JP3345534B2 - 補聴器 - Google Patents

補聴器

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JP3345534B2
JP3345534B2 JP26448895A JP26448895A JP3345534B2 JP 3345534 B2 JP3345534 B2 JP 3345534B2 JP 26448895 A JP26448895 A JP 26448895A JP 26448895 A JP26448895 A JP 26448895A JP 3345534 B2 JP3345534 B2 JP 3345534B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周囲の音を考慮し
て、出力する音を制御する補聴器に関するものである。
【0002】また、本発明は、補聴器の装着者が示す情
報に基づいて、出力する音を制御する補聴器に関するも
のである。
【0003】
【従来の技術】従来の補聴器としては、例えば、特開特
平 5-56499号公報に示されている。図8は、この従来の
補聴器の構成図であり、801 は音声をA/D変換するA/D変
換器、802 は音声の周波数特性を加工する手段、803 は
音声を入力する時とは異なる速度で出力する手段、804
はD/A変換を行うD/A変換器、805 は録音を行う手段、80
6 は制御信号の入出力を行う制御信号入出力手段であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の補聴器は、音声と音声以外の音に区別する
ことなく、取り込んだ音を増幅し、補聴器を装着してい
る者にその増幅した音を出力するために、音声以外の環
境音が高くなると、その補聴器を装着している者に不快
感を与えるという問題点を有していた。
【0005】また従来の補聴器は、同様に、救急車等が
出す警報音や横断歩道での警告音等の環境音を音声と共
に増幅するために、その出力音のパワーレベルは過大な
ものとなり、補聴器を装着している者に著しい不快感を
与えるという課題もあった。
【0006】本発明は、このような従来技術の課題を考
慮して、入力音から抽出した無音声区間に基づいて、出
力音のボリューム又はその開閉を制御することができる
補聴器を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、例えば、入力音に含まれ
る環境音の中に、警告音が突然飛び込んできた場合、そ
の警告音を検出することにより、出力音のボリューム又
はその開閉を制御したり、出力音に含まれる警告音の周
波数帯域を減衰させることができる補聴器を提供するこ
とを目的とする。
【0008】さらに、本発明は、例えば、補聴器を装着
している者による所定の動作を抽出することにより、出
力音のボリューム又はその開閉を制御することができる
補聴器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、音を入力する音入力手段と、その音入力手
段により入力された音を増幅する増幅手段と、その増幅
手段により増幅された音を出力する音出力手段と、前記
音入力手段により入力された音に基づいて、無音声区間
に関する情報を検出する無音声区間情報検出手段と、前
記音入力手段により入力された音及び前記無音声区間に
関する情報に基づいて、或いは前記無音声区間に関する
情報に基づいて、前記増幅手段の増幅率を変更し又は前
記音出力手段により出力される音の出力を開閉する制御
手段とを備え、前記制御手段は、前記音入力手段により
入力された音のパワーレベルと前記無音声区間における
音のパワーレベルとの比に基づいて、前記増幅手段の増
幅率を変更し又は前記音出力手段により出力される音の
出力を開閉する補聴器である。
【0010】これにより、環境音に含まれる雑音に応じ
て補聴器の出力を制御することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、音を入力する音入力手
段と、その音入力手段により入力された音を増幅する増
幅手段と、その増幅手段により増幅された音を出力する
音出力手段と、前記音入力手段により入力された音に基
づいて、無音声区間に関する情報を検出する無音声区間
情報検出手段と、前記音入力手段により入力された音及
び前記無音声区間に関する情報に基づいて、或いは前記
無音声区間に関する情報に基づいて、前記増幅手段の増
幅率を変更し又は前記音出力手段により出力される音の
出力を開閉する制御手段とを備え、前記制御手段は、前
記音入力手段により入力された音のパワーレベルと前記
無音声区間における音のパワーレベルとの比に基づい
て、前記増幅手段の増幅率を変更し又は前記音出力手段
により出力される音の出力を開閉する補聴器である。
【0012】
【0013】
【0014】また、本発明は、音を入力する音入力手段
と、その音入力手段により入力された音を増幅する増幅
手段と、その増幅手段により増幅された音を出力する音
出力手段と、前記音入力手段により入力された音から所
定の周波数を有する音を検出する所定音検出手段と、前
記所定の周波数を有する音に基づいて、前記増幅手段の
増幅率を変更し、又は前記音出力手段により出力される
音の出力を開閉する制御手段とを備えたことを特徴とす
る補聴器である。
【0015】なお、本発明の前記所定の周波数を有する
音に基づいてとは、その所定の周波数を有する音のパワ
ーレベルに基づいてであるとしてもよい。
【0016】また、本発明の前記所定の周波数を有する
音に基づいてとは、その所定の周波数を有する音のパワ
ーレベルが所定の値を満足する期間に基づいてであると
してもよい。
【0017】また、本発明の補聴器は、前記音入力手段
により入力された音から、前記所定の周波数を有する音
とは異なる周波数を少なくとも含む信号を検出し、或い
は無音声区間におけるその信号を検出する基準音検出手
段を備え、前記所定の周波数を有する音に基づいてと
は、その所定の周波数を有する音のパワーレベルと前記
基準音検出手段により検出された信号のパワーレベルと
の比に基づいてであるとしてもよい。
【0018】また、本発明の補聴器は、前記音入力手段
により入力された音から、前記所定の周波数を有する音
とは異なる周波数を少なくとも含む信号を検出し、或い
は無音声区間におけるその信号を検出する基準音検出手
段を備え、前記所定の周波数を有する音に基づいてと
は、その所定の周波数を有する音のパワーレベルと前記
基準音検出手段により検出された信号のパワーレベルと
の比が所定の基準を満足する期間に基づいてであるとし
てもよい。
【0019】また、本発明の補聴器は、前記所定音検出
手段により検出される所定の周波数を有する音に基づい
て、その所定の周波数を有する音の有無を当該補聴器の
装着者に知らせる所定音検出通知手段を備えたとしても
よい。なお、前記所定音検出通知手段は、振動又は可視
光を用いて、前記音の有無を当該補聴器の装着者に知ら
せるとしてもよい。
【0020】本発明は、音を入力する音入力手段と、そ
の音入力手段により入力された音を増幅する増幅手段
と、その増幅手段により増幅された音を出力する音出力
手段と、前記音入力手段により入力された音から所定の
周波数を有する音を検出する所定音検出手段と、前記所
定の周波数を有する音に基づいて、前記音入力手段と前
記増幅手段との間又は前記増幅手段と前記音出力手段と
の間のどちらか一方に、前記所定の周波数を有する音を
減衰させるフィルタを介在させるか否かの制御を行う制
御手段とを備えたことを特徴とする補聴器である。
【0021】なお、本発明の前記所定の周波数を有する
音に基づいてとは、その所定の周波数を有する音のパワ
ーレベルに基づいてであるとしてもよい。
【0022】また、本発明の前記所定の周波数を有する
音に基づいてとは、その所定の周波数を有する音のパワ
ーレベルが所定の値を満足する期間に基づいてであると
してもよい。
【0023】また、本発明の補聴器は、前記音入力手段
により入力された音から、前記所定の周波数を有する音
とは異なる周波数を少なくとも含む信号を検出し、或い
は無音声区間におけるその信号を検出する基準音検出手
段を備え、前記所定の周波数を有する音に基づいてと
は、その所定の周波数を有する音のパワーレベルと前記
基準音検出手段により検出された信号のパワーレベルと
の比に基づいてであるとしてもよい。
【0024】また、本発明の補聴器は、前記音入力手段
により入力された音から、前記所定の周波数を有する音
とは異なる周波数を少なくとも含む信号を検出し、或い
は無音声区間におけるその信号を検出する基準音検出手
段を備え、前記所定の周波数を有する音に基づいてと
は、その所定の周波数を有する音のパワーレベルと前記
基準音検出手段により検出された信号のパワーレベルと
の比が所定の基準を満足する期間に基づいてであるとし
てもよい。
【0025】また、本発明の補聴器は、前記所定音検出
手段により検出される所定の周波数を有する音に基づい
て、その所定の周波数を有する音の有無を当該補聴器の
装着者に知らせる所定音検出通知手段を備えたとしても
よい。なお、前記所定音検出通知手段は、振動又は可視
光を用いて、前記音の有無を当該補聴器の装着者に知ら
せるとしてもよい。
【0026】
【0027】なお、本発明の前記所定の情報とは、前記
装着者の正面が音声の方向を向いているかどうか示す情
報であるとしてもよい。
【0028】また、前記所定の情報とは、前記装着者が
所定時間以上目を閉じているかどうかを示す情報である
としてもよい。
【0029】また、前記所定の情報とは、前記装着者の
視線が音声の方向を向いているかどうか示す情報である
としてもよい。
【0030】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照しながら説明する。
【0031】本発明の補聴器に係る第1の実施の形態
を、その構成図である図1を参照しながら説明する。図
1において、101は、入力音をアナログ−デジタル変
換するA/D変換器である。102は、そのA/D変換
された入力音から無音声区間を検出する無音声区間検出
器である。103は、無音声区間検出器102により検
出された無音声区間における音のパワーレベルを計測す
る無音声レベル検出器である。104は、そのA/D変
換された入力音のパワーレベルを計測する入力音レベル
検出器である。105は、入力音レベル検出器104に
より計測されたパワーレベルと無音声レベル検出器10
3により計測されたパワーレベルの比を求める演算制御
回路である。
【0032】106は、本実施の形態の補聴器を装着し
ている装着者の聴覚特性に応じて、そのA/D変換され
た音の周波数と時間の特性を変更するための音声特性処
理装置である。この音声特性処理装置106には、予め
その装着者の聴覚特性が入力されている。107は、音
声特性処理装置106により変更された特性を有するA
/D変換された入力音に基づいて、合成音を作るための
音声合成器である。
【0033】108は、演算制御回路105により求め
られた比に基づき、音声合成器107により作られた合
成音のパワーレベルを増幅する増幅器である。109
は、その装着者に出力音を出すために、増幅器108に
より増幅された合成音をデジタル−アナログ変換するD
/A変換器である。
【0034】但し、図1には示されていないが、A/D
変換器101の入力の前には低域フィルタが配置され、
またD/A変換器109の出力の後には低域フィルタが
配置される。
【0035】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。
【0036】A/D変換器101は、入力音をA/D変
換し、それを音声特性処理装置106に出力する。音声
特性処理装置106は、スペクトルサブトラクション法
という公知の方法を用いて、音声区間に含まれる環境雑
音を抑圧し、そして装着者の聴覚特性に応じて、A/D
変換された入力音の周波数と時間の特性を変更する。音
声合成器107は、音声特性処理装置106により処理
された信号を受信し、それとDFT(Discrete Fourier Tra
nsform)又はLPC(Linear Predictive Coding)という公知
の合成方法を用いて合成音を作る。
【0037】A/D変換器101により変換された入力
音は、無音声区間検出器102に入力される。無音声区
間検出器102は、短時間零交差数(Short-Time Avera
geZero-Crossing Rate)という公知技術を用いて、無音
声区間を検出する。
【0038】その短時間零交差数は、A/D変換器10
1により変換された入力音の連続したサンプル対を比較
することにより、符号変化(零交差)が存在するか否か
を判断し、そしてその零交差を設定時間間隔で累積する
方法である。入力音に音声が含まれる場合の短時間零交
差数は、入力音に音声が含まれない場合の無音声区間よ
りも高い値を示す。そこで、本実施の形態では、音声区
間における短時間零交差数に基づいて予め設定されてい
るしきい値(例えば、その値は、音声区間の零交差が無
音声区間の零交差より5倍大きくなるようにプリセット
されている。)よりも、解析区間の短時間零交差数の方
が小さい場合には、その解析区間を無音声区間である
と、無音声区間検出器102に判断させるものとする。
【0039】演算制御回路105は、入力音レベル検出
器104により計測されたパワーレベルと無音声レベル
検出器103により計測されたパワーレベルとから、比
(F1/Fenv)を求める。
【0040】その比が予め決められた所定の設定値(例
えば20dB)よりも小さい場合は、相対的な雑音レベルが
高いと判断できるため、増幅器108の利得は下げられ
る。これにより、装着者に対する音のパワーレベルが下
がり、レベルの高い雑音を含んだ不快な音が、装着者に
加わらないようにすることができる。他方、その比がそ
の所定の設定値よりも大きい場合には、相対的な雑音レ
ベルが低いと判断できるため、増幅器108の利得は通
常の値に設定される。D/A変換器109は、このよう
に利得が設定されて増幅された信号をD/A変換する。
【0041】以上のように、本実施の形態によれば、入
力音のパワーレベルと無音声区間における音のパワーレ
ベルとの比に基づいて、相対的な雑音レベルが高い場合
には増幅器の利得を下げることにより、過度に増幅され
た雑音による不快な音が装着者に加わらないようにする
ことができる。
【0042】なお、本実施の形態では、短時間零交差数
の方法を用いることにより検出された無音声区間に基づ
いて、出力音に含まれる相対的な雑音レベルの高低を判
断するものとしたが、必ずしもこれに限らず、入力音に
含まれる低域周波数と高域周波数のパワーレベルの比
や、分析した音の周波数スペクトルの概形の情報等に基
づいて、出力音に含まれる相対的な雑音レベルの高低を
判断するとしてもよい。
【0043】本発明の補聴器に係る第2の実施の形態
を、その構成図である図2を参照しながら説明する。図
2において、101は、入力音をアナログ−デジタル変
換するA/D変換器である。102は、そのA/D変換
された入力音から無音声区間を検出する無音声区間検出
器である。103は、無音声区間検出器102により検
出された無音声区間における音のパワーレベルを計測す
る無音声レベル検出器である。
【0044】106は、本実施の形態の補聴器を装着し
ている装着者の聴覚特性に応じて、そのA/D変換され
た入力音の周波数と時間の特性を変更するための音声特
性処理装置である。この音声特性処理装置106には、
予めその装着者の聴覚特性が入力されている。107
は、音声特性処理装置106により変更された特性を有
するA/D変換された入力音に基づき、合成音を作るた
めの音声合成器である。108は、音声合成器107に
より作られた合成音のパワーレベルを増幅するための増
幅器である。
【0045】201は、無音声レベル検出器103によ
り検出された無音声区間における音のパワーレベルに基
づいて、増幅器108により増幅された合成音のオンオ
フを行う出力スイッチである。109は、装着者に出力
音を出力するために、出力スイッチ201のオンにより
出力される増幅された信号をデジタル−アナログ変換す
るD/A変換器である。
【0046】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。
【0047】A/D変換器101は、入力音をA/D変
換し、それを音声特性処理装置106に出力する。音声
特性処理装置106は、スペクトルサブトラクション法
という公知の方法を用いて、音声区間に含まれる環境雑
音を抑圧し、そして装着者の聴覚特性に応じて、A/D
変換された入力音の周波数と時間の特性を変更する。音
声合成器107は、音声特性処理装置106により処理
された信号を受信し、それとDFT(Discrete Fourier Tra
nsform)又はLPC(Linear Predictive Coding)という公知
の合成方法を用いて合成音を作る。増幅器108は、音
声合成器107により作られた合成音のパワーレベルを
増幅する。
【0048】また、A/D変換器101により変換され
た入力音は、無音声区間検出器102に入力される。無
音声区間検出器102は、第1の実施の形態と同様に、
短時間零交差数という公知技術を用いて、無音声区間を
検出する。無音声レベル検出器103は、無音声区間に
おける音のパワーレベルを計測する。
【0049】無音声レベル検出器103により計測され
た無音声区間のパワーレベルが、予め決められた設定値
(例えば、20dB)よりも大きい場合には、雑音が多いと
判断することにして、出力スイッチ201はオフの状態
にされる。これにより、雑音を多く含んだ不快な音が、
装着者に加わらないようにすることができる。他方、無
音声区間における音のパワーレベルが、その設定値より
も小さい場合には、雑音は少ないと判断することにし
て、出力スイッチ201はオンの状態にされる。
【0050】D/A変換器109は、出力スイッチ20
1がオンの時に、増幅器108により増幅された合成音
をD/A変換する。
【0051】以上のように、本実施の形態によれば、無
音声区間における音のパワーレベルに基づいて、環境音
に雑音が多く含まれている場合には、出力スイッチ20
1をオフの状態にすることによって、過度に増幅された
雑音による不快な音が装着者に加わらないようにするこ
とができる。
【0052】本発明の補聴器に係る第3の実施の形態
を、その構成図である図3を参照しながら説明する。本
実施の形態の補聴器は、入力音に含まれる環境音の中
に、警告音が突然飛び込んで来る場合に効果を発揮する
ものである。一般的な警告音としては、救急車、消防
車、パトロールカー等により出されるサイレン、そして
横断歩道における横断可能時の合図音等がある。これら
警告音は、特定の周波数に、通常の環境音のレベルに比
べ著しく強いパワーを持った音であり、特定の時間周波
数構造を有している。本実施の形態における警告音と
は、図4(b)に示すように、F1 [Hz] の周波数又はそ
の周波数を中心とするある帯域幅からなる音であるとす
る。
【0053】301は、音を取り込むためのマイクであ
る。302は、マイク301によって取り込まれた音を
周波数分析するためのフィルタバンクである。303
は、フィルタバンク302により分析された周波数F1の
パワーレベルを計測するパワー計測器である。304
は、周波数F1を有する警告音には含まれない所定の周波
数Fenv [Hz] を検出し、その区間における周波数Fenvの
パワーレベルを計測する基準パワー計測器である。30
5は、パワー計測器303により計測された周波数F1の
パワーレベルと基準パワー計測器304により計測され
た周波数Fenvのパワーレベルとの比(F1/Fenv)を求め
る演算制御回路である。
【0054】306は、マイク301により取り込まれ
た音を遅延させる遅延回路である。これは、フィルタバ
ンク302、パワー計測器303、基準パワー計測器及
び演算制御回路305による処理時間を補償するための
ものである。307は、周波数F1を有する警告音を除去
するための周波数F1に対応したフィルタである。308
は、演算制御回路305により求められた比と基準パワ
ー計測器304により計測された周波数Fenvのパワーに
基づいて、遅延回路306により遅延された音を受け取
ってそれを音声特性処理装置309に出力するか、フィ
ルタ307を通過した信号を受け取ってそれを音声特性
処理装置309に出力するか、或いは、どちらの信号も
受け取らずに信号も出力しないかの何れかを選択する選
択回路である。
【0055】309は、補聴器を装着している装着者の
聴覚特性に応じて、選択回路308から出力される信号
の周波数と時間の特性を変更するための音声特性処理装
置である。この音声特性処理装置309には、予めその
装着者の聴覚特性が入力されている。310は、音声特
性処理装置309により特性変更された信号に基づい
て、合成音を作るための音声合成器である。311は、
音声合成器310により作られた合成音を増幅する増幅
器である。
【0056】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。
【0057】マイク301は音を取り込む。遅延回路3
06は、マイク301により取り込まれた音を遅延す
る。フィルタ307は、遅延回路306により遅延され
た音から周波数F1を有する警告音を減衰させる。
【0058】またマイク301により取り込まれた音
は、フィルタバンク302により周波数分析される。フ
ィルタバンク302により周波数分析された信号のう
ち、F1の周波数を中心とする帯域の信号成分は、パワー
計測器303に出力され、そこでその周波数F1のパワー
が計測される。またフィルタバンク302により周波数
分析された信号のうち、Fenvの周波数を中心とする帯域
の信号成分は、基準パワー計測器304に出力され、そ
こで周波数Fenvのパワーレベルが計測される。演算制御
回路305は、パワー計測器303により計測された周
波数F1のパワーレベルと、基準パワー計測器304によ
り計測された周波数Fenvのパワーレベルとから、比(F1
/Fenv)を求める。
【0059】演算制御回路305により求められた比
が、予め設定した値(例えば 5.0)よりも大きい場合、
マイク301により取り込まれた音に警告音が含まれて
いると判断する。この場合、選択回路308は、フィル
タ307を通過した信号を選択し、それを音声特性処理
装置309に送出する。
【0060】演算制御回路305により求められた比
が、その設定した値よりも小さく、かつ、パワー計測器
304により計測された周波数Fenvのパワーレベルが所
定の値(例えば100dBSPL)よりも小さい場合、警告音を
除く環境音は余り大きくなく、そして警告音は存在して
いないと判断する。この場合、選択回路308は、遅延
回路306により遅延された音を選択し、それを音声特
性処理装置309に送出する。
【0061】パワー計測器304により計測された周波
数Fenvのパワーがその所定の値よりも大きい場合、警告
音の有無に関わらず、環境音に含まれる雑音が多いと判
断する。この場合、選択回路308は、フィルタ307
を通過した信号も遅延回路306により遅延された音も
選択せず、何れの信号も音声特性処理装置309に送出
しない。
【0062】音声特性処理装置309は、装着者の聴覚
特性に応じて、選択回路308により送出された信号の
周波数と時間の特性を変更する。音声合成器310は、
音声特性処理装置309により処理された信号を受け取
り、合成音を作る。増幅器311は、音声合成器310
により作られた合成音のパワーレベルを増幅する。
【0063】以上のように、本実施の形態の補聴器は、
演算制御回路305により求められた比と基準パワー計
測器304により計測された周波数Fenvのパワーレベル
に基づいて、入力音に含まれる環境音の中に、警告音が
突然飛び込んで来る場合、その入力音に含まれる警告音
を減衰させる等の処理が可能であり、過度に増幅された
警告音等による不快な音が装着者に加わらないようにす
ることができる効果を有する。
【0064】なお、本実施の形態では、演算制御回路3
05は、周波数F1を有する警告音には含まれない所定の
周波数Fenvにおけるパワーレベルを、比の基準として用
いたが、必ずしもこれに限らず、周波数F1を有する警告
音には含まれない複数の特定の周波数に基づくパワーレ
ベルをその基準として用いてもよく、周波数F1を有する
警告音の全部又は一部を含む所定の周波数帯域における
パワーレベルをその基準として用いてもよく、また第1
の実施の形態と同様に、周波数分析を適用しないマイク
301により取り込まれた音のパワーレベルをその基準
にしてもよい。
【0065】また、本実施の形態では、基準パワー計測
器304は、無音声区間を求めずにパワーレベルを計測
するとしたが、必ずしもこれに限らず、基準パワー計測
器304は、無音声区間を求めた後に、その区間におけ
るパワーレベルを計測するとしてもよい。
【0066】また、本実施の形態では、フィルタバンク
302を用いて、マイク301により取り込まれた音を
周波数分析するとしたが、必ずしもこれに限らず、FFT,
フィルタ分析等の周波数分析手法を用いて、その音を周
波数分析するとしてもよい。
【0067】また、本実施の形態では、演算制御回路3
05は、パワー計測器303により計測された周波数F1
のパワーレベルと基準パワー計測器304により計測さ
れた周波数Fenvのパワーレベルとの比を求めるとした
が、必ずしもこれに限らず、演算制御回路305は、パ
ワー計測器303により計測された周波数F1のパワーレ
ベルと基準パワー計測器304により計測された周波数
Fenvのパワーレベルとの差を求めるとしてもよい。
【0068】本発明の補聴器に係る第4の実施の形態
を、その構成図である図5を参照しながら説明する。本
実施の形態における警告音とは、図4(b)に示すよう
に、F1[Hz]の周波数又はその周波数を中心とするある帯
域幅からなる音であるとする。図5において、301
は、音を取り込むためのマイクである。302は、マイ
ク301により取り込まれた音を周波数分析するための
フィルタバンクである。303は、フィルタバンク30
2により分析された周波数F1のパワーレベルを計測する
パワー計測器である。304は、第1の実施の形態と同
様にして、周波数F1を有する警告音には含まれない所定
の周波数Fenv [Hz] に対する無音声区間を検出し、そし
てその無音声区間における周波数Fenvのパワーレベルを
計測する基準パワー計測器である。305は、パワー計
測器303により計測された周波数F1のパワーレベルと
基準パワー計測器304により計測された無音声区間に
おける周波数Fenvのパワーレベルの比を求める演算制御
回路である。
【0069】306は、マイク301により取り込まれ
た音を遅延させる遅延回路である。これは、フィルタバ
ンク302、パワー計測器303、基準パワー計測器及
び演算制御回路305による処理時間を補償するための
ものである。307は、警告音を除去するための周波数
F1に対応したフィルタである。308は、演算制御回路
305により求められた比と基準パワー計測器304に
より計測された無音声区間における周波数Fenvのパワー
レベルに基づいて、遅延回路306により遅延された音
を受け取って、それを音声特性処理装置309に送出す
るか、フィルタ307を通過した信号を受け取って、そ
れを音声特性処理装置309に送出するか、或いは、ど
ちらの信号も受け取らずに信号を送出しないかの何れか
を選択する選択回路である。
【0070】309は、補聴器を装着している装着者の
聴覚特性に応じて、選択回路308から送出される信号
の周波数と時間の特性を変更するための音声特性処理装
置である。この音声特性処理装置309には、予めその
装着者の聴覚特性が入力されている。311は、音声特
性処理装置309により特性変更された信号を増幅する
増幅器である。310は、増幅器311により増幅され
た信号に基づいて、合成音を作るための音声合成器であ
る。501は、パワー計測器303により計測された周
波数F1のパワーレベルに基づいて、警告音が出ているこ
とを装着者に振動によって知らせるための振動子であ
る。
【0071】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。
【0072】マイク301は音を取り込む。遅延回路3
06は、マイク301により取り込まれた音を遅延す
る。フィルタ307は、遅延回路306により遅延され
た音から周波数F1を有する警告音を減衰させる。
【0073】またマイク301により取り込まれた音
は、フィルタバンク302により周波数分析される。フ
ィルタバンク302により周波数分析された信号のう
ち、F1の周波数を中心とする帯域の信号成分は、パワー
計測器303に送出され、そこでその周波数F1のパワー
レベルが計測される。またフィルタバンク302により
周波数分析された信号のうち、Fenvの周波数を中心とす
る帯域の信号成分は、基準パワー計測器304に送出さ
れ、そこで無音声区間における周波数Fenvのパワーレベ
ルが計測される。演算制御回路305は、パワー計測器
303により計測された周波数F1のパワーレベルと基準
パワー計測器304により計測された無音声区間におけ
る周波数Fenvのパワーレベルとから、比(F1/Fenv)を
求める。
【0074】その比が予め設定した値(例えば、5.0)
よりも大きい場合、マイク301により取り込まれた音
に警告音が含まれていると判断する。この場合、選択回
路308は、フィルタ307を通過した信号を選択し、
それを音声特性処理装置309に送出する。
【0075】その比がその設定した値よりも小さく、か
つパワー計測器304により計測された無音声区間にお
ける周波数Fenvのパワーレベルが、所定の値(例えば、
100dBspl) よりも小さい場合、警告音を除く環境音は
余り大きくなく、そして警告音が存在していないと判断
する。この場合、選択回路308は、遅延回路306に
より遅延された音を選択し、それを音声特性処理装置3
09に送出する。
【0076】パワー計測器304により計測された無音
声区間における周波数Fenvのパワーレベルがその所定の
値よりも大きい場合、警告音の有無に関わらず、環境音
に含まれる雑音が多いと判断する。この場合、選択回路
308は、フィルタ307を通過した信号も遅延回路3
06により遅延された音も選択せず、何れの信号も音声
特性処理装置309に送出しない。
【0077】音声特性処理装置309は、装着者の聴覚
特性に応じて、選択回路308から送出された信号の周
波数と時間の特性を変更する。増幅器311は、音声特
性処理装置309により特性変更された信号のパワーレ
ベルを増幅する。音声合成器310は、増幅器311に
より増幅された信号を受け取り、合成音を作る。
【0078】警告音は、その音の大小に関わらず、装着
者に何らかの形で知覚されるようにすることが望ましい
場合がある。そこで、本実施の形態では、パワー計測器
303により計測された周波数F1のパワーレベルに基づ
いて、警告音が発せられているかどうかを検出する。即
ち、パワー計測器303により計測された周波数F1のパ
ワーレベルが所定の値よりも大きければ、警告音が発せ
られているとする。この場合、振動子501を振動させ
ることにより、警告音が発せられていることを装着者に
知らせることができる。
【0079】以上のように、本実施の形態の補聴器は、
演算制御回路305により求められた比と基準パワー計
測器304により計測された無音声区間における周波数
Fenvのパワーレベルに基づいて、入力音に含まれる環境
音の中に、警告音が突然飛び込んで来る場合、その入力
音に含まれる警告音を減衰させる等の処理が可能であ
り、過度に増幅された警告音等による不快な音が装着者
に加わらないようにすることができる効果を有する。
【0080】また、本実施の形態の補聴器は、警告音が
発せられていることを装着者に知らせることができる。
【0081】なお、本実施の形態では、警告音が発せら
れていることを装着者に知らせるために振動子501を
用いるとしたが、必ずしもこれに限らず、可視光を用い
るとしてもよい。
【0082】また、本実施の形態では、演算制御回路3
05は、周波数F1を有する警告音には含まれない所定の
周波数Fenvにおけるパワーレベルを、その比の基準とし
て用いたが、必ずしもこれに限らず、周波数F1を有する
警告音には含まれない複数の特定の周波数に基づくパワ
ーレベルをその基準として用いてもよく、周波数F1を有
する警告音の全部又は一部を含む所定の周波数帯域にお
けるパワーレベルをその基準として用いてもよく、或い
は第1の実施の形態と同様に、周波数分析を適用しない
マイク301により取り込まれた音をその基準にしても
よい。
【0083】また、本実施の形態では、基準パワー計測
器304がパワーレベルを計測する前に無音声区間を求
め、その区間におけるパワーレベルを計測するものであ
るとしたが、必ずしもこれに限らず、無音声区間を求め
ずにパワーレベルを計測するとしてもよい。
【0084】また、本実施の形態では、フィルタバンク
302を用いて、マイク301により取り込まれた音を
周波数分析するとしたが、必ずしもこれに限らず、FFT,
フィルタ分析等の周波数分析手法を用いて、その音を周
波数分析するとしてもよい。
【0085】また、本実施の形態では、演算制御回路3
05は、パワー計測器303により計測された周波数F1
のパワーレベルと基準パワー計測器304により計測さ
れた無音声区間における周波数Fenvのパワーレベルとの
比を求めるとしたが、必ずしもこれに限らず、演算制御
回路305は、パワー計測器303により計測された周
波数F1のパワーレベルと基準パワー計測器304により
計測された無音声区間における周波数Fenvのパワーレベ
ルとの差を求めるとしてもよい。本発明の補聴器に係る
第5の実施の形態を、その構成図である図6を参照しな
がら説明する。本実施の形態における警告音とは、図4
(b)に示すように、F1[Hz]の周波数又はその周波数を
中心とするある帯域幅からなる音であるとする。図6に
おいて、301は、音を取り込むためのマイクである。
302は、マイク301により取り込まれた音を周波数
分析するためのフィルタバンクである。303は、フィ
ルタバンク302により分析された周波数F1のパワーレ
ベルを計測するパワー計測器である。304は、第1の
実施の形態と同様にして、周波数F1を有する警告音には
含まれない所定の周波数Fenv [Hz] に対する無音声区間
を検出し、その無音声区間における周波数Fenvのパワー
レベルを計測する基準パワー計測器である。305は、
パワー計測器303により計測された周波数F1のパワー
レベルから、基準パワー計測器304により計測された
無音声区間における周波数Fenvのパワーレベルを引いた
差を求める演算制御回路である。601は、その差が所
定の値より大きい場合におけるその継続期間の長さを求
める時間計測器である。
【0086】306は、マイク301により取り込まれ
た音を遅延させる遅延回路である。これは、フィルタバ
ンク302、パワー計測器303、基準パワー計測器及
び演算制御回路305による処理時間を補償するための
ものである。307は、警告音を除去するための周波数
F1に対応したフィルタである。308は、時間計測器6
01により求められた継続期間の長さと基準パワー計測
器304により計測された無音声区間における周波数Fe
nvのパワーレベルに基づいて、遅延回路306により遅
延された音を受け取り、それを音声特性処理装置309
に送出するか、フィルタ307を通過した信号を受け取
り、それを音声特性処理装置309に送出するか、或い
は、どちらの信号も受け取らずに信号を送出しないかの
何れかを選択する選択回路である。
【0087】309は、補聴器を装着している装着者の
聴覚特性に応じて、選択回路308から送出される信号
の周波数と時間の特性を変更するための音声特性処理装
置である。この音声特性処理装置309には、予めその
装着者の聴覚特性が入力されている。310は、音声特
性処理装置309により特性変更された信号に基づい
て、合成音を作るための音声合成器である。311は、
音声合成器310により作られた合成音を増幅する増幅
器である。
【0088】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。
【0089】マイク301は音を取り込む。遅延回路3
06は、マイク301により取り込まれた音を遅延す
る。フィルタ307は、遅延回路306により遅延され
た音から周波数F1を有する警告音を減衰させる。
【0090】また、マイク301により取り込まれた音
は、フィルタバンク302により周波数分析される。フ
ィルタバンク302により周波数分析された信号のう
ち、F1の周波数を中心とする帯域の信号成分は、パワー
計測器303に送出され、そこでその周波数F1のパワー
レベルが計測される。またフィルタバンク302により
周波数分析された信号のうち、Fenvの周波数を中心とす
る帯域の信号成分は、基準パワー計測器304に送出さ
れ、そこで無音声区間における周波数Fenvのパワーレベ
ルが計測される。演算制御回路305は、パワー計測器
303により計測された周波数F1のパワーレベルから、
基準パワー計測器304により計測された無音声区間に
おける周波数Fenvのパワーレベルを引いた差を求める。
時間計測器601は、演算制御回路305により求めら
れた差が所定の値より大きい場合におけるその継続期間
の長さを求める。
【0091】時間計測器601により求められた継続期
間の長さが、予め設定した値よりも長かった場合、マイ
ク301により取り込まれた音に警告音が含まれている
と判断する。この場合、選択回路308は、フィルタ3
07を通過した信号を選択して、それを音声特性処理装
置309に送出する。
【0092】時間計測器601により求められた継続期
間の長さが、その設定した値よりも長く、かつパワー計
測器304により計測された無音声区間における周波数
Fenvのパワーレベルが所定の値よりも小さい場合には、
警告音を除く環境音は余り大きくなく、そして警告音が
存在していないと判断する。この場合、選択回路308
は、遅延回路306により遅延された音を選択し、それ
を音声特性処理装置309に送出する。
【0093】パワー計測器304により計測された無音
声区間における周波数Fenvのパワーレベルが所定の値よ
りも大きい場合、警告音の有無に関わらず、環境音に含
まれる雑音が多いと判断する。この場合、選択回路30
8は、フィルタ307を通過した信号も遅延回路306
により遅延された音も選択せず、何れの信号も音声特性
処理装置309に送出しない。
【0094】選択回路308以降の動作については、図
3にかかる第3の実施の形態と同様である。
【0095】以上のように、本実施の形態の補聴器によ
れば、警告音の周波数構造とその継続時間という2つの
異なる特徴を用いることによって、その警告音をより確
実に検出することができるようになる。
【0096】なお、本実施の形態では、演算制御回路3
05は、パワー計測器303により計測された周波数F1
のパワーレベルと基準パワー計測器304により計測さ
れた無音声区間における周波数Fenvのパワーレベルとの
差を求めるとしたが、必ずしもこれに限らず、演算制御
回路305は、パワー計測器303により計測された周
波数F1のパワーレベルと基準パワー計測器304により
計測された無音声区間における周波数Fenvのパワーレベ
ルとの比を求めるとしてもよい。
【0097】また、本実施の形態では、時間計測器60
1は、周波数F1を有する警告音には含まれない所定の周
波数Fenvにおけるパワーレベルを、その差の基準として
用いたが、必ずしもこれに限らず、周波数F1を有する警
告音には含まれない複数の特定の周波数に基づくパワー
レベルをその基準として用いてもよく、周波数F1を有す
る警告音を含む所定の周波数帯域におけるパワーレベル
をその基準として用いてもよく、また第1の実施の形態
と同様に、周波数分析を適用しないマイク301により
取り込まれた音をその基準にしてもよい。
【0098】また、本実施の形態では、基準パワー計測
器304は、無音声区間におけるパワーレベルを求める
としたが、必ずしもこれに限らず、無音声区間を求めず
にパワーレベルを計測するとしてもよい。
【0099】また、本実施の形態では、フィルタバンク
302を用いて、マイク301により取り込まれた音を
周波数分析するとしたが、必ずしもこれに限らず、FFT,
フィルタ分析等の周波数分析手法を用いて、その音を周
波数分析するとしてもよい。
【0100】また、本実施の形態では、時間計測器60
1により求められた継続期間の長さが、予め設定した値
よりも長かった場合、マイク301により取り込まれた
音に警告音が含まれていると判断するとしたが、必ずし
もこれに限らず、時間計測器601により求められた継
続期間の長さが、予め設定した範囲内の長さである場
合、マイク301により取り込まれた音に警告音が含ま
れていると判断するとしてもよい。
【0101】本発明の補聴器に係る第6の実施の形態
を、その構成図である図7を参照しながら説明する。図
7において、701は、入力音をアナログ−デジタル変
換するA/D変換器である。702は、A/D変換器7
01により変換された入力音のスペクトル構造を求める
周波数特性計算機である。703は、そのA/D変換さ
れた入力音から無音声区間を検出する無音声区間検出器
である。704は、周波数特性計算機702及び無音声
区間検出器703の出力に基づいて、そのスペクトル構
造に含まれる環境音の雑音レベルを取り除くための演算
器である。705は、本実施の形態の補聴器を装着して
いる装着者の聴覚特性に応じ、演算器704の出力の周
波数と時間の特性を変更するためのスペクトル演算器で
ある。このスペクトル演算器705には、予めその装着
者の聴覚特性が入力されている。706は、スペクトル
演算器705により特性変更された信号に基づき、合成
音を作るための音声合成器である。
【0102】709は、装着者の正面が音声の方向を向
いているか否かの判定を行う方向判定装置である。
【0103】707は、方向判定装置709の判定に基
づいて、音声合成器706により作られた合成音を増幅
器710に送出するか否かの切り替えを行う出力スイッ
チである。710は、出力スイッチ707から送出され
た合成音を増幅する増幅器である。708は、装着者に
出力音を出すために、増幅器710により増幅された合
成音をデジタル−アナログ変換するD/A変換器であ
る。
【0104】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。
【0105】A/D変換器701は入力音をA/D変換
し、それを周波数特性計算機702と無音声区間検出器
703に送出する。周波数特性計算機702は、フィル
タ分析により、A/D変換器701によりA/D変換さ
れた入力音が、どのような周波数の音から構成されてい
るかを分析する。無音声区間検出器703は、第1の実
施の形態と同様にして、短時間零交差数という公知技術
を用いて、A/D変換器701により変換された入力音
から無音声区間を検出する。演算器704は、周波数特
性計算機702と無音声区間検出器703から送出され
る信号に基づいて、スペクトルサブトラクション法を用
いて、A/D変換器701により変換された入力音に含
まれる雑音の周波数スペクトルを推定することにより、
その入力音に含まれる雑音の除去を行う。スペクトル演
算器705は、装着者の聴覚特性に応じて、演算器70
4により雑音が抑圧された信号に対して、周波数と時間
の特性を変更する。音声合成器706は、スペクトル演
算器705により特性変更された信号を受け取り、それ
とDFT(DiscreteFourier Transform)又はLPC(LinearPred
ictive Coding) という公知の合成方法を用いて合成音
を作る。
【0106】以上の処理と並行して、方向判定装置70
9は、装着者の正面が音声の方向を向いているか否かの
判定を行う。本実施の形態における補聴器は、本来補聴
器が有する無指向性のマイクに加えて、それとは別に指
向性のマイクを有している。その補聴器が装着されてい
る場合、その指向性のマイクは、その装着者の正面の音
をひらうように取り付けられている。方向判定装置70
9は、その無指向性のマイクにより取り込まれた音とそ
の指向性のマイクにより取り込まれた音に基づき、装着
者の正面が音声の方向を向いているか否かを判断する。
即ち、その指向性のマイクにより取り込まれた音が、そ
の無指向性のマイクにより取り込まれた音のピークとほ
ぼ等しくなれば、装着者の正面は、音声の方向を向いて
いると判断する。また、この方法に限らず、音のパワー
レベルが最大となる方向を求める方法又はステレオマイ
クを利用する方法によっても実現できる。
【0107】出力スイッチ707は、方向判定装置70
9の判定に基づいて、音声合成器706により作られた
合成音を増幅器710に送出するか否かの切り替えを行
う。D/A変換器708は、装着者に出力音を出すた
め、出力スイッチ707から送出された合成音をデジタ
ル−アナログ変換する。
【0108】以上のように、本実施の形態では、装着者
が示す所定の情報を検出することによって、出力音を制
御することが可能となる。
【0109】なお、本実施の形態では、装着者の正面が
音声の方向を向いているか否かに基づいて、出力音を制
御するとしたが、必ずしもこれに限らず、装着者の視線
又は装着者の目の開き閉め等に基づいて、出力音を制御
するとしてもよい。
【0110】ところで、本発明の無音声区間は、全く音
声を含まない区間に限らず、第1の実施の形態のよう
に、しきい値により取り除かれなかった音声を含む区間
であってもよい。
【0111】また、上記実施の形態に関する図1、2、
3、5、6及び7において、補聴器装着者に音を出力す
るための手段(例えば、イヤホン)のブロックは省略さ
れている。その手段は、本発明の補聴器の音出力手段に
含まれる。
【0112】更に、上記実施の形態に関する図1、2及
び7において、音を入力するための手段(例えば、マイ
ク)のブロックは省略されている。その手段は、本発明
の補聴器の音入力手段に含まれる。
【0113】
【発明の効果】以上述べたこと明らかなように、本発明
の補聴器によれば、環境音に含まれる雑音に応じて補聴
器の出力を制御することができる。
【0114】また、本発明では、環境音に突然現れる警
告音を検出することにより、それを減衰させることが可
能となり、そのような音を増幅させることのない補聴器
を提供することが可能となる。
【0115】さらに、本発明は、装着者が示す所定の情
報に基づいて、補聴器の出力を制御することができる効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の補聴器に係る第1の実施の形態の構
成図
【図2】 本発明の補聴器に係る第2の実施の形態の構
成図
【図3】 本発明の補聴器に係る第3の実施の形態の構
成図
【図4】 警告音の周波数及び時間構造の例を示す図
【図5】 本発明の補聴器に係る第4の実施の形態の構
成図
【図6】 本発明の補聴器に係る第5の実施の形態の構
成図
【図7】 本発明の補聴器に係る第6の実施の形態の構
成図
【図8】 従来の補聴器の構成例を示すブロック図
【符号の説明】
101…A/D変換器 102…無音声区間検出器 103…無音声レベル検出器 104…入力音レベル検出器 105…演算制御回路 106…音声特性処理装置 107…音声合成器 108…増幅器 109…D/A変換器 201…出力スイッチ 301…マイク 302…フィルタバンク 303…パワー計測器 304…基準パワー計測器 305…演算制御回路 306…遅延回路 307…フィルタ 308…選択回路 309…音声特性処理装置 310…音声合成器 311…増幅器 501…振動子 601…時間計測器 701…A/D変換器 702…周波数特性計算機 703…無音声区間検出器 704…演算器 705…スペクトル演算器 706…音声合成器 707…出力スイッチ 708…D/A変換器 709…音源方向判定装置 710…増幅器

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音を入力する音入力手段と、 その音入力手段により入力された音を増幅する増幅手段
    と、 その増幅手段により増幅された音を出力する音出力手段
    と、 前記音入力手段により入力された音に基づいて、無音声
    区間に関する情報を検出する無音声区間情報検出手段
    と、 前記音入力手段により入力された音及び前記無音声区間
    に関する情報に基づいて、或いは前記無音声区間に関す
    る情報に基づいて、前記増幅手段の増幅率を変更し又は
    前記音出力手段により出力される音の出力を開閉する制
    御手段とを備え、 前記制御手段は、前記音入力手段により入力された音の
    パワーレベルと前記無音声区間における音のパワーレベ
    ルとの比に基づいて、前記増幅手段の増幅率を変更し又
    は前記音出力手段により出力される音の出力を開閉する
    補聴器。
  2. 【請求項2】 音を入力する音入力手段と、 その音入力手段により入力された音を増幅する増幅手段
    と、 その増幅手段により増幅された音を出力する音出力手段
    と、 前記音入力手段により入力された音から所定の周波数を
    有する音を検出する所定音検出手段と、 前記所定の周波数を有する音に基づいて、前記増幅手段
    の増幅率を変更し又は前記音出力手段により出力される
    音の出力を開閉する制御手段とを備えたことを特徴とす
    る補聴器。
  3. 【請求項3】 音を入力する音入力手段と、 その音入力手段により入力された音を増幅する増幅手段
    と、 その増幅手段により増幅された音を出力する音出力手段
    と、 前記音入力手段により入力された音から所定の周波数を
    有する音を検出する所定音検出手段と、 前記所定の周波数を有する音に基づいて、前記音入力手
    段と前記増幅手段との間又は前記増幅手段と前記音出力
    手段との間のどちらか一方に、前記所定の周波数を有す
    る音を減衰させるフィルタを介在させるか否かの制御を
    行う制御手段とを備えたことを特徴とする補聴器。
  4. 【請求項4】 前記所定の周波数を有する音に基づいて
    とは、その所定の周波数を有する音のパワーレベルに基
    づいてであることを特徴とする請求項2又は3記載の補
    聴器。
  5. 【請求項5】 前記所定の周波数を有する音に基づいて
    とは、その所定の周波数を有する音のパワーレベルが所
    定の値を満足する期間に基づいてであることを特徴とす
    る請求項2又は3記載の補聴器。
  6. 【請求項6】 前記音入力手段により入力された音か
    ら、前記所定の周波数を有する音とは異なる周波数を少
    なくとも含む信号を検出し、或いは無音声区間における
    その信号を検出する基準音検出手段を備え、 前記所定の周波数を有する音に基づいてとは、その所定
    の周波数を有する音のパワーレベルと前記基準音検出手
    段により検出された信号のパワーレベルとの比に基づい
    てであることを特徴とする請求項2又は3記載の補聴
    器。
  7. 【請求項7】 前記音入力手段により入力された音か
    ら、前記所定の周波数を有する音とは異なる周波数を少
    なくとも含む信号を検出し、或いは無音声区間における
    その信号を検出する基準音検出手段を備え、 前記所定の周波数を有する音に基づいてとは、その所定
    の周波数を有する音のパワーレベルと前記基準音検出手
    段により検出された信号のパワーレベルとの比が所定の
    基準を満足する期間に基づいてであることを特徴とする
    請求項2又は3記載の補聴器。
  8. 【請求項8】 前記所定音検出手段により検出される所
    定の周波数を有する音に基づいて、その所定の周波数を
    有する音の有無を当該補聴器の装着者に知らせる所定音
    検出通知手段を備えたことを特徴とする請求項2、3、
    4、5、6又は7記載の補聴器。
  9. 【請求項9】 前記所定音検出通知手段は、振動又は可
    視光を用いて、前記音の有無を当該補聴器の装着者に知
    らせることを特徴とする請求項8記載の補聴器。
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