JP3345661B2 - 熱可塑性コンポジット用ヤーン - Google Patents

熱可塑性コンポジット用ヤーン

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂を繊維化
し、補強用繊維と混繊した繊維強化コンポジット用ヤー
ンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続補強用繊維と熱可塑性マトリックス
繊維とを混繊した熱可塑性コンポジット用ヤーンは特開
昭60−209034号公報および特開昭61−130
345号公報などに開示されている。
【0003】しかし、これらの従来のコンポジット用ヤ
ーンをブレードにする際は、連続補強用繊維と熱可塑性
マトリックス繊維の伸度差及びそれらの集束性の欠如が
起因して、補強用連続繊維が損傷を受け操業性が著しく
劣るのみならず、そのブレードを成形した場合、含浸斑
が発生したり、得られた成形体が強靭性に欠けたり、ま
た表面状態の優れた成形体を得る事ができないという問
題があった。操業性を改良しようとして、上記繊維に多
量の紡糸オイルなどの表面処理剤を付与すれば操業性は
ある程度改善されるが、表面処理剤が起因して成形体の
補強用繊維とマトリックス間の界面強力が低くなるなど
の問題があった。
【0004】一方、非連続補強用繊維と熱可塑性マトリ
ックス繊維を用いて、いわゆる紡績工程に於いてそれら
の繊維に撚を付与して集束性を持たせたコンポジット用
ヤーンも存在する。これを用いてブレードを成形した場
合、かなりの程度の操業性を確保することは可能であ
る。しかし、得られる成形体の物性は撚に起因して満足
なものを得ることができない。さらに表面状態において
も、やはり撚に起因して補強用繊維の分布が不均一とな
るためにいわゆるレジンリッチ部が存在するという問題
があった。
【0005】以上のように、補強用繊維と熱可塑性マト
リックス繊維とが混繊された熱可塑性コンポジット用ヤ
ーンは、その熱可塑性樹脂の高い粘度に起因する含浸の
難かしさを解決するための有効な手段と考えられている
が、製織性、ブレーディング性などのテキスタイル加工
性及び成形して得られたコンポジット物性の両方を満足
できる熱可塑性コンポジット用ヤーンは得られていない
現状にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
の繊維にテキスタイル加工性を付与するための方策を種
々検討した結果、非連続熱可塑性マトリックス繊維と非
連続補強用繊維を混繊した混繊糸を連続熱可塑性マトリ
ックス繊維により捲回被覆する際に、これらの繊維で構
成された熱可塑性コンポジット用ヤーンの全重量に対し
て1重量%以上10重量%以下の連続熱可塑性マトリッ
クス繊維を、混繊糸の糸軸方向に実質的に均一分散した
状態で捲回被覆することにより、表面状態が良好とな
り、集束性が極めて向上し、その結果軽量かつ強靭で表
面平滑性にも優れかつ製織性、ブレーディング性にも優
れた熱可塑性コンポジット用ヤーンを提供できることを
見い出した。また、連続熱可塑性マトリックス繊維が捲
縮加工糸であれば、被覆性が向上することにより表面状
態がより良好となり、テキスタイル加工性が更に向上す
ることを見い出した。本発明者らは、かかる知見に基づ
き更に重ねて検討した結果、本発明を完成するに至った
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
の非連続熱可塑性マトリックス繊維(1)、無撚の非
連続補強用繊維(2)及び(1)と同種の連続熱可塑性
マトリックス繊維(3)からなる熱可塑性コンポジット
用ヤーン(4)であって、(1)と(2)を混繊度2
0%以上で混繊した混繊糸に、(4)に対して1重量%
以上10重量%以下の(3)を、該混繊糸の糸軸方向
一分散した状態で捲回被覆していることを特徴とする
熱可塑性コンポジット用ヤーン(4)、並びに連続熱可
塑性マトリックス繊維(3)が捲縮加工糸からなること
を特徴とする上記の熱可塑性コンポジット用ヤーン
(4)を提供するものである。
【0008】なお、ここで言う混繊度は次式により定義
する。
【数1】 N:混繊糸を構成する各種類のフィラメント中、1種類
のフィラメントの総本数 NcX:上記1種類のフィラメントが、いくつかの群に
分割されているとき、その群の個数 X:上記の各群中、ある特定な1個の群内のフィラメン
ト数 また、上記の式において100(N−X)/(N−1)
は混繊状態を意味し、Xが小さい程、混繊状態が高度で
あることを意味する。NcX/(N/X)はフィラメン
トが混織糸全体の中で、視覚効果上、どの程度の重要性
をもつかを意味する。
【0009】以下、本発明を図面に基づいて具体的に説
明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもので
はない。図1に本発明における熱可塑性コンポジット用
ヤーンの代表例を模式的に示した。Aは熱可塑性コンポ
ジット用ヤーンの断面図を拡大して模式的に示したもの
であり、Bは熱可塑性コンポジット用ヤーンの斜視図を
模式的に示したものである。熱可塑性コンポジット用ヤ
ーン(4)は、実質的に無撚の非連続熱可塑性マトリッ
クス繊維(1)と実質的に無撚の非連続補強用繊維
(2)との混繊糸に、連続熱可塑性マトリックス繊維
(3)が、該混繊糸の糸軸方向に実質的に均一分散した
状態で捲回被覆したものである。図2に本発明の比較例
として、該混繊糸に連続熱可塑性マトリックス繊維
(3)が非分散の状態で捲回被覆したものの代表例を模
式的に示した。
【0010】本発明に用いられる熱可塑性マトリックス
繊維(1または3)としては、ナイロン6やナイロン6
6などのポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート
やポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊
維、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン系繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリフェ
ニレンサルファイド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポ
リカーボネート繊維などが挙げられる。 但し、本発明
に用いられる熱可塑性マトリックス繊維(1または3)
は上記の繊維に限定されるわけではない。
【0011】本発明に用いられる補強用繊維(2)とし
ては、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などが挙げ
られる。但し、本発明に用いられる補強用繊維(2)は
上記の繊維に限定されるわけではない。
【0012】本発明で混繊糸を構成する熱可塑性マトリ
ックス繊維(1)と補強用繊維(2)はともに無撚の非
連続繊維であることが必要である。これはブレードある
いは織物などのテキスタイル品とした後に成形しコンポ
ジットを作成する場合、成形時に補強用繊維がずれるこ
とによりコンポジット物性及び表面状態の欠点が生じな
いようにするためである。つまり、無撚の非連続繊維を
用いることにより、複雑な形状の製品も無理なく成形す
ることを可能とするためである。
【0013】これらの熱可塑性マトリックス繊維(1)
と補強用繊維(2)の平均繊維長は特に限定されない
が、ともに50mm以上であることが好ましい。
【0014】これらの熱可塑性マトリックス繊維(1)
と補強用繊維(2)は混繊されており、その混繊度は2
0%以上であることが必要である。これは20%以上で
あれば溶融時に補強用繊維中への含浸が短時間で行われ
るが、混繊度が20%未満になると、含浸に時間がかか
り不経済であり、また含浸が不十分になるため成形品に
おける機械的物性が低下するためである。なお、混繊す
る手段としては、各々の連続繊維を別々に牽切しスライ
バーを得た後、それらのスライバーを混合、牽切し、混
合スライバーを得る方法、あるいは補強用連続繊維を牽
切し、スライバーを得た後、カード工程などにより得た
マトリックス非連続のスライバーと練条工程で混合し、
混合スライバーあるいは混合粗糸を得る方法などいずれ
の手段でもよい。その後スライバーなどに熱可塑性連続
マトリックス繊維を捲回被覆させる。
【0015】本発明の熱可塑性コンポジット用ヤーン
(4)に対する捲回被覆用の連続熱可塑性マトリックス
繊維(3)の重量比は、1重量%以上10重量%以下で
あることが必要であり、また、連続熱可塑性マトリック
ス繊維(3)を混繊糸の糸軸方向に実質的に均一分散し
た状態で捲回被覆することが必要である。これは、こう
することにより初めて、テキスタイル加工性と得られる
コンポジット物性を両立させることができるためであ
る。以下詳細に説明する。
【0016】なお、ここで言う、重量比は下式により定
義する。 重量比={C/(A+B+C)}×100(%) A:非連続熱可塑性マトリックス繊維(1)の量(g/
m) B:補強用繊維(2)の量(g/m) C:連続熱可塑性マトリックス繊維(3)の量(g/
m)
【0017】実際の工程に於いては、熱可塑性コンポジ
ット用ヤーン(4)は熱と圧力が加えられることにより
上記の非連続熱可塑性マトリックス繊維(1)と連続熱
可塑性マトリックス繊維(3)が溶融し、補強用繊維
(2)に含浸され、冷却過程を経てコンポジットとな
る。従って、コンポジットの物性および外観を支配する
要因として、上記の2種の熱可塑性マトリックス繊維
(1及び3)の溶融状態が挙げられる。上記で連続熱可
塑性マトリックス繊維(3)の主たる役割りはテキスタ
イル加工性にある。すなわちブレードあるいは織物を、
補強用繊維(2)を損傷させることなく、かつ飛散ある
いは配向状態を乱すことなく得る事ができ、さらに成形
に供するための材料として所定の形状に裁断し、予備賦
形(たとえば金型などへのセットを意味する。)するこ
とが満足になされることである。いったん予備賦形がな
されたならばその後のいわゆる成形工程においては極力
スムーズに溶融し捲回被覆の痕跡を残さないことが重要
となる。捲回被覆の痕跡が残っているならば主として2
つの欠点を発生させる原因となる。1つはレジンリッチ
部の存在である。言うまでもなく、これが存在すれば得
られる成形品の表面外観を損なうのみならず、成形品の
機械的物性も低下する。他の1つは連続熱可塑性マトリ
ックス繊維(3)による拘束力が成形中働いていたこと
となり補強繊維(2)間のバラケが不十分となるが故の
繊維束間の物性の不足である。これらの欠点を発生させ
ないために連続熱可塑性マトリックス繊維(3)の重量
比が10重量%以下であることが必要となり、一方前記
のテキスタイル加工性を満足させるためにその重量比が
1重量%以上であることが必要となる。
【0018】さらに、テキスタイル加工性を向上させる
ためには、連続熱可塑性マトリツクス繊維(3)を該混
繊糸の糸軸方向に実質的に均一分散させた状態で捲回被
覆させることが必要である。実質的に均一分散させる手
法としては、連続熱可塑性マトリックス繊維(3)を電
気開繊装置で開繊後該混繊糸に重ね合せオシレーティン
グエプロンローラに供給することにより可能であるが、
この方法に限定されるわけではない。
【0019】また、連続熱可塑性マトリックス繊維
(3)が捲縮加工糸であることがより好ましい。連続熱
可塑性マトリックス繊維(3)を予め仮撚捲縮加工など
の捲縮加工を施した後、該混繊糸に捲回被覆させること
により、被覆性が向上し、テキスタイル加工性がより一
層向上するためである。
【0020】熱可塑性マトリックス繊維の表面処理剤と
しては、繊維製造工程および後工程通過性を維持するた
め、いわゆる紡糸オイルが一般的に使用されている。し
かし、この種の処理剤はコンポジットの補強用繊維とマ
トリックス界面の接着力を阻害するので極力用いない方
が好ましい。
【0021】本発明に於いては、熱可塑性コンポジット
用ヤーン(4)に対する補強用繊維(2)の重量比は特
に限定されないが、30〜80%の範囲が好ましい。
【0022】
【実施例】以下実施例を挙げて、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではな
い。
【0023】実施例1.非連続熱可塑性マトリックス繊
維としてナイロン6繊維、非連続補強用繊維として炭素
繊維を用いた。両繊維はともに無撚で、平均繊維長はと
もに100mmであった。これらの混繊糸に捲回被覆用
の連続熱可塑性マトリックス繊維として70デニール/
24フィラメントのナイロン6フィラメントを開繊させ
糸軸方向に実質的に均一分散した状態で捲回被覆した熱
可塑性コンポジット用ヤーンを作成した。作成方法は上
記混繊糸に用いたナイロン6繊維と炭素繊維を各々牽切
し、スライバーを得て、その後それらのスライバーを練
条機にて混合しドラフトをかけることにより所定の混合
スライバーとした。該混合スライバーの重量は536ゲ
レン/6ヤードであった。捲回被覆用のナイロン6フィ
ラメントを電気開繊装置で開繊後、該混合スライバーと
重ね合せオシレーティングエプロンローラに供給し、捲
回被覆しNm1.7の熱可塑性コンポジット用ヤーンを
得た。該熱可塑性コンポジット用ヤーンに対する炭素繊
維の重量比は59wt%であり、捲回被覆用のナイロン
6フィラメントの重量比は1.5%であり、無撚の混繊
糸の混繊度は65%であった。
【0024】得られた熱可塑性コンポジット用ヤーンを
用い、32打の丸打組機にて角度30°、内20mmの
3層からなるブレードを作成した。ブレーディング時
に、マンドレルの外周にシリコン・チューブをかぶせブ
レーディング後、ブレードとともにマンドレルから取り
外した。
【0025】該ブレードを内圧成形し、厚み0.8mm
の中空パイプを得た。その際の成形条件は圧力15kg
/cm2 、温度255℃、保持時間20分であった。得
られた中空パイプは表面性に優れ、レジン・リッチ部も
なく、良好なパイプであった。このパイプの特性を表1
に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2.実施例1と同じ方法にて熱可塑
性コンポジット用ヤーンを作成した。但し、捲回被覆用
の連続熱可塑性マトリックス繊維として210デニール
/48フィラメントのナイロン6フィラメントを用い
た。従って、捲回被覆用のナイロン6フィラメントの重
量比は3.6%であった。熱可塑性コンポジット用ヤー
ンの番手はNm1.8であった。該コンポジット用ヤー
ンを実施例1と同じ方法にて中空パイプを作成した。得
られた中空パイプは、レジン・リッチ部もほとんどなく
良好なパイプであった。このパイプの特性を表1に併せ
て示す。
【0028】実施例3.実施例1で作成した熱可塑性コ
ンポジット用ヤーンを用い、目付、経・緯とも15本/
吋の織物を作成した。この織物を金型の中で、温度25
0℃、圧力10kg/cm2 、保持時間10分の条件
で、加圧を行い、その後冷却し金型から取り出し平板を
作成した。用いた熱可塑性コンポジット用ヤーンの製織
性は良好であり、また成形後の平板の表面性も良好であ
った。この平板の特性を表1に併せて示す。
【0029】実施例4.実施例1と同じ方法で熱可塑性
コンポジット用ヤーンを作成した。但し、捲回被覆用の
連続熱可塑性マトリックス繊維として70デニール/2
4フィラメントのナイロン6フィラメントの仮撚捲縮加
工糸を用いた。得られた熱可塑性コンポジット用ヤーン
は表面被覆性の優れたものであり、実施例1と同じ条件
でブレーディングおよび成形を実施した結果、ブレーデ
ィング性および表面性ともに優れた良好なパイプを作成
することができた。このパイプの特性を表1に併せて示
す。
【0030】比較例1.実施例1と同じ方法にて混繊
糸、ブレードを作成した。但し、捲回被覆用の連続熱可
塑性マトリックス繊維として70デニール24フィラメ
ントのナイロン6フィラメント1本を開繊させることな
く用いた。捲回被覆には中空スピンドルを使用して、S
方向のみ捲回被覆した熱可塑性コンポジット用ヤーンを
作成した。従って、Cの重量比は1.5%であった。こ
の混繊糸は、ブレーディング性が悪く、ブレーディング
時に炭素繊維が損傷・切断し、著しく作業環境を悪化さ
せるとともに、得られたブレードは表面状態も毛羽が非
常に多く、繊維配列の乱れたものであった。したがって
中空パイプを作成することは断念した。
【0031】比較例2.実施例1と同じ方法にて混繊
糸、ブレード及び中空パイプを作成した。但し混繊糸の
混繊度が12%であった。この混繊糸は、ブレーディン
グ時、炭素繊維の損傷・切断が見られたが、一応ブレー
ドとすることは可能であった。該ブレードを用い、実施
例1と同じ条件で中空パイプを作成した。得られたパイ
プは、含浸不足の個所が存在し、表面性も不良であっ
た。このパイプの特性を併せて表1に示す。
【0032】比較例3.実施例1と同じ方法にて混繊
糸、ブレード及び中空パイプを作成した。但し捲回被覆
用の連続熱可塑性マトリックス繊維として300デニー
ル60フィラメントのナイロン6フィラメントを2本用
い、中空スピンドルを使用して、1本はS方向に、他の
1本はZ方向に捲回被覆して熱可塑性コンポジット用ヤ
ーンを作成した。又、捲回数も180T/Mとした。従
って、捲回被覆用の連続熱可塑性マトリックス繊維の重
量比は16%であった。該熱可塑性コンポジット用ヤー
ンのブレーディング性は良好であったが、全般的に糸が
硬くフレキシビリティに欠けるものであった。該ブレー
ドを用い成形を実施したが、捲回被覆用の連続熱可塑性
マトリックス繊維の拘束力が強すぎるため、中空パイプ
表面に多数のレジンリッチ部を生じ、実用に耐えないも
のであった。
【0033】比較例4.比較例1で作成した熱可塑性コ
ンポジット用ヤーンを用いて、実施例3と同様の織物を
作成することを試みたが、経糸の炭素繊維の脱落がひど
く、製織を断念した。
【0034】比較例5.比較例2で作成した熱可塑性コ
ンポジット用ヤーンを用いて実施例3と同様の織物の作
成を実施した。炭素繊維の損傷・切断が見られたが、織
物を作成することはできた。該織物を用いて、実施例2
と同じ条件にて平板を作成したが、混繊度不足が起因
し、含浸性不良の個所が見られた。
【0035】比較例6.比較例3で作成した熱可塑性コ
ンポジット用ヤーンを用いて実施例3と同様の織物を得
ようとしたが、糸の剛性が高すぎるため織物の密度を1
1本/吋以上に高めることはできなかった。該織物を実
施例2と同じ成形条件にて成形したが、捲回被覆用の連
続熱可塑性マトリックス繊維による拘束力の強さと、密
度の低さが起因して、レジンリッチ部が多数存在する平
板した得られなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明の熱可塑性コンポジット用ヤーン
は軽量かつ強靭で表面平滑性に優れた熱可塑性コンポジ
ットの成形に有用である。従って、ブレード、織物、編
物あるいは多軸積層布にした後、内圧成形、レイアップ
成形、プレス成形、深絞り成形などかなりの範囲の成形
加工法への適用が可能であり、その効果は極めて大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性コンポジット用ヤーンの模式
図の一例である。
【図2】本発明の比較例(連続熱可塑性マトリックス繊
維が非分散の状態で捲回被覆したもの)の一例である。
【符号の説明】
A:本発明の熱可塑性コンポジット用ヤーンの断面 B:本発明の熱可塑性コンポジット用ヤーンの一部 C:比較例の熱可塑性コンポジット用ヤーンの断面 D:比較例の熱可塑性コンポジット用ヤーンの一部 1:混織糸用の非連続熱可塑性マトリックス繊維 2:混織糸用の非連続補強用繊維 3:捲回被覆用の連続熱可塑性マトリックス繊維 4:本発明の熱可塑性コンポジット用ヤーン 5:比較例の熱可塑性コンポジット用ヤーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−247761(JP,A) 特開 平1−133721(JP,A) 特開 昭62−135537(JP,A) 特開 平1−266231(JP,A) 特開 平2−133632(JP,A) 特開 平2−308824(JP,A) 特開 平6−107808(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 11/16 B29B 15/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無撚の非連続熱可塑性マトリックス繊
    維、無撚の非連続補強用繊維及び該非連続熱可塑性マト
    リックス繊維と同種の連続熱可塑性マトリックス繊維か
    らなる熱可塑性コンポジット用ヤーンであって、 該非連続熱可塑性マトリックス繊維と該非連続補強用繊
    を混繊度20%以上で混繊した混繊糸に、該熱可塑
    性コンポジット用ヤーンに対して1重量%以上10重量
    %以下の該連続熱可塑性マトリックス繊維を、該混繊糸
    の糸軸方向に均一分散した状態で捲回被覆していること
    を特徴とする熱可塑性コンポジット用ヤーン。
  2. 【請求項2】 連続熱可塑性マトリックス繊維が捲縮加
    工糸からなることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性
    コンポジット用ヤーン。
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