粒
径0.30μm、軟化温度95℃のABS樹脂を原料に
用いる他は実施例1と同様に行った。 実施例5 実施例1で用いたABS樹脂ペレット600g、イオン
交換水900g、第三リン酸カルシウム4.5g、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.045g、塩化
ナトリウム45gを3リットルのオートクレーブに入
れ、実施例1と同様に行った。水性媒体に対する電解質
の濃度は0.85mol/lである。
【0035】実施例6 実施例1で用いたABS樹脂ペレット600g、イオン
交換水900g、ピロリン酸ナトリウム4.0g、硫酸
マグネシウム8.0g、ドデシル硫酸ナトリウム0.4
5gを3リットルオートクレーブに入れ、実施例1と同
様に行った。水性媒体に対する電解質の濃度は0.03
mol/lである。
【0036】実施例7 実施例4で用いたABS樹脂ペレット600g、イオン
交換水900g、ピロリン酸ナトリウム4.0g、硫酸
マグネシウム8.0g、ドデシル硫酸ナトリウム0.4
5g、硫酸ナトリウム9gを3リットルのオートクレー
ブに入れ、実施例1と同様に行った。水性媒体に対する
電解質の濃度は0.10mol/lである。 実施例8 塩化ナトリウム63gを用いる他は、実施例1と同様に
行った。水性媒体に対する電解質の濃度は1.22mo
l/lである。
【0037】比較例1 実施例1で用いたABS樹脂ペレット600g、イオン
交換水900g、第三リン酸カルシウム4.5g、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.045gを3リ
ットルのオートクレーブに入れ、実施例1と同様に行っ
た。
【0038】比較例2 実施例1で用いたABS樹脂ペレット600g、イオン
交換水900g、第三リン酸カルシウム4.5g、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.045gを3リ
ットルのオートクレーブに入れ、実施例1と同様に行っ
た。但し、ペンタンを150g添加した。揮発性発泡剤
の含浸後にABS樹脂粒子を抜き出したところ、粒子同
志が軽く凝結していたため、手でバラバラにほぐしてか
ら、後処理(酸処理、乾燥等)、発泡、成形に用いた。
【0039】比較例3 比較例2で得られた発泡性ABS樹脂粒子の内部水分量
を減少させるために、更に60分間50℃窒素気流によ
り乾燥を行った。以上の各実施例及び各比較例における
電解質濃度、乾燥条件、得られた発泡性樹脂粒子の内部
水分量、内部水分減少割合、非発泡層の厚み、揮発分
量、発泡成形体の表面外観及び耐熱性は表1に示す通り
であった。
【0040】即ち、本発明の発泡性ABS樹脂粒子(実
施例1〜8)は、原料ABS樹脂の軟化温度に依存する
ことなく、優れた発泡性、成形性を有することが判る。
一方、内部水分量が多い場合では、揮発性発泡剤が十分
含浸されず優れた発泡性や成形性を有する発泡性ABS
樹脂粒子は得られなかった(比較例1)。また加熱して
強制的に内部水分量を減らしても発泡に充分な揮発性発
泡剤を含浸させるためには含浸時に多量の揮発性発泡剤
が必要となり、そのためABS樹脂粒子同志が揮発性発
泡剤の含浸中に凝結を起こしやすく、また、表面外観も
あまり良くないことが判る(比較例3)。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明の発泡性ABS樹脂粒子を用いて
成形された発泡成形体は、表面外観、耐熱性に特に優れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の発泡性ABS樹脂粒子を30倍に発
泡させた際の発泡粒子断面の光学顕微鏡写真(50倍)
である。
【図2】比較例3の発泡性ABS樹脂粒子を30倍に発
泡させた際の発泡粒子断面の光学顕微鏡写真(50倍)
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−12156(JP,A) 特開 昭58−208333(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤を含有する発泡性ABS樹脂粒子
    であって、該樹脂粒子中の内部水分量が5重量%以下で
    あり、且つ、該樹脂粒子を30倍に発泡させた際の粒子
    表面の非発泡層が50μm以下であることを特徴とする
    発泡性ABS樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 該樹脂粒子中の内部水分量が4重量%以
    下である、請求項1記載の発泡性ABS樹脂粒子。
  3. 【請求項3】 該粒子表面の非発泡層が10〜30μm
    である、請求項1記載の発泡性ABS樹脂粒子。
  4. 【請求項4】 ABS樹脂粒子を密閉容器中、水性媒体
    に分散させ、揮発性発泡剤を含浸させて発泡性ABS樹
    脂粒子を製造する方法において、少なくとも前記揮発性
    発泡剤の含浸時には、水性媒体に対する濃度が0.01
    〜2mol/lになるような量の電解質を存在させるこ
    とを特徴とする発泡性ABS樹脂粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 水性媒体中に存在させる電解質の濃度が
    0.03〜1mol/lである、請求項4記載の発泡性
    ABS樹脂粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 水性媒体の温度が70〜140℃であ
    る、請求項4記載の発泡性ABS樹脂粒子の製造方法。
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