JP3345328B2 - 自動車用ホイールの研磨方法 - Google Patents

自動車用ホイールの研磨方法

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JP3345328B2 JP33890297A JP33890297A JP3345328B2 JP 3345328 B2 JP3345328 B2 JP 3345328B2 JP 33890297 A JP33890297 A JP 33890297A JP 33890297 A JP33890297 A JP 33890297A JP 3345328 B2 JP3345328 B2 JP 3345328B2
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稔 岡村
正昭 鎌田
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用ホイー
ル、特に鏡面の意匠面を有する鋳造アルミホイールの研
磨方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用ホイールは、自動車全体の外観
に密接に影響をおよぼす構成部品であり、自動車に装着
された際に人目にふれる表側の面(意匠面)が特に重要
視される。このため、意匠面に各種形状の窓や凹凸を形
成することによって、自動車用ホイールにデザイン的特
徴を持たせている。また、鏡状に輝く意匠面が好まれる
ので、アルミホイール素材の意匠面を羽布加工で滑らか
にしたうえにクリアー塗装した、いわゆる鏡面を有する
自動車用アルミホイールが主流になっている。
【0003】従来の自動車用アルミホイールの製造方法
を、図15の製造工程図で説明する。鋳造工程(図15
)で成形されたアルミホイール素材は、つぎの熱処理
工程(図15)で熱処理されたのち、後工程の機械加
工および羽布加工の下地処理を行う素材調整工程(図1
5)に移される。素材調整工程における加工法として
研磨布紙、グラインダを用いることもあるが、複雑な凹
凸を有する意匠面の全てを素材調整することは困難であ
る。研磨布紙、グラインダでは加工が困難な部分をも素
材調整するために、ショットブラスト等の加工法を用い
るのが一般的である。素材調整された後のアルミホイー
ル素材は、機械加工工程(図15)、乾式羽布荒加工
工程(図15)、乾式羽布仕上加工工程(図15
)、湿式羽布加工工程(図15)を経て、最後の塗
装工程(図15)で自動車用アルミホイールの製品に
仕上げられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自動車用アルミホイールの製造方法には大きな問題点が
ある。それは、素材調整に用いたショットブラスト等に
よりアルミホイール素材表面に加工硬化を生じるさせる
ことである。素材調整時に引き起こされたアルミホイー
ル素材表面の加工硬化により羽布加工が困難となり、羽
布加工に多くの時間と労力を要していた。こうした問題
点を避けるため、素材調整時に引き起こされるアルミホ
イール素材表面の加工硬化の程度があまり大きくならな
いように素材調整の加工程度を制限することとなり、羽
布加工の下地処理としての素材調整が不完全となってし
まう。
【0005】ところで、自動車用ホイール意匠面の加工
に液体ホーニング加工を適用したものとして、特開平7
−276148号、特開平7−275794号がある。
液体ホーニング加工はショットブラスト加工よりも加工
程度の調整が比較的容易ではあるが、前記2件の例では
羽布加工の下地処理を目的として羽布加工工程の前工程
に液体ホーニング加工を適用しているので、前述の加工
硬化の影響は避けられない。加工硬化の影響は、羽布加
工に要する時間の短縮を妨げたり自動車用ホイール意匠
面の仕上げ程度を低下させるといった問題点があった。
【0006】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、自動車用ホイール意匠面のデザイン自由度
を高めると共に、その製造効率を改善することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明は、羽布ホイールが届き難い部分の
加工に液体ホーニングを適用すると共に、自動車用ホイ
ールの意匠面の一部をマスキング治具で覆うことで、鏡
面に仕上げる領域と鋳造肌を美麗に仕上げる領域それぞ
れが単独に加工条件を追求できる製造工程としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、第1の発明で
は、緩やかな凸面を有した意匠面と意匠面中に複数設け
られた凹状の窓部とから構成された自動車用アルミホイ
ールの研磨方法であって、前記意匠面を乾式羽布加工に
よって仕上げた後引き続き湿式羽布加工を施して鏡面に
仕上げ、最終的に鏡面として残したい領域をマスキング
治具で覆ったうえで、羽布ホイールが届き難い窓の奥部
の加工に液体ホーニングを適用して、窓部の鋳造肌を美
麗に仕上げた後、マスキング治具を取外し、最後に塗装
して最終仕上げとした。
【0009】また、第2の発明では、前記意匠面を乾式
羽布加工によって仕上げた後、後工程において最終的に
鏡面に仕上げる領域をマスキング治具で覆ったうえで、
前記意匠面中の羽布ホイールが届き難い窓部の加工に液
体ホーニングを適用して窓部の鋳造肌を美麗に仕上げた
後、次いでマスキング治具を取外し湿式羽布加工を施
し、最後に塗装して最終仕上げとした。
【0010】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図14は本発明の実施例に係
り、図1は液体ホーニング装置の概略説明図、図2は第
1の発明の自動車用アルミホイールの製造工程図、図3
は第2の発明の自動車用アルミホイールの製造工程図、
図4は自動車用アルミホイール素材の羽布研磨加工領域
をマスキング治具で覆った状態を示す平面図、図5は図
4のA〜A断面図、図6は図4のB〜B断面図であって
自動車用アルミホイール素材の液体ホーニング加工を行
う領域を示す説明図、図7は図4のB〜B断面図であっ
て自動車用アルミホイール素材の加工面に対する液体ホ
ーニングの投射角度を示す説明図、図8は自動車用アル
ミホイールの形態を示す平面図であって素材調整を行う
領域を示す説明図、図9は自動車用アルミホイールの形
態を示す平面図であって液体ホーニング加工を行う領域
を示す説明図、図10は自動車用アルミホイールの形態
を示す平面図であって羽布研磨加工を行う領域を示す説
明図、図11は自動車用アルミホイールの形態を示す平
面図であってクリアー塗装を行う領域を示す説明図、図
12は自動車用アルミホイールの(a)は断面図,
(b)は(a)をC〜C矢視側より見た意匠面の裏面の
形態を示す平面図であって機械加工を行う領域を示す説
明図、図13はアルミホイール素材の意匠面を液体ホー
ニング加工した場合の仕上げ面の明るさと噴射時間の関
係を示すグラフ、図14はアルミホイール素材の意匠面
を液体ホーニング加工した場合の仕上げ面の明るさと研
磨剤の粒度の関係を示すグラフである。
【0011】まず、本発明で使用する液体ホーニング装
置について、以下に詳述する。液体ホーニング装置自体
は特殊な仕様のものを必要としない。図1は当該発明に
使用する液体ホーニング装置60の概略説明図であり、
加工室32およびホッパ35等からなる主要部、ならび
に、研磨液用混合液の廃液用のストレージタンク41か
ら構成されている。
【0012】前記加工室32にはロータリーテーブル3
3および噴射ガン34が内設されていて、前記ロータリ
ーテーブル33の上面に加工物を定着する構造となって
いる。また、加工物全体を均等に加工することを目的と
して、図示を省略した回転駆動装置によって前記ロータ
リーテーブル33を回転させる機構となっている。
【0013】前記加工室32の下方に配設された前記ホ
ッパ35の内部には、研磨用混合液として供給される構
成となっている。また、前記ホッパ35は、前記噴射ガ
ン34から噴射された研磨用混合液を回収し再使用する
タンクの役目を持っている。前記ホッパ35内の研磨用
混合液は、ポンプ37の作用により、配管ライン51お
よび配管ライン52を通って前記噴射ガン34に送られ
る構造となっている。
【0014】前記配管ライン52から分岐した配管ライ
ン53を通って、研磨用混合液の一部が、前記ホッパ3
5内の攪拌ソケット50に導かれる構造となっている。
前記攪拌ソケット50から噴出された研磨用混合液の作
用によって前記ホッパ35内の研磨用混合液全体が攪拌
され、研磨用混合液各部の混合比が一定となり良好な混
合状態を保つ構造となっている。
【0015】前記加工室32の上方にはコレクタ40が
配設されていて、前記加工室32内で生じた液体ホーニ
ング加工の噴霧粒子は前記コレクタ40内のフィルタ3
8によって除塵された後、排風機39によって機外に放
出される構造となっている。前記フィルタ38の目詰ま
りを防止するため、図示を省略した水源から水を適時に
送り前記フィルタ38を水洗する構造となっている。
【0016】図1には噴射ガン34が1個だけ描いてあ
るが、実際の液体ホーニング装置には複数の噴射ガン3
4が設けられている。加工物の形状によって、噴射ガン
34の数を選択して使用することができる構造となって
いる。また、加工物の形状によって、液体ホーニング加
工に適した位置および角度に噴射ガン34を定着できる
構造となっている。加工物全体を均等に加工することを
目的として、スイング装置36の作用によって、前記噴
射ガン34に図1中に示すような上下方向の揺動運動を
させる機構となっている。
【0017】また、前記噴射ガン34には図示を省略し
た圧縮空気源からの圧縮空気が送られ、前記噴射ガン3
4のノズルより圧縮空気により加速した研磨用混合液を
前記ロータリーテーブル33上の加工物に吹き付けて、
加工物の表面を加工する構造となっている。
【0018】つぎに、図2および図3に示す製造工程
図、ならびに、図8ないし図12の各加工領域を示す説
明図を用いて、以下に当該発明の自動車用アルミホイー
ルの製造の各主要工程の作用について説明する。
【0019】この実施例は、アルミニウム合金製の鋳造
品である自動車用アルミホイールについて本発明の技術
を適用するものである。なお、この明細書における意匠
面とは、自動車用アルミホイールを自動車に装着した場
合に車体の外側に向き、自動車の外観の一部を構成する
面を意味する。
【0020】鋳造工程(図2)では、鋳造金型内にア
ルミニウム合金の溶湯を注湯した後、これを冷却して取
り出すことによって自動車用アルミホイール素材1が得
られる。このようにして鋳造された自動車用アルミホイ
ール素材1は、熱処理工程(図2)で、例えば、溶体
化処理および時効処理等の熱処理を受ける。熱処理が完
了した自動車用アルミホイール素材1は、機械加工工程
(図2)に送られ、機械加工を行う領域4(図12
(b))に所定の機械加工を受ける。
【0021】機械加工終了後、自動車用アルミホイール
素材1は意匠面の羽布研磨の準備として素材調整工程
(図2)に送られる。素材調整工程は、後の工程で実
施する羽布研磨を効率よく実施できるように、また、羽
布研磨後の加工面の品質を安定させるために設けた羽布
研磨面の下地処理工程である。素材調整工程では、素材
調整を行う領域1a(図8)を、グラインダー等により
鋳造時に形成された黒皮部や前記熱処理に伴って形成さ
れたスケールを除去したり鋳肌面の凹凸を滑らかにす
る。なお、後述の液体ホーニング加工を行う領域1b
(図9)については、この素材調整は不要である。
【0022】このようにして、素材調整された自動車用
アルミホイール素材1の意匠面の内、羽布研磨加工を行
う領域1c(図10)は、次のような加工工程を経て所
要の鏡面に仕上げられる。
【0023】第1段階として、乾式羽布荒加工(図2
)および乾式羽布仕上加工(図2)を行う。乾式羽
布荒加工は、腰の強い研磨力を有するサイザル羽布、化
学繊維羽布等を用いて、研磨剤には酸化アルミニウムを
主成分とする粒径15〜70ミクロンのものを使用す
る。主に竪型研磨機を用いて、回転数500〜3000
rpmの加工条件で研磨加工する。つぎの乾式羽布仕上
加工は、鏡面加工の予備加工として前記の乾式羽布荒加
工を終了した加工面をより平滑にする。柔軟な素材製の
綿羽布、化学繊維羽布等を用いて、研磨剤には酸化アル
ミニウムを主成分とする粒径3〜10ミクロンのものを
使用する。主に竪型研磨機を用いて、回転数500〜3
000rpmの加工条件で研磨加工する。
【0024】つぎに、鏡面仕上げの第2段階の仕上加工
を行うが、仕上加工の工程の順序は、第1の発明と第2
の発明では異なっている。以下の説明では、基本的に第
1の発明を代表として説明することとする。
【0025】鏡面仕上げの第2段階の仕上加工として、
湿式羽布加工を行う。湿式羽布加工工程(図2)で
は、柔軟性に富んだスポンジ類または軟らかいゴム等製
の羽布を用いて、研磨剤には酸化アルミニウムを主成分
とする粒径0.3〜0.7ミクロンの球状に近いものを
使用して、光輝性を追求する。大きな粒径や多角形状の
研磨剤を使用すると、加工面に凹凸を生じたり加工に伴
う傷が生じて平滑な加工面が得られない。主に竪型研磨
機を用いて、回転数100〜250rpmの加工条件で
研磨加工する。
【0026】このようにして湿式羽布加工で研磨した意
匠面は、良好な鏡面となるが、羽布ホイールの届かない
窓の奥部の領域1b(図9)は、熱処理肌のまま残って
いる。マスキング治具取付工程(図2)では、羽布研
磨加工を済ませた領域1c(図10)を保護するととも
に窓の奥部の領域1b(図9)には液体ホーニング加工
が作用するように窓部形状に相当する穴をあけたマスキ
ング治具2を、図4、図5に示すようにアルミホイール
素材1の正しい位置に装着させる。
【0027】液体ホーニング加工工程(図2)では、
マスキング治具2を装着させたアルミホイール素材1
を、図1に示す液体ホーニング装置60のロータリーテ
ーブル33の中央に、ホイール素材1の意匠面を上側に
して載置させて、窓の奥部の領域1b(図9)を液体ホ
ーニング加工により美麗な鋳造肌に加工する。
【0028】次いで、液体ホーニング加工を済ませたア
ルミホイール素材1は、マスキング治具取外し工程(図
2)でマスキング治具2を取外される。最後の塗装工程
(図2)で、クリアー塗装を行う領域1d(図11)全
てににクリアー塗装をして完成した自動車用アルミホイ
ール製品となる。
【0029】図13に、液体ホーニング加工仕上げ面の
明るさは噴射時間によって変化することがわかるが、噴
射時間が長くなるにつれてして仕上げ面の明るさは次第
に暗から明に研磨されていく状態を示す。研磨剤粒度#
400のガラスビーズを研磨剤とした場合、図13に示
すように噴射時間90秒以上でアルミホイール素材1の
意匠面が所望の明るさとなって合格レベルとなることが
わかる。さらに、図14においては、液体ホーニング加
工仕上げ面の明るさは研磨剤粒度が小さくなるとアルミ
ホイール素材1の意匠面が充分に研磨されないので暗く
なり、逆に、研磨剤粒度が大きくなるとアルミホイール
素材1の意匠面が美麗に研磨されて明るくなることがわ
かる。図14からは、噴射時間を120秒とした場合#
600より大きい研磨剤粒度で合格レベルとなることが
わかる。
【0030】液体ホーニング加工仕上げ面の明るさは、
自動車用アルミホイールの質感に密接に影響する。液体
ホーニング加工仕上げ面の明るさは加工条件により大き
く異なるので、液体ホーニング加工の加工条件は品質管
理上重要である。液体ホーニング加工仕上げ面は噴射時
間が長くなるほど明るくなるが、生産性の観点から噴射
時間を無制限に長くはできない。実用上は、ある明るさ
以上を合格レベルとして品質管理するのが一般的であ
る。
【0031】自動車用アルミホイールの形状および液体
ホーニングの加工領域の広さによって液体ホーニングの
加工条件は多少異なるが、実施例での加工条件を以下に
示す。実施例では、液体ホーニングの研磨用混合液とし
て粒径50〜150ミクロンの微細なガラスビーズを懸
濁させた混合液を使用したが、前記研磨用混合液に使用
する研磨剤は、ガラスビーズに限らず、ステンレス粒
子、金剛砂、セラミック粒子等々でもよい。研磨剤の粒
径としては50〜300ミクロンのものが一般的に用い
られるが、光輝面を得るための研磨加工には、粒径50
〜150ミクロンのガラスビーズを研磨剤とした研磨用
混合液を使用するのが望ましい。液体ホーニング加工仕
上げ面の明るさと生産性の面から、研磨剤粒度を#40
0として噴射時間を90〜150秒とするのが望まし
く、さらに望ましくは噴射時間120秒が良い。処理面
となるアルミホイール素材1の表面と前記噴射ガン34
の距離は通常150〜250mmを採用する。図7中の
θで示す噴射角は20〜90°、望ましくは30〜60
°を採用し、ターンテーブルの回転数は15〜30rp
mを採用する。ターンテーブルの回転数が15rpm未
満では、処理面となるアルミホイール素材1の表面の一
部が強く加工されて全体の仕上がり程度にムラが生じた
り、長い噴射時間が必要になる。また、ターンテーブル
の回転数が30rpmを越えると処理面の奥まった窓の
部分を完全に加工できなくなる。ターンテーブルの回転
方向は、正回転と反回転を反復するのが望ましいが、一
定の回転方向でも良い。噴射ガン34に供給される圧縮
空気の圧力は通常3.5〜6.0Kgf/cm2を採用
し、望ましくは5Kgf/cm2を採用する。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、羽布ホイールが届き難い部分の加工に液体ホーニン
グを適用することによって、自動車用ホイール意匠面の
デザイン自由度を高めると共に、その製造効率を改善す
ることができる。
【0033】第1の発明では、マスキング治具を使用す
ることによって、自動車用アルミホイール意匠面の鏡面
に仕上げる領域と鋳造肌を美麗に仕上げる領域が相互に
加工上の影響を受けることがないようにしている。それ
ぞれの領域で単独に加工条件を追求することによって、
鏡面に仕上げる領域と鋳造肌を美麗に仕上げる領域の仕
上げ面の品質と生産性を最適にできる。しかも、鏡面に
仕上げる領域と鋳造肌を美麗に仕上げる領域の境界を、
希望する位置に明確に仕上げることができる。
【0034】また、第2の発明では、マスキング治具を
使用することによって、羽布加工で鏡面に仕上げる領域
は液体ホーニング加工の影響を全く受けない。その後マ
スキング治具を外して羽布加工によって鏡面を仕上げる
際には、加工硬化による硬度上昇のない表面を加工する
ことになるので、生産性低下やその他の特別の問題もな
く、容易に加工できる。鏡面に仕上げる領域と鋳造肌を
美麗に仕上げる領域が相互に加工上の影響を受けること
がなく、それぞれ単独に加工条件を追求できるのは、第
1の発明と同様である。第1の発明の場合と比較する
と、鏡面に仕上げる領域と鋳造肌を美麗に仕上げる領域
の境界を希望する位置に明確に仕上げることには適さな
い。しかし、鏡面に仕上げる領域と鋳造肌を美麗に仕上
げる領域の境界を明確にせず研磨面に連続性を持たせた
意匠面デザインの自動車用アルミホイール製造には、境
界の不明確さの程度を意図的に調整することができる第
2の発明の方が適している。
【0035】第1の発明、第2の発明共に、マスキング
治具の厚みを増すことによって、液体ホーニングの研磨
混合液吹き付けがマスキング治具端面付近の加工面には
当たり難くすることができる。あるいは、マスキング治
具端面角度を変えて窓部にせり出すようにすることによ
っても、液体ホーニングの研磨混合液吹き付けがマスキ
ング治具の端面付近の加工面には当たり難くすることが
できる。ただし、このようにした場合でも、マスキング
治具の端面から遠く離れた部分ではほとんど影響を受け
ない。液体ホーニングの研磨混合液の吹き付けが当たり
難くなる程度は、マスキング治具の端面に近づくほど大
きくなるので、鏡面に仕上げる領域と鋳造肌を美麗に仕
上げる領域の境界部分の明るさが徐々に変化するように
ぼかすことができる。また、マスキング治具の厚み、あ
るいはマスキング治具の端面角度を変えることによっ
て、前記境界部分のぼかしの幅を意図的に変えることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の液体ホーニング装置の概
略説明図である。
【図2】本発明に係る実施例の自動車用アルミホイール
の製造工程図である。
【図3】本発明に係る他の実施例の自動車用アルミホイ
ールの製造工程図である。
【図4】本発明の実施例に係る自動車用アルミホイール
素材の羽布研磨領域をマスキング治具で覆った状態を示
す平面図である。
【図5】図4のA〜A断面図である。
【図6】図4のB〜B断面図であって、液体ホーニング
加工を行う領域を示す説明図である。
【図7】図4のB〜B断面図であって、自動車用アルミ
ホイール素材の加工面に対する液体ホーニングの投射角
度を示す説明図である。
【図8】本発明に係る実施例の自動車用アルミホイール
の形態を示す平面図であって、素材調整を行う領域を示
す説明図である。
【図9】本発明に係る実施例の自動車用アルミホイール
の形態を示す平面図であって、液体ホーニング加工を行
う領域を示す説明図である。
【図10】本発明に係る実施例の自動車用アルミホイー
ルの形態を示す平面図であって、羽布研磨加工を行う領
域を示す説明図である。
【図11】本発明に係る実施例の自動車用アルミホイー
ルの形態を示す平面図であって、クリアー塗装を行う領
域を示す説明図である。
【図12】本発明に係る実施例の自動車用アルミホイー
ルの(a)は断面図,(b)は(a)をC〜C矢視側よ
り見た意匠面の裏面の形態を示す平面図であって、機械
加工を行う領域を示す説明図である。
【図13】本発明に係る実施例の液体ホーニング加工に
よる仕上げ面の明るさと噴射時間の関係を示すグラフで
ある。
【図14】本発明に係る実施例の液体ホーニング加工に
よる仕上げ面の明るさと研磨剤の粒度の関係を示すグラ
フである。
【図15】従来の自動車用アルミホイールの製造工程図
である。
【符号の説明】
1 自動車用アルミホイール素材 1a 素材調整を行う領域 1b 液体ホーニング加工を行う領域 1c 羽布研磨加工を行う領域 1d クリアー塗装を行う領域 2 マスキング治具 4 機械加工を行う領域 32 加工室 33 ロータリーテーブル 34 噴射ガン 35 ホッパ 36 スイング装置 37 ポンプ 38 フィルタ 39 排風機 40 コレクタ 50 攪拌ソケット 51 配管ライン 52 配管ライン 53 配管ライン 60 液体ホーニング装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−289194(JP,A) 特開 平6−91513(JP,A) 特開 平7−275794(JP,A) 特開 平7−276148(JP,A) 特開 平9−225789(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60B 3/00 B24B 1/00 B24B 29/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緩やかな凸面を有した意匠面と意匠面中
    に複数設けられた凹状の窓部とから構成された自動車用
    アルミホイールの研磨方法であって、 前記意匠面を乾式羽布加工によって仕上げた後引き続き
    湿式羽布加工を施して鏡面に仕上げ、最終的に鏡面とし
    て残したい領域をマスキング治具で覆ったうえで、羽布
    ホイールが届き難い窓の奥部の加工に液体ホーニングを
    適用して、窓部の鋳造肌を美麗に仕上げた後、マスキン
    グ治具を取外し、最後に塗装して最終仕上げとするよう
    にしたことを特徴とする自動車用ホイールの研磨方法。
  2. 【請求項2】 緩やかな凸面を有した意匠面と意匠面中
    に複数設けられた凹状の窓部とから構成された自動車用
    アルミホイールの研磨方法であって、 前記意匠面を乾式羽布加工によって仕上げた後、後工程
    において最終的に鏡面に仕上げる領域をマスキング治具
    で覆ったうえで、前記意匠面中の羽布ホイールが届き難
    い窓部の加工に液体ホーニングを適用して窓部の鋳造肌
    を美麗に仕上げた後、次いでマスキング治具を取外し湿
    式羽布加工を施し、最後に塗装して最終仕上げとするよ
    うにしたことを特徴とする自動車用ホイールの研磨方
    法。
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