JP3345730B2 - ポリウレタンエラストマー・アクチュエーター - Google Patents

ポリウレタンエラストマー・アクチュエーター

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JP3345730B2
JP3345730B2 JP02947094A JP2947094A JP3345730B2 JP 3345730 B2 JP3345730 B2 JP 3345730B2 JP 02947094 A JP02947094 A JP 02947094A JP 2947094 A JP2947094 A JP 2947094A JP 3345730 B2 JP3345730 B2 JP 3345730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポリカーボネート系
ポリオールを有するポリウレタン・エラストマーの誘電
体の電場配向を利用したポリウレタンエラストマー・ア
クチュエーターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より圧電材料として次のようなもの
が知られている。チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系に
代表される圧電セラミックスや、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)に代表される圧電性高分子、或いはこれら
を複合化したものである。
【0003】確かに、これらのものは実際にスピーカー
やヘッドホンの材料として使用されており、このような
特定の用途に対しては優れた性能を見せている。
【0004】しかし、前記の圧電材料はその厚みが2m
mの場合には通常約10kVもの高電圧を必要とすると
ともに、駆動される電歪量がせいぜい約0.1%以下と
あまり大きくないのでアクチュエーターとしての用途に
は不向きである。
【0005】
【発明が解決しようとした課題】そこで、この発明はそ
れ程高電圧を必要としないとともに電圧が印加された際
の変位量が従来の圧電材料よりも大きいアクチュエータ
ーを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明のポリウレタンエラストマー・アクチュエ
ーターは、ポリカーボネート系ポリオールを有するポリ
ウレタン・エラストマーであって、前記ポリカーボネー
ト系ポリオールは直流電場が印加されると電場方向に配
向するものであることを特徴とする。
【0007】
【作用】この発明のポリウレタンエラストマー・アクチ
ュエーターに直流電場を印加すると、ポリカーボネート
系ポリオールが電場方向に配向し、ポリウレタン・エラ
ストマーを構成する高分子のコンフォメーションの変化
が誘起される。前記ポリカーボネート系ポリオールを電
場方向に配向させるためには直流電場を印加する必要が
あるが、そのための電圧として従来の圧電材料(例えば
圧電セラミックス等)が必要とする約10kV(2mm
厚)もの高電圧は必要とせず、約5kV(2mm厚)以
下の電圧でも十分に変位可能である。さらに、従来の圧
電材料の電歪量はせいぜい約0.1%程度であったが、
この発明のものによると0.2%程度か若しくはこれ以
上の変位が可能である。
【0008】なお、ポリカーボネート系ポリオールは直
流電場が印加されると電場方向に配向する態様として、
ポリカーボネート系ポリオールが、誘電性のポリオール
又は比較的強い双極子モーメントを有する置換基を持つ
ものであるとすることができる。
【0009】この発明の構成によると、異方的な力が極
めて高速で発生して変位が生じ、この変位をアクチュエ
ーションに利用することができる。この発明のものにお
いて変位が生ずる機構は、ポリカーボネート系ポリオー
ルが電場方向に配向する誘電性に起因し、その電場によ
る配向とそれによって誘起される高分子のコンフォメー
ションの変化に基づくものである。
【0010】従って、次段階として、ポリウレタン・エ
ラストマーを構成する高分子鎖の集合状態の異方性など
の高次構造がアクチュエーションの大きさを決める要因
の一つとなる。構造変化は電場によって連続的、且つ電
圧を5kV(2mm厚)印加時までは概ね変位量の変化
率が増加していく態様で起こり、従って、発生する力や
変形量は電場によって制御できる。このことは、系に電
流を通じる条件下で測定した場合においてもアクション
が電流に依存せず一定となることを意味している。
【0011】また、事実上電流が流れない条件下(例え
ば1mA程度)でも変位が可能であるということは、熱
的にエネルギーが散逸することが避けられ、電気エネル
ギーを高効率で機械エネルギーに変換できることを示唆
している。つまり、実効電流が事実上ゼロに近い状態で
分子配向のみによってポリウレタン・エラストマーの形
状を変化させることが可能であり、この変位の際に生じ
る機械的変形エネルギーをアクチュエーションに用いる
ことができる。
【0012】
【実施例】以下、この発明を実施例により更に具体的に
説明する。
【0013】この実施例のポリウレタンエラストマー・
アクチュエーターの変位機構は高分子鎖のコンフォメー
ション変化に起因するもので、応答速度はポリウレタン
・エラストマーの誘導性などによるが、概ねミリ秒から
100ミリ秒のオーダーである。変位量はポリウレタン
・エラストマー固有の架橋度などに起因する構造と物性
に最も大きく依存している。因みに、例えば従来の荷電
性ゲルのように化学反応を伴うものと比較すると、応答
性が極めて速い。
【0014】ポリウレタン・エラストマーの構造上の必
要成分はソフト・セグメントとハード・セグメントとを
構成する成分と物理強度の改変に必要な硬化剤との三成
分であり、このポリウレタン・エラストマーに起因する
弾性機能をアクチュエーターに用いるのである。このた
め、各種の関連化合物及びそれらの組合せについて電場
による駆動性能の検討を行った。
【0015】なお、ポリウレタン・エラストマーは次に
示すような方法で得ることが出来る。即ち、ポリカーボ
ネート系ポリオール及び有機ポリイソシアネート及び鎖
伸長剤を用いて、従来公知の方法により反応を行う。例
えば、このポリカーボネート系ポリオールと有機ポリイ
ソシアネートとを反応させてウレタンプレポリマーを得
て、次いでこれに鎖伸長剤を反応せしめる方法、或い
は、前記三成分を所定の割合で同時に反応せしめる所謂
ワンショット法等が有る。ポリカーボネート系ポリオー
ルと有機ポリイソシアネートとのNCO/OHモル比は
1.5〜9の範囲が好ましい。
【0016】ポリイソシアネートとしては、分子内に2
個以上のイソシアネート基を有するものであればよく、
例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4
−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカ
メチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジ
イソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネ
ート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,
4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)、1−メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシア
ネート、1−メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシ
アネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シク
ロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シ
クロヘキサン、m−フェニレンジイソシアネート、p−
フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニメタンジイソシアネ
ート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−ト
リレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソ
シアネート、ジアニジンジイソシアネート、4,4’−
ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−キシリ
レンジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネート−
1,4−ジエチルベンゼン、ポリメチレンポリフェルニ
ルポリイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネー
ト類のイソシアヌレート化変性品、カルボジイミド化変
性品、ビュレット化変性品等が挙げられる。これらは1
種のみを用いてもよいし或いは2種以上を併用してもよ
い。
【0017】ポリカーボネート系ポリオールとしては従
来公知のポリオール(多価アルコール)とホスゲン、ク
ロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネート又はジアリ
ルカーボネートとの縮合によって得られ、種々の分子量
のものが知られている。このようなポリカーボネート系
ポリオールとして特に好ましいものはポリオールとし
て、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、又は1,5−ペンタンジオールを使用したものであ
り、その分子量が約500〜10000の範囲のもので
ある。
【0018】例えば、下記一般式(化1)で表されるポ
リカーボネートジオール、
【0019】
【化1】
【0020】(ここで、R及びR’は、互いに同じか又
は別々の、炭素数2〜10の2価の単価水素基であり、
nは整数である。)が挙げられる。
【0021】このポリカーボネート系ウレタンプレポリ
マーのポリオール部分の構造は、上記のようなポリカー
ボネート系ポリオールをはじめ、ポリカーボネート系ポ
リオールとポリカプロラクトン系ポリオールのランダム
共重合体、ポリカーボネート系ポリオールとポリエステ
ル系ポリオールのランダム共重合体、ポリカーボネート
系ポリオールとポリエーテル系ポリオールのランダム共
重合体、或いは、ポリカーボネート系ポリオールとその
他のポリオール、例えば、ポリカプロラクトン系ポリオ
ール、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリ
オールとの混合物などが挙げられ、それぞれ単独で使用
されたり又は複数併用されたりする。
【0022】また、前記ポリカーボネート系ポリオール
に対し、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポ
リオール、ポリブタジエン系ポリオール、ポリオレフィ
ン系ポリオールの1種又は2種以上を適宜ブレンドした
もの等を使用することができる。
【0023】硬化剤としては、ウレタンプレポリマーを
硬化してポリウレタン・エラストマーを生成させる際に
一般的に用いられているものでよい。例えばポリオール
化合物、ポリアミン化合物等が挙げられる。ポリオール
化合物としては、1級ポリオール、2級ポリオール、3
級ポリオールのいずれを用いてもよい。具体的には、ト
リメチロールプロパン(「TMP」)、エチレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオー
ル、2,3−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオ
ール、2,4−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3
−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、2−エ
チル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジ
オール、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニ
リン、ヒドロキノン−ビス−(β−ヒドロキシエチル)
エーテル、レゾルシノール−ビス(β−ヒドロキシエチ
ル)エーテル等が挙げられる。ポリアミン化合物として
はジアミン、トリアミン、テトラアミン等、1級アミ
ン、2級アミン、3級アミンのいずれも用いることがで
きる。具体的にはヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ア
ミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシク
ロヘキシルメタン等の脂環族アミン、4,4’−メチレ
ンビス−2−クロロアニリン、2,2’3,3’−テト
ラクロロ−4,4’−ジアミノフェニルメタン、4,
4’−ジアミノジフェニル、1,2−ビス(2−アミノ
フェニルチオ)メタン、トリメチレングリコールパラア
ミノベンゾエート等の芳香族アミン、2,4,6−トリ
ス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられ
る。これらの硬化剤は1種のみを用いてもよいし複数種
を併用してもよい。
【0024】上記の硬化剤と前記の組成から得られたウ
レタンプレポリマーとを混合し同ウレタンプレポリマー
を硬化させるための方法として、ウレタンプレポリマー
に対する硬化剤の混合割合、硬化温度、硬化時間等を含
めて公知の方法で行うことができる。
【0025】この実施例に用いるポリウレタン・エラス
トマーは添加剤等を含有するものとしてもよい。添加剤
として例えば非イオン性の可塑剤、難燃剤、充填剤、安
定剤、着色剤等がある。
【0026】可塑剤としては、例えばフタル酸ジオクチ
ル(「DOP」)、フタル酸ジブチル(「DBP」)、
アジピン酸ジオクチル(「DOA」)、トリエチレング
リコールジベンゾエート、トリクレジルホスフェート、
フタル酸ジオクチル、ペンタエリストールの脂肪酸エス
テル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジイソオク
チル、アジピン酸ジブトキシエトキシエチルなどを利用
できる。
【0027】前記組成の組合せによる多数のポリウレタ
ン・エラストマーを厚さ2mmのプレート状に成型した
後、これらについて直流電場を印加しその機械的応答性
を歪みセンサーを用いて計測した。即ち、プレート状に
成型したポリウレタン・エラストマーの上下面を電極板
で挟み電圧を印加した。ポリウレタン・エラストマーの
厚さ変化を歪みセンサーで観測し、電位、電流の影響な
どを測定した。
【0028】以下、具体的実施例を示す。各実施例は次
のような手順により行った。ポリカーボネート系ポリオ
ール成分100重量部(以下(1)に示す)にポリイソ
シアネート成分(以下(2)に示す)を加え窒素気流下
において85℃で1時間反応させて末端イソシアネート
基を有するウレタンプレポリマーを得る。
【0029】得られたウレタンプレポリマーのイソシア
ネート基(「NCO」)含有量、及び80℃における粘
度を測定した(表1に示す)。ウレタンプレポリマーの
粘度はハーケ回転粘度計・ロトビスコRV−12を用い
て求めた。
【0030】上記のようにして得たウレタンプレポリマ
ー100重量部を80℃に保温し、硬化剤(以下(3)
に示す)を溶融させて混合し、予め110℃に保温して
おいた厚み2mmの金型に注ぎ込んで110℃で16時
間オーブン中に放置し硬化反応を完成させた。そして硬
さ(JIS−A)を測定した(表1に示す)。ここで、
硬化剤として4,4’−メチレンビス(ジクロロアニリ
ン)を用いた場合の溶融温度は140℃、これ以外の硬
化剤を使用した場合の溶融温度は80℃とした。実施例1 (1) 平均分子量(数平均分子量を指す、以下同じ)
が2,055のポリカーボネート系ポリオール(日本ポ
リウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン980
R、以下同様)。 (2) パラフェニレンジイソシアネート(PPDI、
デュポン社製、商品名ハイレン、以下同様)…15.8
重量部。 (3) 4,4’−メチレンビス(ジクロロアニリン)
(イハラケミカル工業株式会社製、TCDAM、以下同
様)…15.3重量部。実施例2 (1) 前記ニッポラン980R(実施例1参照)と、
平均分子量が1,986のポリテトラメチレンエーテル
グリコール(保土谷化学工業株式会社製、商品名PTG
2000SN)とを7:3でブレンド。 (2) 前記PPDI(パラフェニレンジイソシアネー
ト、実施例1参照)…15.9重量部。 (3) 前記TCDAM(4,4’−メチレンビス(ジ
クロロアニリン)、実施例1参照)…14.6重量部。実施例3 (1) 平均分子量が2,014のポリカーボネート系
ポリオールとポリカプロラクトン系ポリオールのランダ
ム共重合体(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名
ニッポラン982R、以下同様)と前記ニッポラン98
0R(実施例1参照)とを7.5:2.5でブレンド。 (2) 前記PPDI(パラフェニレンジイソシアネー
ト、実施例1参照)…15.9重量部。 (3) 前記TCDAM(4,4’−メチレンビス(ジ
クロロアニリン)、実施例1参照)…15.0重量部。実施例4 (1) 前記ニッポラン982R(実施例3参照)。 (2) 前記PPDI(パラフェニレンジイソシアネー
ト、実施例1参照)…16.0重量部。 (3) 前記TCDAM(4,4’−メチレンビス(ジ
クロロアニリン)、実施例1参照)…14.9重量部。実施例5 (1) 前記ニッポラン980R(実施例1参照)と、
平均分子量が2,000のポリカプロラクトン系ポリオ
ール(ダイセル化学工業株式会社製、商品名プラクセル
220N)とを4:1でブレンド。 (2) 前記PPDI(パラフェニレンジイソシアネー
ト、実施例1参照)…15.6重量部。 (3) 前記TCDAM(4,4’−メチレンビス(ジ
クロロアニリン)、実施例1参照)…14.0重量部。実施例6 (1) 前記ニッポラン982R(実施例3参照)。 (2) 前記PPDI(パラフェニレンジイソシアネー
ト、実施例1参照)…16.0重量部。 (3) ヒドロキノン−ビス−(β−ヒドロキシエチ
ル)エーテル(Eastman社製、商品名HQEE、以下同
様)…8.8重量部。実施例7 (1) 平均分子量が1,892のポリカーボネート系
ポリオール(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名
HYDOL−ODX2398、以下同様)。 (2) 前記PPDI(パラフェニレンジイソシアネー
ト、実施例1参照)…16.8重量部。 (3) 1,4−ブタンジオール(1,4−BD、関東
化学株式会社製、以下同様)…4.1重量部。実施例8 (1) 前記HYDOL−ODX2398(実施例7参
照)。 (2) トリレンジイソシアネート(TDI、日本ポリ
ウレタン工業株式会社製、商品名コロネートT−10
0、以下同様)…16.6重量部。 (3) 4,4’−メチレンビス−2−クロロアニリン
(MOCA、イハラケミカル工業株式会社製、商品名キ
ュアミンMT、以下同様)…10.6重量部。実施例9 (1) 前記ニッポラン980R(実施例1参照)と、
平均分子量が1,415のポリテトラメチレンエーテル
グリコール(保土谷化学工業株式会社製、商品名PTG
1400SN、以下同様)とを6:4でブレンド。 (2) 4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI、日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ミ
リオネートMT、以下同様)…29.0重量部。 (3) 前記HQEE(実施例6参照)…5.9重量部
と、前記1,4−BD(実施例7参照)…2.4重量部
とをブレンド。実施例10 (1) 前記ニッポラン980R(実施例1参照)と、
前記PTG1400SN(実施例9参照)とを6:4で
ブレンド。 (2) 前記MDI(実施例9参照)…29.0重量
部。 (3) 前記HQEE(実施例6参照)…11.1重量
部。
【0031】上記のようにして成型したエラストマーの
寸法、形状、測定条件は下記の通りである。 エラストマーの寸法:縦25mm×横25mm×厚
さ2mm。 エラストマーの形状:偏平な厚みのある板状で、ゴ
ム状の弾性を持つ。 印加電圧:0.5kV、1.0kV、1.5kV、
2.0kV、2.5kV、3.0kV、3.5kV、
4.0kV、4.5kV、5.0kV。 収縮率:試料の厚みの変化は、レーザー式変位計で
測定した。
【0032】収縮率(%)は、電圧印加時の収縮変位量
を、電圧印加前の試料の厚み(2mm)に対する比率で
示した。 発熱:発熱は、各実施例を通して観測できなかっ
た。なお、エラストマーの温度はエラストマー中に刺し
込んだ熱電対によって測定した。
【0033】表1及び図面に示すグラフに、各実施例に
於けるポリウレタンエラストマー・アクチュエーターの
測定結果等を示す。なお、グラフは、印加電圧(kV)
を厚み(2mm=0.2cm)で割って求めた電界(k
V/cm)の値を横軸に、上記収縮率(%)を縦軸にと
って記載した。
【0034】
【表1】
【0035】各測定結果に示されるように、各実施例の
ものは5.0kV以下という低電場の印加でしたがって
絶縁破壊の生じない殆ど電流値の観測されない条件下に
おいても、大きな変位量を得られるという利点がある。
すなわち、低電圧すなわち低エネルギーでの変位が可能
である。
【0036】また、電圧を5.0kV(電界25kV/
cm)まで印加した過程において観察された各実施例の
電場方向のエラストマーの変位量のグラフ(図1)によ
ると、概ね下方に向けて凸の曲線となる態様で増加し
た。つまり、電圧を5.0kV印加時(電界25kV/
cm)までは、概ね変位量の変化率が増加していく態様
となっている。
【0037】それぞれの実施例中、実施例5では5.0
kV(電界25kV/cm)の電場印加で電場方向に
1.95%の速やかな収縮を観察した。一方、比較例た
る圧電材料のポリフッ化ビニリデン・フィルムの同等条
件下に於ける駆動量は0.1%以下である。すなわち、
5.0kVの電場印加時において、実施例5のものの駆
動量は比較例と比較して200倍弱に達するものであ
る。
【0038】従来のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系
に代表される圧電セラミックスやポリフッ化ビニリデン
(PVDF)に代表される圧電性高分子或いはこれらを
複合化したものとは相違し、この実施例のものはソフト
マテリアルとして機能するものであるという利点があ
る。また、各実施例に於けるJIS−A値の硬度は80
から94程度でありエラストマー材料としては高弾性率
であるので、機械的特性に優れるとともに駆動力が大き
いということができる。すなわち、この実施例のものは
アクチュエーターとして好適な適性を有する。
【0039】この実施例のものによると直流電場を印加
することによって誘電性のポリカーボネート系ポリオー
ル成分が電場方向に配向し、エラストマーの構造が異方
的に変化することを利用して、実効電流が事実上ゼロに
近い状態(即ち、発熱を最小限に抑えながら)で分子配
向のみによってエラストマーの形状を変化させることが
でき、この形状変化の際に生じる機械的変形エネルギー
をアクチュエーションとして用いることができる。この
実施例のものを変位させる際に電気分解や発熱は殆ど伴
わないのは、ポリカーボネート系ポリオールを電場方向
に配向させる際に化学反応を伴わないためであると考え
られる。
【0040】この実施例のポリウレタンエラストマー・
アクチュエーターは圧電セラミックスのように結晶粒界
によって駆動されるのではなく、本質的に原理が異な
り、ポリウレタン・エラストマーの非晶領域を構成して
いるソフト・セグメント双極子の電場配向に起因すると
考えられる。つまり、このものの駆動原理は従来より知
られている配向結晶化PVDFや結晶粒界の電場による
歪みの現象等とは全く異なる新規な駆動原理に拠るもの
であるということが言える。
【0041】また、ソフト・セグメント個々の挙動がポ
リウレタンエラストマー・アクチュエーター全体の歪と
なるので、大きな力を発生することができる。さらに、
ポリウレタン・エラストマーは弾性体でありソフトであ
るので、加工性に富むアクチュエーターを得ることがで
きる。このポリウレタンエラストマー・アクチュエータ
ーは微細加工によってマイクロ・マシン化できるため高
精度でソフト且つ微細なアクションを求められるマイク
ロ・サージュリーなどにも利用されるマニピュレータな
どへの適用が可能である。その上、ポリウレタン・エラ
ストマーの化学組成の組合せを変えることで、極めて大
きな駆動量を有するアクチュエーターを作成することが
できる。
【0042】なお、例えばゲル状の材料の場合に必要と
する溶媒を全く含まない状態においてポリマー構造の制
御だけで駆動性能を引き出せるということは、ポリウレ
タン・エラストマー材料が汎用性の材料であることを考
慮すると非常に大きな利点である。
【0043】
【発明の効果】以上説明した通り、この発明は次の効果
を有する。
【0044】それ程高電圧を必要としないとともに、電
圧が印加された際の変位量が従来の圧電材料よりも大き
いアクチュエーターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】厚み2mmの試料に対して電圧を5.0kVま
で印加した過程において観察された各実施例の電場方向
の収縮率を示すグラフ。
フロントページの続き (72)発明者 河原 伸一郎 奈良県大和郡山市池沢町172 ニッタ株 式会社 奈良工場内 (72)発明者 平井 利博 長野県上田市諏訪形940番地の13 (56)参考文献 特開 平5−136475(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 41/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート系ポリオールを有する
    ポリウレタン・エラストマーであって、前記ポリカーボ
    ネート系ポリオールは直流電場が印加されると電場方向
    に配向するものであることを特徴とするポリウレタンエ
    ラストマー・アクチュエータ−。
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